JP5558942B2 - 包装錐状食品 - Google Patents

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本発明は、外フィルムと内フィルムとの間にシート状食品を挟んだ包装シートにより、円錐形又は角錐形の食品を包装した包装錐状食品に関するものである。
円錐形又は角錐形の食品として、手巻き寿司の如き円錐状の飯塊を例示することができ、出願人は、円錐状の飯塊を扇形の熱収縮性包装シートによって包装することを提案した(特許文献1)。
上記包装シートは、包装シートの扇形の要(かなめ)側が円錐状飯塊の先細先端側に対応する様にして円錐面を包んでおり、包装シートの円錐状飯塊の拡大端面からのはみ出し部分は熱収縮して絞られている。
包装シートには、扇形の要(かなめ)から、包装シートを2分するための分断可能部が設けられており、該分断可能部を分断して包装を解く。
特開2002−125606号
上記包装シートは、円錐状飯塊の円錐面は勿論のこと、熱収縮して絞られた包装シートの端部によって包まれているから衛生的である。しかし、包装シートの熱収縮絞り部が、分断可能部の分断の邪魔になって上手く包装シートを分断できず、包装を綺麗に解くことに失敗することがあった。
更に、円錐状飯塊の拡大端面上に具材を盛り上げて設けることにより、美観の向上と、食欲増進を図っても、具材が包装フィルムの熱収縮の邪魔になったり、包装シートの熱収縮で具材が見え難くなる等の問題があった。
また、熱収縮絞り部は、飯塊から浮き上がっているため、飯塊がぐらついたり、具材が飯塊からこぼれ出ることもある。
本発明の目的は、上記特許文献1の問題を解決できる、包装錐状食品を明らかにするものである。
上記課題を解決するために、本発明の包装錐状食品は、
扇の中心角αを略2等分する仮想線上を先細先端から半径方向の全長に亘って延びる分断可能部(11)を有する透明の外フィルム(1)と、2枚のフィルム片(21)(21)からなる内フィルム(2)との間に、シート状食品(3)を挟み、両フィルム(1)(2)の外周側をシート状食品(3)が脱出しない様に熱溶着して形成した包装シートSによって、内フィルム(2)を内側にして、シート状食品(3)の円弧状の湾曲縁は、錐状食品(4)の拡大端面の外周縁に接近して該外周縁に沿うように錐状食品(4)の錐面を包み、外フィルム(1)どうしが重なった端縁と錐状に巻き付けられた外フィルム(1)の錐面と接合し、
外フィルム(1)のはみ出した湾曲縁(16)について、外フィルム(1)の端部どうしが重なった湾曲縁(16a)を内側に折り畳み、
該湾曲縁(16a)に対向し、分断可能部(11)と交差する湾曲縁(16b)を内側に折り畳んで外フィルム(1)を重ね合わせ、
外フィルム(1)を重なり合わせたときに飛び出している耳部(16c)(16c)を夫々外フィルム(1)の錐面に向けて折り曲げて、各耳部(16c)(16c)を外フィルム(1)の錐面に接合してなる。
本発明の包装錐状食品によれば、錐状食品(4)の拡大端面側では、外フィルム(1)が重なっているだけであり、前掲の特許文献1のように熱収縮絞り部はないため、錐状食品(4)を外部から視認し易く、美感の向上と食欲の増進を図ることができる。
また、本発明の包装錐状食品は、分断可能部(11)の端部が、錐状食品(4)の拡大端面に位置し、前掲の特許文献1のように熱収縮絞り部に掛かっていないので、上手く外フィルム(1)を分断することができる。
さらに、本発明の包装錐状食品によれば、錐状食品(4)の拡大端面は、外フィルム(1)と密着しているから、錐状食品(4)がぐらつくことはない。
加えて、錐状食品(4)が、具材の入れられた錐状飯塊である場合、具材も外フィルム(1)に密着するから、具材が錐状飯塊から飛び出してしまうこともない。
包装シートの正面側(外側)からの斜視図である。 同上の背面側(内側)からの斜視図である。 図1の線A−Aに沿う断面図である。 包装シートの分解斜視図である。 包装シートに錐状食品を載せた包装途上の斜視図である。 包装シートを錐状食品に巻き付けた包装途上の斜視図である。 外フィルムの湾曲縁を内側に折り曲げた状態を示す包装途上の斜視図である。 包装錐状食品の斜視図である。 包装錐状食品からカットテープを引き出して、外フィルムを分断した状態を示す斜視図である。 外フィルムを分断し、分断端間に手指を挿入して錐状食品を支持した状態の斜視図である。 錐状食品を包装シートから引き出して、錐状食品にシート状食品を直に被せた状態の斜視図である。 角錐形の錐状食品を包装した包装錐状食品の斜視図である。
包装される食品(4)は錐状であり、図1乃至図11を用いた説明では、図5や図11等に示すように円錐形の食品(4)を包装する実施例を示している。
図示の錐状食品(4)は、円錐形の飯塊であり、拡大した端面の中央に形成された凹みに具材(5)が収容されている。実施例の具材(5)は葉野菜やスティック状にカットした根菜である。
錐状食品(4)の大きさは、錐高さ約10cm、拡大端面の直径は約6cmである。
なお、錐状食品(4)は、飯塊と上記具材(5)との組合せに限定されるものではなく、また、形状、大きさ等も上記に限定されるものではないことは勿論である。さらに、錐状食品(4)は円錐形に限らず、四角錐等の角錐形状でも実施可能である。
図1乃至図4に示すように、包装シートSは、夫々透明で略扇形の外フィルム(1)と内フィルム(2)との間に略扇形のシート状食品(3)を挟んで構成されている。
図4に示す如く、外フィルム(1)、内フィルム(2)、シート状海苔(31)の夫々扇形の中心角αは略90°であって、扇形の半径は、外フィルム(1)が約19cm、内フィルム(2)が約12cm、シート状海苔(31)が約10cmである。なお、図示の例では、扇形の外フィルム(4)、内フィルム(2)及びシート状食品(3)の要部分をカットしている。
内フィルム(2)とシート状食品(3)は、錐状食品(4)の錐面の全面に被さる大きさである。又、内フィルム(2)とシート状食品(3)の円弧状の湾曲縁(23)(32)は、錐状食品(4)の拡大端面の外周縁に沿う。
外フィルム(1)は、扇形の中心角αを略2等分する仮想線上に、分断可能部(11)を有している。実施例の分断可能部(11)はカットテープ(12)であって、外フィルム(1)の半径方向の全長に亘って延びている。
外フィルム(1)の扇の要側端縁には、カットテープ(12)を挟んで短く切込み(13)(13)が施されている。
内フィルム(2)は2枚の同形のフィルム片(21)(21)の内端縁どうしを重ねて形成されている。フィルム片(21)(21)の重なり部(22)の幅は約1cmである。
内フィルム(2)は、外フィルム(1)の要(かなめ)側寄りに位置してシート状食品(3)の上から外フィルム(1)に、はみ出したり、ずれることなく被さっている。
内フィルム(2)の外周部は、図1乃至図3に示すように、シート状食品(3)が脱出しない様に外フィルム(1)に半径方向には線状に熱溶着(14)が施されており、円周方向には点状に熱溶着(15)が施されている。
実施例では、内フィルム(2)も外フィルム(1)と同じ素材フィルムで形成されているが、内フィルム(2)は殆んどシート状食品(3)に隠れるので、透明にする必要はない。そのため、内フィルム(2)に錐状食品(4)との滑り良くなる(錐状食品(4)に対して付着性が悪くなる)特別の加工を施して、透明度を犠牲にしても問題はない。
シート状食品(3)は、シート状に加工した可撓性の食品であればよいが、実施例ではシート状海苔(31)である。
包装シートSにて、錐状食品(4)を包装するには、図5に示すように、先細側を下向きにした錐状食品(4)を、外フィルム(1)の分断可能部(11)を上下方向に向けた包装シートSに載置し、図6に示すように、該錐状食品(4)の錐面に巻き付け、包装シートSの左右両端どうしを重ねてラベル(19)又は熱溶着等で接合する。なお、ラベル(19)で接合する場合、名称や原材料名等を記したラベルを用いることができる。
図6に示す如く、錐状食品(4)に包装シートSを巻き付けた状態で、外フィルム(1)の湾曲縁(16)側は、錐状食品(4)の拡大端面から大きく上方にはみ出ている。
次に、図7に示すように、外フィルム(1)のはみ出した湾曲縁(16)について、外フィルム(1)の端部どうしが重なった湾曲縁(16a)を内側に折り畳み、該湾曲縁(16a)に対向し、分断可能部(11)と交差する湾曲縁(16b)を内側に折り畳んで外フィルム(1)を重ね合わせる。これにより、錐状食品(4)の拡大端面は、外フィルム(1)によってほぼ密着した状態で覆われる。
その後、外フィルム(1)を錐状食品(4)の拡大端面で重なり合わせたときに飛び出している耳部(16c)(16c)を夫々外フィルム(1)の錐面に向けて折り曲げて、各耳部(16c)(16c)を外フィルム(1)の錐面に熱溶着(18)又はラベル等により接合する。
なお、耳部(16c)(16c)の先端は、尖った儘でもよいが、図8に示すように切断すると、見栄えがよくなると共に、先端が他の物品等と引っ掛かることを防止できる。
上記により、図8に示すように、錐状食品(4)を包装シートSに巻回し、錐状食品(4)の拡大端面をほぼ密着した状態で覆って包装した包装錐状食品を得ることができる。
包装錐状食品の包装を解くには、図9に示すように、錐状食品(4)の先細側から、外フィルム(1)の切込み(13)(13)間を摘んで、カットテープ(12)を錐状食品(4)の拡大側に引っ張り、外フィルム(1)を2分する。
次に、図10に示すように、外フィルム(1)の分断端縁間から手指Fを挿入して、シート状海苔(31)の上から錐状食品(4)を支持し、他方の手で、図11に示すように、矢印方向に外フィルム(1)の分断部の反対側を引っ張る。これによって、分断された外フィルム(1)と、内フィルム(2)のフィルム片(21)(21)が一緒に引っ張り出され、シート状海苔(31)だけが残って、該シート状海苔(31)が直に錐状食品(4)に被さる。
上記包装錐状食品は、錐状食品(4)の拡大端面及び具材(5)は外フィルム(2)にほぼ密着しているから、錐状食品(4)がぐらつくことはなく、また、具材(5)が脱落することもない。さらに、具材(5)を衛生的に保護できる。
また、外フィルム(1)のみを通して具材(5)が見えるから、美観を高め、食欲増進を損なうこともない。
内フィルム(2)を透明とする必要がないので、錐状食品(4)に対して付着性の悪くなる加工を施して透明度が低下したフィルムでも、内フィルム(2)に用いることができる。
外フィルム(1)の分断可能部(11)はカットテープ(12)であるから、外フィルム(1)を簡単に綺麗に2分できる。
上記実施例では、錐状食品(4)は、円錐形であったが、上記と同様の要領で、図12に示すように四角錐の錐状食品(4)を包装することもできる。なお、三角錐、その他の錐形状の食品を包装できることは勿論である。
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
本発明は、錐状食品を包装シートにより包装した包装錐状食品として有用である。
(1) 外フィルム
(11) 分断可能部
(12) カットテープ
(2) 内フィルム
(21) フィルム片
(3) シート状食品
(31) シート状海苔
(4) 錐状食品
(5) 具材

Claims (5)

  1. 扇の中心角αを略2等分する仮想線上を先細先端から半径方向の全長に亘って延びる分断可能部(11)を有する透明の外フィルム(1)と、2枚のフィルム片(21)(21)からなる内フィルム(2)との間に、シート状食品(3)を挟み、両フィルム(1)(2)の外周側をシート状食品(3)が脱出しない様に熱溶着して形成した包装シートSによって、内フィルム(2)を内側にして、シート状食品(3)の円弧状の湾曲縁は、錐状食品(4)の拡大端面の外周縁に接近して該外周縁に沿うように錐状食品(4)の錐面を包み、外フィルム(1)どうしが重なった端縁と錐状に巻き付けられた外フィルム(1)の錐面と接合し、
    外フィルム(1)のはみ出した湾曲縁(16)について、外フィルム(1)の端部どうしが重なった湾曲縁(16a)を内側に折り畳み、
    該湾曲縁(16a)に対向し、分断可能部(11)と交差する湾曲縁(16b)を内側に折り畳んで外フィルム(1)を重ね合わせ、
    外フィルム(1)を重なり合わせたときに飛び出している耳部(16c)(16c)を夫々外フィルム(1)の錐面に向けて折り曲げて、各耳部(16c)(16c)を外フィルム(1)の錐面に接合してなる、包装錐状食品。
  2. 内フィルム(2)の円弧縁と外フィルム(1)の熱溶着(15)は、シート状食品(3)の円弧縁に接近している、請求項1に記載の包装錐状食品。
  3. 外フィルム(1)の分断可能部(11)は、外フィルム(1)に施したカットテープ(12)である、請求項1又は2に記載の包装錐状食品。
  4. 錐状食品(4)は、円錐形である請求項1乃至請求項3の何れかに記載の包装錐状食品。
  5. 錐状食品(4)は、角錐形である請求項1乃至請求項3の何れかに記載の包装錐状食品。
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