JP4979391B2 - 感光性樹脂積層体 - Google Patents

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Description

本発明は感光性樹脂積層体、ならびにその用途に関し、詳しくはプリント配線板、フレキシブル基板、リードフレーム基板、COF(チップオンフィルム)用基板、半導体パッケージ用基板、液晶用透明電極、液晶用TFT用配線、PDP(プラズマディスプレイパネル)用電極等の導体パターンの製造に適した感光性樹脂積層体、ならびにそれを用いたレジストパターンの形成方法に関する。
パソコンや携帯電話等の電子機器には、部品や半導体などの実装用としてプリント配線板等が用いられる。プリント配線板等の製造用のレジストとしては、従来、支持フィルム上に感光性樹脂層を積層し、さらに該感光性樹脂層上に必要に応じて保護フィルムを積層して成る感光性樹脂積層体、いわゆるドライフィルムレジスト(以下、DFRと呼ぶこともある)が用いられている。
ここで用いられる感光性樹脂層としては、現在、現像液として弱アルカリ水溶液を用いるアルカリ現像型のものが一般的である。
DFRを用いてプリント配線板等を作製するには、保護フィルムが有る場合には、まず保護フィルムを剥離した後、銅張積層板やフレキシブル基板等の永久回路作成用基板上にラミネーター等を用いDFRをラミネートし、配線パターンマスクフィルム等を通し露光を行う。次に必要に応じて支持フィルムを剥離し、現像液により未露光部分の感光性樹脂層を溶解、もしくは分散除去し、基板上に硬化レジストパターン(以下、単にレジストパターンと呼ぶこともある)を形成させる。
レジストパターン形成後回路を形成させるプロセスは、大きく2つの方法に分かれる。第一の方法は、レジストパターンによって覆われていない銅張積層板等の銅面をエッチング除去した後、レジストパターン部分を現像液よりも強いアルカリ水溶液で除去する方法(エッチング法)である。第二の方法は同上の上記銅面に銅、半田、ニッケルおよび錫等のメッキ処理を行った後、同様にレジストパターン部分の除去、さらに現れた銅張積層板等の銅面をエッチングする方法(メッキ法)である。エッチングには塩化第二銅、塩化第二鉄、銅アンモニア錯体溶液等が用いられる。
さて、近年DFRは、プリント配線板のみならず、テープオートメイテッドボンディング(TAB)やCOFなどのフレキシブルかつ高密度な配線や、半導体パッケージ基板などの超高密度配線の形成にも用いられつつある。高密度の配線を実現するには当然高解像のDFRが必要であるが、従来のDFRでは解像度の限界もある。
例えば、感光性樹脂層の成分の架橋密度を上げて高解像とする手法もあるが、架橋密度の上昇と相反して硬化膜はもろくなり、レジストパターンが搬送中に欠けてしまい、結果として歩留まりを下げる事になる。
また、例えば、支持フィルムとして一般的に用いられるポリエステルフィルム中にはフィルムのブロッキング性などの観点から滑剤等が含まれているが、この滑剤等成分によって、露光時に微小な一部分が遮光され、結果として硬化レジストパターンのサイドウォール(側壁)や硬化レジストパターンにおける支持フィルム側にあった面(表面)に、ガタツキや凹みを生じることがある。高密度配線を形成する場合にはこの影響が解像度の悪化につながり、特に感光性樹脂層の厚みが薄い場合に顕著である。
さらに、解像度以外にも課題は存在する。
例えば、TABやCOFにおいて高密度配線を形成するには、基材がフレキシブル基板であるから硬化レジストパターンに柔軟性が無い場合、欠けが多発し、歩留まりが悪化する。また、スプロケットやスルーホールパターンもあるのでテンティング性が良いことも
重要である。さらにTABやCOFにおいては、基材をロール状に繰り出し巻き取り扱うリールツーリール工法によることがほとんどであるので、基板を巻き取った状態で保存されることが多く、保存中に未露光未現像のレジストが基材と作用し、基材に現像残として残ると、これがエッチングやメッキ時の不良につながる。また、フレキシブル基材は、基材厚みが薄く、レジスト剥離時に剥離液のスプレー圧を上げることができず剥離片を細片化することが難しい。故に、剥離片が容易に細片化することも重要である。
また、例えば、半導体パッケージにおいて高密度配線を形成するには、セミアディティブ工法を用いることが多く、この場合は耐メッキ性やメッキ後の剥離性が重要となる。
従来は、これら様々な性能、工法にあわせて、DFRメーカーがDFRを適宜設計し選定して、それを配線板メーカーなどのユーザーが工程・基材毎に適用してきたが、DFRの種類を増やすことは生産性の悪化につながり、生産工程でDFRを取り違えることによるリスクも大きくなる。このような背景から、DFRには上記高解像かつ高密着であることに加え、様々な工程・基材にも対応できる性能、即ち、硬化膜柔軟性、テンティング性、耐メッキ性、剥離性、保存安定性などが同時に求められていた。
高解像の観点から、支持フィルムと感光性樹脂層の間に中間層を設け、支持フィルムを剥離して中間層の上から露光する従来技術がある(特許文献1)。しかし、前記従来技術では、剥離性、保存性などの点が十分ではなく、さらに上記種々工程や基材に対応できるものでもなかった。
また、耐メッキ性、密着性、機械強度および柔軟性の観点から、特定のウレタン化合物とポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート化合物を組み合わせる従来技術が開示されている(特許文献2)。同様に、強度、伸びおよび耐機械的衝撃性の観点から、特定のウレタン化合物と特定のモノ(メタ)アクリレート化合物を組み合わせる従来技術が開示されている(特許文献3)。しかし、これらの技術は、半導体パッケージといった超高解像分野、さらにはTAB、COFといったフレキシブル基材に適用するには、レジスト形状、解像性、剥離性、保存性などの観点から不十分であった。
特開平6−242611 特開2001−42522 特開平10−20491
本発明は、レジストパターンのサイドウォールのガタツキや表面の凹みがなく高解像、高密着であり、硬化膜柔軟性、テンティング性、耐メッキ性、剥離性、剥離片形状、保存安定性、凝集性に優れる感光性樹脂積層体を提供すること、および、該感光性樹脂積層体を用いたレジストパターンの形成方法ならびに導体パターンの形成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を持つ感光性樹脂積層体であって、感光性樹脂層に特定の光重合可能な不飽和化合物含有する感光性樹脂積層体を見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
1.支持フィルム上に、膜厚が0.1μm以上10μm以下の1層からなる中間層と、感光性樹脂層とを順次積層してなる感光性樹脂積層体であって、該中間層が、ポリビニルアルコール、及びオレフィンを1〜20モル%共重合したポリビニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種のポリビニルアルコールを含み、該感光性樹脂層が、カルボキシル基含有量が酸当量で100〜600であり、重量平均分子量が5000〜500000であるバインダー用樹脂:20〜90質量%、光重合可能な不飽和化合物:3〜70質量%、光重合開始剤:0.1〜20質量%、を含む感光性樹脂組成物からなり、該光重合可能な不飽和化合物が下記式(I)で表される化合物を含む感光性樹脂積層体であって、該光重合可能な不飽和化合物が、さらにポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを2〜20質量%含むことを特徴とする感光性樹脂積層体
(上記式中、R 1 およびR 2 は各々独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、X 1 、X 2 、Y 1 およびY 2 は、各々独立に炭素数2〜6のアルキレンオキシド基を示し、Zは炭素数2〜16の炭化水素基を示し、a、b、dおよびeは各々独立に0〜14の整数であって、a+b+d+eは6〜30である。X 1 、X 2 、Y 1 およびY の繰り返し単位の配列はブロックであってもランダムであっても良い。)
2.該光重合可能な不飽和化合物が、さらに下記式(II)で表される化合物を含むことを特徴とする上記1に記載の感光性樹脂積層体。
(上記式中、R 3 およびR 4 は各々独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、X 3 、X 4 、Y 3 およびY 4 は、各々独立に炭素数2〜6のアルキレンオキシド基を示し、f、g、hおよびiは各々独立に0〜40の整数であって、f+g+h+iは2〜40である。X 3 、X 4 、Y 3 およびY 4 の繰り返し単位の配列はブロックであってもランダムであっても良い。)
3.該光重合可能な不飽和化合物が、さらに下記式(III)で表される化合物を含むことを特徴とする上記1または2に記載の感光性樹脂積層体。
(上記式中、R 5 は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R 6 は炭素数4〜14のアルキル基を示し、mは0〜3であり、X 5 およびY 5 は、各々独立に炭素数2〜6のアルキレンオキシド基を示し、jおよびkは各々独立に0〜12の整数であって、j+kは1〜24である。X 5 およびY 5 の繰り返し単位の配列はブロックであってもランダムであっても良い。)
4.該感光性樹脂層が、さらに下記式(IV)であらわされる化合物を含むことを特徴とする上記1〜3のいずれか一つに記載の感光性樹脂積層体。
(上記式中、R 7 は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基又はアミノアルキル基を示す。)
5.該バインダー用樹脂がスチレン、ベンジル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種の共重合体を含むことを特徴とする上記1〜4のいずれか一つに記載の感光性樹脂積層体。
6.該感光性樹脂層の膜厚が0.5μm以上15μm以下であることを特徴とする上記1〜5のいずれか一つに記載の感光性樹脂積層体。
7.該支持フィルムが、離型処理されたものであることを特徴とする上記1〜6のいずれか一つに記載の感光性樹脂積層体。
8.該感光性樹脂積層体が、感光性樹脂層にさらに保護フィルムを積層したものであって、該保護フィルムが延伸ポリプロピレンフィルムであることを特徴とする上記1〜7のいずれか一つに記載の感光性樹脂積層体。
9.上記1〜8のいずれか一つに記載の感光性樹脂積層体を金属板、または金属被覆絶縁板の表面にラミネートし、支持フィルムを剥離し、紫外線露光した後、現像により未露光部を除去することを特徴とするレジストパターンの形成方法。
10.上記9記載の方法によって、レジストパターンを形成した基板をエッチングまたはメッキすることを特徴とする導体パターンの製造方法。
本発明によれば、レジストパターンのサイドウォールのガタツキや表面の凹みがなく高解像、高密着であり、硬化膜柔軟性、テンティング性、耐メッキ性、剥離性、剥離片形状、保存安定性、凝集性に優れる感光性樹脂積層体を提供することができる。また、該感光性樹脂積層体を用いたレジストパターンの形成方法ならびに導体パターンの形成方法を提供することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の感光性樹脂積層体とは、支持フィルム上に、少なくとも、膜厚が0.1μm以上10μm以下の中間層と、感光性樹脂層とを順次積層してなる感光性樹脂積層体であって、該中間層が、ポリビニルアルコール、及びオレフィンを1〜20モル%共重合したポリビニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種のポリビニルアルコールを含む。
ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルをアルカリけん化して製造されるのが一般的である。ポリビニルアルコールの重量平均分子量は、1000〜100000である。酸素遮断性、現像性の観点から、好ましくは5000〜50000である。けん化度は、現像性の観点から50モル%以上が好ましく、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上である。このようなポリビニルアルコールとしては、(株)クラレ製PVA−203、PVA−205、PVA−403、PVA−405などが挙げられる。
オレフィンを1〜20モル%共重合したポリビニルアルコールは、オレフィンと酢酸ビ
ニルを共重合しこれをけん化して製造されるのが一般的である。オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ヘキセンなどが挙げられる。共重合性、アルカリ可溶性の観点からエチレンが好ましい。アルカリ可溶性の観点からオレフィンの共重合比率は20モル%以下である。このような、オレフィンを共重合したポリビニルアルコールとしては、(株)クラレ製エバール(商品名)などが挙げられる。
ポリビニルアルコールおよびオレフィンを共重合したポリビニルアルコールの重量平均分子量は、日本分光(株)製ゲルパ-ミエ-ションクロマトグラフィ-(GPC)(ポンプ:Gulliver、PU-1580型、カラム:昭和電工(株)製Shodex(登録商標)(HFIP-805、HFIP−803)2本直列、移動層溶媒:ヘキサフルオロイソプロパノール、ポリスチレン標準サンプル(昭和電工(株)製Shodex STANDARD SM-105による検量線使用)により重量平均分子量(ポリスチレン換算)として求められる。
ポリビニルアルコール、及びオレフィンを1〜20モル%共重合したポリビニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種のポリビニルアルコールの中間層中の配合比率は、現像性及びコストの観点から50質量%以上95質量%以下であることが好ましい。より好ましくは70質量%以上90質量%以下である。
中間層には、上記ポリビニルアルコール、及びオレフィンを1〜20モル%共重合したポリビニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種のポリビニルアルコール以外に、支持フィルムからの離型性、現像性、コストの観点からその他水溶性高分子および/または可塑剤を含むことが出来る。例えば、ポリビニルピロリドンおよびその誘導体、ヒドロキシエチルセルロースなどの水溶性セルロース誘導体、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシドのエステル化合物、ポリエチレンオキシドのエーテル化合物などのポリエチレンオキシドおよびその誘導体、フタル酸ジブチルなどのフタル酸エステル類などが挙げられる。さらに、ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体およびその水溶性塩類、ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体およびその水溶性塩類、カルボキシアルキル澱粉水溶性塩類、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリアクリル酸水溶性塩類、ゼラチン、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
ポリビニルピロリドンおよびその誘導体は、下記式(V)で示される化合物が好ましい。
(Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。nは9〜10000の整数である。)
上記式(V)において、nは、支持フィルムと中間層の剥離性の点から9以上が好ましく、現像性の観点から10000以下が好ましい。より好ましくは20以上2000以下、更に好ましくは30以上1500以下である。上記式(V)で示される化合物の具体例としては、株式会社日本触媒製K−15(重量平均分子量4万)、K−30(重量平均分子量10万)、K−85(重量平均分子量90万)、K−90(重量平均分子量100万)等が挙げられる。
ポリエチレンオキシド誘導体は、下記式(VI)で示される化合物が好ましい。
(R及びR10は、各々独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、これらは同一であっても相違してもよく、pは、3〜25の整数である。)
上記式(VI)において、RおよびR10は、アルカリ可溶性、ポリビニルアルコールとの相溶性の観点から水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましい。より好ましくは、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基、さらに好ましくは水素原子またはメチル基もしくはエチル基である。pは、臭気の点から3以上が好ましく、ポリビニルアルコールとの相溶性、及び現像性の観点から25以下が好ましい。より好ましくは5以上20以下、更に好ましくは7以上15以下である。上記式(VI)で示される化合物の具体例としては、平均分子量が200であるポリエチレングリコール(日本油脂株式会社製PEG200)、平均分子量が300であるポリエチレングリコール(日本油脂株式会社製PEG300、平均分子量が400であるポリエチレングリコール(日本油脂株式会社製PEG400)、平均分子量が600であるポリエチレングリコール(日本油脂株式会社製PEG600)、平均分子量が1000であるポリエチレングリコール(日本油脂株式会社製PEG1000)や平均分子量400であるポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本油脂株式会社製のユニオックスM−400)、平均分子量550であるポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本油脂株式会社製ユニオックスM−550)、平均分子量1000であるポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本油脂株式会社製ユニオックスM−1000)等があげられる。該その他水溶性高分子および/または可塑剤としては、離型性の観点から、上記式(V)および(VI)などの化合物が好ましい。
支持フィルムは、本発明においては、紫外線露光前に支持フィルムを剥離するため、支持フィルムは紫外線を透過させる透明なものを用いる必要は無い。支持フィルムとしては、厚み10μm以上100μm以下程度のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカ−ボネート、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂フィルムがあるが、通常適度な可とう性と強度を有するポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。ラミネート時にシワを発生させにくくするため、また支持体の破損を防ぐために、膜厚は10μm以上であることが好ましい。
また、支持フィルムは、中間層の剥離性の観点から、中間層が積層される側が離型処理されていることが好ましい。離型処理とは、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アルキッド樹脂などの離型剤で表面を薄くコートし離型性を上げる化学処理や、コロナ処理などの物理処理等を指す。シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アルキッド樹脂などの離型剤をコートする場合は、離型の効果が得られる限度で出来るだけ薄くコートすることが好ましい。コート後は、熱やUV処理により離型剤を支持フィルムに定着させることも出来る。このような離型処理されたフィルムとしては、三菱化学ポリエステルフィルム(株)製T−100H、S120−H38、MRX−25、MRF−25、MR−25、テイジンデュポンフィルム(株)製A−50,A−70、A−90、リンテック(株)製L−25X、6010、E、B、38C、38−2010、38−1010、GS、クレハ化学(株)製テラミーなどを挙げることができる。
本発明の感光性樹脂積層体は、その感光性樹脂層が、カルボキシル基含有量が酸当量で100〜600であり、重量平均分子量が5000〜500000であるバインダー用樹脂:20〜90質量%、光重合可能な不飽和化合物:3〜70質量%、光重合開始剤:0
.1〜20質量%を含む感光性樹脂組成物からなるが、以下、感光性樹脂組成物の成分を順に説明する。
まず、バインダー用樹脂について説明する。
バインダー用樹脂に含まれるカルボキシル基の量は、酸当量で100〜600が好ましく、より好ましくは250〜450である。酸当量とは、その中に1当量のカルボキシル基を有するバインダー用樹脂の質量を言う。
バインダー用樹脂中のカルボキシル基は、感光性樹脂層にアルカリ水溶液に対する現像性や剥離性を与えるために必要である。酸当量は、現像耐性、解像性および密着性の観点から100以上が好ましく、現像性および剥離性の観点から600以下が好ましい。
バインダー用樹脂の重量平均分子量は、5000〜500000であることが好ましい。バインダー用樹脂の重量平均分子量は、解像性の観点から500000以下が好ましく、エッジフューズの観点から5000以上が好ましい。エッジフューズとは、感光性樹脂積層体を、例えば、ロール状に巻き取った場合、保存中に感光性樹脂層がロール端面からはみ出し、層状に重ねられた一層内側の層もしくは一層外側の層からはみ出した感光性樹脂層と癒着する現象である。エッジフューズが起きると、ロールから感光性樹脂積層体を巻出す時に癒着した端面の感光性樹脂層がチップとなって飛び散り、これがラミネートされたり、マスクに付着したりして歩留まりが悪化することがある。本発明の効果をさらに良く発揮するためには、バインダー用樹脂の重量平均分子量は、5000〜200000であることがより好ましく、さらに好ましくは5000〜100000である。分散度(分子量分布と呼ぶこともある)は下記式の重量平均分子量と数平均分子量の比で表される。
(分散度)=(重量平均分子量)/(数平均分子量)。
分散度は1〜6程度のものが用いられ好ましくは1〜4である。
なお、酸当量の測定は、平沼産業(株)製平沼自動滴定装置(COM―555)を使用し、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて電位差滴定法により行われる。
分子量は、日本分光(株)製ゲルパ-ミエ-ションクロマトグラフィ-(GPC)(ポンプ:Gulliver、PU-1580型、カラム:昭和電工(株)製Shodex(登録商標)(KF-807、KF-806M、KF-806M、KF-802.5)4本直列、移動層溶媒:テトラヒドロフラン、ポリスチレン標準サンプルによる検量線使用)により重量平均分子量(ポリスチレン換算)として求められる。
バインダー用樹脂は、下記の2種類の単量体の中より、各々一種又はそれ以上の単量体を共重合させることにより得られる。
第一の単量体は、分子中に重合性不飽和基を一個有するカルボン酸又は酸無水物である。例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸半エステル等が挙げられる。
本発明において、(メタ)アクリルとは、アクリル及び/又はメタクリルを表す。
第二の単量体は、非酸性で、分子中に重合性不飽和基を一個有する化合物である。該化合物は、感光性樹脂層の現像性、エッチング及びメッキ工程での耐性、硬化膜の可とう性等の種々の特性を保持するように選ばれる。該化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレ-ト、エチル(メタ)アクリレ-ト、ブチル(メタ)アクリレ-ト、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレ-ト等のアルキル(メタ)アクリレ-ト、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリール、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシベンジル(メタ)アクリレート、クロロベンジル(メタ)アクリレート、フルフリール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、クレジル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレートなどのアリール(メタ)アクリレート、フェニル基を有するビニル化合物(例えば、スチ
レン)等を用いることができる。解像性、密着性の観点からスチレンが好ましい。また、解像性、現像液凝集性の観点からベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。
バインダー用樹脂は、上記第一の単量体と第二の単量体との混合物を、アセトン、メチルエチルケトン、又はイソプロパノール等の溶剤で希釈した溶液に、過酸化ベンゾイル、アゾイソブチロニトリール等のラジカル重合開始剤を適量添加し、過熱攪拌することにより合成を行うことが好ましい。混合物の一部を反応液に滴下しながら合成を行う場合もある。反応終了後、さらに溶剤を加えて、所望の濃度に調整する場合もある。合成手段としては、溶液重合以外に、塊状重合、懸濁重合、又は乳化重合を用いてもよい。
バインダー用樹脂の感光性樹脂組成物全体に対する割合は、20〜90質量%の範囲が好ましく、より好ましくは30〜70質量%である。露光、現像によって形成される硬化レジストパターンが、レジストとしての特性、例えば、テンティング、エッチング及び各種メッキ工程において十分な耐性等を有するという観点から20質量%以上90質量%以下が好ましい。
以下、光重合可能な不飽和化合物について説明する。
該光重合可能な不飽和化合物は、下記式(I)で表される化合物を含む。
(上記式中、RおよびRは各々独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、X、X、YおよびYは、各々独立に炭素数2〜6のアルキレンオキシド基を示し、Zは炭素数2〜16の炭化水素基を示し、a、b、dおよびeは各々独立に0〜14の整数であって、a+b+d+eは6〜30である。X、X、YおよびYの繰り返し単位の配列はブロックであってもランダムであっても良く、いずれがウレタン基側であっても良い。)
上記式(I)中、R及びRは、各々独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、耐薬品性の観点からメチル基であることが好ましい。また、X、X、Y及びYは、各々独立に炭素数2〜6のアルキレンオキシド基である。炭素数2〜6のアルキレンオキシド基としては、例えば、メチレンオキシド基、エチレンオキシド基、n−プロピレンオキシド基、イソプロピレンオキシド基、n−ブチレンオキシド基、イソブチレンオキシド基、sec−ブチレンオキシド基、tert−ブチレンオキシド基、ペンチレンオキシド基、イソペンチレンオキシド基、ネオペンチレンオキシド基、へキシレンオキシド基、これらの構造異性体等が挙げられる。現像液中の分散性を向上し、凝集物の発生を低減させる観点からは、X及びXがエチレンオキシド基であることが好ましく、Y及びYが炭素数3〜6のアルキレンオキシド基であることが好ましい。より好ましくは、X及びXがエチレンオキシド基であり、Y及びYがイソプロピレンオキシド基である。X、X、YおよびYの繰り返し単位の配列は、いずれがウレタン基側であっても良いが、YおよびYがウレタン基側であることが、剥離片の溶解性の観点から好ましい。
上記式(I)中、a、b、d及びeは、各々独立に0〜14の整数であり、a+b+d+eは6〜30である。硬化性の観点から、a、b、d及びeは14以下である。a+b+d+eは、硬化膜柔軟性、テンティング性の観点から6以上であり、解像度、密着性の観点から30以下である。より好ましくは10以上25以下である。
さらに、X及びXがエチレンオキシド基であり、Y及びYがイソプロピレンオキシド基である場合に、(a+b)/(d+e)は、0.05〜2.5であることが好ましく、0.05〜0.2であることがより好ましい。現像液や剥離液を廃液処理のため中和、濾過した際の、濾液中のBOD値の観点から0.05以上が好ましく、現像液中での分散安定性および凝集性の観点から2.5以下が好ましい
Zは炭素数2〜16の2価の炭化水素基であり、としては、例えば、エチレン基、ヘキシレン基、2−エチルヘキシレン基、トリメチルヘキシレン基、デシレン基等のアルキレン基、シクロヘキシレン基、ビシクロヘキシレン基等のシクロアルキレン基、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基などが挙げられ、へキシレン基、2,4,4−トリメチルへキシレン基、トリレン基等が好ましい。
上記式(I)で表される化合物の具体例としては、例えば上記式(I)において、R及びRがメチル基、X及びXがエチレンオキシド基、Y及びYがイソプロピレンオキシド基であり、a及びbが1(平均値)、d及びeが9(平均値)、Zがへキシレン基であるビニルウレタン化合物(新中村化学工業(株)製、商品名UA−13)、例えば式(I)において、R及びRがメチル基、X及びXがエチレンオキシド基、Y及びYがイソプロピレンオキシド基であり、a及びbが5(平均値)、d及びeが0、Zがへキシレン基であるビニルウレタン化合物(新中村化学工業(株)製、商品名UA−11)、ヘキサメチレンジイソシアネ−トとオリゴプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマ−PP1000)との反応物などを挙げることが出来る。
上記式(I)で表される化合物は、感光性樹脂組成物中に3〜40質量%含有することが好ましい。より好ましくは、5〜30質量%、更に好ましくは、7〜25質量%である。テンティング性、硬化膜柔軟性、密着性、耐めっき性の観点から、3質量%以上であり、解像性、剥離性、剥離片形状の観点から、40質量%以下である。
該光重合可能な不飽和化合物は、下記式(II)で表される化合物を含むことが好ましい。
(上記式中、RおよびRは各々独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、X、X、YおよびYは、各々独立に炭素数2〜6のアルキレンオキシド基を示し、f、g、hおよびiは各々独立に0〜40の整数であって、f+g+h+iは2〜40である。X、X、YおよびYの繰り返し単位の配列はブロックであってもランダムであっても良く、いずれがフェニル基側にあっても良い。)
上記式(II)中、R及びRは、各々独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、耐薬品性の観点からメチル基であることが好ましい。X、X、Y及びYは、各々独立に炭素数2〜6のアルキレンオキシド基である。炭素数2〜6のアルキレンオキシド基としては、例えば、メチレンオキシド基、エチレンオキシド基、n−プロピレンオキシド基、イソプロピレンオキシド基、n−ブチレンオキシド基、イソブチレンオキシド基、sec−ブチレンオキシド基、tert−ブチレンオキシド基、ペンチレンオキシド基、イソペンチレンオキシド基、ネオペンチレンオキシド基、へキシレンオキシド基、これらの構造異性体等が挙げられる。凝集性の観点からXおよびXはエチレンオ
キシド基が好ましく、YおよびYが炭素数3〜6のアルキレンオキシド基であることが好ましい。より好ましくは、X及びXがエチレンオキシド基であり、Y及びYがイソプロピレンオキシド基である。X、X、YおよびYの繰り返し単位の配列は、いずれがフェニル基側にあっても良いが、凝集性の観点からYおよびYがフェニル基側にあることが好ましい。
f、g、hおよびiは、感度、解像性、密着性の観点から各々独立に40以下である。好ましくは30以下、より好ましくは20以下である。
f+g+h+iは、バインダー用樹脂との相溶性、テンティング性、硬化膜柔軟性の観点から2以上であり、感度、解像性、密着性、耐メッキ性の観点から40以下である。好ましくは2以上35以下である。凝集性の観点から、h、iは10以下が好ましい。より好ましくは5以下である。
このような化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン(新中村化学工業(株)製NKエステルBPE−200)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン(新中村化学工業(株)製NKエステルBPE−500)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパン等の2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンなどが挙げられる。
さらに、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均2モルのプロピレンオキサイドと平均6モルのエチレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコールのジメタクリレートや、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均2モルのプロピレンオキサイドと平均15モルのエチレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコールのジメタクリレートなどが挙げられる。
解像度、密着性、凝集性の観点から2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンが好ましく、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン(新中村化学工業(株)製NKエステルBPE−200)および2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン(新中村化学工業(株)製NKエステルBPE−500)がより好ましい。
上記式(II)で表される化合物を含有する場合には、感光性樹脂組成物中に3〜40質量%含有することが好ましい。より好ましくは、5〜30質量%、更に好ましくは、10〜20質量%である。密着性、耐めっき性の観点から、3質量%以上であり、剥離性、剥離変形状、硬化膜柔軟性、テンティング性の観点から、40質量%以下である。
該光重合可能な不飽和化合物は、下記式(III)で表される化合物を含むことが好ましい。
(上記式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、Rは炭素数4〜14のアルキル基を示し、mは0〜3であり、XおよびYは、各々独立に炭素数2〜6のアルキレンオキシド基を示し、jおよびkは各々独立に0〜12の整数であって、j+kは1〜24である。XおよびYの繰り返し単位の配列はブロックであってもランダムであっても良く、いずれがフェニル基側であっても良い。)
上記式(III)中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、耐薬品性の観点からメチル基であることが好ましい。X及びYは、各々独立に炭素数2〜6のアルキレンオキシド基である。炭素数2〜6のアルキレンオキシド基としては、例えば、メチレンオキシド基、エチレンオキシド基、n−プロピレンオキシド基、イソプロピレンオキシド基、n−ブチレンオキシド基、イソブチレンオキシド基、sec−ブチレンオキシド基、tert−ブチレンオキシド基、ペンチレンオキシド基、イソペンチレンオキシド基、ネオペンチレンオキシド基、へキシレンオキシド基、これらの構造異性体等が挙げられる。凝集性の観点からYはエチレンオキシド基が好ましく、Xが炭素数3〜6のアルキレンオキシド基であることが好ましい。より好ましくは、Yがエチレンオキシド基であり、Xがイソプロピレンオキシド基である。XおよびYの繰り返し単位の配列は、いずれがフェニル基側であっても良いが、凝集性の観点からYがフェニル基側であることが好ましい。
上記式(III)中、j+kは、剥離性、凝集性、テンティング性の観点から1以上が好ましく、感度、解像度、密着性の観点から24以下が好ましい。より好ましくは、2以上16以下、更に好ましくは、2以上10以下である。jおよびkは各々独立に0〜12の整数であって、凝集性、相溶性の観点からjが0〜4であることが好ましい。より好ましくは0〜2である。凝集性、剥離性の観点からkは1以上が好ましく、感度、解像度、密着性の観点から10以下が好ましい。
上記式(III)中、Rはアルキル基であり、凝集性、テンティング性の観点から炭素数4以上が好ましく、感度、相溶性、現像性の観点から炭素数14以下が好ましい。mは、凝集性の観点から3以下が好ましく、より好ましくは1である。
上記式(III)で示される化合物の具体例としては、例えば、平均2モルのプロピレンオキサイドを付加したポリプロピレングリコールと平均7モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールをノニルフェノールに付加した化合物のアクリレートである4−ノルマルノニルフェノキシヘプタエチレングリコールジプロピレングリコールアクリレート、平均1モルのプロピレンオキサイドを付加したポリプロピレングリコールと平均5モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールをノニルフェノールに付加した化合物のアクリレートである4−ノルマルノニルフェノキシペンタエチレングリコールモノプロピレングリコールアクリレートが挙げられる。平均8モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールをノニルフェノールに付加した化合物のアクリレートである4−ノルマルノニルフェノキシオクタエチレングリコールアクリレート(東亞合成(株)製、M−114)も挙げられる。
上記式(III)で表される化合物を含有する場合には、感光性樹脂組成物中に1〜20質量%含有することが好ましい。より好ましくは、3〜15質量%、更に好ましくは、
5〜12質量%である。剥離性、凝集性、硬化膜柔軟性の観点から、1質量%以上であり、解像性、密着性の観点から、20質量%以下である。
該光重合可能な不飽和化合物は、剥離片が小さくなるという観点から、さらにポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。解像度、密着性の観点から、ポリエチレングリコールジメタクリレートが好ましい。ポリエチレングリコールの繰り返し数は、剥離片が小さくなるという観点から3以上が好ましく、解像度、密着性の観点から10以下が好ましい。具体的には、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートは、感光性樹脂組成物中に2〜20質量%含有することが好ましい。より好ましくは、3〜15質量%、更に好ましくは、5〜12質量%である。剥離片形状の観点から、2質量%以上であり、密着性の観点から、20質量%以下である。
該光重合可能な不飽和化合物は、解像性、テンティング性、硬化膜柔軟性の観点から下記式(VII)の化合物等を含むことが好ましい。
(上記式中、R11およびR12は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、XおよびYは、各々独立に炭素数2〜6のアルキレンオキシド基を示し、q、rおよびsは各々独立に1〜20の整数であって、q+r+sは3〜40である。)
上記式(VII)中、R11及びR12は、各々独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、耐薬品性、解像度の観点からメチル基であることが好ましい。X及びYは、各々独立に炭素数2〜6のアルキレンオキシド基である。炭素数2〜6のアルキレンオキシド基としては、例えば、メチレンオキシド基、エチレンオキシド基、n−プロピレンオキシド基、イソプロピレンオキシド基、n−ブチレンオキシド基、イソブチレンオキシド基、sec−ブチレンオキシド基、tert−ブチレンオキシド基、ペンチレンオキシド基、イソペンチレンオキシド基、ネオペンチレンオキシド基、へキシレンオキシド基、これらの構造異性体等が挙げられる。凝集性の観点からXはエチレンオキシド基が好ましく、Yが炭素数3〜6のアルキレンオキシド基であることが好ましい。より好ましくは、Xがエチレンオキシド基であり、Yがイソプロピレンオキシド基である。q+r+sはテンティング性、硬化膜柔軟性の観点から3以上が好ましく、解像度、密着性の観点から40以下が好ましい。より好ましくは7以上35以下である。このような化合物の具体例としては、平均12モルのプロピレンオキシドを付加したポリプロピレングリコールにエチレンオキシドをさらに両端にそれぞれ平均3モル付加したグリコールのジメタクリレート、平均18モルのプロピレンオキシドを付加したポリプロピレングリコールにエチレンオキシドをさらに両端にそれぞれ平均15モル付加したグリコールのジメタクリレートが挙げられる。
上記式(VII)で表される化合物を含有する場合には、感光性樹脂組成物中に5〜40質量%含有することが好ましい。より好ましくは、5〜30質量%、更に好ましくは、8〜20質量%である。テンティング性、硬化膜柔軟性の観点から、5質量%以上であり、解像性、密着性、凝集性の観点から、40質量%以下である。
該光重合可能な不飽和化合物は、解像性、密着性、剥離性の観点から下記式(VIII)の化合物等を含むことが好ましい。
(上記式中、R13、R14およびR15は各々独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、X、X、X、Y、YおよびYは、各々独立に炭素数2〜6のアルキレンオキシド基を示し、t、u、v、w、aaおよびbbは各々独立に0〜7の整数であって、t+u+v+wは3〜30である。X、X、X、Y、YおよびYの繰り返し単位の配列はブロックであってもランダムであっても良く、いずれがグリセロール基側にあっても良い。)
上記式(VIII)中、R13、R14およびR15は各々独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、感度、解像性の観点から水素原子が好ましい。X、X、X、Y、Y及びYは、各々独立に炭素数2〜6のアルキレンオキシド基である。炭素数2〜6のアルキレンオキシド基としては、例えば、メチレンオキシド基、エチレンオキシド基、n−プロピレンオキシド基、イソプロピレンオキシド基、n−ブチレンオキシド基、イソブチレンオキシド基、sec−ブチレンオキシド基、tert−ブチレンオキシド基、ペンチレンオキシド基、イソペンチレンオキシド基、ネオペンチレンオキシド基、へキシレンオキシド基、これらの構造異性体等が挙げられる。密着性と剥離性の観点からX、X、Xはエチレンオキシド基が好ましく、Y、Y、Yが炭素数3〜6のアルキレンオキシド基であることが好ましい。より好ましくは、X、X、Xがエチレンオキシド基であり、Y、Y、Yがイソプロピレンオキシド基である。X、X、X、Y、YおよびYの繰り返し単位の配列は、いずれがグリセロール基側にあっても良いが、凝集性の観点から、Y、YおよびYがグリセロール側であることが好ましい。
t、u、v、w、aaおよびbbは各々独立に0〜7の整数である。密着性と剥離性の観点から1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。t+u+v+wは、硬化膜柔軟性の観点から3以上であり、感度、解像性の観点から30以下である。より好ましくは、3〜20である。このような化合物の具体例としては、A−GLY−0606PE(R13、R14およびR15は水素原子、X、X、Xはエチレンオキシド基、Y、Y、Yはイソプロピレンオキシド基、t+v+aa=6(平均値)、u+w+bb=6(平均値)、新中村化学(株)製)や、A−GLY−0909PE(R13、R14およびR15は水素原子、X7、X8、X9はエチレンオキシド基、Y7、Y8、Y9はイソプロピレンオキシド基、t+v+aa=9(平均値)、u+w+b
b=9(平均値)、新中村化学(株)製)を挙げることが出来る。
上記式(VIII)で表される化合物を含有する場合には、感光性樹脂組成物中に3〜25質量%含有することが好ましい。より好ましくは、5〜20質量%、更に好ましくは、8〜15質量%である。密着性の観点から、3質量%以上であり、硬化膜柔軟性、テンティング性の観点から、25質量%以下である。
該光重合可能な不飽和化合物は、その他、以下の化合物などを適宜性能に応じて含むことが出来る。例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレングリコールトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレングリコールトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリト−ルテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト−ルペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエ−テルトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエ−テルジ(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシプロピル−β’−(アクリロイルキシ)プロピルフタレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
以下、光重合開始剤について説明する。
光重合開始剤としては、各種の活性光線、例えば紫外線等により活性化され、重合を開始する化合物であればよい。2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を用いることは高解像度の観点から好ましい実施態様である。
イミダゾール二量体において2個のロフィン基を結合する共有結合は、1,1’−、1,2’−、1,4’−、2,2’−、2,4’−又は4,4’−位についているが、1,2’−位についている化合物が好ましい。2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体には、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5-ビス−(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(p−メトシキフェニル)−4,5-ジフェニルイミダゾール二量体等があるが、特に、2−(o−クロロフェニル)−4,5-ジフェニルイミダゾール二量体が好ましい。
また、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体とp−アミノフェニルケトンを併用する系が感度、解像度の観点から好ましい。p−アミノフェニルケトンとしては、例えば、p−アミノベンゾフェノン、p−ブチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノベンゾフェノン、p,p’−ビス(エチルアミノ)ベンゾフェノン、p,p’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン[ミヒラ−ズケトン]、p,p’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、p,p’−ビス(ジブチルアミノ)ベンゾフェノン等があげられる。
また、上記で示された化合物以外の光重合開始剤としては、例えば、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾフェノン等の芳香族ケトン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエ−テル、ベンゾインエチルエ−テル等のベンゾインエ−テル類、9−フェニルアクリジン等のアクリジン化合物、ベンジルジメチルケタ-ル、ベンジルジエチルケタ−ル等がある。また、例えば、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類と、ジメチルアミノ安息香酸アルキルエステル化合物等の三級アミン化合物との組み合わせもある。
また、1−フェニル−1、2−プロパンジオン−2−O−ベンゾイルオキシム、1−フェニル−1、2−プロパンジオン−2−(O-エトキシカルボニル)オキシム等のオキシ
ムエステル類等がある。また、N−アリールα−アミノ酸化合物も用いることも可能であり、これらの中では、N−フェニルグリシンが特に好ましい。
該光重合開始剤は、感光性樹脂組成物全体に対して0.1〜20質量%含有することが好ましい。十分な感度を得る観点から、0.1質量%以上、露光時にフォトマスクを通した光のハレーション防止の観点から20質量%以下が好ましい。
感光性樹脂層には、上記以外にも種々の化合物を含むことが出来る。
例えば、密着性、メッキ性、保存安定性の観点から式(IV)で示されるカルボキシルベンゾトリアゾール及び/又はその誘導体を含むことが好ましい。ここに言う保存安定性とは、感光性樹脂積層体を基材に積層した後で保存した場合未露光の感光性樹脂層が後の現像工程において一部現像残として残る場合があって、このような場合に現像残が発生しないことを保存安定性が良いと言う。現像残は、基材表面が銅の場合は銅表面が赤茶色に変化することによって確認されることもある(以下、赤面とも呼ぶ)。現像残は、後のエッチング工程においてはその部分のエッチング速度が遅くなってエッチング不良を発生させる。エッチング不良が発生すると、配線が不均一になり、不良が著しい場合はショート(短絡)となる。また、後のメッキ工程においては、その部分にメッキが乗らないためメッキ不良を発生させる。メッキ不良が発生すると、配線が不均一になり、不良が著しい場合はオープン(断線)となる。
(上記式中、Rは、水素、炭素数20以下のアルキル基又はアミノアルキル基である)
は、水素、炭素数20以下のアルキル基又はアミノアルキル基であるが、密着性、保存安定性、赤面防止効果の観点から炭素数20以下のアミノアルキル基が好ましい。
カルボキシルベンゾトリアゾール及び/又はその誘導体としては、具体的には以下を挙げることが出来る。例えば、5-カルボキシベンゾトリアゾール、4−カルボキシベンゾトリアゾールが挙げられ、これらの中では5-カルボキシベンゾトリアゾールが好ましい。
カルボキシルベンゾトリアゾール誘導体としては、例えば置換されていてもよいアミノメチル基を含有している、1−〔N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル〕−5−カルボキシルベンゾトリアゾール、1−〔N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル〕−4−カルボキシルベンゾトリアゾール、1−〔N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノエチル〕−5−カルボキシルベンゾトリアゾール、1−〔N,N−ビス(イソプロピル)アミノメチル〕−5−カルボキシルベンゾトリアゾール、1−〔N−ヒドロ−N−3−(2−エチルヘキシルオキシ)−1−プロピルアミノメチル〕−5−カルボキシルベンゾリアゾール、1−〔N,N−ビス(1−オクチル)アミノメチル〕−5−カルボキシルベンゾトリアゾール、1−〔N,N−ビス(2−ヒドロオキシプロピル)アミノメチル〕−5−カルボキシルベンゾトリアゾール、1−〔N,N−ビス(1−ブチル)アミノメチル〕−5−カルボキシルベンゾトリアゾール等が挙げられる。これらの中では、1−〔N,N−ビス(1−ブチル)アミノメチル〕−5−カルボキシルベンゾトリアゾールが好ましい。カルボキシル基の置換位置は、合成過程で5位と6位が混在することがあるが、そのいずれも好ましい。単に1−N−ジブチルアミノメチルカルボキシベンゾトリアゾールと記述して5位置換体と6位置換体の混合物を指すこともある。
上記式(IV)の化合物は、感光性樹脂層中には密着性、メッキ性、保存安定性の観点から0.005質量部以上、良好な密着性を維持する観点から4.0質量部以下含むことが好ましい。更に好ましくは0.01質量部以上2質量部以下である。
さらに感光性樹脂層には、視認性、コントラストの観点から塩基性染料を用いることができる。塩基性染料の具体例としてはフクシン、フタロシアニングリーン、オーラミン塩基、カルコキシドグリーンS,パラマジエンタ、クリスタルバイオレット、メチルオレンジ、ナイルブルー2B、マラカイトグリーン(保土ヶ谷化学(株)製 アイゼン(登録商標) MALACHITE GREEN)、ベイシックブルー20、ダイアモンドグリーン(保土ヶ谷化学(株)製 アイゼン(登録商標) DIAMOND GREEN GH)、ビクトリアブルー(保土ヶ谷化学(株)製 アイゼン(登録商標) VICTORIA
PURE BLUE)等が挙げられる。
さらに感光性樹脂層には、光照射により発色する発色系染料を含有させることもできる。用いられる発色系染料としては、例えば、ロイコ染料又はフルオラン染料と、ハロゲン化合物の組み合わせがある。ロイコ染料としては、例えば、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコクリスタルバイオレット]、トリス(4-ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコマラカイトグリーン]等が挙げられる。
ハロゲン化合物としては、臭化アミル、臭化イソアミル、臭化イソブチレン、臭化エチレン、臭化ジフェニルメチル、臭化ベンザル、臭化メチレン、トリブロモメチルフェニルスルフォン、四臭化炭素、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェ-ト、トリクロロアセトアミド、ヨウ化アミル、ヨウ化イソブチル、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(p−クロロフェニル)エタン、ヘキサクロロエタン、トリアジン化合物等が挙げられる。該トリアジン化合物としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンが挙げられる。
このような発色系染料の中でも、トリブロモメチルフェニルスルフォンとロイコ染料との組み合わせや、トリアジン化合物とロイコ染料との組み合わせが有用である。
さらに感光性樹脂層には、熱安定性、保存安定性を向上させるために、感光性樹脂組成物にラジカル重合禁止剤を含有させることは好ましいことである。このようなラジカル重合禁止剤としては、例えば、p-メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコール、塩化第一銅、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾ−ル、2,2’−メチレンビス(4-エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ジフェニルニトロソアミン等が挙げられる。
さらに感光性樹脂層には、必要に応じて可塑剤等の添加剤を含むことが出来る。このような添加剤としては、例えばジエチルフタレート等のフタル酸エステル類、o-トルエンスルホン酸アミド、p-トルエンスルホン酸アミド、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリ-n-プロピル、アセチルクエン酸トリ-n-ブチル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル等が挙げられる。
以下、支持フィルム、中間層、感光性樹脂層、及び保護フィルムを順次積層して感光性樹脂積層体を作製する方法について説明する。
例えば、まず、株式会社クラレ製のポリビニルアルコールPVA−205樹脂及び上記一般式(VI)で表される化合物を、固形分比率が20wt%となるように85℃の加温した水に徐々に加えて1時間程度撹拌して均一に溶解させる。次いでポリビニルアルコー
ルを含む前記中間層の組成物の均一な水溶液を支持フィルム上にブレードコーター、バーコーターやロールコーターを用いて塗布して乾燥する。ポリビニルアルコールを含む中間層の組成物の均一な水溶液の粘度は、10〜500mPa・sに調整するのが好ましい。得られた中間層を積層した支持フィルムの中間層上に感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を、中間層の塗布と同様にブレードコーター、バ−コーターやロールコーターを用いて塗布して乾燥する。感光性樹脂層は、感光性樹脂組成物を公知の溶媒を含有することでその粘度が25℃で500〜4000mPa・secとなるように、調製して塗工して得られる。用いられる好適な溶媒としては、メチルエチルケトン(MEK)に代表されるケトン類、並びにメタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコールなどのアルコール類が挙げられる。
次に感光性樹脂層上に保護層をラミネートすることにより感光性樹脂積層体を作製することができる。
感光性樹脂層の厚みは、用途に応じて適宜調整することが出来る。解像度の観点から40μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、28μm以下がさらに好ましい。追従性の観点から2μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましい。
次に、本発明の感光性樹脂積層体を用いてプリント配線板を製造する方法の一例を説明する。
プリント配線板は、以下の各工程を経て製造される。
(1)ラミネート工程
感光性樹脂積層体に保護層がある場合には保護層を剥がしながら銅張積層板やフレキシブル基板等の基板上にホットロールラミネーターを用いて密着させる工程。
(2)露光工程
感光性樹脂積層体から、支持フィルムを剥離し、所望の配線パターンを有するマスクフィルムを中間層上に密着させ活性光線源を用いて露光を施す工程。
(3)現像工程
アルカリ現像液を用いて中間層及び感光性樹脂層の未露光部分を溶解または分散除去し、硬化レジストパターンを基板上に形成する工程。
(4)エッチング工程又はメッキ工程
形成されたレジストパターン上からエッチング液を吹き付けレジストパターンによって覆われていない銅面をエッチングする工程、またはレジストパターンによって覆われていない銅面に銅、半田、ニッケルおよび錫等のメッキ処理を行う工程。
(5)剥離工程
レジストパターンをアルカリ剥離液を用いて基板から除去する工程。
上記(2)露光工程において用いられる活性光線源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カ−ボンア−ク灯、キセノンランプなどが挙げられる。また、より微細なレジストパターンを得るためには平行光光源を用いるのがより好ましい。ゴミや異物の影響を極力少なくしたい場合には、フォトマスクを支持体上から数十μm以上数百μm以下浮かせた状態で露光(プロキシミティー露光)する場合もある。また、上記(3)現像工程で用いられるアルカリ現像液としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の水溶液が挙げられる。これらのアルカリ水溶液は感光性樹脂層の特性に合わせて選択されるが、一般的に0.5質量%以上3質量%以下の炭酸ナトリウム水溶液が用いられる。
上記(4)エッチング工程は、酸性エッチング、アルカリエッチングなど、使用するDFRに適した方法で行われる。
上記(5)剥離工程で用いられるアルカリ剥離液としては、一般的に現像で用いたアルカリ水溶液よりも更に強いアルカリ性の水溶液、例えば1質量%以上5質量%以下の水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムの水溶液が挙げられる。
また、セミアディティブ工法等メッキ工程を設けた場合には、レジストパターンを剥離後に、レジストパターンの下に現れた銅面をエッチングする場合もある。
以下、実施例により本発明の実施形態の例をさらに詳しく説明する。
以下に、実施例及び比較例の評価用サンプルの作製方法並びに得られたサンプルについての評価方法及び評価結果について示す。
1)評価用サンプルの作製
実施例及び比較例における感光性樹脂積層体は次の様にして作製した。
<感光性樹脂積層体の作製>
表1及び表2に示す中間層組成物の水溶液をよく撹拌、混合し、支持フィルムとして16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(フィルム−1)の表面にブレードコーターを用いて均一に塗布し、100℃の乾燥機中で3分間乾燥して支持フィルム上に均一な中間層を形成した。中間層の厚みは2μmであった。支持フィルムに積層された中間層上に、表1及び表2に示す感光性樹脂組成物をブレードコーターを用いて均一に塗布、95℃で下記膜厚3μmの場合は1分、膜厚15μmの場合は2分乾燥した。次いで、感光性樹脂層上の表面上に、保護層として25μm厚のポリエチレンフィルムを張り合わせて感光性樹脂積層体を得た。但し、実施例9〜11においては、フィルム−1の代わりに、フィルム−2(リンテック(株)製PET−L25X、厚み25μm、感光性樹脂層を塗布する面に離型処理を施したフィルム)を用いた以外は上記と同じように感光性樹脂積層体を得た。
尚、上記塗布時にブレードのギャップを調節して膜厚の異なる2種類の感光性樹脂積層体をそれぞれの組成物について作成し、後述の評価に用いた。即ち、一方は感光性樹脂層の膜厚を3μmとし、後述の、「支持フィルム剥離性」「サイドウォールのガタツキ」「レジスト表面の凹み」「解像度」「密着性」「保存後支持フィルム剥離性」の評価に用いた。他方は感光性樹脂層の膜厚を15μmとし、「硬化膜柔軟性」「テンティング性」「耐メッキ性」「剥離性」「剥離片形状」「保存後メッキ不良」「凝集性」の評価に用いた。
<基板>
絶縁樹脂に8μm銅箔を積層した住友金属(株)製エスパーフレックスを用いて評価した。尚、以下その他の基板を用いる場合はその旨記載した。
<ラミネート>
本発明の感光性樹脂積層体の保護層を剥がしながらホットロールラミネーター(旭化成エンジニアリーング(株)社製、AL-70)により、ロール温度105℃でラミネートした。エアー圧力は0.35MPaとし、ラミネート速度は1.0m/minとした。
<露光>
支持フィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、感光性樹脂層の評価に必要なマスクフィルムを中間層上におき、超高圧水銀ランプ(オーク製作所製、HMW-801)により80mJ/cmの露光量で露光した。
但し、比較例2〜3においては、支持フィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離せずに露光を行った。
<現像>
30℃の0.5質量%NaCO水溶液を所定時間スプレーし、感光性樹脂層の未露光部分を溶解除去した。この際、未露光部分の感光性樹脂層が完全に溶解するのに要する最も少ない時間を最小現像時間とした。実際の現像時間は最小現像時間の2倍で現像し、硬化レジストパターンを得た。
<エッチング>
エッチングにより回路を形成する場合は以下のように実施した。即ち、現像によってレジストパターンが形成された基板に、塩化第二銅濃度250g/L、塩酸濃度3mol/Lである、50℃の塩化第二銅エッチング液を所定時間スプレーし、銅張積層板上のレジストパターンにより被覆されていない部分の銅箔を溶解除去した。
<メッキ>
メッキにより回路を形成する場合は以下のように実施した。まず、次のようにメッキ前処理を行った。現像によってレジストパターンが形成された基板を、酸性脱脂FRX(10%水溶液、アトテックジャパン(株)製)浴に、40℃で4分浸せきした。水洗後、APS水溶液(過硫酸アンモニウム水溶液、濃度200g/L)に、室温下1分間浸漬した。更に水洗後10%硫酸水溶液に室温下2分浸せきした。
次いで、以下のように硫酸銅メッキを行った。上記メッキ前処理後を施した基板を、硫酸銅コンク(メルテックス(株)製)を19wt%硫酸で3.6倍に希釈したメッキ液中で2.5A/dm2の電流密度で室温下30分間メッキを行った。
次いで、以下のように半田メッキを行った。上記硫酸銅メッキを施した基板を、半田メッキ液(錫/鉛=6/4質量比、メルテックス(株)製)で2.0A/dm2の電流密度で室温下10分間浸せきし、半田メッキを行った。
<剥離>
以下のようにレジスト剥離を行った。エッチング工程の場合、エッチング後の評価基板に、50℃に加温した3質量%の水酸化ナトリウム水溶液をスプレーして硬化したレジストを剥離し、回路基板を得た。メッキ工程の場合、硫酸銅メッキ次いではんだメッキを施した評価基板に、50℃に加温した3質量%の水酸化ナトリウム水溶液をスプレーして硬化したレジストを剥離し、ついで、はんだメッキにより保護されていない部分の銅箔をエッチング除去し、回路基板を得た。
2)評価方法
上記評価サンプルの作成にて説明した方法に加え、それぞれの性能については以下の方法により評価した。
<支持フィルム剥離性>
露光前に支持フィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離する時、剥離性について下記ランク付けをした。
○:支持フィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルムのみが剥がれた。
△:支持フィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルムに一部中間層が付着し同時に剥がれた。
×:支持フィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルムと中間層が一緒に剥がれた(中間層と感光性樹脂層間で剥離された)。
<サイドウォールのガタツキ>
基板にラミネートされた感光性樹脂積層体を、クロムガラスフォトマスクを用いて露光し、現像した。得られた硬化パターンの10μmラインのレジストサイドウォール形状を下記によりランク付けした。
○:形成されたレジストサイドウォールにガタツキはほとんど無い。
△:形成されたレジストサイドウォールにごくわずかにガタツキが存在する。
×:形成されたレジストサイドウォールのところどころにガタツキが存在する。
<表面の凹み>
基板にラミネートされた感光性樹脂積層体を、クロムガラスフォトマスクを用いて、露光し、現像した。得られた硬化パターンにおいて、10μmラインのレジスト表面の凹み
を下記によりランク付けした。
○:形成されたレジスト表面には凹みがほとんど無い。
△:形成されたレジスト表面にごくわずかに凹みが存在する。
×:形成されたレジスト表面にところどころに凹みが存在する。
<解像度>
ラミネート後15分経過した基板を、露光時のマスクフィルムとして、露光部と未露光部の幅が1:1の比率のラインパターンマスクを用いて、露光し、現像した。硬化レジストパターンが正常に形成されている最小マスク幅を解像度の値とし、解像性を下記のようにランク分けした。
○:解像度の値が5μm以下
△:解像度の値が5μmを超え、10μm以下
×:解像度の値が10μmを超える
<密着性>
ラミネート後15分経過した基板を、露光時のマスクフィルムとして、露光部単独のラインパターンマスクを用いて、露光し、現像した。硬化レジストパターンが正常に形成されている最小マスク幅を密着性の値とし、密着性を下記のようにランク分けした。
○:密着性の値が5μm以下
△:密着性の値が5μmを超え、10μm以下
×:密着性の値が10μmを超える
<硬化膜柔軟性>
感光性樹脂積層体をラミネートし、全面露光し、現像し、幅2.5cm、長さ30cmの短冊状サンプルを用意した。これを基材側が接触するように直径が1、2、3、4、5、6mmφのSUS棒に架け、折れ曲がり角度が90度になるよう短冊状サンプルの両端を持って、短冊状サンプルを前後に1往復しごいた。レジスト面に亀裂が入る場合の最も大きい直径が小さいほど硬化膜の柔軟性が優れるとして、以下のようにランク付けした。
○:1mmφ〜3mmφ
△:4mmφ〜5mmφ
×:6mmφ
<テンティング性>
半径6mmのスルーホールが等間隔で存在する(1008穴)テンティング評価用基板に感光性樹脂積層体をラミネートし、全面露光し、現像し、さらに水洗槽において0.3MPaのスプレー圧で水洗した後の膜破れ率を測定した。膜破れ率によって下記のようなランク付けを行った。
○:膜破れ率が1%未満。
△:膜破れ率が1%以上〜5%未満。
×:膜破れ率が5%以上。
<耐メッキ性>
ラミネート後15分経過した基板に、ライン/スペースが75μm/75μmの回路パターンが描画されたマスクフィルムを通して露光した。現像後、硫酸銅メッキ及び半田メッキを行い、さらに硬化レジストを剥離した。レジスト剥離後の硫酸銅メッキラインを光学顕微鏡で観察し、耐メッキ性を以下のようにランク付けした。
○:硫酸銅メッキ及び半田メッキのもぐりがなく良好なメッキラインを形成している。
△:硫酸銅メッキ及び半田メッキのもぐり幅がライン片側で5μm未満である。
×:硫酸銅メッキ及び半田メッキのもぐり幅がライン片側で5μm以上ある。
××:完全に硫酸銅メッキ及び半田メッキのもぐりが起こり、ラインが形成されない。
<剥離性>
ラミネート後15分経過した剥離性評価用基板を、4cm×5cmのベタパターンのマスクを通して露光し、現像した。ベタパターンを形成した基板を、50℃の3%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、ベタパターンのレジストが完全に基板から剥離されるまでの時間を測定した。この剥離時間により下記のようにランクわけした。
○:剥離時間が20秒を超え25秒以下
△:剥離時間が25秒を超え30秒以下
×:剥離時間が40秒を超える
<剥離片形状>
ラミネート後15分経過した剥離性評価用基板を、4cm×5cmのベタパターンのマスクを通して露光し、現像した。ベタパターンを形成した基板を、50℃の3%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、ベタパターンのレジストを剥離し、剥離されたレジスト片をスリットノズル0.1MPaの水洗水で10秒シャワーし、剥離片の形状を観察した。
○:剥離片が砕け、一片が5mm角程度の大きさになる
△:剥離片が砕け、一片が10mm角程度の大きさになる
×:剥離片が数片にしか砕けない。
<保存後メッキ性>
感光性樹脂積層体をラミネートし、23℃、湿度50%環境下で72時間放置する、露光し、現像し、次いで、下記に示す条件により硫酸銅メッキを行い、硫酸銅メッキ表面を光学顕微鏡で観察し、メッキ性を以下のようにランク付けした。
○:メッキ表面は凹凸や斑がなく均一な厚みでメッキされている。
△:メッキ表面は一部に凹凸や斑が認められる。
×:メッキ表面全体に凹凸や斑が認められ、厚みも均一ではない。
<保存後支持フィルム剥離性>
感光性樹脂積層体をラミネートし、23℃、湿度50%環境下で72時間放置した。その後、上記支持フィルム剥離性に準じて、支持フィルム剥離性を評価した。
<凝集性>
感光性樹脂積層体中の厚さ15μm、面積0.43mの感光性樹脂層を、200mlの1質量%NaCO水溶液に溶解させ、循環式スプレー装置を用いてスプレー圧0.1MPa、3時間スプレーを行った。その後、現像液を1日放置し、凝集物の発生を観察した。凝集物が多量に発生するとスプレー装置の底部及び側面に粉状のもの又は油状のものが観察される。また、現像液に凝集物が浮遊することもある。現像液凝集性が良好な組成はこれら凝集物が全く発生しないか、もしくは発生しても極微量で水洗によりスプレー装置から簡単に洗い流すことが可能である。凝集物の発生状態については目視観察により以下のようにランク分けした。
○:スプレー装置の底部もしくは側面には凝集物はないが現像液に目視で確認可能な極微量の凝集物の浮遊が観察されるが水洗すると簡単に洗い流される。
△:スプレー装置の底部もしくは側面の一部及び現像液に凝集物が浮遊している。
水洗してもすべてを洗い流すことはできない。
×:スプレー装置全体に凝集物が見られ且つ現像液に凝集物が浮遊している。
水洗でもすべてを洗い流すことは不可能でほとんどが残留する。
[実施例1〜13、参考実施例14、実施例15〜16]、[比較例1〜3]
実施例および比較例の評価結果を表1及び表2に示す。表1及び表2におけるA−1〜A−3の質量部は固形分の質量部であり、溶剤を含まない。感光性樹脂組成物を調整するには、A−1〜A−3の固形分濃度35質量%のメチルエチルケトン溶液を予め作成し、表1及び表2の固形分となるように各A−1〜A−3の溶液を配合した。
表1及び表2中、比較例1は中間層を有するが、上記式(I)で表される化合物を含まない。比較例2は上記式(I)、(II)および分子内に二種類のアルキレンオキサイド基を有するポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート化合物を含むが、中間層を有しない。比較例3は、上記式(I)、(III)およびポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート化合物を含むが中間層を有しない。尚表1及び表2中の記号の意味は以下の通りである。
<記号説明>
T−1:ポリビニルアルコール((株)クラレ製PVA−205)
T−2:エチレン共重合度5モル%のポリビニルアルコール((株)クラレ製エバール)T−3:平均分子量550であるポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本油脂(株)製ユニオックスM−550)
T−4:重量平均分子量10万のポリビニルピロリドン((株)日本触媒製K−30)
A−1:メタクリル酸メチル50質量%、メタクリル酸25質量%、スチレン25質量%の三元共重合体(重量平均分子量5万、酸当量344)
A−2:メタクリル酸ベンジル50質量%、メタクリル酸30質量%、スチレン20質量%の三元共重合体(重量平均分子量5万、酸当量430)
A−3:メタクリル酸メチル65質量%、メタクリル酸25質量%、アクリル酸ブチル10質量%の三元共重合体(重量平均分子量12万、酸当量344)
B−1:エチレンオキシド変性ウレタンジメタクリレート(新中村化学工業(株)社製UA−11)
B−2:エチレンオキシドプロピレンオキシド変性ウレタンジメタクリレート(新中村化学工業(株)社製UA−13)
B−3:ヘキサメチレンジイソシアネ−トとオリゴプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマ−PP1000)との反応物であるウレタンポリプロピレングリコールジメタクリレート
B−4:ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均5モルのエチレンオキシドを付加したポリエチレングリコールのジメタクリレート(新中村化学工業(株)製NKエスエルBPE−500
B−5:4−ノルマルオクチルフェノキシペンタエチレングリコールモノプロピレングリコールアクリレート
B−6:ノナエチレングリコールジメタクリレート
B−7:平均12モルのプロピレンオキサイドを付加したポリプロピレングリコールにエチレンオキサイドをさらに両端にそれぞれ平均3モル付加したポリアルキレングリコールのジメタクリレート
C−1:2−(o−クロロフェニル)−4、5−ジフェニルイミダゾール二量体
C−2:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
D−1:ダイアモンドグリーン(保土ヶ谷化学(株)製 アイゼン(登録商標)
DIAMOND GREEN GH)
D−2:ロイコクリスタルバイオレット
E−1:1−N−ジブチルアミノメチルカルボキシベンゾトリアゾール

Claims (10)

  1. 支持フィルム上に、膜厚が0.1μm以上10μm以下の1層からなる中間層と、感光性樹脂層とを順次積層してなる感光性樹脂積層体であって、該中間層が、ポリビニルアルコール、及びオレフィンを1〜20モル%共重合したポリビニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種のポリビニルアルコールを含み、該感光性樹脂層が、カルボキシル基含有量が酸当量で100〜600であり、重量平均分子量が5000〜500000であるバインダー用樹脂:20〜90質量%、光重合可能な不飽和化合物:3〜70質量%、光重合開始剤:0.1〜20質量%、を含む感光性樹脂組成物からなり、該光重合可能な不飽和化合物が下記式(I)で表される化合物を含む感光性樹脂積層体であって、該光重合可能な不飽和化合物が、さらにポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを2〜20質量%含むことを特徴とする感光性樹脂積層体
    (上記式中、R1およびR2は各々独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、X1、X2、Y1およびY2は、各々独立に炭素数2〜6のアルキレンオキシド基を示し、Zは炭素数2〜16の炭化水素基を示し、a、b、dおよびeは各々独立に0〜14の整数であって、a+b+d+eは6〜30である。X1、X2、Y1およびYの繰り返し単位の配列はブロックであってもランダムであっても良い。)
  2. 該光重合可能な不飽和化合物が、さらに下記式(II)で表される化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂積層体。
    (上記式中、R3およびR4は各々独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、X3、X4、Y3およびY4は、各々独立に炭素数2〜6のアルキレンオキシド基を示し、f、g、hおよびiは各々独立に0〜40の整数であって、f+g+h+iは2〜40である。X3、X4、Y3およびY4の繰り返し単位の配列はブロックであってもランダムであっても良い。)
  3. 該光重合可能な不飽和化合物が、さらに下記式(III)で表される化合物を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の感光性樹脂積層体。
    (上記式中、R5は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R6は炭素数4〜14のアルキル基を示し、mは0〜3であり、X5およびY5は、各々独立に炭素数2〜6のアルキレンオキシド基を示し、jおよびkは各々独立に0〜12の整数であって、j+kは1〜24である。X5およびY5の繰り返し単位の配列はブロックであってもランダムであっても良い。)
  4. 該感光性樹脂層が、さらに下記式(IV)であらわされる化合物を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂積層体。
    (上記式中、R7は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基又はアミノアルキル基を示す。)
  5. 該バインダー用樹脂がスチレン、ベンジル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種の共重合体を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂積層体。
  6. 該感光性樹脂層の膜厚が0.5μm以上15μm以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂積層体。
  7. 該支持フィルムが、離型処理されたものであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂積層体。
  8. 該感光性樹脂積層体が、感光性樹脂層にさらに保護フィルムを積層したものであって、該保護フィルムが延伸ポリプロピレンフィルムであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂積層体。
  9. 請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂積層体を金属板、または金属被覆絶縁板の表面にラミネートし、支持フィルムを剥離し、紫外線露光した後、現像により未露光部を除去することを特徴とするレジストパターンの形成方法。
  10. 請求項記載の方法によって、レジストパターンを形成した基板をエッチングまたはメッキすることを特徴とする導体パターンの製造方法。
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