JP5568991B2 - 走査型顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、光の振幅と位相を独立して制御可能な光学素子を走査型顕微鏡に用いる場合に、より画質のよい観察画像を得ることができるようにした走査型顕微鏡に関する。
近年、生物顕微鏡の分野では、非線形効果を利用した顕微鏡が注目を浴びている。なかでも、多光子励起を利用した走査型顕微鏡は拡散に強く、試料の深い部位まで観察することができるため、ユーザからの需要が増加している(例えば、特許文献1参照)。例えば、このような走査型顕微鏡を用いれば、これまで観察の難しかった脳などの拡散の大きい試料の観察が可能となる。
通常、走査型顕微鏡では、走査した光を非走査光に変え、ピンホールを通過させて共焦点効果を得ることにより、光軸方向の分解能が得られる。これに対して、多光子励起を利用した走査型顕微鏡では、試料における励起光の集光位置の部位だけが励起されるので、ピンホールを用いなくても光軸方向の分解能を得ることができる。
多光子励起では、一般的に、光源としてIRパルスレーザが用いられる。IRパルスレーザから射出される励起光(赤外光)の波長帯域は、略700乃至1000nmとされ、励起光の波長を自由に変化させることが可能とされている。
ところが、IRパルスレーザからの励起光は、レンズなどの媒質を通過するときに群速度分散が生じてパルスが広がり、励起光の強度(ピーク)が低くなる。励起光の強度が低くなると、多光子励起が生じる確率が低下するため、励起光のパワーに比べて暗い画像しか得られなくなってしまう。
そのため、プリチャープと呼ばれるプリズムや回折格子のペアを用いて、励起光に予め負の分散を与えておくことで、レンズなどの媒質を通過するときの分散を補償させる方法が一般的に用いられている。また、多光子励起を利用した走査型顕微鏡では、音響光学素子などを励起光の光路に設け、負の分散が与えられた励起光の光量を調節することもある。
さらに、近年、音響光学プログラマブル分散フィルタと呼ばれる光学素子が開発されている。この光学素子は、プリチャープと音響光学素子の両方の機能を備えているため、多光子励起の走査型顕微鏡に利用すれば、励起光の分散と光量の調整を1つの素子で行うことができるようになる。
特許第2848952号公報
しかしながら、音響光学プログラマブル分散フィルタは、時間的に連続して使用することができないため、音響光学プログラマブル分散フィルタを走査型顕微鏡に利用した場合、試料の観察に支障をきたすことになる。
具体的には、音響光学プログラマブル分散フィルタは、有効に動作して励起光の分散と光量を調整すると、その後、有効に動作できない期間が生じる。つまり、有効に動作する期間と有効に動作しない期間とが繰り返され、試料の観察中において、半分程度の時間しか、充分なパワーの励起光を試料に照射することができなくなる。
そうすると、走査型顕微鏡において試料を観察して得られる観察画像には、試料の画像が表示されない領域が生じ、観察画像の画質が劣化してしまう。また、音響光学プログラマブル分散フィルタの動作に合わせて走査型顕微鏡の各部を動作させると、試料観察の時間効率や、励起光の高速走査に支障をきたすことになる。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、試料に照射する光の振幅と位相を独立して制御可能な光学素子を走査型顕微鏡に用いる場合に、より画質のよい観察画像を得ることができるようにするものである。
本発明の走査型顕微鏡は、観察対象の試料上で光を走査させる走査型顕微鏡であって、前記光の振幅および位相を独立に制御可能であり、動作可能な期間と動作できない期間が生じる光学素子を複数と、前記走査が実行されている間の各時刻において、前記複数の光学素子のうちの少なくとも何れかが、前記光の振幅および位相を制御可能に動作するように前記複数の光学素子の動作を制御する制御手段と、前記複数の光学素子のうち、少なくとも前記光の振幅および位相を制御可能に動作している前記光学素子に、前記光を入射させる偏向手段と、前記複数の光学素子から射出された前記光が、同一光路を通って前記試料に照射されるように、前記光学素子からの前記光を合成する合成手段とを備える。
本発明によれば、試料に照射する光の振幅と位相を独立して制御可能な光学素子を走査型顕微鏡に用いる場合に、より画質のよい観察画像を得ることができる。
本発明を適用した走査型顕微鏡の一実施の形態の構成例を示す図である。 調整部の構成例を示す図である。 合成素子の構成例を示す図である。 各分散フィルタの有効期間と無効期間について説明する図である。 調整部の他の構成例を示す図である。 調整部の他の構成例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明を適用した実施の形態について説明する。
[走査型顕微鏡の構成]
図1は、本発明を適用した走査型顕微鏡の一実施の形態の構成例を示す図である。
走査型顕微鏡11は、観察対象の試料12に光を照射して、試料12の観察画像を得るためのものである。すなわち、走査型顕微鏡11には、パルス状の赤外光を射出するIRパルスレーザ21が設けられており、IRパルスレーザ21からの赤外光は調整部22により、振幅および位相が調整されてコンフォーカルヘッド23に入射する。
そして、調整部22からコンフォーカルヘッド23に入射した赤外光は、コンフォーカルヘッド23により偏向され、第2対物レンズ24、ダイクロイックミラー25、および対物レンズ26を介して試料12に照射される。
コンフォーカルヘッド23内部には、ミラー27、ダイクロイックミラー28、ガルバノスキャナ29、および瞳投影レンズ30が設けられている。IRパルスレーザ21からコンフォーカルヘッド23内部に入射した赤外光は、ミラー27において反射されて、さらにダイクロイックミラー28で反射され、ガルバノスキャナ29に入射する。
そして、ガルバノスキャナ29に入射した赤外光は、ガルバノスキャナ29により偏向され、瞳投影レンズ30により集光されて第2対物レンズ24乃至対物レンズ26を介して試料12に照射される。つまり、赤外光は、ガルバノスキャナ29により試料12の観察面上で走査される。なお、図1において、矢印Z11は、対物レンズ26に入射する赤外光の一次像面の位置を示している。
また、例えば、IRパルスレーザ21からの赤外光が、多光子励起によるイメージングに用いられる場合、赤外光が試料12に照射されると、試料12からは多光子励起により蛍光が発現する。この蛍光は観察光であり、対物レンズ26を通ってダイクロイックミラー25で反射され、レンズ31およびレンズ32により集光されて、ディテクタ33に入射する。
ディテクタ33は、入射した観察光を受光して光電変換し、その結果得られた電気信号を出力する。この電気信号は、図示せぬコンピュータ等に供給され、コンピュータはこの電気信号に基づいて、試料12の観察画像を生成する。
また、IRパルスレーザ21からの赤外光が、試料12のスペクトル解析等に利用される場合、赤外光が試料12に照射されて生じた蛍光(観察光)は、対物レンズ26乃至第2対物レンズ24、および瞳投影レンズ30を介してガルバノスキャナ29に入射する。
そして、この観察光は、ガルバノスキャナ29によりデスキャンされてダイクロイックミラー28を透過し、集光レンズ34により集光される。集光レンズ34により集光された観察光は、ピンホール35を通ってディテクタ36に受光される。ディテクタ36は、入射した観察光を受光して光電変換し、その結果得られた電気信号を、図示せぬコンピュータに供給する。この電気信号は、観察光(蛍光)のスペクトル分析等に利用される。
[調整部の構成]
また、図1の調整部22では、赤外光の位相と振幅をそれぞれ独立に調整することができるようにされており、調整部22は、例えば図2に示すように構成される。
すなわち、調整部22は、音響光学素子61、分散フィルタ62−1乃至分散フィルタ62−3、および合成素子63から構成される。
音響光学素子61は、IRパルスレーザ21から入射した赤外光を偏向させて、赤外光を分散フィルタ62−1乃至分散フィルタ62−3の何れかに入射させる。
分散フィルタ62−1乃至分散フィルタ62−3は、例えば、赤外光の位相と振幅をそれぞれ独立して制御可能な音響光学プログラマブル分散フィルタからなり、音響光学素子61から入射した赤外光の振幅と位相を整形し、合成素子63に入射させる。すなわち、赤外光の位相が調整されることで赤外光に負の分散が与えられ、それとは独立して赤外光の振幅(強度)が適度な大きさとなるように調整される。なお、以下、分散フィルタ62−1乃至分散フィルタ62−3を個々に区別する必要のない場合、単に分散フィルタ62とも称する。
合成素子63は、分散フィルタ62から入射した赤外光が同一光路を通って試料12に照射されるように、赤外光を合成し、コンフォーカルヘッド23へと入射させる。なお、より詳細には、各時刻において、3つの分散フィルタ62のうちの何れか1つから合成素子63に赤外光が入射するので、合成素子63は、入射した赤外光をコンフォーカルヘッド23に入射させる。
[合成素子の構成]
また、合成素子63は、具体的には、例えば図3に示すように複数のミラー等から構成される。なお、図3において、図2における場合と対応する部分には同じ符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図3の例では、合成素子63は、ミラー91、ハーフミラー92、ハーフミラー93、およびミラー94から構成される。分散フィルタ62−1から射出された赤外光は、ミラー91により反射され、さらにハーフミラー92により反射されてハーフミラー93を透過し、コンフォーカルヘッド23に入射する。
また、分散フィルタ62−2から射出された赤外光は、ハーフミラー92を透過し、さらにハーフミラー93を透過してコンフォーカルヘッド23に入射する。分散フィルタ62−3から射出された赤外光は、ミラー94により反射され、さらにハーフミラー93により反射されてコンフォーカルヘッド23に入射する。
このように、各分散フィルタ62から射出された赤外光の光路は、ミラー91乃至ミラー94により適宜偏向され、これらの赤外光は同じ出射角度で合成素子63から出射する。
[分散フィルタの説明]
ところで、IRパルスレーザ21から射出された赤外光の振幅と位相は、分散フィルタ62において、任意に制御することができる。
例えば、赤外光に負の分散が与えられるように、つまり赤外光のパルスの広がり(パルス幅)がより小さくなるように赤外光の位相を調整し、かつ赤外光の振幅を適度な大きさに調整すれば、適切な分散および強度(振幅)の赤外光を試料12に照射することができる。すなわち、コンフォーカルヘッド23内の光学系や、第2対物レンズ24乃至対物レンズ26で生じる赤外光の分散を補償することができる。
このように、赤外光の振幅および位相を分散フィルタ62により調整すれば、試料12への照射時における赤外光のエネルギー効率をより高めることができる。これにより、より高い確率で試料12における多光子励起を発生させることができ、より確実に試料12の観察を行うことができるようになる。
しかしながら、分散フィルタ62は、その性質上、常に赤外光の振幅および位相が整形されるように動作することはできない。
ここで、赤外光の振幅および位相が整形されるように動作可能な期間を有効期間と呼び、赤外光の振幅および位相が整形されるように動作できない期間を無効期間と呼ぶこととすると、無効期間は、有効期間とほぼ同じ長さとなる。また、1つの分散フィルタ62を動作させた場合、有効期間と無効期間が交互に繰り返し生じることになる。
例えば、走査型顕微鏡に、1つの分散フィルタを設け、その分散フィルタにより赤外光の振幅および位相を調整するとする。そして、観察対象の試料上で赤外光を走査させて、512画素×512画素からなる試料の観察画像が1秒間で得られるように走査型顕微鏡を動作させるとする。
このような場合、観察画像の1ライン分の画像が約1/500秒で取得されることになる。つまり、約1/500秒の間に、1ラインに相当する試料の観察面の各領域に対して、赤外光が照射されることになる。
通常、分散フィルタの有効期間と無効期間の繰り返しの周波数は30kHz程度であるので、1つの分散フィルタを用いて赤外光の振幅と位相の調整を行うと、1ライン分の画像を取得する期間には、約60(=30000×(1/500))回の無効期間が含まれることになる。すなわち、観察画像の1ラインには、約60箇所だけ、何も表示されない箇所(試料が表示されない箇所)が生じることになり、観察画像の画質が劣化してしまう。
そこで、走査型顕微鏡11では、赤外光の振幅と位相を制御する光学素子として、3つの分散フィルタ62を設け、例えば図4に示すように、各時刻において、3つの分散フィルタ62のうちの何れかが有効に動作するように、調整部22により分散フィルタ62の動作が制御される。
なお、図4において、横方向は時間を示しており、矢印F11乃至F13は、分散フィルタ62−1乃至分散フィルタ62−3の有効期間および無効期間を示している。すなわち、矢印F11乃至F13により示される矩形波の上に突の期間は、有効期間を示しており、下に突の期間は無効期間を示している。
図4の例では、3つの分散フィルタ62の何れかが有効期間となっている間は、他の2つの分散フィルタ62は、ほぼ無効期間となっており、各分散フィルタ62は、有効期間と無効期間が交互に繰り返されるように、調整部22により動作が制御されている。また、各分散フィルタ62における有効期間と無効期間の繰り返しのタイミングは、それぞれ1/3周期ずつずらされている。
例えば、時刻t1から時刻t2の期間は、分散フィルタ62−1だけが有効に動作しており、他の分散フィルタ62は殆ど有効に動作していない。また、時刻t2から時刻t3の期間は、分散フィルタ62−2だけが有効に動作しており、時刻t3から時刻t4の期間は、分散フィルタ62−3だけが有効に動作している。
このように、調整部22は、各時刻において何れかの分散フィルタ62が有効に動作するように、つまり各分散フィルタ62の有効期間にずれが生じるように分散フィルタ62の動作を制御する。そして、調整部22は、有効に動作している分散フィルタ62に赤外光が入射するように音響光学素子61の動作を制御する。
具体的には、時刻t1から時刻t2の間は、分散フィルタ62−1に赤外光が入射し、時刻t2から時刻t3の間は、分散フィルタ62−2に赤外光が入射し、時刻t3から時刻t4の間は、分散フィルタ62−3に赤外光が入射するようにされる。また、時刻t4から時刻t5の間は、再び分散フィルタ62−1に赤外光が入射するようにされる。
つまり、分散フィルタ62−1、分散フィルタ62−2、分散フィルタ62−3の順番で、繰り返しそれらの分散フィルタ62に赤外光が入射するように、赤外光の光路が偏向される。
このように、有効に動作している分散フィルタ62に赤外光が入射するように、音響光学素子61の動作を制御することで、合成素子63から、常に振幅と位相が適切に調整された赤外光が射出されるようにすることができる。これにより、常に、試料12に振幅と位相が適切に調整された赤外光を照射することができ、各時刻において、より確実に試料12での多光子励起を発生させ、より画質のよい観察画像を得ることができる。
また、赤外光の走査等の走査型顕微鏡11全体の動作を、分散フィルタ62の動作に合わせる必要がなくなるため、時間的により効率よく試料12を観察できるだけでなく、赤外光の走査もより高速に行うことができる。
[変形例1]
なお、以上においては、音響光学素子61を用いて、有効に動作している分散フィルタ62に赤外光を入射させる例について説明したが、図5に示すように、偏光ビームスプリッタ(PBS(Polarizing Beam Splitter))等の光学素子が用いられるようにしてもよい。
図5の例では、調整部22は、分散フィルタ62−1、分散フィルタ62−2、偏光ビームスプリッタ111、ミラー112、ミラー113、および偏光ビームスプリッタ114から構成される。なお、図5において、図3における場合と対応する部分には同一の符号を付しており、その説明は適宜、省略する。
IRパルスレーザ21から射出された赤外光は、偏光ビームスプリッタ111に入射し、分離される。例えば、偏光ビームスプリッタ111には偏光面が設けられており、入射した赤外光のP偏光の成分は、偏光面をそのまま透過して分散フィルタ62−1に入射する。そして、分散フィルタ62−1に入射した赤外光は、分散フィルタ62−1において振幅と位相が調整されて偏光ビームスプリッタ114を透過し、コンフォーカルヘッド23へと入射する。
これに対して、偏光ビームスプリッタ111に入射した赤外光のS偏光の成分は、偏光ビームスプリッタ111の偏光面において反射し、ミラー112に入射する。そして、ミラー112に入射した赤外光は、ミラー112で反射して分散フィルタ62−2に入射し、分散フィルタ62−2で振幅と位相が調整され、ミラー113に入射する。ミラー113に入射した赤外光は、ミラー113で反射し、さらに偏光ビームスプリッタ114の偏光面で反射して、コンフォーカルヘッド23へと入射する。
このように、図5の調整部22では、偏光ビームスプリッタ111を利用して、赤外光を成分ごとに分離し、分散フィルタ62に入射させる。そして、振幅および位相が調整された赤外光を、偏光ビームスプリッタ114を用いて合成し、射出する。これにより、分散フィルタ62−1からの赤外光と、分散フィルタ62−2からの赤外光との光路が同一光路となるように、それらの赤外光を合成することができる。
なお、図5では、赤外光が成分ごとに分離されるため、分散フィルタ62−1と分散フィルタ62−2には、常に赤外光が入射することになるが、各時刻において、分散フィルタ62−1と分散フィルタ62−2の何れか一方だけが有効期間となるように制御される。
この場合、有効に動作していない、つまり無効期間である分散フィルタ62では、入射した赤外光は、有効に動作しているときとは異なる角度で射出されるため、無効期間中の分散フィルタ62に入射した赤外光は、コンフォーカルヘッド23には入射しない。すなわち、2つの分散フィルタ62のうち、有効に動作しているものから射出された赤外光のみがコンフォーカルヘッド23に入射されることになる。
このように、偏光ビームスプリッタを利用して、複数の分散フィルタ62に赤外光を入射させることによっても、常に振幅と位相が適切に調整された赤外光を試料12に照射することができるようになり、より画質のよい観察画像を得ることができる。
[変形例2]
また、偏光ビームスプリッタではなく、ハーフミラーを利用して赤外光が分岐されるようにしてもよい。図6は、ハーフミラーを利用する場合における調整部22の構成例を示す図である。
図6では、調整部22は、分散フィルタ62−1、分散フィルタ62−2、ハーフミラー141、ミラー142、ミラー143、およびハーフミラー144から構成される。なお、図6において、図3における場合と対応する部分には同一の符号を付しており、その説明は適宜、省略する。
IRパルスレーザ21からハーフミラー141に入射した赤外光は、その一部がそのままハーフミラー141を透過して分散フィルタ62−1に入射し、残りの赤外光はハーフミラー141で反射してミラー142に入射する。
ハーフミラー141から分散フィルタ62−1に入射した赤外光は、分散フィルタ62−1において振幅と位相が調整されてハーフミラー144を透過し、コンフォーカルヘッド23へと入射する。
これに対して、ハーフミラー141からミラー142に入射した赤外光は、ミラー142で反射して分散フィルタ62−2に入射する。そして、分散フィルタ62−2に入射した赤外光は、分散フィルタ62−2で振幅と位相が調整され、ミラー143で反射し、ハーフミラー144に入射する。さらにハーフミラー144に入射した赤外光は、ハーフミラー144で反射され、コンフォーカルヘッド23へと入射する。
このように、図6の調整部22では、ハーフミラー141を利用して赤外光を分岐させ、2つの分散フィルタ62に入射させる。そして、振幅および位相が調整された赤外光を、ハーフミラー144を用いて合成し、射出する。これにより、分散フィルタ62−1からの赤外光と、分散フィルタ62−2からの赤外光との光路が同一光路となるように、それらの赤外光を合成することができる。
なお、図6においても、図5の場合と同様に、常に分散フィルタ62−1と分散フィルタ62−2に赤外光が入射することになるが、各時刻において、分散フィルタ62−1と分散フィルタ62−2の何れか一方だけが有効期間となるように制御される。
この場合、有効に動作していない分散フィルタ62では、入射した赤外光は、有効に動作しているときとは異なる角度で射出され、無効期間中の分散フィルタ62に入射した赤外光は、コンフォーカルヘッド23には入射しない。
このように、ハーフミラーを利用して、複数の分散フィルタ62に赤外光を入射させることによっても、常に振幅と位相が適切に調整された赤外光を試料12に照射することができるようになり、より画質のよい観察画像を得ることができる。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
11 走査型顕微鏡, 21 IRパルスレーザ, 22 調整部, 23 コンフォーカルヘッド, 26 対物レンズ, 61 音響光学素子, 62−1乃至62−3,62 分散フィルタ, 91 ミラー, 92 ハーフミラー, 93 ハーフミラー, 94 ミラー, 111 偏光ビームスプリッタ, 112 ミラー, 113 ミラー, 114 偏光ビームスプリッタ, 141 ハーフミラー, 142 ミラー, 143 ミラー, 144 ハーフミラー

Claims (4)

  1. 観察対象の試料上で光を走査させる走査型顕微鏡であって、
    前記光の振幅および位相を独立に制御可能であり、動作可能な期間と動作できない期間が生じる光学素子を複数と、
    前記走査が実行されている間の各時刻において、前記複数の光学素子のうちの少なくとも何れかが、前記光の振幅および位相を制御可能に動作するように前記複数の光学素子の動作を制御する制御手段と、
    前記複数の光学素子のうち、少なくとも前記光の振幅および位相を制御可能に動作している前記光学素子に、前記光を入射させる偏向手段と、
    前記複数の光学素子から射出された前記光が、同一光路を通って前記試料に照射されるように、前記光学素子からの前記光を合成する合成手段と
    を備えることを特徴とする走査型顕微鏡。
  2. 前記偏向手段は、前記光を偏向させて、前記複数の光学素子のうち、前記光の振幅および位相を制御可能に動作している前記光学素子に前記光を入射させる音響光学素子である
    ことを特徴とする請求項1に記載の走査型顕微鏡。
  3. 前記偏向手段は、ハーフミラーを備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の走査型顕微鏡。
  4. 前記偏向手段は、偏光ビームスプリッタを備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の走査型顕微鏡。
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