JP2007106211A - 運転情報伝達装置、自動車および運転情報伝達方法 - Google Patents

運転情報伝達装置、自動車および運転情報伝達方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 運転者に対して加減速の変化を適確に伝達すること。
【解決手段】 運転情報伝達装置1は、車両に加速あるいは減速が生じると、車両の加速を感じさせる圧力をアクチュエータ25aによって運転者の臀部付近に伝達したり、車両の減速を感じさせる圧力をアクチュエータ25bによって運転者の大腿部前部に伝達したりする。また、車両の加速あるいは減速に応じて、アクチュエータアレイ25cが、運転者の大腿部から臀部に、車両前後方向に移動する振動刺激パターンを呈示する。したがって、運転者は、身体において直感的に加減速を感じる所定個所への圧力刺激によって、自身が感じ難い車両の加速あるいは減速を明確に認識することができる。即ち、運転情報伝達装置1によれば、運転者に対して加減速の変化を適確に伝達することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の運転に関連する情報を運転者に伝達する運転情報伝達装置、自動車および運転情報伝達方法に関する。
自動車等の車両を運転する際、緩やかな長い上り坂や下り坂、あるいは、緩やかな下り坂から上り坂に変化する部分等、運転者が視覚によって道路の勾配を認識することが困難な場所においては、運転者が意図しない加減速が生じることがある。そのため、このような場所において、渋滞が発生したり、前方車両への異常接近や後続車両の異常接近を引き起こして、スムーズな交通を妨げる、あるいは十分な車間距離を保てないといった事態が発生したりする。特に、運転経験の少ない運転者においては、上記のような傾向が顕著である。
なお、勾配以外にも運転者の意図しない加減速を引き起こす要因があり、例えば向かい風や追い風等の風の影響、カーブの曲率の影響あるいは路面の摩擦係数等が考えられる。
このような運転者の意図しない加減速が生ずる問題を解決するためには、自車両の加速度変化を検出して、車室内の運転者から見える位置に設置したディスプレイに加速度変化を強調して表示し、運転者に意図しない加減速の発生を伝達したり、あるいは、例えば、道路の勾配を検出して加減速の変化を予測し、警報音を発したりして、運転者に加減速の調整を促すことが考えられる。
しかし、情報を所定個所(例えばダッシュボードに設置されたディスプレイ等)に表示して運転者に情報を伝達した場合、運転者は、その情報を積極的に黙視しなければ認識することができない。また、たとえ運転者の視野内において情報が呈示されたとしても、情報の意味を理解するために、運転者は一定の思考を要することとなり、漫然と運転を行っているような場合には、情報の意義に気付く割合が低下することが考えられる。
また、音響や音声等によって聴覚的に通知を行った場合、運転者に煩わしさを与えてしまう可能性もある。
一方、触覚を介して、運転者にとって直感的に理解し易い形態で、意図しない加減速の発生を伝達することが考えられる。
例えば、飛行機等の移動体における加減速を視覚以外の感覚情報によって伝達する技術が、特開昭60−002975号公報に記載された移動体の操縦訓練用シミュレータ、あるいは、特開平5−000186号公報に記載されたアミューズメントの遊戯施設等として提案されている。
これらのうち、特開昭60−002975号公報に記載された技術においては、操作者の身体に接触した接触子を所定の圧力で身体に押し付け、その圧力の変化によって加速度の大きさを伝達している。
特開昭60−002975号公報 特開平5−000186号公報
しかしながら、上述の公報に記載された技術を含め、触覚を介して運転者に加減速を伝達する従来の技術においては、人間の触覚は順応性を持つところ、身体に一定の刺激を付与すると、運転者が感じる力の大きさが徐々に低減してしまい、十分に加減速に関する情報を伝達できない可能性がある。
このように、従来の技術においては、運転者に対して加減速の変化を適確に伝達することが困難であった。
本発明の課題は、運転者に対して加減速の変化を適確に伝達することである。
以上の課題を解決するため、本発明は、
触覚を介して運転者に車両の加減速状態を示す情報を伝達する運転情報伝達装置であって、
運転席に着席した運転者の身体における背中から臀部の少なくとも一部に対し、車両後方から前方への圧力刺激を呈示する第1の圧力呈示手段と、
運転席に着席した運転者の身体における大腿部の少なくとも一部に対し、下方から上方への圧力刺激を呈示する第2の圧力呈示手段と、
車両の加減速を検出する加減速検出手段と、
前記加減速検出手段によって車両の加速あるいは減速が検出された場合に、車両に加速が生じているときには、前記第1の圧力呈示手段によって運転者に対して圧力刺激を呈示させ、車両に減速が生じているときには、前記第2の圧力呈示手段によって運転者に対して圧力刺激を呈示させる刺激制御手段と、
を備えることを特徴としている。
また、本発明は、
触覚を介して運転者に車両の加減速状態を示す情報を伝達する運転情報伝達装置であって、
運転席に着席した運転者が車両の加速時に運転席から受ける力を模擬的に発生し、車両の加速状態を強調して運転者に伝達する加速強調手段と、
運転席に着席した運転者が車両の減速時に運転席から受ける力を模擬的に発生し、車両の減速状態を強調して運転者に伝達する減速強調手段と、
を備えることを特徴としている。
また、本発明は、
触覚を介して運転者に車両の加減速状態を示す情報を伝達する運転情報伝達装置であって、
車両に生じている加減速の状態と、運転者が認識する加減速の状態との差を検出する差分検出手段と、
前記差分検出手段によって検出された加減速の状態の差を縮小させる触覚刺激を与える差分縮小手段と、
を備えることを特徴としている。
また、本発明は、
運転席に着席した運転者の身体における背中から臀部の少なくとも一部に対し、車両後方から前方への圧力刺激を呈示する第1の圧力呈示手段と、
運転席に着席した運転者の身体における大腿部の少なくとも一部に対し、下方から上方への圧力刺激を呈示する第2の圧力呈示手段と、
前記第1および第2の圧力呈示手段を車体フロアに支持する支持手段と、
車両の加減速を検出する加減速検出手段と、
前記加減速検出手段によって車両の加速あるいは減速が検出された場合に、車両に加速が生じているときには、前記第1の圧力呈示手段によって運転者に対して圧力刺激を呈示させ、車両に減速が生じているときには、前記第2の圧力呈示手段によって運転者に対して圧力刺激を呈示させる刺激制御手段と、
を備える自動車である。
また、本発明は、
触覚を介して運転者に車両の加減速状態を示す情報を伝達する運転情報伝達方法であって、
運転席に着席した運転者が車両の加減速時に運転席から受ける力を模擬的に発生させ、車両の加速あるいは減速状態を強調して運転者に伝達することを特徴としている。
本発明によれば、刺激制御手段が、車両に加速が生じている場合、第1の圧力呈示手段によって車両後方から前方への圧力刺激を呈示し、車両に減速が生じている場合、第2の圧力呈示手段によって車両前方から後方への圧力刺激を呈示するため、実際の加減速時に運転者が感じる力を基にしたわかり易い形態で、運転者に対して加減速の変化を適確に伝達することができる。
また、本発明によれば、加速強調手段あるいは減速強調手段によって、車両の加減速状態を強調することができるので、実際の加減速時に運転者が感じる力を基にしたわかり易い形態で、運転者に対し、加減速の変化を適確に伝達することが可能となる。
また、本発明によれば、差分検出手段が、車両に実際に生じている加減速と、運転者が認識する加減速の状態との差を検出し、差分縮小手段が、その差を縮小させる圧力刺激を運転者に与えるので、運転者の適切な加減速操作を誘導することができる。したがって、運転者に加減速の変化を適確に伝達でき、従来発生していた運転者の意図しない車両速度の変化を防止できる。
また、本発明によれば、刺激制御手段が、車両に加速が生じている場合、支持手段によって車体フロアに支持された第1の圧力呈示手段によって車両後方から前方への圧力刺激を呈示し、車両に減速が生じている場合、支持手段によって車体フロアに支持された第2の圧力呈示手段によって車両前方から後方への圧力刺激を呈示する。そのため、実際の加減速時に運転者が感じる力を基にしたわかり易い形態で、運転者に対して加減速の変化を適確に伝達することができ、運転者の意図しない加減速を抑制可能な自動車とすることができる。
また、本発明によれば、運転席に着席した運転者が車両の加減速時に運転席から受ける力を模擬的に発生させ、車両の加速あるいは減速状態を強調して運転者に伝達する方法としたため、実際の加減速時に運転者が感じる力を基にしたわかり易い形態で、車両の加減速の変化を運転者に適確に伝達することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(構成)
図1は、本発明に係る運転情報伝達装置1の全体構成を示す概略図であり、図2は、運転情報伝達装置1の機能構成を示すブロック図である。なお、図1において、運転情報伝達装置1は、車体フロアFに連結部Cを介して固定された運転席Sに設置されている。
図1および図2において、運転情報伝達装置1は、制御ユニット2と、ジャイロセンサ11と、車速センサ14と、シフトセンサ17と、ブレーキペダルセンサ19と、アクセルペダルセンサ21とを備えており、制御ユニット2は、勾配検出回路12と、演算処理回路13と、車速検出回路15と、加速度検出回路16と、シフト検出回路18と、ブレーキ操作量検出回路20と、アクセル操作量検出回路22と、パターン発生回路23a,23bと、ドライバ回路24a〜24cと、アクチュエータ25a,25bと、アクチュエータアレイ25cと、移動光刺激呈示装置26とをさらに備えている。
ジャイロセンサ11は、車体のロール、ピッチおよびヨー方向の回転角速度を検出し、検出した角速度を示す信号を勾配検出回路12に出力する。
勾配検出回路12は、ジャイロセンサ11によって入力された角速度を示す信号から車体に生じている勾配を算出し、算出された勾配に対して周波数特性に応じた分類を行うことにより、道路の勾配を検出する。そして、勾配検出回路12は、検出した道路の勾配を示す信号を演算処理回路13に出力する。
車速センサ14は、車両の走行速度に応じたパルス信号を発生し、そのパルス信号を車速検出回路15に出力する。
車速検出回路15は、車速センサ14によって入力されたパルス信号から車速を算出し、算出した車速を示す信号を加速度検出回路16に出力する。
加速度検出回路16は、速度検出回路15によって入力された車速から加速度および加速度の変化を算出し、算出した加速度および加速度の変化を示す信号を演算処理回路13に出力する。
シフトセンサ17は、トランスミッションのシフトポジションを検出し、検出したシフトポジションを示す信号をシフト検出回路18に出力する。
シフト検出回路18は、シフトセンサ17によって入力されたシフトポジションを示す信号および不図示のオーバードライブスイッチの操作信号を監視し、オーバードライブの解除およびシフトポジションの切り替え操作が行われたか否かを検出する。そして、シフト検出回路18は、検出したオーバードライブの解除あるいはシフトポジションの切り替えを示す信号を演算処理回路13に出力する。
ブレーキペダルセンサ19は、ブレーキペダルの踏み込み量を検出し、検出したブレーキペダルの踏み込み量を示す信号をブレーキ操作量検出回路20に出力する。
ブレーキ操作量検出回路20は、ブレーキペダルセンサ19によって入力されたブレーキペダルの踏み込み量からブレーキ操作の変動量を算出し、算出したブレーキ操作の変動量を示す信号を演算処理回路13に出力する。
アクセルペダルセンサ21は、アクセルペダルの踏み込み量を検出し、検出したアクセルペダルの踏み込み量を示す信号をアクセル操作量検出回路22に出力する。
アクセル操作量検出回路22は、アクセルペダルセンサ21によって入力されたアクセルペダルの踏み込み量からアクセル操作の変動量を算出し、算出したアクセル操作の変動量を示す信号を演算処理回路13に出力する。
演算処理回路13は、運転情報伝達装置1全体の制御を管理するものであり、加減速判定回路13aと、操作判定回路13bとをさらに備えている。
加減速判定回路13aは、勾配検出回路12によって入力された道路勾配と、加速度検出回路16によって入力された加速度および加速度変化に基づいて、道路勾配によって生ずる加減速検出結果への不要な影響を除去した上で、車両に発生している加減速を判定する。
操作判定回路13bは、シフト検出回路18によって入力されたオーバードライブの解除あるいはシフトポジションの切り替えと、ブレーキ操作量検出回路20によって入力されたブレーキ操作の変動量と、アクセル操作量検出回路22によって入力されたアクセル操作の変動量とに基づいて、運転者が意図的に加減速を行ったか否かの判定を行う。
演算処理回路13は、加減速判定回路13aの判定結果と、操作判定回路13bの判定結果とから、運転者の意図しない加減速が発生している場合に、加減速の大きさおよび極性(加速あるいは減速)を示す信号をパターン発生23a,23bに出力する。このとき、演算処理回路13は、後述のように、車両加速度の値と、車体の勾配量とを所定の換算を行って加算することにより、運転者に呈示する加速度情報(拡張加速度)を算出する。そして、演算処理回路13は、パターン発生回路23a,23bに対して、この加速度(拡張加速度)を出力する。
パターン発生回路23aは、アクチュエータ25a,25bの動作パターンを制御するものであり、演算処理回路13によって加減速の大きさおよび極性を示す信号が入力されると、入力された加減速の大きさおよび極性に応じて、アクチュエータ25a,25bの圧力刺激パターンを発生する。
具体的には、パターン発生回路23aは、演算処理回路13によって加速を示す信号が入力された場合、アクチュエータ25aを加速度の大きさに応じた所定量突出させるようにドライバ回路24aを駆動する制御信号を出力する。また、パターン発生回路23aは、演算処理回路13によって減速を示す信号が入力された場合、アクチュエータ25bを減速度の大きさに応じた所定量突出させるようにドライバ回路24bを駆動する制御信号を出力する。
パターン発生回路23bは、アクチュエータアレイ25cおよび移動光刺激呈示装置26の動作パターンを制御するものであり、演算処理回路13によって加減速を示す信号が入力された場合、アクチュエータアレイ25cの振動刺激パターンをおよび移動光刺激呈示装置26における光刺激パターンを発生する。
具体的には、パターン発生回路23bは、演算処理回路13によって加速を示す信号が入力された場合、アクチュエータアレイ25cにおいてシート前端から後端(大腿部から臀部)に振動刺激が移動するようにドライバ回路24bを駆動する制御信号を出力し、演算処理回路13によって減速を示す信号が入力された場合、アクチュエータアレイ25cにおいてシート後端から前端(臀部から大腿部)に振動刺激が移動するようにドライバ回路24bを駆動する制御信号を出力する。
また、パターン発生回路23bは、演算処理装置13によって加減速を示す信号が入力された場合、車両前後方向にLED(Light Emitting Diode)が配列されている移動光刺激呈示装置26において、加速時には光が車両前方から後方に移動するように、減速時には光が車両後方から前方に移動するようにドライバ回路24cを駆動する制御信号を出力する。
ドライバ回路24aは、パターン発生回路23aによって入力された制御信号に従って、アクチュエータ25a,25bが所定量突出するように作動させる。
ドライバ回路24bは、パターン発生回路23bによって入力された制御信号に従って、アクチュエータアレイ25cを、シート前端から後端に振動刺激を移動させるように作動させる。
ドライバ回路24cは、パターン発生回路23bによって入力された制御信号に従って、移動光刺激呈示装置26のLEDを、加速時には光が車両前方から後方に移動するように順に点灯させ、減速時には光が車両後方から前方に移動するように順に点灯させる。
アクチュエータ25aは、運転席Sにおけるシートバック部に設置されたリニアアクチュエータであり、シートクッション部のウレタン表皮部材の内側に内蔵されている。そして、アクチュエータ25aは、ドライバ回路24aによって入力された制御信号に従って、可動子を移動させ、可動子に取り付けられた接触子がシートクッション部の内部から運転者の臀部を押圧する。なお、アクチュエータ25aは、シートクッション部の後端に設置することも可能である。
アクチュエータ25bは、運転席Sにおけるシートクッション部の前部に設置されたリニアアクチュエータであり、アクチュエータ25aと同様に、シートクッション部のウレタン表皮部材の内側に内蔵されている。そして、アクチュエータ25bは、ドライバ回路24aによって入力された制御信号に従って、可動子を移動させ、可動子に取り付けられた接触子がシートクッション部の内部から運転者の大腿部を押圧する。
アクチュエータアレイ25cは、運転席Sにおけるシートクッション部の中央付近に、複数のリニアアクチュエータを前後方向に配列して構成したものであり、シートクッション部のウレタン表皮部材の内側に内蔵されている。そして、アクチュエータアレイ25cは、ドライバ回路24bによって入力された制御信号に従って、各リニアアクチュエータの可動子を前方から後方あるいは後方から前方に順に移動させ、各可動子に取り付けられた接触子がシートクッション部の内部から運転者の大腿部を順に押圧する。
移動光刺激呈示装置26は、運転者周辺で運転者の視界内に設置されており、例えば運転者側のサイドウィンドウの下端等に設置される。また、移動光刺激呈示装置26は、車両前後方向に配列されたLEDを備えており、ドライバ回路24cに駆動されることにより、加速時には光が車両前方から後方に移動するように、減速時には光が車両後方から前方に移動するようにLEDを点灯する。
次に、運転席Sにおけるアクチュエータ25a,25bおよびアクチュエータアレイ25cの設置状態について詳細に説明する。
図3は、運転席Sにおけるアクチュエータ25a,25bおよびアクチュエータアレイ25cの設置状態を示す図である。
図3において、運転席Sは、シートバック部を支持する背部フレーム100とシートクッション部を支持する座面フレーム200とが回転機構300によって連結されており、所定範囲内で角度調整可能な構成を有している。そして、背部フレーム100における運転者の臀部に近い位置には、アクチュエータ25aが、接触子を運転者側に向けられた状態で治具101によって固定されており、アクチュエータ25aが作動すると、シートバック部を覆うウレタン表皮部材の内側から接触子が運転者の臀部付近を押圧する構成となっている。
また、座面フレーム200における前端部には、アクチュエータ25bが、接触子を運転者側に向けられた状態で治具201によって固定されており、アクチュエータ25bが作動すると、シートクッション部を覆うウレタン表皮部材の内側から接触子が運転者の大腿部前部を押圧する構成となっている。
さらに、座面フレーム200における中央部分には、アクチュエータアレイ25cが、複数の接触子を運転者側に向けられた状態で治具202によって固定されており、アクチュエータアレイ25cが作動すると、シートクッション部を覆うウレタン表皮部材の内側から接触子が運転者の大腿部中央付近を押圧する構成となっている。
そして、アクチュエータ25a,25bおよびアクチュエータアレイ25cを制御するための信号は、接続ボックス400に連結されたケーブル401を介して入力され、この接続ボックス400には、コネクタ402を介して接続されているドライバ回路24a〜24cから信号が入力されている。
このように、車両の加速を知らせるアクチュエータ25aと、車両の減速を知らせるアクチュエータ25bとが、運転者の身体における異なる個所を刺激することにより、運転者は、車両の加速あるいは減速を明確に区別して感じることができる。また、加速時と減速時で異なる個所に刺激が呈示されることから、刺激に対して順応する度合いを低減することができる。さらに、加速時および減速時に刺激が呈示される個所は、運転者が加速および減速を直感的に感じ易い個所であるため、運転者に対し、車両の加減速を明確に伝達することができる。
次に、アクチュエータアレイ25cの構成例について説明する。
図4は、アクチュエータアレイ25cの構成を示す図である。
図4において、アクチュエータアレイ25cは、ケース500と、複数のアクチュエータ600と、コネクタ700と、リード線800とを備えている。
ケース500内には、複数のアクチュエータ600が1列に配置されており、これらアクチュエータ600は、例えば電動型アクチュエータによって構成されている。なお、アクチュエータ600は、油圧型あるいは空気圧型等、他の方式のものを用いることも可能である。
アクチュエータ600は、ケース500に固定され円筒状のハウジングとなる固定子601と、固定子601内の中心部に形成され、可動子603の摺動軸となるポールピース602と、ポールピース602に弾性的に固定され、ポールピース602を軸として上下方向に摺動可能な可動子603と、固定子601と可動子603との隙間に設置されたダイアフラム604と、可動子603の先端に設置され、運転者を押圧する接触子605とを備えている。
これらのうち、固定子601とポールピース602とは磁化された状態であり、可動子603はコイルによって構成されている。
そして、各可動子603には、コネクタ700およびリード線800を介してドライバ回路24bから信号が入力される。可動子603に信号が入力されると、信号の電流によってコイルが磁界を発生し、磁化されている固定子601と電流によって生じた磁界とが相互作用することにより、可動子603がポールピース602を軸として上下方向に動作する。すると、可動子603の先端に設置された接触子が運転者の大腿部を押圧し、運転者に振動刺激を伝達する。これらアクチュエータ600を順に駆動することによって、運転者の大腿部に対し、前後方向に移動する振動刺激を呈示することができる。
(動作)
次に、運転情報伝達装置1の動作を説明する。
まず、運転情報伝達装置1における刺激の呈示パターンを説明する。
図5は、運転情報伝達装置1における刺激の呈示パターンを示す説明図である。
図5において、運転情報伝達装置1は、加速時および減速時それぞれに所定の刺激パターンを呈示することにより、運転者に加減速の状態を伝達する。
即ち、車両の加速状態では、通常、運転者はシートバック部に押し付けられる状態となる。そこで、シートバック部からアクチュエータ25aによって圧力刺激を呈示することにより、加速時に類似した感覚を運転者に与えることができる。さらに、アクチュエータアレイ25cによってシート後端から前端に移動する振動刺激を併せて呈示することにより、明確に加速状態であることを運転者に伝達することができる。
また、車両の減速状態では、通常、運転者は車体前方に向かって微小距離だけ移動することとなる。そして、通常、シートクッション部には、シート前端部分がシート後端部分より高くなるクッションアングルが設けられているため、減速時にはシート前端部で大腿部を圧迫刺激される。そこで、アクチュエータ25bが、シート前端において運転者の大腿部に圧力刺激を呈示することにより、減速時に類似した感覚を運転者に与えることができる。さらに、アクチュエータアレイ25cによってシート前端から後端に移動する振動刺激を併せて呈示することにより、直感的に減速状態であることを運転者に伝達することができる。
続いて、運転情報伝達装置1の具体的な動作形態について説明する。
図6は、運転情報伝達装置1の具体的な動作形態を示す模式図である。
図6では、高速道路等で見られる緩い勾配によって、運転者が意図しない車両の加速あるいは減速が生じる状態を例示している。
図6において、(a)は車両の速度、(b)は(a)に示す車両速度から算出される加速度、(c)は実際の道路勾配、(d)は車体に設置された加速度センサによって検出される加速度波形、(e)は車体に設置されたジャイロセンサによって検出されたピッチ角度から判定される道路勾配の種別(登り、下り)、(f)は道路勾配の有無によって重み付けされ、運転者に呈示しようとする加速度情報(拡張加速度)、(g)はアクチュエータアレイ25cを起動するトリガとなる信号であり、(f)の拡張加速度を微分して得られる判定用加加速度信号、(h)はシートバック部に設置されたアクチュエータ25aによって呈示される圧力刺激の波形、(i)はシートクッション部前端に設置されたアクチュエータ25bによって呈示される圧力刺激の波形、(j)はシートクッション部中央に設置されたアクチュエータアレイ25cによって呈示される振動刺激の波形(通常時)、(k)はシートクッション部中央に設置されたアクチュエータアレイ25cによって呈示される振動刺激の波形(逆方向時)をそれぞれ示しており、(a)〜(k)においては、道路が緩やかに下っている場合(左列)、道路が緩やかに上っている場合(中央列)、道路が緩やかに下った後に緩やかに上っている場合(右列)を示している。
また、図7は、運転情報伝達装置1の動作を示す制御フローチャートである。
運転情報伝達装置1は、車両のイグニションオン状態において、図7に示すフローチャートを繰り返し実行している。図7に示すフローチャートは、制御ユニット2における演算処理回路13の管理の下に実行される。
以下、図6において道路が緩やかに下っている場合の左列の状態を例に挙げて、図7と対応付けて運転情報伝達装置1の具体的動作を説明する。
車両が(c)に示される道路勾配地点に差し掛かると、(e)に示すように、ジャイロセンサ11が、道路勾配に基づく車体の傾きを直ちに検出する(ステップS1)。
すると、所定時間経過後に、(a)に示すように、車両速度が上昇し、(b)に示す加速度に変化が生じ始める。運転情報伝達装置1は、ステップS1における勾配に続いて、加速度検出回路16によって加速度を検出し(ステップS2)、加速度判定回路13aによって、勾配が検出され、かつ、加速度変化が大きい(所定値以上)か否かの判定を行う(ステップS3)。
ステップS3において、勾配が検出され、かつ、加速度変化が大きいと判定した場合、運転情報伝達装置1は、操作判定回路13bによってブレーキ操作量およびアクセル操作量の変動を基に、運転者が意図的に加減速を行っているか否かを判定する(ステップS4)。
運転情報伝達装置1は、運転者が検知することが容易ではない緩い勾配の変化と、それに伴う車両速度の変化を検出し、加減速状態を運転者に強調して伝達するものである。
そこで、ステップS4において、運転者が意図的に加減速を行っているのではないと判定した場合、運転情報伝達装置1は、演算処理回路13によって、車両の速度変化から算出した(b)に示す車両加速度の値と、車体の勾配量を示す(e)勾配値の値とを所定の換算を行いつつ加算し、(f)に示す拡張加速度を算出する(ステップS5)。なお、ステップS3において、勾配がない、あるいは、加速度変化が大きくないと判定した場合や、ステップS4において、運転者が意図的に加減速を行っていると判定した場合、運転情報伝達装置1はステップS1の処理に戻る。
次に、アクチュエータ25a,25bによって伝達する拡張加速度が加速であるか減速であるかを明確なものとするため、運転情報伝達装置1は、(g)に示す加加速度信号を算出し(ステップS6)、(e)に示す勾配値に応じた閾値によって処理する(ステップS7)。
そして、運転情報伝達装置1は、閾値を超える加加速度が検出されると、その時点を加速度の変化(加加速度)が大きい時点として、アクチュエータアレイ25cの列状に配列されたアクチュエータを、(j)に示す波形によって順に駆動する駆動指令を発行する(ステップS8)。アクチュエータアレイ25cは、後述するアクチュエータ25a,25bの駆動タイミングと対応付けて駆動される。このような動作により、大腿部から臀部が前後に移動する感覚を強調することができ、運転者が加速あるいは減速を明確に感じることが可能となる。なお、アクチュエータアレイ25cの動作に合わせて、移動光刺激呈示装置26が、車両前方から後方、あるいは、車両後方から前方に光が移動する光刺激パターンを運転者に呈示する。
続いて、運転情報伝達装置1は、ステップS2において検出された加速度が加速状態であるか減速状態であるかの判定を行い(ステップS9)、ステップS4において算出した拡張加速度の値を、加速時においては、シートバック部に設置されたアクチュエータ25aによって、(h)に示すように圧力刺激として呈示する(ステップS10)。また、運転情報伝達装置1は、減速時においては、シートクッション部前端に設置されたアクチュエータ25bによって、拡張加速度の値を(i)に示すように圧力刺激として呈示する(ステップS11)。
このように圧力刺激を呈示することで、道路勾配によって生じる、運転者の意図しない車両速度の変化が生じることを防止することができる。即ち、車両に実際に発生している加減速と、運転者が感じている加減速に差が生じている場合に、その差を縮小するように圧力刺激を与えることができ、その結果、運転者の意図しない車両速度の変化を防止できる。
ここで、アクチュエータ25a,25bを駆動するのに先立ち、運転者に対し、(k)に示すように、アクチュエータアレイ25cによって、伝達する加減速方向と逆方向に移動する刺激を呈示しても良い。
以上のように、本実施形態に係る運転情報伝達装置1は、車両に加速あるいは減速が生じると、車両の加速を感じさせる圧力をアクチュエータ25aによって運転者の臀部付近に伝達したり、車両の減速を感じさせる圧力をアクチュエータ25bによって運転者の大腿部前部に伝達したりする。また、車両の加速あるいは減速に応じて、アクチュエータアレイ25cが、運転者の大腿部から臀部に、車両前後方向に移動する振動刺激パターンを呈示する。
したがって、運転者は、身体において直感的に加減速を感じる所定個所への圧力刺激によって、自身が感じ難い車両の加速あるいは減速を明確に認識することができる。
即ち、運転情報伝達装置1によれば、運転者に対して加減速の変化を適確に伝達することができる。
なお、本実施形態においては、アクチュエータ25aをシートバック部の、運転者の臀部に近い位置に設置することとして説明したが、車両の加速時に運転者が運転席Sから受ける力を模擬的に呈示できるものであれば、運転者の背中から臀部にかけて、少なくとも一部を刺激できれば良く、例えば、シートバック部における運転者の腰部あるいは背中位置に設置することとしても良い。同様に、アクチュエータ25bは、シートクッション部前端に設置する以外にも、車両の減速時に運転者が運転席Sから受ける力を模擬的に呈示できるものであれば、運転者の大腿部の少なくとも一部を刺激できれば良く、例えば、シートクッション部の他の個所に設置することとしても良い。
また、運転者に刺激を呈示する際、アクチュエータ25a,25bを駆動するのに先立ち、運転者に対し、アクチュエータアレイ25cあるいは移動光刺激呈示装置26によって徐々に増加あるいは減少する刺激を呈示することとしても良い。
このようにすることで、運転者に車両の加減速状態を明確に伝達することができる。
さらに、本実施形態においては、車両に加減速が生じた後に、アクチュエータ25a,25bを駆動することとして説明したが、カーナビゲーションシステム等によって、自車両の進路において加減速を生じさせる要因(勾配等)を検出し、その要因に差し掛かる前のタイミングで予めアクチュエータ25a,25bを駆動することにより、運転者に加減速の発生を前もって知らせ、運転者の意図しない加減速が生ずることを防ぐことも可能である。
本実施形態において、アクチュエータ25aが第1の圧力呈示手段を構成し、アクチュエータ25bが第2の圧力呈示手段を構成し、車速センサ14、車速検出回路15および加速度検出回路16が加減速検出手段を構成し、制御ユニット2が刺激制御手段を構成する。また、アクチュエータアレイ25cおよび移動光刺激呈示装置26が補助呈示手段を構成し、アクチュエータアレイ25cが振動刺激呈示手段、移動光刺激呈示装置26が光刺激呈示手段をそれぞれ構成する。さらに、ジャイロセンサ11および勾配検出回路12がピッチ変化検出手段を構成し、演算処理回路13が拡張加速度算出手段を構成し、シフトセンサ17、シフト検出回路18、ブレーキペダルセンサ19、ブレーキ操作量検出回路20、アクセルペダルセンサ21およびアクセル操作量検出回路22が操作量検出手段を構成する。また、制御ユニット2および車速センサ14が、加速強調手段および減速強調手段を構成する。また、図7に示すフローチャートのステップS1〜S4を実行するジャイロセンサ11、加速度検出回路16および演算処理回路13が差分検出手段を構成し、ステップS5〜S11を実行するアクチュエータ25a,25b、アクチュエータアレイ25cおよび演算処理回路13が差分縮小手段を構成する。さらに、図1における運転席Sおよびその車体フロアFとの連結部Cが支持手段を構成する。
(本実施形態の効果)
本実施形態における運転情報伝達装置1は、以下のような効果を有する。
(1)刺激制御手段が、車両に加速が生じている場合、第1の圧力呈示手段によって車両後方から前方への圧力刺激を呈示し、車両に減速が生じている場合、第2の圧力呈示手段によって車両前方から後方への圧力刺激を呈示するため、実際の加減速時に運転者が感じる力を基にしたわかり易い形態で、運転者に対して加減速の変化を適確に伝達することができる。
(2)補助呈示手段が、第1あるいは第2の圧力呈示手段によって呈示されている圧力刺激の方向を呈示するため、運転者に対し、車両の加減速状態を明確に伝達することができる。
(3)補助呈示手段は振動刺激呈示手段を備えているため、運転者の触覚を介して、第1あるいは第2の圧力呈示手段による圧力刺激の方向を呈示することができる。
(4)補助呈示手段は光刺激呈示手段を備えているため、運転者の視覚を介して、第1あるいは第2の圧力呈示手段による圧力刺激の方向を呈示することができる。
(5)ピッチ変化検出手段が車両のピッチ変化を検出し、拡張加速度算出手段が所定の拡張加速度を算出するため、道路勾配を加味した加速度情報を運転者に呈示することができる。
(6)さらに、操作量検出手段が運転者の加減速操作量を検出して、上記拡張加速度が算出されるため、運転者の操作量を加味した加速度情報を運転者に呈示することができる。
(7)振動刺激により圧力刺激の方向を呈示した後に、第1あるいは第2の圧力呈示手段によって圧力刺激を呈示できるので、運転者に車両の加減速状態を明確に伝えることができる。
(8)光刺激により圧力刺激の方向を呈示した後に、第1あるいは第2の圧力呈示手段によって圧力刺激を呈示できるので、運転者に車両の加減速状態を明確に伝えることができる。
(9)補助呈示手段が、第1あるいは第2の圧力呈示手段が呈示する圧力刺激の方向と逆方向を呈示した後に、第1あるいは第2の圧力呈示手段が圧力刺激を呈示するため、上記パターンと異なる形態で車両の加減速状態を伝達することができる。
(10)加速強調手段あるいは減速強調手段によって、車両の加減速状態を強調することができるので、実際の加減速時に運転者が感じる力を基にしたわかり易い形態で、運転者に対し、加減速の変化を適確に伝達することが可能となる。
(11)差分検出手段が、車両に実際に生じている加減速と、運転者が認識する加減速の状態との差を検出し、差分縮小手段が、その差を縮小させる圧力刺激を運転者に与えるので、運転者の適切な加減速操作を誘導することができる。したがって、運転者に加減速の変化を適確に伝達でき、従来発生していた運転者の意図しない車両速度の変化を防止できる。
(12)刺激制御手段が、車両に加速が生じている場合、支持手段によって車体フロアに支持された第1の圧力呈示手段によって車両後方から前方への圧力刺激を呈示し、車両に減速が生じている場合、支持手段によって車体フロアに支持された第2の圧力呈示手段によって車両前方から後方への圧力刺激を呈示する。そのため、実際の加減速時に運転者が感じる力を基にしたわかり易い形態で、運転者に対して加減速の変化を適確に伝達することができ、運転者の意図しない加減速を抑制可能な自動車とすることができる。
(13)運転席に着席した運転者が車両の加減速時に運転席から受ける力を模擬的に発生させ、車両の加速あるいは減速状態を強調して運転者に伝達する方法としたため、実際の加減速時に運転者が感じる力を基にしたわかり易い形態で、車両の加減速の変化を運転者に適確に伝達することができる。
本発明に係る運転情報伝達装置1の全体構成を示す概略図である。 運転情報伝達装置1の機能構成を示すブロック図である。 運転席Sにおけるアクチュエータ25a,25bおよびアクチュエータアレイ25cの設置状態を示す図である。 アクチュエータアレイ25cの構成を示す図である。 運転情報伝達装置1における刺激の呈示パターンを示す説明図である。 運転情報伝達装置1の具体的な動作形態を示す模式図である。 運転情報伝達装置1の動作を示す制御フローチャートである。
符号の説明
1 運転情報伝達装置、2 制御ユニット、11 ジャイロセンサ、12 勾配検出回路、13 演算処理回路、14 車速センサ、15 車速検出回路、16 加速度検出回路、17 シフトセンサ、18 シフト検出回路、19 ブレーキペダルセンサ、20 ブレーキ操作量検出回路、21 アクセルペダルセンサ、22 アクセル操作量検出回路、23a,23b パターン発生回路、24a〜24c ドライバ回路、25a,25b アクチュエータ、25c アクチュエータアレイ、26 移動光刺激呈示装置

Claims (13)

  1. 触覚を介して運転者に車両の加減速状態を示す情報を伝達する運転情報伝達装置であって、
    運転席に着席した運転者の身体における背中から臀部の少なくとも一部に対し、車両後方から前方への圧力刺激を呈示する第1の圧力呈示手段と、
    運転席に着席した運転者の身体における大腿部の少なくとも一部に対し、下方から上方への圧力刺激を呈示する第2の圧力呈示手段と、
    車両の加減速を検出する加減速検出手段と、
    前記加減速検出手段によって車両の加速あるいは減速が検出された場合に、車両に加速が生じているときには、前記第1の圧力呈示手段によって運転者に対して圧力刺激を呈示させ、車両に減速が生じているときには、前記第2の圧力呈示手段によって運転者に対して圧力刺激を呈示させる刺激制御手段と、
    を備えることを特徴とする運転情報伝達装置。
  2. 前記第1の圧力呈示手段あるいは前記第2の圧力呈示手段によって運転者に呈示されている圧力刺激の方向を呈示する補助呈示手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の運転情報伝達装置。
  3. 前記補助呈示手段は、運転席のシートクッション部において、運転者の大腿部に対して車両前後方向に移動する振動刺激を呈示する振動刺激呈示手段を備え、
    前記刺激制御手段は、前記加減速検出手段によって車両の加速あるいは減速が検出された場合に、車両に加速が生じているときには、運転者に対し、前記振動刺激呈示手段によって車両後方から前方に移動する振動刺激を呈示させ、車両に加速が生じているときには、運転者に対し、前記振動刺激呈示手段によって車両前方から後方に移動する振動刺激を呈示させることを特徴とする請求項1または2記載の運転情報伝達装置。
  4. 前記補助呈示手段は、運転姿勢にある運転者の視界内において、車両前後方向に移動する光刺激を呈示する光刺激呈示手段を備え、
    前記刺激制御手段は、前記加減速検出手段によって車両の加速あるいは減速が検出された場合に、車両に加速が生じているときには、運転者に対し、前記光刺激呈示手段によって車両前方から後方に移動する光刺激を呈示させ、車両に減速が生じているときには、運転者に対し、前記光刺激呈示手段によって車両後方から前方に移動する光刺激を呈示させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の運転情報伝達装置。
  5. 車両のピッチ変化を検出するピッチ変化検出手段と、
    前記加減速検出手段によって検出された車両の加減速および前記ピッチ変化検出手段によって検出された車両のピッチ変化に基づいて、運転者に呈示する刺激の強さを示す拡張加速度を算出する拡張加速度算出手段と、
    を備え、
    前記刺激制御手段は、該拡張加速度に対応する圧力刺激を前記第1および第2の圧力呈示手段に呈示させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の運転情報伝達装置。
  6. 運転者による車両の加減速に関する操作量を検出する操作量検出手段をさらに備え、
    前記拡張加速度算出手段は、前記加減速検出手段によって検出された車両の加減速と、前記ピッチ変化検出手段によって検出された車両のピッチ変化と、前記操作量検出手段によって検出された操作量とに基づいて、運転者に呈示する刺激の強さを示す拡張加速度を算出することを特徴とする請求項5記載の運転情報伝達装置。
  7. 前記補助呈示手段は、運転席のシートクッション部において、運転者の大腿部に対して車両前後方向に移動する振動刺激を呈示する振動刺激呈示手段を備え、
    前記刺激制御手段は、前記振動刺激呈示手段によって、前記第1の圧力呈示手段あるいは前記第2の圧力呈示手段が運転者に呈示する圧力刺激の方向を呈示した後、前記拡張加速度に対応する圧力刺激を前記第1および第2の圧力呈示手段に呈示させることを特徴とする請求項2記載の運転情報伝達装置。
  8. 前記補助呈示手段は、運転姿勢にある運転者の視界内において、車両前後方向に移動する光刺激を呈示する光刺激呈示手段を備え、
    前記刺激制御手段は、前記光刺激呈示手段によって、前記第1の圧力呈示手段あるいは前記第2の圧力呈示手段が運転者に呈示する圧力刺激の方向を呈示した後、前記拡張加速度に対応する圧力刺激を前記第1および第2の圧力呈示手段に呈示させることを特徴とする請求項2記載の運転情報伝達装置。
  9. 前記補助呈示手段は、運転席のシートクッション部において、運転者の大腿部に対して車両前後方向に移動する振動刺激を呈示する振動刺激呈示手段を備え、
    前記刺激制御手段は、前記振動刺激呈示手段によって、前記第1の圧力呈示手段あるいは前記第2の圧力呈示手段が運転者に呈示する圧力刺激の方向と逆方向を呈示した後、前記拡張加速度に対応する圧力刺激を前記第1および第2の圧力呈示手段に呈示させることを特徴とする請求項2記載の運転情報伝達装置。
  10. 触覚を介して運転者に車両の加減速状態を示す情報を伝達する運転情報伝達装置であって、
    運転席に着席した運転者が車両の加速時に運転席から受ける力を模擬的に発生し、車両の加速状態を強調して運転者に伝達する加速強調手段と、
    運転席に着席した運転者が車両の減速時に運転席から受ける力を模擬的に発生し、車両の減速状態を強調して運転者に伝達する減速強調手段と、
    を備えることを特徴とする運転情報伝達装置。
  11. 触覚を介して運転者に車両の加減速状態を示す情報を伝達する運転情報伝達装置であって、
    車両に生じている加減速の状態と、運転者が認識する加減速の状態との差を検出する差分検出手段と、
    前記差分検出手段によって検出された加減速の状態の差を縮小させる触覚刺激を与える差分縮小手段と、
    を備えることを特徴とする運転情報伝達装置。
  12. 運転席に着席した運転者の身体における背中から臀部の少なくとも一部に対し、車両後方から前方への圧力刺激を呈示する第1の圧力呈示手段と、
    運転席に着席した運転者の身体における大腿部の少なくとも一部に対し、下方から上方への圧力刺激を呈示する第2の圧力呈示手段と、
    前記第1および第2の圧力呈示手段を車体フロアに支持する支持手段と、
    車両の加減速を検出する加減速検出手段と、
    前記加減速検出手段によって車両の加速あるいは減速が検出された場合に、車両に加速が生じているときには、前記第1の圧力呈示手段によって運転者に対して圧力刺激を呈示させ、車両に減速が生じているときには、前記第2の圧力呈示手段によって運転者に対して圧力刺激を呈示させる刺激制御手段と、
    を備えることを特徴とする自動車。
  13. 触覚を介して運転者に車両の加減速状態を示す情報を伝達する運転情報伝達方法であって、
    運転席に着席した運転者が車両の加減速時に運転席から受ける力を模擬的に発生させ、車両の加速あるいは減速状態を強調して運転者に伝達することを特徴とする運転情報伝達方法。
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