JP5573530B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、前後左右あるいは上下の加速度に基づいて運転者が受ける力や、加速もしくは制動あるいは操舵などの操作力、車体の振動に基づく音響、パネル類の輝度や色調など、運転者の五感に車両から与える刺激もしくは運転者が受ける感触を、車両の走行環境や運転者の嗜好などに適合させるように構成された車両の制御装置に関するものである。
車速や走行方向など車両の挙動は、運転者が加減速操作や操舵を行うことによって変化するが、その操作量と挙動の変化量との関係は、燃費などのエネルギ効率のみならず、車両に要求される乗り心地や静粛性あるいは動力性能などの各種の特性によって決められる。このようないわゆる走行特性は、車種などに応じて設定され、例えば、運転者のアクセル操作に対するエンジン出力トルクや変速の特性、運転者のブレーキ操作に対する制動力の特性、運転者の操舵動作に対するステアリング機構の特性、あるいはサスペンション機構のショックアブソーバの減衰力特性などを、適宜に調整することにより設定される。
上記のように車種などに応じて設定される走行特性は、あくまでも、設計上想定した条件を満たすように設定されるのに対して、車両が実際に走行する市街地や高速道路、登坂路や降坂路などの走行環境は様々である。また、実際の運転者の好みあるいは嗜好などのいわゆる運転指向も多種多様に亘っており、さらに走行環境毎に運転指向がそれぞれ異なる場合もある。そのため、車両に要求される特性は、運転者毎に、あるいは走行環境毎に異なっているのが実情であり、したがって、車両の走行特性を運転者の運転指向を的確に反映したものとして設定するために、上記のような運転者の運転指向と車両の走行特性とを可及的に合致させることが要求されている。
一方、例えば車両の車速や加速度あるいは走行中のエンジンの出力トルクなどの車両の走行状態に基づいて、人間の視覚や聴覚あるいは触覚などに作用して刺激を与える効果音や表示画像あるいは圧力や振動等を制御して出力する技術が開発されている。その一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された車両制御装置は、加速度を発生させる際に操作される操作手段に対するドライバの操作量を検出し、その操作量に基づいて、操作手段の定常状態からの過渡操作量と操作速度とを演算し、それら演算された過渡操作量および操作速度に基づいて、受けた刺激を人間が知覚できる時間毎に弁別閾値を超えた増加分で増加する目標加速度および目標音圧の少なくとも一方を演算し、そして演算された目標加速度および目標音圧の少なくとも一方に基づいて、駆動トルクを発生するトルク発生装置およびエンジン音を出力する車載音響装置の少なくとも一方を制御するように構成されている。
また、特許文献2には、車両の走行状態またはエンジンの動作状態の情報からなる音源情報に基づいて効果音を発生させる車両用効果音発生装置に関する発明が記載されている。この特許文献2に記載された装置は、効果音を発生させるための制御信号を前記音源情報に基づいて生成して、その制御信号を効果音として出力するとともに、車両の走行環境を示す走行環境信号を生成して、その走行環境信号に基づいて前記制御信号の出力特性を変化させるように構成されている。また、この特許文献2には、特に上記の効果音を発生させるための制御信号の出力特性を車両の加速度に基づいて変化させる構成が記載されている。
また、特許文献3には、搭載車両の加速度を検出して加速度検出信号を出力し、その加速度検出信号に基づいて車両の加速度をその変化に応じた態様でグラフィック表示するための表示制御信号を出力し、そして、その表示制御信号に基づいて前記グラフィック表示を行うように構成された車載用加速度表示装置に関する発明が記載されている。
そして、特許文献4には、触覚を介して運転者に車両の加減速状態を示す情報を伝達する装置であって、運転席に着席した運転者の身体における背中から臀部の少なくとも一部に対して車両後方から前方への第1の圧力刺激を呈示する手段と、運転席に着席した運転者の身体における大腿部の少なくとも一部に対して下方から上方への第2の圧力刺激を呈示する手段とを有し、車両の加速度が検出された場合は、運転者に対して前記第1の圧力刺激を呈示させ、車両の減速度が検出された場合には、運転者に対して前記第2の圧力刺激を呈示させるように構成された運転情報伝達装置に関する発明が記載されている。
なお、特許文献5には、例えば、季節や天候、あるいは曜日や時間帯、あるいは車速、あるいは目的地など、自車両の状況、自車両の周辺状況、および乗員の状況を反映させて、複数の楽曲データを採点して順位付けを行い、その順位付けした楽曲データを上位のものから順次オーディオ装置に送って再生するようにした音楽選曲再生方法に関する発明が記載されている。
特開2008−25492号公報 特開2008−176851号公報 特開2007−256841号公報 特開2006−188132号公報 特開2007−106211号公報
上述した特許文献1ないし4には、例えばエンジン音や効果音を発生させる音響装置、あるいは加速度の変化をグラフィック表示させる表示装置、あるいは運転者に刺激を与えるような圧力や振動を発生させる加圧・振動装置を、車両の加速度(あるいは減速度)に基づいて制御するようにした構成が記載されている。言い換えると、聴覚や視覚あるいは触覚などの人間の感覚に刺激を与えるような、音や光や画像あるいは圧力や振動などのいわゆる効果演出を出力するいわゆる演出装置を、車両の加速度に基づいて制御する構成が記載されている。
ここで車両の加速度は、運転者のアクセル操作やブレーキ操作あるいはステアリング操作などの運転操作に応じて変化し、また、そのような運転者の運転操作は様々な要因によって行われる。さらに、車両が走行している道路状況や走行環境などによっても車両に加速度が発生したり加速度が変化したりする場合もある。すなわち、車両の加速度は、様々な要因あるいは状況によって発生し、もしくは変化する。
したがって、これら特許文献1ないし4に記載された装置のように、単に車両の加速度に基づいて上記のようないわゆる演出装置を制御する場合には、その演出装置により出力される効果演出を運転者のイメージや嗜好に合致したものとするため、すなわち上記のような演出装置の出力を運転者の運転指向を的確に反映させて制御するためには、未だ改良の余地があった。また同様に、前述したような動力特性や操舵特性あるいは懸架特性などの車両の走行特性を運転者の運転指向に適合させる場合にも、未だ改良の余地があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、加減速操作や操舵などを行った場合の応答内容や、登坂路あるいは降坂路に入るなどの走行環境の変化に伴う車両の挙動の変化から運転者が受ける感触など、運転者が五感で感じるいわゆる走行感を、運転者の運転指向や走行環境に可及的に合致させることのできる車両の制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、車両の加速度に基づいて指標を求め、該指標に応じて前記車両の走行特性を変化させる車両の制御装置において、前記指標は、繰り返し求められる前記車両の瞬時加速度に応じた値に設定されて保持されるとともに保持されている前記指標の値を前記瞬時加速度が超えた場合に前記瞬時加速度に応じた値に増大させられて保持され、かつ前記瞬時加速度が前記保持されている前記指標の値より小さくなった場合には予め定めた条件が成立することにより低下させられ、さらに大きい値であるほど前記車両の挙動が機敏になるように前記走行特性を変化させるように構成され、前記車両の運転者の五感の少なくとも一部に刺激を与える演出装置の出力内容を前記指標に基づいて変化させるように構成されていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記車両は、加速操作機構と減速操作機構と操舵機構との少なくともいずれか一つを備え、前記演出装置は、前記いずれか一つの機構を操作したことに伴って前記車両に生じる挙動の変化の程度を、前記指標に基づいて変化させるように構成されていることを特徴とする車両の制御装置である。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記演出装置は、前記いずれか一つの機構を前記運転者が操作した場合の操作力に対する反力を前記指標に基づいて変化させるように構成されていることを特徴とする車両の制御装置である。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記演出装置は、音を発生する音発生装置を含み、その音発生装置は、前記指標に基づいて音圧を変化させるように構成されていることを特徴とする車両の制御装置である。
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記音発生装置は、前記車両の車速に応じた周波数の音を発生するように構成されていることを特徴とする車両の制御装置である。
請求項6の発明は、請求項4または5の発明において、前記走行特性を設定するアクチュエータに対する制御信号のなまし処理よりも、前記音発生装置に対する制御信号を強くなまし処理するように構成されていることを特徴とする車両の制御装置である。
請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれかの発明において、前記指標は、前記車両における前後加速度と横加速度とに基づく合成加速度から求められる指標を含むことを特徴とする車両の制御装置である。
この発明によれば、車両の走行状態に基づいて指標が求められる。その指標は、車両の挙動を機敏なものとする方向への変化が走行状態の変化に対応して迅速に生じるのに対して、その機敏さを低下させる方向への変化は前記走行状態の変化に対して遅れて生じる指標である。その指標に基づいて、演出装置の出力内容が変化させられる。その演出装置は、走行特性を変化させて運転者が受ける加速感や制動感、回頭の機敏感、それらの挙動の変化に伴う音響の質や強度、車室内の装飾パネルの輝度や色調など、運転者の五感の少なくとも一部で感得することのできる刺激を出力する装置を含んでいる。したがって、加速感や操舵の機敏性などの走行に関する特性もしくはそれに伴って運転者が体感する走行感や視覚あるいは聴覚などで得られる感触(あるいはフィーリング)が、運転者の期待もしくは予想するものとなってドライバビリティを向上させることが可能になる。また、その時点の走行状態や走行環境、および運転者の嗜好などを的確に反映させることができ、その結果、運転者に快適なドライビングフィーリングや運転の楽しさを与えたり、あるいは乗員や車外の人間に的確に注意を喚起させたりすることが可能になる。
この発明に係る制御装置で実行される具体的な制御例を説明するためのフローチャートである。 指示スポーツ度と要求最大加速度率との関係を示すマップである。 指示スポーツ度と要求加速感指標および演出装置(音発生装置,光表示装置)の出力特性(音発生特性,光発生特性)との関係を模式的に示す図である。 指示スポーツ度と要求加速感指標および演出装置(音発生装置)の出力特性(音発生特性)との関係を模式的に示す図であって、音発生特性に対するなまし処理を説明するための図である。 この発明で対象とすることのできる車両を模式的に示す図である。 前後加速度および横加速度の検出値をタイヤ摩擦円上にプロットして示す図である。 瞬時スポーツ度に基づく指示スポーツ度の変化の一例を示す図である。 瞬時スポーツ度と指示スポーツ度との偏差の時間積分とその積分値のリセットの状況を説明するための図である。
つぎにこの発明をより具体的に説明する。この発明の制御装置が対象とする車両は、エンジンやモータなどの駆動力源の出力側に、有段式もしくは無段式の変速機が連結され、その変速機から出力されたトルクを駆動輪に伝達して走行し、また前輪を操舵機構によって転舵することにより旋回走行し、さらに各車輪にブレーキが配置され、そして車体をサスペンション機構によって支持した一般的な構成の車両である。この発明に係る制御装置は、エンジンや変速機による駆動力の制御内容、操舵機構による操舵の制御内容、ブレーキによる制動制御の内容、サスペンション機構による車体の支持制御の内容を、車両の走行状態に応じて変更するように構成されている。これらエンジンや変速機あるいは上記の各機構は車両の挙動を変化させるように動作するものであるから、結局、この発明に係る制御装置は、車両の走行特性を車両の走行状態に基づいて変更するように構成されている。したがって、この発明における走行特性には、駆動力源や変速機あるいはブレーキによる駆動力特性、操舵機構による操舵特性もしくは回頭性あるいはパワーアシスト特性、サスペンション機構による懸架特性もしくはダンパー特性などが含まれ、以下の説明で「走行特性」とはこれらの特性の総称を意味することがある。
また、この発明に係る制御装置は、車両の挙動の変化に伴う前後左右の慣性力やサスペンション機構を介して伝わる上下方向の荷重などを含む、運転者の五感で感得される刺激を適宜に設定する演出装置を備えている。そして、その演出装置の出力を、上記の車両の走行状態に基づいて制御するように構成されている。ここで、この発明におけるいわゆる効果演出とは、例えば、聴覚、視覚、触覚、嗅覚、味覚など、人間の感覚に作用して刺激を与える効果があるものであって、具体的には、音声や音楽あるいは疑似音や警告音など人間の聴覚に作用する効果音、あるいは、光や照明あるいは画像や映像あるいは警告灯など人間の視覚に作用する表示、あるいは、圧力や振動あるいは熱もしくは加速操作や操舵などの操作に対する反力など人間の触覚に作用する刺激要素などのことである。したがって、この発明におけるいわゆる演出装置には、上記のような効果音を出力する効果音発生装置や音響装置、あるいは光や画像等を表示する表示装置、あるいは圧力や振動を発生させる圧力・振動発生装置などが含まれ、それら各種装置の総称として演出装置という呼称を用いている。
そして、この発明に係る制御装置では、走行状態から指標もしくはパラメータを求める。その走行状態とは、前後方向あるいは横方向の加速度成分、これらの加速度成分を合成した合成加速度、アクセル操作量、ブレーキ操作量、ヨーイングの程度、ヨーレートなどを含み、また加速度には、センサで検出された実測加速度や、アクセル操作量もしくはブレーキ操作量から算出される推定加速度が含まれる。以下に説明する具体例は、加速度から求まるパラメータを使用する例である。
先ず、この発明で対象とする車両の一例を説明すると、この発明で対象とする車両は、運転者の操作によって加減速し、また旋回する車両であり、その典型的な例が、内燃機関やモータを駆動力源とした自動車である。その一例を図5にブロック図で示してある。ここに示す車両1は、操舵輪である二つの前輪2と、駆動輪である二つの後輪3との四輪を備えた車両であり、これらの四輪2,3のそれぞれは懸架装置4によって車体(図示せず)に取り付けられている。この懸架装置4は、一般に知られているものと同様に、スプリングとショックアブソーバー(ダンパー)とを主体として構成されており、図5にはそのショックアブソーバー5を示してある。ここに示すショックアブソーバー5は、気体や液体などの流体の流動抵抗を利用して緩衝作用を生じさせるように構成され、モータ6などのアクチュエータによってその流動抵抗を大小に変更できるように構成されている。すなわち、流動抵抗を大きくした場合には、車体が沈み込みにくく、いわゆる硬い感じとなり、車両の挙動としては、コンフォートな感じが少なくなって、スポーティ感が増大する。なお、これらのショックアブソーバー5に加圧気体を給排することによって車高の調整を行うように構成することもできる。
前後輪2,3のそれぞれには、図示しないブレーキ装置が設けられており、運転席に配置されているブレーキペダル7を踏み込むことによりブレーキ装置が動作して前後輪2,3に制動力を与えるように構成されている。
車両1の駆動力源は、内燃機関やモータあるいはこれらを組み合わせた機構など、一般に知られている構成の駆動力源であり、図5には内燃機関(エンジン)8を搭載している例を示してあり、このエンジン8の吸気管9には、吸気量を制御するためのスロットルバルブ10が配置されている。このスロットルバルブ10は、電子スロットルバルブと称される構成のものであって、モータなどの電気的に制御されるアクチュエータ11によって開閉動作させられ、かつ開度が調整されるように構成されている。そして、このアクチュエータ11は、運転席に配置されているアクセルペダル12の踏み込み量すなわちアクセル開度に応じて動作してスロットルバルブ10を所定の開度(スロットル開度)に調整するように構成されている。
そのアクセル開度とスロットル開度との関係は適宜に設定でき、両者の関係が一対一に近いほど、いわゆるダイレクト感が強くなって車両の走行特性は、スポーティな感じになる。これとは反対にアクセル開度に対してスロットル開度が相対的に小さくなるように特性を設定すれば、車両の走行特性はいわゆるマイルドな感じになる。なお、駆動力源としてモータを使用した場合には、スロットルバルブ10に替えてインバータあるいはコンバータなどの電流制御器を設け、アクセル開度に応じてその電流を調整するとともに、アクセル開度に対する電流値の関係すなわち走行特性を適宜に変更するように構成する。
エンジン8の出力側に変速機13が連結されている。この変速機13は、入力回転数と出力回転数との比率すなわち変速比を適宜に変更するように構成されており、例えば一般に知られている有段式の自動変速機やベルト式無段変速機あるいはトロイダル型無段変速機などの変速機である。したがって、変速機13は、図示しないアクチュエータを備え、そのアクチュエータを適宜に制御することにより変速比をステップ的(段階的)に変化させ、あるいは連続的に変化させるように構成されている。具体的には、運転者のアクセル操作に基づくアクセル開度や車速などの車両の状態に対応させて変速比を決めた変速マップを予め用意し、その変速マップに従って変速制御を実行し、あるいは車速やアクセル開度などの車両の状態に基づいて目標出力を算出し、その目標出力と最適燃費線とから目標エンジン回転数を求め、その目標エンジン回転数となるように変速制御を実行する。
このような基本的な変速制御に対して燃費優先の制御や駆動力を増大させる制御を選択できるように構成されている。燃費を優先する制御は、アップシフトを相対的に低車速で実行する制御もしくは相対的に高速側変速比を低車速側で使用する制御であり、また駆動力もしくは加速特性を向上させる制御は、アップシフトを相対的に高車速で実行する制御もしくは相対的に低速側変速比を高車速側で使用する制御である。このような制御は、変速マップを切り替えたり、駆動要求量を補正したり、あるいは算出された変速比を補正したりして行うことができる。なお、エンジン8と変速機13との間に、ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータなどの伝動機構を、必要に応じて設けることができる。そして、変速機13の出力軸が終減速機であるデファレンシャルギヤ14を介して後輪(駆動輪)3に連結されている。
前輪2を転舵する操舵機構15について説明すると、ステアリングホイール16の回転動作を左右の前輪2に伝達するステアリングリンケージ17が設けられ、またステアリングホイール16の操舵角度もしくは操舵力をアシストするアシスト機構18が設けられている。このアシスト機構18は、図示しないアクチュエータを備え、そのアクチュエータによるアシスト量を調整できるように構成されており、したがってアシスト量を少なくすることにより操舵力(もしくは操舵角)と前輪2の実際の転舵力(もしくは転舵角)とが一対一の関係に近くなり、いわゆる操舵のダイレクト感が増して、車両の走行特性がいわゆるスポーティな感じになるように構成されている。すなわち、操舵角に対する前輪2の転舵角や、操舵力を適宜に調整できるように構成されている。
なお、特には図示しないが、上記の車両1には挙動あるいは姿勢を安定化させるためのシステムとして、アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)やトラクションコントロールシステム、これらのシステムを統合して制御するビークルスタビリティコントロールシステム(VSC)などが設けられている。これらのシステムは一般に知られているものであって、車体速度と車輪速度との偏差に基づいて車輪2,3に掛かる制動力を低下させ、あるいは制動力を付与し、さらにはこれらと併せてエンジントルクを制御することにより、車輪2,3のロックやスリップを防止もしくは抑制して車両の挙動を安定させるように構成されている。また、走行路や走行予定路に関するデータ(すなわち走行環境)を得ることのできるナビゲーションシステムや、スポーツモードとノーマルモードおよび低燃費モード(エコモード)となどの走行モードを手動操作で選択するためのスイッチを設けてあってもよく、さらには登坂性能や加速性能あるいは回頭性などの走行特性を変化させることのできる四輪駆動機構(4WD)を備えていてもよい。
上記のエンジン8や変速機13あるいは懸架装置4のショックアブソーバー5、前記アシスト機構18、上述した図示しない各システムなどを制御するためのデータを得る各種のセンサが設けられている。その例を挙げると、前後輪2,3の回転速度を検出する車輪速センサ19、アクセル開度センサ20、スロットル開度センサ21、エンジン回転数センサ22、変速機13の出力回転数を検出する出力回転数センサ23、操舵角センサ24、前後加速度(Gx)を検出する前後加速度センサ25、横方向(左右方向)の加速度(横加速度Gy)を検出する横加速度センサ26、ヨーレートセンサ27などが設けられている。
なお、各加速度センサ25,26は、上記のアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)やビークルスタビリティコントロールシステム(VSC)などの車両挙動制御で用いられている加速度センサと共用することができ、あるいはエアバッグを搭載している車両では、その展開制御のために設けられている加速度センサと共用することができる。さらに、前後左右の加速度Gx,Gyは、水平面上で、車両の前後方向に対して所定角度(例えば45°)傾斜させて配置した加速度センサで検出した検出値を、前後加速度および横加速度に分解して得ることとしてもよい。またさらに、前後左右の加速度Gx,Gyはセンサーによって検出することに替えて、アクセル開度や車速、ロードロード、操舵角度などに基づいて演算して求めてもよい。また、合成加速度は、車両の前後方向の加速度成分と、車幅方向(横方向)の加速度成分とを含む加速度等の複数の方向の加速度成分を含む加速度に限らず、車両前後方向のみ等、いずれか一の方向の加速度を用いてもよい。
そして、上記の各種センサ19,〜27は、電子制御装置(ECU)28に検出信号(データ)を伝送するように構成されており、また電子制御装置28はそれらのデータおよび予め記憶しているデータならびにプログラムに従って演算を行い、その演算結果を制御指令信号として上述した各システムあるいはそれらのアクチュエータに出力するように構成されている。なお、この発明では、アクセルペダルやブレーキペダルの踏力(もしくは踏み込んだ際の反力)を調整できるように構成してもよく、その踏力を上記の加速度を含む走行状態に応じて変化させるように構成することができる。
さらに、この発明で制御の対象とする車両には、人間の五感の少なくとも一部に与える刺激を調整もしくは変化させる演出装置29が設けられている。この演出装置29は、前述したように、人間の感覚に作用して刺激を与える音や光あるいは圧力や振動などのいわゆる効果演出を出力する装置である。例えば、エンジン8の吸排気音を擬似的に再現して出力する疑似エンジン音発生装置、車速や加速度あるいはエンジン回転数の大小に応じて表示する光の色や輝度あるいは表示面積などを変化させる光表示装置、車速や加速度あるいはエンジン回転数の大小に応じてステアリングホイールやシートあるいはシートベルト等に振動や圧力もしくは操作抵抗力(反力)を発生させる圧力・振動発生装置などがある。また、その演出装置29は、車両の挙動に係わる走行特性を変化させる制御信号を出力するように構成することができる。この発明の演出装置29としては、上記のような効果音発生装置や光発生装置あるいは圧力・振動発生装置等が複数同時に搭載されていてもよく、あるいはいずれか1つの演出装置29が統制されていてもよい。
この発明に係る制御装置は、車両の走行状態を車両の挙動制御(すなわち走行特性の制御)に反映させるように構成されている。ここで車両の走行状態とは、前後加速度や横加速度あるいはヨーイングやローリングの加速度、もしくはこれら複数方向の加速度を合成した加速度で表される状態である。すなわち、車両を目標とする速度で走行させたり、目標とする方向に進行させたりすることにより、あるいは路面などの走行環境の影響を受けて車両の挙動を元の状態に戻したりする場合に、複数方向の加速度が生じるのが通常であることを考慮すると、車両の走行状態は走行環境や運転指向をある程度反映していると考えられる。このような背景に基づきこの発明では、車両の走行状態を車両の走行特性の制御に反映させるように構成されている。
前述したように、車両の挙動には、加速性や回頭性(旋回性)、懸架装置4による支持剛性(すなわちバンプ・リバウンドの程度や生じやすさ)、ローリングやピッチングの程度などが含まれ、この発明に係る制御装置では、これらの走行特性の変更の要因の一つとして上記の走行状態を含んでいる。その場合、上記の走行状態の一例であるいずれかの方向の加速度もしくは合成加速度の値をそのまま使用して走行特性を変更してもよいが、より違和感を減らすため、それらの値を補正した指標を用いてもよい。
その指標の一例としてスポーツ度(SPI:Sports Index)について説明する。ここで、スポーツ度とは、運転者の意図または車両の走行状態を示す指標である。この発明で採用することのできるスポーツ度は、複数方向の加速度(特にその絶対値)を合成して得られる指標であり、走行方向に対する挙動に大きく関係する加速度として前後加速度Gxと横加速度Gyとを合成した加速度がその例である。例えば、
瞬時スポーツ度Iin=(Gx+Gy1/2
で算出される。ここで、加速度はセンサで検出された加速度に限らず、アクセル開度や操舵角、ブレーキ踏力もしくはブレーキペダルの踏み込み量などの運転者による操作に基づいて演算もしくは推定されたものであってもよい。また、「瞬時スポーツ度Iin」とは、車両の走行中における各瞬間毎に、各方向の加速度が求められ、その加速度に基づいて算出される指標という意味であり、いわゆる物理量である。なお、「各瞬間毎」とは、加速度の検出およびそれに基づく瞬時スポーツ度Iinの算出が所定のサイクルタイムで繰り返し実行される場合には、その繰り返しの都度を意味する。
また、上記の演算式に用いられる前後加速度Gxのうち、加速側の加速度もしくは減速側(制動側)の加速度(すなわち減速度)の少なくともいずれか一方は、正規化処理されたもの、あるいは重み付け処理したものを用いてもよい。すなわち、一般的な車両では、加速側の加速度に対して減速側の加速度の方が大きいが、その相違は運転者にはほとんど体感もしくは認識されず、多くの場合、加速側および減速側の加速度がほぼ同等に生じていると認識されている。正規化処理とは、このような実際の値と運転者が抱く感覚との相違を是正するための処理であり、前後加速度Gxについては、加速側の加速度を大きくし、あるいは減速側の加速度(すなわち減速度)を小さくする処理である。より具体的には、それぞれの加速度の最大値の比率を求め、その比率を加速側あるいは減速側の加速度に掛ける処理である。もしくは横加速度に対する減速側の加速度を補正する重み付け処理である。要は、タイヤで生じさせることのできる前後駆動力および横力がタイヤ摩擦円で表されるのと同様に、各方向の最大加速度が所定半径の円周上に位置するように、前後の少なくともいずれか一方を重み付けするなどの補正を行う処理である。したがって、このような正規化処理や重み付け処理を行うことにより、加速側の加速度と減速側の加速度との走行特性に対する反映の程度が異なることになる。そこで重み付け処理の一例として、車両の前後の減速方向の加速度と、車両の前後の加速方向の加速度とのうち、加速方向の加速度の影響度が、減速方向の加速度の影響に対して相対的に大きくなるよう、減速方向の加速度と、加速方向の加速度とを重み付け処理してもよい。なお、横加速度は加速側加速度より大きく現れることがあるので、横加速度についても、上記のように正規化処理あるいは重み付け処理を行ってもよい。
このように、加速度の実際値と運転者が抱く感覚とには、加速度の方向によって相違がある。例えばヨーイング方向やローリング方向での加速度と前後加速度とには、そのような相違があることが考えられる。そこでこの発明では、方向が異なる加速度ごとの走行特性に対する反映の程度、言い換えれば、いずれかの方向の加速度に基づく走行特性の変化の程度を、他の方向の加速度に基づく走行特性の変化の程度とは異ならせるように構成することができる。
横加速度Gyのセンサ値および上記の正規化処理を行った前後加速度Gxをタイヤ摩擦円上にプロットした例を図6に示してある。これは、一般道を模擬したテストコースを走行した場合の例であり、大きく減速する場合に横加速度Gyも大きくなる頻度は多く、タイヤ摩擦円に沿って前後加速度Gxと横加速度Gyとが生じるのは一般的な傾向であることが見て取れる。
この発明では、上記の瞬時スポーツ度Iinから指示スポーツ度Iout が求められる。この指示スポーツ度Iout は、走行特性を変更する制御に用いられる指標であり、その算出の元になる前記瞬時スポーツ度Iinの増大に対しては直ちに増大し、瞬時スポーツ度Iinの低下に対して遅れて低下するように構成した指標である。特に、所定の条件の成立を要因として指示スポーツ度Iout を低下させるように構成されている。図7には、瞬時スポーツ度Iinの変化に基づいて求められた指示スポーツ度Iout の変化を示してある。ここに示す例では、瞬時スポーツ度Iinは上記の図6にプロットしてある値で示し、これに対して、指示スポーツ度Iout は、瞬時スポーツ度Iinの極大値に設定され、所定の条件が成立するまで、従前の値を維持するように構成されている。すなわち、指示スポーツ度Iout は、増大側には迅速に変化し、低下側には相対的に遅く変化する指標として構成されている。
具体的に説明すると、図7における制御の開始からT1 の時間帯では、例えば車両が制動旋回した場合など、その加速度の変化によって得られる瞬時スポーツ度Iinが増減するが、前回の極大値を上回る瞬時スポーツ度Iinが、前述した所定の条件の成立に先行して生じるので、指示スポーツ度Iout が段階的に増大し、保持する。これに対してt2 時点あるいはt3 時点では、例えば車両が旋回加速から直線加速に移行した場合など、低下のための条件が成立したことにより指示スポーツ度Iout が低下する。このように指示スポーツ度Iout を低下させる条件は、要は、指示スポーツ度Iout を従前の大きい値に保持することが運転者の意図と合わないと考えられる状態が成立することであり、この発明では時間の経過を要因として成立するように構成されている。
すなわち、指示スポーツ度Iout を従前の大きい値に保持することが運転者の意図と合わないと考えられる状態は、保持されている指示スポーツ度Iout とその間に生じている瞬時スポーツ度Iinとの乖離が相対的に大きく、かつその状態が継続している状態である。したがって、旋回加速コントロールした場合など、運転者によってアクセルペダル12を一時的に緩めるなどの操作に起因する瞬時スポーツ度Iinによっては指示スポーツ度Iout を低下させずに、緩やかに減速に移行した場合など、運転者によってアクセルペダル12を連続的に緩めるなどの操作に起因する瞬時スポーツ度Iinが、保持されている指示スポーツ度Iout を下回っている状態が所定時間継続した場合に、指示スポーツ度Iout を低下させる条件が成立した、とするように構成されている。このように指示スポーツ度Iout の低下開始条件は、瞬時スポーツ度Iinが指示スポーツ度Iout を下回っている状態の継続時間とすることができ、また実際の走行状態をより的確に指示スポーツ度Iout に反映させるために、保持されている指示スポーツ度Iout と瞬時スポーツ度Iinとの偏差の時間積分値(あるいは累積値)が予め定めたしきい値に達することを指示スポーツ度Iout の低下開始条件とすることができる。なお、そのしきい値は、運転者の意図に合った走行実験やシミュレーションなどに基づいて適宜に設定できる。後者の偏差の時間積分値を用いるとすれば、指示スポーツ度Iout と瞬時スポーツ度Iinとの偏差および時間を加味して指示スポーツ度Iout を低下させることになるので、実際の走行状態あるいは挙動をより的確に反映した走行特性の変更制御が可能になる。
なお、図7に示す例では、上記のt2 時点に到るまでの指示スポーツ度Iout の保持時間が、t3 時点に到るまでの指示スポーツ度Iout の保持時間より長くなっているが、これは以下の制御を行うように構成されているためである。すなわち、前述したT1 の時間帯の終期に指示スポーツ度Iout が所定値に増大させられて保持され、その後、前述した低下開始条件が成立する前のt1 時点に瞬時スポーツ度Iinが増大して、保持されている指示スポーツ度Iout との偏差が予め定めた所定値以下となっている。なお、その所定値は、運転者の意図に合った走行実験やシミュレーションを行って、あるいは瞬時スポーツ度Iinの算出誤差を考慮して適宜に設定できる。このように瞬時スポーツ度Iinが保持されている指示スポーツ度Iout に近くなったということは、その時点の走行状態が、保持されている指示スポーツ度Iout の元になった瞬時スポーツ度Iinを生じさせた加減速状態および/または旋回状態もしくはそれに近い状態になっていることを意味している。すなわち指示スポーツ度Iout を保持されている値に増大させた時点からある程度時間が経過しているとしても、走行状態はその時間が経過する前の時点の走行状態と近似しているので、瞬時スポーツ度Iinが保持されている指示スポーツ度Iout を下回る状態であっても、前述した低下開始条件の成立を遅延させ、指示スポーツ度Iout を従前の値に保持させることとしたのである。その遅延のための制御もしくは処理は、前述した経過時間の積算値(累積値)や偏差の積分値をリセットして、経過時間の積算や前記偏差の積分を再開したり、あるいはその積算値もしくは積分値を所定量減じたり、さらには積算もしくは積分を一定時間中断したりして行えばよい。
図8は前述した偏差の積分とそのリセットとを説明するための模式図であり、図8にハッチングを施してある部分の面積が偏差積分値に相当する。その過程で、瞬時スポーツ度Iinと指示スポーツ度Iout との差が所定値Δd以下になったt11時点に積分値がリセットされ、再度、前記偏差の積分が開始される。したがって、その低下開始条件が成立しないので、指示スポーツ度Iout は従前の値に維持される。そして、積分を再開した後、瞬時スポーツ度Iinが保持されている指示スポーツ度Iout より大きい値になると、指示スポーツ度Iout が瞬時スポーツ度Iinに応じた大きい値に更新され、かつ保持され、前記の積分値がリセットされる。
ところで、この発明に係る制御装置では、加速度に基づいて指標を求め、その指標に応じて走行特性を設定するように構成されている。その加速度は、センサによって得られたいわゆる実加速度であってよいが、これに替えて駆動要求量や車速あるいは制動操作量、さらには操舵角度などから演算して求められた推定加速度(あるいは目標加速度)であってもよい。また、実加速度と目標加速度とを併用することとしてもよい。実加速度と目標加速度とを併用する場合、それぞれの加速度に応じて指標(第1の指標および第2の指標)を求め、それらの指標を比較していわゆるスポーツ度が高くなる指標を採用する。例えば、実加速度に基づいていわゆる実瞬時スポーツ度Iinおよびそれに基づく実指示スポーツ度Iout を求める一方、目標加速度に基づいていわゆる目標瞬時スポーツ度Iinおよびそれに基づく目標指示スポーツ度Iout を求め、これら実指示スポーツ度Iout と目標指示スポーツ度Iout とのうち大きい値を採用し、その採用された指示スポーツ度Iout に応じて走行特性を設定する。
上述したいわゆる実加速度あるいは推定加速度に基づいて瞬時スポーツ度Iinが算出され、その瞬時スポーツ度Iinから決まる上記の指示スポーツ度Iout は、車両の走行状態を表しており、これは、路面勾配やコーナの有無あるいはその曲率などの走行環境、さらに運転者の運転指向を含んだものとなっている。走行路の状態によって車両の加速度が変化するとともに、走行路の状態によって運転者による加減速操作が行われ、さらにはその加減速操作によって加速度が変化するからである。この発明に係る制御装置は、その指示スポーツ度Iout を走行特性を含む車両の各種の動作の制御に利用するように構成されている。この発明における走行特性を含む車両の各種の動作には、加速特性や操舵特性、サスペンション特性、音特性、光学的装飾、各種操作機器の操作力などが含まれ、これらの特性は、前述したスロットルバルブ10の制御特性、変速機13の変速特性、懸架装置4におけるショックアブソーバー5による減衰特性、アシスト機構18のアシスト特性、音発生装置による音圧や周波数などをそれぞれに設けられているアクチュエータによって変化させることにより適宜に設定される。
ここで説明している上記の指示スポーツ度Iout は、前後加速度Gxと横加速度Gyとを合成した指標であり、その合成加速度すなわち瞬時スポーツ度Iinが大きいほど大きい値に設定される。したがって、指示スポーツ度Iout に基づく走行特性は、基本的には、指示スポーツ度Iout の値が大きくなるのに従って、よりスポーティな走行が可能な特性となる。
上記のように、この発明に係る制御装置は、車両の走行状態を車両の走行特性を含む車両の各種の動作の制御に反映させるように構成されている。すなわち、車両の走行状態を表す指標である指示スポーツ度Iout に基づいて、車両の走行特性を含む車両の各種の動作が制御されるように構成されている。そして、この発明に係る制御装置では、前述したように、例えば効果音発生装置や音響装置、あるいは光や画像等を表示する表示装置、あるいは圧力や振動を発生させる圧力・振動発生装置などのいわゆる演出装置29の出力を、上記のようにして算出された指標(パラメータ)すなわち指示スポーツ度Iout によって制御するように構成されている。その制御の一例を、図1のフローチャートによって示してある。この図1に示すルーチンは、所定の短時間毎に繰り返し実行されものであって、上述した指示スポーツ度Iout に基づいて走行特性を設定して走行するモードが、運転者によって選択され、あるいはモード切替スイッチを操作して選択された場合に実行されるように構成されている。図1のフローチャートにおいて、先ず、その時点の走行状態を示す指標が演算される(ステップS1)。その指標は、一例として前述した瞬時スポーツ度Iin(あるいは合成加速度:合成G)であり、したがってその時点における運転者の運転指向や、道路勾配あるいはワインディング路などの道路環境などを反映したものとなっている。ついで、走行特性を変更する際の元データとなる指示スポーツ度Iout が演算される(ステップS2)。なお、これら瞬時スポーツ度Iinおよび指示スポーツ度Iout の演算の仕方は前述したとおりである。
さらに、加速度の時間微分値(すなわちジャーク)が演算される(ステップS3)。ここで説明している例では、前後加速度Gxと横加速度Gyとの合成加速度を、車両の走行状態を表すデータとして使用しているので、その合成加速度の時間微分値がジャークとして採用されている。すなわち、
ジャーク={(dGx/dt)+(dGy/dt)1/2
である。こうして演算されたジャーク(すなわちIin微分値)が予め定めた禁止判断閾値αより大きいか否かが判断される(ステップS4)。この禁止判断閾値αは、加速度の変化と走行特性の変更に伴う挙動の変化とが重畳することが好ましくないと考えられるジャークの下限値であり、走行実験やシミュレーションなどによって予め定めたものである。そして、この禁止判断閾値αは、走行特性の全体について一つの値を設定することができるが、これとは異なり、走行特性を規定する(走行特性に含まれる)駆動力特性や変速特性、操舵特性、懸架特性(ダンパ特性もしくはサスペンション特性)などの各特性毎に設定することができる。その場合、変化が車両の搭乗者に体感されやすい特性についての禁止判断閾値αほど小さい値とする。こうすることにより、加速度が変化している際の、変化が体感されやすい特性の変化が、より強く制限される。さらにまた、上記の禁止判断閾値αは、一定値であってもよく、あるいは車速などの他の要因に応じて変化する変数であってもよい。
ジャークが上記の禁止判断閾値より大きいことによりステップS4で肯定的に判断された場合には、フラグFが立てられる(ステップS5)。すなわち、フラグFが「1」にセットされる。ついで、ジャークが許可判断閾値βより小さいか否かが判断される(ステップS6)。この許可判断閾値βは、ジャークが低下している場合のジャークの値を評価するためのものであり、より具体的には、走行特性の変更を開始し得る程度までジャークが低下しているか否かを判断するためのものである。この許可判断閾値βは、走行特性の変更に伴う車両の挙動が加速度の変化と重畳してもよいと考えられるジャークの程度を判断し、もしくは走行特性の変更が、加速度の変化がほぼ無くなっている状態で終了するように走行特性の変更制御のタイミングを判断するためのものであり、走行実験やシミュレーションなどによって予め定めたものである。そして、この許可判断閾値βは、走行特性の全体について一つの値を設定することができるが、これとは異なり、走行特性を規定する(走行特性に含まれる)駆動力特性や変速特性、操舵特性、懸架特性(ダンパ特性もしくはサスペンション特性)などの各特性毎に設定することができる。その場合、変化が車両の搭乗者に体感されやすい特性についての許可判断閾値βほど小さい値とする。こうすることにより、加速度が変化している際の、変化が体感されやすい特性の変化が、より強く制限される。さらにまた、上記の許可判断閾値βは、一定値とすることができ、例えばゼロに近い値とすることができる。これに替えて許可判断閾値βは、ジャークが前述した禁止判断閾値αを超えていた場合の値(例えば最大値)に応じた値とすることができる。具体的には、ジャークの最大値が大きいほど、許可判断閾値βを大きい値とすることができる。
上記のフラグFを「1」にセットした時点もしくは直後では、ジャークが増大しているからジャークが許可判断閾値βを下回ることはなく、したがってステップS6で否定的に判断される。この場合は、図1に示すルーチンを一旦終了する。すなわち、ジャークが禁止判断閾値αを超えていることにより、たとえ大きい加速度が生じていて走行特性を変更する状態が成立していても、走行特性の変更が禁止される。
一方、上記のステップS4で否定的に判断された場合、すなわちジャークが禁止判断閾値α以下になっている場合、フラグFが「1」か否かが判断される(ステップS7)。ジャークが禁止判断閾値α以下となるのは、ジャークが増大しても禁止判断閾値αを超えなかった場合と、ジャークが禁止判断閾値αを超えた後に低下して禁止判断閾値α以下になった場合との両方がある。前者の場合、すなわちジャークが禁止判断閾値αを超えなかった場合には、フラグFが「1」にセットされていないので、ステップS7で否定的に判断される。この場合は、ジャークが直前の状態として禁止判断閾値αを超えたことがないことになり、その場合、前述の指示スポーツ度Iout に基づいて定まる演出特性の補正量が演算され、その補正された演出特性に基づいて演出装置29から所定の効果演出が出力される(ステップS8)。
ここで演出特性とは、演出装置29により出力されるいわゆる効果演出の出力特性であり、具体的には、駆動力特性や変速特性、操舵特性ならびに懸架特性などの走行時の車体の挙動に関係する特性に加えて、効果音発生装置により出力される効果音の周波数や音圧、あるいは光表示装置により表示される光の色や輝度や表示面積、あるいは圧力・振動発生装置により出力される圧力・振動の強さや振動の周期などに関係する制御の特性が含まれる。より具体的には、例えば効果音発生装置によりエンジン8の吸排気音を擬似的に再現して発生させる際のエンジン疑似音の音(周波数,音圧,音量)発生特性や、例えば車速あるいは加速度に応じて光表示装置により表示する光(色彩,色調,光度,輝度)や画像・映像を変化させる光発生特性などを挙げることができる。
また、上記の指示スポーツ度Iout に基づく演出特性の補正要因としては、指示スポーツ度Iout 自体の値、アクセル開度、ステアリング角(ハンドル角)、車速(中低速走行時と高速走行時の区別)、天候(晴天時と雨天時との区別)、明るさ(昼夜の区別)、外気温度、ナビゲーションシステムによって得られる走行路に関する情報(郊外路や高速道路の種別などの走行環境情報)、道路交通情報通信システム(VICS)による通信情報などの走行環境情報を挙げることができる。
例えば、アクセル開度やハンドル角度に関して、例えば市街地を走行している場合と高速道路を走行している場合とでは、運転者の操作によるアクセル開度やハンドル角度の変化の傾向に違いが見られる。例えば市街地を走行している場合は、アクセル開度が全開にされたり、ハンドル角度が急激に大きく増大されたりする頻度は少ないが、反対に、高速道路を走行している場合には、アクセル開度が全開にされたり、ハンドル角度が急激に大きく増大されたりする頻度が増加する。したがって、アクセル開度やハンドル角度の大小に応じて指示スポーツ度Iout すなわち指示スポーツ度Iout に基づく演出特性を補正することにより、実際の運転状態や走行環境あるいは運転者の運転指向をより適切に反映させた演出特性の基で演出装置29の出力を行うことができる。
また、車速に関しては、高速道路等において高速で巡航走行している際などは加速度の変化が生じ難いため、指示スポーツ度Iout が低下する場合がある。そのため、そのような場合には車速の高低に応じて、指示スポーツ度Iout すなわち指示スポーツ度Iout に基づく演出特性が補正される。また、天候に関して、晴天時と雨天時とでは車両の走行環境が大きく変わり、運転者の加速要求度や運転操作に対する注意度などの運転指向も変化する場合がある。そのため、天候の好悪に応じて、例えばフロントガラスのワイパーのON−OFFに応じて、指示スポーツ度Iout すなわち指示スポーツ度Iout に基づく演出特性が補正される。また、外部の明るさに関しても、昼間と夜間とでは車両の走行環境が大きく変わり、運転者の加速要求度や運転操作に対する注意度などの運転指向も変化する場合がある。そのため、外部の明るさの明暗に応じて、例えば光センサのセンサ値やヘッドランプのON−OFFに応じて、指示スポーツ度Iout すなわち指示スポーツ度Iout に基づく演出特性が補正される。また、外気温度に関しても、例えば夏期の高温時と冬期の低温時とでは車両の走行環境が大きく変わり、運転者の加速要求度や運転操作に対する注意度などの運転指向も変化する場合がある。そのため、外気温度の高低に応じて、例えば路面凍結の可能性がある温度として定めた所定の閾値、あるいはエンジン8や駆動系統にかかる熱的な負荷が大きくなる温度として定めた所定の閾値に対しての温度の高低に応じて、指示スポーツ度Iout すなわち指示スポーツ度Iout に基づく演出特性が補正される。そして、ナビゲーションシステムや道路交通情報通信システムによる情報に関して、例えば走行中の道路が市街地の道路であるか高速道路であるかあるいは山間部のワインディングロードであるか、また走行中の道路のリアルタイムな渋滞状況等の判断は、指示スポーツ度Iout の指標だけでは正確に判定できない場合もある。そのため、ナビゲーションシステムや道路交通情報通信システムによって得られる情報に応じて、指示スポーツ度Iout すなわち指示スポーツ度Iout に基づく演出特性が補正される。
また、車両の駆動力特性が演算され、もしくは補正される(ステップS9)。すなわち、エンジン8の出力トルクは、ガソリンエンジンの場合、スロットル開度に応じて変化し、また燃費は回転数によって変化し、かつそのエンジン回転数は変速機13によって制御されるから、要求最大加速度率を達成するための駆動力特性がこのステップS9で求められ、その駆動力特性に基づいて車両の駆動力が制御される。具体的には、エンジン8のスロットルバルブ10の開度を変化させるアクチュエータの動作や、変速機13の変速特性を変化させるアクチュエータの動作が、上記の駆動力特性に基づいて、すなわち指示スポーツ度Iout に基づいて制御される。
さらに、このステップS9においては、上記のような駆動力特性以外にも、例えば懸架装置4におけるショックアブソーバー5の減衰特性や、ステアリングホイール16におけるアシスト機構18のアシスト特性など、この発明における走行特性を変化させるために動作するアクチュエータを制御するための制御特性が演算され、もしくは補正され、その制御特性に基づいて、走行特性を変化させるための各種アクチュエータの動作が併せて制御される構成とすることもできる。
そして、上記のようにこのステップS9で、指示スポーツ度Iout に基づいてこの発明の走行特性に含まれる駆動力特性が求められ、その駆動力特性すなわち走行特性が設定されると、その後、フラグFがゼロリセットされて(ステップS10)、このルーチンを一旦終了する。
なお、上記の要求最大加速度率とは、余裕駆動力を規定するものであって、例えば要求最大加速度率が100%とは、車両が発生し得る最大の加速度を可能にする状態であり、変速機13についてはエンジン回転数が最大になる変速比もしくは最も大きい変速比(最も低車速側の変速比)を設定することである。また例えば要求最大加速度率が50%とは、車両が発生し得る最大の加速度の半分の加速度を可能にする状態であり、変速機13については中間の変速比を設定することである。図2に示す例では、指示スポーツ度Iout が大きくなるほど要求最大加速度率が大きくなるように構成されている。図2に実線で示す基本特性は、車両を実際に走行させて得られたデータに基づいて指示スポーツ度Iout と要求最大加速度率との関係を計算して求めたものであり、実車による走行やシミュレーションを行って適宜に修正を加えたものである。この基本特性に対して要求最大加速度率が大きくなる側に特性線を設定した場合には、車両の加速度が相対的に大きくなるので、いわゆるスポーティな走行特性もしくは加速特性となる。これとは反対に要求最大加速度率が小さくなる側に特性線を設定した場合には、車両の加速度が相対的に小さくなるので、いわゆるコンフォートな走行特性もしくは加速特性となる。これらの調整(すなわち適合もしくはチューニング)は、車両に要求される商品性などに応じて適宜行えばよい。なお、基本特性では、指示スポーツ度Iout がゼロより大きい状態で要求最大加速度率がゼロとなるように設定してあるのは、交通渋滞や車庫入れなどの微速走行状態を加速特性を設定もしくは変更するための制御に反映させないようにしたためである。
ここで、上記の指示スポーツ度Iout に基づく走行特性の補正の一例として指示スポーツ度Iout 自体の値の大小に応じて演出特性を補正する例を説明する。図3は指示スポーツ度Iout の値に応じて設定した要求加速感指標と演出特性との関係を模式的に示しており、演出特性として、音に関する音発生特性および光に関する光発生特性の2つの例を示してある。また、この要求加速感指標は、前述した要求最大加速度率を駆動力制御に反映させる程度を示す指標である。この図3に示す例では、音発生特性に関連する要求加速度感指標は、指示スポーツ度Iout が所定の小さい値の範囲では小さい値に設定され、所定値以上では指示スポーツ度Iout の値に応じて増大するように構成されている。一方、光特性に関連する要求加速度感指標は、指示スポーツ度Iout の値に応じて指数関数的に増大するように構成されている。この違いは、人間の感性は、光の変化よりも音の変化に対する方が敏感に反応する傾向があることに由来しており、したがって、光発生特性の変化に比較して音発生特性の変化の方が抑制されるように構成されている。
また、上記のような音発生特性の特徴に着目して、音発生特性になまし処理(もしくはならし処理)を施すこともできる。すなわち、図4に示す例では、予め設定された要求加速感指標の急変部分に対応する音の変化が抑制される、もしくは緩やかに変化させるように、なまし処理が施された音発生特性が設定されている。言い換えると、図4に示すこの発明の構成例は、演出装置29のうち特に効果音発生装置の出力を制御する信号に対して緩やかに音を変化させるようになまし処理を施した構成となっている。なまし処理としては、例えば予め設定した特定の周波数帯の信号をカットするバンドパスフィルタ処理や、一次遅れフィルタ処理などを適宜用いることができる。さらに、演出装置29のうち効果音発生装置以外の他の装置の出力に対しても適宜なまし処理を施すことができるが、その場合であっても、他の装置に対するなまし処理よりも、効果音発生装置に対してより強いなまし処理を行うことにより、急激な音圧の上昇を抑制することができ、適切な効果音を発生させることができる。
なお、上記の演出装置29、およびこの発明における走行特性を変化させるための装置の他の具体例を挙げておくと、先ず、上記の演出装置29の具体例としては、上述したようなエンジン疑似音や警告音あるいは音声アナウンスなどの効果音を出力する音発生装置や、表示する光の色彩や色調、あるいは光の濃度や光度や輝度、あるいは表示する光の表示面積や表示位置あるいは発光時間などを変化させる光表示装置以外に、例えば、車両のシートに圧力を加えたり、あるいはシートの一部を変形させたりすることにより、シートの硬さやシートホールド特性を変化させる装置、あるいは、シートベルトの張力を変化させる装置、あるいは、シートのヘッドレストやフットレストの位置を変化させる装置、あるいは、乗員に注意を促したり気分をリフレッシュさせたりする所定の香料を放出する装置などを挙げることができる。
また、この発明における走行特性を変化させる例としては、上述したようなエンジン8の出力特性や変速機13の変速特性を変化させる装置、あるいはステアリングホイール16の操舵特性や懸架装置4のサスペンション特性を変化させる装置以外に、例えば、スタビライザの強度もしくは減衰特性を変化させる装置、あるいは、4輪駆動車両において前後輪もしくは4輪全輪に対する駆動力配分を制御する装置・手段、あるいは、エンジン8や変速機13を含むパワートレーンのマウント特性(マウント部分におけるシャシーへの固定度合い等)を変化させる装置などを挙げることができる。また、この発明において、指標に基づいて設定し、あるいは変化させる特性として、駆動力特性を挙げることができ、これは、アクセルペダルの踏み込み量(すなわちアクセル開度)に対するスロットル開度の特性であり、アクセル開度とスロットル開度との関係を一対一に近い関係とすることによりスポーティな感じになる。さらに、パワートレーンの特性として、ロックアップクラッチの係合特性や変速特性を挙げることができる。駆動力が大きくなる特性とすることによりスポーティな感じの特性となる。そして、音響特性として、吸排気音の特性を挙げることができる。これらの音をレーシングカーが発する音の周波数や音圧に近づければ、運転者はいわゆるスポーツ走行をしている印象を抱く。
以上のように、この発明に係る制御装置によれば、車両の走行状態に基づいて、その車両の走行特性を設定するための指標である指示スポーツ度Iout が求められる。そして、その指示スポーツ度Iout に基づいて、例えばエンジン8のスロットルバルブ10の開度や変速機13の変速特性などを変化させるアクチュエータの動作が制御される。さらに、例えば音や光・画像あるいは圧力や振動などの効果演出を出力する演出装置29の出力が、上記のアクチュエータと同様に、指示スポーツ度Iout に基づいて制御される。したがって、車両の走行特性を変化させるアクチュエータの動作と、上記のような効果演出を出力する演出装置29の出力とが、共通の指標に基づいて制御される。そのため、車両の走行特性が運転者の期待もしくは予想するものとなってドライバビリティを向上させることができる。また、走行状態や走行環境、および運転者の嗜好や癖などを的確に反映させて上記の演出装置29を制御することができ、運転者に快適なドライビングフィーリングや運転の楽しさを与えたり、あるいは乗員や車外の人間に的確に注意を喚起させたりすることが可能になる。
1…車両、 2…前輪、 3…後輪、 4…懸架装置、 5…ショックアブソーバー、 6…モータ、 7…ブレーキペダル、 8…内燃機関(エンジン)、 10…スロットルバルブ、 11…アクチュエータ、 12…アクセルペダル、 13…変速機、 15…操舵機構、 16…ステアリングホイール、 17…ステアリングリンケージ、 18…アシスト機構、 19…車輪速センサ、 20…アクセル開度センサ、 21…スロットル開度センサ、 22…エンジン回転数センサ、 23…出力回転数センサ、 24…操舵角センサ、 25…前後加速度センサ、 26…横加速度センサ、 27…ヨーレートセンサ、 28…電子制御装置(ECU)、 29…演出装置。

Claims (7)

  1. 車両の加速度に基づいて指標を求め、該指標に応じて前記車両の走行特性を変化させる車両の制御装置において、
    前記指標は、繰り返し求められる前記車両の瞬時加速度に応じた値に設定されて保持されるとともに保持されている前記指標の値を前記瞬時加速度が超えた場合に前記瞬時加速度に応じた値に増大させられて保持され、かつ前記瞬時加速度が前記保持されている前記指標の値より小さくなった場合には予め定めた条件が成立することにより低下させられ、さらに大きい値であるほど前記車両の挙動が機敏になるように前記走行特性を変化させるように構成され、
    記車両の運転者の五感の少なくとも一部に刺激を与える演出装置の出力内容を前記指標に基づいて変化させるように構成されている
    ことを特徴と車両の制御装置。
  2. 前記車両は、加速操作機構と減速操作機構と操舵機構との少なくともいずれか一つを備え、前記演出装置は、前記いずれか一つの機構を操作したことに伴って前記車両に生じる挙動の変化の程度を、前記指標に基づいて変化させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記演出装置は、前記いずれか一つの機構を前記運転者が操作した場合の操作力に対する反力を前記指標に基づいて変化させるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記演出装置は、音を発生する音発生装置を含み、その音発生装置は、前記指標に基づいて音圧を変化させるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両の制御装置。
  5. 前記音発生装置は、前記車両の車速に応じた周波数の音を発生するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の車両の制御装置。
  6. 前記走行特性を設定するアクチュエータに対する制御信号のなまし処理よりも、前記音発生装置に対する制御信号を強くなまし処理するように構成されていることを特徴とする請求項4または5に記載の車両の制御装置。
  7. 前記指標は、前記車両における前後加速度と横加速度とに基づく合成加速度から求められる指標を含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の車両の制御装置。
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