JP2010152345A - 感光性樹脂組成物、及びその用途 - Google Patents

感光性樹脂組成物、及びその用途 Download PDF

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晶 藤原
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Abstract

【課題】優れた解像性を維持しながら、特に優れた現像液分散性と剥離性を備えた感光性樹脂組成物の提供。
【解決手段】(a)アルカリ可溶性熱可塑性重合体:20〜90質量%、(b)分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する付加重合性モノマー:5〜75質量%、(c)光重合開始剤:0.01〜30質量%、(d)下記一般式(I):
Figure 2010152345

で表される化合物:0.01〜30質量%、及び(e)下記一般式(II):R5O−[(C36O)a,(C24O)b]−R6で表される化合物:0.01〜50質量%を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルカリ性水溶液によって現像可能な感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物を支持体上に積層した感光性樹脂積層体、該感光性樹脂積層体を用いて基板上にレジストパターンを形成する方法、及び該レジストパターンの用途に関する。さらに詳しくは、プリント配線板の製造、フレキシブルプリント配線板の製造、ICチップ搭載用リードフレーム(以下、単にリードフレームという)の製造、メタルマスク製造等の金属箔精密加工、BGA(ボールグリッドアレイ)やCSP(チップサイズパッケージ)等の半導体パッケージ製造、TAB(Tape Automated Bonding)やCOF(Chip On Film:半導体ICをフィルム状の微細配線板上に搭載したもの)に代表されるテープ基板の製造、半導体バンプの製造、フラットパネルディスプレイ分野におけるITO電極、アドレス電極、又は電磁波シールド等の部材の製造に好適なレジストパターンを与える感光性樹脂組成物に関する。
従来、プリント配線板はフォトリソグラフィー法によって製造されている。フォトリソグラフィー法とは、感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、パターン露光して該感光性樹脂組成物の露光部を重合硬化させ、未露光部分を現像液で除去して基板上にレジストパターンを形成し、エッチング又はめっき処理を施して導体パターンを形成した後、該レジストパターンを該基板上から剥離除去することによって、基板上に導体パターンを形成する方法をいう。
上記のフォトリソグラフィー法においては、感光性樹脂組成物を基板上に塗布するにあたって、感光性樹脂組成物の溶液を基板に塗布して乾燥させる方法、又は、支持体、感光性樹脂組成物からなる層(以下、「感光性樹脂層」ともいう)、及び必要に応じて保護層、を順次積層した感光性樹脂積層体(以下、「ドライフィルムレジスト」ともいう)を基板に積層する方法のいずれかが使用される。そして、プリント配線板の製造においては、後者のドライフィルムレジストが使用されることが多い。
上記のドライフィルムレジストを用いてプリント配線板を製造する方法について、以下に簡単に述べる。
まず、ドライフィルムレジストがポリエチレンフィルム等の保護層を有する場合には、感光性樹脂層からこれを剥離する。次いで、ラミネーターを用いて銅張積層板等の基板上に、該基板、感光性樹脂層、支持体の順序になるよう、感光性樹脂層及び支持体を積層する。次いで、配線パターンを有するフォトマスクを介して、該感光性樹脂層を超高圧水銀灯が発するi線(365nm)を含む紫外線などで露光することによって、露光部分を重合硬化させる。次いでポリエチレンテレフタレート等からなる支持体を剥離する。次いで、弱アルカリ性を有する水溶液等の現像液により感光性樹脂層の未露光部分を溶解又は分散除去して、基板上にレジストパターンを形成させる。次いで、形成されたレジストパターンを保護マスクとして公知のエッチング処理、又はパターンめっき処理を行う。エッチングにより金属部分を除去する方法では、基板の貫通孔(スルーホール)や層間接続のためのビアホールを硬化レジスト膜で覆うことにより孔内の金属がエッチングされないようにする。この工法はテンティング法と呼ばれる。エッチング工程には、例えば、塩化第二銅、塩化第二鉄、銅アンモニア錯体溶液が用いられる。
最後に、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液により該レジストパターンを基板から剥離して、導体パターンを有する基板、すなわちプリント配線板を製造する。パターンめっき処理を行う方法では同上の銅面上に銅めっき処理を施し、必要であれば更に半田、ニッケルおよび錫等のめっき処理を行った後、同様にレジストパターンを基板から剥離して、さらに現れた銅張り積層板等の銅面をエッチングする。
したがって、ドライフィルムレジストはプリント配線板の高密度化及び需要拡大に対応するための重要な要素であり、従来のドライフィルムに比べて更に高解像度化、高密着性化、高作業性化及び高歩留化が可能なものの開発が要求されている。
しかしながら、未露光部を弱アルカリ水溶液などの現像液で溶解又は分散するアルカリ現像型のドライフィルムレジストを用いた場合には、現像液中に未重合の組成物が分散し、この分散物が集まると現像液中の凝集物となり、基板上に再付着してショート不良などの原因となる。また凝集物の発生を防ぐためにフィルターを通して現像液の循環を行っている場合には、凝集物の発生が多いとフィルター交換の頻度が高くなったり、現像機の洗浄のインターバルが短くなったりする管理上の問題が生じている。
特許文献1は、現像液に対する分散性に優れた感光性樹脂組成物としてエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの鎖状共重合体を含有する感光性樹脂組成物が記載している。しかしながら、特許文献1には、感光性樹脂組成物を溶解させた後、時間を置いた現像液の凝集物についての記述はない。
したがって、時間を置いても凝集物の発生が少ない新規のドライフィルムレジストを提供することが望まれている。
特開2004−20726号公報
本発明が解決しようとする課題は、エッチングレジスト又はめっきレジスト等のレジスト材料として未露光部の現像液分散性が特に優れ、さらに高解像性とアルカリ溶液による優れた剥離性を有する感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物を用いた感光性樹脂積層体、該感光性樹脂積層体を用いて基板上にレジストパターンを形成するレジストパターン方法、並びに該感光性樹脂積層体を用いた、導体パターン、プリント配線板、リードフレーム、基板及び半導体パッケージ、半導体バンプの製造方法を提供することである。
上記課題は、本発明の以下の構成によって解決することができる。すなわち、本発明は以下の[1]乃至[12]の通りのものである:
[1](a)アルカリ可溶性熱可塑性重合体:20〜90質量%、(b)分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する付加重合性モノマー:5〜75質量%、(c)光重合開始剤:0.01〜30質量%、(d)下記一般式(I):
Figure 2010152345
{式中、R1、R2、R3、及びR4 は、各々独立に水素原子又は炭素数1〜30のアルキル基又は脂肪酸アシル基であり、k、l、m、及びnは、0以上の整数であり、ここで、k+l+m+nは、0〜40であり、A、は−CH(CH3)CH2 −及び/又は−CH2CH(CH3)−及び/又は−CH2CH2 −であり、そして−(A−O)−の繰り返し構造は、ランダムでもブロックであってもよい。}で表される化合物:0.01〜30質量%、及び(e)下記一般式(II):
5O−[(C36O)a,(C24O)b]−R6 (II)
{式中、R5、及びR6は、各々独立に水素原子又は炭素数1〜30のアルキル基又は脂肪酸アシル基であり、a、及びbは、各々独立に0〜400の整数であり、ここで、a+bは5〜800であり、そして当該一般式(II)で表される化合物はランダム共重合体又はブロック共重合体のいずれでもよい。}で表される化合物:0.01〜50質量%を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
[2]前記(e)一般式(II)中、R5、及びR6は、水素原子であり、a、及びbは、各々独立に0〜100の整数であり、そしてa+bは、5〜200である、前記[1]に記載の感光性樹脂組成物。
[3]前記(e) 一般式(II)中、R5、及びR6は、水素原子であり、aは、1〜50の整数であり、bは、1〜15の整数であり、そしてa+bは、5〜60である、前記[1]又は[2]に記載の感光性樹脂組成物。
[4]前記(a)アルカリ可溶性熱可塑性重合体は、スチレンを含むエチレン性不飽和二重結合を有する単量体を成分として含む、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[5]前記(b)分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する付加重合性モノマーは、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物を含む、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[6]前記(c)光重合開始剤が、2−(o−クロロフェニル)イミダゾリル二量体を含む、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[7]支持層、及び前記[1]〜[6]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物からなる層を含む感光性樹脂積層体。
[8]前記[7]に記載の感光性樹脂積層体を用いて形成されるレジストパターンの形成方法。
[9]回路形成用基板上に、前記[8]に記載のレジストパターンの形成方法によりレジストパターンを形成するステップを含む、プリント配線板の製造方法。
[10]回路形成用基板上に、前記[8]に記載のレジストパターンの形成方法によりレジストパターンを形成するステップを含む、リードフレームの製造方法。
[11]基板としてLSIとしての回路形成が終了したウェハを用い、前記[8]に記載のレジストパターンの形成方法によりレジストパターンを形成するステップを含む、半導体パッケージの製造方法。
[12]基板上に、前記[8]に記載のレジストパターンの形成方法によりレジストパターンを形成するステップを含む、半導体バンプの製造方法。
本発明によれば、未露光部の現像液分散性が特に優れ、現像液に感光性樹脂組成物を溶解させ、時間を置いた後でも凝集物を発生せず、さらに高解像性とアルカリ溶液による優れた剥離性を有する感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物を用いた感光性樹脂積層体、該感光性樹脂積層体を用いたレジストパターンの形成方法を提供できる。また該感光性樹脂積層体を用いて、プリント配線板、リードフレーム、パッケージ、バンプ、及び凹凸パターンを有する基板を製造することが可能になる。
以下、本発明について具体的に説明する。
<感光性樹脂組成物>
本発明に係る感光性樹脂組成物は、(a)アルカリ可溶性熱可塑性重合体(以下、(a)熱可塑性重合体ともいう):20〜90質量%、(b)分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する付加重合性モノマー(以下、(b)付加重合性モノマーともいう):5〜75質量%、(c)光重合開始剤:0.01〜30質量%、(d)下記一般式(I):
Figure 2010152345
{式中、R1、R2、R3、及びR4 は、各々独立に水素原子又は炭素数1〜30のアルキル基又は脂肪酸アシル基であり、k、l、m、及びnは、0以上の整数であり、ここで、k+l+m+nは、0〜40であり、A、は−CH(CH3)CH2 −及び/又は−CH2CH(CH3)−及び/又は−CH2CH2 −であり、そして−(A−O)−の繰り返し構造は、ランダムでもブロックであってもよい。}で表される化合物:0.01〜30質量%、及び(e)下記一般式(II):
5O−[(C36O)a,(C24O)b]−R6 (II)
{式中、R5、及びR6は、各々独立に水素原子又は炭素数1〜30のアルキル基又は脂肪酸アシル基であり、a、及びbは、各々独立に0〜400の整数であり、ここで、a+bは5〜800であり、そして当該一般式(II)で表される化合物はランダム共重合体又はブロック共重合体のいずれでもよい。}で表される化合物:0.01〜50質量%を含むことを特徴とする。
(a)熱可塑性重合体
(a)熱可塑性重合体は、α,β−不飽和カルボキシル基含有単量体を重合成分とし、酸当量が100〜600、かつ、重量平均分子量が5,000〜500,000である熱可塑性重合体であることが好ましい。熱可塑性重合体中のカルボキシル基は、本発明に係る感光性樹脂組成物がアルカリ水溶液からなる現像液や剥離液に対して、現像性や剥離性を有するために必要である。酸当量とは、その中に1当量のカルボキシル基を有するアルカリ可溶性樹脂の質量を言う。酸当量は、より好ましくは250以上450以下である。現像耐性が向上し、解像度及び密着性が向上する点、さらに溶媒又は感光性樹脂組成物中の他の成分、特に後述する(b)付加重合性モノマーとの相溶性を確保するという観点から100以上が好ましく、現像性及び剥離性が向上する点から600以下が好ましい。酸当量の測定は、平沼産業(株)製平沼自動滴定装置(COM−555)を使用し、0.1mol/Lの水酸化ナトリウムを用いて電位差滴定法により行われる。
(a)熱可塑性重合体の重量平均分子量は、5,000〜500,000が好ましい。重量平均分子量は、感光性樹脂積層体(ドライフィルムレジスト)の厚みを均一に維持し、現像液に対する耐性を得るという観点さらに感光性樹脂積層体をロール状に巻き取った場合にロール端面から感光性樹脂組成物が染み出す現象、すなわち、エッジフューズが抑制される点から5,000以上が好ましく、また、現像性を維持するという観点から500,000以下が好ましい。より好ましくは、重量平均分子量は、20,000〜100,000である。本明細書における重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン(昭和電工(株)製Shodex STANDARD SM−105)の検量線を用いて測定した重量平均分子量を意味する。
該重量平均分子量は、日本分光(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを使用して、以下の条件で測定することができる:
示差屈折率計:RI−1530
ポンプ:PU−1580
デガッサー:DG−980−50
カラムオーブン:CO−1560
カラム:順にKF−8025、KF−806M×2、KF−807
溶離液:THF。
(a)熱可塑性重合体は、後述する第一の単量体の1種又はそれ以上の(共)重合体であるか、又は後述する第二の単量体の1種又はそれ以上の(共)重合体であるか、又は該第一の単量体の1種以上と該第二の単量体の1種以上との(共)重合体であることが好ましい。
第一の単量体は、分子中に重合性不飽和基を一個有するカルボン酸又は酸無水物である。例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸半エステルが挙げられる。中でも、特に(メタ)アクリル酸が好ましい。
第二の単量体は、非酸性で、分子中に重合性不飽和基を少なくとも1個有する単量体である。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、及び重合可能なスチレン誘導体が挙げられる。中でも、特にメチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、スチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、が好ましい。
(a)熱可塑性重合体は、上記の単量体を混合し、溶剤、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、又はイソプロパノールで希釈した溶液に、ラジカル重合開始剤、例えば、過酸化ベンゾイル、アゾイソブチロニトリルを適量添加し、過熱攪拌することにより合成を行うことが好ましい。混合物の一部を反応液に滴下しながら合成を行う場合もある。反応終了後、さらに溶剤を加えて、所望の濃度に調整する場合もある。合成手段としては、溶液重合以外に、塊状重合、懸濁重合、又は乳化重合を用いてもよい。
特に好ましい(a)熱可塑性重合体は、第一の単量体と第二の単量体の共重合割合が、第一の単量体が10〜60質量%、第二の単量体が40〜90質量%であるものであり、さらにより好ましくは第一の単量体が15〜35質量%、第二の単量体が65〜85質量%である。
(a)熱可塑性重合体のより具体的な例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸及びスチレンを共重合成分として含む重合体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸及びアクリル酸n−ブチルを共重合成分として含む重合体、並びにメタクリル酸ベンジル、メタクリル酸メチル及びアクリル酸2−エチルヘキシルを共重合成分として含む重合体等が挙げられる。
(a)アルカリ可溶性高分子の、感光性樹脂組成物の総和に対する割合は、20〜90質量%の範囲であり、好ましくは40〜60質量%である。この量は、感光性樹脂組成物のアルカリ現像性を維持し、露光、現像によって形成されるレジストパターンが、レジストとしての特性、例えば、テンティング、エッチング及び各種めっき工程において十分な耐性を有するという観点から20質量%以上90質量%以下が好ましい。
(b)付加重合性モノマー
(b)付加重合性モノマーは、分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物である。エチレン性不飽和結合は、末端エチレン性不飽和基であることが好ましい。さらに高解像性、エッジフューズ性、テンティング性の観点から、(b)付加重合性モノマーとして、少なくとも1種のビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物を用いることは好ましいことである。ここでいうビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物とは(メタ)アクリロイル基又は(メタ)アクリロイル基に由来する炭素‐炭素不飽和2重結合とビスフェノールAに由来する−C6H4−C(CH3)2−C6H4−基とを有する化合物をいい、以下の一般式(III):
Figure 2010152345
{式中、R7、及びR8は、各々独立にH又はCH3であり、A2は、−CH(CH3)CH2−、及び/又は−CH2CH(CH3)−、及び/又は−CH2CH2−であり、−(A2−O)−の繰り返し構造は、ランダムであってもブロックであってもよく、c、及びdは、各々独立に0以上の整数であり、さらに好ましくはc、及びdは、各々独立に1〜30の整数であり、かつc+dは、2〜60の整数である。}で表される。
上記一般式(III)で表される不飽和化合物の具体例としては、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均2モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジメタクリレート(新中村化学工業(株)製NKエステルBPE−200)やビスフェノールAの両端にそれぞれ平均5モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジメタクリレート(新中村化学工業(株)製NKエステルBPE−500)、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均6モルのエチレンオキサイドと平均2モルのプロピレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコールのジメタクリレート、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均15モルのエチレンオキサイドと平均2モルのプロピレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコールのジメタクリレートが挙げられる。
また、高解像性、剥離片微細性の観点から(b)付加重合性モノマーとして、少なくとも1種の下記一般式(IV):
Figure 2010152345
{式中、R9、及びR10は、各々独立にH又はCH3であり、A3は、−CH(CH3)CH2−、及び/又は−CH2CH(CH3)−、及び/又は−CH2CH2−であり、−(A3−O)−の繰り返し構造は、ランダムであってもブロックであってもよく、そしてeは、1〜60の整数であり、より好ましくは3〜30の整数である。}で表される不飽和化合物を用いることが好ましい。
上記一般式(IV)で表される付加重合性モノマーとしては、例えば、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘプタプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノニルプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサプロピレングリコールの両端にジエチレングリコールが付加したジ(メタ)アクリレート、ドデカプロピレングリコールの両端にジエチレングリコールが付加したジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
(b)付加重合性モノマーとして、上記の化合物以外にも少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有する公知の化合物を使用できる。例えば、4−ノニルフェニルヘプタエチレングリコールジプロピレングリコールアクリレートを使用することは、本発明の好ましい実施形態である。他にも2−ヒドロキシー3−フェノキシプロピルアクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコールアクリレート、無水フタル酸と2−ヒドロキシプロピルアクリレートとの半エステル化合物とプロピレンオキシドとの反応物(日本触媒化学製、商品名OE-A 200)、4−ノルマルオクチルフェノキシペンタプロピレングリコールアクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシペンタエトキシフェニル)プロパン、ヘキサメチレンジイソシアネートとノナプロピレングリコールモノメタクリレートとのウレタン化物等のウレタン基を含有する多官能基(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エステル化合物の多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独で使用しても、2種類以上併用してもよく、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物や上記一般式(IV)で表される化合物と併用することもできる。
本発明に係る感光性樹脂組成物中の(b)付加重合性モノマーの量は、3〜75質量%の範囲であり、より好ましい範囲は15〜70質量%である。解像性、密着性、銅ラインの形成性の観点から、(b)付加重合性モノマーの量は、3質量%以上であり、硬化膜の柔軟性の観点から、75質量%以下である。
(c)光重合開始剤
光重合開始剤としては、感光性樹脂の光重合開始剤として通常使用されるものを適宜使用できるが、特にヘキサアリールビスイミダゾール(以下、トリアリールイミダゾリル二量体ともいう。)が好ましく用いられる。トリアリールイミダゾリル二量体としては、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体(以下、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,1’−ビスイミダゾール、ともいう。)、2,2’,5−トリス−(o−クロロフェニル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−4’,5’−ジフェニルイミダゾリル二量体、2,4−ビス−(o−クロロフェニル)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−ジフェニルイミダゾリル二量体、2,4,5−トリス−(o−クロロフェニル)−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−クロロフェニル)−ビス−4,5−(3,4−ジメトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3−ジフルオロメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,5−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,4−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,5−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,6−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、及び2,2’−ビス−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体が挙げられる。特に、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体は解像性や硬化レジスト膜の強度に対して高い効果を有する光重合開始剤であり、好ましく用いられる。これらは単独で用いてもよいし又は2種類以上組み合わせて用いてもよい。また、下記のアクリジン化合物やピラゾリン化合物などとあわせて使用することもできる。
(c)光重合開始剤としてアクリジン化合物やピラゾリン化合物を含有することは、本発明の好ましい実施形態である。アクリジン化合物としては、アクリジン、9−フェニルアクリジン、9−(4−トリル)アクリジン、9−(4−メトキシフェニル)アクリジン、9−(4−ヒドロキシフェニル)アクリジン、9−エチルアクリジン、9−クロロエチルアクリジン、9−メトキシアクリジン、9−エトキシアクリジン、9−(4−メチルフェニル)アクリジン、9−(4−エチルフェニル)アクリジン、9−(4−n−プロピルフェニル)アクリジン、9−(4−n−ブチルフェニル)アクリジン、9−(4−tert−ブチルフェニル)アクリジン、9−(4−エトキシフェニル)アクリジン、9−(4−アセチルフェニル)アクリジン、9−(4−ジメチルアミノフェニル)アクリジン、9−(4−クロロフェニル)アクリジン、9−(4−ブロモフェニル)アクリジン、9−(3−メチルフェニル)アクリジン、9−(3−tert−ブチルフェニル)アクリジン、9−(3−アセチルフェニル)アクリジン、9−(3−ジメチルアミノフェニル)アクリジン、9−(3−ジエチルアミノフェニル)アクリジン、9−(3−クロロフェニル)アクリジン、9−(3−ブロモフェニル)アクリジン、9−(2−ピリジル)アクリジン、9−(3−ピリジル)アクリジン、9−(4−ピリジル)アクリジンが挙げられる。中でも、9−フェニルアクリジンが望ましい。
ピラゾリン化合物としては、1−フェニル−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert-ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−オクチル−フェニル)−ピラゾリンが好ましい。
上記以外の光重合開始剤としては、例えば、2−エチルアントラキノン、オクタエチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン、及び3−クロロ−2−メチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン[4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン]、及び4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の芳香族ケトン類、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、メチルベンゾイン、及びエチルベンゾイン等のベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、チオキサントン類とアルキルアミノ安息香酸の組み合わせ、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−O−ベンゾインオキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム等のオキシムエステル類が挙げられる。
なお、上述のチオキサントン類とアルキルアミノ安息香酸の組み合わせとしては、例えばエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチルとの組み合わせ、2−クロルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチルとの組み合わせ、及びイソプロピルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチルとの組み合わせが挙げられる。また、N−アリールアミノ酸を用いてもよい。N−アリールアミノ酸の例としては、N−フェニルグリシン、N−メチル−N−フェニルグリシン、N−エチル−N−フェニルグリシン等が挙げられる。中でも、N−フェニルグリシンが特に好ましい。
感光性樹脂組成物中の(c)光重合開始剤の量は、0.01〜30質量%の範囲であり、0.05〜15質量%がより好ましく、0.1〜10質量%はさらに好ましい。上記の量は、露光による光重合時に十分な感度を得るという観点から0.01質量%以上であり、光重合時に感光性樹脂組成物の底面(すなわち光源から遠い部分)にまで光を充分に透過させ、良好な解像性及び密着性を得るという観点から、30質量%以下である。
(d)一般式(I)で表される化合物
本発明に係る感光性樹脂組成物は、(d)一般式(I):
Figure 2010152345
{式中、R1、R2、R3、及びR4 は、各々独立に水素原子又は炭素数1〜30のアルキル基又は脂肪酸アシル基であり、k、l、m、及びnは、0以上の整数であり、ここで、k+l+m+nは、0〜40であり、A、は−CH(CH3)CH2 −及び/又は−CH2CH(CH3)−及び/又は−CH2CH2 −であり、そして−(A−O)−の繰り返し構造は、ランダムでもブロックであってもよい。}で表される化合物を1種又は2種以上含有することが必要である。
炭素数1〜30の脂肪酸アシル基としては、炭素数1〜30の飽和脂肪酸アシル基及び炭素数1〜30の不飽和脂肪酸アシル基が挙げられる。炭素数1〜30の飽和脂肪酸アシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基等が挙げられる。炭素数1〜30の不飽和脂肪酸アシル基としては、例えば、アクリル基、プロピノイル基、メタクリル基、オレイル基等が挙げられる。
(d)上記一般式(I)で示される化合物の例としては、以下の化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。エステル型のものとしては、ソルビタンラウレート[R1:ラウリル基、R2=R3=R4:水素、k+l+m+n=0(例:日本乳化剤(株)製、ニューコール(商標)20)]、ソルビタンステアレート[R1:ステアリル基、R2=R3=R4:水素、k+l+m+n=0(例:三洋化成工業(株)製、イオネット(商標)S−60C)]、ソルビタンオレエート[R1:オレイル基、R2=R3=R4:水素、k+l+m+n=0(例:三洋化成工業(株)製、イオネット(商標)S−80C)]、ソルビタンパルミテート[R1:パルミチル基、R2=R3=R4:水素、k+l+m+n=0(例:東邦化学工業(株)製、ソルボン(商標)S−40)]、ソルビタンヤシ油脂肪酸エステル[R1:ヤシ油脂肪酸のアシル基(ここでヤシ油とはヤシ科の核肉から得られる脂肪のことで、その脂肪酸はラウリン酸やミリスチン酸等の飽和脂肪酸とオレイン酸やリノール酸等の不飽和脂肪酸の混合物である)、R2=R3=R4:水素、k+l+m+n=0(例:三洋化成工業(株)製、イオネット(商標)S−20)、ソルビタントリオレエート[R1=R2=R4:オレイル基、R3:水素、k+l+m+n=0(例:三洋化成工業(株)製、イオネット(商標)S−85)等及びそれらの混合物等が挙げられる。
ソルビタンとオキシエチレン鎖の複合型としては、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート[R1:ラウリル基、R2=R3=R4:水素、k+l+m+n=20、A:−CH2CH2−(例:日本乳化剤(株)製、ニューコール(商標)25)]、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート[R1:ステアリル基、R2=R3=R4:水素、k+l+m+n=20、A:−CH2CH2−(例:三洋化成工業(株)製、イオネット(商標)T−60C)]、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート[R1:オレイル基、R2=R3=R4:水素、k+l+m+n=8又は20、A:−CH2CH2−(例:日本乳化剤(株)製、ニューコール(商標)82又は85)]、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテート[R1:パルミチル基、R2=R3=R4:水素、k+l+m+n=20、A:−CH2CH2−(例:東邦化学工業(株)製、ソルボン(商標)T−40)]、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート[R1=R2=R4:オレイル基、R3:水素、k+l+m+n=20、A:−CH2CH2−(例:日本乳化剤(株)製、ニューコール(商標)3−85)]、ポリオキシエチレンソルビタンヤシ油脂肪酸エステル[R1:ヤシ油脂肪酸のアシル基、R2=R3=R4:水素、k+l+m+n=20、A:−CH2CH2−(例:三洋化成工業(株)製、イオネット(商標)T−20C)]、ポリアルキレンソルビタン脂肪酸エステル[R1:混合脂肪酸のアシル基(オレイン酸:66%、ステアリン酸:2%、炭素数20の飽和及び不飽和脂肪酸:18%、炭素数16の飽和及び不飽和脂肪酸:7%、炭素数20を超える飽和及び不飽和脂肪酸:7%)、R2=R3=R4:水素、k+l+m+n=30、A:−CH2CH2−/−CH(CH3)CH2−又はCH2CH(CH3)−=2/1(例:日本乳化剤(株)製、ニューコール(商標)95−FJ)]等及びそれらの混合物などが挙げられる。
これら上記一般式(I)で示される化合物は単独で使用しても、2種類以上併用しても構わない。本発明における感光性樹脂組成物中の一般式(I)で示される化合物は0.01〜30質量%の範囲であり、0.05〜15質量%がより好ましく、0.1〜10質量%はさらに好ましい。これは凝集物による装置の汚れを予防する効果を十分得るために0.01質量%以上であり、現像液の必要以上の泡立ちを発生させないために30質量%以下である。
(e)一般式(II)で表される化合物
本発明の感光性樹脂組成物は、(e)一般式(II):
5O−[(C36O)a,(C24O)b]−R6 (II)
{式中、R5、及びR6は、各々独立に水素原子又は炭素数1〜30のアルキル基又は脂肪酸アシル基であり、a、及びbは、各々独立に0〜400の整数であり、ここで、a+bは5〜800であり、そして当該一般式(II)で表される化合物はランダム共重合体又はブロック共重合体のいずれでもよい。}で表される化合物を1種又は2種以上含有することが必要である。
一般式(II)において、R5及びR6は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又はアルキル基又は脂肪酸アシル基を示す。R5及びR6の選択では、水素原子又は炭素数1〜10の低級アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基等が挙げられる。ここで、R5及びR6が共に水素原子である場合、前記共重合体はジオール体(EO又はPOあるいはEO及びPO変性ジオール)となり、R5及びR6のいずれか一方が水素原子であり、他方がアルキル基である場合、前記共重合体はモノエーテル体(EO又はPOあるいはEO及びPO変性モノエーテル)となり、R5及びR6が共にアルキル基である場合、前記共重合体はジエーテル体(EO又はPOあるいはEO及びPO変性ジエーテル)となり、中でもR5及びR6が共に水素原子である変性ジオール体がより好ましい。
また、一般式(II)において、a、及びbは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ0〜400の整数であり、かつ、a+bは、5〜800を示し、より好ましくは0〜100の整数であり、かつ、a+bが、5〜200の整数であり、更に好ましくはaが1〜50の整数であり、bが1〜15の整数であり、かつ、a+bが、5〜60である。感光性樹脂組成物の柔軟性、取り扱い性の観点から、a+bは、800以下が好ましい。
さらに、一般式(II)で示される化合物がエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体である場合は、ランダム共重合体又はブロック共重合体のいずれでもよいが、ブロック共重合体であることがより好ましい。このようなブロック共重合体としては、例えば、下記一般式(V):
7O−(C36O)f−(C24O)g−R8 (V)、
下記一般式(VI):
9O−(C36O)h−(C24O)i−(C36O)j−R10 (VI)、及び
下記一般式(VII):
11O−(C24O)o−(C36O)p−(C24O)q−R12 (VII)
で示されるブロック共重合体等が挙げられる。
上記一般式(V)、(VI)及び(VII)中、R7、R8、R9、R10、R11、及びR12は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ前記R5及びR6と同様に水素原子又はアルキル基又は脂肪酸アシル基を示す。また、f、g、i、p、(h+j)及び(o+q)は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ前記a及びbと同様にそれぞれ0〜400の整数であり、f+g、h+i+j、o+p+qは5〜800を示し、より好ましくはf、g、i、p、(h+j)及び(o+q)は0〜100の整数であり、f+g、h+i+j、o+p+qが5〜200の整数であり、更に好ましくはf、(h+j)、pが0〜50の整数、g、i、(o+q)が0〜15の整数であり、f+g、h+i+j、o+p+qが5〜60である。これらブロック共重合体の中でも一般式(VII)で表される化合物がさらに好ましい。これら本発明に係る(e)一般式(II)で表される化合物は、感光性樹脂組成物中に0.01〜50質量%含まれ、好ましくは0.1〜30質量%であり、さらに好ましくは0.5〜20質量%である。これは硬化レジストの剥離時間短縮の効果を十分に発揮するために0.01質量%であり、硬化レジストの耐薬品性を維持する観点から50質量%以下である。(e)一般式(II)で表される化合物は単独で使用しても、2種類以上併用しても構わない。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、上記(d)一般式(I)で表される化合物と上記(e)一般式(II)で表される化合物の両者を含む。これらの化合物をあわせて用いることにより、未露光部の現像液分散性が特に優れ、現像液に感光性樹脂組成物を溶解させ、時間を置いた後でも凝集物を発生せず、さらに高解像性とアルカリ溶液による優れた剥離性を有する感光性樹脂組成物が得られうる。
感光性樹脂組成物には上記(a)〜(e)の化合物のほかに各種の添加剤を含有させることができる。具体的には、例えば染料、顔料等の着色物質を採用することができる。このような着色物質としては、例えば、フタロシアニングリーン、クリスタルバイオレット、メチルオレンジ、ナイルブルー2B、ビクトリアブルー、マラカイトグリーン、ベイシックブルー20、及びダイアモンドグリーン等が挙げられる。
上記着色物質を含有する場合の添加量は、感光性樹脂組成物中に0.001〜1質量%含むことが好ましい。0.001質量%以上の含量では、取り扱い性向上という効果があり、1質量%以下の含量では、保存安定性を維持するという効果がある。
また、露光により可視像を与えることができるように、感光性樹脂組成物中に発色剤を含有させてもよい。このような発色系染料としては、ロイコ染料又は、フルオラン染料とハロゲン化合物との組み合わせが挙げられる。例えば、ロイコ染料としては、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコクリスタルバイオレット]、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコマラカイトグリ−ン]、フルオラン染料が挙げられる。中でも、ロイコクリスタルバイオレットを用いた場合、コントラストが良好であり好ましい。該ハロゲン化合物としては、臭化アミル、臭化イソアミル、臭化イソブチレン、臭化エチレン、臭化ジフェニルメチル、臭化ベンザル、臭化メチレン、トリブロモメチルフェニルスルホン、四臭化炭素、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリクロロアセトアミド、ヨウ化アミル、ヨウ化イソブチル、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(p−クロロフェニル)エタン、ヘキサクロロエタン、及びクロル化トリアジン化合物等が挙げられる。これらの染料を含有する場合の含有量は、それぞれ0.1〜10質量%が好ましい。
さらに、感光性樹脂組成物の熱安定性、保存安定性を向上させるために、感光性樹脂組成物にラジカル重合禁止剤、ベンゾトリアゾール類、及びカルボキシベンゾトリアゾール類からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の化合物を含有させることは好ましいことである。
このようなラジカル重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコール、塩化第一銅、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩、ジフェニルニトロソアミンが挙げられる。
ベンゾトリアゾール類としては、例えば、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−クロロ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、ビス(N−2−エチルヘキシル)アミノメチレン−1,2,3−ベンゾトリアゾール、ビス(N−2−エチルヘキシル)アミノメチレン−1,2,3−トリルトリアゾール、ビス(N−2−ヒドロキシエチル)アミノメチレン−1,2,3−ベンゾトリアゾールが挙げられる。
カルボキシベンゾトリアゾール類としては、例えば、4−カルボキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、5−カルボキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、(N,N−ジブチルアミノ)カルボキシベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−ヒドロキシエチル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノエチレンカルボキシベンゾトリアゾールが挙げられる。
ラジカル重合禁止剤、ベンゾトリアゾール類、及びカルボキシベンゾトリアゾール類の合計添加量は、好ましくは0.001〜1質量%であり、より好ましくは0.05〜1質量%である。この量は、感光性樹脂組成物に保存安定性を付与するという観点から0.01質量%以上が好ましく、感度を維持するという観点から3質量%以下がより好ましい。
本発明に係る感光性樹脂組成物には、必要に応じて、その他の可塑剤を含有させてもよい。このような可塑剤としては、例えば、下記一般式(VII):
Figure 2010152345
{式中、A3は、−CH(CH3)CH2−、及び/又は−CH2CH(CH3)−、及び/又は−CH2CH2−であり、−(A3−O)−の繰り返し構造は、ランダムであっても、ブロックであってもよく、r、及びsは、各々独立に0以上の整数であり、さらに好ましくは、r、及びsは各々独立に1〜30の整数であり、かつ、r+sは2〜60の整数である。}で表される可塑剤が挙げられる。
その他たとえばジエチルフタレート等のフタル酸エステル類、o−トルエンスルフォン酸アミド、p−トルエンスルフォン酸アミド、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリ−n−プロピル、アセチルクエン酸トリ−n−ブチルなどの可塑剤を用いることができる。
可塑剤の含有量は、感光性樹脂組成物中5〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは、5〜30質量%である。現像時間の遅延を抑え、硬化膜に柔軟性を付与する観点から5質量%以上が好ましく、また、硬化不足やコールドフローを抑える観点から50質量%以下が好ましい。
<感光性樹脂組成物調合液>
本発明に係る感光性樹脂組成物は、溶媒を添加した感光性樹脂組成物調合液としてもよい。好適な溶媒としては、メチルエチルケトン(MEK)に代表されるケトン類、並びにメタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコールなどのアルコール類が挙げられる。感光性樹脂組成物調合液の粘度が25℃で500〜4000mPa・secとなるように、溶媒を感光性樹脂組成物に添加することが好ましい。
<感光性樹脂積層体>
本発明に係る感光性樹脂積層体は、感光性樹脂層とその層を支持する支持体からなるが、必要により、感光性樹脂層の支持体と反対側の表面に保護層を有していてもよい。
用いられる支持体としては、露光光源から放射される光を透過する透明なものが望ましい。このような支持体としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルムなどが挙げられる。これらのフィルムは、必要に応じ延伸されたものも使用可能である。ヘーズは5以下のものが好ましい。フィルムの厚みは、薄い方が画像形成性及び経済性の面で有利であるが、強度を維持する必要等から、10〜30μmのものが好ましく用いられる。
感光性樹脂積層体に用いられる保護層の重要な特性は、感光性樹脂層との密着力について、支持体よりも保護層の方が充分小さく容易に剥離できることである。例えば、ポリエチレンフィルム、及びポリプロピレンフィルム等が保護層として好ましく使用できる。また、特開昭59−202457号公報に示された剥離性の優れたフィルムを用いることができる。保護層の膜厚は10〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
本発明に係る感光性樹脂積層体における感光性樹脂層の厚みは、好ましくは、5〜100μm、より好ましくは、5〜50μmである。厚みが薄い程、解像度は向上し、厚い程、膜強度が向上するので、用途に応じて適宜選択することができる。
支持体、感光性樹脂層、及び必要により、保護層を順次積層して、本発明の感光性樹脂積層体を作製する方法は、従来知られている方法を採用することができる。例えば、感光性樹脂層に用いる感光性樹脂組成物を、前述の感光性樹脂組成物調合液にしておき、まず支持体上にバーコーターやロールコーターを用いて塗布して乾燥させ、支持体上に該感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を積層する。次いで、必要により、該感光性樹脂層上に保護層を積層することにより感光性樹脂積層体を作製することができる。
<レジストパターン形成方法>
本発明に係る感光性樹脂積層体を用いたレジストパターンは、ラミネート工程、露光工程、及び現像工程を含む工程によって形成することができる。具体的な方法の一例を示す。
まず、ラミネーターを用いてラミネート工程を行う。感光性樹脂積層体が保護層を有する場合には保護層を剥離した後、ラミネーターで感光性樹脂層を基板表面に加熱圧着しラミネートする。この場合、感光性樹脂層は基板表面の片面だけにラミネートしてもよいし、必要に応じて両面にラミネートしてもよい。この時の加熱温度は一般的に40〜160℃である。また、該加熱圧着を二回以上行うことにより、得られるレジストパターンの基板に対する密着性が向上する。この時、圧着は二連のロールを備えた二段式ラミネーターを使用してもよいし、何回か繰り返してロールに通し圧着してもよい。
次いで、露光機を用いて露光工程を行う。必要ならば支持体を剥離しフォトマスクを通して活性光により露光する。露光量は、光源照度及び露光時間より決定される。光量計を用いて測定してもよい。
露光工程においては、マスクレス露光方法を用いてもよい。マスクレス露光はフォトマスクを使用せず基板上に直接描画装置によって露光する。光源としては波長350〜410nmの半導体レーザーや超高圧水銀灯などが用いられる。描画パターンはコンピューターによって制御され、この場合の露光量は、露光光源の照度および基板の移動速度によって決定される。
次いで、現像装置を用いて現像工程を行う。露光後、感光性樹脂層上に支持体がある場合にはこれを除く。続いてアルカリ水溶液からなる現像液を用いて未露光部を現像除去し、レジスト画像を得る。アルカリ水溶液としては、Na2CO3、またはK2CO3の水溶液が好ましい。これらは感光性樹脂層の特性に合わせて選択されるが、0.2〜2質量%の濃度のNa2CO3水溶液が一般的である。該アルカリ水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤などを混入させてもよい。なお、現像工程における該現像液の温度は、20〜40℃の範囲で一定温度に保つことが好ましい。
上述の工程によってレジストパターンが得られるが、場合によっては、さらに100〜300℃の加熱工程を行うこともできる。この加熱工程を実施することにより、更なる耐薬品性向上が可能となる。加熱には、熱風、赤外線、または遠赤外線等の方式の加熱炉を用いることができる。
<プリント配線板の製造方法>
本発明に係るプリント配線板の製造方法は、基板として銅張り積層板またはフレキシブル基板に上述のレジストパターン形成方法によってレジストパターンを形成した後に、以下の工程を経ることで行われる。
まず、現像により露出した基板の銅面にエッチング法、またはめっき法等の既知の方法をもちいて導体パターンを形成する工程を行う。
その後、レジストパターンを、現像液よりも強いアルカリ性を有する水溶液により基板から剥離する剥離工程を行って所望のプリント配線板を得る。剥離用のアルカリ水溶液(以下、「剥離液」ともいう。)についても特に制限はないが、2〜5質量%の濃度のNaOH、またはKOHの水溶液が一般的に用いられる。剥離液にも、少量の水溶性溶媒を加える事は可能である。なお、剥離工程における該剥離液の温度は、40〜70℃の範囲であることが好ましい。
<リードフレームの製造方法>
本発明に係るリードフレームの製造方法は、基板として銅、銅合金、鉄系合金等の金属板に前述のレジストパターン形成方法によってレジストパターンを形成した後に、以下の工程を経ることで行われる。
まず、現像により露出した基板をエッチングして導体パターンを形成する工程を行う。その後、レジストパターンを上述のプリント配線板の製造方法と同様の方法で剥離する剥離工程を行って、所望のリードフレームを得る。
<半導体パッケージの製造方法>
本発明に係る半導体パッケージの製造方法は、LSIとしての回路形成が終了したチップを以下の工程により実装することにより半導体パッケージを製造する。
まず、現像により得られるレジストパターン付着基板における基板の金属が露出した部分に硫酸銅めっきを施して、導体パターンを形成する。その後、レジストパターンを上述のプリント配線板の製造方法と同様の方法で剥離する剥離工程を行って、更に、柱状めっき以外の部分については薄い金属層を除去するためにエッチングを行い、上記チップを実装し、所望の半導体パッケージを得る。
<半導体バンプの製造方法>
本発明に係る半導体バンプの製造方法は、LSIとしての回路形成が終了したチップを実装するために行われ下記工程により製造する。
まず、現像により得られるレジストパターン付着基板における基板の金属が露出した部分に硫酸銅めっきを施して、導体パターンを形成する。その後、レジストパターンを上述のプリント配線板の製造方法と同様の方法で剥離する剥離工程を行って、更に、柱状めっき以外の部分の薄い金属層をエッチングにより除去する工程を行うことにより、所望のバンプを得る。
<凹凸パターンを有する基板の製造方法>
前述のレジストパターン形成方法によってレジストパターンは、サンドブラスト工法により基板に加工を施す時の保護マスク部材として使用されうる。
基板としては、ガラス、シリコンウエハー、アモルファスシリコン、多結晶シリコン、セラミック、サファイア、金属材料などが挙げられる。これらガラス等の基板上に、前述のレジストパターン形成方法と同様の方法によって、レジストパターンを形成する。その後、形成されたレジストパターン上からブラスト材を吹き付け目的の深さに切削するサンドブラスト処理工程、基板上に残存したレジストパターン部分をアルカリ剥離液等で基板から除去する剥離工程を経て、基板上に微細な凹凸パターンを有する基板とすることができる。上前記サンドブラスト処理工程に用いるブラスト材は公知のものが用いられ、例えばSiC,SiO2、Al23、CaCO3、ZrO、ガラス、ステンレス等の2〜100μm程度の微粒子が用いられる。
上述のサンドブラスト工法による凹凸パターンを有する基板の製造方法は、フラットパネルディスプレイの隔壁の製造、有機ELのガラスキャップ加工、シリコンウエハーの穴開け加工、及びセラミックのピン立て加工等に使用することができる。また、強誘電体膜および貴金属、貴金属合金、高融点金属、および高融点金属化合物からなる群から選ばれる金属材料層の電極の製造に利用することができる。
以下、実施例にて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1〜5、比較例1〜3)
最初に実施例及び比較例の評価用サンプルの作製方法を説明し、次いで、得られたサンプルについての評価方法およびその評価結果を示す。
1.評価用サンプルの作製
実施例及び比較例における評価用サンプルは次の様にして作製した。
<感光性樹脂積層体の作製>
下記表1に示す組成(但し、各成分の数字は固形分としての配合量(質量部)を示す。)の感光性樹脂組成物及び溶媒をよく攪拌、混合して感光性樹脂組成物調合液とし、支持体として16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面にバーコーターを用いて均一に塗布し、95℃の乾燥機中で4分間乾燥して感光性樹脂層を形成した。感光性樹脂層の厚みは40μmであった。
次いで、感光性樹脂層のポリエチレンテレフタレートフィルムを積層していない表面上に、保護層として20μm厚のポリエチレンフィルムを張り合わせて感光性樹脂積層体を得た。
Figure 2010152345
表1における略号で表わした感光性樹脂組成物調合液中の材料成分B−1〜P−4の詳細は以下のとおりである。
B−1:メタクリル酸25質量%、メタクリル酸メチル50質量%、スチレン25質量%の三元共重合体。(重量平均分子量50,000、酸当量344)
B−2:メタクリル酸25質量%、メタクリル酸メチル65質量%、ブチルアクリレート10質量%の三元共重合体。(重量平均分子量120,000、酸当量344)
B−3:メタクリル酸25質量%、メタクリル酸メチル65質量%、ブチルアクリレート10質量%の三元共重合体。(重量平均分子量80,000、酸当量344)
M−1:ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均5モルずつのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジメタクリレート
M−2:平均12モルのプロピレンオキサイドの両端に平均3モルずつのエチレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコールのジメタクリレート
M−3:ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均2モルずつのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジメタクリレート
M−4:ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均2モルのプロピレンオキサイドと平均15モルのエチレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコールのジメタクリレート
I−1:2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体
I−2:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
D−1:ロイコクリスタルバイオレットD−2:アイゼンビクトリアピュアブルーDOH
CONC
P−1:ポリオキシエチレンソルビタンラウレート。(日本乳化剤(株)製、ニューコール(商標)25)
P−2:下記化学式(IX)の化合物:
HO−(C36O)12−H (IX)
P−3:下記化学式(X)の化合物:
HO−(C24O)6−(C36O)12−(C24O)6−H (X)
P−4:下記化学式(XI)の化合物:
HO−(C24O)2−(C36O)30−(C24O)2−H (XI)
<基板整面>
解像性、剥離性の評価用基板としては、35μm厚の圧延銅箔を積層した1.2mm厚の銅張積層板を用い、表面を湿式バフロール研磨(スリーエム(株)製、スコッチブライト(登録商標)HD#600、2回通し)した。
<ラミネート>
感光性樹脂積層体のポリエチレンフィルムを剥がしながら、上記の基板整面の後に60℃に予熱した銅張積層板にホットロールラミネーター(旭化成(株)製、AL−700)を用いて、ロール温度105℃でラミネートした。エアー圧力は0.35MPaとし、ラミネート速度は1.5m/分とした。
<露光>
感光性樹脂層の評価に必要なマスクフィルムを、支持体であるポリエチレンテレフタレートフィルム上におき、超高圧水銀ランプ(オーク製作所製、HMW−801)により、50mJ/cm2の露光量で感光性樹脂層を露光した。
<現像>
ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、アルカリ現像機(フジ機工製、ドライフィルム用現像機)を用いて30℃の1質量%Na2CO3水溶液を所定時間スプレーし、感光性樹脂層の未露光部分を最小限像時間の2倍の時間で溶解除去した。この際、未露光部分の感光性樹脂層が完全に溶解するのに要する最も少ない時間を最小現像時間とした。
2.評価基準
凝集性1:
上記の方法で作製した感光性樹脂組成物0.05m2を200mlの1質量%Na2CO3水溶液に溶解させ循環式スプレー装置を用いてスプレー圧0.15MPaで1時間スプレーを行って凝集物の発生を確認した。凝集物が多量に発生するとスプレー装置の底部及び側面に粉状又は油状の付着物が観察される。凝集物が発生しない場合はこれらが全く見られない。結果は以下のようにランク分けした:
○:付着物が見られない
×:付着物が見られる
凝集性2:
上記凝集性評価1でスプレーを行った現像液を回収し、200mlの規格ビンに入れて3日間放置し、吸引ろ過により液中に発生する凝集物を採取した。凝集物を乾燥させた後、重量を測り、結果を以下のようにランク分けした:
◎:凝集物20mg以下
○:凝集物が20mgを超え40mg以下
△:凝集物が40mgを超え80mg以下
×:凝集物が80mgを超える
剥離性:
ラミネート後15分経過した剥離性評価用基板を、6cm×5cmのパターンを有するマスクを通して露光した。最小現像時間の2倍の現像時間で現像した後、50℃、3wt%の苛性ソーダ水溶液に浸漬し、レジスト膜が剥離される時間を測定し、以下のようにランク分けした:
○:剥離時間が40秒以下
△:剥離時間が40秒を超え50秒以下
×:剥離時間が50秒を超える
解像性:
ラミネート後15分経過した解像度評価用基板を、露光部分と未露光部分との幅が1:1の比率のラインパターンマスクを通して露光した。最小現像時間の2倍の現像時間で現像し、硬化レジストラインが正常に形成されている最小マスク幅を解像度の値とし、解像性を下記のようにランク分けした:
◎:解像度の値が30μm以下
○:解像度の値が30μmを超え40μm以下
△:解像度の値が40μmを超える
3.評価結果
実施例及び比較例の評価結果を上記表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜5においては、本願発明の構成を採用することにより、解像性を保ちながら、凝集性1、凝集性2、及び剥離性を改善することに成功している。
比較例1は、(d)一般式(I)で表される化合物、(e)一般式(II)で表される化合物の両者を含んでいないため凝集性と剥離性が優れない。比較例2は、(d)一般式(I)で表される化合物を採用することで凝集性と剥離性がある程度改善されているが、まだ十分ではないことがわかる。比較例3は、(e)一般式(II)で表される化合物だけでは凝集性が十分に改善できないことを示している。
本発明は、プリント配線板の製造、ICチップ搭載用リードフレーム製造、メタルマスク製造などの金属箔精密加工、BGA、CSP等のパッケージの製造、COFやTABなどテープ基板の製造、半導体バンプの製造、ITO電極やアドレス電極、電磁波シールドなどフラットパネルディスプレイの隔壁の製造、及びサンドブラスト工法によって凹凸パターンを有する基板を製造する方法に利用することができる。

Claims (12)

  1. (a)アルカリ可溶性熱可塑性重合体:20〜90質量%、(b)分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する付加重合性モノマー:5〜75質量%、(c)光重合開始剤:0.01〜30質量%、(d)下記一般式(I):
    Figure 2010152345
    {式中、R1、R2、R3、及びR4 は、各々独立に水素原子又は炭素数1〜30のアルキル基又は脂肪酸アシル基であり、k、l、m、及びnは、0以上の整数であり、ここで、k+l+m+nは、0〜40であり、A、は−CH(CH3)CH2 −及び/又は−CH2CH(CH3)−及び/又は−CH2CH2 −であり、そして−(A−O)−の繰り返し構造は、ランダムでもブロックであってもよい。}で表される化合物:0.01〜30質量%、及び(e)下記一般式(II):
    5O−[(C36O)a,(C24O)b]−R6 (II)
    {式中、R5、及びR6は、各々独立に水素原子又は炭素数1〜30のアルキル基又は脂肪酸アシル基であり、a、及びbは、各々独立に0〜400の整数であり、ここで、a+bは5〜800であり、そして当該一般式(II)で表される化合物はランダム共重合体又はブロック共重合体のいずれでもよい。}で表される化合物:0.01〜50質量%を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 前記(e)一般式(II)中、R5、及びR6は、水素原子であり、a、及びbは、各々独立に0〜100の整数であり、そしてa+bは、5〜200である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(e) 一般式(II)中、R5、及びR6は、水素原子であり、aは、1〜50の整数であり、bは、1〜15の整数であり、そしてa+bは、5〜60である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記(a)アルカリ可溶性熱可塑性重合体は、スチレンを含むエチレン性不飽和二重結合を有する単量体を成分として含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記(b)分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する付加重合性モノマーは、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記(c)光重合開始剤が、2−(o−クロロフェニル)イミダゾリル二量体を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 支持層、及び請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物からなる層を含む感光性樹脂積層体。
  8. 請求項7に記載の感光性樹脂積層体を用いて形成されるレジストパターンの形成方法。
  9. 回路形成用基板上に、請求項8に記載のレジストパターンの形成方法によりレジストパターンを形成するステップを含む、プリント配線板の製造方法。
  10. 回路形成用基板上に、請求項8に記載のレジストパターンの形成方法によりレジストパターンを形成するステップを含む、リードフレームの製造方法。
  11. 基板としてLSIとしての回路形成が終了したウェハを用い、請求項8に記載のレジストパターンの形成方法によりレジストパターンを形成するステップを含む、半導体パッケージの製造方法。
  12. 基板上に、請求項8に記載のレジストパターンの形成方法によりレジストパターンを形成するステップを含む、半導体バンプの製造方法。
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