JP5551255B2 - ドライフィルムフォトレジスト - Google Patents

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Description

本発明は、多層構造を有するドライフィルムフォトレジストに関する。
ドライフィルムフォトレジスト(dry film photoresist)は、1968年頃に米国デュポン社によって「RISTON」という商品名で開発されて以来、現在の電気・電子産業、特にプリント基板などの加工に重要な材料として使われている。
プリント基板上の回路形成に用いられるフォトレジスト材料としては、全体の約50%程度が感光性スクリーンプリントインクが使われているが、高密度と高信頼度が要求される両面板および多層板のプリント基板の製作にはドライフィルムフォトレジストが必須的に使われている。
このようなドライフィルムフォトレジストは、主に支持体フィルム(base film)および感光性樹脂層(photosensitive layer)の2層構造で積層され、ドライフィルムフォトレジストの使用前まで感光性樹脂層を保護するために保護フィルムをさらに含む。
一般に、支持体フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルムを使用し、約25μm程度の厚さを有する。このような支持体フィルムは、ドライフィルムフォトレジストを製造する間に感光性樹脂層の支持体の役割を果たすものであって、粘着力を持っている感光性樹脂層の露光の際に取り扱いを容易にする。
感光性樹脂は、光による反応メカニズムによってネガティブ型とポジティブ型に分けられる。ネガティブ型感光性樹脂の場合は、露光部分で光架橋反応が起こり、未露光部位はアルカリで洗い流されてレジストパターンが残るが、ポジティブ型感光性樹脂の場合は、露光部位で光分解反応が起こってアルカリで現像され、未露光部位が残ってレジストパターンを形成する。
感光性樹脂層は、光重合性単量体、光重合開始剤、バインダーポリマーなどを含んで目的に合わせて製造される。このような感光性樹脂層は、支持体フィルム上に塗布され、塗布の後に使用目的に合わせて15〜100μmの厚さを有する。このような感光性樹脂層は、フォトレジストに要求される機械的・化学的性質や加工などの条件に応じて多様な組成を持っている。
一方、保護フィルムは、取り扱いの際にレジストの損傷を防止し、粉塵などの異物から感光性樹脂層を保護する保護カバーの役割を果たすものであって、感光性樹脂層の支持体フィルムが形成されていない裏面に積層される。
このようなドライフィルムフォトレジストを用いたパターン形成方法の一例を挙げると、プリント基板上に適用するとき、まず保護フィルムを剥がし、銅張積層板(copper clad laminate、CCL)上にラミネートした後、所望のパターンのマスクを当てて紫外線(UV)を照射して露光し、適切な溶剤を用いて、硬化していない部分を洗い流す現像(developing)過程を経る。
通常、このような組成を有するドライフィルムフォトレジストを用いる場合、露光の際には感光性樹脂層に支持体フィルムが付着したまま行われるので、感光性樹脂層とマスクとが支持体フィルムの厚さ分だけ離隔し、結果的には解像度を向上させるのに限界がある。また、紫外線光を照射させて露光させる場合、紫外線が支持体フィルムを透過して紫外線透過率にも影響を及ぼし、支持体フィルム内の粒子による紫外線散乱などで高解像度の実現には限界がある。
このような点を解決するために、支持体フィルムを剥がした後で露光を行うことも考えられるが、感光性樹脂層は、粘着性を持っており、支持体フィルムを剥がすと、マスクが前記感光性樹脂層にくっ付くので感光性樹脂層に損傷が発生し、結果としては解像度が低下し、マスクが汚染してマスクの寿命が短縮されるという問題がある。
したがって、現実的に支持体フィルムを剥がした後の露光は行われ難く、これによる解像度低下の問題は依然として残っている。
しかも、プリント基板の高密度化および半導体パッケージ技術の発展に伴い、回路線幅の高密度化が進むことにより、このような微細回路基板に適用することが可能な高解像のドライフィルムフォトレジストに対する要求が切実に求められている。
本発明の目的は、支持体フィルムを除去した状態での露光工程の実施を可能にして解像度を向上させるドライフィルムフォトレジストを提供することにある。
本発明の一具現例では、順次積層された支持体フィルム、樹脂保護層および感光性樹脂層を含んでなり、前記樹脂保護層は、重量平均分子量5000〜300000の水溶性高分子を含み、ヘイズが3.0%以下であり、1μm当たりの現像時間が10秒以下である、ドライフィルムフォトレジストを提供する。
本発明の他の一具現例では、前記水溶性高分子が鹸化度75〜97%のポリビニルアルコールを含む、ドライフィルムフォトレジストを提供する。
本発明の他の一具現例では、前記樹脂保護層がポリシリコンを含む、ドライフィルムフォトレジストを提供する。
本発明の他の一具現例では、前記樹脂保護層が前記水溶性高分子100重量部に対してポリシリコンを0.01〜3重量部の含量で含む、ドライフィルムフォトレジストを提供する。
本発明の他の一具現例では、前記ポリシリコンは、水、アルコール類およびこれらの混合物の中から選ばれたいずれか一つの溶媒100gに6時間80℃の条件下でポリシリコン0.1gを溶解させるときの粒度が1μm以下である、ドライフィルムフォトレジストを提供する。
本発明の他の一具現例では、前記樹脂保護層が10μm以下の厚さを有する、ドライフィルムフォトレジストを提供する。
本発明の他の一具現例では、前記樹脂保護層は、水溶性高分子を含み、10μm以下の厚さおよび1μm以下の厚さ偏差を有する、ドライフィルムフォトレジストを提供する。
本発明の他の一具現例では、前記樹脂保護層のUV透過率が355nmと405nmでそれぞれ70%以上である、ドライフィルムフォトレジストを提供する。
本発明の他の一具現例では、前記支持体フィルムおよび前記樹脂保護層間の粘着力が0.0005〜0.01N/cmである、ドライフィルムフォトレジストを提供する。
本発明の他の一具現例では、前記支持体フィルムを除去したドライフィルムフォトレジストにおける樹脂保護層の一面と、他の支持体フィルムを除去したドライフィルムフォトレジトにおける樹脂保護層の一面とが接するように110℃で2m/minの速度、4kgf/cmの圧力で積層した後、ドライフィルムフォトレジストをさらに分離させるときの、前記樹脂保護層の一面と他の樹脂保護層の一面間の粘着力が0.01N/cm以下である、ドライフィルムフォトレジストを提供する。
本発明の他の一具現例では、前記感光性樹脂層は現像後の光沢度が20°で15以上、60°で60以上である、ドライフィルムフォトレジストを提供する。
本発明の他の一具現例では、前記樹脂保護層と接する支持体フィルムの表面粗さRaが0.01以下である、ドライフィルムフォトレジストを提供する。
本発明の他の一具現例では、前記感光性樹脂層の一面に保護フィルムをさらに含む、ドライフィルムフォトレジストを提供する。
本発明に係るドライフィルムフォトレジストは、支持体フィルムを除去した状態で露光工程を行うことが可能であって、支持体フィルムによる露光効果の悪影響を防止することにより、究極的に解像度を向上させることができる。
また、本発明によれば、樹脂保護層が存在する状態で露光を施しても、樹脂保護層による透明性の低下または現像速度の低下が発生しないため、高解像度を達成することができる。
また、本発明に係る樹脂保護層と感光性樹脂層間の混入が発生しないため、現像後にも感光性樹脂層の表面の光沢度が優れる。
また、ドライフィルムフォトレジストをパターン形成に使用するときにドライフィルムフィルムフォトレジストを露光工程の後で積層保管する場合、積層されたドライフィルムフォトレジストをさらに分離しても、フィルム間の粘着力により感光性樹脂層の損傷および転写現象が発生しないため、高解像度を達成することができる。
本発明に係る厚さ偏差を概略的に示す図である。 本発明の実施例1で製造された現像工程後のプリント基板の表面を1200倍に拡大して撮影した電子顕微鏡写真である。 比較例1で製造された現像工程後のプリント基板の表面を1200倍に拡大して撮影した電子顕微鏡写真である。
本発明の一具現例によれば、順次積層された支持体フィルム、樹脂保護層および感光性樹脂層を含んでなり、前記樹脂保護層が重量平均分子量5000〜300000の水溶性高分子を含み、前記樹脂保護層のヘイズが3.0%以下であり、前記樹脂保護層の1μm当たりの現像時間が10秒以下である、ドライフィルムフォトレジストを提供する。
本発明のドライフィルムフォトレジストは、支持体フィルム、樹脂保護層および感光性樹脂層を順次積層して含む構造を取っている。
支持体フィルムは、樹脂保護層と感光性樹脂層の支持体の役割を果たすので、十分な機械的特性を備えることが好ましい。より具体的に、支持体フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルムおよびポリエチレンナフタレートフィルムなどのポリエステル系フィルム;ポリエチレンフィルムおよびポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィン系フィルム;ポリビニルクロライドとビニルアセテートとの共重合体フィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、およびポリトリフルオロエチレンフィルムなどのポリビニル系フィルム;ポリイミド系フィルム;6,6−ナイロンなどのポリアミド系フィルム;セルローストリアセテートフィルムおよびセルロースジアセテートフィルムなどのポリアセテート系フィルム;アルキルポリ(メタ)アクリレートフィルムなどのポリアクリレート系フィルム;(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルムなどのポリアクリル系フィルム;などを挙げることができ、機械的特性および経済性を考慮すれば、好ましくはポリエチレンテレフタレートを挙げることができる。
支持体フィルムの厚さは10〜100μmの範囲で任意の目的に応じて選択することができる。
前記樹脂保護層と接する支持体フィルム面の表面粗さRaは0.01以下であることが好ましい。
前記支持体フィルムにおける樹脂保護層と接する部分の表面粗さは支持体フィルム上にコートされる樹脂保護層の表面粗さを形成し、樹脂保護層の表面粗さは樹脂保護層の光散乱を介してヘイズを高める作用を果たす。したがって、支持体フィルムにおける樹脂保護層と接する部分の表面粗さが本発明の重要な要素となる。このような観点から、ヘイズを高めるためには、前記樹脂保護層と接する支持体フィルム面の表面粗さRaは0.01以下であることが好ましい。
前記樹脂保護層は、重量平均分子量5000〜300000の水溶性高分子を含み、ヘイズが3.0%以下であり、1μm当たりの現像時間が10秒以下である。
本発明に係るドライフィルムフォトレジストをパターン形成方法に使用する場合、一例を挙げて説明すると、まず、支持体フィルム、樹脂保護層および感光性樹脂層が順次積層されたドライフィルムフォトレジストにおいて感光性樹脂層の一面に保護フィルムがある場合、保護フィルムを剥がし、感光性樹脂層の一面と銅張積層板(CCL)の上部とが接するようにラミネートを行う。その後、支持体フィルムを除去し、所望のパターンのマスクを樹脂保護層上に当てて紫外線(UV)を照射して露光し、適切な現像液を用いて、硬化していない部分を洗い流す現像過程を経る。
現像液の大部分が水溶性溶媒からなっているが、現像後に残余物が感光性樹脂層上に残らないように、樹脂保護層が現像液の水溶性溶媒に溶けてうまく洗い流されることが重要であり、これは現像性を高める要素の一つである。
特に、樹脂保護層に含まれる水溶性高分子は、重量平均分子量が増加するほど溶解度が低下し、現像液によって洗い流される度合いが低下しうる。
こような現像性は、現像速度にも影響されるが、樹脂保護層の現像速度が速いほど良く、樹脂保護層の現像速度が遅ければ、樹脂保護層の厚さ偏差による現像時間の差が大きいため、感光性樹脂層が必要以上に多く洗い流されると密着力が低下し、或いは感光性樹脂層の洗い流しの程度が少ないと解像力が低下する。よって、精密なパターン形成のために、樹脂保護層の現像速度は感光性樹脂層の現像を考慮して適正の速度を持たなければならない。
したがって、樹脂保護層は、現像性を向上させるために、適正水準の重量平均分子量を有する水溶性高分子を含み、残余物がなく且つ感光性樹脂層の硬化部分に損傷が発生しないように適正水準の現像速度を持つことが重要である。
一方、解像度を向上させるための方法の一つとして、パターンをより細密に形成させることが重要であるが、細密なパターン形成のためには露光の際に樹脂保護層への光散乱度が低くなければならないので、ヘイズ値が低いことが要求される。これは、ドライフィルムフォトレジストにおいて感光性樹脂層を露光する場合、光が樹脂保護層を通過するためである。
本発明では、ヘイズが3.0%以下、好ましくは0.001〜3.0%であり、1μm当たりの現像時間が10秒以下、好ましくは0.1〜10秒である樹脂保護層を含むことにより、露光の際に光透過率を高め且つ最適の現像速度を有するから、解像度を向上させることができる。
これを具体的に説明すると、前記樹脂保護層のヘイズは、光散乱度を低めるために低い値を持つことが要求されるので、下限値が低いほど好ましい。前記樹脂保護層のヘイズが3%を超過する場合、露光および現像過程を経た感光性樹脂層の形状(side wall)が滑らかでなく粗くなるという問題がある。
また、前記樹脂保護層の現像速度は、現像性の向上のために低い値を持つことが要求されるので、下限値が低いほど好ましい。前記樹脂保護層の1μm当たりの現像時間が10秒を超過する場合、樹脂保護層の厚さ偏差による現像速度の差が大きいため、感光性樹脂層が必要以上に多く洗い流されると密着力が低下し或いは感光性樹脂層の洗い流しの程度が少ないと解像力が低下するという問題がある。
また、本発明のドライフィルムフォトレジストは、前記樹脂保護層を支持体フィルムと感光性樹脂層との間に積層した構造を有し、よって、露光工程の前に支持体フィルムを除去して露光工程の実施が可能なので、従来の支持体フィルムを除去した状態で露光工程を実施する場合、マスクとの接触により発生する感光性樹脂層上の損傷およびマスクの汚染を防止することができ、支持体フィルムに含まれた粒子による悪影響を防止する効果も得ることができる。
前記支持体フィルムを除去したドライフィルムフォトレジストにおける樹脂保護層の一面と、他の支持体フィルムを除去したドライフィルムフォトレジストにおける樹脂保護層の一面とが接するように、110℃で2m/minの速度、4kgf/cmの圧力で積層(lamination)を行った後、ドライフィルムフォトレジストをさらに分離させるとき、前記樹脂保護層の一面と他の樹脂保護層の一面との粘着力が0.01N/cm以下であることが好ましく、前記粘着力が低ければ低いほど転写現象がなくなるため、前記粘着力の下限値は意味がない。
すなわち、本発明に係るドライフィルムフォトレジストの樹脂保護層間の粘着力が前記範囲内にあれば、樹脂保護層相互間を接触させてから分離させるとき、樹脂保護層相互間が転写現象なしで綺麗に分離されるという利点があり、前記樹脂保護層間の粘着力が0.01N/cm超過であれば、樹脂保護層相互間の転写現象により感光性樹脂保護層または感光性樹脂層の損傷が生ずるという問題点がある。
これを具体的に説明すると、ドライフィルムフォトレジストをパターン形成方法に使用する場合、支持体フィルムを除去し、所望のパターンのマスクを樹脂保護層上に当てて紫外線(UV)を照射して露光を行う。この際、マスクと樹脂保護層間の粘着力がないため、マスクと樹脂保護層とが互いに容易に分離され、相互間の転写もなくなる。その後、積層して保管するが、このような露光の後に積層して保管されたドライフィルムフォトレジストは、現像工程のためにさらに分離する。この際、分離の際にドライフィルムフォトレジスト間の粘着力が大きくて感光性樹脂層が剥がれることや、樹脂保護層の一部転写が発生することなどがあり、これにより現像時間に差異を出し、結果として解像度が低下する問題が生ずる。
本発明では、樹脂保護層間の粘着力が前記範囲内にある場合、このような問題を防止する効果を得ることができる。
一方、前記樹脂保護層は、支持体フィルムが除去される場合を考慮に入れ、支持体フィルムとの適正水準の粘着力を有することが要求される。ところが、平素は積層された支持体フィルムと安定的に付着しており、これと同時に支持体フィルムを樹脂保護層から取り外すときは樹脂保護層の表面に損傷を与えてはならないため、支持体フィルムと樹脂保護層間の粘着力は0.0005〜0.01N/cmであることが好ましい。これを具体的に説明すると、前記粘着力が前記範囲内にあれば、ラミネートの際に保護フィルムを除去するとき、支持体フィルムと樹脂保護層が分離されないという利点があるとともに、露光の前に支持体フィルムを除去するとき、樹脂保護層に損傷を与えることなく除去することができるという利点がある。
また、前記樹脂保護層は、重量平均分子量5000〜300000、好ましくは5000〜15000、さらに好ましくは5000〜10000の水溶性高分子を含む。前記重量平均分子量が5000未満であれば、フィルム上の塗布が困難になり、強度が弱くて感光性樹脂層の保護機能を行うことが難しいため好ましくなく、 前記重量平均分子量が300000超過であれば、現像時間が長くなり、銅張積層板上に積層してから支持体フィルムを剥離させるときに損傷を被るおそれがある。
このような樹脂保護層を形成する方法は、特に限定されるものではなく、樹脂保護層形成用組成物を、有機溶剤および水を含む溶媒に溶解し、支持体フィルム上に塗布および乾燥させることにより、樹脂保護層を形成することができる。
前記水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルエーテル無水マレイン酸、セルロースエーテル、カルボキシルアルキルセルロース、カルボキシルアルキル澱粉、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド類、ポリアミド、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ゼラチン、酸化エチレン重合体、澱粉およびこれらの水溶性塩類などの水溶性高分子を含む組成から形成できる。
特に、本発明に係る水溶性高分子は、鹸化度75〜97%のポリビニルアルコールを含むことができる。前記鹸化度は現像性に影響を及ぼす要素である。前記鹸化度が前記範囲内にある場合、樹脂保護層が適正の現像時間を持って感光性樹脂層を形成するが、密着力の低下と解像度の低下を招かない効果がある。
また、樹脂保護層は、10μm以下、好ましくは0.001〜10μm、さらに好ましくは0.001〜5μmの厚さを有する。
ドライフィルムフォトレジストをパターン形成方法に使用する場合、露光工程の際にマスクを当てて光を照射させるが、マスクと感光性樹脂層との距離が近いほど高解像度を実現することができる。このため、感光性樹脂層の上部にマスクを当てて露光することが最も好ましいが、感光性樹脂層の粘着性によりマスクにくっ付くので、感光性樹脂層が損傷するうえ、マスクも汚染し、このような問題により従来では解像度を向上させるのに限界があった。
本発明は、高解像度を実現するために、樹脂保護層の厚さが低い値を持つことが要求されるので、下限値が低いほど好ましく、よって厚さ10μm以下の樹脂保護層を使用することにより、マスクとの離隔距離を最小化し、支持体フィルムを除去してから露光を施しても、感光性樹脂層の損傷およびマスクの汚染が発生しないため、従来の解像度向上の限界を克服することができ、これにより高解像度を実現することができる。
前記樹脂保護層は、厚さ偏差が1μm以下となるように定義される厚さを有する。これを具体的に説明すると、本発明における樹脂保護層の厚さは、算術平均値による平均厚さを意味するもので、下記式1で定義される。
<式1>
式中、mは平均厚さを示し、n個の数からなる集合(x、x、x、・・・、x)において、nは厚さを測定した回数を示し、xは厚さを測定した数値を示す。
前記厚さ偏差は、厚さを測定した数値の最大値(xmax)を平均厚さ(m)から差し引いた絶対値(|m−x-max|)と、厚さを測定した数値の最小値(x-min)を平均厚さ(m)から差し引いた絶対値(|m−Xmin|)との和の1/2を意味するもので、下記式2で定義される。
<式2>
厚さ偏差=(|m−x-max|+|m−Xmin|)/2
樹脂保護層の厚さを均一にするために、厚さ偏差の下限値が低いほど好ましく、厚さ偏差が前記範囲を超過する場合、感光性樹脂層の部分別現像時間の差異により回路具現能力が低下し、露光の際に回路を形成するためのマスクのオフコンタクト(off contact)問題がある。
これについて図1を参照して説明すると、mは平均厚さを示し、aはm−xの値が正の値を有することを示し、bはm−xの値が負の値を有することを示す。
絶対値a(|a|)およびb(|b|)が大きくなる場合、aおよびbに該当する厚さが感光性樹脂の表面から厚く或いは薄くなるので、厚くなる部分は樹脂保護層の平均厚さに比べて現像時間が長くなり、逆に薄くなる部分は樹脂保護層の平均厚さに比べて現像時間が短くなって、樹脂保護層の部分別現像時間が異なる。例えば、樹脂保護層の平均厚さを基準として現像時間を定めて現像を実施する場合、樹脂保護層が平均厚さより厚い部分は樹脂保護層が少なく洗い流されて、樹脂保護層の下部にある感光性樹脂層が現像されないおそれがあり、樹脂保護層が平均厚さより薄い部分は樹脂保護層が必要以上に多く洗い流されて感光性樹脂層の表面に損傷を与えるおそれがある。
したがって、絶対値aおよびb、すなわちこれらから得られる厚さ偏差が低いほど現像時間が樹脂保護層に均一に適用されて感光性樹脂層の部分別現像時間の差異が最小化されて精密なパターンを形成させることができ、結果的に高解像度を実現することができる。
また、厚さ偏差が前記範囲内にある場合、樹脂保護層の表面が均一であって樹脂保護層のヘイズ、UV透過率などの特性が向上する効果も得ることができる。
上述した樹脂保護層は、水溶性高分子と選択的にポリシリコンを含んでこれらを、有機溶剤および水を含む水系溶媒に溶解させて製造される。このような水系溶媒系により、主に水溶性溶媒からなる現像液によってうまく洗い流される。
また、前記水系の樹脂保護層と接している感光性樹脂層は、油系溶媒系で製造されるので、水系の樹脂保護層と油系の感光性樹脂層間の混入を根本的に防止することができる。もし樹脂保護層と感光性樹脂層間の混入が発生すると、現像後にも感光性樹脂層内に樹脂保護層の成分が残留し、或いは露光されて硬化した感光性樹脂層の一部が現像されることにより、感光性樹脂層の光沢度が低下し、これにより現像性が低下するおそれがある。
本発明では、樹脂保護層が水系組成を有することにより、現像液によっても容易に洗い流され、油系の感光性樹脂層との混入を防止することができるため、現像後にも感光性樹脂層の表面の光沢度が優れて現像性を向上させることができる。
本発明では、前記感光性樹脂層の光沢度を現像後に光沢度測定器(Gloss Meter Reading)を用いて測定した。前記光沢度はKS定義(KS M ISO 2813:2007)に従う。
これを具体的に説明すると、前記光沢度(鏡面光沢度:specular gloss)については、光源と受光部が所定の角に設定されたとき、鏡面方向(specular direction)に位置した物体によって照射された光速と、屈折率1.567のガラスを反射面に配置したときに反射された光速との比率、屈折率1.567のつや有り黒ガラス(polished black glass)の20°、60°、85°などの鏡面光沢度値をそれぞれ100と定義する。
このような点で、感光性樹脂層は、現像後の表面の光沢度が20°で15以上、60°で60以上であることが好ましく、前記光沢度が前記範囲内にある場合、樹脂保護層と感光性樹脂層間の混入が発生しないため、現像性を阻害させない。
前記樹脂保護層のUV透過率は355nmおよび405nmでそれぞれ70%以上であることが好ましい。前記樹脂保護層のUV透過率が70%未満であれば、同一の感度を得るために必要な露光量が多くなって作業性が低下し、散乱や屈折などの光の歪みが激しくなって高解像の実現の際に阻害要因として作用する。
一方、本発明に係る樹脂保護層はポリシリコンを含んでもよい。
前記ポリシリコンは、樹脂保護層に離型性を与える役割を果たし、支持体フィルムおよび樹脂保護層間の粘着力およびヘイズにも影響を及ぼす。
このようなポリシリコンは、水、アルコール類およびこれらの混合物の中から選ばれたいずれか一つの溶媒に対して溶解性を有する。ポリシリコンが有機溶媒に溶けるものであれば、水、アルコール類、またはこれらを混合した溶媒には溶けないため、粒度が著しく増加して本発明では好ましくない。
前記ポリシリコンは、溶液方式の粒度測定器で測定すると、前記溶媒100gに6時間80℃の条件下でポリシリコン0.1gを溶かしたときの粒度が1μm以下である。ポリシリコンを全て溶解させることが好ましいから、粒度の下限値は低いほどよい。前記ポリシリコンの粒度が前記範囲内にある場合、ヘイズの低下を防止し、感光性樹脂層の回路形成の際に形状(side wall)が劣ることを防止することができる。
本発明の樹脂保護層は、上述した水溶性高分子100重量部に対してポリシリコンを0.01〜3重量部の含量で含んでもよい。前記水溶性高分子100重量部に対するポリシリコンの含量は、支持体フィルム上の塗布の容易さおよび乾燥後の樹脂保護層のヘイズを考慮に入れ、前記範囲内とすることが好ましい。
これを具体的に説明すると、一般に、ポリシリコンは離型剤としての性質を持っているが、樹脂保護層を成すポリビニルアルコールに比べてポリシリコンの含量が微々たる場合、すなわち、ポリシリコンが0.01重量部未満で樹脂保護層に含まれる場合、樹脂保護層間の粘着力が0.01N/cmを超過して、樹脂保護層間の接触後の分離の際に、感光性樹脂層の損傷または樹脂保護層相互間の転写現象を発生させることにより、感光性樹脂層への意図していない転写が発生することもある。また、ポリシリコンが3重量部を超過する場合、ヘイズ(Haze)の増加により回路物性が悪くなる問題が発生する。
本発明では、ポリビニルアルコールに対するポリシリコンの含量を前記範囲内にして樹脂保護層間の粘着力が0.01N/cm以下の範囲内にあるようにすることにより、このような問題点を防止することができる。
一方、前記感光性樹脂層は、ドライフィルムフォトレジストがネガティブ型またはポジティブ型として適用されることにより、その組成が変わりうる。このようなネガティブ型またはポジティブ型ドライフィルムフォトレジストによる感光性樹脂層の組成としては、通常、本発明の属した分野における公知の感光性樹脂の組成を選択することができる。
例えば、ドライフィルムフォトレジストがネガティブ型の場合、前記感光性樹脂層は、バインダー樹脂、光感光性化合物としてのエチレン系不飽和化合物、光重合開始剤び添加剤を含むことができる。
前記バインダー樹脂としては、アクリル系ポリマー(acrylic polymer)、ポリエステル(polyester)、ポリウレタン(polyurethane)などが使用でき、これらの中でも、アクリル系ポリマーの一種であるメタクリルコポリマー(methacrylic copolymer)が好ましい。必要に応じて、エチレン不飽和カルボン酸(ethylenically unsaturated carboxylic acid)とその他のモノマーとの共重合体が使用できる。前記メタクリルコポリマーとしては、アセトアセチル基を含むメタクリックコポリマーも使用できる。前記メタクリルコポリマーを合成するために使用可能なメタクリルモノマー(methacrylic monomer)としては、メチルメタクリレート(methylmethacrylate)、エチルメタクリレート(ethyl methacrylate)、プロピルメタクリレート(propyl methacrylate)、ブチルメタクリレート(butyl methacrylate)、ヘキシルメタクリレート(hexyl methacrylate)、2−エチルヘキシルメタクリレート(2-ethylhexyl methacrylate)、シクロヘキシルメタクリレート(cyclohexyl methacrylate)、ベンジルメタクリレート(benzylmethacrylate)、ジメチルアミノエチルメタクリレート(dimethylaminoethyl methacrylate)、ヒドロキシエチルメタクリレート(hydroxyethyl methacrylate)、ヒドロキシプロピルメタクリレート(hydroxypropyl methacrylate)、グリシジルメタクリレート(glycidyl methacrylate)などを挙げることができる。前記エチレン不飽和カルボン酸(ethylenically unsaturated carboxylic acid)としては、アクリル酸(acrylic acid)、メタクリル酸(methacrylic acid)、クロトン酸(crotonic acid)などのモノアクリル酸(monoacrylic acid)が多用される。また、マレイン酸(maleic acid)、フマル酸(fumaric acid)、イタコン酸(itaconic acid)などのジカルボン酸(dicarboxylic acid)、またはこれらの無水物、半エステル(half ester)なども使用できる。これらの中でも、アクリル酸とメタクリル酸が好ましい。その他の共重合可能なモノマーとしては、アクリルアミド(acrylamide)、メタクリルアミド(methacrylamide)、アクリロニトリル(acrylonitrile)、メタクリロニトリル(methacrylonitrile)、スチレン(styrene)、α−メチルスチレン、ビニルアセテート(vinyl acetate)、アルキルビニルエーテル(alkyl vinyl ether)などを挙げることができる。
前記共重合性モノマーとしてのエチレン系不飽和化合物は、単官能モノマー、または2官能、3官能以上の多官能モノマーが使用できる。前記多官能モノマーとしては、エチレングリコールジメタクリレート(ethylene glycol dimethacrylate)、ジエチレングリコールジメタクリレート(diethylene glycol dimethacrylate)、テトラエチレングリコールジメタクリレート(tetraethylene glycol dimetacrylate)、プロピルグリコールジメタクリレート(propylene glycol dimethacrylate)、ポリプロピレングリコールジメタクリレート(polypropylene glycol dimethacrylate)、ブチレングリコールジメタクリレート(butylenes glycol dimethacrylate)、ネオペンチルグリコールジメタクリレート(neopentyl glycol dimethacrylate)、1,6−ヘキサングリコールジメタクリレート(1,6-hexane glycoldimethacrylate)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(trimethylolpropane trimethacrylate)、グリセリンジメタクリレート(glycerin dimethacrylate)、ペンタエリトリトールジメタクリレート(pentaerythritol dimethacrylate)、ペンタエリトリトールトリメタクリレート(pentaerythritol trimethacrylate)、ジペンタエリトリトールペンタメタクリレート(dipentaerythritolpentamethacrylate)、2,2−ビス(4−メタクリルオキシジエトキシフェニル)プロパン(2,2-bis(4-methacryloxydiethoxyphenyl)propane)、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルメタクリレート(2-hydroxy-3-methacryloyloxypropyl methacrylate)、エチレングリコールジグリシジルエーテルジメタクリレート(ethylene glycol diglycidylether dimethacrylate)、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジメタクリレート(diethylene glycol diglycidyl etherdimethacrylate)、フタル酸ジグリシジルエステルジメタクリレート(phthalic acid diglycidyl ester dimethacrylate)、グリセリンポリグリシジルエーテルポリメタクリレート(glycerin polyglycidyl ether polymethacrylate)などを挙げることができる。前記多官能モノマーとしては、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2-hydroxyethyl methacrylate)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(2-hydroxypropyl methacrylate)、2−ヒドロキシブチルメタクリレート(2-hydroxybutyl methacrylate)、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(2-phenoxy-2-hydroxypropyl methacrylate)、2−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート(2-methacryloyloxy-2-hydroxypropyl phthalate)、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(3-chloro-2-hydroxypropyl methacrylate)、グリセリンモノメタクリレート(glycerin monomethacrylate)、2−メタクリロイルオキシエチル酸ホスフェート(2-methacryloyloxyethyl acid phosphate)、フタル酸誘導体のメタクリレート、N−メチロールメタクリルアミド(N-methylol methacrylamide)などが使用できる。前記単官能モノマーは、前記多官能モノマーと共に使用できる。
前記光重合開始剤としては、ベンゾインメチルエーテル(benzoin methyl ether)、ベンゾインエチルエーテル(benzoin ethyl ether)、ベンゾインイソプロピルエーテル(benzoin isopropyl ether)、ベンゾインn−ブチルエーテル(benzoin n-butyl ether)、ベンゾインフェニルエーテル(benzoin phenyl ether)、ベンジルジフェニルジスルフィド(benzyl diphenyl disulfide)、ベンジルジメチルケタール(benzyl dimethyl ketal)、アントラキノン(anthraquinone)、ナフトキノン(naphthoquinone)、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン(3,3-dimethyl-4-methoxybenzophenone)、ベンゾフェノン(benzophenone)、p,p’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(p,p’-bis(dimethylamino)benzophenone)、p,p’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(p,p’-bis(diethylamino)benzophenone)、p,p’−ジエチルアミノベンゾフェノン(p,p’-diethylaminobenzophenone)、ピバロンエチルエーテル(pivalone ethyl ether)、1,1−ジクロロアセトフェノン(1,1-dichloroacetophenone)、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン(p-t-butyldichloroacetophenone)、ヘキサアリール−イミダゾール(hexaaryl-imidazole)のダイマー、2,2’−ジエトキシアセトフェノン(2,2’-diethoxyacetophenone)、2,2’−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン(2,2’-diethyoxy-2-phenylacetophenone)、2,2’−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン(2,2’-dichloro-4-phenoxyacetophenone)、2,2’−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン(2,2’-dichloro-4-phenoxyacetophenone)、フェニルグリオキシレート(phenyl glyoxylate)、a−ヒドロキシ−イソブチルフェノン(a-hydoxyisobutylphenone)、ジベンゾスパン(dibenzospan)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン(1-(4-isopropylphenyl)-2-hydroxy-2-methyl-1-propanone)、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン(2-methyl-[4-(methylthio)phenyl]-2-morpholino-1-propanone)、トリ−ブロモフェニルスルホン(tri-bromophenylsulfone)、トリブロモメチルフェニルスルホン(tribromomethylphenylsulfone)などが使用できる。
前記添加剤としては、ビニルクロライドレジンなどの柔軟剤を含むことができる。その具体的な例として、フタル酸エステル(phthalic ester)の種類にはジメチルフタレート(dimethyl phthalate)、ジエチルフタレート(diethyl phthalate)、ジブチルフタレート(dibutyl phthalate)、ジヘプチルフタレート(diheptyl phthalate)、ジオクチルフタレート(dioctyl phthalate)、ジイソデシルフタレート(diisodecyl phthalate)、ブチルベンジルフタレート(butylbenzyl phthalate)、ジイソノニルフタレート(diisononyl phthalate)、エチルフタリルエチルグリコレート(ethylphthalylethyl glycolate)、ジメチルイソフタレート(dimethylisophthalate)、ジクロロヘキシルフタレート(dichlorohexyl phthalate)などがあり、脂肪酸または芳香族酸のエステル、例えばアジピン酸ジオクチル(dioctyl adipate)、アジピン酸ジイソブチル(diisobutyl adipate)、アジピン酸ジブチル(dibutyl adipate)、アジピン酸ジイソデシル(diisodecyl adipate)、アジピン酸ジブチルジグリコール(dibutyl diglycol adipate)、セバシン酸ジブチル(dibutyl sebacate)、セバシン酸ジオクチル(dioctyl sebacate)などがある。また、本発明では、グリセロールトリアセテート(glycerol triacetate)、トリメチルホスフェート(trimethyl phosphate)、トリエチルホスフェート(triethyl phosphate)、トリブチルホスフェート(tributyl phosphate)、トリオクチルホスフェート(trioctyl phosphate)、トリブトキシエチルホスフェート(tributoxyethyl phosphate)、トリス−クロロエチルホスフェート(tris-chloroethylphosphate)、トリス−ジクロロプロピルホスフェート(tris-dichloropropylphosphate)、トリフェニルホスフェート(triphenylphosphate)、トリクレシルホスフェート(tricresyl phosphate)、トリキシレニルホスフェート(trixylenyl phosphate)、クレシルジフェニルホスフェート(cresyl diphenyl phosphate)、オクチルジフェニルホスフェート(octyl diphenyl phosphate)、キシルレニルジフェニルホスフェート(xylenyl diphenyl phosphate)、トリラウリルホスフェート(trilauryl phosphate)、トリセチルホスフェート(tricetylphosphate)、トリステアリルホスフェート(tristearyl phosphate)、トリオレイルホスフェート(trioleyl phosphate)、トリフェニルホスファイト(triphenyl phosphite)、トリストリデシルホスファイト(tris-tridecyl phosphite)、ジブチルハイドロジェンホスファイト(dibutyl hydrogen phosphite)、ジブチル−ブチルホスホネート(dibutyl-butyl phosphonate)、ジ(2−エチルヘキシル)ホスホネート(di(2-ethylhexyl)phosphonate)、2−エキチルヘキシル−2−エチルヘキシルホスホネート(2-ethylhexyl-2-ethylhexyl phosphonate)、メチル酸ホスフェート(methyl acid phosphate)、イソプロピル酸ホスフェート(isopropyl acid phosphate)、ブチル酸ホスフェート(butyl acid phosphate)、ジブチル酸ホスフェート(dibutyl acid phosphate)、モノブチル酸ホスフェート(monobutyl acid phosphate)、オクチル酸ホスフェート(octhyl acid phosphate)、ジオクチルホスフェート(dioctyl phosphate)、イソデシルアシッドホスフェート(isodecyl acid phosphate)、モノイソデシルホスフェート(monoisodecyl phosphate)、デカノールアシッドホスフェート(decanol acid phosphate)などの柔軟剤を使用することもできる。
その他、揮発性有機物であるグリセリン(glycerin)、トリメチロールプロパン(trimethylolpropane)、エチレングリコール(ethylene glycol)、ジエチレングリコール(diethylene glycol)、トリエチレングリコール(triethylene glycol)、プロピレングリコール(propylene glycol)、ジプロピレングリコール(dipropylene glycol)、またはこれらの低級アルキルエーテル(alkyl ether)、低級脂肪酸エステル、高級脂肪酸またはこれらのエステル、高級脂肪酸アルコールまたはこれらのエステルなども本発明の柔軟剤として使用可能である。
上述したネガティブ型感光性樹脂に含まれるバインダー樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤および添加剤は、任意の目的に応じて適切に混合して使用することができる。
本発明の一具現例に係るドライフィルムフォトレジストは、感光性樹脂層の一面に保護フィルムをさらに含んでもよい。前記保護フィルムは、感光性樹脂層を外部から保護する役割を果たすものであって、後工程へのドライフィルムフォトレジスト適用の際には容易に離脱しながら、保管および流通の際には離型しないように適当な離型性および粘着性を必要とする。
以下、本発明の好適な実施例および比較例について説明する。ところが、下記実施例は、本発明の好適な一実施例に過ぎないもので、本発明を限定するものではない。

実施例1〜6および比較例1〜7

<実施例1>
(a)重量平均分子量22000、鹸化度87%のポリビニルアルコール(KURARAY社、PVA205)20g、およびブトキシエタノール溶媒100gにポリシリコン0.1gを溶かしたときの粒度が0μmであるポリシリコン(BYK社、BYK−349、乾燥後の固形分に対して0.25%)0.05gを蒸留水100gに入れ、80℃で6時間攪拌して 完全に溶かすことにより、樹脂保護層用組成物を製造した。これを厚さ16μmの支持体フィルム(ヘイズ2.3%、表面処理なし、ポリエチレンテレフタレートフィルム、FDFR−16μm、KOLON)上にコーティングバーを用いてコートした後、熱風オーブンを用いて80℃で10分間乾燥させて厚さ3μmおよび厚さ偏差0.4μmの樹脂保護層を形成した。この際、前記ポリシリコンを前記溶媒に6時間80℃の条件下で溶かしたときの粒度が0μmであるというのは、ポリシリコンが溶媒に略完全に溶解して粒子状が発見されていないことを意味し、別途言及しない限り、「粒度0μm」は上述と同一の意味を有する。
(b)UH−9200 series(Kolon)に使用された組成および含量で感光性樹脂組成物を製造した。具体的には、光開始剤類を溶媒としてのメチルエチルケトンとメチルアルコールに溶かした後、光重合性オリゴマー類とバインダーポリマーを添加して機械的攪拌器(mechanical stirrer)を用いて1時間混合することにより、感光性樹脂組成物を製造した。
(c)前記感光性樹脂組成物を厚さ19μmの保護フィルム(シリコンが離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム、CY201−19um、KOLON)上にコーティングバーを用いてコートした後、熱風オーブンを用いて80℃で6分間乾燥させて厚さ15μmの感光性樹脂層を形成した。
(d)乾燥済みの(c)フィルムの感光性樹脂層と前記(a)の樹脂保護層とが接するように50℃、圧力4kgf/cmでラミネートを行ってドライフィルムフォトレジストを製造した。
<実施例2>
次のとおり実施した以外は、実施例1と同一の方法でドライフィルムフォトレジストを製造した。
(a)重量平均分子量75000、鹸化度87%のポリビニルアルコール(KURARAY社、PVA217)10g、および粒度0μmのポリシリコン(BYK社、BYK−349、乾燥後の固形分に対して0.25%)0.025gを蒸留水100gに入れ、80℃で6時間攪拌して完全に溶かすことにより、樹脂保護層用組成物を製造した。これを厚さ16μmの支持体フィルム(ヘイズ2.3%、表面処理なし、ポリエチレンテレフタレートフィルム、FDFR−16μm、KOLON)上にコーティングバーを用いてコートした後、熱風オーブンを用いて80℃で10分間乾燥させて厚さ3.0μmおよび厚さ偏差0.4μmの樹脂保護層を形成した。
<実施例3>
下記のとおり実施した以外は、実施例1と同一の方法でドライフィルムフォトレジストを製造した。
(a)ポリエチレングリコール(製造社:Sigma−Aldrich、重量平均分子量20,000)10g、および粒度0μmのポリシリコン(BYK社、BYK−349、乾燥後の固形分に対して0.25%)0.025gを蒸留水100gに入れ、80℃で6時間攪拌して完全に溶かすことにより、樹脂保護層用組成物を製造した。これを厚さ16μmの支持体フィルム(ヘイズ2.3%、表面処理なし、ポリエチレンテレフタレートフィルム、FDFR−16μm、KOLON)上にコーティングバーを用いてコートした後、熱風オーブンを用いて80℃で20分間乾燥させることにより、厚さ3.0μmおよび厚さ偏差0.4μmの樹脂保護層を形成した。
<実施例4>
次のとおり実施した以外は、実施例1と同一の方法でドライフィルムフォトレジストを製造した。
(a)重量平均分子量22000、鹸化度87%のポリビニルアルコール(KURARAY社、PVA205)20g、および粒度0μmのポリシリコン(BYK社、BYK−349、乾燥後の固形分に対して1.0%)0.2gを蒸留水100gに入れ、80℃で6時間攪拌して完全に溶かすことにより、樹脂保護層用組成物を製造した。これを厚さ16μmの支持体フィルム(ヘイズ0.7%、一面に対するILC(in-line coating)処理、ポリエチレンテレフタレートフィルム、SDFR−16μm、KOLON)のILC反対面上にコーティングバーを用いてコートした後、熱風オーブンを用いて80℃で10分間乾燥させることにより、厚さ3.0μmおよび厚さ偏差0.4μmの樹脂保護層を形成した。
<実施例5>
次のとおり実施した以外は、実施例1と同一の方法でドライフィルムフォトレジストを製造した。
(a)重量平均分子量22000、鹸化度87%のポリビニルアルコール(KURARAY社、PVA205)20g、および粒度0μmのポリシリコン(BYK社、BYK−349、乾燥後の固形分に対して0.25%)0.05gを蒸留水100gに入れ、80℃で6時間攪拌して完全に溶かすことにより、樹脂保護層用組成物を製造した。これを厚さ16μmの支持体フィルム(ヘイズ2.3%、表面処理なし、ポリエチレンテレフタレートフィルム、FDFR−16μm、KOLON)上にコーティングバーを用いてコートした後、熱風オーブンを用いて80℃で10分間乾燥させることにより、厚さ6μmおよび厚さ偏差0.6μmの樹脂保護層を形成した。
<実施例6>
次のとおり実施した以外は、実施例1と同一の方法でドライフィルムフォトレジストを製造した。
(a)重量平均分子量22000、鹸化度87%のポリビニルアルコール(KURARAY社、PVA205)20g、および粒度0μmのポリシリコン(BYK社、BYK−349、乾燥後の固形分に対して0.25%)0.05gを蒸留水100gに入れ、80℃で6時間攪拌して完全に溶かすことにより、樹脂保護層用組成物を製造した。これを厚さ16μmの支持体フィルム(ヘイズ2.3%、表面処理なし、ポリエチレンテレフタレートフィルム、FDFR−16μm、KOLON)上にコーティングバーを用いてコートした後、熱風オーブンを用いて80℃で20分間乾燥させることにより、厚さ10.0μmおよび厚さ偏差0.8μmの樹脂保護層を形成した。
<比較例1>
(a)UH−9200 series(Kolon)に使用された組成および含量で感光性樹脂組成物を製造した。具体的には、光開始剤類を溶媒としてのメチルエチルケトンとメチルアルコールに溶かした後、光重合性オリゴマー類とバインダーポリマーを添加して機械的攪拌器を用いて1時間混合することにより、感光性樹脂組成物を製造した。
(b)前記感光性樹脂組成物を厚さ16μmの支持体フィルム(ヘイズ2.3%、表面処理なし、ポリエチレンテレフタレートフィルム、FDFR−16μm、KOLON)上にコーティングバーを用いてコートした後、熱風オーブンを用いて80℃で10分間乾燥させることにより、厚さ15μmの感光性樹脂層を形成した。
(c)乾燥済みの(b)フィルムの感光性樹脂層と、厚さ19μmの保護フィルム(シリコン離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム、CY201−19μm、KOLON)の離型層とが接するように50℃、圧力4kgf/cmでラミネートを行って厚さ50μmのドライフィルムフォトレジストを製造した。
<比較例2>
次のとおり実施した以外は、実施例1と同一の方法でドライフィルムフォトレジストを製造した。
(a)重量平均分子量22000、鹸化度87%のポリビニルアルコール(KURARAY社、PVA205)20g、および粒度0μmのポリシリコン(BYK社、BYK−349、乾燥後の固形分に対して3.0%)0.7gを蒸留水100gに入れ、80℃で6時間攪拌して完全に溶かすことにより、樹脂保護層用組成物を製造した。これを厚さ16μmの支持体フィルム(ヘイズ0.7%、一面に対するILC(in-line coating)処理、ポリエチレンテレフタレートフィルム、SDFR−16μm、KOLON)のILC反対面上にコーティングバーを用いてコートした後、熱風オーブンを用いて80℃で10分間乾燥させることにより、厚さ3μmおよび厚さ偏差3μmの樹脂保護層を形成した。
<比較例3>
次のとおり実施した以外は、実施例1と同一の方法でドライフィルムフォトレジストを製造した。
(a)重量平均分子量75000、鹸化度98%のポリビニルアルコール(東洋製鉄化学株式会社、F17)4g、および粒度0μmのポリシリコン(BYK社、BYK−349、乾燥後の固形分に対して0.25%)0.01gを蒸留水100gに入れ、80℃で6時間攪拌して完全に溶かすことにより、樹脂保護層用組成物を製造した。これを厚さ16μmの支持体フィルム(ヘイズ2.3%、表面処理なし、ポリエチレンテレフタレートフィルム、FDFR−16μm、KOLON)上にコーティングバーを用いてコートした後、熱風オーブンを用いて80℃で20分間乾燥させることにより、厚さ3μmおよび厚さ偏差3μmの樹脂保護層を形成した。
<比較例4>
次のとおり実施した以外は、実施例1と同一の方法でドライフィルムフォトレジストを製造した。
(a)重量平均分子量22000、鹸化度87%のポリビニルアルコール(KURARAY社、PVA205)20g、および粒度0μmのポリシリコン(BYK社、BYK−349、乾燥後の固形分に対して0.25%)0.05gを蒸留水100gに入れ、80℃で6時間攪拌して完全に溶かすことにより、樹脂保護層用組成物を製造した。これを厚さ16μmの支持体フィルム(ヘイズ2.3%、表面処理なし、ポリエチレンテレフタレートフィルム、FDFR−16μm、KOLON)上にコーティングバーを用いてコートした後、熱風オーブンを用いて80℃で20分間乾燥させることにより、厚さ16μmおよび厚さ偏差0.9μmの樹脂保護層を形成した。
<比較例5>
次のとおり実施した以外は、実施例1と同一の方法でドライフィルムフォトレジストを製造した。
(a)重量平均分子量60000のアクリル酸高分子(KOLON、KBP116)100gをメチルエチルケトン100に入れ、30℃で6時間攪拌して完全に溶かすことにより、樹脂保護層用組成物を製造した。これを厚さ16μmの支持体フィルム(ヘイズ2.3%、表面処理なし、ポリエチレンテレフタレートフィルム、FDFR−16μm、KOLON)上にコーティングバーを用いてコートした後、熱風オーブンを用いて80℃で10分間乾燥させることにより、厚さ3μmおよび厚さ偏差0.4μmの樹脂保護層を形成した。
<比較例6>
次のとおり実施した以外は、実施例1と同一の方法でドライフィルムフォトレジストを製造した。
(a)重量平均分子量30000のアクリル酸高分子(KOLON、KBP114)100gをメチルエチルケトン100gに入れ、30℃で6時間攪拌して完全に溶かすことにより、樹脂保護層用組成物を製造した。これを厚さ16μmの支持体フィルム(ヘイズ2.3%、表面処理なし、ポリエチレンテレフタレートフィルム、FDFR−16μm、KOLON)上にコーティングバーを用いてコートした後、熱風オーブンを用いて80℃で10分間乾燥させることにより、厚さ3μmおよび厚さ偏差0.4μmの樹脂保護層を形成した。
<比較例7>
次のとおり実施した以外は、実施例1と同一の方法でドライフィルムフォトレジストを製造した。
(a)重量平均分子量22000、鹸化度87%のポリビニルアルコール(KURARAY社、PVA205)20g、およびブトキシエタノール溶媒100gにポリシリコン0.1gを溶かしたときの粒度が0μmであるポリシリコン(BYK社、BYK−349、乾燥後の固形分に対して0.008%)0.05gを蒸留水100gに入れ、80℃で6時間攪拌して完全に溶かすことにより、樹脂保護層用組成物を製造した。これを厚さ16μmの支持体フィルム(ヘイズ15.1%、表面処理なし、ポリエチレンテレフタレートフィルム、NDFR−16μm、KOLON)上にコーティングバーを用いてコートした後、熱風オーブンを用いて80℃で10分間乾燥させることにより、厚さ3μmおよび厚さ偏差0.4μmの樹脂保護層を形成した。
実施例1〜6および比較例2〜7の水溶性高分子の重量平均分子量は次の方法で測定した。
重量平均分子量の測定
水溶性高分子の重量平均分子量は、GFC(Gel Filtration Chromatography; Varian GPC system)を用いて40℃の温度、Stationary Phase:(Plgel Mixed D)×2、Mobile Phase:THF、1.0mL/min、Injection:100μL、Detection:RI、40Cの条件下で、PS Standard(Polymer Standards Service社、Mp723000、219000、89300、52200、30300、7000、5000、2960)を0.1%の濃度でTHFに溶かして注入したものを基準物質として測定した。試料は0.2%の濃度でTHFに溶かした後、0.45μm PTFE syringe filterで濾過して注入した。
実施例1〜6および比較例2〜7によって製造された樹脂保護層の厚さおよび厚さ偏差を次のとおり測定した。
樹脂保護層の厚さおよび厚さ偏差の測定
実施例1〜6および比較例2〜7によって製造されたドライフィルムフォトレジストの支持体フィルム(PET)上にテープを付けてから取り外して支持体フィルムと樹脂保護層の一部を剥がした後、そのドライフィルムフォトレジスト部分の断面に現れる樹脂保護層の厚さをAnritsu社のK351Cを用いて(測定範囲を0.1μmと設定)測定し、この際、20箇所の地点を任意に設定してその厚さを測定し、その測定値から本発明に係る式1の算術平均値によって樹脂保護層の平均厚さを求めた。
また、これらの測定値のうち最大値、最小値、および前記式1によって得られた樹脂保護層の平均厚さから本発明に係る式2によって厚さ偏差を求めた。
実施例1〜6および比較例2〜7によって製造された樹脂保護層のUV透過率を次のとおり測定した。
UV透過率の測定
実施例1〜6および比較例2〜7によって製造されたドライフィルムフォトレジストを7cm×7cmのサイズに切った後、保護フィルムを剥がしてサイズ10cm×10cmの銅張積層板にラミネートした。その後、ラミネートされたドライフィルムフォトレジストの支持体フィルムを剥がした後、樹脂保護層を剥がし、剥がした樹脂保護層をSHIMADZU社のUV−3101PC(UV−VIS−NIR SCANNING SPECTROPHOTOMETER)を用いて355nm、405nmにおけるUV透過率を測定した。
下記表1は、実施例1〜6および比較例2〜7によって製造された樹脂保護層のUV透過率を測定した結果を示す。
前記測定結果より、透過率は実施例と比較例で使用された樹脂保護層の物質の種類には大きい差異がなく、厚さによって透過率が異なることが分かる。特に、実施例6の場合は透過率が70%以上であって本発明の目的に適するが、比較例4の場合は透過率が約60%であって使用に適しないことが分かる。
実施例1〜6および比較例2〜7によって製造された支持体フィルムの表面粗さを次のとおり測定した。
表面粗さの測定
実施例1〜6および比較例2〜7に使用された支持体フィルムを1cm×1cmのサイズに切った後、樹脂保護層と接する部分の表面粗さをAFM(Atomic Force Microscopy、PSIA社のM5AV)に100um scanning head(Park Scientific Instruments社)を用いて測定した。
下記表2は、実施例1〜6および比較例2〜7に使用された支持体フィルムの樹脂保護層と接する部分の表面粗さを測定した結果を示す。
前記測定結果より、支持体フィルムのヘイズが高ければ、支持体フィルムの表面粗さも高いことが分かる。これは支持体フィルム中の、PETの製造に使用される粒子の含量によってヘイズが定められるが、粒子の含量が多ければ、表面に露出される粒子の数も増えて表面粗さが高くなる。ところが、実施例4と比較例2で使用されたILC処理済みのPET(SDFR16)は、樹脂保護層と接する面には粒子がないため、ILC組成中の粒子の含量が増えてヘイズが高くなっても、支持体フィルムにおける樹脂保護層と接する面の表面粗さは変わらないものと予想することができる。
実施例1〜6および比較例1〜7によって製造されたドライフィルムフォトレジストの粘着力を次のとおり測定した。
粘着力の測定
<樹脂保護層間の粘着力>
幅3cm、長さ20cmのドライフィルムフォトレジスト試片の保護フィルムを除去した後、110℃で2m/minの速度、4kgf/cmの圧力でFCCLにラミネートして2つのサンプルを作成した。その後、2つのサンプルの支持体フィルムを離型させ、樹脂保護層を互いに向かい合わせて110℃で2m/minの速度、4kgf/cmの圧力でラミネートした。その後、接着されているサンプルを離型させながら、その開始点から5cm地点〜8cm地点まで100mm/minの速度で10N Load cellを用いて離型させるのに必要な力をUTM(4303 series、Instron社)を用いて測定した。
<支持体フィルムと樹脂保護層間の粘着力>
幅3cm、長さ20cmのドライフィルムフォトレジスト試片の保護フィルムを除去した後、110℃で2m/minの速度、4kgf /cmの圧力で銅張積層板にラミネートした。その後、支持体フィルムを離型させながら、その開始点から5cm地点〜8cm地点まで100mm/minの速度で10N Load cellを用いて離型させるのに必要な力をUTM(4303 series、Instron社)を用いて測定した。
<感光性樹脂層と保護フィルム間の粘着力>
幅3cm、長さ20cmのドライフィルムフォトレジスト試片の保護フィルムを離型させながら、その開始点から5cm地点〜8cm地点まで100mm/minの時間で10N Load cellを用いて離型させるのに必要な力をUTM(4303 series、Instron社)を用いて測定した。
<支持体フィルムを剥がした後の樹脂保護層とPET間の粘着力>
幅3cm、長さ20cmのドライフィルムフォトレジスト試片の保護フィルムを除去し、110℃で4kgf /cmの条件下に2m/minの速度でラミネートした後、支持体フィルムを除去した。ここに幅4cm、幅25cm、厚さ19μmのPETフィルム(FDFR、Kolon社)を110℃、4kgf/cmの条件下に2m/minの速度でラミネートした後、前記PETフィルムを離型させ始め、その開始点から5cm地点〜8cm地点まで100mm/minの速度で10N load cellを用いて離型させるのに必要な力をUTM(4303 series、Instron社)を用いて測定した。
下記表3は、実施例1〜6および比較例1〜7によって製造されたドライフィルムフォトレジストの粘着力を測定した結果を示す。
前記PETフィルムをラミネートするときの条件は、一般な露光時のマスクに接着される条件と同一であり、この際、測定された支持体フィルムの粘着力は、実施例1〜6および比較例2〜7の場合には樹脂保護層とPETフィルム間の粘着力である。
(註)表1において、例外的に、*は支持体フィルムと感光性樹脂層間の粘着力を意味し、**は支持体フィルムを剥がした後の感光性樹脂層とPETフィルム間の粘着力を意味する。
前記測定結果より、比較例3以外は、感光性樹脂層と保護フィルム間の離型力及び樹脂保護層と支持体フィルム間の離型力が作業性を阻害しない範囲内にあることが分かる。また、支持体フィルムを剥がした後の樹脂保護層とPET間の粘着力は比較例1に比べて実施例の場合が著しく低いことが分かる。
このことから、実施例の樹脂保護層と露光条件で一般に使用されるマスク材質間の粘着力が非常に低く、これにより露光の際に取り扱いが容易であることが分かる。
特性評価
実施例1〜6および比較例1〜7で製造されたドライフィルムフォトレジストを次のような方法でプリント基板に形成した後、ドライフィルムフォトレジストの特性を評価した。
(1)プリント基板上の形成
銅張積層板(CCL)にブラシ前処理機を用いて新しい銅面を形成し、適切な表面粗さを形成する。その後、5%硫酸溶液で酸処理した後、水洗、乾燥を行ってラミネーターに投入した。ラミネーターとしてHakuto Mach 610iを用いて110℃で4kgf/cmの圧力、2m/minの速度で、実施例1〜6および比較例1〜7で製造されたドライフィルムフォトレジストを銅張積層板にラミネートした。この際、予熱は行っていない。その後、UV露光機(Perkin Elmer OB−7120、5KW平行光)で照射して露光を行った。露光を済ませたプリント基板を現像機を通過させて現像した。
この際、樹脂保護層を含む実施例1〜6の場合は露光工程の前に支持体フィルムを剥がしが、樹脂保護層が含まれていない比較例1の場合は支持体フィルムを現像工程の前に剥がした。
(a)ヘイズ
実施例1〜6および比較例1〜7によって製造されたドライフィルムフォトレジストを7cm×7cmのサイズに切った後、保護フィルムを剥がしてサイズ10cm×10cmの銅張積層板にラミネートした。その後、ラミネートされたドライフィルムフォトレジストの支持体フィルムを剥がした後、樹脂保護層を剥がし、ヘイズメーター(日本電色社、NDH−2000)を用いて、前記剥がした樹脂保護層のヘイズを測定した。
(b)現像時間
樹脂保護層を含まない場合、前記(a)のようにドライフィルムフォトレジストを銅張積層板にラミネートしたプリント基板を温度30℃の条件で圧力1.5kgf/cmで現像液(1% NaCO水溶液)を噴射するファン型ノズルと基板間の間隔が15cmの現像機に通過させ、ラミネートされた部位が現像液によって完全に洗い流されて除去される時間を測定し、これを感光性樹脂層のみの最小現像時間(以下、「Smin」という)とした。また、感光性樹脂層のみの実際現像時間(以下、「Sdel」という)は、感光性樹脂層のみの最小現像時間(Smin)の2倍の時間に算定した。
一方、樹脂保護層を含むフィルムの場合、樹脂保護層を含むフィルムの最小現像時間(以下、「Pmin」という)は感光性樹脂層のみの最小現像時間(Smin)を測定する方法と同様に測定した。樹脂保護層を含むフィルムの実際現像時間(以下、「Pdel」という)は感光性樹脂層のみの実際現像時間(Sdel)に樹脂保護層のみの現像時間(以下、「Ptim」という)を追加しなければならず、これを表すと、下記数式1のとおりである。
<数式1>
前記数式1の表現を変えると、下記数式2で表現される。
<数式2>
したがって、樹脂保護層を含むフィルムの最小現像時間と樹脂保護層を含まないフィルムの最小現像時間、すなわち感光性樹脂層のみの最小現像時間をそれぞれ測定し、これらの値から、樹脂保護層を含むフィルムの実際現像時間を算出することができる。
ここで、感光性樹脂層のみの最小現像時間(Smin)は、比較例1のドライフィルムフォトレジストに対する最小現像時間で判断する。
前記数式1および数式2から樹脂保護層のみの現像時間(Ptim)を算出し、算出された現像時間を樹脂保護層の厚さで割った値を樹脂保護層の1μm当たりの現像時間として定義する。
(c)感度と露光量
露光の際、実施例1〜6および比較例2〜7の場合には樹脂保護層上に、比較例1の場合には支持体フィルム上にそれぞれ感度器(21段Stouffer Step Tablet)を位置させた後、感度5段、6段、7段を得るための露光量を光量計(UV−351、ORC社製)を用いて測定した。その測定値は下記表4に示した。この際、感度は現像の後に基板に残っている感光性レジストの最大単位個数で評価した。
(2)回路物性:解像度、細線密着力、および1/1(Line/Space)解像度
Kolon Test Artworkを用いて解像度、細線密着力、および1/1(Line/Space)解像度を測定して回路物性を評価した。
本実験において、解像度は、未露光部位が現像されるときにどれほど小さい線幅まで現像されたかその度合いを測定した値であって、この値が小さいほど解像度が高く、測定された解像度の測定に使用されたマスクは4〜20μmまで0.5μmの間隔で形成されており、実現しようとする値の解像度に、400μmの間隔で作られたマスクを使用した。細線密着力の値は、露光部位が現像の後にどれほど小さい線幅まで侵食を受けず直線の回路を形成するかを測定した値であって、この値が小さいほど細線密着力の値がよく、測定された細線密着力値の測定に使用されたマスクは4〜20μmまで0.5μmの間隔で形成されており、実現しようとする値の細線密着力値に、400μmの間隔で作られたマスクを使用した。また、1/1解像度は、回路ラインと回路ライン間の間隔を1:1にして、綺麗に現像された最小線幅を測定した値を示す。
(3)光沢度
光沢度測定器(Gloss Meter Reading)を用いてKS定義(KS M ISO 2813:2007)に従って光沢測定角度20°および60°で光沢度を測定した。
前記方法によって光沢度を測定するために、まず、銅張積層板に樹脂保護層のあるドライフィルムフォトレジストをラミネートし、露光および現像した後、光沢度を測定した。この際、前記露光および現像は、上述した特性評価上で実施した方法で行った。その結果を下記表5に示した。
(4)表面分析
実施例1および比較例1のドライフィルムフォトレジストを適用したプリント基板に対して、前述したように露光および現像工程を施した後、表面を電子顕微鏡で撮影してそれぞれ図2〜図3に示した。
下記表4は、ヘイズ、現像時間および露光条件による回路物性の測定結果をそれぞれ示す。
(註)表4において、最小現像時間(sec)は樹脂保護層を含むフィルムの最小現像時間(Pmin)を意味し、実際現像時間(sec)は樹脂保護層を含むフィルムの実際現像時間(Pdel)を意味する。但し、例外的に、*は感光性樹脂層のみの最小現像時間(Smin)を意味し、**は感光性樹脂のみの自在現像時間(Sdel)を意味する。
下記表5は、現像後の感光性樹脂層の表面の光沢度を測定した結果をそれぞれ示す。
前記測定結果、比較例1は樹脂保護層がないため、ヘイズの測定が不可能であった。特に、比較例5および比較例6は、樹脂保護層と感光性樹脂層間の混入が起こって層分離がなされないためヘイズの測定が不可能であった。比較例3は、ヘイズが実施例4〜6に比べて低い値を示したが、現像時間が著しく長くなって回路物性が低下するという問題があった。
また、同じ段数を実現するために必要な露光量は、実施例1〜6と比較例1〜7間の差異が殆どなかった。回路物性の測定結果より、実施例は解像度を始めとしてさらに優れた結果を示すことが分かる。
一方、本発明の樹脂保護層を含むドライフィルムフォトレジストの場合、樹脂保護層現像時間が0.5〜3秒程度であった。
また、図2〜図3の電子顕微鏡写真による表面観察の結果、実施例1によるドライフィルムフォトレジストを適用したプリント基板の表面写真を示す図2の場合、比較例1を適用した図3の場合に比べて、側面および表面の凸凹が殆どなく、非常に優れたパターンを形成したことが分かる。
したがって、本発明のドライフィルムフォトレジストを適用した場合、露光の際に取り扱いが容易であるうえ、解像度が向上し、樹脂保護層と感光性樹脂層間の混入が防止されて現像後にも感光性樹脂層の光沢度が優れて現像性が向上することが分かる。
本発明の単純な変形または変更は当該分野における通常の知識を有する者によって容易に実施でき、それらの変形または変更はいずれも本発明の領域に含まれるものと理解できる。

Claims (9)

  1. 順次積層された支持体フィルム、樹脂保護層および感光性樹脂層を含んでなり、
    前記樹脂保護層が重量平均分子量5000〜300000の水溶性高分子と、前記水溶性高分子100重量に対して0.25〜1重量部の含量のポリシリコーンを含み、
    前記樹脂保護層のヘイズが3.0%以下であり、前記樹脂保護層の1μm当たりの現像時間が10秒以下であり、前記樹脂保護層の厚さが10μm以下であり、厚さ偏差が1μm以下であることを特徴とする、ドライフィルムフォトレジスト。
  2. 前記水溶性高分子は鹸化度75〜97%のポリビニルアルコールを含むことを特徴とする、請求項1に記載のドライフィルムフォトレジスト。
  3. 前記ポリシリコーンは、水、アルコール類およびこれらの混合物の中から選ばれたいずれか一つの溶媒100gに6時間80℃の条件下でポリシリコーン0.1gを溶解させたときの粒度が1μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のドライフィルムフォトレジスト。
  4. 前記樹脂保護層のUV透過率が355nmと405nmでそれぞれ70%以上であることを特徴とする、請求項1に記載のドライフィルムフォトレジスト。
  5. 前記支持体フィルムおよび前記樹脂保護層間の粘着力が0.0005〜0.01N/cmであることを特徴とする、請求項1に記載のドライフィルムフォトレジスト。
  6. 前記支持体フィルムを除去したドライフィルムフォトレジストにおける樹脂保護層の一面と、他の支持体フィルムを除去したドライフィルムフォトレジトにおける樹脂保護層の一面とが接するように、110℃で2m/minの速度、4kgf/cmの圧力で積層を行った後、ドライフィルムフォトレジストをさらに分離させるときの、前記樹脂保護層の一面と他の樹脂保護層の一面間の粘着力が0.01N/cm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のドライフィルムフォトレジスト。
  7. 前記感光性樹脂層は現像後の光沢度が20°で15以上、60°で60以上であることを特徴とする、請求項1に記載のドライフィルムフォトレジスト。
  8. 前記樹脂保護層と接する支持体フィルムの表面粗さRaは0.01以下であることを特徴とする、請求項1に記載のドライフィルムフォトレジスト。
  9. 前記感光性樹脂層の一面に保護フィルムをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のドライフィルムフォトレジスト。
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