JP6311737B2 - 車両用効果音発生装置 - Google Patents

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本発明は、車両用効果音発生装置に関し、特に車両の挙動遅れに基づき効果音の出力特性を制御する車両用効果音発生装置に関する。
近年、車体構造及び制御の両面から車室内の静粛化が飛躍的に推進されている。その結果、エンジン音による走行臨場感を適切に得ることができないという事態が発生している。
そこで、運転者による運転操作量を検出し、運転操作量に応じたエンジンの効果音を車室内スピーカを通して車室内に発生させる効果音発生装置(Active Engine Soundともいう)が提案されている。
特許文献1の効果音発生装置は、エンジンの気筒数及びエンジン回転数に対応した基本周波数を設定する基本周波数設定手段と、基本周波数の複数の高調波を决定する高調波决定手段と、エンジンの高調波強調ゲインを決定するゲイン決定手段とを備え、ゲイン決定手段がエンジン負荷を決定する回路を含み、エンジン負荷決定回路が、アクセルペダル位置決定回路、吸入空気量決定回路、負圧決定回路、エンジントルク決定回路の少なくとも1つを含むと共に高調波強調ゲインに基づいて高調波強調レベルを調節する構成を開示している。
これにより、運転者を含む乗員に刺激的なレベルのエンジン音を体験させている。
また、特許文献2の車両制御装置は、加速時に操作される操作手段の操作量を検出する操作量検出手段と、操作手段の定常状態から過渡操作量を演算する過渡操作量演算手段と、操作手段の操作速度を演算する速度演算手段と、受けた刺激を人間が知覚できる時間毎に弁別閾値を超えた増加分で増加する目標加速度及び目標音圧の少なくとも一方を演算する目標演算手段とを備え、目標加速度及び目標音圧の少なくとも一方に基づいて、トルク発生装置及び車載音響装置の少なくとも一方を制御する構成を開示している。
これにより、運転者に心地良い加速性能や加速感を得ている。
通常、人が認識している音は、空気圧力の変動(音波)によって引き起こされる聴覚的現象であり、その性質は主に音量、音程、音色の3つに大きく分類される。
ここで、音量は音圧レベル、音程は周波数、音色は音質に夫々対応している。
基本周波数成分からなる基本波音とこの基本波音に対して2次以上の整数次周波数成分からなる整数次成分波音とが同時に発生された場合、整数次周波数成分の整数次調整波音(成分波音)が基本波音の倍音系列であるため、両方の音間にうなり(干渉)を生じることなく、音が互いに溶け合った協和音が形成されている。
これに対し、基本波音とこの基本波音に対して2次以上の整数次周波数成分以外の周波数成分からなる成分波音とが同時に発生された場合、基本波音に合成される調整波音が基本波音の倍音系列ではないため、両方の音間に干渉を生じることから、濁った不協和音が形成される。
特表2014−507679号 特開2008−025492号
特許文献1の効果音発生装置では、周波数成分波音毎に強調するためのゲインを設定することにより、実車走行時のエンジン音による迫力や車種によって異なるエンジン音の特徴を人為的に再現している。
また、特許文献2の車両制御装置では、エンジン音の高周波数成分波音の目標音圧レベルを設定することにより、車両の加速の伸びに対応した効果音を生成している。
しかし、特許文献1,2の効果音発生装置では、何れも単にアクセルペダルの操作量のみをパラメータとして高調波強調ゲインや目標音圧レベルを決定していることから、車両の挙動と効果音とが整合しない場合には、効果音が運転者の意思にそぐわず、運転者が違和感を覚える虞がある。
例えば、運転者の他に複数の搭乗者が乗車した場合や多量の荷物を搭載した場合には、車両の総重量が増加しているため、運転者が旋回するために舵角操作しても、運転者が単独乗車したときに比べて車両による旋回動作が遅れることから、舵角操作に対してヨーレートの応答遅れが発生する。
即ち、運転者による舵角操作に対して車両の挙動が遅れている状況であるにも拘らず、効果音発生装置が運転者による操作量に対応した効果音を運転者による操作に同期して発生するため、運転者は車両の挙動と効果音との不整合によって効果音に対する違和感を覚える。
本発明の目的は、車両の挙動を聴覚的に先行演出することにより、挙動遅れ状況にも拘らず乗員の操作違和感を解消可能な車両用効果音発生装置等を提供することである。
請求項1の発明は、基本周波数成分からなる基本波音と基本周波数成分以外の周波数成分からなる複数の調整波音を含む振動音データベースに基づいてエンジンの効果音を生成する車両用効果音発生装置において、車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、半次周波数成分又は整数次周波数成分からなる1又は複数の調整波音を選択する調整波音選択手段と、前記基本波音と前記調整波音選択手段により選択された前記調整波音とを合成する効果音生成手段と、乗員による操作量に対して車両の挙動が遅れる状況を予測可能な挙動遅れ予測手段とを備え、前記調整波音選択手段は、前記挙動遅れ予測手段が乗員による操作量に対して車両の挙動が遅れる状況を予測したとき、前記選択された調整波音の出力特性を増加させることを特徴としている。
この車両用効果音発生装置では、車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、半次周波数成分又は整数次周波数成分からなる1又は複数の調整波音を選択する調整波音選択手段と、前記基本波音と前記調整波音選択手段により選択された前記調整波音とを合成する効果音生成手段とを備えるため、実際の車両の走行挙動に基づき乗員に不快感を与えないハーモニック音又はランブル音によって効果音を生成することができる。
乗員による操作量に対して車両の挙動が遅れる状況を予測可能な挙動遅れ予測手段を備えるため、乗員による操作量に対して車両の挙動が遅延する挙動遅れの発生を判定することができる。調整波音選択手段は、前記挙動遅れ予測手段が乗員による操作量に対して車両の挙動が遅れる状況を予測したとき、前記選択された調整波音の出力特性を増加させるため、車両の挙動を聴覚的に先行演出することができ、その結果、乗員が操作量と車両の挙動とを感覚的に整合して認識することが可能になり、操作違和感の発生を回避することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記出力特性が、調整波音のゲインであることを特徴としている。
この構成によれば、簡単な構成で車両の挙動と効果音とを感覚的に整合させることができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記乗員による操作量に対して車両の挙動が遅れる状況は、車重増加状態であることを特徴としている。
この構成によれば、車重増加状態のとき、操作違和感の発生を確実に回避することができる。
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記走行状態検出手段により検出された走行状態に基づいて車両の車幅方向の移動と旋回方向の移動の少なくとも1つに関連する物理量をパラメータとする横入力量を設定する横入力量設定手段を有し、前記効果音生成手段は、前記横入力量に基づき前記基本波音と前記調整波音とを合成することを特徴としている。
この構成によれば、操作違和感の発生を回避しつつ、実際の車両の旋回挙動を反映した横入力量を設定することができ、実際の車両の旋回挙動に適合した効果音を生成することができる。
本発明の車両用効果音発生装置によれば、車両の挙動を聴覚的に先行演出することにより、挙動遅れ状況にも拘らず乗員の操作違和感を解消することができる。
実施例1に係る車両用効果音発生装置を搭載した車両の概略構成図である。 車両用効果音発生装置のブロック図である。 振動音マップである。 横加速度に対応して設定された各調整波音のゲインマップであり、(a)は標準ゲインマップ、(b)は減少ゲインマップ、(c)は増加ゲインマップである。 効果音発生処理のフローチャートである。 横入力量設定処理のフローチャートである。 マップ選択処理のフローチャートである。 危険度判定処理のフローチャートである。 不協和音生成処理のフローチャートである。 ハーモニック音生成処理のフローチャートである。 ランブル音生成処理のフローチャートである。 重み付け設定処理のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下の説明は、本発明を車両Vに適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。
以下、本発明の実施例1について図1〜図12に基づいて説明する。
効果音発生装置1は、車両Vの走行状態に応じてエンジンの効果音(ハーモニック音、ランブル音、不協和音)を選択的に発生し、このエンジンの効果音の音程を走行状態に応じて使い分けることにより、運転者(乗員)に聴覚を介して現在及び将来に亙った走行情報を提供し、運転時の聴覚的演出効果を高めている。
この効果音発生装置1による効果音演出機能は、臨場感高揚機能、注意喚起機能、及び操作違和感解消機能等から構成されている。
ここで、ハーモニック音は、基本周波数成分からなる基本波音とこの基本波音の整数次周波数成分からなる整数次調整波音とを合成した効果音、ランブル音は、基本周波数成分からなる基本波音とこの基本波音の半次周波数成分からなる半次調整波音とを合成した効果音、不協和音は、基本周波数成分からなる基本波音とこの基本波音の整数次周波数成分及び半次周波数成分以外の不協和周波数成分からなる不協和調整波音とを合成した効果音と定義する。また、以下、1次周波数成分を基本周波数成分とし、1次周波数成分からなる1次成分波音を基本波音として説明する。
図1,図2に示すように、効果音発生装置1は、ECU(Electric Control Unit)2と、オーディオシステムの一部を構成する左右1対のスピーカ3,4と、アクセルセンサ5と、ヨーレートセンサ6と、舵角センサ7と、横加速度センサ(以下、横Gセンサと略す)8と、車輪速センサ9と、勾配センサ10と、重量センサ11と、ナビゲーション装置12と、旋回制御装置(以下、DSC装置と略す)13と、運転支援装置14と、モード切替スイッチ15等を備えている。
1対のスピーカ3,4、各センサ5〜11及びモード切替スイッチ15は、ECU2に対して電気的に出力可能に接続され、各装置12〜14は、ECU2に対して電気的に入出力可能に接続されている。そして、これら各センサ5〜11及び各装置12〜14の少なくとも1つが、直接的又は間接的に車両Vの走行環境情報を含んだ車両Vの走行状態を検出する走行状態検出手段に相当している。
まず、1対のスピーカ3,4及び各種センサ5〜11について説明する。
1対のスピーカ3,4は、前席に着座した運転者の左前方位置及び右前方位置に夫々対応するように左右1対のフロントピラーの下端側部分に夫々配設されている。
これらスピーカ3,4は、ECU2から入力される作動信号によって、発生する音(効果音)の各周波数ゲイン及び音圧レベルを独立して変更可能に構成されている。
それ故、スピーカ3から発生する効果音の音圧レベルがスピーカ4から発生する効果音の音圧レベルよりも大きく設定されたとき、運転者の視線がスピーカ3の方向に誘導され、運転者に左側ドアミラーを含む左側前方視野を認識させることができる。
また、スピーカ4から発生する効果音の音圧レベルがスピーカ3から発生する効果音の音圧レベルよりも大きく設定されたとき、運転者の視線がスピーカ4の方向に誘導され、運転者に右側ドアミラーを含む右側前方視野を認識させることができる。
アクセルセンサ5は、アクセルペダル(図示略)の踏み込み量を検出して検出信号を出力し、ヨーレートセンサ6は、車両Vのヨーレートyに対応した信号を出力している。
舵角センサ7は、運転者によるステアリングホイールの操舵角度θに関連する信号を出力し、横Gセンサ8は、車両Vに作用する現在の横加速度Aに関連する信号を出力している。車輪速センサ9は、車速vを検出するために車輪(図示略)の回転速度に応じた信号を出力し、勾配センサ10は、車両Vが現在走行或いは停車している走行車線(路面)の傾斜角度に応じた信号を出力している。重量センサ11は、車両Vのトランク内に積載された荷物等の重量に関連する信号を出力している。
次に、各装置12〜14について説明する。
図1,図2に示すように、ナビゲーション装置12は、インスツルメントパネルの上部中央に配設され、車両Vの位置検出器、地図データ入力器、音声出力用スピーカ、及びモニタ等を備えている(何れも図示略)。このナビゲーション装置12は、車両Vの現在の走行位置を検出するためのGPS受信部(図示略)が電気的に接続されている。
このGPS受信部は、複数のGPS衛星からの信号を受信することで車両Vの現在位置を検出している。
また、ナビゲーション装置12は、道路地図データを記憶した地図データベースと交通規則データを記憶した交通規則データベース(何れも図示略)等を備えている。
これにより、ナビゲーション装置12は、GPS受信部によって、車両Vの現在位置データ、地図データベースの道路地図データ及び交通規則データベースの交通規則データを利用して運転者に目的地までの経路案内を行う。このナビゲーション装置12は、車両Vの現在位置データ、道路地図データ、及び交通規則データをECU2に出力している。
ナビゲーション装置12は、地図データベースから車両Vの進行方向前方の走行車線におけるカーブの存在位置及びカーブの旋回半径を含む曲率情報を取得するための旋回情報取得手段に相当している。
DSC装置13は、各センサからの入力信号を受けて、車両Vにおける旋回時の走行安定性を向上するためにDSC制御を実行している。
具体的には、DSC装置13は、ヨーレートセンサ6と、横Gセンサ8と、車輪速センサ9の検出信号に基づき車両Vの旋回姿勢が所定値以上に崩れたと判定されたとき、ブレーキ液圧の加圧ユニット(図示略)の作動により各車輪の制動力を制御し、車体にヨーモーメントを作用させて車両Vの旋回姿勢を目標方向に収束させている。
また、DSC装置13は、各センサからの入力信号を受けて、各車輪のホイールロックを防止するためにABS制御を実行している。
具体的には、DSC装置13は、車輪速センサ9の検出信号に基づき各車輪のスリップ率を算出し、算出したスリップ率が所定の閾値を超えた車輪を検出したとき、加圧ユニットを制御して該当する車輪に作用する制動力を低下させてホイールロックを防止している。
このDSC装置13は、各車輪のスリップ率に加えて、横Gセンサ8の検出信号及び車輪速センサ9の検出信号に基づき路面摩擦係数μ(以下、路面μと略す)を演算し、演算した路面μをECU2に出力している。
運転支援装置14は、車両Vの前方及び後方における車間距離報知機能と、運転者の感情改善機能等を備えている。
車間距離報知機能とは、走行中、車両Vの前方及び後方において所定距離離隔した領域内に他車両(先行車両又は後続車両)や障害物が存在しているとき、スピーカ3,4を介した警報やワーニングランプ(図示略)を点灯させることによって運転者に衝突の危険性を認識させ、回避動作を行うように誘導することにより衝突回避を図る機能である。
感情改善機能とは、運転者の表情や動作に基づき、走行中における運転者の喜怒哀楽に関する感情を推定し、照明や音楽によって運転者の感情を改善方向(不快又は不活性状態から快又は活性状態)に誘導する機能である。
図1に示すように、この運転支援装置14は、静止画又は動画を撮像可能なCCD(Charge Coupled Device)カメラ16〜18を有している。
前方カメラ16は、ルーフパネル前端側下面のバックミラー(図示略)近傍位置に装着され、フロントウインドガラスを介して進行方向前方の走行車線の白線位置、先行車両、及び進行方向前方のカーブの進入・脱出位置等を撮像可能に構成されている。
後方カメラ17は、ルーフパネル後端側下面に装着され、リヤウインドガラスを介して後続車両等を撮像可能に構成されている。これらカメラ16,17は、2台のカメラのレンズ機構とシャッタ機構とを1台にしたステレオタイプカメラであり、単体で撮像対象物までの離隔距離及び車両Vから撮像対象物までの方向を夫々検出可能に構成されている。
室内カメラ18は、例えばインスツルメントパネルの上部に装着され、運転者の顔を含む上半身を撮像する。撮像された上半身の画像は、顔部分の画像を切り出して表情の特定、目のアイリス(虹彩)を拡大検出して瞳孔寸法と視線方向の特定、画像の重心位置と運転者の上半身の形状に基づいて姿勢の特定等に用いられている。快・不快の横軸と、活性・不活性の縦軸とからなる2軸平面(例えば、ラッセルの感情円環モデル)と室内カメラ18によって撮像された運転者の表情等の特徴量とを用いて運転者の感情を推定している。
また、この室内カメラ18は、運転者以外の乗員(搭乗者)を含む室内画像を広角に撮像可能であり、この撮像画像により車両Vに乗車している乗員数を検出している。
モード切替スイッチ15は、効果音発生装置1の起動(作動開始)及び効果音の種類(モード)を選択可能なモーメンタリ式切替スイッチによって構成されている。
モード切替スイッチ15は、所定のオン操作によってハーモニック音を主体としたエンジンの効果音を生成する第1モードと、所定のオン操作によってランブル音を主体としたエンジンの効果音を生成する第2モードとを切替可能に形成されている。
基本波音と整数次周波数成分からなる整数次調整波音は、成分音の周波数が全て一致し、うなり(干渉)を発生しないため、基本波音と1又は複数の整数次調整波音とを合成したハーモニック音は、伸びがあり、運転者に対して心地良い印象を与える協和音を形成する。
偶数次倍音が基本波音の倍音系列である半次周波数成分からなる半次調整波音は、基本波音との間に一部干渉が生じるものの、運転者(乗員)の感覚的には僅かであるため、基本波音と1又は複数の半次調整波音とを合成したランブル音は、力強さがあり、運転者等乗員にパワー感を知覚させる準協和音を形成する。
また、モード切替スイッチ15がオン操作状態において第1,第2モードのうち何れかのモードが選択されている場合、後述する危険度判定部25によって判定された危険度Bが危険度判定用閾値r1以上であることを条件として、不協和音を主体としたエンジンの効果音を生成する第3モードが実行されるように構成されている。
第3モードにおいて生成される効果音は、基本周波数成分からなる基本波音とこの基本波音の整数次周波数成分及び半次周波数成分以外の不協和周波数成分からなる1又は複数の不協和調整波音とを合成した効果音であるため、成分音間でうなりを生じ、運転者等乗員に対して緊張感や警戒感を伴った不快な印象を与える不協和音である。
次に、ECU2について説明する。
ECU2は、基本波音と選択された1又は複数の調整波音とを合成してエンジンの効果音を人工的に生成することにより、運転者の操作感を向上するように構成されている。
このECU2は、CPU(Central Processing Unit)と、ROMと、RAMと、アンプと、イン側インタフェースと、アウト側インタフェース等によって形成されている。
ROMには、エンジンの各効果音を生成するための種々のプログラムやデータが格納され、RAMには、CPUが一連の処理を行う際に使用される処理領域が設けられている。
イン側インタフェースは、各センサ5〜11,各装置12〜14及びモード切替スイッチ15と電気的に接続され、アウト側インタフェースは、アンプを介して1対のスピーカ3,4及び各装置12〜14と電気的に接続されている。
ECU2は、車両Vに搭載された4気筒ガソリンエンジンからの発生音に適合するように予め設定された複数の音源を記憶した振動音マップM1(振動音データベース)を格納している。
図3に示すように、振動音マップM1は、エンジン回転数毎に、基本周波数成分の1次成分波音(基本波音)から基本周波数成分の10倍の周波数成分を備えた10次成分波音まで単位周波数(例えば、0.01次周波数)毎の音源を記憶している。
それ故、振動音マップM1内には、エンジン回転数毎に、基本波音、基本周波数成分の整数倍の周波数成分を備えた整数次成分波音(整数次調整波音)、偶数次倍音が基本波音の倍音系列である半次成分波音(半次調整波音)、及び基本波音と倍音関係が成立しない不協和成分波音(不協和調整波音)が夫々存在している。
図2に示すように、ECU2は、横入力量設定部21(横入力量設定手段)と、調整波音選択部22(調整波音選択手段)と、挙動遅れ予測部23(挙動遅れ予測手段)と、阻害状況判定部24(阻害状況判定手段)と、危険度判定部25(危険度判定手段)と、横G演算部26(横加速度演算手段)と、効果音生成部27(効果音生成手段)と、視線誘導方向設定部28(視線誘導方向設定手段)等を備えている。
横入力量設定部21は、走行状態検出手段(各センサ5〜11及び各装置12〜14の少なくとも1つ)により検出された車両Vの走行状態に基づいて車両Vの車幅方向の移動と旋回方向の移動の少なくとも1つに関連する物理量をパラメータとする横入力量Pを設定可能に構成されている。
ヨーレートの検出値をy、横加速度の検出値をAとしたとき、車両Vの車速vが判定用閾値t2以上の場合、横入力量Pを次式(1)によって演算している。
P=y/A …(1)
これにより、車両Vの横滑り傾向とスリップ傾向とを反映した横入力量Pが取得される。
横入力量設定部21は、車両Vの車速vが判定用閾値t2未満の場合、横入力量Pを横加速度Aに設定している。交差点における右左折時のように車速vが低いとき、車両Vには横滑りやスリップが生じ難いため、車両Vによる実際の旋回状態を最も反映した横加速度Aを横入力量Pとして用いている。
尚、横入力量Pは、少なくとも、横方向に対する車両状態を反映できれば良く、上記低車速時の横入力量Pのように、ステアリングホイールの操舵角度θ、ヨーレートy、横加速度Aのうち何れか1つの検出値を車速vに拘らず横入力量Pとして使用しても良く、また、2つ以上の検出値を組み合わせたパラメータを車速vに拘らず横入力量Pとして採用することも可能である。
次に、調整波音選択部22について説明する。
調整波音選択部22は、振動音マップM1に記憶されている複数の成分波音から基本波音N0に合成する1又は複数の調整波音を選択可能に構成されている。
この調整波音選択部22は、第1〜第3調整波音N1〜N3を選択し、走行状態に基づいて選択されたゲインマップM2〜M4を用いて第1〜第3調整波音N1〜N3を夫々補正する第1〜第3ゲインg1〜g3(0<g1<g2<g3)を決定している。
これら第1〜第3ゲインg1〜g3が、第1〜第3調整波音N1〜N3の出力特性に夫々相当している。
ここで、ゲインマップM2〜M4について説明する。
図4(a)〜図4(c)に示すように、ECU2には、標準ゲインマップM2と、減少ゲインマップM3と、増加ゲインマップM4とが予め記憶されている。
効果音の出力特性の1つである第1〜第3調整波音N1〜N3のゲインα2〜α4,β2〜β4,γ2〜γ4は、横加速度Aが零のとき、ゲイン値が零に規定され、横加速度Aの絶対値が増加する程ゲイン値が一次関数状に増加するように左右対称に設定されている。
そして、各ゲインα2〜α4,β2〜β4,γ2〜γ4は、ゲイン値が所定の中段地点からそれ以前の増加率よりも大きな増加率で増加し、上限値において一定値に収束している。
ゲインマップM2〜M4内では、次式(2)が成立するようにゲイン値が夫々規定されている。
γ2<β2<α2
γ3<β3<α3
γ4<β4<α4 …(2)
また、ゲインマップM2〜M4間では、次式(3)が成立するようにゲイン値が夫々規定されている。
α3<α2<α4
β3<β2<β4
γ3<γ2<γ4 …(3)
調整波音選択部22によるゲインマップM2〜M4の選択は、挙動遅れ予測部23の予測結果及び阻害状況判定部24の判定結果を判定条件として行われている。
挙動遅れ予測部23は、乗員数及び積載物の重量が多い状況、所謂車両Vの総重量が判定用閾値t3以上の場合、車両Vの挙動遅れ状況を予測するように構成されている。
この挙動遅れ予測部23が車両Vの挙動遅れ状況を予測判定したとき、調整波音選択部22は、応答性が高い増加ゲインマップM4を選択している。
車体重量が判定用閾値t3以上の場合、運転者による舵角操作(操作量)に対して車両Vの挙動が遅れるため、車両Vによる将来の挙動を予測して車両Vの現在の挙動に先行して効果音を増加補正し、聴覚的に車両Vの挙動遅れを補正することにより運転者の操作違和感を解消するためである。
阻害状況判定部24は、運転者による操作量と車両Vの挙動との対応が阻害される状況、所謂路面μが判定用閾値t4以下又は登坂勾配が判定用閾値t5以上の場合、車両Vの挙動阻害状況を判定するように構成されている。この阻害状況判定部24が車両Vの挙動阻害状況を判定したとき、調整波音選択部22は、応答性が低い減少ゲインマップM3を選択している。
DSC装置13から入力された路面μが判定用閾値t4以下又は勾配センサ10から入力された登坂勾配が判定用閾値t5以上の場合、運転者の舵角操作に対して車両Vの実際の挙動が追従し難いため、効果音を減少補正し、聴覚的に車両Vの追従性低下に合わせて効果音を補正することにより運転者の操作違和感を解消するためである。
そして、車両Vの挙動遅れ及び追従性低下の何れの状況も発生する可能性が低い場合には、応答性が標準値である標準ゲインマップM2が選択される。
また、調整波音選択部22の説明に戻る。
第1モードが選択されているとき、調整波音選択部22は、横入力量Pに基づき整数次周波数成分からなる第1〜第3調整波音N1〜N3を選択するように構成されている。
具体的には、横入力量Pが判定用閾値p2(0<p1<p2)以下のとき、基本周波数成分に最も近接した整数次周波数成分である2次成分波音を第1調整波音N1に割付け、横入力量Pが判定用閾値p2よりも大きく且つ判定用閾値p3(p2<p3)以下のとき、既に選択された第1調整波音N1に加えて、2次成分波音の次に近接した整数次周波数成分である3次成分波音を第2調整波音N2に割付け、横入力量Pが判定用閾値p3よりも大きいとき、既に選択された第1,第2調整波音N1,N2に加えて、3次成分波音の次に近接した整数次周波数成分である4次成分波音を第3調整波音N3に割付けている。
整数次周波数成分からなる調整波音は、基本周波数成分に近接する程協和レベルを高くできるためである。
この調整波音選択部22は、選択された何れかのゲインマップM2〜M4から横入力量Pに基づいて第1調整波音N1を補正するゲインg1(α2〜α4)と、第2調整波音N2を補正するゲインg2(β2〜β4)と、第3調整波音N3を補正するゲインg3(γ2〜γ4)とを抽出している。以上により、調整波音選択部22は、第1モードが選択されているとき、横入力量Pが大きい程第1〜第3調整波音N1〜N3の数を増加すると共に選択された各第1〜第3調整波音N1〜N3の第1〜第3ゲインg1〜g3を夫々増加している。
第2モードが選択されているとき、調整波音選択部22は、横入力量Pに基づき半次周波数成分からなる第1〜第3調整波音N1〜N3を選択するように構成されている。
具体的には、横入力量Pが判定用閾値p2以下のとき、基本周波数成分に最も近接した半次周波数成分である1.5次成分波音を第1調整波音N1に割付け、横入力量Pが判定用閾値p2よりも大きく且つ判定用閾値p3以下のとき、既に選択された第1調整波音N1に加えて、1.5次成分波音の次に近接した半次周波数成分である2.5次成分波音を第2調整波音N2に割付け、横入力量Pが判定用閾値p3よりも大きいとき、既に選択された第1,第2調整波音N1,N2に加えて、2.5次成分波音の次に近接した半次周波数成分である3.5次成分波音を第3調整波音N3に割付けている。
半次周波数成分からなる調整波音は、基本周波数成分に近接する程協和レベル(準協和レベル)を高くできるためである。
この調整波音選択部22は、第1モードの場合と同様に、選択された何れかのゲインマップM2〜M4から横入力量Pに基づいて第1調整波音N1を補正するゲインg1と、第2調整波音N2を補正するゲインg2と、第3調整波音N3を補正するゲインg3とを抽出している。以上により、調整波音選択部22は、第2モードが選択されているとき、横入力量Pが大きい程第1〜第3調整波音N1〜N3の数を増加すると共に選択された各第1〜第3調整波音N1〜N3の第1〜第3ゲインg1〜g3を夫々増加している。
危険度判定部25の判定によって第3モードが選択されているとき、調整波音選択部22は、危険度Bに基づき不協和周波数成分からなる第1〜第3調整波音N1〜N3を選択するように構成されている。
危険度判定部25は、現在の走行状態に基づいて車両Vの危険度Bを判定している。
この危険度判定部25は、運転者の操舵操作による舵角速度Δθと、横入力量Pと、先行車両又は後続車両のうち最も近い車両との車間距離Lとによって各々の判定量a〜cを演算し、これらの判定量a〜cに基づいて危険度Bを演算している。
舵角速度判定量aは、舵角速度Δθが判定用閾値t6以上のとき、次式(4)によって演算され、それ以外のときには、零である。尚、k1〜k3(0<k1,k2,k3)は、補正係数である。
a=k1×Δθ …(4)
横入力量判定量bは、横入力量Pが判定用閾値t7以下のとき、次式(5)によって演算され、それ以外のときには、零である。
b=k2×P …(5)
車間距離判定量cは、車間距離Lが判定用閾値t8以下のとき、次式(6)によって演算され、それ以外のときには、零である。
c=k3×L …(6)
危険度Bは、次式(7)によって演算される。
B=a+b+c …(7)
これにより、何れの判定量も平均的に高いときに加え、特定の判定量に限って高いときにも、危険度Bを正確に判定している。
調整波音選択部22は、第1,第2モードのうち何れかのモードが選択された状態において、危険度判定部25によって判定された危険度Bが判定用閾値r1(0<r1)以上のとき、第3モードが選択されていると判定し、危険度Bに基づき第1〜第3調整波音N1〜N3を選択する。
具体的には、危険度Bが判定用閾値r2(r1<r2)以下のとき、基本周波数成分から最も離隔すると共に整数次周波数成分(10次周波数成分)と半次周波数成分(9.5次周波数成分)の何れからも最も離隔した不協和周波数成分である9.75次成分波音を第1調整波音N1に割付け、危険度Bが判定用閾値r2よりも大きく且つ判定用閾値r3(r2<r3)以下のとき、既に選択された第1調整波音N1に加えて、9.75次成分波音の次に整数次周波数成分(9次周波数成分)と半次周波数成分(9.5次周波数成分)の何れからも離隔した不協和周波数成分である9.25次成分波音を第2調整波音N2に割付け、危険度Bが判定用閾値r3よりも大きいとき、既に選択された第1,第2調整波音N1,N2に加えて、9.25次成分波音の次に整数次周波数成分(9次周波数成分)と半次周波数成分(8.5次周波数成分)の何れからも離隔した不協和周波数成分である8.75次成分波音を第3調整波音N3に割付けている。不協和周波数成分からなる調整波音は、基本周波数成分から離隔する程、また、整数次周波数成分と半次周波数成分から離隔する程干渉が増加し、不協和レベルを高くできるためである。
この調整波音選択部22は、第1,第2モードの場合と同様に、選択された何れかのゲインマップM2〜M4から横入力量Pに基づいて第1調整波音N1を補正するゲインg1と、第2調整波音N2を補正するゲインg2と、第3調整波音N3を補正するゲインg3とを抽出し、第1〜第3調整波音N1〜N3を補正している。
以上により、調整波音選択部22は、第3モードが選択されているとき、危険度Bが大きい程選択される第1〜第3調整波音N1〜N3の数を増加すると共に選択された各第1〜第3調整波音N1〜N3の第1〜第3ゲインg1〜g3を夫々増加している。
調整波音選択部22は、横G演算部25によって演算された予測横加速度A1が判定用閾値t1以上のとき、第1〜第3調整波音N1〜N3を選択し、走行状態に基づいて選択されたゲインマップM2〜M4を用いて第1〜第3調整波音N1〜N3を夫々補正する第1〜第3ゲインg1〜g3を決定している。
横G演算部26は、ナビゲーション装置12の地図データベースから入力した旋回半径を含む地図情報に基づき車両Vの進行方向前方にカーブが存在するか否かを判定し、カーブが存在する場合、車両Vがそのカーブを旋回するとき、車両Vに作用する予測横加速度A1を先行的に演算するように構成されている。
この予測横加速度A1の演算は、車両Vが走行している現在位置から予め設定された設定距離、又は車両Vが予め設定された時間内に到達すると予測された領域内にカーブが存在することを条件として実行されている。
車輪の転舵角度θtは、カーブの旋回半径に対応した車両Vの予測操舵角度をθp、車両Vのギヤレシオをgrとしたとき、次式(8)によって演算することができる。
θt=θp/gr …(8)
また、車両Vの前輪位置回転半径Rは、車両VのホイールベースをWとしたとき、次式(9)によって演算することができる。
R=W/sinθt …(9)
予測横加速度A1は、車速をvとしたとき、次式(10)によって表すことができるため、式(9)で演算された前輪位置回転半径Rを式(10)に代入することにより近い将来走行するカーブ旋回時において車両Vに作用する予測横加速度A1を求めることができる。
A1=v/R …(10)
次に、効果音生成部27について説明する。
効果音生成部27は、次式(11)に示すように、モード毎に抽出された第1〜第3ゲインg1〜g3によって第1〜第3調整波音N1〜N3を夫々補正し、基本波音N0と選択後補正された第1〜第3調整波音N1〜N3とを合成して効果音Sを生成するように構成されている。
g1×N1
g2×N2
g3×N3 …(11)
また、この効果音生成部27は、横入力量Pが大きい程、危険度Bが大きい程、また予測横加速度A1が大きい程効果音Sの音圧レベルを増加している。
これにより、車両Vの走行に影響を与える、横入力量P、危険度B、及び予測横加速度A1の程度を運転者に対して聴覚的に認識させている。
効果音生成部27は、1対のスピーカ3,4の音圧レベル補正係数Gl,Grを設定し、効果音の音圧レベルを夫々独立して変更可能に構成されている。
この効果音生成部27は、視線誘導方向設定部28によって設定された視線誘導方向側スピーカ3(4)の音圧レベルを増加し、視線誘導方向θdに対して反対側スピーカ4(3)の音圧レベルを減少している。
運転者の視線を誘導する場合、音圧レベル補正係数Gl,Grを補正係数k4,k5に夫々設定することによって、音圧レベル補正係数Gl,Grの強度比を変更し、運転者の正面方向に対して左右方向における音像の定位方向(位置)を変更し、運転者の注意力(意識)を音像の定位方向に指向させている。
尚、補正係数k4,k5は、視線誘導方向θdに基づいて設定される補間係数として求められる。
視線誘導方向設定部28は、ナビゲーション装置12や運転支援装置14等からの各種情報に基づき視線誘導要請の有無を判定し、視認誘導要請が存在するとき、運転者の正面方向に対して視線を向けるべき視線誘導方向θdを設定可能に形成されている。
運転者が視線を向けるべき対象は、運転者が視認しない場合、安全性又は操安性上、車両Vの走行に影響を与える可能性がある対象であり、視線誘導方向θdは、運転者を基準として運転者が視線を向けるべき対象を視認することが可能な方向と定義される。
具体的には、後続車両が車両Vを追い越しする(又は右側車線を走行中の車両が急接近した)状況では、後続車両が車両Vの右側を通過するため、車両Vが右側車線に車線変更する場合、車両同士が接触する虞がある。そこで、運転支援装置14が後続車両(又は右側車線を走行中の車両)による急接近を検出した場合、視線誘導方向設定部28は、視線誘導要請有りを判定し、運転者の視線を右側ドアミラーに誘導するため、右側前方に対応した視線誘導方向θdを設定し、この視線誘導方向θdにスピーカ3,4による効果音の音像(仮想音源)を定位させる。
また、カーブを走行している状況では、カーブの脱出位置(又はクリッピングポイント)に視線を固定していない場合、運転操作を誤る虞がある。そこで、運転支援装置14(ナビゲーション装置12)によって走行中のカーブ脱出位置を検出した場合、視線誘導方向設定部28は、視線誘導要請有りを判定し、カーブの脱出位置に対応した視線誘導方向θdを設定し、この視線誘導方向θdに対応するようにスピーカ3,4による効果音の音像を定位させる。
高速道路走行中において運転者が疲労している状況では、運転操作を誤る虞がある。そこで、運転支援装置14が運転者の疲労(例えば、不快且つ不活性)状態を検出した場合、視線誘導方向設定部28は、視線誘導要請有りを判定し、ナビゲーション装置12の地図情報に基づいて、パーキングエリア(又は頭上標識)位置に対応した視線誘導方向θdを設定し、この視線誘導方向θdにスピーカ3,4による効果音の音像を定位させる。
次に、図5〜図12のフローチャートに基づき、効果音発生処理手順について説明する。尚、図5〜図12において、Si(i=1,2…)は、各処理のためのステップを示す。
図5のフローチャートに示すように、効果音発生処理では、まず、S1にて、各センサの検出値や判定閾値等の各種情報を読み込むと共に前回のルーチンで設定されている第1〜第3調整波音N1〜N3、第1〜第3ゲインg1〜g3、音圧レベル補正係数F、音圧レベル補正係数Gl,Gr、及び判定量a〜c等を初期化し、S2へ移行する。
S2では、モード切替スイッチ15がオン操作されているか否か判定する。
S2の判定の結果、モード切替スイッチ15がオン操作されている場合、S3に移行し、横入力量設定処理を行う。S2の判定の結果、モード切替スイッチ15がオン操作されていない場合、効果音発生処理を実行することなく、リターンする。
次に、マップ選択処理(S4)を行った後、S5に移行して、危険度判定処理を行う。
S6では、危険度Bが判定用閾値r1以上か否か判定する。
S6の判定の結果、危険度Bが判定用閾値r1以上の場合、第1,第2モードよりも第3モードを優先して実行させるため、S7に移行し、不協和音生成処理を行う。
次に、S8に移行して、重み付け設定処理を行う。
次に、S9に移行して、効果音Sと音圧レベル補正係数Glを乗算して左側効果音Slの信号、効果音Sと音圧レベル補正係数Grを乗算して右側効果音Srの信号を設定する。
次に、S10に移行して、効果音Sl,Srの制御信号をスピーカ3,4に夫々出力して、スピーカ3,4から効果音Sl,Srを夫々発生させた後、リターンする。
S6の判定の結果、危険度Bが判定用閾値r1未満の場合、S11に移行し、車両Vの進行方向前方にカーブが存在するか否か判定する。
S11の判定の結果、車両Vの進行方向前方にカーブが存在する場合、S12に移行し、式(8)〜式(10)を用いて予測横加速度A1を演算する。
S13では、予測横加速度A1が判定用閾値t1以上か否か判定する。
S13の判定の結果、予測横加速度A1が判定用閾値t1以上の場合、近い将来進入するカーブの走行に慎重な操縦が必要であり、運転者の意識を操縦に指向させるために注意力喚起が必要であるため、S14に移行し、予測横加速度A1と補正係数f1との乗算値を音圧レベル補正係数Fとして設定する。
S15では、モード切替スイッチ15の操作によって第1モードが選択されているか否か判定する。
S15の判定の結果、第1モードが選択されている場合、S16に移行し、ハーモニック音生成処理を行った後、S8に移行する。
S15の判定の結果、第1モードが選択されていない場合、第2モードが選択されているため、S17に移行し、ランブル音生成処理を行った後、S8に移行する。
S13の判定の結果、予測横加速度A1が判定用閾値t1未満の場合、将来発生する予測横加速度A1が小さく運転者に注意を喚起する必要性が低いため、S18に移行し、現在発生している横入力量Pが判定用閾値p1以上か否か判定する。
S18の判定の結果、横入力量Pが判定用閾値p1以上の場合、車両Vの挙動に影響を与える横入力量Pが発生しているため、S15に移行する。
S18の判定の結果、横入力量Pが判定用閾値p1未満の場合、車両Vの挙動に影響を与える横入力量Pが発生していないため、リターンする。
次に、横入力量設定処理手順について説明する。
図6のフローチャートに示すように、横入力量設定処理では、まず、S21にて、車速vが判定用閾値t2以上か否か判定する。
S21の判定の結果、車速vが判定用閾値t2以上の場合、S22に移行し、ヨーレートyを横加速度Aで除算した値を横入力量Pとして設定した後、終了する。
S21の判定の結果、車速vが判定用閾値t2未満の場合、S23に移行し、横加速度Aを横入力量Pとして設定した後、終了する。
次に、マップ選択処理手順について説明する。
図7のフローチャートに示すように、マップ選択処理では、まず、S31にて、乗員数や積載物重量を含む車体重量が判定用閾値t3以上か否か判定する。
S31の判定の結果、車体重量が判定用閾値t3以上の場合、運転者による舵角操作に対して車両Vの挙動が遅れる虞があるため、S32に移行し、増加ゲインマップM4を選択した後、終了する。
S31の判定の結果、車体重量が判定用閾値t3未満の場合、S33に移行し、路面μが判定用閾値t4以下か否か、又は登坂勾配が判定用閾値t5以上か否か判定する。
S33の判定の結果、路面μが判定用閾値t4以下の場合、又は登坂勾配が判定用閾値t5以上の場合、運転者の舵角操作に対して車両Vの実際の挙動が追従し難い虞があるため、S34に移行し、減少ゲインマップM3を選択した後、終了する。
S33の判定の結果、路面μが判定用閾値t4を超え且つ登坂勾配が判定用閾値t5未満の場合、運転者の舵角操作に対して車両Vの実際の挙動が追従するため、S35に移行し、標準ゲインマップM2を選択した後、終了する。
次に、危険度判定処理手順について説明する。
図8のフローチャートに示すように、危険度判定処理では、まず、S41にて、舵角速度Δθが判定用閾値t6以上か否か判定する。
S41の判定の結果、舵角速度Δθが判定用閾値t6以上の場合、S42に移行し、舵角速度Δθと補正係数k1との乗算値を舵角速度判定量aとして設定する。
S43では、横入力量Pが判定用閾値t7以下か否か判定する。
S43の判定の結果、横入力量Pが判定用閾値t7以下の場合、S44に移行し、横入力量Pと補正係数k2との乗算値を横入力量判定量bとして設定する。
S45では、先行又は後続車両との車間距離Lが判定用閾値t8以下か否か判定する。
S45の判定の結果、車間距離Lが判定用閾値t8以下の場合、S46に移行し、車間距離Lと補正係数k3との乗算値を車間距離判定量cとして設定する。
次に、S47にて、判定量a,b,cを足し合わせた値を危険度Bとして設定した後、終了する。
S45の判定の結果、車間距離Lが判定用閾値t8を超える場合、S48に移行し、車間距離判定量cを零に設定した後、S47に移行する。
S43の判定の結果、横入力量Pが判定用閾値t7を超える場合、S49に移行し、横入力量判定量bを零に設定した後、S45に移行する。
S41の判定の結果、舵角速度Δθが判定用閾値t6未満の場合、S50に移行し、舵角速度判定量aを零に設定した後、S43に移行する。
次に、不協和音生成処理手順について説明する。
図9のフローチャートに示すように、不協和音生成処理では、まず、S51にて、危険度Bが判定用閾値r2以下か否か判定する。
S51の判定の結果、危険度Bが判定用閾値r2以下の場合、危険度Bが中程度であるため、S52に移行する。
S52では、不協和周波数成分である9.75次成分波音を第1調整波音N1に設定し、第2,第3調整波音N2,N3を設定することなく、S53に移行する。
S53では、マップ選択処理で選択されたゲインマップに基づいて前ステップで設定された調整波音N1(N2,N3)についてのゲインg1(g2,g3)を設定する。
次に、S54に移行し、危険度Bと補正係数f2との乗算値を音圧レベル補正係数Fとして設定する。
S55では、ゲインg1により補正された第1調整波音N1とゲインg2により補正された第2調整波音N2とゲインg3により補正された第3調整波音N3とを足し合わせた値に音圧レベル補正係数Fを乗算した乗算値を効果音Sに設定した後、終了する。
S51の判定の結果、危険度Bが判定用閾値r2を超える場合、S56に移行し、危険度Bが判定用閾値r3以下か否か判定する。
S56の判定の結果、危険度Bが判定用閾値r3以下の場合、危険度Bが大きいため、S57に移行する。
S57では、9.75次成分波音を第1調整波音N1に設定し、不協和周波数成分である9.25次成分波音を第2調整波音N2に設定し、第3調整波音N2を設定することなく、S53に移行する。
S56の判定の結果、危険度Bが判定用閾値r3を超える場合、危険度Bが極めて大きいため、S58に移行する。
S58では、9.75次成分波音を第1調整波音N1に設定し、9.25次成分波音を第2調整波音N2に設定し、不協和周波数成分である8.75次成分波音を第3調整波音N3に設定した後、S53に移行する。
次に、ハーモニック音生成処理手順について説明する。
図10のフローチャートに示すように、ハーモニック音生成処理では、まず、S61にて、横入力量Pが判定用閾値p2以下か否か判定する。
S61の判定の結果、横入力量Pが判定用閾値p2以下の場合、横入力量Pが中程度であるため、S62に移行する。
S62では、整数次周波数成分である2次成分波音を第1調整波音N1に設定し、第2,第3調整波音N2,N3を設定することなく、S63に移行する。
S63では、マップ選択処理で選択されたゲインマップに基づいて前ステップで設定された調整波音N1(N2,N3)についてのゲインg1(g2,g3)を設定する。
次に、S64に移行し、既に音圧レベル補正係数Fが設定されているか否か判定する。
S64の判定の結果、既に音圧レベル補正係数Fが設定されている場合、S65に移行する。
S65では、ゲインg1により補正された第1調整波音N1とゲインg2により補正された第2調整波音N2とゲインg3により補正された第3調整波音N3とを足し合わせた値に音圧レベル補正係数Fを乗算した乗算値を効果音Sに設定した後、終了する。
S64の判定の結果、未だ音圧レベル補正係数Fが設定されていない場合、S66に移行する。
S66では、横入力量Pと補正係数f3との乗算値を音圧レベル補正係数Fとして設定した後、S65に移行する。
S61の判定の結果、横入力量Pが判定用閾値p2を超える場合、S67に移行し、横入力量Pが判定用閾値p3以下か否か判定する。
S67の判定の結果、横入力量Pが判定用閾値p3以下の場合、横入力量Pが大きいため、S68に移行する。
S68では、2次成分波音を第1調整波音N1に設定し、整数次周波数成分である3次成分波音を第2調整波音N2に設定し、第3調整波音N3を設定することなく、S63に移行する。
S67の判定の結果、横入力量Pが判定用閾値p3を超える場合、横入力量Pが極めて大きいため、S69に移行する。
S69では、2次成分波音を第1調整波音N1に設定し、3次成分波音を第2調整波音N2に設定し、整数次周波数成分である4次成分波音を第3調整波音N3に設定した後、S63に移行する。
次に、ランブル音生成処理手順について説明する。
図11のフローチャートに示すように、ランブル音生成処理では、まず、S71にて、横入力量Pが判定用閾値p2以下か否か判定する。
S71の判定の結果、横入力量Pが判定用閾値p2以下の場合、横入力量Pが中程度であるため、S72に移行する。
S72では、半次周波数成分である1.5次成分波音を第1調整波音N1に設定し、第2,第3調整波音N2,N3を設定することなく、S73に移行する。
S73では、マップ選択処理で選択されたゲインマップに基づいて前ステップで設定された調整波音N1(N2,N3)についてのゲインg1(g2,g3)を設定する。
次に、S74に移行し、既に音圧レベル補正係数Fが設定されているか否か判定する。
S74の判定の結果、既に音圧レベル補正係数Fが設定されている場合、S75に移行する。
S75では、ゲインg1により補正された第1調整波音N1とゲインg2により補正された第2調整波音N2とゲインg3により補正された第3調整波音N3とを足し合わせた値に音圧レベル補正係数Fを乗算した乗算値を効果音Sに設定した後、終了する。
S74の判定の結果、未だ音圧レベル補正係数Fが設定されていない場合、S76に移行する。
S76では、横入力量Pと補正係数f4との乗算値を音圧レベル補正係数Fとして設定した後、S65に移行する。
S71の判定の結果、横入力量Pが判定用閾値p2を超える場合、S77に移行し、横入力量Pが判定用閾値p3以下か否か判定する。
S77の判定の結果、横入力量Pが判定用閾値p3以下の場合、横入力量Pが大きいため、S78に移行する。
S78では、1.5次成分波音を第1調整波音N1に設定し、半次周波数成分である2.5次成分波音を第2調整波音N2に設定し、第3調整波音N3を設定することなく、S73に移行する。
S77の判定の結果、横入力量Pが判定用閾値p3を超える場合、横入力量Pが極めて大きいため、S79に移行する。
S79では、1.5次成分波音を第1調整波音N1に設定し、2.5次成分波音を第2調整波音N2に設定し、半次周波数成分である3.5次成分波音を第3調整波音N3に設定した後、S73に移行する。
次に、重み付け設定処理手順について説明する。
図12のフローチャートに示すように、重み付け設定処理では、まず、S81にて、視線誘導方向設定部28により視線誘導要請が存在するか否か判定する。
S81の判定の結果、視線誘導要請有りの場合、左右スピーカ3,4の音圧レベルに差異を付ける必要があるため、S82に移行し、視線誘導方向θdを設定する。
次に、S83に移行して、音圧レベル補正係数Gl,Grを視線誘導方向θdに基づく補正係数k4,k5に夫々設定し、終了する。
S81の判定の結果、視線誘導要請なしの場合、左右スピーカ3,4の音圧レベルに差異を付ける必要がないため、音圧レベル補正係数Gl,Grを共に1に設定し、終了する。
次に、上記車両用効果音発生装置の作用、効果について説明する。
本効果音発生装置1によれば、車両Vの走行状態を検出するセンサ6,8等と、半次周波数成分又は整数次周波数成分からなる第1〜第3調整波音N1〜N3を選択する調整波音選択部22と、基本波音N0と調整波音選択部22により選択された第1〜第3調整波音N1〜N3とを合成する効果音生成部27とを備えるため、実際の車両Vの走行挙動に基づき運転者に不快感を与えないハーモニック音又はランブル音によって効果音Sを生成することができる。
運転者による操作量に対して車両Vの挙動が遅れる状況を予測可能な挙動遅れ予測部23を備えるため、運転者による操作量に対して車両Vの挙動が遅延する挙動遅れの発生を判定することができる。調整波音選択部22は、挙動遅れ予測部23が運転者による操作量に対して車両Vの挙動が遅れる状況を予測したとき、選択された第1〜第3調整波音N1〜N3の出力特性を増加させるため、車両Vの挙動を聴覚的に先行演出することができ、その結果、運転者が操作量と車両Vの挙動とを感覚的に整合して認識することが可能になり、操作違和感の発生を回避することができる。
出力特性が、第1〜第3調整波音N1〜N3の第1〜第3ゲインg1〜g3であるため、簡単な構成で車両Vの挙動と効果音Sとを整合させることができる。
運転者による操作量に対して車両Vの挙動が遅れる状況は、車重増加状態であるため、車重増加状態のとき、操作違和感の発生を確実に回避することができる。
センサ6,8により検出された走行状態に基づいて車両Vの車幅方向の移動と旋回方向の移動の少なくとも1つに関連する物理量をパラメータとする横入力量Pを設定する横入力量設定部21を有し、効果音生成部27は、横入力量Pに基づき基本波音N0と第1〜第3調整波音N1〜N3とを合成するため、操作違和感の発生を回避しつつ、実際の車両Vの旋回挙動を反映した横入力量Pを設定することができ、実際の車両Vの旋回挙動に適合した効果音Sを生成することができる。
次に、前記実施形態を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施形態においては、基本波音に合成される調整波音数を、走行状態に基づいて3つまで設定可能に構成した例を説明したが、車両Vの仕様や走行環境や状態に応じて2又は4つ以上の個数の調整波音数を設定しても良い。4以上の個数の調整波音数を設定する場合、設定された調整波音数に応じてゲインマップM2〜M4内に規定されるゲイン数を予め設定しておくことが好ましい。
2〕前記実施形態においては、挙動遅れ予測部が車重に基づいて挙動遅れを予測した例を説明したが、挙動遅れ予測部は、少なくとも操作性遅れが発生する状況を予測できれば良く、車重以外の要因を判定しても良い。また、挙動遅れ予測部は、車重に加えて、車両性能に関わる車両要因や体調等に関わる乗員要因によって予測することも可能である。
3〕前記実施形態においては、効果音生成部が左右1対のスピーカの音圧レベルを変更することにより音像の定位方向を変更する例を説明したが、1対のスピーカの音圧レベルを変更することなく、1対のスピーカの音圧レベルを維持したまま、運転者に到達する効果音に遅延時間を設けることによって音像の定位方向を変更しても良い。
具体的には、視線誘導方向と反対側のスピーカによる出力を視線誘導方向側のスピーカによる出力よりも遅延させることにより、視線誘導方向側に音像の定位方向を移動させることができる。
また、運転者による認知性を高めるために、音像の定位方向を運転者の正面方向から視線誘導方向に亙ってリニアに変位させても良く、この変位動作を反復させても良い。
更に、スピーカを可動にしても良く、1対のスピーカに加えてこれらよりも上方位置に配置するスピーカを増加することにより、視線誘導方向を3次元的に設定することも可能である。
4〕前記実施形態においては、車間距離報知機能と感情改善機能を備えた運転支援装置の例を説明したが、少なくとも車外状況及び車内状況を検出できれば良く、障害物検出機能や走行車線の白線検出機能を備えた運転支援装置であっても良い。
また、検出手段についても、CCD以外の手段、例えばミリ波レーダ等であっても良い。
5〕前記実施形態においては、横入力量に基づきエンジンの効果音を生成する効果音発生装置と併用した例を説明したが、少なくとも車両の挙動遅れ状況において聴覚的に先行演出できれば良く、アクセル開度に基づきエンジンの効果音を生成する効果音発生装置と併用しても良い。アクセル開度に基づきエンジンの効果音を生成する場合には、アクセル開度に基づき1又は複数の整数次又は半次調整波音とそれらの調整波音のゲインを設定すると共に、アクセル開度が大きい程、基本波音に合成する調整波音の数、これら調整波音を補正するゲイン値、効果音の音圧レベル等を増加するように制御する。
6〕前記実施形態においては、振動音マップを用いた例を説明したが、エンジンの仕様、例えば、排気量、気筒数毎に振動音マップを準備し、搭載しているエンジンが変更された場合、エンジンの仕様に応じた振動音マップに切替可能に構成しても良い。
また、車両が実際に搭載している4気筒ガソリンエンジンの振動音マップを用いた例を説明したが、ハイブリッド自動車や電気自動車に対して任意の内燃機関(例えば4気筒ガソリンエンジン)の振動音マップを用いた効果音を発生させても良い。
7〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
V 車両
1 効果音発生装置
2 ECU
3 (左側)スピーカ
4 (右側)スピーカ
6 ヨーレートセンサ
8 横Gセンサ
10 勾配センサ
13 DSC装置
21 横入力量設定部
22 調整波音選択部
23 挙動遅れ予測部
27 効果音生成部
M1 振動音マップ
N0 基本波音
N1〜N3 調整波音
g1〜g3 ゲイン

Claims (4)

  1. 基本周波数成分からなる基本波音と基本周波数成分以外の周波数成分からなる複数の調整波音を含む振動音データベースに基づいてエンジンの効果音を生成する車両用効果音発生装置において、
    車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
    半次周波数成分又は整数次周波数成分からなる1又は複数の調整波音を選択する調整波音選択手段と、
    前記基本波音と前記調整波音選択手段により選択された前記調整波音とを合成する効果音生成手段と、
    乗員による操作量に対して車両の挙動が遅れる状況を予測可能な挙動遅れ予測手段とを備え、
    前記調整波音選択手段は、前記挙動遅れ予測手段が乗員による操作量に対して車両の挙動が遅れる状況を予測したとき、前記選択された調整波音の出力特性を増加させることを特徴とする車両用効果音発生装置。
  2. 前記出力特性が、調整波音のゲインであることを特徴とする請求項1に記載の車両用効果音発生装置。
  3. 前記乗員による操作量に対して車両の挙動が遅れる状況は、車重増加状態であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用効果音発生装置。
  4. 前記走行状態検出手段により検出された走行状態に基づいて車両の車幅方向の移動と旋回方向の移動の少なくとも1つに関連する物理量をパラメータとする横入力量を設定する横入力量設定手段を有し、
    前記効果音生成手段は、前記横入力量に基づき前記基本波音と前記調整波音とを合成することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用効果音発生装置。
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