JP6404571B2 - 感光性樹脂組成物、感光性樹脂積層体及びレジストパターン形成方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、感光性樹脂積層体及びレジストパターン形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、感光性樹脂組成物、等に関する。
従来、プリント配線板は一般的にはフォトリソグラフィー法によって製造されている。フォトリソグラフィー法とは、感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、パターン露光して該感光性樹脂組成物の露光部を重合硬化(ネガ型の場合)又は現像液に対して可溶化(ポジ型の場合)させるとともに未露光部(ネガ型の場合)又は露光部(ポジ型の場合)を現像液で除去して基板上にレジストパターンを形成し、エッチング又はめっき処理を施して導体パターンを形成した後、該レジストパターンを該基板上から剥離除去することによって、基板上に導体パターンを形成する方法をいう。
フォトリソグラフィー法においては、通常、感光性樹脂組成物を基板上に塗布するときに、感光性樹脂組成物の溶液を基板に塗布して乾燥させる方法、又は支持体、感光性樹脂組成物から成る層(以下、「感光性樹脂層」ともいう。)、及び必要により保護層、を順次積層した感光性樹脂積層体(以下、「ドライフィルムレジスト」ともいう。)を基板に積層する方法のいずれかが使用される。そして、プリント配線板の製造においては、後者のドライフィルムレジストが使用されることが多い。
ドライフィルムレジストはプリント配線板の高密度化及び需要拡大に対応するための重要な要素であり、従来のドライフィルムに比べて様々な特性の向上が要求されている。例えば、特許文献1には、現像液における膨潤度と剥離液における膨潤度を規定することによって、高精細かつ剥離性が良好なパターン形成が可能であると記載されている。
特開2006−292889号公報
ドライフィルムレジストをめっき用途で使用する際には、レジストパターンは、電解めっき終了後に剥離除去される。正常なめっきが施された場合、めっき部分の高さはレジストパターンの高さを超えることはない。しかしながら、めっき工程に異常が生じた場合には、本来のめっきされるべき範囲を超えてレジストパターンに覆いかぶさるように過剰にめっきされてしまう場合(以下、この現象を「オーバーハング」ともいう)がある。このオーバーハング部では当然のことながら、正常なめっき部に比べレジストパターンは剥離され難くなり、剥離不良の原因となる。そのため、ドライフィルムレジストには、オーバーハング剥離性の向上が求められる。
更に、ドライフィルムレジストには、オーバーハング剥離性と耐めっき性を両立することが求められる。特許文献1に記載された感光性樹脂組成物は、オーバーハング剥離性と耐めっき性を高度な次元で両立する観点から、なお改善の余地を有していた。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、優れたオーバーハング剥離性を有し、かつ、耐めっき性に優れた感光性樹脂組成物を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、以下の技術的手段により、上記課題を解決することができることを見出した。
すなわち、本発明は以下の通りである:
[1] (a)アルカリ可溶性高分子:20質量%〜90質量%;
(b)分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する付加重合性モノマー:5質量%〜75質量%;及び
(c)光重合開始剤:0.01質量%〜30質量%
を含む感光性樹脂組成物であって、
該(b)成分として、下記一般式[I]:
Figure 0006404571
{式中、Rは、水素原子またはメチル基を表し、Aは、炭素数2〜6のアルキレン基を表し、n及びnは、n+n=2〜40を満たす数であり、複数存在するAは、同一でも異なっていてもよく、かつ−(A−O)−の繰り返し構造は、ランダムであってもブロックであってもよい。}
で表される付加重合性モノマーを含有し、かつ
該感光性樹脂組成物を38μmの厚さで基板にラミネートし、露光し、現像して硬化レジストを得た後に、該硬化レジストを50℃で4重量%の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して該基板から剥離させた際に、該硬化レジストの膨潤率が165%以上である、
前記感光性樹脂組成物。
[2] 上記一般式(I)で表される付加重合性モノマーの含有率が、前記感光性樹脂組成物の固形分総量に対して、5質量%〜40質量%である、[1]に記載の感光性樹脂組成物。
[3] 上記(b)成分として、下記一般式[II]:
Figure 0006404571
{式中、nは、2〜40の数である。}
で表される付加重合性モノマーをさらに含有する、[1]又は[2]に記載の感光性樹脂組成物。
[4] 上記(b)成分として、下記一般式[III]
Figure 0006404571
{式中、Aは、炭素数2〜6のアルキレン基を表し、n及びnは、n+n=2〜40を満たす数であり、複数存在するAは、同一でも異なっていてもよく、かつ−(A−O)−の繰り返し構造は、ランダムであってもブロックであってもよい。}
で表される付加重合性モノマーをさらに含有する、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
[5] さらに(d)塩基性染料として、下記一般式[IV]:
Figure 0006404571
{式中、Rは、水素または炭素数1〜4のアルキル基である。}
で表される化合物を含有する、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
[6] [1]〜[5]のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層、及び該感光性樹脂層を支持する支持体を含む感光性樹脂積層体。
[7] [6]に記載の感光性樹脂積層体を基板上に積層する積層工程、該感光性樹脂積層体に含まれる感光性樹脂層を露光する露光工程、該露光後の感光性樹脂層における未露光部を現像液で除去してレジストパターンを形成する現像工程、を含むレジストパターンの形成方法。
[8] 前記露光工程が、描画パターンの直接描画により露光を行う工程である、[7]に記載のレジストパターン形成方法。
[9] [6]に記載の感光性樹脂積層体を金属板又は金属皮膜絶縁板上に積層する積層工程;
該感光性樹脂積層体に含まれる感光性樹脂層を露光する露光工程;
該露光後の感光性樹脂層における未露光部を現像液で除去してレジストパターンを形成する現像工程;及び
該金属板又は金属皮膜絶縁板表面の該レジストパターンに被覆されていない部分をエッチング又はめっきするエッチング又はめっき工程;
を含む導体パターンの形成方法。
[10] [6]に記載の感光性樹脂積層体を銅張積層板又はフレキシブル基板上に積層する積層工程;
該感光性樹脂積層体に含まれる感光性樹脂層を露光する露光工程;
該露光後の感光性樹脂層における未露光部を現像液で除去してレジストパターンを形成する現像工程;
該銅張積層板又はフレキシブル基板表面の該レジストパターンに被覆されていない部分をエッチング又はめっきするエッチング又はめっき工程;及び
該レジストパターンを該銅張積層板又はフレキシブル基板から剥離する剥離工程;
を含むプリント配線板の製造方法。
[11] [6]に記載の感光性樹脂積層体を金属板上に積層する積層工程;
該感光性樹脂積層体に含まれる感光性樹脂層を露光する露光工程;
該露光後の感光性樹脂層における未露光部を現像液で除去してレジストパターンを形成する現像工程;
該金属板表面の該レジストパターンに被覆されていない部分をエッチングするエッチング工程;及び
該レジストパターンを該金属板から剥離する剥離工程;
を含むリードフレームの製造方法。
[12] [6]に記載の感光性樹脂積層体を、大規模集積化回路(LSI)が形成されているウェハ上に積層する積層工程;
該感光性樹脂積層体に含まれる感光性樹脂層を露光する露光工程;
該露光後の感光性樹脂層における未露光部を現像液で除去してレジストパターンを形成する現像工程;
該ウェハ表面の該レジストパターンに被覆されていない部分をめっきするめっき工程;及び
該レジストパターンを該ウェハから剥離する剥離工程;
を含む半導体パッケージの製造方法。
本発明によれば、優れたオーバーハング剥離性を有し、かつ、耐めっき性に優れた感光性樹脂組成物が提供される。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<感光性樹脂組成物>
実施の形態では、感光性樹脂組成物は、下記(a)〜(c)の各成分:
(a)アルカリ可溶性高分子:20〜90質量%;
(b)分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する付加重合性モノマー:5〜75質量%;及び
(c)光重合開始剤0.01〜30質量%
を含み、上記(b)成分として、下記一般式[I]で表される付加重合性モノマーを含有し、当該組成物層の厚みを38μmとして基板にラミネート、露光、現像した後の硬化レジストを50℃、4重量%の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して剥離させた際の膨潤率が165%以上である。
実施の形態では、上記感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層を、厚みが38μmになるように、基板にラミネートし、露光し、現像した後に、得られた硬化レジストを、50℃で4重量%の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して剥離させた際に、剥離された硬化レジストの膨潤率が165%以上である。この膨潤率は、オーバーハング剥離性の観点から165%以上であり、170%以上であることが好ましく、175% 以上であることがより好ましい。この膨潤率は、耐めっき性及び解像性の観点から、200%以下であることが好ましく、195%以下であることがより好ましい。
所望により、感光性樹脂組成物は、(d)塩基性染料などの他の添加剤を含んでよい。感光性樹脂組成物に含まれる成分について以下に説明する。
[(a)アルカリ可溶性高分子]
アルカリ可溶性高分子は、典型的には、カルボキシル基含有単量体を共重合成分として含む、重量平均分子量が5,000〜500,000の熱可塑性共重合体である。
熱可塑性共重合体の重量平均分子量は、5,000〜500,000であることが好ましい。熱可塑性共重合体の重量平均分子量は、ドライフィルムレジストの厚みを均一に維持し、現像液に対する耐性を得るという観点から5,000以上が好ましく、一方で、現像性を維持するという観点から500,000以下が好ましい。より好ましい熱可塑性共重合体の重量平均分子量の下限は、20,000であり、上限は300,000である。また好ましい分子量分布は1.5〜7であり、より好ましい下限は2であり、上限は5である。
熱可塑性共重合体は、後述する第一の単量体の1種以上と後述する第二の単量体の1種以上とから成る共重合成分を共重合させて得られることが好ましい。
第一の単量体は、分子中にカルボキシル基を含有する単量体である。第一の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸無水物、及びマレイン酸半エステルなどが挙げられる。中でも、特に(メタ)アクリル酸が好ましい。ここで、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを示す。以下同様である。
第二の単量体は、非酸性であり、かつ分子中に重合性不飽和基を少なくとも1個有する単量体である。第二の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル等のビニルアルコールのエステル類;(メタ)アクリロニトリル、スチレン系モノマー(スチレン、及び重合可能なスチレン誘導体)などが挙げられる。中でも、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、スチレン、及びベンジル(メタ)アクリレートが好まし、解像度の観点からスチレンを用いることは特に好ましい。
アルカリ可溶性高分子は、上記の単量体を混合し、溶剤、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、ノルマルプロピルアルコール、又はイソプロパノールで希釈した溶液に、ラジカル重合開始剤、例えば、過酸化ベンゾイル、アゾイソブチロニトリルを適量添加し、過熱攪拌することにより合成を行うことが好ましい。混合物の一部を反応液に滴下しながら合成を行う場合もある。反応終了後、さらに溶剤を加えて、所望の濃度に調整する場合もある。合成手段としては、溶液重合以外に、塊状重合、懸濁重合、又は乳化重合を用いてもよい。
特に好ましいアルカリ可溶性高分子は、第一の単量体と第二の単量体の共重合割合が、第一の単量体が10質量%〜60質量%、第二の単量体が40質量%〜90質量%であるものであり、さらにより好ましくは第一の単量体が15質量%〜35質量%、第二の単量体が65質量%〜85質量%である。
アルカリ可溶性高分子のより具体的な例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸及びスチレンを共重合成分として含む重合体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸及びアクリル酸n−ブチルを共重合成分として含む重合体、並びにメタクリル酸ベンジル、メタクリル酸メチル及びアクリル酸2−エチルヘキシルを共重合成分として含む重合体等が挙げられる。
実施の形態では、感光性樹脂組成物中のアルカリ可溶性高分子の含有量(但し、感光性樹脂組成物の固形分総量に対してである。以下、特別に規定される場合以外は、各含有成分において同じ。)は、20質量%〜90質量%の範囲であり、好ましい下限は25質量%、好ましい上限は75質量%であり、より好ましい下限は40質量%、より好ましい上限は65質量%である。この含有量は、アルカリ現像性を維持するという観点から20質量%以上であることが好ましく、一方で、露光によって形成されるレジストパターンがレジストとしての性能を十分に発揮するという観点から90質量%以下であることが好ましい。
[(b)分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する付加重合性モノマー]
(b)分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する付加重合性モノマーは、例えば、エチレン性不飽和基を有することによって付加重合性を有するモノマーである。エチレン性不飽和結合は、末端エチレン性不飽和基であることが好ましい。
実施の形態では、感光性樹脂組成物は、(b)成分として、下記一般式[I]で表される付加重合性モノマーを含む。所望により、感光性樹脂組成物は、(b)成分として、下記一般式[II]で表される付加重合性モノマー、下記一般式[III]で表される付加重合性モノマー、及び/又はその他の付加重合性モノマーをさらに含んでよい。(b)成分として使用される付加重合性モノマーについて以下に説明する。
〔一般式[I]で表される付加重合性モノマー〕
前記感光性樹脂組成物は、下記一般式[I]:
Figure 0006404571
{式中、Rは、水素原子またはメチル基を表し、Aは、炭素数2〜6のアルキレン基を表し、n及びnは、n+n=2〜40を満たす数であり、複数存在するAは、同一でも異なっていてもよく、かつ−(A−O)−の繰り返し構造は、ランダムであってもブロックであってもよい。}
で表される付加重合性モノマーを1種又は2種以上含む。
理論に拘束されることを望まないが、本実施の形態において、上記一般式[I]で表される付加重合性モノマーを他の成分と併用することにより、感光性樹脂組成物としてオーバーハング剥離性と耐めっき性の良好なバランスを実現するメカニズムについて、本発明者らは以下の様に推察している。
即ち、オーバーハング剥離性については、上記一般式[I]で表される付加重合性モノマーが持つ膨潤に有利なアクリロイル基により実現し、耐めっき性については、上記一般式[I]で表される付加重合性モノマーが持つ耐薬品性に有利なビスフェノール構造により実現されたと考えられる。
上記一般式[I]において、Aは炭素数が2〜6のアルキレン基である。このアルキレン基の炭素数は、取り扱い性の観点から2以上が好ましく、他の原料との相溶性の観点から6以下が好ましく、4以下がより好ましい。具体的には、アルキレン基としては、−CHCHCHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)CH−、−CHCH(CH)−、−CHCH−等が挙げられるが、中でも、−CHCH−が好ましい。
上記一般式[I]において、−(A−O)−の繰り返し単位は、同一であるか、又は異なっていてもよい。−(A−O)−の繰り返し単位が異なっている場合には、その構造はランダム又はブロックでもよい。また、繰り返し数を表すn、nは、1以上20以下の整数であればよく、テンティング性の観点からn+nは2以上が好ましく、4以上はさらに好ましく、また解像性の観点から40以下が好ましく、35以下はさらに好ましい。
上記一般式[I]において、Rは、水素原子またはメチル基であり、解像性の観点からはメチル基であることが好ましい。
上記一般式[I]で表される付加重合性モノマーの好ましい具体例としては、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均2単位のエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジアクリレート、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均5単位のエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジアクリレート、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均10単位のエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジアクリレート、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均1.5単位のプロピレンオキサイドを付加したポリプロピレングリコールのジアクリレート、ビスフェノールFの両端にそれぞれ平均2単位のエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジアクリレートなどが挙げられる。
感光性樹脂組成物中の、上記一般式[I]で表される付加重合性モノマーの含有量は、5質量%〜35質量%の範囲であることが好ましい。この含有量は、オーバーハング剥離性及び耐めっき性の観点から5質量%以上であり、剥離片サイズの観点から35質量%以下である。この含有量については、より好ましい下限は7質量%であり、さらに好ましい下限は10質量%であり、より好ましい上限は30質量%であり、さらに好ましい上限は25質量%である。
〔一般式[II]で表される付加重合性モノマー〕
感光性樹脂組成物は、剥離片サイズの観点から、(b)成分として、下記一般式[II]:
Figure 0006404571
{式中、nは2〜40を満たす数である。}
で表される少なくとも1種の付加重合性モノマーをさらに含むことが好ましい。
上記一般式[II]において、nは、剥離片サイズの観点から2以上であることが好ましく、解像性及び耐めっき性の観点から40以下であることが好ましい。
上記一般式[II]で表される付加重合性モノマーの具体例としては、n=4のテトラエチレングリコールジアクリレート、n=9のノナエチレングリコールジアクリレート、又はn=14のポリエチレングリコールジアクリレートが好ましい。
〔一般式[III]で表される付加重合性モノマー〕
解像性の観点から、付加重合性モノマーとして、少なくとも1種のビスフェノールA系メタクリレート化合物を用いることは好ましいことである。ここで、ビスフェノールA系メタクリレート化合物とは、メタクリロイル基又はメタクリロイル基に由来する炭素−炭素不飽和2重結合とビスフェノールAに由来する−C−C(CH−C−基とを有する化合物であり、下記一般式[III]:
Figure 0006404571
{式中、Aは、炭素数2〜6のアルキレン基を表し、n及びnは、n+n=2〜40を満たす数であり、複数存在するAは、同一でも異なっていてもよく、かつ−(A−O)−の繰り返し構造は、ランダムであってもブロックであってもよい。}
で表される。
上記一般式[III]において、Aは、解像度の観点から−CH(CH)CH−、−CHCH(CH)−、及び−CHCH−から成る群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、異なったアルキレン基が混在する場合には、繰り返し構造はブロックであることが好ましい。
上記一般式[III]において、n+nは、テンティング性の観点から2以上であることが好ましく、原料取り扱い性の観点から40以下であることが好ましい。
上記一般式[III]で表される付加重合性モノマーの好ましい具体例としては、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均1単位のエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジメタクリレート、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均2単位のエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジメタクリレート、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均5単位のエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジメタクリレート、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均7単位のエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジメタクリレート、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均6単位のエチレンオキサイドと平均2単位のプロピレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコールのジメタクリレート、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均15単位のエチレンオキサイドと平均2単位のプロピレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコールのジメタクリレートなどが挙げられる。
〔その他の付加重合性モノマー〕
上記一般式[I]〜[III]で表される付加重合性モノマー以外の付加重合性モノマーとしては、例えば、少なくとも1つの末端エチレン性不飽和基を有する既知の化合物が挙げられる。
その他の付加重合性モノマーのより具体的な例として、例えば、4−ノニルフェニルヘプタエチレングリコールジプロピレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコールアクリレート、無水フタル酸と2−ヒドロキシプロピルアクリレートとの半エステル化合物とプロピレンオキシドとの反応物、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシペンタエトキシフェニル)プロパン、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパンをアクリレート化したトリアクリレート、トリメチロールプロパンに平均で3単位のエチレンオキサイドを付加したトリアクリレート、ペンタエリスリトールに平均で4単位のエチレンオキサイドを付加したグリコールのテトラアクリレート、ウレタン基を含有する多官能基(メタ)アクリレート、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートとペンタプロピレングリコールモノメタクリレートとのウレタン化合物、イソシアヌル酸エステル化合物の多官能(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、単独で使用しても、2種類以上併用してもよい。
感光性樹脂組成物中の(b)付加重合性モノマーの含有量は、5質量%〜75質量%の範囲であることが好ましい。この含有量は、硬化不良、及び現像時間の遅延を抑えるという観点から5質量%以上であることが好ましく、一方で、コールドフロー及び硬化レジストの剥離遅延を抑えるという観点から75質量%以下であることが好ましい。またより好ましい含有量の下限は15質量%であり、上限は60質量%である。さらに好ましい含有量の下限は30であり、上限は50質量%である。
[(c)光重合開始剤]
光重合開始剤は、光によりモノマーを重合させる化合物である。実施の形態では、感光性樹脂に通常使用される光重合開始剤を適宜使用できるが、特にヘキサアリールビスイミダゾール(以下、「トリアリールイミダゾリル二量体」ともいう。)が好ましく用いられる。
トリアリールイミダゾリル二量体としては、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体(以下、「2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,1’−ビスイミダゾール」ともいう。)、2,2’,5−トリス−(o−クロロフェニル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−4’,5’−ジフェニルイミダゾリル二量体、2,4−ビス−(o−クロロフェニル)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−ジフェニルイミダゾリル二量体、2,4,5−トリス−(o−クロロフェニル)−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−クロロフェニル)−ビス−4,5−(3,4−ジメトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3−ジフルオロメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,5−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,4−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,5−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,6−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体等が挙げられる。
特に、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体は、解像性又は硬化レジスト膜の強度に対して高い効果を有する光重合開始剤であり、好ましく用いられる。これらは単独で用いてもよいし又は2種類以上組み合わせて用いてもよい。また、トリアリールイミダゾリル二量体を、下記のアクリジン化合物、ピラゾリン化合物などと合わせて使用することもできる。
アクリジン化合物としては、例えば、アクリジン、9−フェニルアクリジン、9−(4−トリル)アクリジン、9−(4−メトキシフェニル)アクリジン、9−(4−ヒドロキシフェニル)アクリジン、9−エチルアクリジン、9−クロロエチルアクリジン、9−メトキシアクリジン、9−エトキシアクリジン、9−(4−メチルフェニル)アクリジン、9−(4−エチルフェニル)アクリジン、9−(4−n−プロピルフェニル)アクリジン、9−(4−n−ブチルフェニル)アクリジン、9−(4−tert−ブチルフェニル)アクリジン、9−(4−エトキシフェニル)アクリジン、9−(4−アセチルフェニル)アクリジン、9−(4−ジメチルアミノフェニル)アクリジン、9−(4−クロロフェニル)アクリジン、9−(4−ブロモフェニル)アクリジン、9−(3−メチルフェニル)アクリジン、9−(3−tert−ブチルフェニル)アクリジン、9−(3−アセチルフェニル)アクリジン、9−(3−ジメチルアミノフェニル)アクリジン、9−(3−ジエチルアミノフェニル)アクリジン、9−(3−クロロフェニル)アクリジン、9−(3−ブロモフェニル)アクリジン、9−(2−ピリジル)アクリジン、9−(3−ピリジル)アクリジン、9−(4−ピリジル)アクリジンなどが挙げられる。中でも、9−フェニルアクリジンが望ましい。
ピラゾリン化合物としては、例えば、1−フェニル−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−オクチル−フェニル)−ピラゾリンなどが好ましい。
上記以外の光重合開始剤としては、例えば、2−エチルアントラキノン、オクタエチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン、及び3−クロロ−2−メチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン[4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン]、及び4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の芳香族ケトン類、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、メチルベンゾイン、及びエチルベンゾイン等のベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、チオキサントン類とアルキルアミノ安息香酸の組み合わせ、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−O−ベンゾインオキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム等のオキシムエステル類が挙げられる。
なお、上述のチオキサントン類とアルキルアミノ安息香酸の組み合わせとしては、例えば、エチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチルとの組み合わせ、2−クロルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチルとの組み合わせ、及びイソプロピルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチルとの組み合わせが挙げられる。また、N−アリールアミノ酸を用いてもよい。N−アリールアミノ酸の例としては、N−フェニルグリシン、N−メチル−N−フェニルグリシン、N−エチル−N−フェニルグリシン等が挙げられる。中でも、N−フェニルグリシンが特に好ましい。
感光性樹脂組成物中の(c)光重合開始剤の含有量は、0.01質量%〜30質量%の範囲であり、より好ましい下限は0.05質量%、さらに好ましい下限は0.1質量%、より好ましい上限は15質量%、さらに好ましい上限は10質量%である。光重合開始剤の含有量は、露光による光重合時に十分な感度を得るという観点から0.01質量%以上であり、光重合時に感光性樹脂組成物の底面(すなわち光源から遠い部分)にまで光を充分に透過させ、良好な解像性及び密着性を得るという観点から、30質量%以下である。
〔その他の添加剤〕
感光性樹脂組成物には、上記(a)〜(c)の成分の他に各種の添加剤を含有させることができる。具体的には、例えば染料、顔料等の着色物質が含まれる。染料としては、塩基性染料が好ましい。
感度の観点から、感光性樹脂組成物は、(d)塩基性染料として、下記一般式[IV]:
Figure 0006404571
{式中、Rは水素または炭素数1〜4のアルキル基である。}
で表される化合物を含むことが好ましい。
上記一般式[IV]で表される化合物の具体例としては、Rがエチル基であるベーシックブルー7[CAS番号:2390−60−5]が挙げられる。
上記一般式[IV]で表される化合物の他に用いられる着色物質としては、例えば、ベーシックグリーン1[CAS番号(以下、同じ):633−03−4]、マラカイトグリーンシュウ酸塩[2437−29−8]、ブリリアントグリーン[633−03−4]、フクシン[632−99−5]、メチルバイオレット[603−47−4]、メチルバイオレット2B[8004−87−3]、クリスタルバイオレット[548−62−9]、メチルグリーン[82−94−0]、ビクトリアブルーB[2580−56−5]、ローダミンB[81−88−9]、ローダミン6G[989−38−8]、ベーシックイエロー2[2465−27−2]等のベース染料が挙げられる。
上記着色物質を含有する場合には、着色物質の添加量は、感光性樹脂組成物の全固形分を基準として、0.001質量%〜1質量%であることが好ましい。着色物質の添加量が、0.001質量%以上であるときは、取り扱い性向上という効果があり、1質量%以下であるときは、保存安定性を維持するという効果がある。
また、露光により可視像を与えることができるように、感光性樹脂組成物中に発色剤を含有させてもよい。このような発色系染料としては、ロイコ染料、又はフルオラン染料とハロゲン化合物との組み合わせが挙げられる。
例えば、ロイコ染料としては、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコクリスタルバイオレット]、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコマラカイトグリ−ン]、及びフルオラン染料が挙げられる。中でも、ロイコクリスタルバイオレットを用いた場合、コントラストが良好であり好ましい。
ハロゲン化合物としては、例えば、臭化アミル、臭化イソアミル、臭化イソブチレン、臭化エチレン、臭化ジフェニルメチル、臭化ベンザル、臭化メチレン、トリブロモメチルフェニルスルホン、四臭化炭素、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリクロロアセトアミド、ヨウ化アミル、ヨウ化イソブチル、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(p−クロロフェニル)エタン、ヘキサクロロエタン、クロル化トリアジン化合物等が挙げられる。
これらの染料を含有する場合、感光性樹脂組成物中の染料の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分を基準として、それぞれ0.1質量%〜10質量%であることが好ましい。
さらに、感光性樹脂組成物の熱安定性及び保存安定性を向上させるために、ラジカル重合禁止剤、又はベンゾトリアゾール類及びカルボキシベンゾトリアゾール類から成る群から選ばれる少なくとも1種以上の化合物を感光性樹脂組成物に含有させることが好ましい。
ラジカル重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコール、塩化第一銅、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩、ジフェニルニトロソアミン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール類としては、例えば、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−クロロ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、ビス(N−2−エチルヘキシル)アミノメチレン−1,2,3−ベンゾトリアゾール、ビス(N−2−エチルヘキシル)アミノメチレン−1,2,3−トリルトリアゾール、ビス(N−2−ヒドロキシエチル)アミノメチレン−1,2,3−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
カルボキシベンゾトリアゾール類としては、例えば、4−カルボキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、5−カルボキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、(N,N−ジブチルアミノ)カルボキシベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−ヒドロキシエチル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノエチレンカルボキシベンゾトリアゾール等が挙げられる。
ラジカル重合禁止剤、ベンゾトリアゾール類、及び/又はカルボキシベンゾトリアゾール類の合計添加量は、感光性樹脂組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.001質量%〜3質量%であり、より好ましい下限は0.05質量%、より好ましい上限は1質量%である。この合計添加量は、感光性樹脂組成物に保存安定性を付与するという観点から0.001質量%以上が好ましく、感度を維持するという観点から3質量%以下が好ましい。
感光性樹脂組成物には、必要に応じて、その他の可塑剤を含有させてもよい。可塑剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンモノメチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノメチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノメチルエーテル、ポリオキシエチレンモノエチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノエチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノエチルエーテル等のグリコール・エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンオレエートなどのソルビタン誘導体、ジエチルフタレート等のフタル酸エステル類、o−トルエンスルフォン酸アミド、p−トルエンスルフォン酸アミド、クエン酸ト
リブチル、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリ−n−プロピル、及びアセチルクエン酸トリ−n−ブチル、ビスフェノールAの両側にそれぞれプロピレンオキサイドを付加したプロピレングリコール、ビスフェノールAの両側にそれぞれエチレンオキサイドを付加したエチレングリコール、ポリオキシエチレングリセリルエーテルポリオキシプロピレングリセリルエーテルなどが挙げられる。中でも、剥離時間の遅延を抑えるという観点からp−トルエンスルフォン酸アミドやビスフェノールAの両端にそれぞれ平均3単位のプロピレンオキサイドを付加したポリプロピレングリコール、重量平均分子量が3000であるポリオキシプロピレングリセリルエーテルが好ましい。
感光性樹脂組成物中の可塑剤の含有量は、好ましくは0.1質量%〜50質量%であり、より好ましい下限は1質量%、より好ましい上限は30質量%である。この含有量は、現像時間の遅延を抑え、硬化膜に柔軟性を付与するという観点から0.1質量%以上であることが好ましく、一方で、硬化不足及びコールドフローを抑えるという観点から50質量%以下であることが好ましい。
感光性樹脂組成物には、必要に応じて、その他の酸化防止剤を含有させてもよい。酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(モノノニルフェニル)フォスファイト、及びビス(モノノニルフェニル)−ジノニルフェニルフォスファイトなどが挙げられる。
感光性樹脂組成物中の酸化防止剤の含有量は、好ましくは0.01質量%〜0.8質量%の範囲であり、より好ましい下限は、0.01質量%より好ましい上限は0.3質量%である。この含有量が0.01質量%以上である場合、感光性樹脂組成物の色相安定性に優れる効果が良好に発現し、感光性樹脂組成物の露光時における感度が良好になる。一方で、この含有量が0.8質量%以下である場合、発色性が抑えられるために色相安定性が良好になるとともに、密着性も良好になる。
<感光性樹脂組成物調合液>
上述した感光性樹脂組成物は、これに溶媒を添加して形成した感光性樹脂組成物調合液として用いてもよい。好適な溶媒としては、メチルエチルケトン(MEK)に代表されるケトン類、並びにメタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコール等のアルコール類が挙げられる。感光性樹脂組成物調合液の粘度が25℃で500〜4000mPa・secとなるように、溶媒を感光性樹脂組成物に添加することが好ましい。
<感光性樹脂積層体>
実施の形態では、感光性樹脂積層体は、上述した感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層、及び該感光性樹脂層を支持する支持体を含む。必要により、感光性樹脂層の支持体形成側と反対側の表面に保護層を有していてもよい。
支持体としては、露光光源から放射される光を透過する透明なものが好ましい。このような支持体としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルム等が挙げられる。これらのフィルムとしては、必要に応じ延伸されたものも使用可能である。ヘーズは5以下のフィルムが好ましい。フィルムの厚みは、薄い方が画像形成性及び経済性の面で有利であるが、強度を維持する必要から、10μm〜30μmのものが好ましく用いられる。
また、感光性樹脂積層体に用いられる保護層の重要な特性は、感光性樹脂層との密着力について、支持体よりも保護層の方が充分小さく容易に剥離できることである。例えば、ポリエチレンフィルム、及びポリプロピレンフィルム等が保護層として好ましく使用できる。また、例えば特開昭59−202457号公報に示された剥離性の優れたフィルムを用いることができる。保護層の厚みは、10μm〜100μmが好ましく、10μm〜50μmがより好ましい。
感光性樹脂積層体における感光性樹脂層の厚みは、好ましくは5μm〜100μmであり、より好ましくは7μm〜60μmである。感光性樹脂層の厚みが薄いほど解像度は向上し、また、厚いほど膜強度が向上するので、用途に応じて適宜選択することができる。
支持体、感光性樹脂層、及び必要により、保護層を積層して感光性樹脂積層体を作製する方法としては、従来知られている方法を採用することができる。
例えば、感光性樹脂層を形成するために用いる感光性樹脂組成物を、前述の感光性樹脂組成物調合液にしておき、まず支持体上にバーコーター又はロールコーターを用いて塗布して乾燥させ、支持体上に該感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層を積層する。次いで、必要により、該感光性樹脂層上に保護層を積層することにより感光性樹脂積層体を作製することができる。
<レジストパターン形成方法>
実施の形態では、レジストパターン形成方法は、例えば、上述した感光性樹脂積層体を用いて基板の上に感光性樹脂層を形成する積層工程、該感光性樹脂層を露光する露光工程、及び該露光後の感光性樹脂層における未露光部を現像液で除去することによってレジストパターンを形成する現像工程を順に含む。
より詳しくは、例えば、まず積層工程において、ラミネーターを用いて基板上に感光性樹脂層を形成する。具体的には、感光性樹脂積層体が保護層を有する場合には保護層を剥離した後、ラミネーターで感光性樹脂層を基板表面に加熱圧着しラミネートする。基板の材質としては銅、ステンレス鋼(SUS)、ガラス、酸化インジウムスズ(ITO)等が挙げられる。この場合、感光性樹脂層は基板表面の片面だけにラミネートするか、又は必要に応じて両面にラミネートしてもよい。このラミネート時の加熱温度は、一般に、40℃〜160℃である。また、該加熱圧着を2回以上行うことにより、得られるレジストパターンの基板に対する密着性が向上する。この時、圧着には二連のロールを備えた二段式ラミネーターを使用してもよいし、基板と感光性樹脂層との積層物を何回か繰り返してロールに通し圧着してもよい。
次に、露光工程において、露光機を用いて感光性樹脂組成物を活性光に露光する。露光は必要ならば支持体を剥離した後に行うことができる。フォトマスクを通しての露光の場合、露光量は、光源照度及び露光時間により決定され、光量計を用いて測定してもよい。
露光工程においては、マスクレス露光方法を用いてもよい。マスクレス露光においてはフォトマスクを使用せず基板上に直接描画装置によって露光する。光源としては波長350nm〜410nmの半導体レーザー又は超高圧水銀灯等が用いられる。描画パターンはコンピューターによって制御され、この場合の露光量は、露光光源の照度及び基板の移動速度によって決定される。
次に、現像工程において、露光後の感光性樹脂層における未露光部を、現像装置を用いて現像液により除去する。露光後、感光性樹脂層上に支持体がある場合にはこれを除く。続いてアルカリ水溶液から成る現像液を用いて未露光部を現像除去し、レジスト画像を得る。アルカリ水溶液としては、NaCO、又はKCO等の水溶液が好ましい。これらは感光性樹脂層の特性に合わせて選択されるが、0.2質量%〜2質量%の濃度のNaCO水溶液が一般的である。該アルカリ水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。なお、現像工程における現像液の温度は、20℃〜40℃の範囲で一定温度に保つことが好ましい。
上述の工程によってレジストパターンが得られるが、場合によっては、さらに100℃〜300℃の加熱工程を行うこともできる。この加熱工程を実施することにより、更なる耐薬品性向上が可能となる。加熱には、熱風、赤外線、又は遠赤外線等の方式の加熱炉を用いることができる。
このようなレジストパターン形成方法を応用することで、導体パターン、プリント配線板、リードフレーム、凹凸パターンを有する基材、並びに半導体パッケージ、等を製造することができる。
<導体パターンの形成方法>
導体パターンの形成方法としては、例えば、上述した感光性樹脂積層体を用いて、金属板又は金属皮膜絶縁板である基板の上に感光性樹脂層を形成する積層工程、該感光性樹脂層を露光する露光工程、該露光後の感光性樹脂層における未露光部を現像液で除去することによってレジストパターンを形成する現像工程、及び該レジストパターンが形成された基板をエッチング又はめっきするエッチング又はめっき工程を順に含む方法が好ましい。
<プリント配線板の製造方法>
プリント配線板の製造方法としては、例えば、上記の導体パターンを製造した後に、レジストパターンを現像液よりも強いアルカリ性を有する水溶液により基板から剥離させることにより、所望の配線パターンを有するプリント配線板を得ることができる。プリント配線板の製造においては、基板として、銅張積層板又はフレキシブル基板を用いることが好ましい。剥離用のアルカリ水溶液(以下、「剥離液」ともいう。)としては、特に制限はないが、2質量%〜5質量%の濃度の、NaOH又はKOHの水溶液が一般的に用いられる。剥離液には少量の水溶性溶媒を加えることが可能である。剥離工程における該剥離液の温度は、40℃〜70℃の範囲であることが好ましい。
<リードフレームの製造方法>
リードフレームの製造方法としては、例えば、基板として、銅、銅合金、鉄系合金等の金属板を用いて、前述のレジストパターン形成方法によってレジストパターンを形成し、更に現像により露出した基板をエッチングするエッチング工程を含む方法が好ましい。エッチング工程後、レジストパターンを上述のプリント配線板の製造方法と同様の方法で剥離する剥離工程を行って、所望のリードフレームを得ることが好ましい。
<凹凸パターンを有する基材の製造方法>
前記レジストパターン形成方法によって形成されるレジストパターンは、サンドブラスト工法により基板に加工を施す時の保護マスク部材として使用することができる。この場合、基板としては、例えば、ガラス、シリコンウエハー、アモルファスシリコン、多結晶シリコン、セラミック、サファイア、金属材料等が挙げられる。
凹凸パターンを有する基材の製造方法としては、例えば、これらの基板上に、前述のレジストパターン形成方法と同様の方法によって、レジストパターンを形成する。その後、形成されたレジストパターン上からブラスト材を吹き付けて、目的の深さに切削するサンドブラスト処理工程、及び基板上に残存したレジストパターン部分をアルカリ剥離液等で基板から除去する剥離工程を経て、基板上に微細な凹凸パターンを有する基材を製造する方法が挙げられる。上記のサンドブラスト処理工程に用いるブラスト材としては公知のものを使用でき、例えば、SiC、SiO、Al、CaCO、ZrO、ガラス、ステンレス等の微粒子が用いられる。微粒子の粒径は、約2μm〜約100μmであることが好ましい。
<半導体パッケージの製造方法>
半導体パッケージの製造方法としては、例えば、基板として、大規模集積化回路(LSI)が形成されているウェハを用いて、これに前述のレジストパターン形成方法によってレジストパターンを形成した後に、以下の工程を経ることによって、半導体パッケージを製造できる。まず、現像により露出した開口部に銅、はんだ等の柱状のめっきを施して、導体パターンを形成するめっき工程を行う。その後、レジストパターンを上述のプリント配線板の製造方法と同様の方法で剥離する剥離工程を行って、更に、柱状めっき以外の部分の薄い金属層をエッチングにより除去する工程を行うことにより、所望の半導体パッケージを得ることができる。
更に、上述した感光性樹脂組成物は、プリント配線板の製造、ICチップ搭載用リードフレーム製造、メタルマスク製造等の金属箔精密加工、ボール・グリッド・アレイ(BGA)、又はチップ・サイズ・パッケージ(CSP)等のパッケージの製造、チップ・オン・フィルム(COF)又はテープオートメイテッドボンディング(TAB)等のテープ基板の製造、半導体バンプの製造、ITO電極又はアドレス電極、電磁波シールド等のフラットパネルディスプレイの隔壁の製造に利用することができる。
なお、上述した各種パラメータについては特に断りの無い限り、後述する実施例における測定方法に準じて測定される。
以下に、実施例1〜14及び比較例1〜3の評価用サンプルの作製方法並びに得られたサンプルについての評価方法及び評価結果について示す。なお、実施例1〜12は、単なる参考例である。
1.評価用サンプルの作製
実施例1〜14及び比較例1〜3における感光性樹脂積層体を次のようにして作製した。
<感光性樹脂積層体の作製>
下記表1に示す化合物を、下記表2又は3に示す組成割合(単位は質量部である)で配合し、十分に攪拌、混合して感光性樹脂組成物溶液を調製した。得られた感光性樹脂組成物溶液を、支持体である16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム(製)、GR−16)の表面にバーコーターを用いて均一に塗布し、95℃の乾燥機中で3分間乾燥させて感光性樹脂層を形成した。感光性樹脂層の厚みは38μmであった。
なお、下記表2及び3に示す組成において、B−1及びB−2の質量部は、固形分量である。
次いで、感光性樹脂層のポリエチレンテレフタレートフィルムを積層していない側の表面上に、保護層として19μm厚のポリエチレンフィルム(タマポリ(株)、GF−18)を貼り合わせて、色相安定性評価のための感光性樹脂積層体サンプルを得た。
<基板整面>
オーバーハング剥離性、耐めっき性、剥離片サイズ、解像性及び感度を評価するための基板としては、35μ m 圧延銅箔を積層した1.6mm 厚の銅張積層板を用い、表面を湿式バフロール研磨( スリーエム(株) 製、スコッチブライト(登録商標)HD# 600 、2回通し)した。
<ラミネート>
感光性樹脂積層体のポリエチレンフィルムを剥がしながら、整面して60℃に予熱した銅張積層板にホットロールラミネーター(旭化成(株)製、AL−70)により、ロール温度105℃でラミネートした。エアー圧力は0.35MPaとし、ラミネート速度は1.5m/minとした。
<露光>
感光性樹脂層に評価に必要なマスクフィルムを支持体であるポリエチレンテレフタレートフィルム上におき、超高圧水銀ランプ(オーク製作所製、HMW−201KB)によりストーファー製21段ステップタブレットで8段となる露光量で露光した。
<現像>
ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、アルカリ現像機(フジ機工製、ドライフィルム用現像機)を用いて30℃の1質量%NaCO水溶液を所定時間スプレーし、感光性樹脂層の未露光部分を最小現像時間の2倍の時間で溶解除去した。ここで、「最小現像時間」とは、未露光部分の感光性樹脂層が完全に溶解するのに要する最も少ない時間をいう。
<レジスト剥離>
後述する硫酸銅めっき後、小型剥離装置(山縣機械製)を用いて、50℃の4質量%水酸化ナトリウム水溶液を72秒間スプレーし、硬化したレジストを剥離した。
2.評価方法
(1)重量平均分子量、分子量分布
日本分光(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)システムにより、標準ポリスチレン(昭和電工(株)製Shodex STANDARD SM−105)の検量線を用いて測定した。測定条件の詳細は以下の通りである。
示差屈折率計:RI−1530、
ポンプ:PU−1580、
デガッサー:DG−980−50、
カラムオーブン:CO−1560、
カラム:順にKF−8025、KF−806M×2、KF−807、
溶離液:THF
(2)オーバーハング剥離性評価
上記<ラミネート>において説明した処理の後15分経過した基板を用い、露光部と未露光部の幅が1:1の比率のラインパターンで露光し、現像した。
さらに下記めっき条件に従って硫酸銅めっきを行った。
<めっき条件>
前処理:酸性脱脂剤浴(ローム・アンド・ハース社製LP−200:5%、硫酸:5%水溶液)に40℃で5分浸せきした。その後水洗し、APS水溶液(過硫酸アンモニウム水溶液、濃度200g/L)に室温で1分間浸せきし、水洗後10%硫酸水溶液に2分間浸せきした。
硫酸銅めっき:下記のめっき液組成で6.0A/dmの電流密度で50分間めっきを行い、オーバーハングさせた。このとき、ミクロン深さ高さ(厚み)測定機(日商精密光学(株)製、KY−90型)を用いて測定しためっき高さは60μmであった。
<硫酸銅めっき液組成>
純水:58.9%
硫酸銅コンク(メルテックス社製):30%
濃硫酸:10%
濃塩酸:0.1%
カッパークリーム125 (メルテックス社製):1%
っき後の基板に対して上記<レジスト剥離>において説明した処理を行い、硬化レジストを剥離して、めっきライン間に剥離されずに残った硬化レジスト(以下、「剥離残」という)を観察し、以下のようにランク付けした。
◎:L/S=60/60μmのめっきライン間に剥離残が全く見られない。
○:L/S=60/60μmのめっきライン間に剥離残が見られるが、L/S=75/75μmのめっきライン間には剥離残が全く見られない。
△:L/S=75/75μmのめっきライン間に剥離残が見られるが、L/S=100/100μmのめっきライン間には剥離残が全く見られない。
×:L/S=100/100μmのめっきライン間に剥離残が見られる。
(3)耐めっき性評価
上記オーバーハング剥離性評価時と同様にラミネート基板を作製し、露光、現像を行った。なお、露光に関しては、超高圧水銀ランプ(オーク製作所製、HMW−201KB)によりストーファー製21段ステップタブレットで6段となる露光量で露光した。
さらに下記めっき条件に従って硫酸銅めっきを行った。
<めっき条件>
前処理:酸性脱脂剤浴(ローム・アンド・ハース社製LP−200:10%、硫酸:10%水溶液)に40℃で10分浸せきした。その後水洗し、APS水溶液(過硫酸アンモニウム水溶液、濃度200g/L)に室温で1分間浸せきし、水洗後10%硫酸水溶液に2分間浸せきした。
硫酸銅めっき:上記のめっき液組成で2.0A/dmの電流密度で50分間めっきを行った。このとき、ミクロン深さ高さ(厚み)測定機(日商精密光学(株)製、KY−90型)を用いて測定しためっき高さは20μmであった。
硬化レジスト剥離後のL/S=125/125μmの硫酸銅めっきラインを光学顕微鏡により観察し、以下のようにランク付けした。なお、硬化レジスト剥離は、現像後の評価基板を、50℃に加温した4質量%の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して行なった。
◎:二次銅めっきのもぐりが全く見られない。
○:二次銅めっきのもぐりが見られるが、もぐり幅がラインの片側で2μm未満である。
△:二次銅めっきのもぐりが見られるが、もぐり幅がラインの片側で2μm以上5μm以下である。
×:二次銅めっきのもぐり幅がラインの片側で5μmを越える。
(4)剥離片サイズ評価
上記<ラミネート>において説明した処理の後15分経過した基板を用い、60mm×50mmの長方形パターンで露光し、現像した。得られた基板上の硬化レジストを、50℃で4質量%の水酸化ナトリウム水溶液に浸し、レジストを基板から完全に剥離した。剥離された硬化レジストをざるで回収し、0.2MPaの圧力で純水を10秒間スプレーさせた後の硬化レジストの形状(剥離片サイズ)を以下のようにランク分けした。
◎:剥離片サイズが10mm角以下である。
○:剥離片サイズが10mm角を超え、かつ15mm角以下である。
(5)解像性評価
上記<ラミネート>において説明した処理の後15分経過した基板を用い、露光部と未露光部の幅が1:1の比率のラインパターンで露光し、現像した。硬化レジストラインが正常に形成されている最小マスク幅を解像度の値とし、解像性を以下のようにランク分けした。
◎:解像度の値が35μm以下である。
○:解像度の値が35μmを超え、かつ40μm以下である。
×:解像度の値が40μmを超える。
(6)感度評価
上記<ラミネート>において説明した処理の後15分経過した基板を用い、ストーファー製21段ステップタブレットを通して45mJ/cmの露光量で露光し、現像した。得られた硬化レジストの最高の残膜段数を感度とし、以下のようにランク分けした。
◎:感度の値が8段以上である。
○:感度の値が7段以上、かつ8段未満である。
(7)膨張率評価
膨潤率は次の方法で測定される。
上記<感光性樹脂積層体の作製>に示されるように、感光性樹脂層の厚みが38μmである感光性樹脂積層体を、銅張り積層板に保護フィルムを剥がしながらラミネートし、60mm×50mmの長方形パターン用マスクフィルムを通して、超高圧水銀灯により感度がストーファー製21段ステップタブレットで8段となる露光量にて露光する。支持体であるポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、アルカリ現像機を用いて30℃の1質量%NaCO水溶液を最少現像時間の2倍でスプレーし、60mm×50mmの長方形硬化レジストを作製する。得られた基板上の硬化レジストを、50℃で4質量%の水酸化ナトリウム水溶液に浸して、硬化レジストを基板から完全に剥離する。
上記のように剥離した硬化レジスト片を水酸化ナトリウム水溶液から取り出し、剥離した硬化レジスト片の隣り合う2辺の長さを測定して、それらを掛けることにより剥離後の面積S(mm)を算出する。硬化レジスト片の剥離前の面積を3000mm(=60mm×50mm)として、下記の数式により膨潤率を算出する:
膨潤率(%)=(S/3000)×100
実施例1〜14及び比較例1〜3の評価結果を下記表2及び3に示す。
Figure 0006404571
Figure 0006404571
Figure 0006404571
上述の感光性樹脂組成物、等は、プリント配線板の製造、ICチップ搭載用リードフレーム製造、メタルマスク製造等の金属箔精密加工、BGA、又はCSP等のパッケージの製造、COF又はTAB等のテープ基板の製造、半導体バンプの製造、ITO電極又はアドレス電極、電磁波シールド等のフラットパネルディスプレイの隔壁の製造に利用し得る。

Claims (11)

  1. (a)アルカリ可溶性高分子:20質量%〜90質量%;
    (b)分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する付加重合性モノマー:5質量%〜75質量%;
    (c)光重合開始剤:0.01質量%〜30質量%;及び
    (d)塩基性染料
    を含む感光性樹脂組成物であって、
    該(b)成分として、下記一般式[I]:
    Figure 0006404571
    {式中、Rは、水素原子またはメチル基を表し、Aは、炭素数2〜6のアルキレン基を表し、n及びnは、n+n=2〜40を満たす数であり、複数存在するAは、同一でも異なっていてもよく、かつ−(A−O)−の繰り返し構造は、ランダムであってもブロックであってもよい。}
    で表される付加重合性モノマーと下記一般式[III]:
    Figure 0006404571
    {式中、Aは、炭素数2〜6のアルキレン基を表し、n及びnは、n+n=2〜40を満たす数であり、複数存在するAは、同一でも異なっていてもよく、かつ−(A−O)−の繰り返し構造は、ランダムであってもブロックであってもよい。}
    で表される付加重合性モノマーとを含有し、
    該(d)成分として、下記一般式[IV]:
    Figure 0006404571
    {式中、Rは、水素または炭素数1〜4のアルキル基である。}
    で表される化合物を含有し、かつ
    該感光性樹脂組成物を38μmの厚さで基板にラミネートし、露光し、現像して硬化レジストを得た後に、該硬化レジストを50℃で4重量%の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して該基板から剥離させた際に、該硬化レジストの膨潤率が165%以上である、
    前記感光性樹脂組成物。
  2. 前記光重合開始剤として、ヘキサアリールビスイミダゾールを含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 上記一般式(I)で表される付加重合性モノマーの含有率が、前記感光性樹脂組成物の固形分総量に対して、5質量%〜40質量%である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 上記(b)成分として、下記一般式[II]:
    Figure 0006404571
    {式中、nは、2〜40の数である。}
    で表される付加重合性モノマーをさらに含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層、及び該感光性樹脂層を支持する支持体を含む感光性樹脂積層体。
  6. 請求項に記載の感光性樹脂積層体を基板上に積層する積層工程、該感光性樹脂積層体に含まれる感光性樹脂層を露光する露光工程、該露光後の感光性樹脂層における未露光部を現像液で除去してレジストパターンを形成する現像工程、を含むレジストパターンの形成方法。
  7. 前記露光工程が、描画パターンの直接描画により露光を行う工程である、請求項に記載のレジストパターン形成方法。
  8. 請求項に記載の感光性樹脂積層体を金属板又は金属皮膜絶縁板上に積層する積層工程;
    該感光性樹脂積層体に含まれる感光性樹脂層を露光する露光工程;
    該露光後の感光性樹脂層における未露光部を現像液で除去してレジストパターンを形成する現像工程;及び
    該金属板又は金属皮膜絶縁板表面の該レジストパターンに被覆されていない部分をエッチング又はめっきするエッチング又はめっき工程;
    を含む導体パターンの形成方法。
  9. 請求項に記載の感光性樹脂積層体を銅張積層板又はフレキシブル基板上に積層する積層工程;
    該感光性樹脂積層体に含まれる感光性樹脂層を露光する露光工程;
    該露光後の感光性樹脂層における未露光部を現像液で除去してレジストパターンを形成する現像工程;
    該銅張積層板又はフレキシブル基板表面の該レジストパターンに被覆されていない部分をエッチング又はめっきするエッチング又はめっき工程;及び
    該レジストパターンを該銅張積層板又はフレキシブル基板から剥離する剥離工程;
    を含むプリント配線板の製造方法。
  10. 請求項に記載の感光性樹脂積層体を金属板上に積層する積層工程;
    該感光性樹脂積層体に含まれる感光性樹脂層を露光する露光工程;
    該露光後の感光性樹脂層における未露光部を現像液で除去してレジストパターンを形成する現像工程;
    該金属板表面の該レジストパターンに被覆されていない部分をエッチングするエッチング工程;及び
    該レジストパターンを該金属板から剥離する剥離工程;
    を含むリードフレームの製造方法。
  11. 請求項に記載の感光性樹脂積層体を、大規模集積化回路(LSI)が形成されているウェハ上に積層する積層工程;
    該感光性樹脂積層体に含まれる感光性樹脂層を露光する露光工程;
    該露光後の感光性樹脂層における未露光部を現像液で除去してレジストパターンを形成する現像工程;
    該ウェハ表面の該レジストパターンに被覆されていない部分をめっきするめっき工程;及び
    該レジストパターンを該ウェハから剥離する剥離工程;
    を含む半導体パッケージの製造方法。
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