JP2002361798A - 積層体 - Google Patents

積層体

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JP2002361798A
JP2002361798A JP2001172427A JP2001172427A JP2002361798A JP 2002361798 A JP2002361798 A JP 2002361798A JP 2001172427 A JP2001172427 A JP 2001172427A JP 2001172427 A JP2001172427 A JP 2001172427A JP 2002361798 A JP2002361798 A JP 2002361798A
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layer
laminate
polypropylene
polyethylene
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JP2001172427A
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English (en)
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Yoshisue Ohashi
美季 大橋
Masayoshi Suzuta
昌由 鈴田
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】押し出しラミネーション法のみにより貼り合わ
せることが可能な積層体を提供すること。 【解決手段】密度0.850〜0.925g/cm3
あり、105°C以下で1つ以上の融点をもち、融解熱
量が10〜70J/gであるポリオレフィン系樹脂ある
いはポリエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂からな
る層であり、前記樹脂がポリエチレン系エラストマー又
はポリエチレン系プストマー、もしくはそれらの酸無水
物の変性物である第1層(13)と、ポリプロピレン系
樹脂(樹脂A)、樹脂Aと非相溶の樹脂(樹脂B)及び
樹脂Aと樹脂Bの相溶化材として機能する樹脂(樹脂
C)で構成される樹脂組成物からなる第2層(14)の
2つの樹脂層を積層した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエチレン系エ
ラストマーまたはポリエチレン系プラストマー、もしく
はそれらの酸変性物からなる層と、ポリプロピレン系樹
脂をベースとした樹脂組成物からなる層を積層した積層
体に関するものであり、更に詳しくは、前記樹脂組成物
層がポリプロピレン系樹脂基材とのシールにおいてイー
ジーピール性を示し、また、ポリプロピレン系樹脂の押
出ラミネーションを行う際に、ポリエチレン系エラスト
マーまたはポリエチレン系プラストマー、もしくはそれ
らの酸変性物と共に共押出によりラミネーションするこ
とで、事前に未延伸ポリプロピレンフィルムをラミネー
トすることなく、各種基材上に押出ラミネーションのみ
で直接ラミネートした場合においても、使用に問題ない
程十分なラミネート強度を得ることが可能な積層体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】食品包装分野において、アイスクリー
ム、ゼリー、プリン、インスタントラーメン等を充填す
るため、真空成型、圧空成型、プレス成形などにより成
型した容器が使用されている。これらの容器に使用する
樹脂としては、主にポリエチレン系樹脂、ポリプロピレ
ン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂が用い
られるが、剛性、防湿性、耐熱性に優れたポリプロピレ
ン系樹脂が汎用されている。
【0003】容器に対する蓋材としては、シール時の密
封性と手によって容易に剥離し得る易開封性を兼ね備え
ていることが望ましい。このような機能を持たせるため
のシーラント材としては、界面剥離、凝集剥離、層間剥
離によるものが知られている。現在よく知られているシ
ーラント材には、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMM
A)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)
等のヒートシール性を有する樹脂と、粘着付与剤を配合
したホットメルトタイプのものがあり、これらは界面剥
離タイプのシーラント材である。しかしながら、これら
はヒートシール条件によってシール強度にばらつきが生
じ、シール安定性を持たせることが困難であるという問
題がある。
【0004】容器にポリプロピレン樹脂を使用する場
合、安定したピール強度を持たせるためにシーラント材
にもポリプロピレン樹脂を用いることが望ましい。この
時、シーラント材の剥離は凝集剥離によるものである。
そのようなシーラント材として例えば、ポリプロピレン
樹脂に非相溶のポリスチレン樹脂あるいはポリエチレン
系樹脂を配合したポリマーアロイからなるシーラント材
が知られている。しかし、これらは、作成するに当たっ
て特殊な製法を用いるためにアロイの構造を制御するこ
とが困難である、安定したピール強度のコントロールが
出来ないため品質の安定性を付与することが難しい、と
いった問題が生じていた。従って樹脂のコンパウンドと
いうような簡便な方法を用いてシーラント材を作成し、
生産性、品質安定性、コストに優位性を持たせることは
非常に有効である。
【0005】一方、シーラント材に使用される樹脂は、
押出ラミネーションなどの方法により各種基材上に製膜
させて用いることが可能である。しかしながら、異種基
材上へ樹脂を押出ラミネーションする場合、接着剤を塗
工した後でも基材への接着性は低くなる。そのため、押
出時に300°C以上の高温で溶融押出を行うことで、
樹脂を酸化させてカルボニル基等を生成させることによ
り、接着性を向上させることができる。特に低密度ポリ
エチレン樹脂の場合は、この方法で押出ラミネーション
を行うことで、基材との接着強度を上げることが可能で
ある。
【0006】エチレン共重合体、ポリプロピレン樹脂等
は、300°C以上の高温下では樹脂の分解等が起こる
ため、低密度ポリエチレンのように高温押出により樹脂
を酸化させることが出来ない。例えば、EVAは250
°C以上になると脱酢酸反応が発生するために、低密度
ポリエチレンの押出を行った後その層上に積層する方法
が多く用いられている。一方、ポリプロピレン樹脂を用
いる場合、低密度ポリエチレンとポリプロピレンとの接
着性が低いため、前記のようなEVAと同様の方法を用
いることは出来ない。そこで、ポリプロピレン樹脂を押
し出すにあたっては、予め基材上に未延伸ポリプロピレ
ンフィルムをドライラミネーション等の方法を用いて積
層した上に、押出ラミネーションを行う必要がある。し
かしながら、この方法では工程数が増えるという問題が
あり、工程の簡便化、更には生産性向上、コスト削減が
求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を
解決するためになされたもので、各種基材とポリプロピ
レン系樹脂容器に対してイージーピール性を持つシーラ
ント層の間に、ポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレ
フィン共重合体樹脂からなる層を介すことで、押出ラミ
ネーションのみにより貼り合わせることが可能な積層体
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題を克服
するために発明されたものである。
【0009】第1の発明は、密度が0.850〜0.9
25g/cm3 であり、105°C以下で1つ以上の融
点を持ち(DSC法)、かつ、融解熱量が10〜70J
/gである、ポリオレフィン系樹脂あるいはポリエチレ
ン−α−オレフィン共重合体樹脂からなる層であり、前
記樹脂がポリエチレン系エラストマーまたはポリエチレ
ン系プラストマー、もしくはそれらの酸無水物の変性物
である第1層と、ポリプロピレン系樹脂(樹脂A)、樹
脂Aと非相溶の樹脂(樹脂B)、及び樹脂Aと樹脂Bの
相溶化材として機能する樹脂(樹脂C)で構成される樹
脂組成物からなる第2層の、2つの樹脂層を積層したこ
とを特徴とする積層体である。
【0010】第2の発明は、請求項1記載の第2層を構
成する樹脂組成物の樹脂Aが長鎖分岐型ホモポリプロピ
レン樹脂または長鎖分岐型ブロックポリプロピレン樹脂
であり、樹脂Aと非相溶の樹脂Bが高密度ポリエチレ
ン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−
α,β−不飽和カルボン酸共重合体もしくはそれをエス
テル化物、酸無水物等で変性させた変性物及びイオン架
橋物、またはポリスチレン樹脂であることを特徴とする
積層体である。
【0011】第3の発明は、請求項1または2記載の樹
脂組成物において、樹脂Bがポリスチレン樹脂、樹脂C
がポリプロピレンにスチレンをグラフトした構造を持つ
ポリマーであり、樹脂A、樹脂Bおよび樹脂Cの配合比
が以下の関係であることを特徴とする積層体である。 ・重量比で樹脂Aが50〜99wt%、樹脂B+樹脂C
が1〜50wt% ・樹脂C/樹脂B≧0.2 ・樹脂B(樹脂B+樹脂C中のポリスチレン成分)≦
0.96 ・樹脂C中のポリスチレン成分;1〜50wt%
【0012】第4の発明は、温度260〜300°C、
せん断速度101 〜102 (1/sec)の範囲におい
て、樹脂Aと樹脂Bの溶融粘度の比がη(樹脂A)≦η
(樹脂B)の関係を有することを特徴とする、請求項
1、2または3記載の積層体である。
【0013】第5の発明は、樹脂A中に分散している樹
脂Bの分散サイズがμmオーダーで、層のMD方向に楕
円状もしくは繊維状に延伸された形状であることを特徴
とする、請求項1、2、3または4記載の積層体であ
る。
【0014】第6の発明は、前記第2層を厚さ1〜30
μmの範囲でシーラント層としたことを特徴とする、請
求項1、2、3、4または5記載の積層体である。
【0015】第7の発明は、前記積層体のシーラント層
同士でシール、またはポリプロピレン樹脂との該積層体
とでシールしたときに、シーラントの剥離が凝集破壊に
よって行われ、その際の剥離強度が4〜20N/15m
mであることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5
または6記載の積層体である。
【0016】第8の発明は請求項1、2、3、4、5、
6または7記載の積層体を用いたイージーピール性を有
する軟包装袋である。
【0017】第9の発明は、請求項1、2、3、4、
5、6または7記載の積層体を用いたポリプロピレン樹
脂容器またはポリプロピレン系樹脂と紙とからなる複合
容器用のイージーピール性を有する蓋材である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】本発明の積層体は、ポリオレフィン系樹脂
あるいはポリオレフィン共重合体樹脂からなる第1層
と、ポリプロピレン系樹脂(樹脂A)、樹脂Aと非相溶
の樹脂(樹脂B)、及び樹脂Aと樹脂Bの相溶化材とし
て機能する樹脂(樹脂C)で構成される樹脂組成物から
なる第2層の2つの樹脂層を積層したことを特徴として
いる。
【0020】本発明の積層体における第1層を構成する
樹脂は、第2層を構成する樹脂組成物のベース樹脂であ
るポリプロピレン系樹脂との接着強度が良好でなければ
ならないため、密度は0.850〜0.925g/cm
3 の範囲であり、105°C以下に少なくとも1つ融点
を持ち、その時の融解熱量が10〜70J/gの範囲で
ある、以下に示す樹脂とすることが好ましい。これらの
範囲を超えると、第2層との接着強度が下がる、または
加工性に問題が生じる。
【0021】上記ようなポリオレフィン系樹脂またはポ
リオレフィン系共重合体樹脂の例としては、超低密度ポ
リエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体等があ
るが、メタロセン触媒等のシングルサイト系触媒を使用
することでコモノマーの導入量、導入位置を制御したエ
チレン−α−オレフィンエラストマーもしくはエチレン
−α−オレフィンプラストマーが好ましい。また、α−
オレフィンとしてはプロピレン、ブテン−1、ヘキセン
−1、オクテン−1等から選定できる。
【0022】本発明の積層体の第2層は、ポリプロピレ
ン系樹脂(樹脂A)、樹脂Aと非相溶の樹脂(樹脂
B)、及び樹脂Aと樹脂Bの相溶化材として機能する樹
脂(樹脂C)で構成される樹脂組成物で構成される樹脂
組成物からなる、凝集剥離タイプの易開封性を持ったシ
ーラント層である。以下にこのシーラント層について詳
細に説明する。
【0023】シーラント層のベースとなるのはポリプロ
ピレン系樹脂(樹脂A)である。一般的なポリプロピレ
ン樹脂は溶融張力が小さく、著しく加工性に劣る。その
ため、ベース樹脂としてポリプロピレンを選定するにあ
たり、溶融張力の大きい長鎖分岐型ポリプロピレンを用
いることが好ましい。長鎖分岐型ポリプロピレン樹脂に
は、ホモポリマーやブロックポリマー等が存在するが、
特にこれらの制限はない。また、製膜性、加工性を考慮
すると、ASTMのD1280におけるメルトインデッ
クス(MI)は0.1〜50g/10min.が好まし
く、さらに好ましくは10〜30g/10min.の範
囲である。
【0024】上述したベースの樹脂Aの凝集力を弱め
て、シーラント層に易開封性を付与するために、樹脂A
中に樹脂Aと非相溶である樹脂(樹脂B)を添加させる
必要がある。このような樹脂として、低密度ポリエチレ
ン樹脂、高密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィ
ン共重合体、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重
合体もしくはその酸変性物、またはポリスチレン樹脂等
が挙げられるが、この中でポリスチレン樹脂を用いるこ
とが最も好ましい。
【0025】樹脂Aと樹脂Bの非相溶系ブレンドでは、
樹脂Aと樹脂Bの界面接着強度が弱いため、ピール時に
シールのエッジ部分がきれいに破断されない毛羽立ちと
いう問題が生じる。この毛羽立ちは、剥離外観を損ねる
だけでなく、品質の安定性という点でも問題がある。こ
のような問題を解決するに当たって、樹脂Aと樹脂Bの
界面接着強度を向上させるために、第3成分として樹脂
Aと樹脂Bの相溶化材として機能するグラフトポリマー
(樹脂C)を配合する必要がある。
【0026】樹脂Cには以下の種類が挙げられる。 (1)樹脂Bのモノマー成分を樹脂Aにグラフトさせた
もの。 (2)反応性を有するモノマーを樹脂Bの末端に導入
し、樹脂A主鎖中に枝状に樹脂Bをグラフトさせたも
の。 (3)反応性を有するモノマーを樹脂Bの骨格中に導入
し、樹脂A主鎖中にペンダント状にグラフトさせたも
の。
【0027】本発明の積層体のシーラント層として使用
できる樹脂Cとしては、特に上述した構造に制限される
ことはないが、(2)あるいは(3)、またはこれらの
混合物を用いるのが好ましい。
【0028】上記グラフトマー樹脂Cは、ポリプロピレ
ン成分50〜99wt.%に対しポリスチレン成分1〜
50wt.%の割合にすることが好ましい。組成物中の
樹脂Aと樹脂Bの界面接着強度を調整するに当たり、グ
ラフトマー中のポリスチレン成分が1wt.%以下であ
ると剥離面の外観が悪くなり、50wt.%以上である
と積層体のピール強度の安定性に影響を与える。
【0029】樹脂Aと樹脂Bの粘度の関係は、温度26
0〜300°Cで、せん断速度10 1 〜102 (1/s
ec)の範囲において、樹脂Aと樹脂Bの溶融粘度の大
小関係がη(樹脂A)≦η(樹脂B)であることが好ま
しい。この関係は、樹脂組成物をシーラント層とする際
に、その厚さ方向における樹脂A中の樹脂Bドメインの
分散位置および分散サイズに影響を与える。樹脂Bドメ
インの分散サイズはμmオーダーとし、MD方向に楕円
状もしくは繊維状に延伸された形状であることが好まし
い。
【0030】また、樹脂Bはシーラント層厚さ方向にお
いて、シーラント層全体に均一に分散していることが好
ましい。シーラント層中に樹脂Bドメインが局所的に隔
たりを持って分散している状態では、ピール強度に影響
を与え、また毛羽立ちを発生させる原因にもなる。安定
したピール強度を持たせ、毛羽立ちを解消するために、
シーラント層の厚さを1〜30μmの範囲にすることが
好ましく、更に好ましくは5〜20μmの範囲にするこ
とである。
【0031】易開封性を付与させるために、上記樹脂組
成物の配合比しては重量比で、樹脂Aを50〜99w
t.%、樹脂B+樹脂Cを1〜50wt.%の範囲でブ
レンドすることが好ましい。また、樹脂Aと樹脂Bのブ
レンド比はピール強度の制御に有効であり、樹脂Bの配
合比を少なくすることでピール強度を強く、また多くす
ることでピール強度弱くすることができるが、易開封性
を持たせるためにはピール強度を4〜20N/15mm
の範囲に設定することが好ましい。ピール強度が4N/
15mmよりも弱くなると、強度の安定性がなくなり、
20N/15mmより強くなるとピール強度が強すぎ
て、易開封性でなくなる。
【0032】上記第1層、第2層を製膜するにあたっ
て、その製膜方法は特に制限されるものではなく、例え
ば押出ラミネート成形法、インフレーション成形法、シ
ート成形法など各種の既知の方法を用いることが可能で
ある。しかし、加工適性、生産性を考慮すると第1層、
第2層の共押出ラミネーション法により製膜することが
最も好ましい。
【0033】積層体の基材として、熱可塑性フィルム、
アルミニウム箔、アルミニウム蒸着フィルム、無機酸化
物からなる蒸着層を含むフィルムを用いることができ
る。熱可塑性フィルムの例としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステ
ルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオ
レフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミド
フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネート
フィルム、ポリアクリルニトリルフィルム等が挙げられ
る。基材は延伸、未延伸のどちらでも良く、機械的強度
や寸法安定性を有するものがよい。この基材表面に周知
の種々の添加剤や安定剤、例としては帯電防止剤、紫外
線吸収剤、可塑剤、スリップ剤等を塗布していてもよ
い。また、コロナ処理、プラズマ処理等の処理をほどこ
してもよい。
【0034】本発明の積層体は、容器用の蓋材、袋状の
包装袋など各種包装材料に応用でき、これらの包装材料
に易開封性を持たせることができる。そのような積層体
の具体例を以下に示す。 (1)熱可塑性樹脂層/熱可塑性樹脂層/第1層/第2
層 (2)熱可塑性樹脂層/アルミニウム箔層/熱可塑性樹
脂層/第1層/第2層 (3)紙層/熱可塑性樹脂層/第1層/第2層 (4)熱可塑性樹脂層/紙層/熱可塑性樹脂層/第1層
/第2層
【0035】積層体の構成は上記構成に限定されるもの
ではなく、何層でも構わない。これらの層を積層させる
方法としては、2液硬化型ウレタン系樹脂等の接着剤を
用いて貼り合わせるドライラミネート法や押出ラミネー
ト法等の公知の方法を用いることができる。また、包装
材料に意匠性を持たせるために、オフセット印刷、グラ
ビア印刷、シルクスクリーン印刷等の公知の方法を用い
て、印刷層を積層させることも可能である。
【0036】
【実施例】以下に、本発明を用いた実施例を示すが、本
発明はこれに限定されるものではない。
【0037】[第2層用樹脂組成物の作成]以下の材料
を用いて樹脂組成物を作成した。 ・ポリプロピレン樹脂(PP):長鎖分岐型ブロックポ
リプロピレン樹脂(MI=16) ・ポリスチレン樹脂(PS):汎用ポリスチレン樹脂
(MI=2.1) ・グラフトポリマー(PP−g−PS):ペンダント型
ポリスチレングラフト長鎖分岐型ポリプロピレンポリマ
ー(ポリスチレン含有量;30wt.%)初めに、タン
ブラーミキサーを用い、上記材料を以下の配合比にてド
ライブレンドした。 ・PP/PS/PP−g−PS=65/25/10 ・PP/PS/PP−g−PS=55/30/15 ・PP/PS/PP−g−PS=70/30/0 ・PP/PS/PP−g−PS=68/30/2 この混合物を二軸延伸押出機にて、加工温度240°
C、加工速度12kg/hでコンパウンドを行い、スト
ランドに押し出したものを水冷後、ペレット状にカット
した。
【0038】[積層体の作成]積層体の作成にあたり、
第1層として以下の材料を用いた。 A:エチレン−オクテン共重合体 密度0.902g/
cm3 、融点100°C、融解熱量55J/g B:エチレン−オクテン共重合体 密度0.88g/c
3 、融点65°C、融解熱量35J/g C:低密度ポリエチレン 密度0.919g/cm3
融点108°C、融解熱量108J/g 基材;二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)
フィルム(厚さ25μm)上に、ウレタン系接着剤をグ
ラビアコーティング法により塗布し、さらにその上に低
密度ポリエチレンを押出ラミネーション法(340°
C)により厚さ20μmで積層し、基材とした。 積層体;上記基材上に、フィードブロックタイプの共押
出ラミネーターを用い、第1層が基材上に、その上に第
2層が積層するように、第1層、第2層を同時に押出し
た。また、冷却ロールにエンボス加工を施したものを使
用し、第2層表面をエンボス化した。 ・加工温度;290°C、加工速度:80m/min. ・膜厚;第1層20μm、第2層10μm 積層体最終構成;PETフィルム(11)/低密度ポリ
エチレン(12)/(第1層(13)/第2層(1
4)) (括弧内共押出し)(図1参照)
【0039】〈実験例1〉第1層としてAの樹脂、第2
層として配合比PP/PS/PP−g−PS=65/2
5/10の樹脂組成物を用いて実施例1の積層体を作成
した。
【0040】〈実験例2〉第1層としてAの樹脂、第2
層として配合比PP/PS/PP−g−PS=55/3
0/15の樹脂組成物を用いて実施例2の積層体を作成
した。
【0041】〈実験例3〉第1層としてBの樹脂、第2
層として配合比PP/PS/PP−g−PS=65/2
5/10の樹脂組成物を用いて実施例3の積層体を作成
した。
【0042】〈実験例4〉第1層としてBの樹脂、第2
層として配合比PP/PS/PP−g−PS=55/3
0/15の樹脂組成物を用いて実施例4の積層体を作成
した。
【0043】〈比較例1〉第1層としてAの樹脂、第2
層として配合比PP/PS/PP−g−PS=70/3
0/0の樹脂組成物を用いて比較例1の積層体を作成し
た。
【0044】〈比較例2〉第1層としてAの樹脂、第2
層として配合比PP/PS/PP−g−PS=68/3
0/2の樹脂組成物を用いて比較例2の積層体を作成し
た。
【0045】〈比較例3〉第1層としてCの樹脂、第2
層として配合比PP/PS/PP−g−PS=65/2
5/10の樹脂組成物を用いて比較例3の積層体を作成
したが、第1層と第2層の間の接着強度が弱く剥離が発
生した。
【0046】〈比較例4〉第1層としてCの樹脂、第2
層として配合比PP/PS/PP−g−PS=55/3
0/15の樹脂組成物を用いて比較例4の積層体を作成
したが、第1層と第2層の間の接着強度が弱く剥離が発
生した。
【0047】以上のようにして作製した実施例4種類、
比較例4種類、合計8種類の積層体を、以下に示す評価
方法に従い、チェック評価した。その結果を表1、表2
に示す。
【0048】[評価方法]被着体として、ポリエチレン
テレフタレートフィルムに未延伸ポリプロピレンをドラ
イラミネート法により貼り合わせたフィルムを作成し
た。本発明の積層体と被着体とをヒートシーラーにて圧
力3kg/cm2 、時間1secで160°Cから20
0°Cまで10°C毎にシールを行った。この評価用サ
ンプルを用いて、剥離速度300mm/min.、T型
剥離にて剥離試験を行い、ピール強度の測定および積層
体と剥離面の外観を目視評価した。 積層体の外観評価 ‥ ○ ; 層間の剥離発生なく外観良好 × ; 第1層と第2層の間で剥離発生 剥離面の外観評価 ‥ ○ ; シール剥離面良好 × ; シール剥離面に毛羽立ち発生 − ; 評価なし
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明の積層体は、フィルム基材上に、
ポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレフィン共重合体
樹脂からなる層(第1層)、ポリプロピレン系樹脂(樹
脂A)、ポリスチレン樹脂(樹脂B)、ポリプロピレン
にポリスチレンがグラフトされた構造を持つグラフトポ
リマー(樹脂C)で構成される樹脂組成物からなる層
(第2層)の順で積層した構成になっている。第2層と
して用いた樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂容器な
どポリプロピレン系樹脂を用いた被着体とのシールにお
いて、易開封性を示すシーラント材として用いることが
可能である。またこれまでは、本発明に用いた樹脂組成
物のようなポリプロピレン系樹脂主体のものを押し出す
際には、未延伸ポリプロピレンフィルムを予め、ドライ
ラミネーション等の方法により、基材上に貼り合わせて
おく必要があり、工程数が増えるという問題があった
が、本発明のように第1層と第2層を共押出すること
で、基材へ直接貼り合わせることが可能になり、工程の
簡便化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で使用した積層体の断面図であ
る。
【図2】ポリプロピレン系樹脂容器に対して、本発明の
積層体を用いた例を示す断面図である。
【符号の説明】 11‥‥基材、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム層 12‥‥基材、低密度ポリエチレン樹脂層 13‥‥本発明の積層体の第1層 14‥‥本発明の積層体の第2層 15‥‥本発明の積層体 16‥‥ポリプロピレン系樹脂容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 53/00 B65D 53/00 A 53/04 53/04 A 65/40 65/40 D Fターム(参考) 3E064 BA24 BB03 EA12 HN05 HN61 HP04 3E084 BA01 CB04 CC08 GB12 HB01 HD01 LA01 LB01 3E086 AB01 AD01 AD23 BA04 BA15 BB57 BB90 CA01 4F100 AK03A AK05B AK07B AK12B AK62A AK62B AK70B AL01A AL04B AL05B AL07A AL07B AL09A BA02 BA07 EH23 GB15 JA04A JA06B JA13A JL02 YY00B

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密度が0.850〜0.925g/cm3
    であり、105°C以下で1つ以上の融点を持ち(DS
    C法)、かつ、融解熱量が10〜70J/gである、ポ
    リオレフィン系樹脂あるいはポリエチレン−α−オレフ
    ィン共重合体樹脂からなる層であり、前記樹脂がポリエ
    チレン系エラストマーまたはポリエチレン系プラストマ
    ー、もしくはそれらの酸無水物の変性物である第1層
    と、ポリプロピレン系樹脂(樹脂A)、樹脂Aと非相溶
    の樹脂(樹脂B)、及び樹脂Aと樹脂Bの相溶化材とし
    て機能する樹脂(樹脂C)で構成される樹脂組成物から
    なる第2層の、2つの樹脂層を積層したことを特徴とす
    る積層体。
  2. 【請求項2】前記第2層を構成する樹脂組成物の樹脂A
    が長鎖分岐型ホモポリプロピレン樹脂または長鎖分岐型
    ブロックポリプロピレン樹脂であり、樹脂Aと非相溶の
    樹脂Bが高密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィ
    ン共重合体、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重
    合体もしくはそれをエステル化物、酸無水物等で変性さ
    せた変性物及びイオン架橋物、またはポリスチレン樹脂
    であることを特徴とする、請求項1記載の積層体。
  3. 【請求項3】前記樹脂組成物において、樹脂Bがポリス
    チレン樹脂、樹脂Cがポリプロピレンにスチレンをグラ
    フトした構造を持つポリマーであり、樹脂A、樹脂Bお
    よび樹脂Cの配合比が以下の関係であることを特徴とす
    る、請求項1または2記載の積層体。 ・重量比で樹脂Aが50〜99wt%、樹脂B+樹脂C
    が1〜50wt% ・樹脂C/樹脂B≧0.2 ・樹脂B/(樹脂B+樹脂C中のポリスチレン成分)≦
    0.96 ・樹脂C中のポリスチレン成分;1〜50wt%
  4. 【請求項4】前記樹脂組成物は、温度260〜300°
    C、せん断速度101 〜102 (1/sec)の範囲に
    おいて、樹脂Aと樹脂Bの溶融粘度の比がη(樹脂A)
    ≦η(樹脂B)の関係を有することを特徴とする、請求
    項1、2または3記載の積層体。
  5. 【請求項5】前記樹脂A中に分散している樹脂Bの分散
    サイズがμmオーダーで、層のMD方向に楕円状もしく
    は繊維状に延伸された形状であることを特徴とする、請
    求項1、2、3または4記載の積層体。
  6. 【請求項6】前記第2層を厚さ1〜30μmの範囲でシ
    ーラント層としたことを特徴とする、請求項1、2、
    3、4または5記載の積層体。
  7. 【請求項7】前記積層体のシーラント層同士でシール、
    またはポリプロピレン樹脂との該積層体とでシールした
    ときに、シーラントの剥離が凝集破壊によって行われ、
    その際の剥離強度が4〜20N/15mmであることを
    特徴とする、請求項1、2、3、4、5または6記載の
    積層体。
  8. 【請求項8】請求項1、2、3、4、5、6または7記
    載の積層体を用いたイージーピール性を有する軟包装
    袋。
  9. 【請求項9】請求項1、2、3、4、5、6または7記
    載の積層体を用いたポリプロピレン樹脂容器またはポリ
    プロピレン系樹脂と紙とからなる複合容器用のイージー
    ピール性を有する蓋材。
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