JP2005265800A - 車両加速度表示器 - Google Patents

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勝之 片山
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友一 高橋
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清英 岩田
Toshibumi Kato
俊文 加藤
Hiroshi Kato
博史 加藤
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Abstract


【課題】 車両に設置され車両に生じた加速度を表示する車両加速度表示器は、横方向の加速度を1次元的に表示するものであったり、大きさと方向をそれぞれ別々に表示するものであるため、加速度の大きさや方向を単なる情報として搭乗者に提供することは可能であったが、搭乗者の直感に即して、また瞬間的な判断を高めるような提供には至っておらず、例えば危険回避のための対応が遅れるなどという問題を生じていた。

【解決手段】 車両に生じる加速度を検出する加速度センサと、少なくとも2方向の加速度の方向及び大きさを表示する表示部と、加速度センサの出力に応じて表示部の表示状態を制御する制御部とを備えることで、簡単な構成にて加速度の2次元的表示を行うことができ、搭乗者の直感に即したものとすることができる。

【選択図】 図1

Description


本発明は、自動車や二輪車に設置され、これら車両に生じた加速度を視覚的に表示する車両加速度表示器に関する。

自動車や二輪車の運転者はシートベルトやハンドルを握ることによって座席に固定されるため、車両に生じる加速度を体感的に感じにくく、加速度による危険発生を初期の段階で察知することは困難であった。また運転者は常に前方を見ているため、走行状態をある程度事前に認識し車両の挙動を予測できるが、同乗者はそのようなことができないため、車両の挙動を大きく感じ乗物酔いを発生することがあった。

そこで、車両加速度表示器は、車両に生じた加速度を視覚的に表示することで、自動車や二輪車の発進や停止、走行中の加減速、カーブ状態に応じて発生する加速度を運転者や同乗者に告知し、それにより安全運転や効率的運転の促進、また、乗物酔い防止を図っている。

従来、車両加速度表示器は、例えば、特許文献1に開示されるように横方向の加速度について、その方向と大きさを同時に1次元的に表示するものや、特許文献2に開示されるように前後左右の加速度とその大きさをそれぞれ異なる表示部にて表示するものが知られていた。また、所定値以上の加速度を検出した場合には、加速度の表示とともに音声やブザー音にて警告することも一般的であった。搭乗者はこれら情報によってハンドルやアクセルを操作し車両をコントロールしていた。

また、特許文献3に開示されるように、フルカラーLEDからなる表示手段を車両ボンネットの前方に配置することで、先行車両の運転者にも加減速の状態を知らしめ交通の安全性を高めることが知られていた。

特開平3−182842号公報 特開平11−281662号公報 特開2003−276503号公報

しかし、従来のような車両加速度表示器にあっては、横方向の加速度を1次元的に表示するものであったり、大きさと方向をそれぞれ別々に表示するものであるため、加速度の大きさや方向を単なる情報として搭乗者に提供することは可能であったが、搭乗者の直感に即して、また瞬間的な判断を高めるような提供には至っておらず、例えば危険回避のための対応が遅れるなどという問題を生じていた。

また、ボンネット上にフルカラーLEDからなる表示手段を配置することは装置の大型化によるコストアップを招いていた。

よって本発明は、搭乗者の直感に即して加速度表示を行い、また簡単な構成でコストを低減する車両加速度表示器を提供することを目的としている。

本発明は、車両に設置され車両に生じた加速度を表示する車両加速度表示器であって、車両に生じる加速度を検出する加速度センサと、少なくとも2方向の加速度の方向及び大きさを表示する表示部と、加速度センサの出力に応じて表示部の表示状態を制御する制御部とを備えることを特徴としている。

本発明に従えば、車両に生じる加速度の方向及び大きさを2次元的に表示することで、加速度の表示を搭乗者の直感に即したものとし、例えば危険に対し遅れなく適切な動作をとることができる。

また本発明は、表示部にはその内側から外側に向かって放射状に発光素子を配列し、制御部は加速度センサの出力に応じてこの発光素子の発光状態を制御することを特徴としている。

本発明に従えば、表示部に内側から外側に向かって放射状に発光素子を配列しているので、例えば、加速度が大きくなるように変化した場合には内側から外側に向かって発光素子を順番に点灯するように制御し、一方加速度が小さくなるように変化した場合には外側から内側に向かって消灯するように制御すれば、さらに搭乗者の直感に即した表示とすることができる。

また本発明は、表示部は主表示部と副表示にて構成されることを特徴としている。

本発明に従えば、主表示部にて搭乗者にむけて加速度表示を行うとともに、副表示部でもって先行車両に注意を促したり、車上荒らしや車両に危害を与えることを目的として車両に近づこうとする不審者に対する威嚇表示、車両盗難時の警告表示を行うことができる。

本発明によれば、搭乗者の直感に即して加速度表示を行うことができる。また、簡単な構成でコストを低減することができ、さらに車両外部への表示も行うことができる。

図1は、本発明に関わる車両加速度表示器1の正面側からみた斜視図、図2はその背面図、図3は車両加速度表示器1の構成を説明するためのブロック図である。また、図4は本発明の表示の変形例を表す図である。本発明は図3に示すように、制御部10と、第1表示部21と第2表示部22とを備えた表示部20と、加速度センサ31と照度センサ32とを備えた検出部30、警告部40、電源部50より構成されている。

図1、図2及び図3を用いて本発明の車両加速度表示器1の構成を説明する。図1において、この車両加速度表示器1は略正方形の表示部20と接続部5よりなる本体部2と、表示部20の下方に配設され、接続部5を介して本体部2と一体化される台座部3より構成される。

本体部2の右側面には電源部50から供給される電圧をON/OFFするための電源スイッチ6が設けられ、表示部20は図1及び図2に示すように略正方形をなす第1表示部21と、その背面側に配設され長方形をなした第2表示部22より構成される。

第1表示部21には、その中心に表示窓23が設けられ、この表示窓23を通過するように、かつ車両加速度表示器1の上辺又は下辺に平行となるようにX軸を定義し、このX軸上に表示窓23と連続するように右方向表示部24と左方向表示部25が設けられている。また、表示窓23を通過しこのX軸と直交するように定義されたY軸上には前方向表示部26と後方向表示部27が設けられている。右方向表示部24は8つの表示窓24a〜24hを有し、この表示窓24a〜24hは表示窓23から離れるに従って直交する方向(Y軸方向)に幅広となるように設けられている。他の方向表示部25〜27も同様に8つの表示窓を有しており、表示窓23から離れるに従って幅広となっている。このように方向表示部24〜27は、表示窓23を中心に表示部20の外側に向かって放射状に形成されている。

表示窓23及び各方向表示部24〜27の表示窓内部には、図示しない発光ダイオードが配置されており、第1表示部21の中心付近の表示窓(例えば24a〜24d)には緑色や青色などの発光ダイオードが配置され、中心から離れた部分(例えば24e〜24h)には黄色や赤色など、危険性を認識させる色の発光ダイオードが配置される。

第2表示部22には、図示しない複数の表示窓及び内部に配設された発光ダイオードが車両加速度表示器1の上辺に平行となるように一列に配置されており、図2において第2表示部22の右側に黄色や赤色など、危険性を認識させる色の発光ダイオードを配置している。

本体部2は、接続部5を介して後述する台座部3に取り付けられている。この接続部5は、図示しないフック機構を有しており、このフック機構の一部をなすボタン9を押下することにより、台座部3との係合が解除されるようになっている。係合を解除し台座部3より本体部2を取り外すことにより、本体部2が内包する電池等の交換が行われる。

台座部3の上面7には本体部2が取り付けられており、一方、下面8は両面テープなどで車両のダッシュボードに取り付け可能となっている。ダッシュボードの取付け面が曲面を有する場合には、可撓性を有する金属薄板を台座部3の下面8に取り付け、金属薄板を取付け面の形状に合わせて適宜変形させ、両面テープなどで取り付けてもよい。

なお、この車両加速度表示器1は、第1表示部21を車内に向けて搭乗者が視認できるようにし、かつ第2表示部22を車外から視認できるように配置される。

本体部2内には制御部10、検出部30、警告部40、電源部40が設けられている。検出部30の加速度センサ31には、車両の前後方向及び左右方向に生じる加速度を検出する2軸の加速度センサが用いられている。この加速度センサ31は、ダイヤフラムと、このダイヤフラムに取り付けられた重りとダイヤフラムに対向する固定電極によって構成され、加速度に応じたダイヤフラムの揺動状態を静電容量Cの変化として検出する。また照度センサ32は、入射光量に比例した出力が得られるフォトダイオードよりなるセンサである。

また、電源部50は電池やシガレットライターなどから供給される電圧を5Vに変換し、制御部10や表示部20等に供給する。警告部40は、電磁ブザーやスピーカー等の音響部品で構成されている。

制御部10はCPU11と複数のしきい値テーブルを保持するメモリ12等で構成され、検出部30の加速度センサ31や照度センサ32の出力に応じて、表示部20の表示状態や警告部40の動作を制御する。

次に本発明の車両加速度表示器1の動作を説明する。この車両加速度表示器1は、加速度表示モードと盗難防止モードを有しており、通常の状態では車両に生じる加速度を表示する加速度表示モードが設定されている。盗難防止モードは、車両停止時に車両に近づこうとする不審者を威嚇したり、盗難であることを外部に表示するよう動作するモードであり、このモードの設定は、検出部30の加速度センサ31が車両の静止を検出している状態で、車両外部から図示しない赤外線通信機能による遠隔操作にて行われる。また、このモードを解除する場合には、設定時と同様に車両外部からの遠隔操作にて行われる。盗難防止モードが解除されると自動的に加速度表示モードが設定される。

加速度表示モードにおいて、車両に横方向の加速度が生じた場合の表示を例とし、本発明の車両加速度表示器1の第1表示部21の動作制御を説明する。表示窓23に対応する発光ダイオードは、車両の加速度に関係なく電源がONの状態にあっては常に点灯している。ここで、車両に右横方向の加速度が生じたとすると、検出部30の加速度センサ31は静電容量Cの変化を出力する。制御部10はこの静電容量CをCV変換、AD変換し、メモリ12に保持しているしきい値テーブルの各しきい値と比較する。しきい値は8段階に設定されており、第1しきい値を上回った場合には、右方向表示部24の表示窓24aに対応する発光ダイオードを点灯し、第2しきい値を上回った場合には、さらに表示窓24bを点灯するように制御する。同様に、第3しきい値から第8しきい値は、表示窓24cから表示窓24hの内部に配設された各発光ダイオードに対応づけられ制御される。

第8しきい値は、通常0.5G(Gは重力加速度)から1Gに対応する出力の範囲に設定され、例えば0.6Gに設定された場合には、各しきい値間の間隔は0.075Gとなる。第6しきい値以上の出力が検出された場合には警告部40にてブザー音を発し、運転者に注意を促すようにする。

一方、各しきい値を下回った場合には、表示窓24a〜24hに対応する発光ダイオードを消灯するよう制御する。また、この車両加速度表示器1はピークホールド機能を有しており、制御部10は車両に生じた加速度の最大値を所定期間保持するように第1表示部21を制御している。制御部10は、例えば加速度センサ31の出力が第4しきい値を上回った直後に出力がゼロとなった場合には、表示窓24a〜24cに対応する発光ダイオードをすぐに消灯し、一方、表示窓24dに対応する発光ダイオードは所定時間点灯した後に消灯するよう制御する。

また、この車両加速度表示器1は外部の明るさによって表示態様を変化させる機能を有する。照度センサ32の出力から制御部10が夜間であると判断した場合には、メモリ12に保持されている夜間用しきい値テーブルの各しきい値と、検出部30の加速度センサ31の出力とを比較する。この夜間用しきい値テーブルのフルスケールは、通常時よりも低い値が設定され、例えば前述した第8しきい値0.6Gに対し0.4Gを設定する。この比較結果に基づいて、表示部21を制御することにより夜間という条件に対応した表示を行ことを可能とする。

このように車両内の明るさに応じて昼間と夜間等を判断し、第1表示部21の表示態様を変化させているので、外部環境に応じた適切な表示警告を行うことができる。

この加速度表示モードにおいて第2表示部22は、車両の前方向(進行方向)の加速度を一次元的に表示する。この第2表示部22は、第1表示部21と同様に所定のしきい値と比較することにより不図示の発光ダイオードを点灯/消灯させ、先行車両に向けて車両の加速度の状態を知らしめる。

一方、盗難防止モード時には、車両に近づく不審者をこの第2表示部22を利用して威嚇することが可能となる。盗難防止モードが設定されると、加速度センサ31が車両の振動を検出し、その出力が所定のしきい値以上となると、第2表示部22の発光ダイオードが所定期間点滅する。車両の振動が継続して検出されるようであれば盗難と判断し、第2表示部22での点滅を継続するとともに警告部40にてブザー音を発することにより警告を行う。

盗難検知として、検出部30に低周波数特性のマイクロホン等の音圧センサを設ければ、車両内の空気振動を検出することができるので、車両内への不審者の侵入に対しても、同様に第2表示部22、警告部40にて威嚇、警告することが可能となる。

図4は第1表示部21の変形例を表す図である。この実施例では第1表示部21の中心に自動車の方向を示す平面図28が描かれているため、各方向表示部24〜27による加速度の2次元表示と相まって搭乗者の直感に即して加速度表示を行うことができる。

また、検出部30の照度センサ32に加えて温度センサ、湿度センサ等の環境センサを設けてもよい。温度や湿度の検出により路面状態や気象状況を想定することができ、この判断に従って表示部20の表示状態を変化させれば、さらに搭乗者の直感に即した表示を行うことができる。

また、本実施例の第1表示部21において車両の前後左右に生じる加速度を2次元的に表示した例を示したが、前後左右の加速度に加えて上下方向に生じる加速度を検出することで、3次元表示することも考えられる。このような表示とすれば、さらに搭乗者の直感に即した表示とすることができる。

以上のように、本実施例によれば、車両の前後左右をイメージできるように各方向表示部24〜27を2次元的に配置しているので、搭乗者の直感に即して加速度表示を行うことができる。また、第1表示部21の背面側に第2表示部22を設けることで、車両内部のみならず外部に向けて車両の状態を告知することができる。

実施の一形態に係わる車両加速度表示器の正面側からみた斜視図である。 実施の一形態に係わる車両加速度表示器の背面図である。 実施の一形態に係わる車両加速度表示器の構成を説明するためのブロック図である。 第1表示部21の他の実施例を説明するための図面である。
符号の説明

1 車両加速度表示器

2 本体部

3 台座部

5 接続部

20 表示部

21 第1表示部

22 第2表示部

23 表示窓

24 右方向表示部

25 左方向表示部

26 前方向表示部

27 後方向表示部

31 加速度センサ

Claims (3)


  1. 車両に設置され車両に生じた加速度を表示する車両加速度表示器であって、

    車両に生じる加速度を検出する加速度センサと、

    少なくとも2方向の加速度の方向及び大きさを表示する表示部と、

    加速度センサの出力に応じて表示部の表示状態を制御する制御部と、

    を備えることを特徴とする車両加速度表示器。

  2. 前記表示部にはその内側から外側に向かって放射状に発光素子を配列し、

    前記制御部は前記加速度センサの出力に応じてこの発光素子の発光状態を制御することを特徴とする請求項1記載の車両加速度表示器。

  3. 前記表示部は主表示部と副表示部にて構成されることを特徴とする請求項1記載の車両加速度表示器。
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