JP5564878B2 - 表面保護用ポリプロピレン系樹脂フィルムおよび表面保護フィルム - Google Patents
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Description
下であり、耐ブロッキング性が10mN以下であることが好ましい。
本発明の表面保護用ポリプロピレン系樹脂フィルムは耐熱寸法安定性に優れているので、例えば、粘着加工等の二次加工適正に優れており、特に130℃近辺の高温で乾燥等の処理を行っても熱皺やフィルムたるみの発生が抑制されるので、該二次加工の生産性の向上や熱皺やフィルムたるみ起因の不良品の発生抑制をすることができる。
また本発明は、厚み斑が小さい。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムはアンチブロッキング剤を実質的に含んでいないのが好ましく、例えば、アンチブロッキング剤を含んだフィルムを走行させた場合に、磨耗等でアンチブロッキング剤の脱落が起こるという課題が回避できるので、該脱落物による汚染や障害発生等が抑制される。
また、本発明の表面保護用ポリプロピレン系樹脂フィルムは滑剤を実質的に含んでいないのが好ましく、例えば保護フィルムの基材フィルムとして用いた場合に、被包装物や被保護体への滑剤の移行がないのでこれらの被包装物や被保護体の汚染が抑制される。
また、本発明は滑剤やアンチブロッキング剤を実質的に含まないにも拘らず、表面粗さが適切であり、フィルムの滑り性や耐ブロッキング性が良好で、かつ剛性に優れているので、フィルムの取り扱い性に優れている。
また、透明性に優れているので、被包装物や被保護体の視認性に優れる。
また、フィルムの強度があるため、取り扱い性に優れる。
また、着色剤が表面層以外の少なくとも1層に添加されており、着色剤の表面ブリードによる被包装物や被保護体の汚染が抑制される。
本発明において用いられるポリプロピレン系樹脂は、ホモポリプロピレン樹脂、エチレンやその他のα−オレフィンを共重合されたランダム共重合ポリプロピレン樹脂、ブロック共重合ポリプロピレン樹脂から1種ないしは3種の混合により用いることができる。
透明性の点からはホモポリプロピレン樹脂またはエチレンやその他のα−オレフィンを共重合されたランダム共重合ポリプロピレン樹脂を主に用いることが好ましく、衝撃性や滑り性、特に耐ブロッキング性を向上させる場合はブロック共重合ポリプロピレン樹脂を主に用いることが好ましい。混合比は任意に調整することができる。
上記ポリプロピレン系樹脂全体の極限粘度が1.5〜4.0、20℃キシレン可溶部の極限粘度が1.0〜4.0、20℃キシレン不溶部の極限粘度が1.0〜4.0であるものが好ましい。また、本発明で使用するポリプロピレン系樹脂のメルトフローレートは230℃において2〜20g/10分であるものが好ましい。
9%以下だと高温加工時にフィルムが塑性変形しやすくかつ耐衝撃性に劣る。16%以上だと弾性フィルム変形率指標が大きくなり、加工適性が劣るため好ましくない。
また20℃キシレン可溶部量は、その下限はフィルムが曲がった際の白化防止の点から10%以上がより好ましく、またフィルムの耐ブロッキング特性の面から15%以下がより好ましい。
このとき、本発明のフィルムの耐ブロッキング特性としては、後述する評価で1〜10mN以下であることが好ましく。1〜7mN以下であることがさらに好ましい。
一方、該ブロック共重合樹脂による海/島構造によるフィルム表面突起の形成はフィルムの透明性の低下を引き起こすので、該方法においては、表面突起の形成による滑り性や耐ブロッキング性の改善効果と透明性の確保とは二律背反事象となる。従って、フィルムのヘーズ値が重要な要因となる。
従って、本発明においては、フィルムのヘーズ値を40%以下にすることが重要となる。35%以下が好ましく、30%以下がよりに好ましい。ヘーズ値を40%以下にすることにより被包装物や被保護体の視認性が向上し、包装袋材料として用いた場合には、被包装物の内容確認が容易となる。また、表面保護フィルム用材料として用いた場合には、表面保護フィルムを貼り付けたままで、例えば、被保護体の検査等を行うことが可能となる。逆に、ヘーズ値が40%を超えた場合は、透明性が悪化し、色差計の数値に関係なく被包装物や被保護体の視認性が低下するので好ましくない。一方、ヘーズ値の下限は低い方が透明性が向上するので好ましいが、上記方法により滑り性を付与する点との関連において、5%以上が好ましく、10%以上がより好ましい。
フィルムの結晶化度の下限は40%以上がより好ましく、50%以上が耐熱寸法安定性の観点から最も好ましい。一方、フィルムの結晶化度の上限は60%以下が透明性の観点から好ましい。
ここでいう弾性フィルム変形率とは、フィルムの流れ方向に一定荷重をかけて昇温・降温した際の変形率に常温での流れ方向のフィルム弾性率を掛け合わしたものであり、より好ましくは6.0×10の3乗%・MPa未満である。
20℃キシレン可溶部量が小さすぎたり、結晶化度や複屈折率が大きすぎると、フィルム弾性率が大きくなりすぎて弾性フィルム変形率は好ましい範囲を外れる。この時フィルムは塑性変形したり取扱いが難しくなる。逆に20℃キシレン可溶部量が大きすぎたり結晶化度や複屈折率が小さすぎたりすると、変形率が大きくなりすぎて弾性フィルム変形率は好ましい範囲を外れる。この時フィルムは粘着加工時に寸法安定性が悪化する。
0.03〜0.05mmといわれている。該対応により、外観不良や、例えば、保護フィルムの基材フィルムとして用いた場合に、前述した粘着不良によるメッキ液の保護部分への浸透による障害発生等を抑制することができる。
例えば、前述の特許文献23等で開示されているホモポリプロピレン樹脂を用いた製膜においては発生しない本発明において発生する特有の現象である。
溶融樹脂の冷却条件制御における結晶化度のコントロール
溶融樹脂の引取り・冷却固化時のドラフト比制御
である。
本発明の押出フィルムは、Tダイ法によって製膜された未延伸フィルムであり、フィルムの厚みは特に限定しないが、1〜500μmであるのが一般的であり、好ましい厚みのものが必要に応じ選択される。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物を押出フィルムとして利用するための製膜条件としては、ダイス温度200℃〜250℃、冷却ロール温度40〜65℃で行うのが好ましい。45〜60℃がより好ましい。冷却ロール温度が40℃未満では、耐熱寸法安定性に十分な結晶化度が得られないため好ましくない。逆に、65℃を超えた場合は、冷却ロールのタッチロールマークが発生するので好ましくなく、また透明性が極端に低下することもある。また、冷却時間については特に限定されるものではないが、0.5秒以上の範囲が好ましい。冷却時間が0.5秒未満では冷却効果が不十分なため、冷却ロールのタッチロールマークが発生するので好ましくない。一方、冷却時間の上限は、フィルムの結晶化度の観点からは特に制限されるものではないが、経済性・生産性の観点から5秒以下がより好ましく、3秒以下がより好ましい。
結晶化度を任意に調整する手段として結晶核剤を併用する場合は、前述の通りフィルムのフィッシュアイ増加が懸念されるため100ppm以下の添加にする必要がある。そこで冷却条件による溶融樹脂の冷却条件制御による結晶化度のコントロールを見出した。
本発明の押出フィルムは、溶融押出し後の引取り工程でのドラフト比が0.4〜3.0の範囲に調整することによりフィルムの複屈折率が所定の範囲に達することができる。ドラフト比は以下の製膜条件により算出することが一般的に知られている。
ドラフト比=(フィルム引取速度/ダイス出口溶融樹脂速度)÷エアーギャップ
エアーギャップとはダイス出口から引取(冷却)ロールに溶融樹脂が接するまでの距離(cm)を意味する。
ドラフト比が0.4未満の場合、フィルムの厚み斑が増大し、粘着加工の際にフィルムの平面性が低下するため好ましくない。また、ドラフト比が3.0を超える場合は複屈折率が所定の範囲を超えてしまい耐衝撃性が著しく低下してしまいフィルム自体の力学特性が低下する問題があるので好ましくない。
従来の未延伸ポリプロピレンフィルムでは耐熱寸法安定性を向上させる目的でフィルム引取速度を高める(ドラフト比を小さくすることで)傾向にあるが、本発明の表面保護用ポリプロピレン系樹脂フィルムは前述のフィルム結晶化度のコントロールと、フィルムの製膜・引取時のドラフト比を一定の範囲に制御し、かつ20℃キシレン可溶部の量を一定範囲にすることで耐熱寸法安定性やフィルムの平面性、耐衝撃性のバランスがよくかつ粘着剤塗布工程においてフィルム変形しにくい表面保護用ポリプロピレン系樹脂フィルムを提供できるに至った。
JIS K7210に従い、条件−14の方法(荷重2.16kg、温度230℃
で測定した。
高分子ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の616ページに記載され
ている方法により13C−NMR法で測定した
JIS−K−6714に準拠し、東洋精機製作所製の「ヘーズテスターJ」を用い
て測定した。
広角エッスス線回析 透過法(RIGAKU RINT2500)を用い測定した。
アッベ屈折計を用いて、フィルム流れ方向の屈折率Nxとフィルム流れ方向と直行方向の屈折率Nyを測定し、下記式を用いて計算した。
△n=│Nx−Ny│
1m幅のフィルムサンプル1枚を幅方向3cmピッチに測定し、平均厚みを算出した。次に、測定したフィルムサンプルの中での最大値または最小値のうち平均厚みとの差が大きいいずれかを用い、以下の計算式にて算出した。
厚み変動率(%)=|(平均厚み)―(最大値または最小値)|/(平均厚み)×100
ATM−D1893−67に準じて、90Nの荷重をA4サイズの面積にかけ、60℃雰囲気下で2時間放置後に荷重を取り除いてから、φ5のアルミ棒による剥離抵抗を移動速度100mm/分の条件で測定した。
JIS K7127に準拠し、サンプル形状は1号形試験片に準拠したもの(サンプル長さ200mm、サンプル幅15mm、チャック間距離100mm)を用い、クロスヘッド速度500mm/分の条件にてMD方向(フィルム長手方向)について23℃にて測定した。
ASTM D3420準拠し、サンプルは、縦方向に55〜60cm横方向に9〜10cmにカットする。23℃の部屋でインパクトテスターを使い打ち抜いた時の強度値を小数点以下第1位まで読み取る。その操作を10回繰り返して、その平均値を求める。
成型されたフィルムを流れ方向に33.3cm×流れ方向に対して横方向に30cm切り取り、フィルムの下から蛍光灯を照射した板の上に置き、透過光で目視により観察し、0.1mm以上のフィッシュアイを計測する。次に、カウントしたフィッシュアイを液体窒素中に浸して、硬くした状態で、剃刀で半分に切りそのフィッシュアイの断面を顕微鏡で50〜300倍で観察することにより、核となる物質が無ければ、例えば、セルロースなどを代表とする異物が無ければ、それは未溶融の塊り、原料の一部がゲル化したための塊り、成形中の材料の部分的劣化による塊り等のゲル起因のフィッシュアイと判定する。核がある場合は、異物起因のフィッシュアイと判定しカウントから除外する。
試料5gを沸騰キシレン500mlに完全溶融した後、20℃に降温し、4時間以上放置した。その後、析出物と溶液にろ別し、ろ液を乾固して減圧下70℃にて乾燥した。得られた乾燥物の質量から20℃キシレン可溶部量を測定し、その比率を求めた。
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1、0.2および0.5g/dlの3点について
還元粘度を測定した。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法、すなわち、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求めた。ポリプロピレンについては、溶媒としてテトラリンを用い、温度135℃で評価した。
20℃キシレン可溶部の極限粘度:[η]EP
20℃キシレン不可溶部の極限粘度:[η]Pと全体の極限粘度:[η]Tをそれぞれ測定し、20℃キシレン可溶部の全体に対する重量比率:Xを用いて次式から計算により求めた。
[η]EP=[η]T/X−(1/X−1)[η]P
成型されたフィルムを流れ方向に5cm×流れ方向に対して横方向に25cmに切り出し、金枠にて両端部を保持した状態で水平にフィルム片を120℃の乾熱オーブン内で5分間加熱処理した。加熱処理後直ちにオーブンより取り出して室温下にて30分間放冷却後、フィルムの自体の重さによる垂れ下り(伸び)状態を以下の範囲で目視観察した。
○:垂れ下りがない、または殆どない。
△:僅かに垂れ下り状態が観察される。
×:垂れ下り状態が観察される。
成型されたフィルムを1300mm幅でロール状にスリッター((株)東伸製 SXR−140型)でフィルム長100mを巻き取った際のシワ・タルミの発生状況を目視観察した。
○:走行中及び巻取り時にシワ・タルミの発生がない。
△:僅かに走行中又は巻取り時にシワ・タルミの発生が観察された。
×:走行中又は巻取り時にシワ・タルミの発生が明らかに観察された。
成形されたフィルムを流れ方向10mm×流れ方向に対して横方向に3mmで切り出し、島津製作所社製熱分析装置TMA−60を用い、荷重5g、10℃/minの加熱速度で110℃まで昇温し、その後10分間かけて120℃まで昇温後、30℃に冷却した後の寸法変化率[%]を求めた。
この値に、ヤング率を掛けた物を弾性フィルム変形率とした。
◎:弾性フィルム変形率が6.0×10の3乗未満
○:弾性フィルム変形率が7.0×10の3乗から7.0×10の3乗未満
△:弾性フィルム変形率が7.0×10の3乗から8.0×10の3乗未満
×:弾性フィルム変形率が8.0×10の3乗以上
日本電色工業株式会社製色差計(model Z−300A)を用いてフィルム1枚の値を透過方式で求めた。尚、反射用の試料台にはセラミック製標準白板を置いて測定した。
成形されたフィルムをに、粘着剤(日本合成化学社製コーポニールN−2260 99wt%と日本ポリウレタン社製 コロニールL 1wt%を混合・攪拌したもの)を、乾燥後の接着剤厚みが10μmとなるように塗布後、100℃で3分間乾燥して粘着フィルムを得た。この粘着フィルムを、3mm厚のアクリル板に の条件で貼り付け、
1)粘着フィルムの有無の判別し易さを、以下のように判別した
○:一目で判別可能
△:じっくり見れば判別可能
×:判別不可
2)被着体であるアクリル板ごと、粘着フィルム面を上にしてフォントサイズ8のMS明朝体の文字が印刷された紙の3cm上に置き、文字の認識のし易さで被着体の視認性を下記の通り判断した
○(視認性良い):文字が即座に判別できる
△(視認性がやや劣る):文字を数秒見れば判別できる
×(視認性が劣る):文字が判別できない
(基材層の作成)
プロピレン−エチレンブロック共重合体[ブロックポリマー](プライムポリマー社製:F763)94wt%とアクリレート系酸化防止剤であるスミライザーGS(住友化学社製)5wt%を含むホモポリプロピレン樹脂(MFR=7)よりなるアクリレート系酸化防止剤を含むマスターバッチ樹脂2wt%と青色着色MB(大日精化社製:SSC9F3313B フタロシアニンブルーを1.9%含有)4wt%を、60mmφ単軸押出し機(L/D:22.4)にて溶融押出しして基層とした。
(表面層の作成)
プロピレン−エチレンブロック共重合体(プライムポリマー社製:F763)70wt%とホモポリプロピレン樹脂[ホモポリマー](住友化学社製
:FLX80E4)28wt%とアクリレート系酸化防止剤であるスミライザーGS(住友化学社製)5wt%を含むホモポリプロピレン樹脂(MFR=7)よりなるアクリレート系酸化防止剤を含むマスターバッチ樹脂2重量部を、40mmφ2軸押出し機(L/D:19)にて溶融押出しして表面層とした。
(フィルムの作成)
基材層、スキン層それぞれを各押出し機にて溶融された状態のまま、基材層の両面にスキン層が重なるようにして、250℃の3層Tダイ(マルチマニホールド型、リップ幅1250mm、リップギャップ1mm)内で積層押出しを行った。この際、基材層の両面に表面層が重なるようにした。押出したフィルムを温度50℃のキャスティングロールへエアーナイフで冷却時間2.0秒(製膜速度10m/分)、溶融樹脂の引取り時のドラフト比1.25(ダイスリップギャップ:0.5mm、ダイスリップ出口溶融樹脂速度:1.0m/分、エアーギャップ:8cm)の製膜条件にて吹きつけ、冷却固化して基材層20μm、表面層が各10μmの2種3層未延伸フィルムを得た。
本実施例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは、表1に示したいずれの特性も良好であり、しかも耐衝撃性にも優れており高品質であった。
基材層の処方を、プロピレン−エチレンブロック共重合体(プライムポリマー社製:F763)96wt%とアクリレート系酸化防止剤であるスミライザーGS(住友化学社製)5wt%を含むホモポリプロピレン樹脂(MFR=7)よりなるアクリレート系酸化防止剤を含むマスターバッチ樹脂2wt%と青色着色MB(大日精化社製:SSC9F3313B)2wt%とした以外は実施例1と同様の方法で実施例2のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表1に示す。
本実施例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは、実施例1で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムと同等の特性を有しており高品質であった。
プロピレン−エチレンブロック共重合体(プライムポリマー社製:F763)77wt%とホモポリプロピレン樹脂(住友化学社製:FLX80E4)18wt%とアクリレート系酸化防止剤であるスミライザーGS(住友化学社製)5wt%を含むホモポリプロピレン樹脂(MFR=7)よりなるアクリレート系酸化防止剤を含むマスターバッチ樹脂2wt%と青色着色MB(大日精化社製:SSC9F3313B)3wt%を、60mmφ単軸押出し機(L/D:22.4)にて溶融押出し、押出したフィルムを温度50℃のキャスティングロールへエアーナイフで吹きつけ、7m/min速度で引取り、冷却固化して40μmの単層未延伸フィルムを得た。
本実施例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは、表1に示したいずれの特性も良好であり高品質であった。
基材層の処方を、プロピレン−エチレンブロック共重合体(プライムポリマー社製:F763)94wt%とアクリレート系酸化防止剤であるスミライザーGS(住友化学社製)5wt%を含むホモポリプロピレン樹脂(MFR=7)よりなるアクリレート系酸化防止剤を含むマスターバッチ樹脂2wt%と黄色着色MB(大日精化社製:SSC9F3450Y、ポリアゾ顔料を1.9%含有)4wt%とした以外は実施例1と同様の方法で実施例4のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表1に示す。
本実施例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは、色合いこそ違うものの、実施例1で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムと同等の特性を有しており高品質であった
基材層の処方を、プロピレン−エチレンブロック共重合体(プライムポリマー社製:F763)93wt%とアクリレート系酸化防止剤であるスミライザーGS(住友化学社製)5wt%を含むホモポリプロピレン樹脂(MFR=7)よりなるアクリレート系酸化防止剤を含むマスターバッチ樹脂2wt%と青色着色MB(大日精化社製:SSC9F3313B)3wt%と黄色着色MB(大日精化社製:SSC9F3450Y、ポリアゾ顔料を1.9%含有)2wt%ととした以外は実施例1と同様の方法で実施例4のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表1に示す。
本実施例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは、色合いこそ違うものの、実施例1で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムと同等の特性を有しており高品質であった
基材層の処方を、プロピレン−エチレンブロック共重合体(プライムポリマー社製:F763)97.7wt%とアクリレート系酸化防止剤であるスミライザーGS(住友化学社製)5wt%を含むホモポリプロピレン樹脂(MFR=7)よりなるアクリレート系酸化防止剤を含むマスターバッチ樹脂2wt%と青色着色MB(大日精化社製:SSC9F3313B)0.3wt%とした以外は実施例1と同様の方法で実施例2のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表1に示す。本比較例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは青色が薄く、一目で着色されていることを判別することが困難であった。
基材層の処方を、プロピレン−エチレンブロック共重合体(プライムポリマー社製:F763)88wt%とアクリレート系酸化防止剤であるスミライザーGS(住友化学社製)5wt%を含むホモポリプロピレン樹脂(MFR=7)よりなるアクリレート系酸化防止剤を含むマスターバッチ樹脂2wt%と青色着色MB(大日精化社製:SSC9F3313B)10wt%とした以外は実施例1と同様の方法で実施例2のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表1に示す。本比較例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは青色が濃く、透明性に劣るものであった。
基材層の処方を、プロピレン−エチレンブロック共重合体(プライムポリマー社製:F763)88wt%とアクリレート系酸化防止剤であるスミライザーGS(住友化学社製)5wt%を含むホモポリプロピレン樹脂(MFR=7)よりなるアクリレート系酸化防止剤を含むマスターバッチ樹脂2wt%と黄色着色MB(大日精化社製:SSC9F3450Y)10wt%とした以外は実施例1と同様の方法で実施例2のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表1に示す。本比較例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは青色が濃く、透明性に劣るものであった。
冷却ロール温度を20℃とした以外は実施例1と同様の方法で比較例4のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表2に示す。本比較例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは、透明性が良好になるものの、フィルムの結晶化度が低下してしまい耐熱寸法安定性に劣ったり、加工適性に劣るなど低品質であった。
冷却ロール温度を80℃とした以外は実施例1と同様の方法で比較例5のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表2に示す。
本比較例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは、極度の結晶化が進むため透明性及びインパクト強度が低下したり、加工適正に劣るなど低品質であった。また、製膜時における熱負けにより、タッチロール跡が発生したりフィルム自体の平面性が損なわれたりのフィルム品位の低下するものであった
溶融樹脂の引取り時のドラフト比を0.25(ダイスリップギャップ:0.12mm、ダイスリップ出口溶融樹脂速度:4m/分、エアーギャップ:10cm)に変更する以外は、実施例1と同様の方法で比較例6のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表2に示す。
本比較例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは、厚み変動率が悪化し、フィルムの平面性が低下するとともに、複屈折率が下限より小さいため耐熱寸法安定性や加工適性に劣るため低品質であった。
本発明の表面保護用ポリプロピレン系樹脂フィルムは耐熱寸法安定性に優れているので、例えば、粘着加工等の二次加工適正に優れており、特に130℃近辺の高温で乾燥等の処理を行っても熱皺やフィルムたるみの発生が抑制されるので、該二次加工の生産性の向上や熱皺やフィルムたるみ起因の不良品の発生抑制をすることができる。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムは、着色されているので被着体に貼られているかどうかを容易に認識することができ、また同時に被着体の視認性に優れる。
また本発明は、厚み斑が小さい。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムはアンチブロッキング剤を実質的に含んでいないのが好ましく、例えば、アンチブロッキング剤を含んだフィルムを走行させた場合に、磨耗等でアンチブロッキング剤の脱落が起こるという課題が回避できるので、該脱落物による汚染や障害発生等が抑制される。
また、本発明は滑剤やアンチブロッキング剤を実質的に含まないにも拘らず、表面粗さが適切であり、フィルムの滑り性や耐ブロッキング性が良好で、かつ剛性に優れているので、フィルムの取り扱い性に優れている。
また、本発明の表面保護用ポリプロピレン系樹脂フィルムは滑剤やアンチブロッキング剤を実質的に含んでいないため、保護フィルムの基材フィルムとして用いた場合に、被包装物や被保護体への滑剤やアンチブロッキング剤の移行がないのでこれらの被包装物や被保護体の汚染が抑制される。
また、透明性に優れているので、被包装物や被保護体の視認性に優れる。
また、フィルムの強度があるため、取り扱い性に優れる。
また、上記の耐熱寸法安定性が向上しているにも拘らずインパクト強度に優れており、ブロックポリプロピレン系樹脂よりなることにより付加される耐衝撃性のよさが維持されており、保護フィルムとして用いた場合の信頼性が高い。
Claims (6)
- 実質的にポリプロピレン系樹脂を主成分としたポリプロピレン系樹脂フィルムであって、20℃キシレン可溶部量が9%を超え16%未満であり、結晶核剤の含有率が100ppm以下であり、かつ、フィルムの結晶化度が34〜65%、複屈折率(△n)が0.4×10−3〜2.5×10−3 、フィルム中のアンチブロッキング剤の含有量が50ppm以下、耐ブロッキング性が10mN以下、縦方向のヤング率が500Mpa以上、1000MPa以下であり、更に明度L値が70%以上で色差a値が−3.0以上−0.5以下又は色差b値が3.0以上8.0以下であることを特徴とする表面保護用ポリプロピレン系樹脂フィルム。
- 前記フィルムの厚み変動率が±1〜10%であることを特徴とする請求項1記載の表面保護用ポリプロピレン系樹脂フィルム。
- 前記フィルム中の滑剤の含有量が50ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載の表面保護用ポリプロピレン系樹脂フィルム。
- 前記フィルム中の最大直径が0.3mm以上のフィシュアイが0個/m2であり、かつ最大直径が0.3mm未満のフィシュアイが100個/m2以下であることを特徴とする請求項1記載の表面保護用ポリプロピレン系樹脂フィルム。
- 前記フィルムが3層以上の積層品であり、着色剤が表面層以外の少なくとも1層に添加されていることを特徴とする請求項1に記載の表面保護用ポリプロピレン系樹脂フィルム。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の表面保護用ポリプロピレン系樹脂フィルムの少なくとも片面に粘着剤層を設けてなることを特徴とする表面保護フィルム。
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