JP2000153577A - 多層体とその製造方法 - Google Patents
多層体とその製造方法Info
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Abstract
ラミネート性及び耐熱性に優れ、電池の薄型化を可能に
する多層体及び量産を可能にするその製造方法を提供す
ることにある。 【解決手段】金属箔10と接着性樹脂層20と剥離基材
30とが積層されてなる多層体1であって、該接着性樹
脂層20がポリプロピレンの無水マレイン酸グラフト変
性体50〜95重量部とエチレン−α−オレフィンの無
水マレイン酸グラフト変性体5〜50重量部とからなる
ことを特徴とする多層体としたもので、金属箔10と剥
離基材30との間に溶融した接着性樹脂を押出してラミ
ネートして接着性樹脂層20を形成し、その後、オーブ
ンもしくは熱ロールにて熱処理する多層体1の製造方法
としたものである。
Description
チウムイオン電池などの外装材として用いる多層体に関
するものであり、特に、薄型電池を可能にする多層体お
よびその製造方法に関する。
ン電池などの電極や電解液の封止のための外装法とし
て、金属による嵌合や熱硬化性樹脂による封止などが知
られているが、この方法では、近年の薄型化対応や生産
性向上(コスト低減化)に問題があった。
示すように、金属箔(10)にシーラントとなる熱可塑
性の接着性樹脂層(20)を施した外装材で電極材(4
0a、40b)等をシールなどで包んで薄型化するもの
で、その熱可塑性の接着性樹脂層(20)の形成に、エ
チレン−メタクリル酸共重合体を金属イオン(ナトリウ
ム、亜鉛等)で部分的に架橋した熱可塑性樹脂、具体的
にはアイオノマー(デュポン社製)を用いたものやポリ
プロピレン変性樹脂を用いたものが検討されていた。
ポン社製)を用いたものでは、電極材(40)との接着
性には優れているが、耐熱性(90℃以上、ダッシュボ
ート適性)に劣るという問題があった。また後者のポリ
プロピレン変性樹脂を用いたものでは、耐熱性には優れ
良好であるが、シール温度が高く、シール性およびラミ
ネート性に劣るという問題があった。このように、リチ
ウム電池などの薄型化に要する外装材として、最外層と
してのアルミニウム等でなる金属箔(10)およびアル
ミニウム、銅等でなる電極材(40)とのシール適性、
ラミネート適性および耐熱性にバランスのとれたものが
求められていた。
技術の問題点を解決するものであり、その課題とすると
ころは、リチウム電池、リチウムイオン電池などの外装
材において、シール性、ラミネート性および耐熱性に優
れ、薄型電池化を可能にする多層体およびその製造方法
を提供することにある。
を達成するために、まず請求項1の発明では、金属箔と
接着性樹脂層と剥離基材とが積層されてなる多層体であ
って、該接着性樹脂層がポリプロピレンの無水マレイン
酸グラフト変性体50〜95重量部とエチレン−α−オ
レフィンの無水マレイン酸グラフト変性体5〜50重量
部とからなることを特徴とする多層体としたものであ
る。
は、ステンレス箔もしくはアルミニウム箔であることを
特徴とする請求項1記載の多層体としたものである。
は、2軸延伸ポリエステルフィルムに剥離剤をコートし
てなることを特徴とする請求項1または2記載の多層体
としたものである。
接着性樹脂層とのラミネート強度が300gf/15m
m以上であることを特徴とする請求項1、2または3記
載の多層体としたものであ。
と剥離基材との間に溶融した接着性樹脂を押出してラミ
ネートして接着性樹脂層を形成し、その後、オーブンも
しくは熱ロールにて熱処理して多層体とすることを特徴
とする多層体の製造方法としたものである。
る。本発明の多層体は、図1に示すように、最外層とし
ての金属箔(10)と接着性樹脂層(20)と剥離基材
(30)とが積層されてなる多層体(1)であって、該
接着性樹脂層(20)がポリプロピレンの無水マレイン
酸グラフト変性体50〜95重量部とエチレン−α−オ
レフィンの無水マレイン酸グラフト変性体5〜50重量
部とからなることを特徴とするものであり、また、図1
に示すように、前記剥離基材(30)は、2軸延伸ポリ
エステルフィルムを基材(30a)とし、その上に剥離
剤コート層(30b)を施したものである。
脂層(20)の1成分であるポリプロピレンの無水マレ
イン酸グラフト変性体としては、プロピレンのホモポリ
マーあるいはランダムコポリマーが、耐熱性に優れてい
ることから好適に用いることができる。
ン−α−オレフィンの無水マレイン酸グラフト変性体と
してのα−オレフィンは、ブテン−1、ヘキセン−1、
オクテン−1、4−メチル−ペンテン−1のうちの一つ
を選ぶことができ、プロペンを含む3元系でも可能であ
り、低温シール性に優れていることから好適に用いるこ
とができる。
無水マレイン酸グラフト変性体とエチレン−α−オレフ
ィンの無水マレイン酸グラフト変性体とのブレンド重量
比は、それぞれ50〜95重量部、5〜50重量部と
し、好ましくは70〜90重量部、10〜30重量部と
することによって、好適な耐熱性と低温シール性を有す
る接着性樹脂層(20)が得られる。前記のポリプロピ
レンの無水マレイン酸グラフト変性体が50重量部に満
たないと耐熱性に乏しくなり、またブロッキングが大と
なるためハンドリング性が悪くなる。必要に応じて石油
樹脂や滑剤、アンチブロッキング剤等を添加してもよ
い。
フト変性体とエチレン−α−オレフィンの無水マレイン
酸グラフト変性体とのブレンド方法としては、特に制限
するものではないが、ドライブレンド法が簡易的であ
る。しかし、物性の安定性を考慮すれば、単軸押し出し
機、2軸押し出し機、ニーダー、熱ロール等を用いて溶
融混合させる方がより望ましい。
外層としての金属箔(10)としては、電池の電解質発
泡時の耐圧性付与の面あるいは金属の延展性やコストの
面からステンレスもしくはアルミニウムを好適に用いる
ことができる。必要に応じて金属箔(10)の外層とし
てOPET(延伸ポリエチレンテレフタレートフィル
ム)をラミネートして用いることもできる。
離基材(30)は、接着性樹脂層(20)より剥離すれ
ばよく、例えは延伸ポリプロピレンや延伸ポリエチレン
テレフタレートなどの延伸された基材、予めシリコン系
剥離層が設けられた延伸フィルムあるいは紙なども用い
ることは可能であるが、剥離の安定性や耐熱性の面か
ら、延伸ポリエステルフィルムを基材(30a)とし
て、その上に剥離剤コート層(30b)をコーティング
によって施したものが好適に用いられる。
方法は、最外層となる金属箔(10)に溶融した接着性
樹脂を押出してラミネートし、サンド軸から剥離基材
(30)を入れる所謂サンドラミネートにて接着性樹脂
層(20)を形成する。このサンドラミネートの工程中
に必要に応じて金属箔(10)面へのコロナ処理、接着
性樹脂層(20)面へのオゾン処理も可能である。
にて140℃以上、好ましくは160℃以上で熱処理し
て多層体(1)とするものであり、このサンドラミネー
ションとすることによって、金属箔(10)面へのアン
カーコート剤を施す必要のなく生産コスト低減に寄与す
るものであり、また、オーブン等で熱処理することによ
って、金属箔(10)と接着性樹脂層(20)のラミネ
ート強度がより向上するものである。
用いて薄型電池を製造する一事例では、図2に示すよう
に、多層体(1)の剥離基材(30)面を内側として深
絞り成形を行い、周囲にシールのためのフランジ部(1
0a)を形成した容器様外装材とし、その後図3に示す
ように、剥離基材を剥離した1対の容器様外装材(6
0)とし、その内面に、2種の電極材(Cu(40
a)、Al(40b))とその間に固体電解質でなるセ
パレーター(50)を充填し、図4に示すように、ヒー
トシールあるいは超音波シール等で両フランジ部(10
a)の接着性樹脂層(20)をシールして薄型電池
(2)とするものである。
る。 〈実施例1〉ポリプロピレンの無水マレイン酸グラフト
変性体アドマーAT679(三井化学社製)80重量部
とエチレン−α−オレフィンの無水マレイン酸グラフト
変性体アドマーAT951(三井化学社製)20重量部
とをブレンドし、接着性樹脂を得た。
mのアルミニウム箔上に、オゾン処理を施しながら29
0℃で押し出しラミネートし、厚さ12μmの延伸ポリ
エチレンテレフタレートフィルムにシリコン系の剥離剤
コート層(30b)を有する剥離基材(30)をサンド
軸から挿入してサンドラミネートし、多層体(1)とし
た。
の無水マレイン酸グラフト変性体アドマーAT679
(三井化学社製)単独とした以外は、実施例1と同様に
して多層体(1)を得た。
オレフィンの無水マレイン酸グラフト変性体アドマーA
T951(三井化学社製)単独とした以外は、実施例1
と同様にして多層体(1)を得た。
層体(1)の剥離基材(30)を剥離し、幅15mmの
短冊状に切り出し、それぞれの接着性樹脂層(20)同
志を100〜180℃でヒートシールし、室温および9
0℃下(ヒートシール温度180℃時のみ)でヒートシ
ール強度(単位gf/15mm、300mm/min、
T型)を測定し、その結果を表1に示した。
れた多層体(1)のシーラントとなる接着性樹脂層(2
0)とアルミニウム箔とを100〜180℃でヒートシ
ールし、そのヒートシール強度(単位gf/15mm)
を測定し、その結果を表2に示した。
(1)を構成する接着性樹脂層(20)は、金属箔(1
0)とのシール強度即ちラミネート強度に優れたもので
あり、かつシーラントとなる接着性樹脂層(20)同志
の低温ヒートシール性に優れたものであった。なお、比
較例2で得られた接着性樹脂層(20)は、低温シール
性には優れているが、前述のように、比較例1で使用し
た接着性樹脂層(20)が0部即ち50重量部に満たな
いので、耐熱性に劣るものであった。
示す如き効果がある。即ち、金属箔と接着性樹脂層と剥
離基材とが積層されてなる多層体であって、該接着性樹
脂層がポリプロピレンの無水マレイン酸グラフト変性体
50〜95重量部とエチレン−α−オレフィンの無水マ
レイン酸グラフト変性体5〜50重量部とからなる多層
体としたので、金属箔とのラミネート強度に優れ、剥離
基材を剥離した接着性樹脂層同志のヒートシール性に優
れ、かつ耐熱性のある多層体とすることができる。
接着性樹脂を押出してラミネートして接着性樹脂層を形
成し、その後、オーブンもしくは熱ロールにて熱処理し
て多層体とする製造方法としたので、金属箔面へのアン
カーコート剤等を施す必要のなく生産コスト低減に寄与
するとともに、オーブン等で熱処理することによって、
金属箔と接着性樹脂層のラミネート強度がより向上させ
ることができる。
イオン電池などの薄型化のための外装材の如き用途にお
いて、優れた実用上の効果を発揮する。
た説明図である。
形態を側断面で表した説明図である。
一実施の形態を側断面で表した説明図である。
面で表した説明図である。
Claims (5)
- 【請求項1】金属箔と接着性樹脂層と剥離基材とが積層
されてなる多層体であって、該接着性樹脂層がポリプロ
ピレンの無水マレイン酸グラフト変性体50〜95重量
部とエチレン−α−オレフィンの無水マレイン酸グラフ
ト変性体5〜50重量部とからなることを特徴とする多
層体。 - 【請求項2】前記金属箔は、ステンレス箔もしくはアル
ミニウム箔であることを特徴とする請求項1記載の多層
体。 - 【請求項3】前記剥離基材は、2軸延伸ポリエステルフ
ィルムに剥離剤をコートしてなることを特徴とする請求
項1または2記載の多層体。 - 【請求項4】前記金属箔と接着性樹脂層とのラミネート
強度が300gf/15mm以上であることを特徴とす
る請求項1、2または3記載の多層体。 - 【請求項5】金属箔と剥離基材との間に溶融した接着性
樹脂を押出してラミネートして接着性樹脂層を形成し、
その後、オーブンもしくは熱ロールにて熱処理して多層
体とすることを特徴とする多層体の製造方法。
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JP33124698A JP3674345B2 (ja) | 1998-11-20 | 1998-11-20 | 多層体とその製造方法 |
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1998
- 1998-11-20 JP JP33124698A patent/JP3674345B2/ja not_active Expired - Fee Related
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