JP5557576B2 - 鋼材の熱間矯正方法 - Google Patents
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特許文献1では、予め設定した入側最大加工度、出側最大加工度と、帯板の板厚、板幅、降伏点応力とから、入側及び出側の最適設定圧下値を算出し、得られた圧下値の設定にて帯板を通板した際の予測矯正反力と帯板先端部がローラレベラ出側より放出された時点で検出された実矯正反力との偏差により飛び上がり量を算出し、入側及び出側の圧下値を修正している。
また、特許文献2に示すように、塑性変形率を変化させることによって、矯正前の鋼材の平坦度に因らず矯正後の平坦度を良好にすることができると考えられるが、塑性変形率を大きくすることによって、矯正後の鋼材に端波が生じる場合があった。
本発明に係る鋼材の矯正方法は、ローラレベラを用いて鋼材を矯正するに際し、矯正圧下量IM、板幅W、ロール胴長方向の有効たわみ量δ及び矯正反力Pを変数とした判別式を構築し、この判別式の値が所定の条件を満たすように、前記ローラレベラの矯正圧下量を制御した上で、鋼材を矯正することを特徴とする。
本発明に係る鋼材の矯正方法の最も好ましい他の形態は、 ローラレベラを用いて鋼材を矯正するに際し、矯正圧下量IM、板幅W、ロール胴長方向の有効たわみ量δ及び矯正反力Pを変数とした判別式を構築し、この判別式の値が所定の条件を満たすように、前記ローラレベラの矯正圧下量を制御した上で、鋼材を矯正することとし、前記判別式は、式(1)のように構築され、前記所定の条件が式(b)であることを特徴とする。
本発明に係る鋼材の矯正方法の最も好ましい他の形態は、ローラレベラを用いて鋼材を複数回矯正するに際しては、矯正圧下量IM、板幅W、ロール胴長方向の有効たわみ量δ及び矯正反力を変数とした判別式を構築し、この判別式の値が所定の条件を満たすように、少なくとも最終パスにおいて、前記ローラレベラの矯正圧下量を制御した上で、鋼材を矯正することとし、前記判別式は、式(1)のように構築され、前記所定の条件が式(a)又は式(b)であることを特徴とする。
なお、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1には、実施形態で使用するローラレベラ(矯正機)の概念図が示してある。
図1に示すように、ローラレベラ1は、上下の作業ロール(レベリングロール)2を複数本有しており、鋼材3の移送方向に沿って千鳥状に配置されている。上側のレベリングロール2a(5本)は、上側ハウジング4に回転自在に枢支されており、下側のレベリングロール2b(6本)は、下側ハウジング5に回転自在に枢支されている。
本発明では、ローラレベラ1を用いて鋼材3を矯正するに際し、矯正圧下量IM、板幅W、ロール胴長方向の有効たわみ量δ及び矯正反力を変数とした判別式を構築し、この判別式の値が所定の条件を満たすように、IM(入力圧下量)を制御した上で、鋼材3を矯正することとしている。例えば、判別式は、式(1)のように構築し、式(1)にて算出された値が、所定の条件である式(a)を満たすように鋼材3を矯正している。
本発明は、ローラレベラ1にて鋼材3を矯正する際に用いる矯正条件のうち、矯正圧下量IM、板幅W、ロール胴長方向の有効たわみ量δ、矯正反力Pに着目し、これらから求められる式(1)の値が、式(a)にて示される所定値以下にすることによって、矯正後の鋼材3における端波を抑制しようとするものである。
鋼材3をローラレベラ1にて、矯正前の鋼材3の平坦度に因らず矯正後の平坦度を良好にすることを考えると、鋼材3を矯正するに際し、最大加工度、あるいは塑性変形率を大きくすると良いと思われる。しかしながら、最大加工度や塑性変形率を大きくすると、レベリングロール2(矯正ロール)が胴長方向にたわんでしまい、これにより、鋼材3が板幅方向端部に不均一な状態で押込まれ、その結果、矯正後の鋼材3に端波が生じることがある。
なお、図2に示すように、ロール胴長方向の有効たわみ量δとは、上方のレベリングロール(矯正ロール)2aが最も撓んでいる箇所から鋼材の表面までの距離である。
そこで、発明者らは、このような現象においてなるべく少ない変数によりこの現象(上側ハウジング4の弾性変形の影響)を説明できる式を考案するため、実機での種々の矯正条件と矯正後の形状について分析を行い端波発生の判定式を決定した。
以上、発明者らは、種々の矯正条件における実機実験を基に鋭意研究を重ね、端波は、上述したように、矯正圧下量IM、板幅W、ロール胴長方向の有効たわみ量δ(鋼材3の温度)、矯正反力Pなど矯正条件のバラツキの影響などから発生するものとして整理した。
図3(a)に示すように、鋼材3が平坦になっている割合(比率)や鋼材3が端波になっている割合(比率)を見てみると、同一の矯正圧下量IMであっても、平坦や端波は同時に発生している。そのため、ローラレベラ1の矯正圧下量IMのみのファクタにて、鋼材3を矯正したとしても、平坦と端波とを区別できず、鋼材3の端波を制御することができない。
つまり、矯正圧下量IM、板幅W、ロール胴長方向の有効たわみ量δ(鋼材3の温度)、矯正反力Pを考慮して鋼材3を矯正すれば、矯正後の鋼材3の端波を抑えることができる。
次に、鋼材3を矯正するに際し、矯正圧下量IM、板幅W、ロール胴長方向の有効たわみ量δ、矯正反力Pの適用方法について説明する。
鋼材3を矯正する際において、式(1)に予め入力した矯正圧下量IMでは、端波が発生すると分かれば、矯正圧下量IMを臨界値(閾値)まで小さくして、その値を最終的な入力値とする。実機実験での種々の鋼材や矯正条件による矯正後の形状を観察すると上述した図3(b)のようになった。
ローラレベラ1にて鋼材3の矯正を行うにあたっては、まず、設定値の矯正圧下量IMと、鋼材3の板厚、板幅W、板温度を用いて、式(2)〜式(4)や式(6)により、ロール胴長方向の有効たわみ量δ、最大矯正反力Pを求める。つまり、設定値から矯正圧下量IM、鋼材3の板厚、板幅W、板温度(入側の温度)、ロール胴長方向の有効たわみ量δ、最大矯正反力P等の矯正条件を求める(S1)。なお、板温度を求めるに際しては、ローラレベラ1の上流側に設けられた仕上げ圧延機の出側での板温度(測定した板温度)に対してローラレベラ1の入側までの温度低下を予測した矯正温度を用いても良い。
次に、式(1)の値を用いて、鋼材3の端波と、鋼材3の平坦との発生度合を分けるための臨界値(閾値)を決定する(S3)。例えば、図3(b)に示すように、所定の矯正条件(操業条件)における式(1)の計算結果と、平坦及び端波の発生比率とを示す分布図を作成して、この分布図からy=0.1が端波が発生し難いものとし、この値を臨界値(k=0.1とする。なお、k値の決定は、ローラレベラ1の装置毎に複数行っておく。
具体的には、予め決定した鋼材3の目標塑性率を確保するために、板厚(狙い厚)、板幅W(圧延幅)、板温度を用いて、目標塑性率を確保するために必要な矯正圧下量IMを求める。なお、塑性率は曲げ曲率と弾性限曲げ曲率により式(7)で示される。
また、式(2)〜式(4)や式(6)を用いて最大矯正反力P、ロール胴長方向の有効たわみ量δを計算する。また、矯正圧下量IM及びロール胴長方向の有効たわみ量δを板幅Wで除し、IM1/W及びδ/Wを計算する。そして、IM1、IM1/W、δ、δ/W、Pを用いて式(1)を計算する。
ここで、ローラレベラ1を用いて鋼材3を複数回矯正するに際しては、少なくとも最終パスにおいて、式(1)により算出された値が式(a)又は式(1)により算出された値が式(b)を満たすように、ローラレベラ1の矯正圧下量IMを制御した上で、鋼材3を矯正することが好ましい。
以上説明したように、式(1)により算出された値が式(a)又は式(b)を満たすように、矯正圧下量IMを制御することによって、矯正後の鋼材3を、端波の無い平坦なものに確実にすることができる。
即ち、矯正圧下量IM、ロール胴長方向の有効たわみ量δ、板幅W、臨界座屈応力σcrを変数とする式(1−1)のような判別式を用いて矯正圧下量IMを制御してもよい。
つまり、矯正圧下量IM、変形抵抗kf、矯正反力Pを変数として、ロール胴長方向の有効たわみ量δを求めておき、求められた有効たわみ量δを含む式(1−1)の値が式(a)を満たすように、ローラレベラ1の矯正圧下量IMを制御した上で、鋼材3を矯正してもよい。
なお、ロール胴長方向の有効たわみ量δを求める際は、例えば、単純支持梁モデルを使用して求めてもよいが、実際の装置に適用した場合に装置ごとに誤差があるため、式(1−1)に示す定数a1にて調整することが好ましい。また、臨界座屈応力σcrを求める際は、例えば、有限要素法によって予め求めておき、その値をテーブル値として持っておくことが好ましい。
上記の実施形態では、判別式を式(1)に示すものとしているが、これに代え、式(1)に関数f(x)を加算したものを判別式としてもよい。関数f(x)は、例えば、ロール摩耗量、ベンディング力を示すものであってもよい。
2 レベリングロール
2a 上方のレベリングロール(矯正ロール)
2b 下方のレベリングロール
3 鋼材
4 上側ハウジング
5 下側ハウジング
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