JP5854036B2 - 形鋼の曲がり矯正方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ウェブ及びフランジを有する形鋼の曲がりを除去して矯正する曲がり矯正方法に関する。
H形鋼に代表されるウェブ及びフランジを有する形鋼は、鋼板の溶接組立や熱間圧延で製造されているが、製造工程において加熱や冷却、塑性変形が不均一になったことが原因で長手方向の全体又は一部に曲がりや反りが発生し、まっすぐな製品が得られない場合がある。また、曲がりと反りが複合した捩れを有する形状不良品が発生する場合もある。このような曲がりや反りを除去し、まっすぐな製品とするため、一般には製品出荷前に冷間矯正が行われる。
なお、本発明においては、曲がり及び反りは以下の通りとする。図4,5を参照しながらH形鋼を例にして説明すると、H形鋼10は、ウェブ11と、ウェブ11の高さ方向両側にそれぞれ設けられた2つのフランジ12,12と、を有しているが、ウェブ11が水平をなしフランジ12が鉛直をなす姿勢(以下「H姿勢」と記すこともある)において、曲がりとは、図4の(a)に示すように左右方向(ウェブ高さ方向)の湾曲Cを意味し、反りとは、図5の(a)に示すように上下方向(フランジ幅方向)の湾曲Sを意味する。
形鋼の矯正方法としては、特許文献1に開示されるようなプレスを用いて形鋼に曲げ応力を付与する方法や、特許文献2に開示されるような上下に千鳥状に配置した複数のローラを用いてウェブを圧下するローラ矯正方法などが一般的である。また、特許文献3に開示のように、フランジを圧延して延伸させることにより、形鋼の曲がりを効率良く矯正する方法も知られている。
特許文献3に開示の方法について詳述すると、この矯正方法は、フランジをウェブとは反対側の面から押圧する外面ロールと、ウェブの高さ方向端部からウェブの両面側にそれぞれ張り出す両フランジ部(以下、「右フランジ部」及び「左フランジ部」と記す)を有するフランジをウェブ側の面から押圧して、右フランジ部と左フランジ部とをそれぞれ外面ロールとの間で挟圧する一対の矯正ロールと、を用い、フランジ内外の対向する両ロールに所定の圧下力を加えてフランジを圧延する曲がり矯正方法である。このような圧延による矯正方法は、成形された形鋼の局所的な曲がりを矯正できる。また、形鋼を搬送しながら矯正することができるので、矯正の処理効率の点で有利である。
特開2008−030090号公報 特開平8−174069号公報 特開2002−282943号公報
しかしながら、特許文献1に開示されるようなプレスを用いる矯正方法では、形鋼の曲がりを効果的に矯正することができるものの、形鋼における圧下する長手方向位置を曲がりの状況に応じて選定してから適切な圧下力で圧下して矯正する必要があった。また、矯正に複数回の圧下を必要とする場合も多いため、矯正に要する時間が長いという問題があった。
一方、特許文献2に開示のローラを用いる矯正方法は、矯正に要する時間が短い上に様々な大きさの反りを除去することが可能な高能率な矯正方法である。しかしながら、曲がりに対しては矯正能力が低いという問題があった。特許文献2には水平ロールだけではなく竪ロールも設置したローラ矯正機が開示されているが、本発明者らの検討によれば、竪ロールを追加してもローラ矯正機の曲がり矯正能力は十分とは言えない場合が多い。
他方、曲がりの曲率半径方向内側のフランジをローラにより圧延することでフランジを延伸させて曲がりを矯正する特許文献3の方法は、曲がり矯正効果が高く処理能力の面からも優れている。しかしながら、特許文献3に開示の矯正方法は、曲がりを除去するために必要な圧延荷重の設定が難しいという問題点を有していた。曲がり矯正に適した圧延荷重は、曲がり量によって異なり、また、同じ曲がり量であっても形鋼の断面寸法が違う場合には、それぞれに適した圧延荷重が異なる。
そこで、従来は、曲がり矯正において付与する圧延荷重を経験的に決定する方法が取られていたが、不適切な圧延荷重を付与することにより矯正後も曲がりが残る場合や、曲げすぎて逆方向の曲がりを発生させる場合があった。また、複数回の圧延で曲がりを少しずつ除去していく方法が取られることが多いため、曲がり矯正に要する時間が長く、処理能率が低いという問題があった。
そこで、本発明は、上記のような従来技術が有する問題点を解決し、適切な圧延荷重を付与して形鋼の曲がりを効率良く除去することが可能な曲がり矯正方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の態様は、次のような構成からなる。すなわち、本発明の第一の態様に係る形鋼の曲がり矯正方法は、ウェブ及びフランジを有する形鋼のフランジを圧延し延伸させて前記形鋼の曲がりを矯正する形鋼の曲がり矯正方法であって、フランジに付与する圧延荷重と、該圧延荷重を付与する圧延によって前記フランジに生じる延伸ひずみとの関係式を予め求めておき、曲がりを有する被矯正形鋼に曲がり矯正を施す際には、形鋼のフランジを圧延し延伸させてその形鋼の曲がりを矯正した際にフランジに生じる延伸ひずみεと曲がりの変化量ΔCとの関係を表す数式を用いて、前記被矯正形鋼の矯正によりフランジに生じさせるべき延伸ひずみを算出し、さらに、前記関係式と前記数式により算出された延伸ひずみとを用いて、前記被矯正形鋼の曲がりを矯正するために必要な圧延荷重を算出し、算出された圧延荷重をフランジに付与して圧延することを特徴とする。
また、本発明の第二の態様に係る形鋼の曲がり矯正方法は、第一の態様に係る形鋼の曲がり矯正方法において、フランジ幅、フランジ厚、及び降伏強さのうち少なくとも1つが異なる複数種の形鋼について、前記関係式をそれぞれ予め求めておき、前記被矯正形鋼の曲がりを矯正するために必要な圧延荷重の算出には、前記被矯正形鋼とフランジ幅、フランジ厚、及び降伏強さが同一である形鋼を基準形鋼とし、この基準形鋼について得られている前記関係式と前記数式により算出された延伸ひずみとを用いることを特徴とする。
さらに、本発明の第三の態様に係る形鋼の曲がり矯正方法は、第一の態様に係る形鋼の曲がり矯正方法において、フランジ幅及びフランジ厚の少なくとも一方が異なり且つ基準値とする降伏強さを有する複数種の形鋼について、前記関係式をそれぞれ予め求めておき、前記被矯正形鋼とフランジ幅及びフランジ厚が同一である形鋼を基準形鋼とし、この基準形鋼について得られている前記関係式と前記数式により算出された延伸ひずみとを用いて、前記基準形鋼の曲がりを矯正するために必要な圧延荷重を求め、求めた圧延荷重を前記被矯正形鋼の降伏強さと前記基準形鋼の降伏強さとの比を用いて補正することで前記被矯正形鋼の曲がりを矯正するために必要な圧延荷重を算出することを特徴とする。
さらに、本発明の第四の態様に係る形鋼の曲がり矯正方法は、第一の態様に係る形鋼の曲がり矯正方法において、フランジ幅及び降伏強さの少なくとも一方が異なる複数種の形鋼について、フランジに付与する圧延荷重と、該圧延荷重を付与する圧延によって前記フランジに生じる延伸ひずみとの関係を、フランジ厚の影響を含めた関係式としてそれぞれ予め求めておき、前記被矯正形鋼の曲がりを矯正するために必要な圧延荷重の算出には、前記被矯正形鋼とフランジ幅及び降伏強さが同一である形鋼を基準形鋼とし、この基準形鋼について得られている前記関係式と前記数式により算出された延伸ひずみとを用いることを特徴とする。
さらに、本発明の第五の態様に係る形鋼の曲がり矯正方法は、第一の態様に係る形鋼の曲がり矯正方法において、フランジ幅が異なり且つ基準値とする降伏強さを有する複数種の形鋼について、フランジに付与する圧延荷重と、該圧延荷重を付与する圧延によって前記フランジに生じる延伸ひずみとの関係を、フランジ厚の影響を含めた関係式としてそれぞれ予め求めておき、前記被矯正形鋼とフランジ幅が同一である形鋼を基準形鋼とし、この基準形鋼について得られている前記関係式と前記数式により算出された延伸ひずみとを用いて、前記基準形鋼の曲がりを矯正するために必要な圧延荷重を求め、求めた圧延荷重を前記被矯正形鋼の降伏強さと前記基準形鋼の降伏強さとの比を用いて補正することで前記被矯正形鋼の曲がりを矯正するために必要な圧延荷重を算出することを特徴とする。
さらに、本発明の第六の態様に係る形鋼の曲がり矯正方法は、第四又は第五の態様に係る形鋼の曲がり矯正方法において、前記関係式は、フランジ厚のn次の多項式を含む関数であることを特徴とする。
これらの各態様の形鋼の曲がり矯正方法においては、前記数式を、形鋼のウェブ高さH及び形鋼の長さLを変数として含むものとすることができる。また、前記数式として、ε=α・H・ΔC/L2 (Hは形鋼のウェブ高さ、Lは形鋼の長さ、αは定数である)を用いることができる。
さらに、これらの各態様の形鋼の曲がり矯正方法においては、前記関係式を非線形の関数とすることができる。さらに、前記関係式を累乗近似により求めることができる。
本発明に係る形鋼の曲がり矯正方法によれば、適切な圧延荷重を付与してフランジを圧延することができるので、形鋼の曲がりを効率良く除去して矯正することが可能である。
本発明に係る形鋼の曲がり矯正方法を適用可能な形鋼の一例であるH形鋼及びT形鋼の断面形状を示す図である。 曲がり矯正機の構造を説明する図である。 圧延荷重とフランジの延伸ひずみとの関係の一例を示すグラフである。 H形鋼の曲がりを説明する図である。 H形鋼の反りを説明する図である。
本発明に係る形鋼の曲がり矯正方法の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係る形鋼の曲がり矯正方法を適用可能な形鋼の一例であるH形鋼及びT形鋼の断面形状を示す図である。また、図2は、形鋼の曲がりを矯正する曲がり矯正機の構造を説明する図である。さらに、図3は、フランジに付与する圧延荷重と、該圧延荷重を付与する圧延によってフランジに生じる延伸ひずみとの関係を示すグラフである。
本発明に係る形鋼の曲がり矯正方法は、ウェブ及びフランジを有する種々の形鋼に適用することが可能である。例えば、図1の(a)に示すH形鋼10や図1の(b)に示すT形鋼20に適用することが可能である。これらの形鋼は、ウェブ高さH、フランジ幅B、ウェブ厚tw、及びフランジ厚tfのうち少なくとも1つが異なる様々な断面寸法の製品が製造されている。以下に、H形鋼10を例にして本発明を説明する。
ウェブ11及びフランジ12,12を有するH形鋼10は、鋼板の溶接組立や熱間圧延などの方法で製造されるが、曲がりが生じている場合があるので、曲がりが生じているH形鋼10については、例えばH形鋼10を製造する形鋼製造設備中に設置された曲がり矯正機に導入して、曲がりを矯正する。例えば熱間圧延による形鋼製造設備であれば、圧延して得られた形鋼を切断し、冷却床で冷却した後に、曲がり矯正機に導入して曲がりを矯正する。そして、曲がりが矯正されて所望の形状の製品とされたH形鋼10が出荷される。
H形鋼10の曲がりを矯正する方法は種々あるが、ロール等を用いて曲がりの曲率半径方向内側のフランジ12をH形鋼10の長手方向に圧延し延伸させることによって、H形鋼10の曲がりを効率良く矯正することが可能である。図2は、上記のような圧延によって曲がり矯正を行う曲がり矯正機の一例を示す図である。
図2に示す曲がり矯正機は、フランジ12のウェブ11とは反対側の面(フランジ外面)に対向して配され、フランジ12をフランジ外面側から支持する外面ロール21と、フランジ12のウェブ11側の面(フランジ内面)に対向して配され、ウェブ11の高さ方向端部からそれぞれウェブ11の一方の面側と他方の面側にウェブ11の高さ方向と垂直に張り出すフランジ部12a,12bをそれぞれ押圧する一対の内面ロール22,22と、を備えている。曲がりの曲率半径方向内側のフランジ12を外面ロール21と内面ロール22,22とで挟圧し、所定の圧延条件で圧延すれば、フランジが延伸されるため、H形鋼10の曲がりが矯正される。
なお、図2においては、H形鋼10の姿勢が、ウェブ11が水平をなしフランジ12,12が鉛直をなすH姿勢となっているが、ウェブ11が鉛直をなしフランジ12,12が水平をなす姿勢(いわゆるI姿勢)とすることもできる。曲がり矯正機におけるH形鋼10の姿勢がH姿勢である場合は、曲がり矯正機において外面ロール21と内面ロール22のロール軸21a,22aは、図2に示すように鉛直に設置されるが、I姿勢である場合は、曲がり矯正機において外面ロール21と内面ロール22のロール軸21a,22aは、水平に設置される。
次に、図2の曲がり矯正機を用いてH形鋼10の曲がりを矯正する方法について、詳細に説明する。
図4に示すように、矯正前のH形鋼10が曲がり量Cの曲がりを有していた場合には、これをまっすぐに矯正するためには、適切な圧延荷重を付与して曲がりの曲率半径方向内側のフランジ12を圧延する必要がある。圧延荷重が適正値よりも小さい場合は、圧延によって生じるH形鋼10の曲がりの変化量が小さすぎてまっすぐにならず、圧延荷重が適正値よりも大きい場合は、圧延によって生じるH形鋼10の曲がりの変化量が大きすぎて当初の曲がり方向とは逆方向の曲がりを発生させてしまうからである。
これらの場合には、圧延荷重を変更して曲がり矯正を繰り返せば、最終的には曲がりのないH形鋼10を得ることが可能であるものの、曲がり矯正のパス数が増えることによって曲がり矯正に要する時間が長くなり、H形鋼10の生産能率が低下する。しかしながら、従来は、過去の経験に基づいて圧延荷重を決定する方法や、多パス数での曲がり矯正を前提にして少しずつ曲がりを矯正する方法が採用されていたので、圧延荷重の設定には高い精度は要求されていなかった。
一般に、板材の圧延においては、圧延理論を用いたモデル式によって、圧延条件から圧延荷重を予測する方法が広く用いられている。しかしながら、本発明が対象とする形鋼の曲がり矯正には、以下のような特徴があるため、圧延理論を適用した圧延荷重の予測は困難であった。
・フランジ内面側中央のウェブ近傍部分を圧延することができないため、部分的に圧延されない非圧下部が存在する。
・フランジの中央にウェブがあり、曲がり矯正に対するウェブの影響を考慮することが難しい。
・曲がり矯正に必要なフランジ圧下率が一般に1%以下と非常に小さいため、ロール変形や圧延変形の理論的な取り扱いが困難である。
・フランジ内面を圧延するロールとフランジ外面を圧延するロールの直径が異なる場合が多く、場合によってはロール直径比が数倍と極端な異径ロール圧延となる。
・フランジ外面のロールのみが駆動される場合が多く、片ロール駆動で圧延が行われる。
以上の特殊な圧延に対する理論的な検討については、個々の要因についての知見はあるものの、上記のように多数の要因が複合した条件での圧延における圧延荷重を正確に予測することは、現在でも困難である。
溶接組立で形鋼を製造する場合には、溶接に要する時間が比較的長いため、多パス数の圧延を前提とした従来の曲がり矯正方法であっても、生産能率が問題になることは少なかった。しかしながら、熱間圧延等のより生産能率の高い方法で形鋼を製造する場合には、非常に短い時間で曲がりを矯正しなければならないため、多パス数で少しずつ曲がりを減少させていく従来の曲がり矯正方法では効率が悪く、図2に示す曲がり矯正機を用いた曲がり矯正方法を適用することは困難であった。
そこで、本発明者らは、フランジを圧延して曲がりを除去する曲がり矯正方法において、適切な圧延荷重を設定することによって、1パスで曲がりを寸法公差内とすることが可能な技術を開発することにした。
まず、特定の寸法(断面寸法)のH形鋼を用いて、曲がりの曲率半径方向内側のフランジを圧延して曲がりを除去した。このとき、フランジに付与する圧延荷重を種々変化させ、圧延によって生じるH形鋼の曲がりの変化量(圧延前の曲がり量と圧延後の曲がり量との差)を測定した。その結果、H形鋼の曲がりの変化量は、圧延荷重が大きいほど大きくなることが確認できた。
さらに、曲がりの変化量ΔCと、圧延によってフランジに生じる延伸ひずみεとの関係を調査した結果、両者の関係を数式で表すことができることを見いだした。例えば、延伸ひずみεは、少なくともウェブ高さHと形鋼の長さLとを含むΔCの関数で表すことができる。さらには、このような関数として、以下の数式(1)を用いることができることを見いだした。
ε=α・H・ΔC/L2 ・・・(1)
ここで、αは、形鋼の寸法や製造条件によって定まる定数である。
さらに、圧延荷重と圧延によってフランジに生じる延伸ひずみとの関係を詳細に調査した結果、圧延荷重に対して延伸ひずみの値は、図3に示すような非線形な変化を示すことが明らかになった。このような圧延荷重と延伸ひずみとの相関関係を、種々の寸法のH形鋼について予め調査しておき、これを関数の形で数式化した関係式を求めておけば、どのような寸法のH形鋼であっても、矯正前の形鋼の曲がり量Cを除去するために必要な曲がり矯正の圧延荷重を、前記関係式及び前記数式によって適切に設定することができる。
すなわち、前記数式は、形鋼のフランジを圧延し延伸させてその形鋼の曲がりを矯正した際にフランジに生じる延伸ひずみεと、矯正によって生じた形鋼の曲がりの変化量(矯正前の曲がり量と矯正後の曲がり量との差)との関係を表すので、この数式を用いれば曲がり量Cの形鋼を矯正したい場合にフランジに生じさせるべき延伸ひずみの量を算出することができる。したがって、前記数式で算出した延伸ひずみの量を前記関係式に代入すれば、曲がり量Cの形鋼を矯正するために必要な圧延荷重を算出することができる。
また、前記数式を用いることにより、ウェブ高さと形鋼の長さの影響を考慮できるので、ウェブ高さや長さが異なる形鋼については、圧延荷重と延伸ひずみとの関係式を作成する必要はない。よって、作成する関係式の数を少なくすることができる。
圧延荷重と延伸ひずみの関係式は、任意の関数で近似することができる。例えば、n次の多項式、累乗関数、指数関数など、圧延荷重と延伸ひずみの関係を適切に示す非線形の関数であれば、いずれも適用が可能である。なお、形鋼には様々な長さの製品が必要とされるので、曲がりの変化量は単位長さ当たりの値に換算しておくことが望ましい。
さらに、本発明者らは、形鋼の断面寸法が圧延荷重と延伸ひずみとの関係に及ぼす影響を調査した。その結果、図1や図2に示す形鋼の断面寸法のうち、圧延荷重と延伸ひずみとの関係に及ぼす影響が大きいものは、フランジ幅B、フランジ厚tfであり、ウェブ厚twの影響は小さいことを見いだした。したがって、圧延荷重と延伸ひずみとの関係式は、影響が大きい断面寸法ごとに作成すれば十分であるので、作成する関係式の数を少なくすることができる。
すなわち、フランジ幅B及びフランジ厚tfの少なくとも一方が異なる場合は、それぞれの形鋼について関係式を取得しておく必要があるが、フランジ幅B及びフランジ厚tfが同一でウェブ厚twのみが異なる種々の形鋼については、それぞれの形鋼について関係式を取得する必要はなく、いずれか1つの形鋼について関係式を取得するのみで十分である。
ただし、形鋼にはその強度によって種々の規格(例えばJIS規格)があり、同じ曲がり量の形鋼を矯正する場合であっても、高強度鋼で構成された形鋼ほど大きな荷重で圧延する必要がある。そこで、圧延荷重と延伸ひずみとの関係式は、断面寸法に加えて、該断面寸法の形鋼の規格強度(規格で定められた形鋼の降伏強度)ごとに作成する必要がある。すなわち、フランジ幅B、フランジ厚tf、及び降伏強さのうち少なくとも1つが異なる複数種の形鋼について、圧延荷重と延伸ひずみとの関係式をそれぞれ作成する必要がある。そこで、フランジ幅B、フランジ厚tf、及び降伏強さのうち少なくとも1つが異なる複数種の形鋼について、それぞれ圧延荷重と延伸ひずみとの関係式を作成しておくことが好ましい。
この場合、曲がり量がCである形鋼(被矯正形鋼)に曲がり矯正を施す際には、この被矯正形鋼とフランジ幅B、フランジ厚tf、及び降伏強さが同一である形鋼を基準形鋼とし、この基準形鋼について取得してある関係式を用いて、被矯正形鋼の曲がりを矯正するために必要な圧延荷重を算出する。
詳述すると、前記数式を用いて、曲がり量がCである被矯正形鋼を矯正した場合にフランジに生じる延伸ひずみの量を算出する。すなわち、数式(1)は、形鋼のフランジを圧延し延伸させてその形鋼の曲がりを矯正した際にフランジに生じる延伸ひずみεと、矯正によって生じた形鋼の曲がりの変化量ΔCとの関係を表すものであると言えるので、数式(1)等の前記数式のΔCに被矯正形鋼の曲がり量Cを代入し且つHに被矯正形鋼のウェブ高さ、Lに被矯正形鋼の長さを代入すれば、被矯正形鋼を矯正した場合にフランジに生じる延伸ひずみの量を算出することができる。
次に、前記数式により算出された延伸ひずみの量を、基準形鋼について取得してある圧延荷重と延伸ひずみとの関係式に代入すれば、曲がり量がCである被矯正形鋼を矯正するために必要な圧延荷重を算出することができる。そして、算出された圧延荷重をフランジに付与して圧延することにより、被矯正形鋼の曲がり矯正を施す。
このような方法は、形鋼工場で製造される多種多様な形鋼について前記関係式をそれぞれ取得しておけば、いずれの種類の形鋼であっても曲がり量に応じて適切な圧延荷重を設定することができるので、その曲がりを効率良く除去することが可能である。
なお、形鋼の規格強度ごとに圧延荷重と延伸ひずみとの関係式を作成する上記方法に替えて、基準値とする特定の規格強度を有する形鋼について圧延荷重と延伸ひずみとの関係式を作成し、被矯正形鋼の規格強度との強度比を用いて圧延荷重を補正する方法を用いることができる。
すなわち、フランジ幅B及びフランジ厚tfの少なくとも一方が異なり且つ降伏強さが特定の規格値である複数種の形鋼について、圧延荷重と延伸ひずみとの関係式をそれぞれ作成する。フランジ幅B及びフランジ厚tfの少なくとも一方が異なる場合は、それぞれの形鋼について関係式を取得しておく必要があるが、フランジ幅B及びフランジ厚tfが同一で降伏強さのみが前記特定の規格値(基準値)とは異なる種々の形鋼については、それぞれの形鋼について関係式を取得する必要はなく、基準値とする降伏強さを有する1種の形鋼についてのみ関係式を取得すればよい。したがって、形鋼の規格強度ごとに圧延荷重と延伸ひずみとの関係式を作成する上記方法よりも、作成する関係式の数を少なくすることができる。
そして、被矯正形鋼に曲がり矯正を施す際には、まず、この被矯正形鋼とフランジ幅B及びフランジ厚tfが同一である形鋼を基準形鋼とし(降伏強さは異なっていてもよい)、この基準形鋼について取得している関係式と数式(1)を用いて、被矯正形鋼の曲がりと同等の曲がりを有する基準形鋼を矯正するために必要な圧延荷重を算出する。次に、算出された圧延荷重を、被矯正形鋼の降伏強さと基準形鋼の降伏強さ(前記基準値)との比[被矯正形鋼の降伏強さ]/[基準形鋼の降伏強さ]を用いて補正することで、被矯正形鋼の曲がりを矯正するために必要な圧延荷重を算出する。そして、補正された圧延荷重をフランジに付与して圧延することにより、被矯正形鋼に曲がり矯正を施す。
例えば、ある断面寸法を有し降伏強度(前記基準値)が320MPaである基準形鋼の圧延荷重と延伸ひずみとの関係式を求めておき、基準形鋼と同一の断面寸法を有し降伏強度が400MPaである被矯正形鋼に曲がり矯正を施す場合には、まず、基準形鋼の曲がりを矯正するために必要な圧延荷重を、基準形鋼の関係式と数式(1)を用いて算出し、この算出値を被矯正形鋼の降伏強さと基準形鋼の降伏強さとの比で補正する。具体的には、前記算出値を400/320倍、すなわち1.25倍すると、被矯正形鋼の適正な圧延荷重が得られる。なお、基準値とする降伏強度の値は特に限定されるものではなく、任意の数値とすることができる。
さらに、本発明の形鋼の曲がり矯正方法では、前記関係式を、フランジ厚の影響を含む関数とすることができる。曲がり量がCである形鋼(被矯正形鋼)に曲がり矯正を施す際には、この被矯正形鋼とフランジ幅B及び降伏強さが同一である形鋼を基準形鋼とし、この基準形鋼について取得してある関係式を用いて、被矯正形鋼の曲がりを矯正するために必要な圧延荷重を算出する。このとき、フランジ厚が圧延荷重に及ぼす影響をフランジ厚の関数として前記関係式に含めることにより、フランジ幅が同一でフランジ厚が異なる形鋼に対して同じ関係式を適用することができるため、作成する関係式の数をさらに少なくすることができる。
フランジ厚の影響を含む関係式は、フランジ厚の影響を適正に考慮できるものであれば、任意の関数で近似することができる。例えば、フランジ厚のn次の多項式、累乗関数、指数関数などを含む関数であれば、いずれも適用が可能である。
また、フランジ厚の影響を含む関係式を用いた曲がり矯正方法においても、フランジ幅B及び降伏強さが同一である形鋼を基準形鋼とし、この基準形鋼について取得してある関係式を用いて、被矯正形鋼の曲がりを矯正するために必要な圧延荷重を算出する。さらに、形鋼の規格強度ごとに圧延荷重と延伸ひずみとの関係式を作成する上記方法に代えて、基準値とする特定の規格強度を有する形鋼について圧延荷重と延伸ひずみとの関係式をフランジ厚の影響を含めて作成し、被矯正形鋼の規格強度との強度比を用いて圧延荷重を補正する方法を用いることも、フランジ厚の影響を含まない関係式の場合と同様に可能である。
以上のように、本発明の形鋼の曲がり矯正方法によれば、曲がり矯正に影響の大きい断面寸法ごとに圧延荷重と延伸ひずみとの関係式を作成し、ウェブ高さの影響を考慮した曲がりの変化量及び延伸ひずみの関係を示す数式(1)と前記関係式とを用いて、矯正前の曲がりに対して適切な圧延荷重を設定して、1パスで曲がりを寸法公差内まで低減させることができるので、曲がり矯正能率が従来の方法に比べて格段に優れている。これによって、従来は適用が困難であった高生産性の形鋼製造設備(例えば熱間圧延による形鋼製造設備)に対しても、フランジを圧延することによる曲がり矯正方法が適用できるようになった。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明を適用できるH形鋼のサイズは特に限定されるものではなく、大型や小型など、あらゆるサイズのH形鋼に対して適用可能である。
また、H形鋼10に生じる曲がりには種々のパターンがあり、例えば、長手方向の全体の領域に曲がりが生じている曲がり形状パターンや、長手方向の一部の領域のみ(例えば端部のみ)に曲がりが生じている曲がり形状パターンがある。また、一方向の曲がりのみが生じる曲がり形状パターン(皿形、逆皿形)や、二方向の曲がりが生じる曲がり形状パターン(S字形)がある。さらに、いずれの曲がり形状パターンにおいても、その曲がり量は種々異なる。
曲がり矯正機においては、H形鋼10における曲がりが生じている長手方向領域、曲がり方向、及び曲がり量に応じて、曲がり矯正が行われるようになっている。例えば、曲がりが生じている長手方向領域、曲がり方向、及び曲がり量を曲がり測定装置によって測定し、その測定結果に基づいて曲がり矯正を実施するとよい。すなわち、曲がりが生じている長手方向領域、曲がり方向、及び曲がり量に応じて、圧延を施す長手方向領域、圧下率あるいは圧延荷重等の圧延条件が逐次変更されるようになっている。よって、曲がりが生じていない長手方向領域には圧延は施されないし、曲がりが生じていても、曲がりの曲率半径方向外側のフランジ12に対しては圧延は施されない。
例えば、曲がり形状パターンがS字形である場合には、両フランジ12,12に対して圧延を施す必要があるので、曲がり矯正機は、各フランジ12を圧延するための外面ロール21及び内面ロール22,22をそれぞれ備えていることが好ましい(すなわち、外面ロール21及び内面ロール22,22を2組備えていることが好ましい)。外面ロール21及び内面ロール22,22を1組備える曲がり矯正機の場合には、一方のフランジ12を圧延した後にH形鋼10を転回させて、他方のフランジ12を圧延する必要がある。H形鋼10の転回については、H形鋼10の長手方向に沿う中心軸を回転軸として180°転回(裏返し)させてもよいし、ウェブ面に直交する中心軸を回転軸として180°転回(旋回)させてもよい。
さらに、曲がり矯正機の構造や機構は、フランジを圧延できる形式であれば特に限定されるものではない。例えば、曲がり矯正機に用いる各ロール21,22の直径は任意である。また、各ロール21,22の形状は、図2に示すものに限定されるものではなく、円筒形以外の形状でもよい。例えば、各ロール21,22のロール径に任意の分布を付与してもよく、例えば凸型のプロフィルを付与したものでもよい。また、ロール21,22のいずれか一方が駆動ロールであってもよいし、両方が駆動ロールであってもよい。
さらに、ロール21,22の圧下機構は、目標圧延荷重に設定しやすい点で油圧圧下機構とすることが好ましい。この際、フランジの外側を押圧するロールと内側を押圧するロールのいずれが油圧圧下機構を用いていてもよい。
さらに、数式(1)においては、ウェブ高さHをそのままウェブ高さ寸法の代表値として使用しているが、H形鋼の場合には、フランジ厚の中央の間隔である(ウェブ高さ−フランジ厚)の値を使用してもよく、さらにこれ以外にもウェブ内法等の寸法を使用してもよい。
〔実施例〕
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
図2に示す曲がり矯正機を用いて、H形鋼の曲がりを矯正した。最初に、フランジ幅Bが300mm、フランジ厚tfが22mm、降伏強度の規格値が320MPaであり、ウェブ高さHが種々異なる複数種のH形鋼を用いて、曲がり矯正における圧延荷重と該圧延荷重を付与する圧延によりフランジに生じる延伸ひずみとの関係を調査した。
その結果、このH形鋼の曲がりの曲率半径方向内側のフランジを図2の曲がり矯正機で圧延した場合、圧延荷重Pとフランジの延伸ひずみεとの関係は、下記の関係式(2)で表されることが分かった。
P=a・εb ・・・(2)
ここで、a及びbは、H形鋼のフランジ幅B、フランジ厚tfと規格強度によって定まる定数である。寸法の単位をmm、圧延荷重の単位をtonfとした場合、本実施例の断面寸法のH形鋼(基準形鋼)におけるaとbの値は、それぞれ5305及び0.58であった。
次に、ウェブ高さHが600mm、フランジ幅Bが300mm、ウェブ厚twが12mm、フランジ厚tfが22mmのH形鋼(被矯正形鋼)の曲がりを矯正した。このH形鋼の長さは8mで、全体にほぼ同じ曲率の曲がりがあった(曲がり形状パターンは皿形である)。このH形鋼の長さ8m全体での曲がり量は18mmであり、寸法公差±8mm(長さ1mあたり1mm)を超えていた。なお、このH形鋼の降伏強度の規格値は320MPaであった。
この曲がり量を矯正するために必要なフランジの延伸ひずみを、数式(1)を用いてα=8として計算すると、H形鋼の長さ8mと矯正前の曲がり量18mmから、必要なフランジの延伸ひずみは0.00135となった。そして、この曲がりを矯正するために必要な圧延荷重を、フランジ幅B、フランジ厚tf、及び降伏強度が上記被矯正形鋼と全く同一である上記基準形鋼について作成した関係式(2)を用いて計算すると、114.9tonfとなった。
使用した曲がり矯正機では、圧延荷重の設定が5tonf刻みであったため、この計算結果から圧延荷重を115tonfとして、上記被矯正形鋼のフランジを圧延した。全長を圧延した後に曲がりを測定したところ、全長の曲がり量は1mmにまで減少しており、寸法公差内の曲がり量に矯正することができた。
次に、上記被矯正形鋼と同一の断面寸法で、降伏強度の規格値が360MPaであるH形鋼(第2の被矯正形鋼)に対して、同一の曲がり矯正機を用いて曲がり矯正を実施した。このH形鋼の長さは8mであり、長さ8m全体での曲がり量は20mmであった。
この曲がり量を矯正するために必要なフランジの延伸ひずみを、数式(1)を用いてα=8として計算すると、0.0015となった。
そして、この曲がりを矯正するために必要な圧延荷重を、上記基準形鋼について作成した関係式(2)を用いて計算すると、122.1tonfであったので、上記基準形鋼の降伏強度の規格値320MPaと第2の被矯正形鋼の降伏強度の規格値360MPaとの比1.125を用いて、圧延荷重の補正を行った。すなわち、122.1tonfを1.125倍して圧延荷重の補正値137.4tonfを得た。そこで、140tonfの圧延荷重で第2の被矯正形鋼を圧延したところ、全長の曲がり量が2mmまで減少し、寸法公差内の曲がり量に矯正することができた。
さらに、フランジ厚の影響を考慮した関係式を用いて、H形鋼の矯正実験を行った。ウェブ高さHが600mm、フランジ幅Bが300mm、ウェブ厚twが12mm、フランジ厚tfが22mm、25mm、又は28mmの3種のH形鋼(被矯正形鋼)の曲がりを矯正した。これらのH形鋼の長さはすべて8mで、全体にほぼ同じ曲率の曲がりがあった(曲がり形状パターンは皿形である)。このH形鋼の長さ8m全体での曲がり量は、いずれのフランジ厚でもほぼ18mmである。なお、これらのH形鋼の降伏強度の規格値は320MPaであった。
これら3種のH形鋼の曲がりを矯正するための関係式として、以下の式を用いた。
P=a・(c・tf+d)・εb ・・・(3)
ここで、tfはフランジ厚であり、a、b、c、及びdは定数である。事前検討の結果、フランジ厚が22〜28mmの範囲であれば、1次式でフランジ厚の影響を表せば十分な精度が得られることが分かったため、このような関係式を用いた。寸法の単位をmm、圧延荷重の単位をtonfとした場合、本実施例の断面寸法のH形鋼(基準形鋼)におけるaとbの値はそれぞれ5305及び0.58であり、cとdの値はそれぞれ0.044及び0.033であった。
この曲がり量を矯正するために必要なフランジの延伸ひずみを、数式(1)を用いてα=8として計算すると、H形鋼の長さ8mと矯正前の曲がり量18mmから、必要なフランジの延伸ひずみは0.00135となった。そして、この曲がりを矯正するために必要な圧延荷重を、フランジ幅B及び降伏強度が上記被矯正形鋼と同一である上記基準形鋼について作成した関係式(3)を用いて計算した。その結果、フランジ厚22mmでは115tonf、25mmでは130tonf、28mmでは145tonfとなった。
使用した曲がり矯正機では、圧延荷重の設定が5tonf刻みであったため、この計算結果からそれぞれの圧延荷重を115tonf、130tonf、145tonfとして、上記被矯正形鋼のフランジを圧延した。全長を圧延した後に曲がりを測定したところ、全長の曲がり量は1〜3mmの範囲にまで減少しており、寸法公差内の曲がり量に矯正することができた。
従来は、本発明のように圧延荷重の設定が精度良く行えなかったので、同様の曲がりを有するH形鋼の矯正には、圧延荷重を変更しながら3パス程度の圧延を行う必要があった。本発明によれば1パスで曲がりが矯正できるので、曲がり矯正の能率が大幅に向上した。
10 H形鋼
11 ウェブ
12 フランジ
20 T形鋼
21 外面ロール
22 内面ロール

Claims (10)

  1. ウェブ及びフランジを有する形鋼のフランジを圧延し延伸させて前記形鋼の曲がりを矯正する形鋼の曲がり矯正方法であって、
    フランジに付与する圧延荷重と、該圧延荷重を付与する圧延によって前記フランジに生じる延伸ひずみとの関係式を予め求めておき、
    曲がりを有する被矯正形鋼に曲がり矯正を施す際には、形鋼のフランジを圧延し延伸させてその形鋼の曲がりを矯正した際にフランジに生じる延伸ひずみεと曲がりの変化量ΔCとの関係を表す数式を用いて、前記被矯正形鋼の矯正によりフランジに生じさせるべき延伸ひずみを算出し、
    さらに、前記関係式と前記数式により算出された延伸ひずみとを用いて、前記被矯正形鋼の曲がりを矯正するために必要な圧延荷重を算出し、算出された圧延荷重をフランジに付与して圧延することを特徴とする形鋼の曲がり矯正方法。
  2. フランジ幅、フランジ厚、及び降伏強さのうち少なくとも1つが異なる複数種の形鋼について、前記関係式をそれぞれ予め求めておき、
    前記被矯正形鋼の曲がりを矯正するために必要な圧延荷重の算出には、前記被矯正形鋼とフランジ幅、フランジ厚、及び降伏強さが同一である形鋼を基準形鋼とし、この基準形鋼について得られている前記関係式と前記数式により算出された延伸ひずみとを用いることを特徴とする請求項1に記載の形鋼の曲がり矯正方法。
  3. フランジ幅及びフランジ厚の少なくとも一方が異なり且つ基準値とする降伏強さを有する複数種の形鋼について、前記関係式をそれぞれ予め求めておき、
    前記被矯正形鋼とフランジ幅及びフランジ厚が同一である形鋼を基準形鋼とし、この基準形鋼について得られている前記関係式と前記数式により算出された延伸ひずみとを用いて、前記基準形鋼の曲がりを矯正するために必要な圧延荷重を求め、求めた圧延荷重を前記被矯正形鋼の降伏強さと前記基準形鋼の降伏強さとの比を用いて補正することで前記被矯正形鋼の曲がりを矯正するために必要な圧延荷重を算出することを特徴とする請求項1に記載の形鋼の曲がり矯正方法。
  4. フランジ幅及び降伏強さの少なくとも一方が異なる複数種の形鋼について、フランジに付与する圧延荷重と、該圧延荷重を付与する圧延によって前記フランジに生じる延伸ひずみとの関係を、フランジ厚の影響を含めた関係式としてそれぞれ予め求めておき、
    前記被矯正形鋼の曲がりを矯正するために必要な圧延荷重の算出には、前記被矯正形鋼とフランジ幅及び降伏強さが同一である形鋼を基準形鋼とし、この基準形鋼について得られている前記関係式と前記数式により算出された延伸ひずみとを用いることを特徴とする請求項1に記載の形鋼の曲がり矯正方法。
  5. フランジ幅が異なり且つ基準値とする降伏強さを有する複数種の形鋼について、フランジに付与する圧延荷重と、該圧延荷重を付与する圧延によって前記フランジに生じる延伸ひずみとの関係を、フランジ厚の影響を含めた関係式としてそれぞれ予め求めておき、
    前記被矯正形鋼とフランジ幅が同一である形鋼を基準形鋼とし、この基準形鋼について得られている前記関係式と前記数式により算出された延伸ひずみとを用いて、前記基準形鋼の曲がりを矯正するために必要な圧延荷重を求め、求めた圧延荷重を前記被矯正形鋼の降伏強さと前記基準形鋼の降伏強さとの比を用いて補正することで前記被矯正形鋼の曲がりを矯正するために必要な圧延荷重を算出することを特徴とする請求項1に記載の形鋼の曲がり矯正方法。
  6. 前記関係式は、フランジ厚のn次の多項式を含む関数であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の形鋼の曲がり矯正方法。
  7. 前記数式は、少なくとも形鋼のウェブ高さH及び形鋼の長さLを変数として含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の形鋼の曲がり矯正方法。
  8. 前記数式は、ε=α・H・ΔC/L2 (Hは形鋼のウェブ高さ、Lは形鋼の長さ、αは定数である)であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の形鋼の曲がり矯正方法。
  9. 前記関係式は、非線形の関数であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の形鋼の曲がり矯正方法。
  10. 前記関係式を累乗近似により求めることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の形鋼の曲がり矯正方法。
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