JP5560591B2 - ポリエステル樹脂組成物、およびその製造方法 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物、およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明はポリエステル樹脂組成物、およびその製造方法に関するものである。特に、色調に優れる成形物を容易に形成し得るポリエステル樹脂組成物、およびその製造方法に関する。
ポリエステルは優れた物理的、化学的特性を有しており、フィルム、繊維、シートなどに広く使用されている。特に、ポリエステルフィルムは耐熱性、耐溶剤性、機械的特性、光学特性において優れた性質を有するために、磁気記録材料、各種写真材料、包装材料、電気絶縁材料、光学材料、一般工業材料等、多くの用途に用いられている。
特に、光学用ポリエステル樹脂は、色調、光線透過率、異物などが重要視されるため、高純度の原料が主に使用されているが、まだ十分ではなく、様々な添加物による改良が行われている。
例えば、特許文献1には、ホスファイト化合物により色調、耐熱性を改善したポリエステル組成物について記載があるが、ホスファイト化合物のみでは色調の改善効果が不十分で、還元されたアンチモンによるL値低下の傾向がある。
特許文献2は、特許文献1と同じ出願人が、ホスファイト化合物のみではL値が低下するため不十分であるとの比較例を提示しており、その改良としてホウ素化合物によるb値、L値の改善方法について記載があるが、ホウ素化合物は一般にポリエステルに使用されているリン化合物に比べ、取り扱いにくく、副生物であるホウ酸エステル類はPRTR法第一種指定化学物質であり、エチレングリコールよりも沸点が低く、系外へ放出されやすいなど、危険性が高い。
特開2006−274147号公報 特開2007−145940号公報
本発明の目的は、色調、生産性に優れたポリエステル樹脂組成物およびその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明は、酸成分としてテレフタル酸単位及び/またはナフタレンジカルボン酸単位、グリコール成分としてエチレングリコール単位を含むポリエステル樹脂組成物であって、アンチモン原子を50ppm以上300ppm以下、リン原子を30ppm以上600ppm以下、マグネシウム原子を20ppm以上100ppm以下、酸化防止剤を0.01重量%以上3.0重量%以下、色調を示すb値が3以下、L値が60以上であり、下記式を満足するポリエステル樹脂組成物である。
0.5≦P/Sb≦2.0 (I)
0.5≦A/Pc≦3.0 (II)
(但し、P、Sbはそれぞれリン原子、アンチモン原子の含有量、Pcはリン化合物の含有量、Aは酸化防止剤の含有量を表し、単位はppm(重量基準)である。)
本発明によれば、色調に優れ、光学用途に適し、特にコスト的に有利なポリエステル樹脂組成物とその製造方法を提供することができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、酸成分としてテレフタル酸単位及び/またはナフタレンジカルボン酸単位、グリコール成分としてエチレングリコール単位を含むポリエステル樹脂組成物であって、アンチモン原子を50ppm以上300ppm以下、リン原子を30ppm以上600ppm以下、マグネシウム原子を20ppm以上100ppm以下、酸化防止剤を0.01重量%以上3.0重量%以下、色調を示すb値が3以下、L値が60以上であり、下記式を満足するポリエステル樹脂組成物である。
0.5≦P/Sb≦2.0 (I)
0.5≦A/Pc≦3.0 (II)
(但し、P、Sbはそれぞれリン原子、アンチモン原子の含有量、Pcはリン化合物の含有量、Aは酸化防止剤の含有量を表し、単位はppm(重量基準)である。)
本発明のポリエステル樹脂組成物に含まれる酸成分としては、テレフタル酸単位及び/またはナフタレンジカルボン酸単位であることが、耐熱性、機械強度の点から必要である。さらに、テレフタル酸としては、9−フルオレノン−2,6−ジカルボン酸を1ppm以上含有するもの、すなわち、精製工程を省略することにより製造された安価な中純度テレフタル酸であることが、コスト的に有利であり、さらには1〜10ppmとすることが色調の点で好ましい。
9−フルオレノン−2,6−ジカルボン酸は、一般にポリエステルの着色原因物質であるといわれており、数ppmでもポリエステル樹脂のb値が高くなるため、光学用途では可能な限り除去し、高純度のテレフタル酸を用いるのが通常である。
一方、本発明によると、9−フルオレノン−2,6−ジカルボン酸を含有する中純度のテレフタル酸を用いたポリエステル樹脂組成物でも光学用途として使用できるレベルにまで色調を改善することが可能である。
本発明のグリコール成分としてはエチレングリコール単位であることが、耐熱性、機械強度の点から必要である。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、全酸成分に対し5mol%未満の範囲で共重合成分を含んでもよい。5mol%以上含有する場合、機械特性、熱特性が低下したり、色調が悪化することがある。
本発明において、ポリエステル樹脂組成物に含有されるリン化合物の量としては、リン原子として、30ppm以上、600ppm以下であることが必要であり、好ましくは色調の点から50〜300ppm、特に重合反応性の点から50〜150ppmであることが好ましい。30ppm未満では十分な色調改善効果は得られず、600ppmを越えると重合反応が遅延したり、重合触媒である三酸化アンチモンが還元されてL値が大幅に低下する。
本発明において、リン化合物の種類としてはホスホナイト化合物および/またはホスファイト化合物であることが色調の点から好ましい。ホスホナイト化合物および/またはホスファイト化合物を含有しない場合、中純度テレフタル酸を用いた場合にb値改善効果が不十分になりやすい。また、ホスホナイト化合物および、ホスファイト化合物に含まれるリン原子の量が10wt%未満であることが、耐熱性、色調の点で好ましく、さらにはアンチモン化合物との反応性が低く、L値が低下しにくい点で一分子内に2つ以上のリン原子を有していることが好ましい。ホスホナイト化合物およびホスファイト化合物に含まれるリン原子の量が10wt%を越える化合物は、b値を下げる効果もあるが、三酸化アンチモンをアンチモンに還元する能力が高く、L値が低下しやすい。また、亜リン酸などの低分子量化合物はアルカリ土類金属と反応して異物を生成しやすいので、触媒組成には注意する必要がある。
また、ホスホナイト化合物よりも三酸化アンチモンを還元しにくいホスファイト化合物が好ましい。
本発明におけるホスホナイト化合物としては、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−tert−ブチルフェニル)(1,1−ビフェニル)−4,4‘−ジイルビスホスホナイト、テトラキス(2,4−tert−ブチルフェニル−5−メチル)(1,1−ビフェニル)−4,4‘−ジイルビスホスホナイトなどが挙げられるが、中でもテトラキス(2,4−tert−ブチルフェニル)(1,1−ビフェニル)−4,4‘−ジイルビスホスホナイト、テトラキス(2,4−tert−ブチルフェニル−5−メチル)(1,1−ビフェニル)−4,4‘−ジイルビスホスホナイトがb値低減効果が大きく好ましい。
一方、本発明におけるホスファイト化合物としては、亜リン酸、亜リン酸トリエチル、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト,ビス(2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト,ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト,ビス(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト,ビス(2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト,ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト,ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト,トリス(2,4−tert−ブチルフェニル)ホスファイト,トリス(2,4,6−トリ−ブチルフェニル)ホスファイト,トリス(4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト,トリス(4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトなどを挙げることができる。これらの中でも、ビス(4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましく、化合物の耐熱性または耐加水分解性に優れる事から、ビス(4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトまたはトリス(2,4−tert−ブチルフェニル)ホスファイトが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、他のリン化合物を含有していても構わない。例えば、リン酸、リン酸トリメチル、エチルジエチルホスホノ酢酸などが挙げられるが、含有量はリン原子換算で30ppm未満であることが好ましい。
本発明のアンチモン化合物は、ポリエステル樹脂組成物におけるアンチモン原子の含有量としては50ppm以上、300ppm以下であることが必要であり、さらには色調の点から50ppm以上、150ppm以下であることが好ましい。50ppm未満の場合、十分な重合反応性が得られず、300ppmを越えると、アンチモン化合物が還元されて生成するアンチモン金属が析出し、L値が低下する。
本発明において、アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンなどが挙げられるが、反応性、耐熱性の点から三酸化アンチモンであることが好ましい。
本発明におけるマグネシウム化合物は、ポリエステル樹脂組成物におけるマグネシウム原子の含有量として20ppm以上、100ppm以下である必要がある。色調のみを改善する場合、マグネシウム化合物は少ない程良いが、耐熱性、静電印加特性、色調の点から30ppm以上、70ppm以下であることが好ましい。20ppm未満の場合、フィルム成形における静電印加特性が低下し、安定製膜が困難となることがあり、100ppmを越えると耐熱性が低下し、b値が上昇しやすくなる。
本発明におけるマグネシウム化合物としては、酢酸マグネシウムが好ましい。
本発明における酸化防止剤とは、ホスホナイト化合物とホスファイト化合物を除いたものである。例えば、ヒンダートフェノール系化合物、ラクトン系化合物、ヒドロキシルアミン系化合物、イオウ系化合物、ヒンダートアミン系化合物を挙げることができるが、耐熱性、重合反応性、色調の点からヒンダートフェノール系化合物であることが好ましい。具体的には、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N‘−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]などを挙げることができるが、中でも、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]であることが耐熱性の点から好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物に含まれるリン原子とアンチモン原子の比は下記式(I)を満足する必要があり、さらには、重合反応性、色調の点から、P/Sbで0.8以上1.5以下であることが好ましい。
0.5≦P/Sb≦2.0 (I)
(ここで、Pはリン原子の含有量、Sbはアンチモン原子の含有量を示し、単位はppm(重量基準)である。)
P/Sbが0.5未満の場合、十分な色調改善効果が得られないことがあり、2.0を越える場合は、重合反応が遅延することがある。
本発明のポリエステル樹脂組成物に含まれる酸化防止剤とリン化合物の比は下記式(II)を満足する必要があり、さらにはA/Pcで0.8以上、1.5以下であることが耐熱性、色調の点で好ましい。
0.5≦A/Pc≦3.0 (II)
(ここで、Aは酸化防止剤の含有量、Pcはリン化合物の含有量を示し、単位はppm(重量基準)である)
A/Pcが0.5未満の場合、三酸化アンチモンが還元されてL値が大幅に低下する。3.0を越える場合、酸化防止剤の熱分解によりゲルを生成することがある。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、具体的には次の方法で製造することができる。
すなわち、テレフタル酸及び/またはナフタレンジカルボン酸と、エチレングリコールからポリエステル樹脂組成物を製造する方法において、エステル化反応終了後から固有粘度が0.3に到達するまでの間に、アンチモン化合物をアンチモン原子として50ppm以上300ppm以下、ホスホナイト化合物及び/又はホスファイト化合物をリン原子として30ppm以上600ppm以下、マグネシウム化合物をマグネシウム原子として20ppm以上100ppm以下、酸化防止剤0.01重量%以上3.0重量%以下含有するように添加する際に、式(I)を満足するように添加し、かつ、ホスホナイト化合物及び/またはホスファイト化合物と酸化防止剤とを下記式(II)を満足するように混合して添加するポリエステルの製造方法である。
0.5≦P/Sb≦2.0 (I)
0.5≦A/Pc≦3.0 (II)
(但し、P、Sbはそれぞれリン原子、アンチモン原子の含有量、Pcはホスホナイト化合物とホスファイト化合物の含有量、Aは酸化防止剤の含有量を表し、単位はppm(重量基準)である。)
具体的には、ビスヒドロキエシエチレンテレフタレートを250℃、窒素雰囲気下にて溶融し、この中にテレフタル酸(9−フルオレノン−2,6−ジカルボン酸を5ppm含有)とエチレングリコールのスラリー(重量比:エチレングリコール/テレフタル酸=1.13)を三時間かけて供給してエステル化反応を進め、エステル化反応率が90%以上に達した時点で、三酸化アンチモン、酢酸マグネシウム、リン酸、ホスファイト化合物(及び/またはホスホナイト化合物)、ヒンダートフェノール系酸化防止剤を逐次添加する。
このとき、テレフタル酸は9−フルオレノン−2,6−ジカルボン酸を1ppm以上含有する比較的純度の低い安価なテレフタル酸を使用すると、より安価に製造できるため好ましく、色調の点から1〜10ppmとすることがさらに好ましい。
また、ポリエステル樹脂組成物の色調を良好とするためには、リン化合物の合計とアンチモン化合物の比、および、ホスホナイト化合物とホスファイト化合物の合計と酸化防止剤の比がそれぞれ下記式(I)(II)を満足する必要がある。
0.5≦P/Sb≦2.0 (I)
0.5≦A/Pc≦3.0 (II)
(但し、P、Sbはそれぞれリン原子、アンチモン原子の含有量、Pcはホスホナイト化合物とホスファイト化合物の含有量、Aは酸化防止剤の含有量を表し、単位はppm(重量基準)である。) また、ホスホナイト化合物、ホスファイト化合物、酸化防止剤の添加方法としては、あらかじめ混合して添加することが色調の点から好ましい。あらかじめ混合しておくことで、ホスホナイト化合物や、ホスファイト化合物による三酸化アンチモンの還元反応を効率よく抑制することができる。さらには、これらの混合物をエチレングリコールスラリー、あるいはエチレングリコール溶液として添加することが生産性の点で好ましく、その濃度は20重量%以下とすることが好ましい。エチレングリコールのスラリー或いは溶液とすることにより、添加経路への付着や堆積を防ぐことができる。
このようにして、各種添加物を添加した後は、徐々に昇温、減圧を行い、最終的に290℃、1Torr以下で所定の重合度に達するまで反応を行うことにより、本発明のポリエステル樹脂組成物を製造することができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、色調、光線透過率の点から、色調を示すb値が3以下、L値が60以上である必要があり、さらには、b値2以下とすることが好ましい。b値が3を越える場合、黄色味がでるため、光学用途において好ましくない。また、L値が60未満の場合、光線透過率が低下し、色合いが暗くなるため光学用途には適さない。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、色調に優れるため、光学フィルム用原料として好適に用いることができる。
以下本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。なお、実施例中の特性は次のようにして測定した。
(A.固有粘度)
o−クロロフェノール溶媒を用い、25℃で測定した。
(B.ポリエステルチップのb値、L値の測定)
スガ試験機(株)製 SM−カラーコンピュータ(SM−T)を用い、反射法にて測定した。
(C.ポリエステル樹脂組成物中の金属原子量)
アンチモン原子、リン原子、マグネシウム原子については蛍光X線分析法(堀場製作所社製、MESA−500W型)による定量を行った。
(D.ポリエステル樹脂組成物のカルボキシル基末端量)
Mauliceの方法によって測定した。(文献 M.J.Maulice,F.Huizinga.Anal.Chim.Acta,22 363(1960))
(E.9−フルオレノン−2,6−ジカルボン酸量の測定)
テレフタル酸0.1gを0.5Nアンモニア水7ml、内標液(ニトロベンゼン0.1mlg/アセトニトリル1ml)3mlで溶解し、5μlを注入してHPLCで分析した。
分析条件は以下の通り。
カラム:CAPCELL PAC C18 4.6φ×25cm
TYPE UG 120オングストローム 5μm
移動相:A液 1%酢酸水溶液
B液 アセトニトリル
検出器:UV 254nm(RANGE=0.002AUFS)
カラム温度:50℃
移動相流量:1.2ml/min(0分)→1.44ml/min(80分)
Graduent条件:アセトニトリル濃度 10%(0分)→22.8%(80分)
分析時間:80分
なお、ポリエステル組成物中の含有量についても、ポリエステル組成物をアルカリで加水分解し、モノマー化した後に、同様に分析を行った。
(F.重合反応性評価)
固有粘度0.60に到達するまでの時間をブランク(参考例1)と比較して以下の様に評価した。
◎・・・遅延が15分未満
○・・・遅延が15分以上30分未満
△・・・遅延が30分以上45未満
×・・・遅延が45分以上
(参考例1)
ビスヒドロキシエチルテレフタレート132.3重量部を250℃、窒素雰囲気下で溶融、攪拌する。(以降、反応系内は全て窒素雰囲気下)その後、テレフタル酸(9−フルオレノン−2,6−ジカルボン酸2ppm含有)86.5重量部、エチレングリコール36.5重量部のスラリーをスネークポンプで3.5時間かけて供給、245℃〜250℃の範囲でエステル化反応を実施し、反応率90%ころで、重合缶へ反応生成物132.3重量部を移行した。酢酸マグネシウム4水和物0.035重量部、三酸化アンチモン0.012重量部、リン酸0.005重量部をそれぞれ5分間隔で添加し、重合反応を開始した。最終到達温度は290℃、真空度は0.1torr未満、重合反応時間は2時間30分であった。
(参考例2)
テレフタル酸を高純度のテレフタル酸(9−フルオレノン−2,6−ジカルボン酸1ppm未満)に変更する以外は参考例1と同様にしてポリエステル組成物を得た。
実施例1
リン酸の代わりに、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバスペシャリティケミカル製:IRGANOX1010)0.1重量部とビス(4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(旭電化製:PEP24G)0.1重量部をエチレングリコール4重量部に分散し、スラリー化して添加する以外は参考例1と同様にしてポリエステル組成物を得た。
実施例2
リン酸の代わりに、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバスペシャリティケミカル製:IRGANOX1010)0.1重量部とビス(4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(旭電化製:PEP24G)0.1重量部をエチレングリコール4重量部に分散し、スラリー化して添加する以外は参考例2と同様にしてポリエステル組成物を得た。
比較例1
ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバスペシャリティケミカル製:IRGANOX1010)を添加しない以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物を得た。
実施例3〜5
重合触媒、リン化合物、酸化防止剤、酢酸マグネシウム、9−フルオレノン−2,6−ジカルボン酸の含有量及び種類を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物を得た。
Figure 0005560591
Figure 0005560591

Claims (6)

  1. 酸成分としてテレフタル酸単位及び/またはナフタレンジカルボン酸単位を、グリコール成分としてエチレングリコール単位を含むポリエステル樹脂組成物であり、かつアンチモン原子を50ppm以上300ppm以下、リン原子を30ppm以上600ppm以下、マグネシウム原子を20ppm以上100ppm以下、酸化防止剤を0.01重量%以上3.0重量%以下含有し、色調を示すb値が3以下、L値が60以上であり、下記式を満足するポリエステル樹脂組成物。
    0.5≦P/Sb≦2.0 (I)
    0.5≦A/Pc≦3.0 (II)
    (但し、P、Sbはそれぞれリン原子、アンチモン原子の含有量、Pcはリン化合物の含有量、Aは酸化防止剤の含有量を表し、単位はppm(重量基準)である。)
  2. 酸化防止剤がヒンダートフェノール化合物である請求項1のポリエステル樹脂組成物。
  3. テレフタル酸及び/またはナフタレンジカルボン酸と、エチレングリコールからポリエステル樹脂組成物を製造する方法において、エステル化反応終了後から固有粘度が0.3に到達するまでの間に、アンチモン化合物をアンチモン原子として50ppm以上300ppm以下、ホスホナイト化合物及び/又はホスファイト化合物をリン原子として30ppm以上600ppm以下、マグネシウム化合物をマグネシウム原子として20ppm以上100ppm以下、酸化防止剤0.01重量%以上3.0重量%以下含有するように添加する際に、式(I)を満足するように添加し、かつ、ホスホナイト化合物及び/またはホスファイト化合物と酸化防止剤とを下記式(II)を満足するように混合して添加することを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製造方法。
    0.5≦P/Sb≦2.0 (I)
    0.5≦A/Pc≦3.0 (II)
    (但し、P、Sbはそれぞれリン原子、アンチモン原子の含有量、Pcはホスホナイト化合物とホスファイト化合物の含有量、Aは酸化防止剤の含有量を表し、単位はppm(重量基準)である。)
  4. 酸成分として9−フルオレノン−2,6−ジカルボン酸を1ppm以上含有するテレフタル酸を使用することを特徴とする請求項記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
  5. ホスホナイト化合物及び/またはホスファイト化合物と酸化防止剤とエチレングリコールを混合して添加することを特徴とする請求項または記載のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
  6. ホスホナイト化合物及び/またはホスファイト化合物が、1分子内に2つ以上リン原子を含んでいることを特徴とする請求項のいずれか1項記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
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