JP5958646B2 - 車両用音響制御装置、車両用音響制御方法 - Google Patents
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Description
本発明の課題は、想定される車両挙動と、車室内における音場の動きとの整合性を向上させることである。
《第1実施形態》
《構成》
先ず、車両用音響制御装置の構成について説明する。
図1は、車両用音響制御装置の構成図である。
車両用音響制御装置は、自動車に搭載されており、音響機器11と、操舵角センサ12と、車輪速センサ13と、6軸モーションセンサ14と、アクセルセンサ15と、マスタバック圧力センサ16と、ナビゲーションシステム17と、サスペンションストロークセンサ18と、コントローラ21と、を備える。
6軸モーションセンサ14は、互いに直交する3軸(X軸、Y軸、Z軸)において、各軸方向の加速度(Gx、Gy、Gz)、及び各軸周りの角速度(ωx、ωy、ωz)を検出する。ここでは、車体前後方向をX軸とし、車体左右方向をY軸とし、車体上下方向をZ軸とする。この6軸モーションセンサ14は、加速度の場合には、例えば固定電極に対する可動電極の位置変位を静電容量の変化として検出しており、各軸方向の加速度、及び加速度と方向に比例した電圧信号に変換してコントローラ21に出力する。コントローラ21は、入力された電圧信号から加速度(Gx、Gy、Gz)を判断する。
アンプ22は、コントローラ21を介して入力される音声信号を増幅してスピーカ23に出力し、また高音域、中音域、低音域の音量を個別に調整したり、ステレオフォニック再生による音量をチャンネルごとに調整したりする。
上記が車両用音響制御装置の構成である。
図2は、第1実施形態における音響制御処理の一例を示すブロック図である。
音響制御処理では、音場回転量設定部31と、音声信号調整指令部32と、を備える。
音場回転量設定部31では、車両の旋回挙動を変化させる運転入力がなされた際に、実際に車両の旋回挙動が変化する方向に、車室内の音場を回転させる音場回転量αを設定する。運転入力とは、操舵角θsの変化であり、ここでは、運転者による操舵入力を想定しているが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば障害物との接触回避やレーンキープのために制御介入したり、又は自動運転したりする等、ステアリング制御を行う際のアクチュエータによる操舵入力をも含む。
図3は、音場回転量αの設定に用いるマップの一例である。
このマップによれば、操舵速度dθが0から正方向に増加するほど、音場回転量αが0から正方向に増加し、操舵速度dθが0から負方向に減少するほど、音場回転量αが0から負方向に減少する。
ここでは、操舵速度dθについては、0<|dθ1|<|dθ2|の関係となるdθ1及びdθ2を予め定め、音場回転量αについては、0<|αMAX|の関係となる最大回転量αMAXを予め定めている。なお、dθ1は0近傍と見なせる範囲の値に相当し、dθ2は、通常のステアリング操作で比較的早いと見なせる範囲の値に相当する。また、最大回転量αMAXは、車両毎に構造的に定まる最小旋回半径に応じて定める。そして、操舵速度dθの絶対値が0から|dθ1|の範囲にあるときには、音場回転量αが0を維持する。また、操舵速度dθの絶対値が|dθ1|から|dθ2|の範囲にあるときには、操舵速度dθが速いほど、音場回転量αが0から最大回転量αMAXの範囲で大きくなる。また、操舵速度dθの絶対値が|dθ2|よりも大きいときには、音場回転量αが最大回転量αMAXを維持する。
このマップは、前述した図4のマップをベースにし、操舵速度dθの絶対値が増加から減少に転じるときに、ヒステリシスを設けたものである。すなわち、操舵速度dθの絶対値を増加させていた状態から減少させると、増加から減少に転じた時点の音場回転量αを維持する。そして、操舵速度dθの絶対値の減少量が予め定めたヒステリシス量(例えばdθ1)を上回ると、音場回転量αが減少する。また、操舵速度dθの絶対値が増加から減少に転じ、0まで減少する前に再び増加に転じたときには、減少から増加に転じた時点の音場回転量αを維持する。そして、操舵速度dθの絶対値の増加量が予め定めたヒステリシス量(例えばdθ1)を上回ると、音場回転量αが増加する。
また、上記の操舵速度dθを操舵角θsに置換し、操舵角θsに応じて音場回転量αを設定するようにしてもよい。
上記が音場回転量αの設定である。
音声信号調整指令部32では、各スピーカ23で音声を出力している音場を、座標原点Oを中心とし、操舵方向にαだけ回転させるために、音声信号を調整する駆動指令をアンプ22へ出力する。
図6は、平面視の車室空間を模式的に示した図である。
ここでは、前左のスピーカをFLとし、前右のスピーカをFRとし、これらのスピーカFL及びFRから音声を出力している音場を、座標原点Oを中心に、左方向(反時計回り)に角度αだけ回転させる場合について説明する。FL′及びFR′は、角度αだけ回転させたと仮定したスピーカ位置である。元々、前右のスピーカ位置FRから聴こえていた音声を、FR′から聴こえるようにするには、先ずベクトルOFR′を、ベクトルOFRとベクトルOFLとに分解する。そして、これらベクトルOFR及びベクトルOFLの大きさの割合に応じて、スピーカFRから出力していた音声を、スピーカFL及びFRに分配し合成する。他のスピーカも同様に分解してから、他のスピーカに分配して合成する。こうして音声信号を調整する駆動指令を生成して出力する。
上記がブロック図に基づく音響制御処理である。
図7は、第1実施形態における音響制御処理の一例を示すフローチャートである。
先ずステップS101では、操舵角θsを検出する。
続くステップS102では、例えば操舵周波数にハイパスフィルタ処理を施し、操舵速度dθ相当の値を算出する。ハイパスフィルタ処理のカットオフ周波数は例えば0.3Hz程度である。この処理では、操舵入力の定常成分を除去し、車両の旋回挙動を変化させる運転入力を抽出できればよい。
続くステップS103では、操舵速度dθに応じて音場回転量αを設定する。
続くステップS104では、各スピーカ23で音声を出力している音場を、座標原点Oを中心とし、操舵方向にαだけ回転させるために、音声信号を調整する駆動指令を生成する。
続くステップS105では、音声信号を調整する駆動指令をアンプ22に出力してから所定のメインプログラムに復帰する。
上記がフローチャートに基づく音響制御処理である。
次に、第1実施形態の作用について説明する。
本実施形態では、平面視で乗員の周囲を囲むように、複数のスピーカ23を配置しており、これら複数のスピーカ23で、2チャンネル以上の音声をステレオフォニック再生している。そして、車両の旋回挙動を変化させる操舵入力がなされた際に、フィードフォワード制御として、実際に車両の旋回挙動が変化する方向(操舵方向)に車室内の音場を回転させる。具体的には、各チャンネルの音量配分を変化させることにより、音場を回転させる。
ここでは、車両が略直進走行している状態からステアリング操作を開始し、車両を旋回させる場合について説明する。
ステアリング操作を開始し、操舵角θsを0から増加させた際に、これと略同時にヨーレートが発生すれば、応答差Δtは略0の理想挙動となる。しかしながら、実際の車両挙動は、操舵角θsの増加に対して、幾らかの応答差Δtが生じるものである。そこで、操舵角θsを0から増加させたときから、音場回転量αを増加させ、操舵入力に応じた旋回挙動の変化を演出することで、旋回挙動の応答性が向上したような感覚を乗員に与えることができる。
また、音場回転量αは、最大回転量αMAXを上限としているので、音場回転量αが不必要に大きくなり過ぎることを抑制できる。また、最大回転量αMAXは、車両毎に固有となる最小旋回半径に応じて定めているので、その車両に合った旋回挙動を演出することができる。
図9は、挙動変化の認識タイミングについて説明したタイムチャートである。
ここでも、車両が略直進走行している状態からステアリング操作を開始し、車両を旋回させる場合について説明する。
時点t1で、ステアリング操作を開始し、操舵角θsを0から増加させるが、この操舵入力が実際の旋回挙動に反映されるまでには、幾らかの応答差がある。すなわち、時点t1よりも後の時点t2で、ステアリング操作に応じて車両が旋回し始め、ヨーレートが発生する。本実施形態では、操舵入力がなされた時点t1で、実際に旋回挙動が変化する方向に、車室内の音場を回転させることにより、操舵入力に応じた旋回挙動の変化を演出することができる。
音場挙動を変化させ始めた時点t1から、聴覚の単純反応時間THが経過した時点t3が、音場挙動の変化を聴覚によって認識するタイミングである。また、車両挙動が変化した始めた時点t2から、視覚の単純反応時間TSが経過した時点t4が、車両挙動の変化を視覚によって認識するタイミングである。一般に、聴覚の単純反応時間THは140〜160[msec]程度であり、視覚の単純反応時間TSは180〜200[msec]程度である。したがって、車両挙動の変化タイミングよりも音場挙動の変化タイミングが早く、且つ視覚の単純反応時間よりも聴覚の単純反応時間が短いことにより、操舵入力に対する旋回挙動の応答性が向上したような感覚を乗員に効果的に与えることができる。
本実施形態では、音響機器11からの音声信号に基づく一次音声を調整することで、車室内の音場を制御しているが、これに限定されるものではない。例えば、平面視で車両の周囲を囲む仮想壁があると仮定し、一次音声の仮想壁からの反響音を想定して生成し、その反響音を各スピーカ23で二次音声として出力し、且つ操舵入力がなされた際に、実際に旋回挙動が変化する方向に、仮想壁を回転させるようにしてもよい。
ここで、車室空間の中心から放射状に広がる波紋(点線)は、音響機器11からの音声信号に基づく一次音声である。また、平面視で車両の周囲を囲む四角(二重実線)は、仮想壁33である。また、仮想壁33の各辺から車室空間の中心に向かう波紋(一点鎖線)は、一次音声の仮想壁33からの反響音である。
図中の(a)は、略直進走行しており、車両を旋回させる操舵入力がなされていない状態を示し、図中の(b)は、(a)の状態から車両を旋回させる操舵入力がなされた後の状態を示す。
以上、スピーカ23LFL〜23LRR、23UFL〜23URRが「複数のスピーカ」に対応し、コントローラ21で実行する音響制御処理が「音場制御部」に対応する。
次に、第1実施形態における主要部の効果を記す。
(1)本実施形態の車両用音響制御装置では、乗員の周囲に配置された複数のスピーカ23と、複数のスピーカ23を個別に駆動することで車室内の音場を制御するコントローラ21と、を備える。コントローラ21は、車両挙動を変化させる運転入力がなされたときに、その運転入力に応じて、実際に車両挙動が変化する方向に、車室内の音場を変化させる。
このように、実際に車両挙動が変化する方向に車室内の音場を変化させることにより、運転入力に応じた車両挙動の変化を演出するので、想定される車両挙動と、車室内における音場の動きとの整合性を向上させることができる。
このように、車両の旋回挙動が変化する方向に車室内の音場を変化させることにより、運転入力に応じた旋回挙動の変化を演出するので、想定される旋回挙動と、車室内における音場の動きとの整合性を向上させることができる。
このように、操舵速度dθが速いほど、音場の回転量αを大きくすることにより、操舵入力に応じた旋回挙動の変化を効果的に演出することができる。
(4)本実施形態の車両用音響制御装置では、音場を回転させる際の最大回転量αMAXは、車両毎に定まる最小旋回半径に応じて決定される。
このように、車両毎に定まる最小旋回半径に応じて、音場の最大回転量αMAXを定めることにより、その車両に合った旋回挙動を演出することができる。
このように、各チャンネルの音量配分を変化させて音場を回転させることにより、音場の制御を容易に行うことができる。
このように、旋回挙動が変化する方向に、仮想壁33を回転させることにより、音場の回転をよりリアルに演出し、臨場感のある音響効果を得ることができる。
このように、実際に車両挙動が変化する前に、運転入力に応じて車室内の音場を変化させることにより、運転入力に応じた車両挙動の変化を演出するので、想定される車両挙動と、車室内における音場の動きとの整合性を向上させることができる。
《構成》
本実施形態は、車両の旋回挙動を変化させる運転入力がなされたときに、規範旋回挙動と実旋回挙動との偏差に応じて、実際に旋回挙動が変化する方向に、車室内の音場を回転させるものである。すなわち、実際に旋回挙動が変化する前に、運転入力に応じた旋回挙動の変化を演出する。
装置構成は、前述した第1実施形態と同じである。
図11は、第2実施形態における音響制御処理の一例を示すブロック図である。
音響制御処理では、規範ヨーレート設定部41と、偏差演算部42と、音場回転量設定部43と、音声信号調整指令部44と、を備える。
規範ヨーレート設定部41では、操舵角θs及び車速Vに応じて、規範ヨーレートγNを設定する。
図12は、音場回転量αの設定に用いるマップの一例である。
このマップによれば、偏差Δγが0から正方向に増加するほど、音場回転量αが0から正方向に増加し、偏差Δγが0から負方向に減少するほど、音場回転量αが0から負方向に減少する。
ここでは、偏差Δγについては、0<|Δγ1|<|Δγ2|の関係となるΔγ1及びΔγ2を予め定め、音場回転量αについては、0<|αMAX|の関係となる最大回転量αMAXを予め定めている。なお、Δγ1は0近傍と見なせる範囲の値に相当し、Δγ2は、通常のステアリング操作で比較的早いと見なせる範囲の値に相当する。また、最大回転量αMAXは、車両毎に構造的に定まる最小旋回半径に応じて定める。そして、偏差Δγの絶対値が0から|Δγ1|の範囲にあるときには、音場回転量αが0を維持する。また、偏差Δγの絶対値が|Δγ1|から|Δγ2|の範囲にあるときには、偏差Δγが速いほど、音場回転量αが0から最大回転量αMAXの範囲で大きくなる。また、偏差Δγの絶対値が|Δγ2|よりも大きいときには、音場回転量αが最大回転量αMAXを維持する。
このマップは、前述した図13のマップをベースにし、偏差Δγの絶対値が増加から減少に転じるときに、ヒステリシスを設けたものである。すなわち、偏差Δγの絶対値を増加させていた状態から減少させると、増加から減少に転じた時点の音場回転量αを維持する。そして、偏差Δγの絶対値の減少量が予め定めたヒステリシス量(例えばΔγ1)を上回ると、音場回転量αが減少する。また、偏差Δγの絶対値が増加から減少に転じ、0まで減少する前に再び増加に転じたときには、減少から増加に転じた時点の音場回転量αを維持する。そして、偏差Δγの絶対値の増加量が予め定めたヒステリシス量(例えばΔγ1)を上回ると、音場回転量αが増加する。
また、偏差Δγの積分により、規範ヨー角φNに対する実ヨー角φRの偏差Δφを演算し、上記の偏差Δγの代わりに、偏差Δφに応じて音場回転量αを設定するようにしてもよい。
また、偏差Δγに対して、車速Vや横加速度Gyに応じたゲインを乗じることにより、偏差Δγを補正してもよい。
上記が音場回転量αの設定である。
音声信号調整指令部44では、各スピーカ23で音声を出力している音場を、座標原点Oを中心とし、操舵方向にαだけ回転させるために、音声信号を調整する駆動指令をアンプ22へ出力する。
上記がブロック図に基づく音響制御処理である。
図15は、第2実施形態における音響制御処理の一例を示すフローチャートである。
先ずステップS201では、操舵角θsを検出する。
続くステップS202では、車速Vを検出する。
続くステップS203では、二輪モデルを用い、操舵角θs及び車速Vに応じて、規範ヨーレートγNを設定する。
続くステップS204では、実ヨーレートγRを検出する。
続くステップS206では、偏差Δγに応じて音場回転量αを設定する。
続くステップS207では、各スピーカ23で音声を出力している音場を、座標原点Oを中心とし、操舵方向にαだけ回転させるために、音声信号を調整する駆動指令を生成する。
続くステップS208では、音声信号を調整する駆動指令をアンプ22に出力してから所定のメインプログラムに復帰する。
上記がフローチャートに基づく音響制御処理である。
次に、第2実施形態の作用について説明する。
本実施形態では、平面視で乗員の周囲を囲むように、複数のスピーカ23を配置しており、これら複数のスピーカ23で、2チャンネル以上の音声をステレオフォニック再生している。そして、車両の旋回挙動を変化させる操舵入力がなされた際に、フィードバック制御として、規範ヨーレートγNに対する実ヨーレートγRの偏差Δγを演算し、この偏差Δγに応じて、実際に車両の旋回挙動が変化する方向(操舵方向)に車室内の音場を回転させる。具体的には、各チャンネルの音量配分を変化させることにより、音場を回転させる。
ステアリング操作を開始し、操舵角θsを0から増加させた際に、これと略同時にヨーレートが発生すれば、応答差Δtは略0の理想挙動(略規範ヨーレートγN)となる。しかしながら、実際の車両挙動は、操舵角θsの増加に対して、幾らかの応答差Δtが生じるものである。そこで、操舵角θsを0から増加させ、規範ヨーレートγNに対して実ヨーレートγRに応答差が生じているときには、音場回転量αを増加させ、操舵入力に応じた旋回挙動の変化を演出することで、旋回挙動の応答性が向上したような感覚を乗員に与えることができる。
また、音場回転量αは、最大回転量αMAXを上限としているので、音場回転量αが不必要に大きくなり過ぎることを抑制できる。また、最大回転量αMAXは、車両毎に固有となる最小旋回半径に応じて定めているので、その車両に合った旋回挙動を演出することができる。
本実施形態において、前述した第1実施形態と共通する他の部分については、同様の作用効果が得られるものとし、詳細な説明は省略する。
本実施形態では、規範ヨーレートγNに対する実ヨーレートγRの偏差Δγに応じて、実際に車両挙動が変化する方向に、車室内の音場を変化させているが、これに限定されるものではなく、例えば第1実施形態と組み合わせて採用してもよい。すなわち、車両挙動を変化させる運転入力がなされたときに、操舵速度dθが速いほど、及び偏差Δγが大きいほど、音場の回転量αを大きくする。例えば、操舵速度dθに応じて設定した回転量αと、偏差Δγに応じて設定した回転量αとの平均値を用いたり、夫々に重み付けしてから加算したりする等して、最終的な回転量αを設定してもよい。
次に、第2実施形態における主要部の効果を記す。
(1)本実施形態の車両用音響制御装置では、平面視で乗員の周囲を囲むように配置された複数のスピーカ23と、複数のスピーカ23を個別に駆動することで車室内の音場を制御するコントローラ21と、を備える。コントローラ21は、車両挙動を変化させる運転入力がなされたときに、その運転入力に応じた規範ヨーレートγNを設定すると共に、実ヨーレートγRを検出し、規範ヨーレートγNに対する実ヨーレートγRの偏差Δγに応じて、実際に車両挙動が変化する方向に、車室内の音場を変化させる。
このように、規範ヨーレートγNと実ヨーレートγRとの偏差Δγに応じて、実際に車両挙動が変化する方向に車室内の音場を変化させることにより、実際に旋回挙動が変化する前に、運転入力に応じた車両挙動の変化を演出することができる。したがって、想定される車両挙動と、車室内における音場の動きとの整合性を向上させることができる。
このように、偏差Δγが大きいほど、音場の回転量αを大きくすることにより、操舵入力に応じた旋回挙動の変化を効果的に演出することができる。
(3)本実施形態の車両用音響制御装置では、音場を回転させる際の最大回転量αMAXは、車両毎に定まる最小旋回半径に応じて決定される。
このように、車両毎に定まる最小旋回半径に応じて、音場の最大回転量αMAXを定めることにより、その車両に合った旋回挙動を演出することができる。
このように、各チャンネルの音量配分を変化させて音場を回転させることにより、音場の制御を容易に行うことができる。
このように、旋回挙動が変化する方向に、仮想壁33を回転させることにより、音場の回転をよりリアルに演出し、臨場感のある音響効果を得ることができる。
このように、実際に車両挙動が変化する前に、規範ヨーレートγNと実ヨーレートγRとの偏差Δγに応じて、車室内の音場を変化させることにより、運転入力に応じた車両挙動の変化を演出するので、想定される車両挙動と、車室内における音場の動きとの整合性を向上させることができる。
ここでは、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく実施形態の改変は、当業者にとって自明のことである。
12 操舵角センサ
13 車輪速センサ
14 6軸モーションセンサ
15 アクセルセンサ
16 マスタバック圧力センサ
17 ナビゲーションシステム
18 サスペンションストロークセンサ
21 コントローラ
22 アンプ
23 スピーカ
31 音場回転量設定部
32 音声信号調整指令部
41 規範ヨーレート設定部
42 偏差演算部
43 音場回転量設定部
44 音声信号調整指令部
Claims (8)
- 乗員の周囲に配置された複数のスピーカと、
前記複数のスピーカを個別に駆動することで車室内の音場を制御する音場制御部と、
操舵操作を検出する操舵操作検出部と、
前記操舵操作に基づき旋回挙動を推定する旋回挙動推定部と、
車両の旋回走行時の実旋回挙動を検出する実旋回挙動検出部と、を備え、
前記音場制御部は、
前記操舵操作検出部にて操舵操作を検出すると、前記旋回挙動推定部にて推定した推定旋回挙動と、前記実旋回挙動検出部にて検出した実旋回挙動との偏差に応じて、実旋回挙動の変化方向に車室内の音場を変化させることを特徴とする車両用音響制御装置。 - 前記音場制御部は、
前記偏差が大きいほど、音場の変化量を大きくすることを特徴とする請求項1に記載の車両用音響制御装置。 - 乗員の周囲に配置された複数のスピーカと、
前記複数のスピーカを個別に駆動することで車室内の音場を制御する音場制御部と、
操舵操作を検出する操舵操作検出部と、を備え、
前記音場制御部は、
前記操舵操作検出部にて操舵操作を検出すると、実際に車両の旋回挙動が変化する前に、前記操舵操作に応じて、実旋回挙動の変化方向に車室内の音場を変化させ、実際の旋回挙動が追いつく頃には音場の変化を終了させることを特徴とする車両用音響制御装置。 - 前記音場制御部は、
前記操舵操作が速いほど、音場の変化量を大きくすることを特徴とする請求項3に記載の車両用音響制御装置。 - 前記音場制御部が音場を変化させる際の最大変化量は、
車両毎に定まる最小旋回半径に応じて決定されることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の車両用音響制御装置。 - 前記音場制御部は、
2チャンネル以上の音声を再生するステレオフォニック再生が可能な音声信号によって前記複数のスピーカを駆動し、各チャンネルの音量配分を変化させることにより、音場を変化させることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の車両用音響制御装置。 - 前記音場制御部は、
前記複数のスピーカで一次音声を出力すると共に、平面視で車両の周囲を囲む仮想壁があると仮定し、前記一次音声の前記仮想壁からの反響音を想定して生成し、前記反響音を前記複数のスピーカで二次音声として出力するものであり、
実旋回挙動の変化方向に前記仮想壁を変化させることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の車両用音響制御装置。 - 乗員の周囲に配置した複数のスピーカを個別に駆動することで車室内の音場を制御するものであり、
操舵操作を検出し、前記操舵操作に基づき推定旋回挙動を推定し、車両の旋回走行時の実旋回挙動を検出し、前記操舵操作を検出すると、前記推定旋回挙動と前記実旋回挙動との偏差に応じて、実旋回挙動の変化方向に車室内の音場を変化させることを特徴とする車両用音響制御方法。
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