JP4326001B2 - 発泡性樹脂積層金属板 - Google Patents

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本発明は、発泡性樹脂積層金属板に関するものである。
オイルパン、各種パネルなどの自動車用途、屋根、体育館の床材、階段などの建材用途、洗濯機、エアコン、オーディオなどの家電用途、その他の事務機器の用途などにおいて、制振性金属板が使用されている。従来使用されている制振性金属板には、樹脂層−金属板の二層構造の非拘束型金属板と、2枚の金属板を粘弾性樹脂で貼り合わせたサンドイッチ構造の拘束型金属板がある。これら非拘束・拘束型金属板は、曲げ振動によって樹脂が変形する際に、振動エネルギーを熱エネルギーに変換することにより、振動を減衰する作用を奏する。
例えば、特許文献1には、発泡性樹脂層/非発泡性樹脂層/硬質板をこの順に積層した制振性積層板が開示され、斯かる態様では、制振性積層板を所望の形状に塑性加工した後に、樹脂層を発泡させて制振性を発現させることができ、加工性と制振性とを両立できる。また、非発泡性樹脂層の損失係数が0.05〜5である場合には、発泡性樹脂層の発泡による高い剛性によって、拘束型制振構造として機能することが開示されている。
特開2004−42649号公報
上記のような制振積層板は、(曲げ)加工などによって発泡性樹脂層が剥離することはないが、樹脂層を発泡させて制振性を付与すると、発泡性樹脂層が剥離するという問題が生じ、特に発泡性樹脂層を下方側に配置して使用する場合には、発泡性樹脂層が剥離して落下する虞もある。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、樹脂層を発泡させた後でも、発泡性樹脂層が剥離するのを抑制できる発泡性樹脂積層金属板を提供することを目的とする。
上記課題を解決することのできた本発明の発泡性樹脂積層板は、金属板と接着剤層と発泡性樹脂層とを有する発泡性樹脂積層金属板であって、金属板と発泡性樹脂層との間に、金属板側から順に前記接着剤層と非発泡性樹脂層とを設けたことを特徴とする。すなわち、本発明の発泡性樹脂金属板は、金属板と発泡性樹脂層との間に非発泡性樹脂層を設けて、非発泡性樹脂の緩衝作用を利用するところに要旨がある。
本発明者らが、上記課題について鋭意検討した結果、発泡性樹脂層の剥離は、次のような機構によって生じているものと推定された。上記のような制振性金属板には、通常、発泡性樹脂層(通常、非極性の樹脂層)と金属板(極性材料)との接着性が低いことから、接着性を高めるために、発泡性樹脂層と金属板との間に接着剤層が設けられている。しかしながら、制振性を付与するために樹脂層を発泡すると、発泡性樹脂層と金属板との接着界面において樹脂層が形状変化してしまうので、斯かる形状変化に金属板が追随することができず、樹脂層と金属板との界面接着面積が低下したり、或いは、樹脂層と金属板とが剥離するような剪断力が生じて、発泡性樹脂層が剥離するものと考えられる。
そこで本発明では、金属板と接着剤層と発泡性樹脂層とを有する発泡性樹脂積層金属板において、金属板と発泡性樹脂層との間に、金属板側から順に接着剤層と非発泡性樹脂層とを設ける構成とした。斯かる構成とすることで、発泡性樹脂層が発泡時に形状変化しても、非発泡性樹脂層が界面の形状変化に追随し得るため、発泡性樹脂層との接着性が低下することなく、発泡性樹脂層が剥離してしまうのを抑制できたのである。
なお、上記発泡性樹脂層と非発泡性樹脂層との接着性を向上させるためには、前記発泡性樹脂の樹脂成分の溶解性パラメータをSP1とし、前記非発泡性樹脂層の樹脂成分の溶解性パラメータをSP2としたときに、前記SP1とSP2とが、0.6<SP1/SP2<1.7を満足するものであることが推奨される。また。前記非発泡性樹脂層と前記発泡性樹脂層との間に、第二の接着剤層が設けられていれば、非発泡性樹脂層と発泡性樹脂層間の接着性を一層高めることができるので好ましい。
前記金属板は、アルミ板、鋼板、銅板よりなる群から選択されるものであるのが好ましく、また、前記発泡性樹脂または非発泡性樹脂成分が、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタンよりなる群から選択される少なくとも1種であるのが望ましい。
さらに、前記非発泡性樹脂層が、制振性樹脂成分を含有するものであることも本発明の好ましい実施態様である。
本発明の発泡性樹脂積層金属板は、発泡後における発泡性樹脂層の剥離を抑制するのに効果的である。また、発泡性樹脂層が剥離することがないので、制振性を長期に亘って維持できる。
本発明の発泡性樹脂積層金属板は、金属板と接着剤層(第一の接着剤層)と発泡性樹脂層とを有する発泡性樹脂積層金属板であって、金属板と発泡性樹脂層との間に、金属板側から順に前記接着剤層と非発泡性樹脂層とを設けたことを特徴とするものである。
まず、本発明における発泡性樹脂層、及び、非発泡性樹脂層について説明する。本発明における発泡性樹脂層は、加熱処理などの外部からの刺激により発泡する発泡性成分を含有する樹脂層であれば特に限定されず、例えば、前記発泡性成分を含有する樹脂フィルムを使用するのが好適である。尚、発泡性樹脂樹脂積層板の製造工程を簡略化する観点からは、上記発泡性成分が加熱処理により発泡するものであるのが好ましい。
前記発泡性成分としては、有機発泡剤、無機発泡剤のいずれも使用可能である。有機発泡剤としては、例えば、アゾ化合物、ニトロソ化合物、スルホニルヒドラジド化合物およびその他の化合物などの使用が可能であり、具体的には、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸バリウム、アゾビスイソブチロニトリル、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p−トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ヒドラゾジカルボンアミド、ジフェニルスルホン−3,3−ジスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジノトリアジン、ビウレアなどが挙げられる。無機発泡剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸亜鉛など、さらには熱膨張性マイクロカプセルなどが挙げられる。これらの発泡性成分の中でも、120℃以上、より好ましくは150℃以上に加熱することにより発泡するものが好ましい。尚、上記発泡性成分は1種を単独で使用してもよく、また、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記発泡性成分は、発泡性樹脂層の樹脂成分中1〜10質量%含まれるのが好ましく、より好ましくは2〜5質量%である。
前記発泡性樹脂層の樹脂成分は、特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ゴムなどを挙げることができ、特に好ましくは、ポリオレフィン系樹脂である。剛性の高いポリオレフィン系樹脂を使用することによって、得られる樹脂積層金属板の剛性を高めることができる。また、剛性の高いポリオレフィン系樹脂層は、金属板/発泡性樹脂層間の接着層或いは非発泡性樹脂層が拘束型制振層である場合には、拘束型制振板における第二の金属板の代替部材と考えることができ、得られる樹脂積層金属板が、拘束型制振板と同様の制振作用を発現するものと考えられる。また、金属板/発泡性樹脂層間の接着層或いは非発泡樹脂層が制振性付与層でなくても発泡性樹脂層の発泡により、発泡性樹脂層自体が非拘束型制振材としての役割を果たすと考えられる。
前記ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン若しくはマレイン酸などを共重合した変性ポリプロピレン系樹脂などを挙げることができる。また、前記ゴムとしては、エチレン‐プロピレンの二元共重合体(EPR)や三元共重合体(EPDM)などを挙げることができる。
前記発泡性樹脂層の発泡前の膜厚は、特に限定されるものではないが、50μm以上、より好ましくは100μm以上であることが望ましい。膜厚は薄いほど望ましいが、上記下限に満たない場合には、発泡により発生するガスを封じ込めることができず発泡効果が低下するからである。前記膜厚の上限は、積層板の加工性を高めるという観点から、2mm以下、より好ましくは1.5mm以下とすることが望ましい。
前記発泡性樹脂層は、加熱処理により発泡するが、発泡後の樹脂層の膜厚は、通常、1mm以上、より好ましくは2mm以上であることが望ましい。また、発泡後の樹脂層の膜厚の上限は、厚いほど望ましいが、通常、30mm程度である。
次に、本発明における非発泡性樹脂層について説明する。前記非発泡性樹脂層は、樹脂成分を主成分とし、加熱などの外部からの刺激により発泡する発泡性成分を実質的に含まない層であれば特に限定されない。前記非発泡性樹脂層の樹脂成分としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、若しくは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂などを挙げることができ、特に好ましくはポリプロピレン系樹脂である。
また、上記ポリオレフィン系樹脂などは、比較的剛性が高く、制振性が低い材料であることから、非発泡性樹脂層が上記樹脂成分に加えて、さらに、制振性を有する樹脂を含有することも好ましい態様である。制振性を有する樹脂の配合により非発泡性樹脂層の弾性率が低下して、加工時における非発泡性樹脂層の接着性の低下や破断を防止できる。前記制振性を有する樹脂としては、粘弾性を測定したときに20℃、500Hzの条件におけるtanδが0.05以上の樹脂成分、より好ましくはtanδが0.1以上の樹脂成分を挙げることができ、例えば、粘弾性を測定したときに20℃、500Hzの条件におけるtanδが0.05以上のスチレン‐ブタジエン‐スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン‐イソプレン‐スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン‐エチレン・ブチレン‐スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン‐エチレン・プロピレン‐スチレンブロック共重合体(SEPS)などのポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、天然ゴム、合成ゴムなどを挙げることができる。
尚、上記tanδは、例えば次のようにして算出することができる。粘弾性測定装置DMS110(セイコーインスツルメンツ製)を用いて、周波数条件1〜100Hz(1、2、5、10、20、50、100Hzの7種類)、温度範囲−50〜200℃(昇温速度2℃/min.)で測定し、20℃、1〜5000Hzの複素弾性係数(E′、E″)、tanδのマスターカーブを作成し、20℃、500Hzにおけるtanδを算出する。
前記非発泡性樹脂層の膜厚は、特に限定されないが、2mm以下、より好ましくは1mm以下であることが望ましい。膜厚が厚くなると、積層板の加工性が低下するからである。前記非発泡性樹脂層の膜厚の下限も、特に限定されるものではないが、通常、25μm程度である。
上記発泡性樹脂と非発泡性樹脂との組み合わせは特に限定されるものではなく種々の組み合わせを採用することができるが、好ましくは同種の樹脂成分を採用することが推奨される。発泡性樹脂層の樹脂成分と非発泡性樹脂層との樹脂成分とが同種の樹脂であれば、通常、これらの樹脂間の親和性は高く、両層の積層・接着が容易であると考えられるからである。例えば、発泡性樹脂層の樹脂成分として、ポリオレフィン系樹脂を使用する場合には、非発泡性樹脂層の樹脂成分として、ポリオレフィン系樹脂を使用することが好ましい態様である。尚、上記同種の樹脂とは、ポリマーの構造上、同種の分子構造を有するものをいい、例えば、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリウレタン系など、同系列に分類される樹脂を意味するものである。
また本発明では、前記発泡性樹脂層と非発泡性樹脂層との接着性を高めるために、次の態様とすることも推奨される。
(1)前記発泡性樹脂層の樹脂成分の溶解性パラメータをSP1とし、前記非発泡性樹脂層の樹脂成分の溶解性パラメータをSP2としたときに、前記SP1とSP2とが、0.6<SP1/SP2<1.7を満足するようにする態様。
前記溶解性パラメータは、対比する材料間の相溶性を指標するものであり、対比する材料間の溶解性パラメータの値が近くなるほど、相溶性が高くなる。そして、材料間の相溶性が高くなるほど、両者の接着性は高くなる。このような観点から、本発明では、前記発泡性樹脂層の樹脂成分の溶解性パラメータをSP1とし、前記非発泡性樹脂層の樹脂成分の溶解性パラメータをSP2としたときに、前記SP1とSP2とが、0.6<SP1/SP2<1.7を満足するようにし、より好ましくは、0.7<SP1/SP2<1.3を満足するようにすることが推奨される。
すなわち、前記SP1/SP2の値が上述の範囲を満足する場合には、発泡性樹脂成分および非発泡性樹脂成分を共押出などにより直接積層することができる。もちろん、発泡性樹脂層と非発泡性樹脂層とを積層する際に、両者間に後述の第二の接着剤層を設けてもよい。なお、SP1/SP2の値が上記範囲に存在しない場合には、両者間に第二の接着剤層を設けることが好ましい。
尚、前記溶解性パラメータは、Small、Hoy、Krauseなどによって算出されるパラメータであり、同一の算出法によって求められるものであれば、いずれの算出方法を採用してもよい。
(2)前記非発泡性樹脂層と前記発泡性樹脂層との間に、第二の接着層を設ける態様。
本発明において、前記発泡性樹脂層の樹脂成分と非発泡性樹脂層の樹脂成分との親和性が低く両層が剥離し易い場合などには、前記発泡性樹脂層と非発泡性樹脂層との間に、さらに第二の接着剤層を設けるのが好ましい。第二の接着剤層を設けることにより、発泡性樹脂層と非発泡性樹脂層との接着性を高めることができるからである。なお、このとき使用可能な接着剤成分は特に限定されず、例えば、アクリル系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、ポリウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤などが使用可能である。
尚、上記第二の接着剤層は、前記発泡性樹脂層の樹脂成分と非発泡性樹脂層の樹脂成分とが剥離しやすい場合に設けることが極めて効果的であるが、前記発泡性樹脂層の樹脂成分と非発泡性樹脂層の樹脂成分の親和性が高い場合に設けること除外するものではない。
ところで、上記非発泡性樹脂層と発泡性樹脂層とは、同一シートあるいはフィルム内に存在する態様であってもよい。例えば、1枚のシート内において、該シートの厚み方向に発泡性成分含有量に勾配がある場合には、発泡性成分含有量の少ない側を非発泡性樹脂層、発泡性成分含有量の多い側を発泡性樹脂層とみなすことができる。かかる場合には、非発泡性樹脂層と発泡性樹脂層との界面が存在しないため、両層の接着性を考慮する必要はない。したがって、非発泡性樹脂層を金属板と接着させれば、発泡性樹脂層の剥離が生じ難い発泡性樹脂金属板を得ることができる。
本発明における金属板としては、例えば、アルミニウム板、アルミニウム合金板、鋼板、めっき鋼板、銅板、チタン板などを挙げることができる。これらの中でもアルミニウム板、鋼板、銅板よりなる群から選ばれるものが好ましい。また、金属板と非発泡性樹脂層とを貼り合わせる接着剤層としては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、ポリウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤など適宜選択して使用すればよい。例えば、非発泡性樹脂層の樹脂成分として、ポリオレフィン系樹脂を採用する場合には、ポリオレフィン系接着剤を使用することが好ましい態様である。
次に、本発明の発泡性樹脂積層金属板の製造方法について説明する。本発明の発泡性樹脂積層金属板には、前記金属板と前記発泡性樹脂層との間に、金属板側から順に前記接着剤層と非発泡性樹脂層とを設ける。例えば、前記金属板と非発泡性樹脂層とを接着剤で貼り合わせ、次いで、非発泡性樹脂層と発泡性樹脂層とを接着剤で貼り合わせて積層する方法、予め非発泡性樹脂層と発泡性樹脂層とを積層したフィルム又はシートとしておき、この積層フィルム又はシートの非発泡性樹脂層側と金属板とを接着剤で貼り合わせて積層する方法などがある。
また、前記発泡性樹脂層と非発泡性樹脂層とを予め積層してフィルム又はシートとする方法は、特に限定されないが、例えば、前記発泡性樹脂のフィルム又はシートと非発泡性樹脂のフィルム又はシートとの間に接着剤を塗布して乾燥し、両者を貼り合わせる方法、発泡性樹脂のシート又はフィルムと非発泡性樹脂のシート又はフィルム間に接着フィルム又はシートをはさんで、加熱プレスにより積層する方法、前記発泡性樹脂と非発泡性樹脂とを共押出して、発泡性樹脂層と非発泡性樹脂層とを有する積層されたフィルム又はシートを作製する方法、発泡性樹脂又は非発泡性樹脂のいずれか一方の樹脂のフィルム又はシート上に他方の樹脂の溶融物を流しこんで、積層されたフィルム又はシートとする方法などを挙げることができる。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
[評価方法]
(1)接着性
180mm×110mmの大きさの発泡性樹脂積層金属板を、発泡性樹脂層が下方になるようにして恒温槽内部に入れ、金属板側の四隅を恒温層内部に固定し、170℃で30分間加熱発泡を行った後の接着界面の状態を評価した。尚、表1において、「○」は剥離の発生が認められないことを意味し、「×」は剥離が発生しているものを示している。
(2)制振性(損失係数)
JIS G0602に準じて、機械インピーダンス法(中央加振法,温度:20℃,周波数条件:500Hz)により、得られた発泡性樹脂積層金属板の損失係数を測定し、制振性を評価した。損失係数の値が大きい程制振性に優れている。
[発泡性樹脂積層板の作製]
作製例1):積層板1、積層板3,5,6
市販のポリプロピレン(PP)系シート(厚み:1.0mm、非発泡性樹脂層)と市販のポリプロピレン系発泡樹脂シート(厚み:0.9mm、発泡性樹脂層)を、熱融着させて一体化した(熱プレス:150℃×2分間)。次いで、アルミ板の上に、市販の変性ポリオレフィン系接着剤を塗布し、100℃で1分間乾燥させた後、予め一体化させておいた発泡性/非発泡性樹脂複合シートを、非発泡性樹脂層側がアルミ板側となるようにして積層し、熱圧着(熱プレス:120℃×2分)して、発泡性樹脂積層金属板を作成した。
表1に示す積層板の構成にしたがって、積層板3,5,6についても上記作成例1と同様にして発泡性樹脂積層金属板を作成した。
なお、表1中、PEは市販のポリエチレン系シート(厚み:1.0mm)を示し、ナイロン66は市販のナイロン66系シート(厚み:1.0mm)を示す。
作製例2):積層板2
非発泡性樹脂層(PP/SIS=50/50、厚み:1.0mm)と市販のポリプロピレン系発泡樹脂シート(厚み0.9mm:発泡性樹脂層)を積層し、熱融着させて一体化した(熱プレス:150℃×2分間)。次いで、接着剤層として市販の変性ポリオレフィン系ホットメルトフィルムを用いて、予め一体化させておいた発泡性/非発泡性樹脂複合シートを、非発泡性樹脂層側がアルミ板側となるようにして積層し貼り合わせた。尚、上記非発泡性樹脂層としては、PP/SIS=50/50の配合比でブレンドし、これを東洋精機製ラボプラストミルで190℃で20分間混練した後、熱プレスしてシート化したものを使用した。
作製例3):積層板4
アルミ板の上に、市販のナイロン66系シート(厚み:1.0mm、非発泡性樹脂層)を、市販の変性ポリオレフィン系ホットメルトフィルムを用いて貼り合わせた。次いで、上記非発泡性樹脂層上に、第二の接着剤層として市販の変性ポリオレフィン系接着剤を塗布し、100℃で1分間乾燥させて、市販のポリプロピレン系発泡樹脂シート(厚み:0.9mm、発泡性樹脂層)を積層し、熱圧着(熱プレス:120℃×2分)して、発泡性樹脂積層金属板を作成した。
得られた発泡性樹脂積層板の接着性、制振性についての評価結果を表1に示す。
Figure 0004326001
表1からも明らかなように、金属板と発泡性樹脂層との間に、金属板側から順に前記接着剤層と非発泡性樹脂層とを設けた発泡性樹脂積層金属板1〜4はいずれも、加熱発泡後の剥離性、及び、制振性に優れることが分かる。特に、非発泡性樹脂層に制振性材料としてスチレン‐イソプレン‐スチレンブロック共重合体(SIS)を含有させた積層板2は、制振性が極めて良好であることが分かる。
一方、積層金属板5は、非発泡性樹脂層を設けない従来の発泡性樹脂積層板であり、加熱発泡後に発泡性樹脂層が金属板から剥離した。また、積層金属板6は、発泡性樹脂層の樹脂成分と非発泡性樹脂成分の溶解性パラメータの比が1.8と大きく、発泡性樹脂層と非発泡性樹脂層との間に第二の接着剤も使用されていない場合である。金属板と非発泡性樹脂層間の接着は良好であったが、加熱発泡後に、発泡性樹脂層−非発泡性樹脂層の界面で剥離が生じた。
本発明の発泡性樹脂積層板は、オイルパン、各種パネルなどの自動車用途、屋根、体育館の床材、階段などの建材用途、洗濯機、エアコン、オーディオなどの家電用途、その他の事務機器の用途などに好適である。特に、加熱発泡後において発泡性樹脂層が剥離することがないことから、発泡性樹脂層を下方側にする天井材、屋根材などとして好適である。また自動車用制振金属板としては、焼付け塗料工程の加熱を利用して、発泡性樹脂層を発泡させることができるので、自動車生産効率を高めることができる。
本発明の実施態様の一例を示す図である
符号の説明
1 発泡性樹脂積層金属板
2 金属板
3a (第一の)接着剤層
3b (第二の)接着剤層
4 非発泡性樹脂層
5 発泡性樹脂層

Claims (5)

  1. 金属板と接着剤層と発泡性樹脂層とを有する発泡性樹脂積層金属板であって、
    金属板と発泡性樹脂層との間に、金属板側から順に前記接着剤層と非発泡性樹脂層とを有し、且つ、
    前記発泡性樹脂層の樹脂成分の溶解性パラメータをSP1とし、前記非発泡性樹脂層の樹脂成分の溶解性パラメータをSP2としたときに、前記SP1とSP2とが、0.6<SP1/SP2<1.7を満足することを特徴とする発泡性樹脂積層金属板。
  2. 前記非発泡性樹脂層と前記発泡性樹脂層との間に、さらに第二の接着剤層が設けられているものである請求項1に記載の発泡性樹脂積層金属板。
  3. 前記金属板が、アルミ板、鋼板、銅板よりなる群から選択されるものである請求項1または2に記載の発泡性樹脂積層金属板。
  4. 前記発泡性樹脂又は前記非発泡性樹脂の樹脂成分が、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタンよりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜のいずれか1項に記載の発泡性樹脂積層金属板。
  5. 前記非発泡性樹脂層が、制振性樹脂成分を含有するものである請求項1〜のいずれか1項に記載の発泡性樹脂積層金属板。
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