JP5557576B2 - 鋼材の熱間矯正方法 - Google Patents

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本発明は、ローラレベラなどにより鋼材を熱間で矯正する方法に関する。
従来より、熱間圧延による厚鋼板製造工程では、製造された鋼材(例えば、厚鋼板)に反りや、波状などの形状不良が残存している場合、冷間又は熱間にて、複数本の矯正ロールを持つローラレベラ(矯正機)にその厚鋼板を通板させて矯正し、これにより、鋼材の平坦化を行っている。周知のように、ロール矯正機は、矯正ロールRを上下千鳥状に配列して構成されており、上側の矯正ロールが下側の矯正ロール側へ移動し、圧下量を実現するものとなっている。
ローラレベラにより厚鋼板を矯正する技術としては、例えば、特許文献1や特許文献2がある。
特許文献1では、予め設定した入側最大加工度、出側最大加工度と、帯板の板厚、板幅、降伏点応力とから、入側及び出側の最適設定圧下値を算出し、得られた圧下値の設定にて帯板を通板した際の予測矯正反力と帯板先端部がローラレベラ出側より放出された時点で検出された実矯正反力との偏差により飛び上がり量を算出し、入側及び出側の圧下値を修正している。
特許文献2では、鋼材を複数の矯正ロール間に複数パス回数通過させて矯正するに際し、矯正ロールを9本以下として3パス通過させ、かつ塑性変形率を1パス目:80〜85%、2パス目:70〜75%、3パス目:60〜65%としている。
特開昭53−87962号公報 特開2004−283878号公報
しかしながら、特許文献1に示すように、入側最大加工度や出側最大加工度を変化させる(例えば、大きくする)ことによって、矯正前の鋼材の平坦度に因らず矯正後の平坦度を良好にすることができると考えられるが、最大加工度を大きくすると、矯正後の鋼材に端波が生じる場合があった。
また、特許文献2に示すように、塑性変形率を変化させることによって、矯正前の鋼材の平坦度に因らず矯正後の平坦度を良好にすることができると考えられるが、塑性変形率を大きくすることによって、矯正後の鋼材に端波が生じる場合があった。
そこで、本発明は、上記問題点を鑑み、矯正後の鋼材において、端波の抑制をしつつ平坦化にすることができる鋼材の熱間矯正方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明に係る鋼材の矯正方法は、ローラレベラを用いて鋼材を矯正するに際し、矯正圧下量IM、板幅W、ロール胴長方向の有効たわみ量δ及び矯正反力Pを変数とした判別式を構築し、この判別式の値が所定の条件を満たすように、前記ローラレベラの矯正圧下量を制御した上で、鋼材を矯正することを特徴とする。
前記判別式は、式(1)のように構築され、前記所定の条件が式(a)であることが好ましい。
Figure 0005557576
また、本発明に係る鋼材の矯正方法は、前記判別式は、式(1)のように構築され、前記所定の条件が式(b)であることが好ましい。
Figure 0005557576
さらに、本発明に係る鋼材の矯正方法は、ローラレベラを用いて鋼材を複数回矯正するに際しては、矯正圧下量IM、板幅W、ロール胴長方向の有効たわみ量δ及び矯正反力を変数とした判別式を構築し、この判別式の値が所定の条件を満たすように、少なくとも最終パスにおいて、前記ローラレベラの矯正圧下量を制御した上で、鋼材を矯正することを特徴とする。
前記判別式は、式(1)のように構築され、前記所定の条件が式(a)又は式(b)であることが好ましい。
Figure 0005557576
本発明に係る鋼材の矯正方法の最も好ましい形態は、ローラレベラを用いて鋼材を矯正するに際し、矯正圧下量IM、板幅W、ロール胴長方向の有効たわみ量δ及び矯正反力Pを変数とした判別式を構築し、この判別式の値が所定の条件を満たすように、前記ローラレベラの矯正圧下量を制御した上で、鋼材を矯正することとし、前記判別式は、式(1)のように構築され、前記所定の条件が式(a)であることを特徴とする。
本発明に係る鋼材の矯正方法の最も好ましい他の形態は、 ローラレベラを用いて鋼材を矯正するに際し、矯正圧下量IM、板幅W、ロール胴長方向の有効たわみ量δ及び矯正反力Pを変数とした判別式を構築し、この判別式の値が所定の条件を満たすように、前記ローラレベラの矯正圧下量を制御した上で、鋼材を矯正することとし、前記判別式は、式(1)のように構築され、前記所定の条件が式(b)であることを特徴とする。
本発明に係る鋼材の矯正方法の最も好ましい他の形態は、ローラレベラを用いて鋼材を複数回矯正するに際しては、矯正圧下量IM、板幅W、ロール胴長方向の有効たわみ量δ及び矯正反力を変数とした判別式を構築し、この判別式の値が所定の条件を満たすように、少なくとも最終パスにおいて、前記ローラレベラの矯正圧下量を制御した上で、鋼材を矯正することとし、前記判別式は、式(1)のように構築され、前記所定の条件が式(a)又は式(b)であることを特徴とする。
本発明によれば、矯正後の鋼材において、端波を抑制しつつ鋼材の平坦化を確実に行うことができる。
本発明の実施形態で使用するローラレベラの概念図である。 本発明の実施形態で使用するローラレベラにおけるローラの曲がりを示す図である。 矯正後における平坦及び端波の発生比率をまとめたもので、a)矯正圧下量による発生比率、b)式(1)による発生比率である。 ローラレベラにて鋼材の矯正を行う手順を示したフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を、図に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1には、実施形態で使用するローラレベラ(矯正機)の概念図が示してある。
図1に示すように、ローラレベラ1は、上下の作業ロール(レベリングロール)2を複数本有しており、鋼材3の移送方向に沿って千鳥状に配置されている。上側のレベリングロール2a(5本)は、上側ハウジング4に回転自在に枢支されており、下側のレベリングロール2b(6本)は、下側ハウジング5に回転自在に枢支されている。
このローラレベラ1によれば、上側ハウジング4に装着された油圧シリンダ等(図示せず)を用い、上側ハウジング4を下側ハウジング5に近づけることで、上方のレベリングロール2aを下方のレベリングロール2bに対して押し込み、矯正圧下量IMを付与する。その後、上下のレベリングロール2a、2bの間に鋼材3を通すことで、当該鋼材3に繰返しの曲げ変形を与えて、残留応力の低減を図ると共に平坦な形状に矯正することができる。
なお、ローラレベラ1における矯正圧下量IMは、図1の拡大図に示すものであり、上レベリングロール2aの下端位置から下レベリングロール2aの上端位置までの距離である。
本発明では、ローラレベラ1を用いて鋼材3を矯正するに際し、矯正圧下量IM、板幅W、ロール胴長方向の有効たわみ量δ及び矯正反力を変数とした判別式を構築し、この判別式の値が所定の条件を満たすように、IM(入力圧下量)を制御した上で、鋼材3を矯正することとしている。例えば、判別式は、式(1)のように構築し、式(1)にて算出された値が、所定の条件である式(a)を満たすように鋼材3を矯正している。
Figure 0005557576
以下、鋼材3の熱間矯正方法について詳しく説明する。
本発明は、ローラレベラ1にて鋼材3を矯正する際に用いる矯正条件のうち、矯正圧下量IM、板幅W、ロール胴長方向の有効たわみ量δ、矯正反力Pに着目し、これらから求められる式(1)の値が、式(a)にて示される所定値以下にすることによって、矯正後の鋼材3における端波を抑制しようとするものである。
矯正圧下量IM、板幅W、ロール胴長方向の有効たわみ量δ、矯正反力Pに着目した理由、式(a)について説明する。
鋼材3をローラレベラ1にて、矯正前の鋼材3の平坦度に因らず矯正後の平坦度を良好にすることを考えると、鋼材3を矯正するに際し、最大加工度、あるいは塑性変形率を大きくすると良いと思われる。しかしながら、最大加工度や塑性変形率を大きくすると、レベリングロール2(矯正ロール)が胴長方向にたわんでしまい、これにより、鋼材3が板幅方向端部に不均一な状態で押込まれ、その結果、矯正後の鋼材3に端波が生じることがある。
このように、端波の発生に関して、矯正ロール2の胴長方向のたわみが影響することから、本発明では、式(1)に示すように、ロール胴長方向の有効たわみ量δとを考慮することとしている。
なお、図2に示すように、ロール胴長方向の有効たわみ量δとは、上方のレベリングロール(矯正ロール)2aが最も撓んでいる箇所から鋼材の表面までの距離である。
さて、鋼材3を矯正することを考えれば、矯正圧下量IMのファクタは非常に重要である。ここで、矯正ロールのたわみにより板幅方向での矯正圧下量IMが変化したとすると、鋼材3の両端部が伸びるために端波が発生する。このような幅方向の矯正圧下量IMの変化は、矯正ロール及びこの矯正ロールを支持する上側ハウジング4の弾性変形により決定されるが、上側ハウジング4の弾性変形を考慮すると鋼材3の矯正は複雑になり過ぎ、精度良く鋼材3を矯正することができない。
即ち、実機では、非常に複雑な構造により、上側ハウジング4等の弾性変形が起こるため、上側ハウジング4の弾性変形を直接ファクタとして鋼材3の矯正に盛り込むことは、制御するファクタが複雑化して実質的に適用することが非常に困難である。
そこで、発明者らは、このような現象においてなるべく少ない変数によりこの現象(上側ハウジング4の弾性変形の影響)を説明できる式を考案するため、実機での種々の矯正条件と矯正後の形状について分析を行い端波発生の判定式を決定した。
具体的には、矯正圧下量IMが深いほど鋼材3の塑性変形は大きくなり幅方向の矯正圧下量分布が端波発生に影響することから、式(1)に示すように矯正圧下量IMは入力値として鋼材3の矯正の際に考慮することとしている。また、鋼材3の塑性変形と矯正圧下量IMとの関係は、鋼材3の幅(板幅W)の影響を受けることから、式(1)に示すように鋼材3の板幅Wは入力値として鋼材3の矯正の際に考慮することとしている。また、上述したように、矯正ロールの胴長方向のたわみは、端波に影響することから、式(1)に示すようにロール胴長方向の有効たわみ量δは鋼材3の矯正の際に考慮することとしている。
これに加えて、ローラレベラ1の全体のたわみを考えると、最大矯正反力Pも端波に影響すると考えられるため、式(1)に示すように最大矯正反力Pも鋼材3の矯正の際に考慮することとしている。
以上、発明者らは、種々の矯正条件における実機実験を基に鋭意研究を重ね、端波は、上述したように、矯正圧下量IM、板幅W、ロール胴長方向の有効たわみ量δ(鋼材3の温度)、矯正反力Pなど矯正条件のバラツキの影響などから発生するものとして整理した。
図3(a)は、上記実験結果をローラレベラ1の矯正圧下量IMのみに着目して平坦及び端波の発生状況をまとめたものである。図3(b)は、矯正圧下量IM、板幅W、ロール胴長方向の有効たわみ量δ(鋼材3の温度)、矯正反力Pを用いて制御を行った場合での平坦及び端波の発生状況をまとめたものである。
図3(a)に示すように、鋼材3が平坦になっている割合(比率)や鋼材3が端波になっている割合(比率)を見てみると、同一の矯正圧下量IMであっても、平坦や端波は同時に発生している。そのため、ローラレベラ1の矯正圧下量IMのみのファクタにて、鋼材3を矯正したとしても、平坦と端波とを区別できず、鋼材3の端波を制御することができない。
一方で、図3(b)に示すように、鋼材3が平坦になっている割合(比率)や鋼材3が端波になっている割合(比率)を見てみると、式(1)の値が所定値(k=0.1)以下となるように制御することによって、平坦と端波とを図3(a)に比べて区別することができ、鋼材3の端波を制御することができる。
つまり、矯正圧下量IM、板幅W、ロール胴長方向の有効たわみ量δ(鋼材3の温度)、矯正反力Pを考慮して鋼材3を矯正すれば、矯正後の鋼材3の端波を抑えることができる。
例えば、鋼材3を矯正するに際して、式(1)に示すように、矯正ロールの胴長方向たわみに起因する端波が発生しない式(a)を満たすように、矯正圧下量IMにて矯正を行うことによって、鋼材3に端波が発生せずに良好な矯正を行うことができる。即ち、式(1)に示すように、端波が発生しない矯正圧下量IMの臨界値が分かれば、矯正圧下量IMを臨界値以下とすることによって端波を抑制できる。
なお、式(1)の値と式(a)の値(k)とが同じ値、つまり、式(1)により算出された値が式(b)を満たすように、ローラレベラ1の矯正圧下量IMTを制御して鋼材3を矯正することによって、平坦と端波とを完全に区別する矯正を行うことができる。
Figure 0005557576
なお、kの値は、操業実績(実機実験の結果)等を用いて、鋼材の板厚毎に分類してもよいし、その他の操業条件にて分類してもよい。なお、式(1)に示すa1〜a6は、実機実験の結果を基に重回帰計算により求める。
次に、鋼材3を矯正するに際し、矯正圧下量IM、板幅W、ロール胴長方向の有効たわみ量δ、矯正反力Pの適用方法について説明する。
鋼材3を矯正するに際しては、矯正圧下量IM、板厚及び板幅Wを、入力値(設定値)として式(1)に代入する。最大矯正反力Pは、例えば、曲げ曲率κや曲げモーメントMを用いて、式(2)〜式(4)に示す1次元の単純曲げ理論や材料力学の連続はり理論から求め、この計算結果を式(1)に代入することとしている。
Figure 0005557576
式(2)〜式(4)により、最大矯正反力Pを求める。この実施形態では、最大矯正反力Pは、4番目の矯正ロールの値となる(4番目での矯正ロールにおける反力が最大となる)。なお、式(2)〜式(4)に示すように、最大矯正反力Pは、矯正圧下量IM、板幅W、板厚hなどの関数となる(式(5)参照)。
Figure 0005557576
また、ロール胴長方向の有効たわみ量δは、例えば、式(6)に示すように、はりの理論にて求める。
Figure 0005557576
式(1)に示すように、矯正圧下量IM、ロール胴長方向の有効たわみ量δ、矯正反力Pが大きくなるほど、また、矯正圧下量IMとロール胴長方向の有効たわみ量δが同じであれば、板幅Wが大きくなるほど端波が発生することになる。
鋼材3を矯正する際において、式(1)に予め入力した矯正圧下量IMでは、端波が発生すると分かれば、矯正圧下量IMを臨界値(閾値)まで小さくして、その値を最終的な入力値とする。実機実験での種々の鋼材や矯正条件による矯正後の形状を観察すると上述した図3(b)のようになった。
図4は、ローラレベラ1にて鋼材3の矯正を行う手順を示したフローチャートである。
ローラレベラ1にて鋼材3の矯正を行うにあたっては、まず、設定値の矯正圧下量IMと、鋼材3の板厚、板幅W、板温度を用いて、式(2)〜式(4)や式(6)により、ロール胴長方向の有効たわみ量δ、最大矯正反力Pを求める。つまり、設定値から矯正圧下量IM、鋼材3の板厚、板幅W、板温度(入側の温度)、ロール胴長方向の有効たわみ量δ、最大矯正反力P等の矯正条件を求める(S1)。なお、板温度を求めるに際しては、ローラレベラ1の上流側に設けられた仕上げ圧延機の出側での板温度(測定した板温度)に対してローラレベラ1の入側までの温度低下を予測した矯正温度を用いても良い。
次に、上述したように、矯正条件と、鋼材3の矯正後の形状との関係を求める(S2)。具体的には、まず、実機実験において、鋼材3を目視した際に、矯正後の鋼材3が平坦であれば、y=0とし、矯正後の鋼材3が端波となっていれば、y=1として、複数の鋼材3について、このような評価式(y=1、y=0)を用いて、平坦の鋼材3と、端波の鋼材3とに分類する。
そして、矯正条件(矯正圧下量IM、鋼材3の板厚、板幅W、板温度、ロール胴長方向の有効たわみ量δ、最大矯正反力P)を入力値とし、評価式(y=1、y=0)を出力値として重回帰計算を行うことによって、重回帰式である式(1)のa1〜a6を求め、端波発生の判定を行うことができる式(1)を決定する。例えば、種々の矯正条件において実機実験を行ったときは、a1=−1.62、a2=3.51×10-1、a3=9.98×102、a4=2.6、a5=3.75×10、a6=7.96×10-1となる。
なお、鋼材3の矯正後の形状を求めるにあたっては、上述した目視による方法ではなく、計測器等を用いて測定してもよい。
次に、式(1)の値を用いて、鋼材3の端波と、鋼材3の平坦との発生度合を分けるための臨界値(閾値)を決定する(S3)。例えば、図3(b)に示すように、所定の矯正条件(操業条件)における式(1)の計算結果と、平坦及び端波の発生比率とを示す分布図を作成して、この分布図からy=0.1が端波が発生し難いものとし、この値を臨界値(k=0.1とする。なお、k値の決定は、ローラレベラ1の装置毎に複数行っておく。
鋼材3をローラレベラ1に導入して鋼材3の矯正を行う際は、まず、予め求めておいた複数の矯正条件(操業条件)、式(1)及び臨界値(k)を用いて、この鋼材3の矯正を行うときの式(1)や臨界値(k)を決定する(S4)。そして、式(1)が臨界値以上又は臨界値と一致するように、本矯正における矯正条件を求める(S5)。
具体的には、予め決定した鋼材3の目標塑性率を確保するために、板厚(狙い厚)、板幅W(圧延幅)、板温度を用いて、目標塑性率を確保するために必要な矯正圧下量IMを求める。なお、塑性率は曲げ曲率と弾性限曲げ曲率により式(7)で示される。
Figure 0005557576
つまり、式(7)及び式(2)から、目標塑性率を確保するために必要な矯正圧下量IMを求める。
また、式(2)〜式(4)や式(6)を用いて最大矯正反力P、ロール胴長方向の有効たわみ量δを計算する。また、矯正圧下量IM及びロール胴長方向の有効たわみ量δを板幅Wで除し、IM1/W及びδ/Wを計算する。そして、IM1、IM1/W、δ、δ/W、Pを用いて式(1)を計算する。
ここで、式(1)の値>kとなった場合は、矯正圧下量IMを補正する。例えば、IM2=IM1+0.2とした値を補正後の矯正圧下量IMとして、この補正後の矯正圧下量IMを用いて、式(1)の値を再計算し、当該式(1)の値(y)とkの値とを比較する。このように、式(1)の値≦kとなるまで、IMi=IMi-1+0.2(i=1、2、3・・・)として矯正圧下量IMを補正し、式(1)の値≦kとなったときのIMiの値を実操業に用いる矯正圧下量IMとする。
そして、本矯正における矯正条件を基に、鋼材3をローラレベラ1に導入して鋼材3の矯正を行う(S6)。なお、ローラレベラ1による鋼材3の矯正は当業者常法通りであり、1パスのみ行っても、複数のパスに分けて行ってもよい。
ここで、ローラレベラ1を用いて鋼材3を複数回矯正するに際しては、少なくとも最終パスにおいて、式(1)により算出された値が式(a)又は式(1)により算出された値が式(b)を満たすように、ローラレベラ1の矯正圧下量IMを制御した上で、鋼材3を矯正することが好ましい。
このようにすることによって、製品になる前の鋼材3(矯正最後の鋼材3)を、端波の発生しないものに矯正することができる。
以上説明したように、式(1)により算出された値が式(a)又は式(b)を満たすように、矯正圧下量IMを制御することによって、矯正後の鋼材3を、端波の無い平坦なものに確実にすることができる。
上記の実施形態では、矯正圧下量IM、板幅W、ロール胴長方向の有効たわみ量δ及び矯正反力Pを変数とした式(1)のような判別式を構築し、この値が式(a)や式(b)を満たすように矯正圧下量IMを制御していたが、判別式をさらに一般化したものとしてもよい。
即ち、矯正圧下量IM、ロール胴長方向の有効たわみ量δ、板幅W、臨界座屈応力σcrを変数とする式(1−1)のような判別式を用いて矯正圧下量IMを制御してもよい。
Figure 0005557576
ロール胴長方向の有効たわみ量δを求めるにあたっては、鋼材3の温度など様々なパラメータを用いることができるが、式(1−1)に示すように、矯正圧下量IM、変形抵抗kf、矯正反力Pの変数を採用することもできる。
つまり、矯正圧下量IM、変形抵抗kf、矯正反力Pを変数として、ロール胴長方向の有効たわみ量δを求めておき、求められた有効たわみ量δを含む式(1−1)の値が式(a)を満たすように、ローラレベラ1の矯正圧下量IMを制御した上で、鋼材3を矯正してもよい。
このように、矯正圧下量IMを制御するに際して、式(1−1)を用いることにより、非常に制御が行い易いものとなる。
なお、ロール胴長方向の有効たわみ量δを求める際は、例えば、単純支持梁モデルを使用して求めてもよいが、実際の装置に適用した場合に装置ごとに誤差があるため、式(1−1)に示す定数a1にて調整することが好ましい。また、臨界座屈応力σcrを求める際は、例えば、有限要素法によって予め求めておき、その値をテーブル値として持っておくことが好ましい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
上記の実施形態では、判別式を式(1)に示すものとしているが、これに代え、式(1)に関数f(x)を加算したものを判別式としてもよい。関数f(x)は、例えば、ロール摩耗量、ベンディング力を示すものであってもよい。
1 ローラレベラ
2 レベリングロール
2a 上方のレベリングロール(矯正ロール)
2b 下方のレベリングロール
3 鋼材
4 上側ハウジング
5 下側ハウジング

Claims (3)

  1. ローラレベラを用いて鋼材を矯正するに際し、
    矯正圧下量IM、板幅W、ロール胴長方向の有効たわみ量δ及び矯正反力Pを変数とした判別式を構築し、この判別式の値が所定の条件を満たすように、前記ローラレベラの矯正圧下量を制御した上で、鋼材を矯正することとし、
    前記判別式は、式(1)のように構築され、前記所定の条件が式(a)であることを特徴とする鋼材の熱間矯正方法。
    Figure 0005557576
  2. ローラレベラを用いて鋼材を矯正するに際し、
    矯正圧下量IM、板幅W、ロール胴長方向の有効たわみ量δ及び矯正反力Pを変数とした判別式を構築し、この判別式の値が所定の条件を満たすように、前記ローラレベラの矯正圧下量を制御した上で、鋼材を矯正することとし、
    前記判別式は、式(1)のように構築され、前記所定の条件が式(b)であることを特徴とする鋼材の熱間矯正方法。
    Figure 0005557576
  3. ローラレベラを用いて鋼材を複数回矯正するに際しては、
    矯正圧下量IM、板幅W、ロール胴長方向の有効たわみ量δ及び矯正反力を変数とした判別式を構築し、この判別式の値が所定の条件を満たすように、少なくとも最終パスにおいて、前記ローラレベラの矯正圧下量を制御した上で、鋼材を矯正することとし、
    前記判別式は、式(1)のように構築され、前記所定の条件が式(a)又は式(b)であることを特徴とする鋼材の熱間矯正方法。
    Figure 0005557576
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