JP5574368B2 - 多孔質マイクロ波発熱体とその製造方法及びフィルタとその製造方法 - Google Patents

多孔質マイクロ波発熱体とその製造方法及びフィルタとその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5574368B2
JP5574368B2 JP2010114425A JP2010114425A JP5574368B2 JP 5574368 B2 JP5574368 B2 JP 5574368B2 JP 2010114425 A JP2010114425 A JP 2010114425A JP 2010114425 A JP2010114425 A JP 2010114425A JP 5574368 B2 JP5574368 B2 JP 5574368B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
porous structure
side space
carbonaceous
skeleton
slurry
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010114425A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011243412A (ja
Inventor
英治 谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2010114425A priority Critical patent/JP5574368B2/ja
Publication of JP2011243412A publication Critical patent/JP2011243412A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5574368B2 publication Critical patent/JP5574368B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Constitution Of High-Frequency Heating (AREA)
  • Filtering Materials (AREA)
  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

本発明は、マイクロ波を照射することにより短時間で発熱するマイクロ波発熱体及びその製造方法と、このマイクロ波発熱体からなり排ガス中の粒子状物質を濾過して補集するフィルタ及びその製造方法に関し、詳しくは炭素質の多孔質構造体を骨格とする多孔質マイクロ波発熱体及びその製造方法に関する。
誘電加熱法に含まれるマイクロ波加熱法は、300MHz〜30GHzの電磁波を利用して誘電体(絶縁体)を加熱する方法である。この誘電加熱法の加熱原理は、被加熱物を構成している分子(永久双極子)がマイクロ波の力を受けて変位・分極し、それがマイクロ波の周波数に応じて激しく振動する際の摩擦熱によって被加熱物自体を発熱・昇温させる誘電加熱である。そのため被加熱物を外部から内部まで均一に加熱することができ、主として水分の乾燥を目的とした食品業界での利用は言うに及ばず、ゴム業界、化学業界など種々の分野で利用されている。
また、マイクロ波の照射によって電気伝導性のある炭化ケイ素や炭素も発熱し、下記の非特許文献1には、2.45GHzのマイクロ波を用いると、粒径1μm以下のアモルファス炭素粉末は1分間の照射で1556Kまで急速に加熱され、黒鉛粉末は1.75分間の照射で1346Kまで急速に加熱されることが報告されている。これは、炭素や炭化ケイ素が適当な大きさの電気抵抗を有し、その抵抗によってマイクロ波が吸収され加熱される誘導加熱によるものである。しかし電気伝導性のよい金属では、電気抵抗が低すぎるために、マイクロ波照射時に表面で放電が生じる。
また特開平08−169478号公報には、炭素繊維とセラミックス繊維などからなる紙状基材に炭素粉末を抄き込んでなる発熱シートで食品を包み、それをマイクロ波加熱することで食品の表面に焦げ目を付けることができることが記載され、1分間の照射で280℃程度まで加熱可能なことが記載されている。
さらに下記の非特許文献2には、Li,Pr,Nd等の元素を含む酸化鉄粉末を低熱膨張性の粘土に混合し、バインダー、水とともに湿式混合したスラリーをウレタンフォームに含浸させ、1100〜1230℃で焼成後、カーボンブラックを担持した多孔体が記載されている。そしてこの多孔体を600Wの電子レンジでマイクロ波加熱すると、10秒で30℃、20秒で130℃、30秒で230℃、40秒で320℃、50秒後に385℃まで昇温することが記載されている。
一方、特許第3699992号、特許第4273195号、特許第4110244号には、スポンジ状の有機多孔質構造体から炭化ケイ素質多孔質構造材を製造する方法が開示されている。この製造方法は、例えば段ボール紙やウレタンスポンジにフェノール樹脂及びシリコン粉末を含むスラリーを含浸させ、それを不活性雰囲気下で焼成することで、炭素質多孔質構造体を経て反応焼結によって炭化ケイ素質多孔質構造材を製造するものである。
この製造方法の途中で得られる炭素質多孔質構造体は、ガス拡散性に優れ、かつ熱容量が小さいという特性を備えている。したがってこの炭素質多孔質構造体にマイクロ波を照射すれば、発熱体として利用できる。またその形状をウレタンスポンジと同じ三次元網目形状やハニカム形状とすることも容易であるので、排ガスの浄化などにも用いることができる。
そこで本願発明者は、ウレタンスポンジから形成された炭素質多孔質構造体にマイクロ波を照射したところ、比較例にも示したように5秒程度の短時間の照射で赤熱し、マイクロ波発熱体としてきわめて有用であることが明らかとなった。ところがマイクロ波加熱中に一部にアーク放電が生じたり、酸化劣化して形状が維持できないという不具合があった。なお上記した非特許文献2には、180秒以上の加熱でカーボンブラックが53〜56%焼失することが記載されている。
特開平08−169478号公報 特許第3699992号 特許第4273195号 特許第4110244号
K.J.Rao, B.Vaidhyanathan, M.Ganguli, and P.A.Ramakrishnan, Chem.Mater.,[11]882-895(1999). 勝木宏昭、佐賀県窯業技術センター平成17年度研究報告書
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、炭素質多孔質構造材を骨格とし、マイクロ波加熱時に瞬時に発熱するとともに、アーク放電や酸化が生じない発熱体およびこの発熱体からなるフィルタとすることを目的とする。
上記課題を解決する本発明の多孔質マイクロ波発熱体の特徴は、三次元網目構造をもち嵩密度が0.2g/cm 以下の炭素質多孔質構造体と、炭素質多孔質構造体の骨格表面に被覆されたセラミックス被覆層と、からなり、マイクロ波の照射によって放電することなく発熱することにある。
また上記多孔質マイクロ波発熱体を製造できる本発明の多孔質マイクロ波発熱体の製造方法の特徴は、炭素源としての樹脂を含むスラリーを三次元網目構造の有機多孔質構造体に含浸させる含浸工程と、有機多孔質構造体から余剰のスラリーを除去し有機多孔質構造体の骨格及びその表面にスラリーが付着した前駆体を形成する除去工程と、
真空中又は非酸化性雰囲気中にて前駆体を加熱し樹脂を炭素化するとともに有機多孔質構造体を熱分解して有機多孔質構造体の骨格を維持した炭素質多孔質構造体とする炭素化工程と、
炭素質多孔質構造体の骨格表面をセラミックスで被覆してセラミックス被覆層を形成する被覆工程と、からなることにある。
そして本発明の多孔質マイクロ波発熱体からなる本発明のフィルタの特徴は、排ガス流入側端面に開口し排ガス下流側で閉塞された流入側空間と、流入側空間に隣接するとともに排ガス流出側端面に開口し排ガス上流側で閉塞された流出側空間と、流入側空間と流出側空間を区画する多孔質の隔壁と、を有し、少なくとも隔壁は嵩密度が0.2g/cm 以下の三次元網目構造の炭素質多孔質構造体と炭素質多孔質構造体の骨格表面に被覆されたセラミックス被覆層と、からなり、マイクロ波の照射によって放電することなく発熱することにある。
本発明の多孔質マイクロ波発熱体は、三次元網目構造の炭素質多孔質構造体を骨格としているので、マイクロ波の照射によって発熱し、多孔質で熱容量が小さいため瞬時に赤熱する。また多孔質であるので、ガス拡散性にも優れている。したがってその発熱をPMの燃焼除去、VOCの酸化分解、化学反応など、種々の分野に利用することができる。また炭素質多孔質構造体の表面はセラミックス被覆層で覆われているので、マイクロ波照射時の放電が防止され、酸化による劣化や消耗も防止され、触媒機能をもたせることも可能である。
そして本発明の多孔質マイクロ波発熱体の製造方法によれば、スポンジや紙など三次元網目構造の有機多孔質構造体を出発原料としているので、種々の形状を容易に形成することができ、用途に応じた形状の発熱体を容易かつ安価に製造することができる。
また本発明のフィルタによれば、マイクロ波の照射によって瞬時に発熱するので、補集された粒子状物質を速やかに燃焼除去することができ目詰まりを防止することができる。
本発明の一実施例に係る多孔質マイクロ波発熱体の斜視図である。 本発明の一実施例に係る多孔質マイクロ波発熱体の模式的な要部拡大断面図である。 本発明の実施例6に係るフィルタの斜視図である。 本発明の実施例6に係るフィルタの断面図である。 本発明の実施例6に係るフィルタの製造方法を示し、スリットを形成したスポンジの斜視図である。 本発明の実施例6に係るフィルタの製造方法を示し、スリットを形成したスポンジの断面図である。 本発明の実施例6に係るフィルタの製造方法を示し、プレートを挿入したスポンジの斜視図である。 本発明の実施例6に係るフィルタの製造方法を示し、串状の棒を突き刺した炭素質多孔質構造体の断面図である。 本発明の実施例6に係るフィルタの製造方法を示し、串状の棒を突き刺した炭素質多孔質構造体の斜視図である。
本発明の多孔質マイクロ波発熱体及びフィルタは、三次元網目構造の炭素質多孔質構造体と、セラミックス被覆層とから構成されている。炭素質多孔質構造体は、炭素のみから構成してもよいし、SiC、酸化鉄など、マイクロ波の照射によって発熱可能な物質を一部含んでいてもよい。しかし炭素以外の物質の量が多くなるとマイクロ波照射時の昇温が遅くなるので、セラミックス被覆層を含めた炭素以外の物質の量は全体の50体積%以下とするのが望ましい。
また炭素質多孔質構造体は、マイクロ波照射時に瞬時に高温となることを特色としている。したがって炭素質多孔質構造体は、熱容量が小さいことが望ましいので、嵩密度が0.2g/cm以下、さらには0.1g/cm以下であることが望ましい。
セラミックス被覆層は、三次元網目構造の炭素質多孔質構造体の骨格表面を被覆することで、マイクロ波照射時の放電を防止し、炭素質多孔質構造体の酸化を防止するものである。このセラミックス被覆層の材質としては、アルミナ、シリカ、ムライト、酸化チタン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ゼオライトなどが例示される。このセラミックス被覆層の膜厚は、1μm〜50μmの範囲が好ましく、5μm〜20μmの範囲が特に好ましい。セラミックス被覆層の膜厚が薄くなりすぎると、炭素質多孔質構造体の表面が表出し易くなり、マイクロ波の照射時に放電が生じたり炭素質多孔質構造体の酸化が生じる場合がある。またセラミックス被覆層の膜厚が厚くなりすぎると、剥離が生じやすく、マイクロ波加熱時の発熱量が不足したり昇温が遅れるようになるので好ましくない。
本発明の製造方法は、本発明の多孔質マイクロ波発熱体を製造するのに最適である。出発原料である三次元網目構造の有機多孔質構造体としては、ポリウレタン、ポリエチレン、PVA、ゴムなどを主成分とし、連続気泡を有する発泡体(スポンジ)を用いることができる。ポリウレタン、ポリエチレン、PVA、ゴムなどを主成分とすれば、他の物質が含まれていてもよい。なお本発明では、ポリウレタンからなるスポンジであって、発泡成形時に生じるセル膜を除去したものが、有機多孔質構造体として最も好ましい。
次の含浸工程では、炭素源としての樹脂を含むスラリーを有機多孔質構造体に含浸する。炭素源である樹脂としては、溶媒に溶解して溶液となるものを用いることができ、フェノール樹脂、フラン樹脂、あるいはポリカルボシラン等の有機金属ポリマーなどが例示される。これらから選ばれる一種でもよいし、複数種を混合して用いてもよい。添加剤として、炭素粉末、黒鉛粉末、カーボンブラックを添加してもよく、骨材や酸化防止剤として窒化ケイ素、ジルコニア、ジルコン、アルミナ、シリカ、ムライト、二ケイ化モリブデン、炭化ホウ素、シリコン粉末、ホウ素粉末などを添加することもできる。またマイクロ波吸収物質として、例えば炭化ケイ素、アルミニウム(Al)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)、タングステン(W)、亜鉛(Zn)、ホウ化チタン(TiB)、酸化コバルト(CoO)、酸化銅(CuO)、酸化鉄(FeO)、酸化マンガン(MnO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化バナジウム(VO)、酸化タングステン(WO)等を添加してもよい。
スラリーを有機多孔質構造体に含浸するには、単に浸漬して引き上げるだけでもよいし、減圧下で含浸させることも好ましい。
次の除去工程では、有機多孔質構造体から余剰のスラリーが除去される。有機多孔質構造体から余剰のスラリーを除去するのは、連続気孔部に充填されたスラリーを除去するためであり、有機多孔質構造体から余剰のスラリーを吸引する方法、遠心分離により除去する方法、あるいは有機多孔質構造体を絞って余剰のスラリーを除去する方法などを用いて行うことができる。余剰のスラリーが除去されることで、有機多孔質構造体の骨格表面及び連通細孔内部表面にスラリーが付着した前駆体が形成される。
除去工程後には、スラリー中の溶媒を乾燥させる乾燥工程を行うことが望ましい。乾燥工程は大気中で行うことができ、70〜90℃で1時間程度保持すれば十分である。
炭素化工程では、真空中又は非酸化性雰囲気中にて前駆体を加熱し、樹脂を炭素化するとともに有機多孔質構造体を熱分解して炭素質多孔質構造体とする。非酸化性雰囲気としては、アルゴンガスなど不活性ガス雰囲気が好ましい。樹脂の熱分解による炭素化過程では、タール状のものや気化物質が生成するので、真空中で行うのはあまり好ましくない。
炭素化工程における焼成温度は、900〜1350℃の範囲とすることができる。900〜1350℃の範囲で加熱することで、有機多孔質構造体の表面に付着している樹脂が炭素化するとともに、有機多孔質構造体の有機成分が熱分解しその立体骨格を維持しつつ炭素化される。したがって有機多孔質構造体の骨格を維持した炭素質多孔質構造体が形成される。
被覆工程では、炭素質多孔質構造体の骨格表面をセラミックスで被覆してセラミックス被覆層を形成する。例えばシリカゾルやアルミナゾル、あるいはポリカルボシランなどの有機ケイ素化合物などの溶液を炭素質多孔質構造体に含浸させ、それを乾燥することでセラミックス被覆層を形成することができる。またCVD、スパッタリング、蒸着などの方法でセラミックス被覆層を形成することもできる。
なおシリカゾルなどの水溶液を用いる場合には、炭素質多孔質構造体が水との濡れ性に乏しいので、コーティングしにくい場合がある。そのような場合には、含浸と乾燥を複数回行うことで対処できる。あるいは水溶液ではなくアルコールなどの有機溶液を用いたり、界面活性剤を用いたりすることで均一にコーティングすることができる。また炭素質多孔質構造体を強度劣化が生じない程度に酸化したり、表面を親水性に変化させる熱処理を行ってもよい。
また含浸工程で用いるスラリー中に金属シリコン粉末を混合しておき、炭素化工程後に真空中で1450℃以上に加熱する焼成工程を行うことも好ましい。この工程では、金属シリコンが炭素と反応し、反応焼結によって炭素質多孔質構造体の表面に多孔質の炭化ケイ素が生成するので、水との濡れ性が改善され水溶液を用いた被覆工程を確実に行うことができる。また金属シリコン粉末の添加によって焼成時の体積収縮が抑制されるとともに、反応焼結で生成した炭化ケイ素により炭素質多孔質構造体の骨格が補強される効果も発現する。
なお金属シリコン粉末を用いる場合には、その添加量は、スラリー中の樹脂成分によって供給される炭素とシリコンの割合が30〜60質量%(原子比Si/C=0.2〜0.6)の範囲となるようにすることが望ましい。シリコン量がこの範囲より少ないと添加した効果が発現されにくく、シリコン量がこの範囲より多くなると炭素量が相対的に減少し、マイクロ波加熱時における発熱温度が低下したり昇温が遅れてしまう。
本発明のフィルタは、排ガス流入側端面に開口し排ガス下流側で閉塞された流入側空間と、流入側空間に隣接するとともに排ガス流出側端面に開口し排ガス上流側で閉塞された流出側空間と、流入側空間と流出側空間を区画する多孔質の隔壁と、を有し、少なくとも隔壁は三次元網目構造の炭素質多孔質構造体と炭素質多孔質構造体の骨格表面に被覆されたセラミックス被覆層と、からなり、マイクロ波の照射によって発熱することで隔壁に補集された煤などの粒子状物質を容易かつ速やかに燃焼除去することができる。
隔壁の表面積が大きいほど粒子状物質の補集効率が高まるので、端面の単位面積当たりに開口する流入側空間と流出側空間の数が多いほど好ましい。このようにするには、流入側空間及び流出側空間を平板状の空間とし、流入側空間及び流出側空間が交互に形成することが好ましい。また流入側空間及び流出側空間を直孔状とし、流入側端面及び流出側端面から透視したときに流入側空間及び流出側空間が市松状に配設された構造とすることも好ましい。
本発明の製造方法を利用すれば、このようなフィルタを容易に製造することができる。例えば発泡成形によって流入側空間及び流出側空間をもつスポンジを製造し、それを本発明の製造方法によって炭素化してセラミックス被覆層を形成すればよい。あるいは平板状のスラブウレタンフォームと、それを波状に賦形した波板とを交互に積層し、両端の開口を交互に目詰めした後に本発明の製造方法によって炭素化してセラミックス被覆層を形成してもよい。
しかし発泡成形によって流入側空間及び流出側空間をもつスポンジを製造する場合は、断面積の小さな流入側空間及び流出側空間を形成することが困難な場合がある。また目詰めを行う場合には、スポンジが軟質であるので確実な目詰めが困難となる場合がある。そこで本発明の一つのフィルタの製造方法では、三次元網目構造の有機多孔質構造体が軟質であることを利用し、有機多孔質構造体に予めスリットを形成し、スラリーを含浸した後にスリットに板部材を挿入し、スラリーが乾燥硬化した後に板部材を除去する。こうすることで前駆体は流入側空間及び流出側空間に対応する空間をもつ形状に賦形され、その後に炭素化工程を行うことで、炭素質多孔質構造体に流入側空間及び流出側空間を容易に形成することができる。
板部材としては、前駆体から容易に除去できる材質であることが望ましく、フッ素樹脂などから形成されたものなどを用いることができる。なお含浸工程後、スラリーの乾燥硬化前にスリットを形成して板部材を挿入してもよい。
また本発明のもう一つのフィルタの製造方法では、炭素質多孔質構造体の機械加工が容易であることを利用し、炭素化工程後に孔形成工程を行うことで、炭素質多孔質構造体に流入側空間及び流出側空間を形成している。この孔形成工程は、ドリルなどで形成したり、針あるいは串状のものを突き刺して形成することができる。あるいはレーザー加工やジェット水流を用いてもよい。
なお有機多孔質構造体としてウレタンスポンジを用いる場合には、#30〜#80のメッシュのものを用いると、隔壁の連通細孔の平均気孔中心間距離が800μm〜300μmとなり、排気圧損の上昇を抑制できるとともに、ディーゼルエンジンの排ガス中に含まれる粒子状物質(PM)を効率よく濾過補集することができる。気孔径は、骨格の太さとその表面を被覆しているセラミックスの膜厚だけ、平均気孔中心間距離より短くなる。
以下、実施例及び比較例によって本発明の実施態様を具体的に説明する。
図1に本実施例の多孔質マイクロ波発熱体を、図2にその模式的な要部拡大断面図を示す。この多孔質マイクロ波発熱体は、三次元網目構造の炭素質多孔質構造体1と、炭素質多孔質構造体1の骨格表面に一体に形成されたシリカ層2と、よりなる。この多孔質マイクロ波発熱体は円柱形状(直径約20mm、長さ約30mm)をなし、ポリウレタンスポンジの熱分解により多数の連通細孔10を有している。シリカ層2は連通細孔10の表面にも形成され、炭素質多孔質構造体1の骨格表面に一体に形成されている。
以下、この多孔質マイクロ波発熱体の製造方法を説明し、構成の詳細な説明に代える。
<含浸工程>
10質量部のフェノール樹脂を20質量部のエチルアルコールに溶解し、そこへ5.6質量部の金属Si粉末を混合し(Si/C=0.4)よく撹拌してスラリー液を調製した。次いで#13(1インチ当たり13セル数)の円柱状ポリウレタンスポンジ(発泡成形時に生じるセル膜を除去したもの)を用意し、上記スラリー液を十分に含浸し、スラリー液が連続気孔を塞がない程度に絞り、これを90℃で1時間乾燥させた。
<炭素化工程>
スラリー液が付着したスポンジを、アルゴンガス雰囲気下にて1000℃に加熱して炭素化した。この時、スポンジが熱分解して炭素化されるとともにフェノール樹脂が炭素化し、用いたスポンジと同等の三次元網目構造の立体骨格を有しSiを含有する炭素質多孔質構造体1が形成された。この炭素質多孔質構造体1の嵩密度は約0.02g/cmであった。
<焼結工程>
得られた炭素質多孔質構造体1を真空中にて1450℃に加熱し、Siを炭素と反応焼結させてSiCとした。この焼成では、シリコンの融点(約1410℃)以下の温度で、炭素がシリコン粉末に拡散反応してSiCが生成する。これにより炭素質多孔質構造体1が補強される。
<被覆工程>
得られた炭素質多孔質構造体1を濃度25質量%のシリカゾル水溶液(コロイダルシリカ)に浸漬し、引き上げて余分な水溶液を吹き払った後、室温で乾燥させ、400℃で10分間加熱した。これにより炭素質多孔質構造体1の骨格表面に、膜厚5μm〜20μmのシリカ層2が形成された。これにより炭素質多孔質構造体1が表出する部分は皆無となり、全ての表面にシリカ層2が形成されている。
[比較例1]
被覆工程を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、シリカ層をもたず炭素質多孔質構造体1のみからなる比較例1の多孔質マイクロ波発熱体を製造した。
<含浸工程>
10質量部のフェノール樹脂を20質量部のエチルアルコールに溶解し、そこへ5.6質量部のSiC粉末を混合し、よく撹拌した後にボールミルで24時間混合してスラリー液を調製した。次いで実施例1と同様の円柱状ポリウレタンスポンジを用意し、上記スラリー液を十分に含浸し、スラリー液が連続気孔を塞がない程度に絞り、これを90℃で1時間乾燥させた。
<炭素化工程>
スラリー液が付着したスポンジを、アルゴンガス雰囲気下にて1000℃に加熱して炭素化した。この時、スポンジが熱分解して炭素化されるとともにフェノール樹脂が炭素化し、用いたスポンジと同等の立体骨格を有しSiCを含有する炭素質多孔質構造体が形成された。この炭素質多孔質構造体の嵩密度は約0.02g/cmであった。
<焼成工程>
得られた炭素質多孔質構造体を、真空中にて1450℃に加熱して焼成した。
この後、実施例1と同様に被覆工程を行った。これにより炭素質多孔質構造体が表出する部分は皆無となり、全ての表面にシリカ層2が形成されている。
[比較例2]
被覆工程を行わなかったこと以外は実施例2と同様にして、シリカ層をもたずSiCを含む炭素質多孔質構造体のみからなる比較例2の多孔質マイクロ波発熱体を製造した。
<含浸工程>
10質量部のフェノール樹脂を25質量部のエチルアルコールに溶解し、そこへ5.6質量部の金属Si粉末(Si/C=0.4)と2.8質量部のSiC粉末を混合し、よく撹拌した後にボールミルで24時間混合してスラリー液を調製した。次いで実施例1と同様の円柱状ポリウレタンスポンジを用意し、上記スラリー液を十分に含浸し、スラリー液が連続気孔を塞がない程度に絞り、これを90℃で1時間乾燥させた。
<炭素化工程>
スラリー液が付着したスポンジを、アルゴンガス雰囲気下にて1000℃に加熱して炭素化した。この時、スポンジが熱分解して炭素化されるとともにフェノール樹脂が炭素化し、用いたスポンジと同等の立体骨格を有しSiとSiCを含有する炭素質多孔質構造体が形成された。この炭素質多孔質構造体の嵩密度は約0.03g/cmであった。
この後、実施例1と同様に焼結工程と被覆工程を行った。これにより炭素質多孔質構造体が表出する部分は皆無となり、全ての表面にシリカ層2が形成されている。
[比較例3]
被覆工程を行わなかったこと以外は実施例3と同様にして、シリカ層をもたずSiCを含む炭素質多孔質構造体のみからなる比較例3の多孔質マイクロ波発熱体を製造した。
<含浸工程>
10質量部のフェノール樹脂を20質量部のエチルアルコールに溶解した樹脂液を調製した。次いで実施例1と同様の円柱状ポリウレタンスポンジを用意し、上記樹脂液を十分に含浸し、樹脂液が連続気孔を塞がない程度に絞り、これを90℃で1時間乾燥させた。
<炭素化工程>
樹脂液が付着したスポンジを、アルゴンガス雰囲気下にて1000℃に加熱して炭素化した。この時、スポンジが熱分解して炭素化されるとともにフェノール樹脂が炭素化し、用いたスポンジと同等の立体骨格を有する炭素質多孔質構造体が形成された。この炭素質多孔質構造体の嵩密度は約0.02g/cmであった。
この後、実施例1と同様に焼結工程と被覆工程を行った。これにより炭素質多孔質構造体が表出する部分は皆無となり、全ての表面にシリカ層が形成されている。
[比較例4]
被覆工程を行わなかったこと以外は実施例4と同様にして、シリカ層をもたず炭素質多孔質構造体のみからなる比較例4の多孔質マイクロ波発熱体を製造した。
<含浸工程>
10質量部のフェノール樹脂を20質量部のエチルアルコールに溶解し、そこへ5.6質量部のSiC粉末を混合し、よく撹拌した後にボールミルで24時間混合してスラリー液を調製した。次いで実施例1と同様の円柱状ポリウレタンスポンジを用意し、上記スラリー液を十分に含浸し、スラリー液が連続気孔を塞がない程度に絞り、これを90℃で1時間乾燥させた。
<炭素化工程>
スラリー液が付着したスポンジを、アルゴンガス雰囲気下にて1000℃に加熱して炭素化した。この時、スポンジが熱分解して炭素化されるとともにフェノール樹脂が炭素化し、用いたスポンジと同等の立体骨格を有しSiCを含有する炭素質多孔質構造体が形成された。この炭素質多孔質構造体の嵩密度は約0.02g/cmであった。
<焼成工程>
得られた炭素質多孔質構造体を、真空中にて1450℃に加熱して焼成した。
<被覆工程>
得られた炭素質多孔質構造体を光触媒コーティング液(酸化チタン:濃度3質量%)に浸漬し、引き上げて余分な液を吹き払った後、室温で乾燥させ、この操作を5回繰り返した後、400℃で10分間加熱した。これにより炭素質多孔質構造体の骨格表面に膜厚5μm〜10μmの酸化チタン層が形成された。これにより炭素質多孔質構造体が表出する部分は皆無となり、全ての表面に酸化チタン層が形成されている。
<試験・評価>
各実施例及び各比較例の多孔質マイクロ波発熱体を 600Wの家庭用電子レンジのターンテーブルに載置し、2.45GHzのマイクロ波を照射して5秒後及び10秒後における表面温度を測定した。表面温度の測定は、多孔質マイクロ波発熱体を電子レンジから取り出し、表面温度計を用いて測定した。結果を表1に示す。
なおいずれの試料も、5秒照射時には電子レンジ内で赤熱状態であり 700℃以上になっていると認められる。また電子レンジ内におけるマイクロ波の強度ばらつきからか、ターンテーブルの回転角度によって赤熱状態とそうでない状態とが繰り返された。これから、ターンテーブル上でも、急速に加熱され、かつ急速に冷却されていることがわかる。しかも電子レンジの電源をオフにしてから扉を開ける間にも急速に冷却されているので、表1に示した表面温度は実際に発熱した時の温度ではない。
また、マイクロ波加熱時における放電の有無を目視で観察するとともに、多孔質マイクロ波発熱体を目視及び触ることで酸化の有無を判別し、結果を表1に併せて示す。
Figure 0005574368
表1から、各実施例及び各比較例の多孔質マイクロ波発熱体は、5秒間の照射でも170℃以上の表面温度を有し、電子レンジ内ではいずれもターンテーブル上のサンプルが特定の場所に来ると赤熱状態になり、その状態では700℃以上と推定されることから、マイクロ波発熱体として利用できることが示されている。
しかし各比較例の多孔質マイクロ波発熱体はマイクロ波加熱中に放電が生じ、また加熱時に酸化が生じているのに対し、各実施例の多孔質マイクロ波発熱体は放電も酸化も生じていない。これは、シリカ層又は酸化チタン層を形成したことによる効果であることが明らかであり、各実施例の多孔質マイクロ波発熱体は放電も酸化も無く様々な分野で発熱体として利用できることが明らかである。
図3及び図4に、本発明のマイクロ波発熱体を利用したDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)を示す。このDPF3は円柱形状をなし、一端面30に開口する流入側空間31と、他端面32に開口する流出側空間33とを有している。流入側空間31は平板状の空間であり、他端面32には開口していない。また流出側空間33も流入側空間31と同様の平板状の空間であり、一端面30には開口していない。流入側空間31と流出側空間33は径方向に交互に形成され、流入側空間31と流出側空間33との間にはそれぞれ隔壁34が介在している。
このDPFは、実施例1と同様の円柱状ポリウレタンスポンジから以下のようにして製造された。
先ず図5及び図6に示すように、スポンジ4の一端面40から他端面42に向かって延びる互いに平行な複数の第1スリット41を形成した。第1スリット41は他端面42には表出せず、スポンジ4の外周表面にも表出していない。次いで他端面42から一端面40に向かって延びる互いに平行な複数の第2スリット43を形成した。第2スリット43は一端面41には表出せず、スポンジ4の外周表面にも表出していない。第1スリット41と第2スリット43は互いに平行に交互に形成された。
次に実施例1と同様の含浸工程を行い、スラリー液の乾燥前に、テフロン(商標)製で厚さ1〜2mmのプレート5を用意し、図7に示すように一端面40側から各第1スリット41に挿入するとともに、他端面42側から各第2スリット43に挿入した。そして200℃で1時間加熱して含浸したスラリー液を乾燥硬化させた。その後にプレート5を除去したところ、プレート5が抜かれた部位に平板状の空間が形成された。
その状態で実施例1と同様の炭素化工程を行い、実施例1と同様の焼結工程と被覆工程を行った。
このようにして得られたDPF3の隔壁34及び外周部は、図2と同様に多数の連通細孔10を有する炭素質多孔質構造をなし、その全表面及び連通細孔10の表面にはシリカ層2が形成されている。このDPFはディーゼルエンジンの排ガス流路に、一端面30が排ガス上流側に対向し他端面32が排ガス下流側となるように配置される。すると排ガスは流入側空間31に流入するが、流入側空間31は他端面32側で閉塞されているため、排ガスは多孔質の隔壁34を通過して流出側空間33に流入し、他端面32に開口する流出側空間33の開口から排出される。
このとき排ガスに含まれる微粒子状物質(PM)は、隔壁34の表面及び連通細孔10の内部に補集され、流出側空間33から排出されるのが防止される。そして本実施例のDPFは、実施例1のマイクロ波発熱体と同様にマイクロ波の照射によって瞬時に発熱して高温となるので、図4に示すようにマイクロ波を照射することで補集されたPMを燃焼することができ、PMの堆積による圧損の上昇を防止することができるとともに、DPFのPM補集能が回復する。
上記した実施例では、平板状の流入側空間31と流出側空間33とをもつDPFを示したが、本発明に係る炭素質多孔質構造体は切削、孔あけなどの機械加工が容易である。そこで実施例6における炭素化工程後、あるいは焼結工程後の炭素質多孔質構造体6を用い、図8及び図9に示すように、一端面60側から串状の棒7を突き刺して複数の円柱状の空間を形成する。一方、他端面61側からも串状の棒7を突き刺して複数の円柱状の空間を形成する。一端面60側からの串状の棒7と他端面61側からの串状の棒7とは、図8に示すように互いの間に市松状となるように突き刺される。そしてそれぞれの串状の棒7は、先端が他端面61又は一端面60の手前で突き刺しが停止される。
その後に串状の棒7を抜き取り、突き刺し時に形成された炭素屑を除去した後、実施例1と同様に焼結工程と被覆工程を、あるいは被覆工程を行う。こうして得られたDPFは、実施例6に係るDPFに比べて流入側空間と流出側空間とを区画する隔壁の面積が大きくなるので、排ガスと接触する隔壁の面積も大きくなりPMの補集効率が向上する。そしてマイクロ波の照射によって瞬時に発熱して高温となるので、マイクロ波を照射することで補集されたPMを燃焼することができ、PMの堆積による圧損の上昇を防止することができるとともに、DPFのPM補集能が回復する。
本発明の多孔質マイクロ波発熱体は、瞬時に高温となることを利用して、排ガス中の有害成分の除去、化学反応用の熱源、フィルタに堆積した煤の燃焼など、各種分野に利用することができる。
1:炭素質多孔質構造体 2:シリカ層 10:連通細孔
3:DPF 30:一端面 31:流入側空間
32:他端面 33:流出側空間 34:隔壁
4:スポンジ 40:一端面 41:第1スリット
42:他端面 43:第2スリット 5:プレート
6:炭素質多孔質構造体 60:一端面 61:他端面
7:串状の棒

Claims (12)

  1. 三次元網目構造をもち嵩密度が0.2g/cm 以下の炭素質多孔質構造体と、該炭素質多孔質構造体の骨格表面に被覆されたセラミックス被覆層と、からなり、マイクロ波の照射によって放電することなく発熱することを特徴とする多孔質マイクロ波発熱体。
  2. 前記セラミックス被覆層は、アルミナ、シリカ、ムライト、酸化チタン、炭化ケイ素、窒化ケイ素から選ばれる少なくとも一種である請求項1記載の多孔質マイクロ波発熱体。
  3. 前記セラミックス被覆層の厚さは1μm〜50μmである請求項1又は請求項2に記載の多孔質マイクロ波発熱体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の多孔質マイクロ波発熱体の製造方法であって、
    炭素源としての樹脂を含むスラリーを三次元網目構造の有機多孔質構造体に含浸させる含浸工程と、
    該有機多孔質構造体から余剰のスラリーを除去し該有機多孔質構造体の骨格及びその表面に該スラリーが付着した前駆体を形成する除去工程と、
    真空中又は非酸化性雰囲気中にて該前駆体を加熱し該樹脂を炭素化するとともに該有機多孔質構造体を熱分解して該有機多孔質構造体の骨格を維持した炭素質多孔質構造体とする炭素化工程と、
    該炭素質多孔質構造体の骨格表面をセラミックスで被覆してセラミックス被覆層を形成する被覆工程と、からなることを特徴とする多孔質マイクロ波発熱体の製造方法。
  5. 前記スラリーにはマイクロ波吸収物質の粉末が含まれている請求項4に記載の多孔質マイクロ波発熱体の製造方法。
  6. 前記スラリーには金属シリコン粉末が含まれ、前記炭素化工程と前記被覆工程との間に前記炭素質多孔質構造体を真空中にて1450℃以上で加熱する焼結工程を行う請求項4に記載の多孔質マイクロ波発熱体の製造方法。
  7. 排ガス流入側端面に開口し排ガス下流側で閉塞された流入側空間と、該流入側空間に隣接するとともに排ガス流出側端面に開口し排ガス上流側で閉塞された流出側空間と、該流入側空間と該流出側空間を区画する多孔質の隔壁と、を有し、少なくとも該隔壁は嵩密度が0.2g/cm 以下の三次元網目構造の炭素質多孔質構造体と該炭素質多孔質構造体の骨格表面に被覆されたセラミックス被覆層と、からなり、マイクロ波の照射によって放電することなく発熱することを特徴とするフィルタ。
  8. 前記流入側空間及び前記流出側空間は平板状の空間である請求項7に記載のフィルタ。
  9. 前記流入側空間及び前記流出側空間は直孔状の空間である請求項7に記載のフィルタ。
  10. 前記流入側端面及び前記流出側端面から透視したときに前記流入側空間及び前記流出側空間は市松状に配設されている請求項9に記載のフィルタ。
  11. 請求項8に記載のフィルタの製造方法であって、
    三次元網目構造の有機多孔質構造体の一端面から他端面に向かって延び該他端面に開口しない第1スリットと、該第1スリットに隣接し該有機多孔質構造体の該他端面から該一端面に向かって延び該一端面に開口しない第2スリットとを形成するスリット形成工程と、
    炭素源としての樹脂を含むスラリーをスリットをもつ該有機多孔質構造体に含浸させて含浸構造体とする含浸工程と、
    該有機多孔質構造体から余剰のスラリーを除去し該有機多孔質構造体の骨格及びその表面に該スラリーが付着した前駆体を形成する除去工程と、
    該第1スリット及び該第2スリットに板部材を挿入した後に付着した該スラリーを乾燥硬化し、その後に該板部材を除去する乾燥工程と、
    真空中又は非酸化性雰囲気中にて前記乾燥工程後の前記前駆体を加熱し該樹脂を炭素化するとともに該有機多孔質構造体を熱分解して該有機多孔質構造体の骨格を維持した炭素質多孔質構造体とする炭素化工程と、
    該炭素質多孔質構造体の骨格表面をセラミックスで被覆してセラミックス被覆層を形成する被覆工程と、からなることを特徴とするフィルタの製造方法。
  12. 請求項9又は請求項10に記載のフィルタの製造方法であって、
    炭素源としての樹脂を含むスラリーを三次元網目構造の有機多孔質構造体に含浸させる含浸工程と、
    該有機多孔質構造体から余剰のスラリーを除去し該有機多孔質構造体の骨格及びその表面に該スラリーが付着した前駆体を形成する除去工程と、
    真空中又は非酸化性雰囲気中にて該前駆体を加熱し該樹脂を炭素化するとともに該有機多孔質構造体を熱分解して該有機多孔質構造体の骨格を維持した炭素質多孔質構造体とする炭素化工程と、
    該炭素質多孔質構造体の一端面から他端面に向かって延び該他端面に開口しない第1直孔を形成するとともに、該第1直孔に隣接し該炭素質多孔質構造体の該他端面から該一端面に向かって延び該一端面に開口しない第2直孔を形成する孔形成工程と、
    該第1直孔及び該第2直孔をもつ該炭素質多孔質構造体の骨格表面をセラミックスで被覆してセラミックス被覆層を形成する被覆工程と、からなることを特徴とするフィルタの製造方法。
JP2010114425A 2010-05-18 2010-05-18 多孔質マイクロ波発熱体とその製造方法及びフィルタとその製造方法 Expired - Fee Related JP5574368B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010114425A JP5574368B2 (ja) 2010-05-18 2010-05-18 多孔質マイクロ波発熱体とその製造方法及びフィルタとその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010114425A JP5574368B2 (ja) 2010-05-18 2010-05-18 多孔質マイクロ波発熱体とその製造方法及びフィルタとその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011243412A JP2011243412A (ja) 2011-12-01
JP5574368B2 true JP5574368B2 (ja) 2014-08-20

Family

ID=45409889

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010114425A Expired - Fee Related JP5574368B2 (ja) 2010-05-18 2010-05-18 多孔質マイクロ波発熱体とその製造方法及びフィルタとその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5574368B2 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101334028B1 (ko) * 2013-07-03 2013-11-28 (주)금오전자 저밀도 고온 마이크로웨이브 발열체 및 그 제조방법
JP5877920B1 (ja) * 2015-04-28 2016-03-08 株式会社ワイエイシイデンコー 急速昇降温熱処理炉
CN111097350B (zh) * 2018-10-29 2021-05-11 中国石油化工股份有限公司 一种微波高温裂解废旧聚氯乙烯的方法
CN111099943B (zh) * 2018-10-29 2021-07-02 中国石油化工股份有限公司 一种微波高温裂解生物质的方法
CN111100325B (zh) * 2018-10-29 2021-03-16 中国石油化工股份有限公司 一种微波高温裂解废旧聚苯乙烯的方法
CN111100327B (zh) * 2018-10-29 2021-05-11 中国石油化工股份有限公司 一种微波高温裂解废旧聚丙烯的方法
CN111100322B (zh) * 2018-10-29 2021-03-16 中国石油化工股份有限公司 一种微波高温裂解碳纤维复合材料的方法
US20220008882A1 (en) * 2018-10-29 2022-01-13 China Petroleum & Chemical Corporation Porous Composite Material Capable of Generating Electric Arc in Microwave Field, Preparation Method therefor, and Use thereof
CN111100660B (zh) * 2018-10-29 2021-05-11 中国石油化工股份有限公司 一种微波高温裂解废旧聚酯的方法
CN111100326B (zh) * 2018-10-29 2021-03-16 中国石油化工股份有限公司 一种微波高温裂解废旧橡胶的方法
CN111099917B (zh) * 2018-10-29 2022-01-04 中国石油化工股份有限公司 一种微波中产生电弧的多孔复合材料及制备方法
KR102655547B1 (ko) * 2021-06-10 2024-04-11 한국과학기술원 광열변환 탄소소재를 포함하는 자가세정 필터 및 이의 세정 방법.
GB2611330A (en) * 2021-09-30 2023-04-05 Univ Limerick Carbon foam materials

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62149317A (ja) * 1985-09-11 1987-07-03 Nippon Denso Co Ltd 多孔質セラミツク構造体およびその製造方法
JPH0321955Y2 (ja) * 1985-12-06 1991-05-14
JPH0195489A (ja) * 1987-10-07 1989-04-13 Toshiba Corp 高周波加熱装置
JPH03127607A (ja) * 1989-10-11 1991-05-30 Mitsui Petrochem Ind Ltd 活性炭構造物
JPH05319928A (ja) * 1992-05-15 1993-12-03 Tokai Carbon Co Ltd 炭素/セラミックス複合系高機能材料の製造方法
JPH05330945A (ja) * 1992-06-02 1993-12-14 Mitsubishi Materials Corp マイクロ波吸収発熱体の製造方法
JPH06107476A (ja) * 1992-09-24 1994-04-19 Tokai Carbon Co Ltd マイクロ波再生可能な排ガス浄化用SiC多孔体
JPH08169478A (ja) * 1994-12-20 1996-07-02 Taiyo Chem Kk マイクロ波加熱調理用発熱シート及びその製造方法
JP4273195B2 (ja) * 2000-02-18 2009-06-03 独立行政法人産業技術総合研究所 炭化ケイ素系耐熱性軽量多孔質構造材の製造方法
JP4408183B2 (ja) * 2001-03-16 2010-02-03 日本碍子株式会社 排ガス浄化用ハニカムフィルター
JP3699992B2 (ja) * 2001-08-07 2005-09-28 独立行政法人産業技術総合研究所 炭化ケイ素系耐熱性超軽量多孔質構造材及びその製造方法
JP4110244B2 (ja) * 2002-07-26 2008-07-02 独立行政法人産業技術総合研究所 炭化ケイ素系耐熱多孔質構造材及びその製造方法
JP3978407B2 (ja) * 2003-04-25 2007-09-19 独立行政法人産業技術総合研究所 多孔質構造体および触媒担体
JP2004322035A (ja) * 2003-04-28 2004-11-18 Nissan Motor Co Ltd ハニカム触媒担体
JP2005000818A (ja) * 2003-06-12 2005-01-06 Isuzu Motors Ltd 排気ガス浄化用フィルタ及び排気ガス浄化装置
JP4641845B2 (ja) * 2005-03-28 2011-03-02 太平洋セメント株式会社 被膜付き多孔質構造体および被膜付き多孔質構造体の製造方法
JP4799976B2 (ja) * 2005-09-22 2011-10-26 中部電力株式会社 流体有機化合物の改質処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011243412A (ja) 2011-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5574368B2 (ja) 多孔質マイクロ波発熱体とその製造方法及びフィルタとその製造方法
KR100969188B1 (ko) 촉매 담지 허니컴 및 그 제조 방법
US5733352A (en) Honeycomb structure, process for its production, its use and heating apparatus
JP4246802B2 (ja) ハニカム構造体とその製造方法及び用途、並びに加熱装置
WO2006041174A1 (ja) セラミックハニカム構造体
WO2007074528A1 (ja) 脱脂用治具、セラミック成形体の脱脂方法、及び、ハニカム構造体の製造方法
CN108484190B (zh) 一种碳纤维增强的多相碳化物陶瓷基复合材料的制备方法
CN1980721A (zh) 低热膨胀制品
EP1515787A1 (en) Magnesium aluminum silicate structures for dpf applications
CN101555138A (zh) 一种碳化硅泡沫陶瓷波纹板及其制备方法
CA2629180A1 (en) System for extruding a porous substrate
JP2011236070A (ja) 流体昇温用フィルターおよびその製造方法
EP2130808A1 (en) Process for producing ceramic honeycomb structure
CN103342561A (zh) 基于气相浸渗反应制备的C/ZrC复合材料及其制备方法和工艺用设备
CN113796588A (zh) 多孔碳发热体及其制备方法、电加热雾化芯及电子烟
JP2010163293A (ja) 炭化ケイ素多孔体の製造方法及び炭化ケイ素多孔体
CN102643095A (zh) 一种SiC蜂窝陶瓷材料及其制备方法
CN113557088A (zh) 蜂窝结构体及废气净化装置
CN113613754A (zh) 蜂窝结构体及废气净化装置
JP5008068B2 (ja) 多孔質複合体及びその製造方法
TW200844048A (en) An extruded fibrous silicon carbide substrate and methods for producing the same
JP3642836B2 (ja) 炭化珪素ハニカム構造体及びその製造方法
JP5060968B2 (ja) 触媒担持ハニカムの製造方法
JP5322055B2 (ja) 多孔質発熱装置とその製造方法
AU2007284302A1 (en) An extruded porous substrate having inorganic bonds

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131029

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140612

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140625

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5574368

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees