JP5572208B2 - 磁気センサ及びそれを用いた磁気平衡式電流センサ - Google Patents

磁気センサ及びそれを用いた磁気平衡式電流センサ Download PDF

Info

Publication number
JP5572208B2
JP5572208B2 JP2012504443A JP2012504443A JP5572208B2 JP 5572208 B2 JP5572208 B2 JP 5572208B2 JP 2012504443 A JP2012504443 A JP 2012504443A JP 2012504443 A JP2012504443 A JP 2012504443A JP 5572208 B2 JP5572208 B2 JP 5572208B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
magnetic field
film
ferromagnetic film
ferromagnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012504443A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2011111648A1 (ja
Inventor
洋介 井出
正路 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP2012504443A priority Critical patent/JP5572208B2/ja
Publication of JPWO2011111648A1 publication Critical patent/JPWO2011111648A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5572208B2 publication Critical patent/JP5572208B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/02Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux
    • G01R33/06Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux using galvano-magnetic devices
    • G01R33/09Magnetoresistive devices
    • G01R33/093Magnetoresistive devices using multilayer structures, e.g. giant magnetoresistance sensors
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R15/00Details of measuring arrangements of the types provided for in groups G01R17/00 - G01R29/00, G01R33/00 - G01R33/26 or G01R35/00
    • G01R15/14Adaptations providing voltage or current isolation, e.g. for high-voltage or high-current networks
    • G01R15/20Adaptations providing voltage or current isolation, e.g. for high-voltage or high-current networks using galvano-magnetic devices, e.g. Hall-effect devices, i.e. measuring a magnetic field via the interaction between a current and a magnetic field, e.g. magneto resistive or Hall effect devices
    • G01R15/205Adaptations providing voltage or current isolation, e.g. for high-voltage or high-current networks using galvano-magnetic devices, e.g. Hall-effect devices, i.e. measuring a magnetic field via the interaction between a current and a magnetic field, e.g. magneto resistive or Hall effect devices using magneto-resistance devices, e.g. field plates

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)
  • Measuring Magnetic Variables (AREA)
  • Measuring Instrument Details And Bridges, And Automatic Balancing Devices (AREA)

Description

本発明は、磁気センサ及びそれを用いた磁気平衡式電流センサに関する。
電気自動車においては、エンジンで発電した電気を用いてモータを駆動しており、このモータ駆動用の電流の大きさは、例えば電流センサにより検出される。この電流センサとしては、導体の周囲に、一部に切り欠き(コアギャップ)を有する磁気コアを配置し、このコアギャップ内に磁気検出素子を配置してなるものである。
電流センサの磁気検出素子として、磁化方向が固定された固定磁性層、非磁性層、及び磁化方向が外部磁界に対して変動するフリー磁性層の積層構造を備える磁気抵抗効果素子(GMR素子、TMR素子)などが用いられている。このような電流センサにおいては、磁気抵抗効果素子と固定抵抗素子とでフルブリッジ回路を構成している。この場合においては、磁気抵抗効果素子のフリー磁性層と非磁性層の積層順序を入れ替えた膜構成を有し、反強磁性材料により強磁性層の磁化を固定するタイプの固定抵抗素子を用いることが開示されている(特許文献1、特許文献2)。このような構成にすることにより、磁気抵抗効果素子と固定抵抗素子との間の電気抵抗や、TCR(Temperature Coefficient Resistivity:抵抗温度係数)を共に一致させて、環境温度が変化してもある程度安定した出力特性を得ることができる。
特開2007−248054号公報 特開2007−263654号公報
しかしながら、上記特許文献における固定抵抗素子においては、反強磁性材料を用いて、膜厚0.75nm〜0.95nm(2ndピーク)のRu膜(反平行結合膜)で上下の強磁性膜(Pin1,Pin2)を反強磁性結合させている。この場合、反平行結合膜に使用するRuに2ndピークの膜厚を使用しているため、Pin1とPin2との間の反強磁性結合を十分に大きくできない。したがって、Pin1,Pin2が外部磁界によって動き易くAMR効果(異方性磁気抵抗効果)を発生し易くなる。固定抵抗素子は、外部磁界が変化しても抵抗値が一定であることが理想であり、AMR効果が大きいと十分に安定した出力特性を得ることができない。このため、外部磁界により発生するAMR効果を抑えることができる磁気センサが望まれている。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、固定抵抗素子によるAMR効果の発生を抑えることができる磁気センサ、及び環境温度が変化したときに十分に安定した出力特性を得ることができる磁気平衡式電流センサを提供することを目的とする。
本発明の磁気センサは、被測定電流からの誘導磁界の印加により抵抗値が変化する磁気抵抗効果素子及び固定抵抗素子で構成された磁気センサであって、前記固定抵抗素子は、反平行結合膜を介して第1の強磁性膜と第2の強磁性膜とを反強磁性的に結合させてなるセルフピン止め型の強磁性固定層を有しており、前記反平行結合膜は、0.3nm〜0.45nmの厚さを有するRu膜であり、前記第1の強磁性膜及び前記第2の強磁性膜は、磁化量の差が実質的にゼロであることを特徴とする。
この構成によれば、セルフピン止め型の強磁性固定層の反平行結合膜が、反強磁性結合効果の第1ピークの厚さである0.3nm〜0.45nmの厚さを有するRu膜であり、第1の強磁性膜及び第2の強磁性膜の磁化量の差が実質的にゼロであるので、固定抵抗素子によるAMR効果の発生を抑えることができる。
本発明の磁気センサにおいては、前記磁気抵抗効果素子は、反平行結合膜を介して第1の強磁性膜と第2の強磁性膜とを反強磁性的に結合させてなるセルフピン止め型の強磁性固定層と、非磁性中間層と、軟磁性自由層とを有し、前記第1の強磁性膜及び前記第2の強磁性膜は、キュリー温度が略同じであり、かつ、磁化量の差が実質的にゼロであることが好ましい。
本発明の磁気センサにおいては、前記第1の強磁性膜が40原子%〜80原子%のFeを含むCoFe合金で構成され、前記第2の強磁性膜が0原子%〜40原子%のFeを含むCoFe合金で構成されていることが好ましい。
本発明の磁気平衡式電流センサは、上記磁気センサを有し、被測定電流からの誘導磁界に応じた電圧差を生じる2つの出力を備える磁界検出ブリッジ回路と、前記磁気抵抗効果素子の近傍に配置され、前記誘導磁界を相殺するキャンセル磁界を発生するフィードバックコイルと、前記誘導磁界を減衰させると共に前記キャンセル磁界をエンハンスする磁気シールドと、を具備し、前記電圧差により前記フィードバックコイルに通電して前記誘導磁界と前記キャンセル磁界とが相殺される平衡状態となったときの前記フィードバックコイルに流れる電流に基づいて前記被測定電流を測定することを特徴とする。
この構成によれば、AMR効果の発生を抑えた固定抵抗素子を有する磁気センサを用いているので、十分に安定した出力特性を得ることができる。
本発明の磁気平衡式電流センサにおいては、前記フィードバックコイル、前記磁気シールド及び前記磁界検出ブリッジ回路が同一基板上に形成されてなることが好ましい。
本発明の磁気平衡式電流センサにおいては、前記フィードバックコイルが、前記磁気シールドと前記磁界検出ブリッジ回路の間に配置され、前記磁気シールドが前記被測定電流に近い側に配置されることが好ましい。
本発明の磁気平衡式電流センサにおいては、前記磁気抵抗効果素子は、その長手方向が互いに平行になるように配置された複数の帯状の長尺パターンが折り返してなる形状を有し、前記誘導磁界及び前記キャンセル磁界が前記長手方向に直交する方向に沿うように印加されることが好ましい。
本発明の磁気平衡式電流センサにおいては、前記磁気シールドは、アモルファス磁性材料、パーマロイ系磁性材料、及び鉄系微結晶材料からなる群より選ばれた高透磁率材料で構成されていることが好ましい。
本発明の磁気センサは、磁界の印加により抵抗値が変化する磁気抵抗効果素子及び固定抵抗素子で構成された磁気センサであって、前記固定抵抗素子は、反平行結合膜を介して第1の強磁性膜と第2の強磁性膜とを反強磁性的に結合させてなるセルフピン止め型の強磁性固定層を有しており、前記反平行結合膜は、反強磁性結合効果の第1ピークの厚さを有するRu膜であり、前記第1の強磁性膜及び前記第2の強磁性膜は、磁化量の差が実質的にゼロであるので、固定抵抗素子によるAMR効果の発生を抑えることができる。
本発明の実施の形態に係る磁気平衡式電流センサを示す図である。 (a)は、本発明の実施の形態に係る磁気平衡式電流センサを示す図であり、(b)は、(a)に示す磁気平衡式電流センサにおける磁気検出ブリッジ回路を示す図である。 図1に示す磁気平衡式電流センサを示す断面図である。 本発明に係る磁気センサの磁気抵抗効果素子の膜構成の一例を示す図である。 本発明に係る磁気センサの固定抵抗素子の膜構成の一例を示す図である。 (a)は、図2に示す磁気平衡式電流センサの電流測定状態を示す図であり、(b)は、(a)に示す磁気平衡式電流センサにおける磁気検出ブリッジ回路を示す図である。 (a)は、図2に示す磁気平衡式電流センサの電流測定状態を示す図であり、(b)は、(a)に示す磁気平衡式電流センサにおける磁気検出ブリッジ回路を示す図である。 本発明の実施の形態に係る磁気平衡式電流センサにおける磁気抵抗効果素子のR−H曲線を示す図である。 (a),(b)は、本発明の実施の形態に係る磁気センサのAMR効果を示す図である。 (a)は、本発明の実施の形態に係る磁気平衡式電流センサの他の例を示す図であり、(b)は、(a)に示す磁気平衡式電流センサにおける磁気検出ブリッジ回路を示す図である。 (a)は、図10に示す磁気平衡式電流センサの電流測定状態を示す図であり、(b)は、(a)に示す磁気平衡式電流センサにおける磁気検出ブリッジ回路を示す図である。 (a)は、図10に示す磁気平衡式電流センサの電流測定状態を示す図であり、(b)は、(a)に示す磁気平衡式電流センサにおける磁気検出ブリッジ回路を示す図である。 (a)は、本発明の実施の形態に係る磁気平衡式電流センサの他の例を示す図であり、(b)は、(a)に示す磁気平衡式電流センサにおける磁気検出ブリッジ回路を示す図である。 (a)は、図13に示す磁気平衡式電流センサの電流測定状態を示す図であり、(b)は、(a)に示す磁気平衡式電流センサにおける磁気検出ブリッジ回路を示す図である。 (a)は、図13に示す磁気平衡式電流センサの電流測定状態を示す図であり、(b)は、(a)に示す磁気平衡式電流センサにおける磁気検出ブリッジ回路を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1及び図2(a)は、本発明の実施の形態に係る磁気平衡式電流センサを示す図である。本実施の形態においては、図1及び図2(a)に示す磁気平衡式電流センサは、被測定電流Iが流れる導体11の近傍に配設される。この磁気平衡式電流センサは、導体11に流れる被測定電流Iによる誘導磁界を打ち消す磁界(キャンセル磁界)を生じさせるフィードバック回路12を備えている。このフィードバック回路12は、被測定電流Iによって発生する磁界を打ち消す方向に巻回されたフィードバックコイル121と、3つの固定抵抗素子122a〜122cと、1つの磁気抵抗効果素子123とを有する。
フィードバックコイル121は平面コイルで構成されている。この構成においては、磁気コアを有しないので、低コストでフィードバックコイルを作製することができる。また、トロイダルコイルの場合に比べて、フィードバックコイルから生じるキャンセル磁界が広範囲に拡がることを防止でき、周辺回路に影響を与えることを回避できる。さらに、トロイダルコイルの場合に比べて、被測定電流が交流の場合に、フィードバックコイルによるキャンセル磁界の制御が容易であり、制御のために流す電流もそれほど大きくならない。これらの効果については、被測定電流が交流で高周波になるほど大きくなる。フィードバックコイル121は平面コイルで構成する場合において、平面コイルの形成面と平行な面内で誘導磁界とキャンセル磁界の両方が生じるように平面コイルが設けられていることが好ましい。
磁気抵抗効果素子123は、被測定電流Iからの誘導磁界の印加により抵抗値が変化する。この1つの磁気抵抗効果素子123と、固定抵抗素子122a〜122cにより磁界検出ブリッジ回路を構成している。このように磁気抵抗効果素子を有する磁界検出ブリッジ回路を用いることにより、高感度の磁気平衡式電流センサを実現することができる。
この磁界検出ブリッジ回路は、被測定電流Iにより生じた誘導磁界に応じた電圧差を生じる2つの出力を備える。図2(b)に示す磁界検出ブリッジ回路においては、固定抵抗素子122a,122bとの間の接続点に電源Vddが接続されており、固定抵抗素子122cと磁気抵抗効果素子123との間の接続点にグランド(GND)が接続されている。さらに、この磁界検出ブリッジ回路においては、固定抵抗素子122a,122cとの間の接続点から一つの出力(Out1)を取り出し、固定抵抗素子122bと磁気抵抗効果素子123との間の接続点からもう一つの出力(Out2)を取り出している。これらの2つの出力は増幅器124で増幅され、フィードバックコイル121に電流(フィードバック電流)として与えられる。このフィードバック電流は、誘導磁界に応じた電圧差に対応する。このとき、フィードバックコイル121には、誘導磁界を相殺するキャンセル磁界が発生する。そして、誘導磁界とキャンセル磁界とが相殺される平衡状態となったときのフィードバックコイル121に流れる電流に基づいて検出部(検出抵抗R)で被測定電流を測定する。
図3は、図1に示す磁気平衡式電流センサを示す断面図である。図3に示すように、本実施の形態に係る磁気平衡式電流センサにおいては、フィードバックコイル、磁気シールド及び磁界検出ブリッジ回路が同一基板21上に形成されている。図3に示す構成においては、フィードバックコイルが、磁気シールドと磁界検出ブリッジ回路の間に配置され、磁気シールドが被測定電流Iに近い側に配置されている。すなわち、導体11に近い側から磁気シールド、フィードバックコイル、磁気抵抗効果素子の順に配置する。これにより、磁気抵抗効果素子を導体11から最も遠ざけることができ、被測定電流Iから磁気抵抗効果素子に印加される誘導磁界を小さくすることができる。また、磁気シールドを最も導体11に近づけることができるので、誘導磁界の減衰効果をより高めることができる。したがって、フィードバックコイルからのキャンセル磁界を小さくすることができる。
図3に示す層構成について詳細に説明する。図3に示す磁気平衡式電流センサにおいては、基板21上に絶縁層である熱シリコン酸化膜22が形成されている。熱シリコン酸化膜22上には、アルミニウム酸化膜23が形成されている。アルミニウム酸化膜23は、例えば、スパッタリングなどの方法により成膜することができる。また、基板21としては、シリコン基板などが用いられる。
アルミニウム酸化膜23上には、固定抵抗素子122a〜122c、磁気抵抗効果素子123が形成されており、磁界検出ブリッジ回路が作り込まれる。磁気抵抗効果素子123としては、TMR素子(トンネル型磁気抵抗効果素子)、GMR素子(巨大磁気抵抗効果素子)などを用いることができる。本発明に係る磁気平衡式電流センサにおいて用いられる磁気抵抗効果素子及び固定抵抗素子の膜構成については後述する。
磁気抵抗効果素子としては、図2(a)の拡大図に示すように、その長手方向が互いに平行になるように配置された複数の帯状の長尺パターン(ストライプ)が折り返してなる形状(ミアンダ形状)を有するGMR素子であることが好ましい。このミアンダ形状において、感度軸方向(Pin方向)は、長尺パターンの長手方向(ストライプ長手方向)に対して直交する方向(ストライプ幅方向)である。このミアンダ形状においては、誘導磁界及びキャンセル磁界がストライプ長手方向に直交する方向(ストライプ幅方向)に沿うように印加される。
このミアンダ形状においては、リニアリティを考慮すると、ピン(Pin)方向の幅が1μm〜10μmであることが好ましい。この場合において、リニアリティを考慮すると、長手方向が誘導磁界の方向及びキャンセル磁界の方向に対して共に垂直になることが望ましい。このようなミアンダ形状にすることにより、ホール素子よりも少ない端子数(2端子)で磁気抵抗効果素子の出力を採ることができる。
また、アルミニウム酸化膜23上には、電極24が形成されている。電極24は、電極材料を成膜した後に、フォトリソグラフィ及びエッチングにより形成することができる。
固定抵抗素子122a〜122c、磁気抵抗効果素子123及び電極24を形成したアルミニウム酸化膜23上には、絶縁層としてポリイミド層25が形成されている。ポリイミド層25は、ポリイミド材料を塗布し、硬化することにより形成することができる。
ポリイミド層25上には、シリコン酸化膜27が形成されている。シリコン酸化膜27は、例えば、スパッタリングなどの方法により成膜することができる。
シリコン酸化膜27上には、フィードバックコイル121が形成されている。フィードバックコイル121は、コイル材料を成膜した後に、フォトリソグラフィ及びエッチングにより形成することができる。あるいは、フィードバックコイル121は、下地材料を成膜した後に、フォトリソグラフィ及びめっきにより形成することができる。
また、シリコン酸化膜27上には、フィードバックコイル121の近傍にコイル電極28が形成されている。コイル電極28は、電極材料を成膜した後に、フォトリソグラフィ及びエッチングにより形成することができる。
フィードバックコイル121及びコイル電極28を形成したシリコン酸化膜27上には、絶縁層としてポリイミド層29が形成されている。ポリイミド層29は、ポリイミド材料を塗布し、硬化することにより形成することができる。
ポリイミド層29上には、磁気シールド30が形成されている。磁気シールド30を構成する材料としては、アモルファス磁性材料、パーマロイ系磁性材料、又は鉄系微結晶材料等の高透磁率材料を用いることができる。
ポリイミド層29上には、シリコン酸化膜31が形成されている。シリコン酸化膜31は、例えば、スパッタリングなどの方法により成膜することができる。ポリイミド層29及びシリコン酸化膜31の所定の領域(コイル電極28の領域及び電極24の領域)にコンタクトホールが形成され、そのコンタクトホールに電極パッド32,26がそれぞれ形成されている。コンタクトホールの形成には、フォトリソグラフィ及びエッチングなどが用いられる。電極パッド32,26は、電極材料を成膜した後に、フォトリソグラフィ及びめっきにより形成することができる。
このような構成を有する磁気平衡式電流センサにおいては、図3に示すように、被測定電流Iから発生した誘導磁界Aを磁気抵抗効果素子で受け、その誘導磁界をフィードバックしてフィードバックコイル121からキャンセル磁界Bを発生し、2つの磁界(誘導磁界A、キャンセル磁界B)を相殺して磁気抵抗効果素子121に印加する磁場が零になるように適宜調整する。
本発明の磁気平衡式電流センサにおいては、図3に示すように、フィードバックコイル121に隣接して磁気シールド30を有する。磁気シールド30は、被測定電流Iから生じ磁気抵抗効果素子に印加される誘導磁界を減衰させる(磁気抵抗効果素子においては誘導磁界Aの方向とキャンセル磁界Bの方向が逆方向)と共に、フィードバックコイル121からのキャンセル磁界Bをエンハンスする(磁気シールドにおいては誘導磁界Aの方向とキャンセル磁界Bの方向が同方向)ことができる。したがって、磁気シールド30が磁気ヨークとして機能するため、フィードバックコイル121に流す電流を小さくすることができ、省電力化を図ることができる。また、この磁気シールド30により、外部磁界の影響を低減させることができる。
上記構成を有する磁気平衡式電流センサは、磁気検出素子として磁気抵抗効果素子、特にGMR素子やTMR素子を有する磁界検出ブリッジ回路を用いる。これにより、高感度の磁気平衡式電流センサを実現することができる。また、上記構成を有する磁気平衡式電流センサは、フィードバックコイル121、磁気シールド30及び磁界検出ブリッジ回路が同一基板上に形成されてなるので、小型化を図ることができる。さらに、この磁気平衡式電流センサは、磁気コアを有しない構成であるので、小型化、低コスト化を図ることができる。
本発明において使用する磁気抵抗効果素子の膜構成は、例えば、図4に示すものである。すなわち、磁気抵抗効果素子は、図4に示すように、基板41に設けられた積層構造を有する。なお、図4においては、説明を簡単にするために、基板41には磁気抵抗効果素子以外の下地層などは省略して図示している。磁気抵抗効果素子は、シード層42、第1の強磁性膜43、反平行結合膜44、第2の強磁性膜45、非磁性中間層46、軟磁性自由層(フリー磁性層)47、及び保護層48を含む。磁気抵抗効果素子において、第1の強磁性膜43がPin1であり、第2の強磁性膜45がPin2である。
シード層42は、NiFeCrあるいはCrなどで構成される。保護層48は、Taなどで構成される。なお、上記積層構造において、基板41とシード層42との間に、例えば、Ta,Hf,Nb,Zr,Ti,Mo,Wのうち少なくとも1つの元素などの非磁性材料で構成される下地層を設けても良い。
この磁気抵抗効果素子においては、反平行結合膜44を介して第1の強磁性膜43と第2の強磁性膜45とを反強磁性的に結合させており、いわゆるセルフピン止め型の強磁性固定層(SFP:Synthetic Ferri Pinned層)が構成されている。
この強磁性固定層において、反平行結合膜44の厚さを0.3nm〜0.45nm、もしくは、0.75nm〜0.95nmにすることにより、第1の強磁性膜43と第2の強磁性膜45との間に強い反強磁性結合をもたらすことができる。
また、第1の強磁性膜43の磁化量(Ms・t)と第2の強磁性膜45の磁化量(Ms・t)が実質的に同じである。すなわち、第1の強磁性膜43と第2の強磁性膜45間で磁化量の差が実質的にゼロである。このため、SFP層の実効的な異方性磁界が大きい。したがって、反強磁性材料を用いなくても、強磁性固定層(Pin層)の磁化安定性を十分に確保できる。これは、第1の強磁性膜の膜厚をtとし、第2の強磁性膜の膜厚をtとし、両層の単位体積あたりの磁化及び誘導磁気異方性定数をそれぞれMs,Kとすると、SFP層の実効的な異方性磁界が次式(1)で示されるためである。
式(1)
eff Hk=2(K・t+K・t)/(Ms・t−Ms・t
したがって、本発明の磁気平衡式電流センサに用いる磁気抵抗効果素子は、反強磁性層を有しない膜構成を有する。
第1の強磁性膜43のキュリー温度(Tc)と第2の強磁性膜45のキュリー温度(Tc)とは、略同じである。これにより、高温環境においても両膜43,45の磁化量(Ms・t)差が略ゼロとなり、高い磁化安定性を維持することができる。
第1の強磁性膜43は、40原子%〜80原子%のFeを含むCoFe合金で構成されていることが好ましい。これは、この組成範囲のCoFe合金が、大きな保磁力を有し、外部磁場に対して磁化を安定に維持できるからである。また、第2の強磁性膜45は、0原子%〜40原子%のFeを含むCoFe合金で構成されていることが好ましい。これは、この組成範囲のCoFe合金が小さな保磁力を有し、第1の強磁性膜43が優先的に磁化する方向に対して反平行方向(180°異なる方向)に磁化し易くなるためである。この結果、上記式(1)で示すHkをより大きくすることが可能となる。また、第2の強磁性膜45をこの組成範囲に限定することで、磁気抵抗効果素子の抵抗変化率を大きくすることができる。
第1の強磁性膜43及び第2の強磁性膜45は、その成膜中にミアンダ形状のストライプ幅方向に磁場が印加され、成膜後の第1の強磁性膜43及び第2の強磁性膜45に誘導磁気異方性が付与されることが好ましい。これにより、両膜43,45はストライプ幅方向に反平行に磁化することになる。また、第1の強磁性膜43及び第2の強磁性膜45の磁化方向は、第1の強磁性膜43の成膜時の磁場印加方向で決まるため、第1の強磁性膜43の成膜時の磁場印加方向を変えることにより、同一基板上に磁化方向が異なる強磁性固定層を持つ複数の磁気抵抗効果素子を形成することが可能である。
強磁性固定層の反平行結合膜44は、Ruなどにより構成される。また、軟磁性自由層(フリー層)47は、CoFe合金、NiFe合金、CoFeNi合金などの磁性材料で構成される。また、非磁性中間層46は、Cuなどにより構成される。また、軟磁性自由層47は、その成膜中にミアンダ形状のストライプ長手方向に磁場が印加され、成膜後の軟磁性自由層47には誘導磁気異方性が付与されることが好ましい。これにより、磁気抵抗効果素子においては、ストライプ幅方向の外部磁場(被測定電流からの磁場)に対して線形的に抵抗変化し、ヒステリシスを小さくすることができる。このような磁気抵抗効果素子においては、強磁性固定層、非磁性中間層及び軟磁性自由層により、スピンバルブ構成を採っている。
本発明の磁気平衡式電流センサで用いる磁気抵抗効果素子の膜構成の例としては、例えば、NiFeCr(シード層:5nm)/Fe70Co30(第1の強磁性膜:1.65nm)/Ru(反平行結合膜:0.4nm)/Co90Fe10(第2の強磁性膜:2nm)/Cu(非磁性中間層:2.2nm)/Co90Fe10(軟磁性自由層:1nm)/NiFe(軟磁性自由層:7nm)/Ta(保護層:5nm)である。このような膜構成の磁気抵抗効果素子について、R−H波形を調べたところ、図8に示すようになり、反強磁性膜により固定磁性層の磁化を固定するタイプの磁気抵抗効果素子のR−H波形と同じ特性が得られたことが分かった。なお、図8に示すR−H波形については、通常測定される条件で求めた。
本発明において使用する固定抵抗素子の膜構成は、例えば、図5に示すものである。すなわち、固定抵抗素子は、図5に示すように、基板51に設けられた積層構造を有する。なお、図5においては、説明を簡単にするために、基板51には固定抵抗素子以外の下地層などは省略して図示している。固定抵抗素子は、シード層52、第1の強磁性膜53、反平行結合膜54、第2の強磁性膜55、第3の強磁性膜58、非磁性層56、及び保護層57を含む。固定抵抗素子において、第1の強磁性膜53がPin1であり、第2の強磁性膜55がPin2である。
すなわち、シード層52、第1の強磁性膜53、反平行結合膜54、第2の強磁性膜55までは、磁気抵抗効果素子のシード層、第1の強磁性膜、反平行結合膜、第2の強磁性膜と同じプロセスで同時又はシーケンシャルに形成することができる。そして、磁気抵抗効果素子における非磁性中間層を第2の強磁性膜の上に形成する代わりに、軟磁性自由層47に相当する第3の強磁性膜58を設け、その上に非磁性層56を形成し、保護層57を形成する。あるいは、第2の強磁性膜の上に第3の強磁性膜58を設けずに、非磁性層56を形成し、保護層57を形成する。このような構成の固定抵抗素子においては、磁気抵抗効果素子の自由磁性層と非磁性層の積層順序を入れ替えられているか、又は自由磁性層がないので、GMR効果が発現しにくくなり、固定層となる。
シード層52は、NiFeCrあるいはCrなどで構成される。保護層57は、Taなどで構成される。なお、上記積層構造において、基板51とシード層52との間に、例えば、Ta,Hf,Nb,Zr,Ti,Mo,Wのうち少なくとも1つの元素などの非磁性材料で構成される下地層を設けても良い。また、非磁性膜56は、Cuなどにより構成される。
この固定抵抗素子においては、反平行結合膜54を介して第1の強磁性膜53と第2の強磁性膜55とを反強磁性的に結合させており、いわゆるセルフピン止め型の強磁性固定層(SFP:Synthetic Ferri Pinned層)が構成されている。
この強磁性固定層において、反平行結合膜54を、反強磁性結合効果の第1ピーク(1stピーク)の厚である0.3nm〜0.45nmを持つRu膜とする。これにより、第1の強磁性膜53と第2の強磁性膜55との間に強い反強磁性結合をもたらすことができる。
従来の固定抵抗素子のように、反強磁性材料を用い、0.3nm〜0.45nmを持つRu膜を用いて、第1の強磁性膜53と第2の強磁性膜55の反強磁性結合を強くすることも可能である。この場合においては、反強磁性層と第1の強磁性膜53の交換結合のためにアニールを行う際に、第1の強磁性膜53及び第2の強磁性膜55の磁化分散を抑えて、磁化方向を揃えるためには、第1の強磁性膜53及び第2の強磁性膜55とも完全に飽和する磁界を印加する必要がある。しかしながら、反平行結合膜54が1stピークのRu膜では、前記飽和磁界が非常に大きな値(例えば、3T以上)となる。したがって、強磁場を印加しながらアニールできる高額の装置が必要になるという問題がある。また、十分な交換結合磁界を発生させるため、アニール温度は300℃程度必要であるが、0.3nm〜0.45nmを持つRu膜を持つ積層膜に対してそのような高温熱処理を行うと、Ruの層間拡散により、第1の強磁性膜53及び第2の強磁性膜55の反強磁性結合が劣化してしまい、その結果、第1の強磁性膜53及び第2の強磁性膜55が外部磁界によって動き易くなり、AMR効果を発生し易くなる。
本発明に係る磁気センサにおいては、Ru膜の上下の強磁性膜53,55のMs・tの差が実質的にゼロである。また、この磁気センサにおいては、反強磁性層を有していないので、上述したようなアニール処理が不要である。このため、高温処理によりRuの熱拡散の懸念がないので、反平行結合膜54に、反強磁性結合効果の1stピークの厚である0.3nm〜0.45nmのRu膜を使用することができる。したがって、上記式に示すように、固定抵抗素子の第1の強磁性膜53/第2の強磁性膜55の異方性磁界を大きくすることができる。その結果、外部磁界に対する第1の強磁性膜53/第2の強磁性膜55の磁化変化は非常に小さくなるため、AMR効果をほぼゼロにすることができる。その結果、このような磁気センサを用いた磁気平衡式電流センサは、従来の磁気平衡式電流センサよりもさらに安定した出力特性を得ることが可能となる。なお、磁気抵抗効果素子と固定抵抗素子との間の電気抵抗の一致は非磁性層の膜厚を調整することで実現でき、両者のTCRの一致は第1の強磁性膜53/第2の強磁性膜55の膜厚を調整することで実現できる。
また、第1の強磁性膜53の磁化量(Ms・t)と第2の強磁性膜55の磁化量(Ms・t)が実質的に同じである。すなわち、第1の強磁性膜53と第2の強磁性膜55間で磁化量の差が実質的にゼロである。このため、SFP層の実効的な異方性磁界が大きい。したがって、反強磁性材料を用いなくても、強磁性固定層の磁化安定性を十分に確保できる。これは、第1の強磁性膜の膜厚をtとし、第2の強磁性膜の膜厚をtとし、両層の磁化及び誘導磁気異方性定数をそれぞれMs,Kとすると、SFP層の実効的な異方性磁界が次式(1)で示されるためである。
式(1)
eff Hk=2(K・t+K・t)/(Ms・t−Ms・t
したがって、本発明の磁気平衡式電流センサに用いる固定抵抗素子は、反強磁性層を有しない膜構成を有する。
第1の強磁性膜53は、40原子%〜80原子%のFeを含むCoFe合金で構成されていることが好ましい。これは、この組成範囲のCoFe合金が、大きな保磁力を有し、外部磁場に対して磁化を安定に維持できるからである。また、第2の強磁性膜55は、0原子%〜40原子%のFeを含むCoFe合金で構成されていることが好ましい。これは、この組成範囲のCoFe合金が小さな保磁力を有し、第1の強磁性膜53が優先的に磁化する方向に対して反平行方向(180°異なる方向)に磁化し易くなるためである。この結果、上記式(1)で示すHkをより大きくすることが可能となる。また、第2の強磁性膜55をこの組成範囲に限定することで、磁気抵抗効果素子の抵抗変化率を大きくすることができる。
第1の強磁性膜53及び第2の強磁性膜55は、その成膜中にミアンダ形状のストライプ幅方向に磁場が印加され、成膜後の第1の強磁性膜53及び第2の強磁性膜55に誘導磁気異方性が付与されることが好ましい。これにより、両膜53,55はストライプ幅方向に反平行に磁化することになる。また、第1の強磁性膜53及び第2の強磁性膜55の磁化方向は、第1の強磁性膜53の成膜時の磁場印加方向で決まるため、第1の強磁性膜53の成膜時の磁場印加方向を変えることにより、同一基板上に磁化方向が異なる強磁性固定層を持つ複数の磁気抵抗効果素子を形成することが可能である。
本発明の磁気平衡式電流センサで用いる固定抵抗素子の膜構成の例としては、例えば、NiFeCr(シード層:5nm)/Fe70Co30(第1の強磁性膜:4nm)/Ru(反平行結合膜:0.4nm)/Co90Fe10(第2の強磁性膜:1nm)/NiFe(第2の強磁性膜:6nm)/Cu(非磁性層:3nm)/Ta(保護層:5nm)である。
ここで、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。
NiFeCr(シード層:4.2nm)/Fe70Co30(第1の強磁性膜:4nm)/Ru(反平行結合膜:0.38nm)/Co90Fe10(第2の強磁性膜:1nm)/Ni81.5Fe18.5(第2の強磁性膜:6nm)/Cu(非磁性層:3.5nm)/Ta(保護層:8nm)の膜構成を有し、5μm×200μmの大きさの固定抵抗素子について、AMR効果を調べた。その結果を図9(a),(b)に示す。なお、AMR効果は、抵抗変化率(ΔR/R(%))を測定することにより求めた。また、NiFeCr(シード層:6nm)/PtMn(反強磁性層:20nm)/Fe90Co10(第1の強磁性膜:1.25nm)/Ru(反平行結合膜:8.5nm)/Co90Fe10(第2の強磁性膜:1.4nm)/Ni81.5Fe18.5(第2の強磁性膜:6nm)/Cu(非磁性層:3nm)/Ta(保護層:8nm)の膜構成を有し、5μm×200μmの大きさの固定抵抗素子について、同様にAMR効果を調べた。その結果を図9(a),(b)に併記する。
図9(a),(b)から分かるように、本発明に係る磁気センサ(本発明:AFレス)は、AMR効果が小さかった。一方、従来の磁気センサ(従来:PtMn)は、AMR効果が大きかった。従来の磁気センサにおいては、磁界400Oe(×103/4π A/m)で抵抗率が約0.4%であり、磁気抵抗効果素子の抵抗変化率が8%程度であることを考えると非常に大きな値である。このように、本発明に係る磁気センサによれば、外部磁界によるAMR効果を十分に低減することができる。
図4に示す膜構成を有する磁気抵抗効果素子123と、図5に示す膜構成を有する固定抵抗素子122a〜122cを有する磁気平衡式電流センサにおいて、磁気検出ブリッジ回路の2つの出力(Out1、Out2)の電圧差がゼロになるようにフィードバックコイル121から磁気抵抗効果素子にキャンセル磁界を印加し、その際にフィードバックコイル121に流れる電流値を検出することにより、被測定電流を測定する。
図6(a)に示すように、図6の紙面向かって左側から被測定電流が流れると、図6(a),(b)に示すように、2つの固定抵抗素子122a,122c(Out1側)には、誘導磁界A及びキャンセル磁界Bが同じ方向(Pin方向)に印加される。一方、固定抵抗素子122bと磁気抵抗効果素子123(Out2側)には、キャンセル磁界BがPin方向と反対方向に印加され、誘導磁界AがPin方向に印加される。
また、図7(a)に示すように、図7の紙面向かって右側から被測定電流が流れると、図7(a)に示すように、2つの固定抵抗素子122a,122c(Out1側)には、誘導磁界A及びキャンセル磁界BがPin方向と反対方向に印加される。一方、固定抵抗素子122bと磁気抵抗効果素子123(Out2側)には、誘導磁界AがPin方向と反対方向に印加され、キャンセル磁界BがPin方向に印加される。
本発明に係る磁気平衡式電流センサのように、磁気検出ブリッジ回路とフィードバックコイルを同一基板上に一体形成する場合には、両者を完全に絶縁する必要があるため、ポリイミド膜などの有機絶縁膜で両者を分離することになる。有機絶縁膜は、一般にスピンコートなどで塗布した後に、200℃以上の加熱処理を施すことにより形成される。この有機絶縁膜は磁気検出ブリッジ回路形成の後工程で形成されるため、磁気抵抗効果素子も一緒に加熱されてしまう。反強磁性層で固定磁性層の磁化を固定するタイプの磁気抵抗効果素子の製造工程においては、この有機絶縁膜の形成工程の熱履歴により固定磁性層の特性が劣化しないように、磁場を印加しながら加熱処理する必要がある。本発明に係る磁気平衡式電流センサでは、反強磁性層を用いていないため、磁場を印加しながら加熱処理を行わなくても固定磁性層の特性を維持することが可能である。したがって、軟磁性自由層のヒステリシスの劣化を抑えることができる。
また、反強磁性層で固定磁性層の磁化を固定するタイプの磁気抵抗効果素子を用いる場合、反強磁性材料のブロッキング温度(交換結合磁界が消失する温度)がおよそ300℃〜400℃であり、この温度に向けて交換結合磁界が徐々に低下していくため、高温になるほど固定磁性層の特性が不安定となる。本発明に係る磁気平衡式電流センサでは、反強磁性層を用いていないため、固定磁性層の特性は主に固定磁性層を構成する強磁性材料のキュリー温度に依存する。一般に、CoFeなどの強磁性材料のキュリー温度は反強磁性材料のブロッキング温度よりもはるかに高い。したがって、第1の強磁性膜と第2の強磁性膜の強磁性材料のキュリー温度を一致させて高温領域においても磁化量(Ms・t)差をゼロに保つことにより、高い磁化安定性を維持することができる。
また、反強磁性膜で固定磁性層の磁化を固定するタイプの磁気抵抗効果素子を用いる場合、アニール時の印加磁場方向に交換結合磁界を発生させるため、第1の強磁性膜の磁化量(Ms・t)と第2の強磁性膜の磁化量(Ms・t)とで意図的に差を付ける必要がある。これは、磁化量差がゼロの場合、第1の強磁性膜及び第2の強磁性膜が共に飽和する磁界が、アニール時に印加できる磁場(〜15kOe(×103/4π A/m))を超えてしまい、その結果、アニール後の第1の強磁性膜及び第2の強磁性膜の磁化分散が大きくなって、ΔR/Rの劣化を引き起こすためである。また、ΔR/Rをより大きくするため、第1の強磁性膜よりも第2の強磁性膜の膜厚を厚く(磁化量を大きく)する場合が多い。一般に、第2の強磁性膜の方が第1の強磁性膜より磁化量が多い場合、素子側壁において第2の強磁性膜から軟磁性自由層へ印加される還流磁界が大きくなり、出力のアシンメトリへ与える影響が大きくなる。また、この還流磁界は温度依存が大きいため、アシンメトリの温度依存も大きくなる。本発明に係る磁気平衡式電流センサにおいては、磁気抵抗効果素子の第1の強磁性膜と第2の強磁性膜の磁化量差がゼロであるため、このような問題を解決することもできる。
また、本発明に係る磁気平衡式電流センサの磁気抵抗効果素子は反強磁性材料を含まないため、材料コストや、製造コストを抑制することもできる。
図10(a)は、本発明の実施の形態に係る磁気平衡式電流センサの他の例を示す図であり、図10(b)は、図10(a)に示す磁気平衡式電流センサにおける磁気検出ブリッジ回路を示す図である。
図10に示す磁気平衡式電流センサは、2つの磁気抵抗効果素子123a,123bと、固定抵抗素子122d,122eにより磁界検出ブリッジ回路を構成している。この磁界検出ブリッジ回路は、被測定電流Iにより生じた誘導磁界に応じた電圧差を生じる2つの出力を備える。
図10(b)に示す磁界検出ブリッジ回路においては、磁気抵抗効果素子123aと固定抵抗素子122dとの間の接続点に電源Vddが接続されており、磁気抵抗効果素子123bと固定抵抗素子122eとの間の接続点にグランド(GND)が接続されている。さらに、この磁界検出ブリッジ回路においては、磁気抵抗効果素子123aと固定抵抗素子122eとの間の接続点から一つの出力(Out1)を取り出し、固定抵抗素子122dと磁気抵抗効果素子123bとの間の接続点からもう一つの出力(Out2)を取り出している。これらの2つの出力は増幅器124で増幅され、フィードバックコイル121に電流(フィードバック電流)として与えられる。このフィードバック電流は、誘導磁界に応じた電圧差に対応する。このとき、フィードバックコイル121には、誘導磁界を相殺するキャンセル磁界が発生する。そして、誘導磁界とキャンセル磁界とが相殺される平衡状態となったときのフィードバックコイル121に流れる電流に基づいて検出部(検出抵抗R)で被測定電流を測定する。
図11(a)に示すように、図11の紙面向かって左側から被測定電流が流れると、図11(a),(b)に示すように、2つの固定抵抗素子122d,122eには、誘導磁界A及びキャンセル磁界Bが同じ方向(Pin方向)に印加される。一方、磁気抵抗効果素子123a,123bには、キャンセル磁界BがPin方向と反対方向に印加され、誘導磁界AがPin方向に印加される。
また、図12(a)に示すように、図12の紙面向かって右側から被測定電流が流れると、図12(a)に示すように、2つの固定抵抗素子122d,122eには、誘導磁界A及びキャンセル磁界BがPin方向と反対方向に印加される。一方、磁気抵抗効果素子123a,123bには、誘導磁界AがPin方向と反対方向に印加され、キャンセル磁界BがPin方向に印加される。
図13(a)は、本発明の実施の形態に係る磁気平衡式電流センサの他の例を示す図であり、図13(b)は、図13(a)に示す磁気平衡式電流センサにおける磁気検出ブリッジ回路を示す図である。
図13に示す磁気平衡式電流センサは、3つの磁気抵抗効果素子123c〜123eと、固定抵抗素子122fにより磁界検出ブリッジ回路を構成している。この磁界検出ブリッジ回路は、被測定電流Iにより生じた誘導磁界に応じた電圧差を生じる2つの出力を備える。測定時でない状態においては、3つの磁気抵抗効果素子123c〜123e及び固定抵抗素子122fの抵抗値は同じである。
図13(b)に示す磁界検出ブリッジ回路においては、磁気抵抗効果素子123cと固定抵抗素子122fとの間の接続点に電源Vddが接続されており、磁気抵抗効果素子123d,123e間の接続点にグランド(GND)が接続されている。さらに、この磁界検出ブリッジ回路においては、磁気抵抗効果素子123c,123e間の接続点から一つの出力(Out1)を取り出し、固定抵抗素子122fと磁気抵抗効果素子123dとの間の接続点からもう一つの出力(Out2)を取り出している。これらの2つの出力は増幅器124で増幅され、フィードバックコイル121に電流(フィードバック電流)として与えられる。このフィードバック電流は、誘導磁界に応じた電圧差に対応する。このとき、フィードバックコイル121には、誘導磁界を相殺するキャンセル磁界が発生する。そして、誘導磁界とキャンセル磁界とが相殺される平衡状態となったときのフィードバックコイル121に流れる電流に基づいて検出部(検出抵抗R)で被測定電流を測定する。
図14(a)に示すように、図14の紙面向かって左側から被測定電流が流れると、図14(a),(b)に示すように、2つの磁気抵抗効果素子123c,123eには、誘導磁界A及びキャンセル磁界Bが同じ方向(Pin方向)に印加される。一方、磁気抵抗効果素子123d及び固定抵抗素子122fには、キャンセル磁界BがPin方向と反対方向に印加され、誘導磁界AがPin方向に印加される。この場合において、磁気抵抗効果素子123c,123eの抵抗値は、誘導磁界Aの大きさによらず同じ値となるため、磁気検出ブリッジ回路において固定抵抗素子の役割を果たす。
また、図15(a)に示すように、図15の紙面向かって右側から被測定電流が流れると、図15(a)に示すように、2つの磁気抵抗効果素子123c,123eには、誘導磁界A及びキャンセル磁界BがPin方向と反対方向に印加される。一方、磁気抵抗効果素子123d及び固定抵抗素子122fには、誘導磁界AがPin方向と反対方向に印加され、キャンセル磁界BがPin方向に印加される。この場合において、磁気抵抗効果素子123c,123eの抵抗値は、誘導磁界Aの大きさによらず同じ値となるため、磁気検出ブリッジ回路において固定抵抗素子の役割を果たす。
このように、本発明に係る磁気センサによれば、セルフピン止め型の強磁性固定層の反平行結合膜が、反強磁性結合効果の第1ピークの厚さを有するRu膜であり、第1の強磁性膜及び第2の強磁性膜の磁化量の差が実質的にゼロであるので、固定抵抗素子によるAMR効果の発生を抑えることができる。また、本発明に係る磁気平衡式電流センサによれば、AMR効果の発生を抑えた磁気センサを用いているので、環境温度が変化したときに十分に安定した出力特性を得ることができる。
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することができる。例えば、上記実施の形態における材料、各素子の接続関係、厚さ、大きさ、製法などは適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明は、本発明の範囲を逸脱しないで適宜変更して実施することができる。
本発明は、電気自動車のモータ駆動用の電流の大きさを検出する電流センサに適用することが可能である。
本出願は、2010年3月12日出願の特願2010−056156に基づく。この内容は、全てここに含めておく。

Claims (8)

  1. 被測定電流からの誘導磁界の印加により抵抗値が変化する磁気抵抗効果素子及び固定抵抗素子で構成された磁気センサであって、前記固定抵抗素子は、反平行結合膜を介して第1の強磁性膜と第2の強磁性膜とを反強磁性的に結合させてなるセルフピン止め型の強磁性固定層を有しており、前記反平行結合膜は、0.3nm〜0.45nmの厚さを有するRu膜であり、前記第1の強磁性膜及び前記第2の強磁性膜は、磁化量の差が実質的にゼロであることを特徴とする磁気センサ。
  2. 前記磁気抵抗効果素子は、反平行結合膜を介して第1の強磁性膜と第2の強磁性膜とを反強磁性的に結合させてなるセルフピン止め型の強磁性固定層と、非磁性中間層と、軟磁性自由層とを有し、前記第1の強磁性膜及び前記第2の強磁性膜は、キュリー温度が略同じであり、かつ、磁化量の差が実質的にゼロであることを特徴とする請求項1記載の磁気センサ。
  3. 前記第1の強磁性膜が40原子%〜80原子%のFeを含むCoFe合金で構成され、前記第2の強磁性膜が0原子%〜40原子%のFeを含むCoFe合金で構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の磁気センサ。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の磁気センサを有し、被測定電流からの誘導磁界に応じた電圧差を生じる2つの出力を備える磁界検出ブリッジ回路と、前記磁気抵抗効果素子の近傍に配置され、前記誘導磁界を相殺するキャンセル磁界を発生するフィードバックコイルと、前記誘導磁界を減衰させると共に前記キャンセル磁界をエンハンスする磁気シールドと、を具備し、前記電圧差により前記フィードバックコイルに通電して前記誘導磁界と前記キャンセル磁界とが相殺される平衡状態となったときの前記フィードバックコイルに流れる電流に基づいて前記被測定電流を測定することを特徴とする磁気平衡式電流センサ。
  5. 前記フィードバックコイル、前記磁気シールド及び前記磁界検出ブリッジ回路が同一基板上に形成されてなることを特徴とする請求項4記載の磁気平衡式電流センサ。
  6. 前記フィードバックコイルが、前記磁気シールドと前記磁界検出ブリッジ回路の間に配置され、前記磁気シールドが前記被測定電流に近い側に配置されることを特徴とする請求項4又は請求項5記載の磁気平衡式電流センサ。
  7. 前記磁気抵抗効果素子は、その長手方向が互いに平行になるように配置された複数の帯状の長尺パターンが折り返してなる形状を有し、前記誘導磁界及び前記キャンセル磁界が前記長手方向に直交する方向に沿うように印加されることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれかに記載の磁気平衡式電流センサ。
  8. 前記磁気シールドは、アモルファス磁性材料、パーマロイ系磁性材料、及び鉄系微結晶材料からなる群より選ばれた高透磁率材料で構成されていることを特徴とする請求項4から請求項7のいずれかに記載の磁気平衡式電流センサ。
JP2012504443A 2010-03-12 2011-03-07 磁気センサ及びそれを用いた磁気平衡式電流センサ Active JP5572208B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012504443A JP5572208B2 (ja) 2010-03-12 2011-03-07 磁気センサ及びそれを用いた磁気平衡式電流センサ

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010056156 2010-03-12
JP2010056156 2010-03-12
PCT/JP2011/055185 WO2011111648A1 (ja) 2010-03-12 2011-03-07 磁気センサ及びそれを用いた磁気平衡式電流センサ
JP2012504443A JP5572208B2 (ja) 2010-03-12 2011-03-07 磁気センサ及びそれを用いた磁気平衡式電流センサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2011111648A1 JPWO2011111648A1 (ja) 2013-06-27
JP5572208B2 true JP5572208B2 (ja) 2014-08-13

Family

ID=44563450

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012504443A Active JP5572208B2 (ja) 2010-03-12 2011-03-07 磁気センサ及びそれを用いた磁気平衡式電流センサ

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8952689B2 (ja)
JP (1) JP5572208B2 (ja)
CN (1) CN102812376B (ja)
WO (1) WO2011111648A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104698409A (zh) * 2015-02-04 2015-06-10 江苏多维科技有限公司 一种单芯片具有校准线圈/重置线圈的高强度磁场x轴线性磁电阻传感器
WO2019188186A1 (ja) 2018-03-29 2019-10-03 Tdk株式会社 磁気センサ
JP2019215182A (ja) * 2018-06-11 2019-12-19 Tdk株式会社 磁気センサ

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5250109B2 (ja) * 2009-06-12 2013-07-31 アルプス・グリーンデバイス株式会社 磁気平衡式電流センサ
WO2011111493A1 (ja) 2010-03-12 2011-09-15 アルプス・グリーンデバイス株式会社 電流センサ
JP5505817B2 (ja) * 2010-06-09 2014-05-28 アルプス・グリーンデバイス株式会社 磁気平衡式電流センサ
JP5487402B2 (ja) 2010-08-23 2014-05-07 アルプス・グリーンデバイス株式会社 磁気平衡式電流センサ
CN102226835A (zh) * 2011-04-06 2011-10-26 江苏多维科技有限公司 单一芯片双轴磁场传感器及其制备方法
JP6070460B2 (ja) * 2013-07-24 2017-02-01 ヤマハ株式会社 電流検知回路及びそれを備えた磁気検出装置
US9778324B2 (en) 2015-04-17 2017-10-03 Apple Inc. Yoke configuration to reduce high offset in X-, Y-, and Z-magnetic sensors
CN110073225B (zh) * 2016-12-21 2021-11-26 日本碍子株式会社 电流检测用的耐热性元件
CN111033276B (zh) * 2017-08-21 2022-02-22 株式会社村田制作所 电流传感器
US10680570B2 (en) * 2017-09-08 2020-06-09 Tdk Corporation Magnetoresistance effect device and high frequency device
JP6690617B2 (ja) 2017-09-15 2020-04-28 Tdk株式会社 磁気センサ装置および電流センサ
JP6826015B2 (ja) * 2017-09-25 2021-02-03 矢崎総業株式会社 電流センサ
US11002806B2 (en) * 2018-03-29 2021-05-11 Asahi Kasei Microdevices Corporation Magnetic field detection device
JP7232647B2 (ja) 2018-03-29 2023-03-03 旭化成エレクトロニクス株式会社 磁気検出装置
JP6900936B2 (ja) * 2018-06-08 2021-07-14 Tdk株式会社 磁気検出装置
JP7286932B2 (ja) * 2018-09-08 2023-06-06 Tdk株式会社 磁気センサ
CN109932670B (zh) * 2019-03-27 2021-06-29 三峡大学 基于上电置位的闭环tmr磁场测量装置
US11372029B2 (en) 2019-12-11 2022-06-28 Tdk Corporation Magnetic field detection apparatus and current detection apparatus
JP7354836B2 (ja) * 2019-12-25 2023-10-03 Tdk株式会社 磁気センサ

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008306112A (ja) * 2007-06-11 2008-12-18 Hitachi Metals Ltd 磁気抵抗効果膜、磁気センサ及び回転角度検出装置
WO2009096093A1 (ja) * 2008-01-30 2009-08-06 Hitachi Metals, Ltd. 角度センサ、その製造方法及びそれを用いた角度検知装置

Family Cites Families (46)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07318591A (ja) 1994-05-25 1995-12-08 Toyo Commun Equip Co Ltd 電流検出器
JPH0815322A (ja) 1994-06-30 1996-01-19 Hioki Ee Corp 電流センサ
DE4436876A1 (de) 1994-10-15 1996-04-18 Lust Antriebstechnik Gmbh Sensorchip
US5561368A (en) 1994-11-04 1996-10-01 International Business Machines Corporation Bridge circuit magnetic field sensor having spin valve magnetoresistive elements formed on common substrate
JP3545074B2 (ja) 1994-12-27 2004-07-21 独立行政法人 科学技術振興機構 半導体基板に集積される磁気検出素子及び磁気検出モジュール
US5831426A (en) 1996-08-16 1998-11-03 Nonvolatile Electronics, Incorporated Magnetic current sensor
US6767655B2 (en) 2000-08-21 2004-07-27 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Magneto-resistive element
US6773515B2 (en) 2002-01-16 2004-08-10 Headway Technologies, Inc. FeTa nano-oxide layer as a capping layer for enhancement of giant magnetoresistance in bottom spin valve structures
JP2004247021A (ja) 2002-07-31 2004-09-02 Sony Corp 磁気抵抗効果型磁気ヘッド
JP2004132790A (ja) 2002-10-09 2004-04-30 Fuji Electric Holdings Co Ltd 電流センサ
JP2004296000A (ja) 2003-03-27 2004-10-21 Hitachi Ltd 磁気抵抗効果型ヘッド、及びその製造方法
US7204013B2 (en) 2003-07-29 2007-04-17 Seagate Technology Llc Method of manufacturing a magnetoresistive sensor
US20050237676A1 (en) 2004-04-26 2005-10-27 Hitachi Global Storage Technologies Fe seeded self-pinned sensor
US7446982B2 (en) 2004-07-01 2008-11-04 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Pinning structure with trilayer pinned layer
JP2006032522A (ja) 2004-07-14 2006-02-02 Alps Electric Co Ltd 交換結合膜と前記交換結合膜を用いた磁気検出素子
US7589939B2 (en) 2004-09-28 2009-09-15 Yamaha Corporation Magnetic sensor using giant magnetoresistive elements and method for manufacturing the same
US7777607B2 (en) 2004-10-12 2010-08-17 Allegro Microsystems, Inc. Resistor having a predetermined temperature coefficient
US7504824B2 (en) 2004-10-21 2009-03-17 International Business Machines Corporation Magnetic sensor with offset magnetic field
JP4105142B2 (ja) 2004-10-28 2008-06-25 Tdk株式会社 電流センサ
US7554775B2 (en) 2005-02-28 2009-06-30 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. GMR sensors with strongly pinning and pinned layers
US7460343B2 (en) 2005-03-31 2008-12-02 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Magnetic read sensor employing oblique etched underlayers for inducing uniaxial magnetic anisotropy in a hard magnetic in-stack bias layer
US8068317B2 (en) 2005-07-22 2011-11-29 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Magnetic tunnel transistor with high magnetocurrent
JP2007081280A (ja) 2005-09-16 2007-03-29 Fujitsu Ltd 磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置
JP2007147460A (ja) 2005-11-28 2007-06-14 Denso Corp 磁気平衡式電流センサ
DE102006022336B8 (de) 2006-02-28 2015-12-31 Infineon Technologies Ag Magnetfeldsensor und Sensoranordnung mit demselben
JP4668818B2 (ja) 2006-03-13 2011-04-13 アルプス電気株式会社 磁気センサ
JP5007916B2 (ja) * 2006-03-28 2012-08-22 日立金属株式会社 磁気センサ
US20070297220A1 (en) 2006-06-22 2007-12-27 Masatoshi Yoshikawa Magnetoresistive element and magnetic memory
JP2008060202A (ja) 2006-08-30 2008-03-13 Tdk Corp Cpp構造の磁気抵抗効果素子の製造方法。
JP4923896B2 (ja) * 2006-09-15 2012-04-25 富士通株式会社 交換結合膜及び磁気デバイス
US7729093B1 (en) 2006-09-28 2010-06-01 Headway Technologies, Inc. Detection of magnetic beads using a magnetoresistive device together with ferromagnetic resonance
JP4798498B2 (ja) * 2006-12-14 2011-10-19 日立金属株式会社 磁気センサーおよび磁気エンコーダー
JP4835868B2 (ja) 2007-04-25 2011-12-14 Tdk株式会社 電流センサ
JP4788922B2 (ja) 2007-05-07 2011-10-05 Tdk株式会社 電流センサ
JP2008286739A (ja) 2007-05-21 2008-11-27 Mitsubishi Electric Corp 磁界検出器及び回転角度検出装置
US7639005B2 (en) 2007-06-15 2009-12-29 Advanced Microsensors, Inc. Giant magnetoresistive resistor and sensor apparatus and method
US7826182B2 (en) 2007-07-23 2010-11-02 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Current-perpendicular-to-the-plane (CPP) magnetoresistive sensor with CoFeGe ferromagnetic layers
WO2009031539A1 (ja) 2007-09-03 2009-03-12 Alps Electric Co., Ltd. 磁気検出装置
JP2009180608A (ja) 2008-01-30 2009-08-13 U R D:Kk Icチップ形電流センサ
US7965077B2 (en) 2008-05-08 2011-06-21 Everspin Technologies, Inc. Two-axis magnetic field sensor with multiple pinning directions
JP2010014686A (ja) 2008-07-07 2010-01-21 Kohshin Electric Corp 電流検知デバイスおよびその設置方法および電流センサ
EP2442117B1 (en) 2009-06-12 2021-11-17 Alps Alpine Co., Ltd. Magnetic balance current sensor
JP5250109B2 (ja) 2009-06-12 2013-07-31 アルプス・グリーンデバイス株式会社 磁気平衡式電流センサ
JP5411285B2 (ja) 2009-10-05 2014-02-12 アルプス・グリーンデバイス株式会社 磁気平衡式電流センサ
JPWO2011111536A1 (ja) 2010-03-12 2013-06-27 アルプス・グリーンデバイス株式会社 磁気平衡式電流センサ
WO2011111493A1 (ja) 2010-03-12 2011-09-15 アルプス・グリーンデバイス株式会社 電流センサ

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008306112A (ja) * 2007-06-11 2008-12-18 Hitachi Metals Ltd 磁気抵抗効果膜、磁気センサ及び回転角度検出装置
WO2009096093A1 (ja) * 2008-01-30 2009-08-06 Hitachi Metals, Ltd. 角度センサ、その製造方法及びそれを用いた角度検知装置
JP2009180604A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Hitachi Metals Ltd 角度センサ、その製造方法及びそれを用いた角度検知装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104698409A (zh) * 2015-02-04 2015-06-10 江苏多维科技有限公司 一种单芯片具有校准线圈/重置线圈的高强度磁场x轴线性磁电阻传感器
CN104698409B (zh) * 2015-02-04 2017-11-10 江苏多维科技有限公司 一种单芯片具有校准线圈/重置线圈的高强度磁场x轴线性磁电阻传感器
WO2019188186A1 (ja) 2018-03-29 2019-10-03 Tdk株式会社 磁気センサ
US11442120B2 (en) 2018-03-29 2022-09-13 Tdk Corporation Magnetic sensor with compensation coil for cancelling magnetic flux applied to a magneto-sensitive element
JP2019215182A (ja) * 2018-06-11 2019-12-19 Tdk株式会社 磁気センサ
WO2019239933A1 (ja) * 2018-06-11 2019-12-19 Tdk株式会社 磁気センサ

Also Published As

Publication number Publication date
US20120326715A1 (en) 2012-12-27
CN102812376A (zh) 2012-12-05
JPWO2011111648A1 (ja) 2013-06-27
WO2011111648A1 (ja) 2011-09-15
US8952689B2 (en) 2015-02-10
CN102812376B (zh) 2016-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5572208B2 (ja) 磁気センサ及びそれを用いた磁気平衡式電流センサ
JP6130775B2 (ja) 電流センサ
JP5250109B2 (ja) 磁気平衡式電流センサ
JP5411285B2 (ja) 磁気平衡式電流センサ
WO2011111536A1 (ja) 磁気平衡式電流センサ
WO2012090631A1 (ja) 磁気比例式電流センサ
WO2012081377A1 (ja) 磁気センサ及び磁気センサの製造方法
JP5487402B2 (ja) 磁気平衡式電流センサ
JP5540299B2 (ja) 電流センサ
WO2018037634A1 (ja) 磁気センサおよび電流センサ
WO2011111537A1 (ja) 電流センサ
US20130057274A1 (en) Current sensor
JP5597305B2 (ja) 電流センサ
JP5505817B2 (ja) 磁気平衡式電流センサ
JP5540326B2 (ja) 電流センサ
WO2011111457A1 (ja) 磁気センサ及びそれを備えた磁気平衡式電流センサ
JP2017139269A (ja) 磁気センサ、磁気センサの製造方法および電流センサ
JP5517315B2 (ja) 電流センサ

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20130620

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20131120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140610

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140627

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5572208

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350