JP2006234995A5 - - Google Patents

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JP2006234995A5
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光重合性樹脂組成物
本発明は、新規なカルボキシル基含有バインダーを含有するアルカリ現像可能な光重合性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、印刷配線板、リードフレーム、半導体パッケージ等の製造、金属の精密加工等の分野において、エッチングレジスト又はめっきレジスト等のレジスト材料として特に優れた高解像性と高密着性及びめっき液耐性を有し、更にレジスト剥離性にも優れた光重合性樹脂組成物に関する。
近年、パソコンや携帯電話等に用いられる電子機器の軽薄短小化が加速し、これに搭載されるプリント配線板やリードフレーム、BGA、CSP等のパッケージには狭ピッチのパターンが要求されている。印刷配線板、リードフレーム、半導体パッケージ等の製造、金属の精密加工等の分野において、エッチングレジスト又はめっきレジスト等のレジスト材料として光重合性樹脂組成物及びそれを用いたドライフィルムレジストを使用する事が知られている。ドライフィルムレジストは、一般に支持体上に光重合性樹脂組成物層を積層し、さらに該光重合性樹脂組成物層上に必要により保護層を積層することにより調製される。ここで用いられる光重合性樹脂組成物層としては、現在、現像液として弱アルカリ水溶液を用いるアルカリ現像型のものが一般的である。
ドライフィルムレジスト用積層体を用いて印刷配線板を作成するには、まず保護層を剥離した後、銅張積層板やフレキシブル基板等の永久回路作成用基板上にラミネーター等を用いドライフィルムレジストを積層し、配線パターンマスクフィルム等を通し露光を行う。次に必要に応じて支持体を剥離し、現像液により未露光部分の光重合性樹脂層を溶解、もしくは分散除去し、基板上にレジストパターンを形成させる。
レジストパターン形成後、回路を形成させるプロセスは大きく2つの方法に分かれる。第一の方法は、レジストパターンによって覆われていない銅張り積層板等の銅面をエッチング除去した後、レジストパターン部分を現像液よりも強いアルカリ水溶液で除去する方法である。この場合、工程の簡便さから、貫通孔(スルーホール)を硬化膜で覆いその後エッチングする方法(テンティング法)が多用されている。第二の方法は同上の銅面上に銅めっき処理を施し、必要であれば更に半田、ニッケルおよび錫等のめっき処理を行った後、同様にレジストパターン部分の除去、さらに現れた銅張り積層板等の銅面をエッチングする方法(めっき法)である。エッチングには塩化第二銅、塩化第二鉄、銅アンモニア錯体溶液、硫酸/過酸化水素水溶液等の酸性エッチング液が用いられる。
狭ピッチのパターンを歩留り良く製造する為に、ドライフィルムレジスト用積層体には高解像性と高密着性が要求され、生産性を向上させるという観点から、現像時間や剥離時間の短縮が要求されている。特に最近では、狭ピッチのパターンを歩留りよく製造する点からめっき法の重要性が増してきている。
めっき法においては、レジストのめっき液耐性が重要であり、めっき液耐性が十分でないとめっきの前処理の際に処理液がレジストと基板の間に浸透し、硬化したレジストのアンダーカットが起こり、レジストが基板から浮き上がるような現象が発生しやすくなる。このような現象が起こるとめっきもぐり(めっきがレジストの下部にまで及ぶ現象)が生じる事から、めっき液耐性に優れるフォトレジストが望まれている。また、近年の配線パターンの狭ピッチ化に伴い、回路配線幅は縮小し続けると同時に、配線回路の電気特性等の観点からレジストの厚みに対して金属めっき厚さも増大し、フォトレジストは非常に狭い空間に施された金属めっき皮膜により封入される。結果として公知方法による剥離除去が困難になる。レジストが完全に除去されないならば、つづくエッチング工程により不完全な配線回路が得られ好適ではない事から、剥離性に優れるフォトレジストが望まれている。増大する金属めっき厚みに適合するため、厚いフォトレジストを試みられる場合もあ
るが、この方法ではレジストの解像性や密着性が損なわれる為、狭ピッチ配線パターン製造には制限される。
レジストの解像性、密着性に関しては、例えば特定のカルボキシル基含有バインダー成分(特許文献1参照)を含有する方法が提案されているが、レジストの解像性、密着性を向上する点では効果があるが、金属めっき後のレジスト剥離性に関しては検討の余地がある。また、レジスト剥離性に関しては、同様にして特定のカルボキシル基含有バインダー成分(特許文献2参照)を含有する方法が提案されているが、剥離片サイズを微細化し、金属めっき時のレジスト剥離性には効果があるが、レジスト解像性、密着性に関しては近年の狭ピッチ化には十分に対応できていないのが現状である。
特開平10−110008号公報 特開平5−36581号公報
本発明の目的は、上記問題点を克服し、印刷配線板、リードフレーム、半導体パッケージ等の製造、金属の精密加工等の分野において、エッチングレジスト又はめっきレジスト等のレジスト材料として特に優れた高解像性と高密着性及びめっき液耐性を有し、更にレジスト剥離性にも優れた光重合性樹脂組成物を提供する事にある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のバインダー樹脂を含有する光重合性樹脂が、その目的に適合しうることを見いだし、この知見に基づいて本発明をなすに至った。すなわち、本発明は、
(1) (A)カルボキシル基含有バインダー、30〜80質量%、(B)光重合可能なモノマー、15〜60質量%、(C)光重合開始剤、0.01〜20質量%を含有してなる光重合性樹脂組成物であって、(A)カルボキシル基含有バインダーが、少なくとも下記一般式(I)で表されるモノマー、10〜40質量%、下記一般式(II)で表されるモノマー、10〜80質量%、及び下記一般式(III)で表されるモノマー、10〜80質量%を共重合した共重合体であり、(B)光重合可能なモノマーとして、下記一般式(IV)及び/または(V)表される化合物を含有し、かつ重量平均分子量が5,000〜500,000である事を特徴とするアルカリ現像可能な光重合性樹脂組成物。
Figure 2006234995
Figure 2006234995
Figure 2006234995
(R1 ,R2 ,R3 ,は各々独立に水素原子またはメチル基を表し、R4 ,R5 ,は各々独立に水素原子、ハロゲン類、ヒドロキシル基、炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、またはハロアルキル基を表す。)
Figure 2006234995
(R6 は水素原子またはメチル基、R7 は−CH2 OHまたは−CH2 O(CO)CH=CH2 または−CH2 O(CO)C(CH3 )=CH2 基を表す。)
Figure 2006234995
(式中、R8 及びR9 は水素原子又はメチル基であり、これらは同一であっても相違していても良い。AはC2 4 、BはCH2 CH(CH3 )を表し、m1+m2は2〜30の整数、m3+m4は0〜30の整数である。−(A−O)−、及び−(B−O)−の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであっても良く、−(A−O)−、及び−(B−O)−の順序は、何れがエステル側であっても良い。)
(2) 上記一般式(III)がベンジル(メタ)アクリレートであることを特徴とする上記(1)記載の光重合性樹脂組成物。
) 光重合開始剤として、ロフィン二量体及び/またはその誘導体を含有する事を特徴とする上記(1)又は(2)に記載の光重合性樹脂組成物。
) 上記(1)〜()のいずれか一つに記載の光重合性樹脂組成物を支持体上に積層してなることを特徴とするドライフィルム。
) 上記(1)〜()のいずれか一つに記載の光重合性樹脂組成物を基板上に積層し、露光し、現像する工程を含むことを特徴とするレジストパターンの形成方法。
上記)記載の方法によりレジストパターンが形成された基板を、エッチング
またはめっきする工程を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
本発明の光重合性樹脂組成物は、印刷配線板、リードフレーム、半導体パッケージ等の製造、金属の精密加工等の分野においてエッチングレジスト又はめっきレジスト等のレジスト材料として特に優れた高解像性と高密着性及びめっき液耐性を有し、更にレジスト剥離性にも優れる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる(A)カルボキシル基含有バインダーに含まれるカルボキシル基の量は、酸当量で100以上600以下であり、好ましくは250以上450以下である。酸当量とは、その中に1当量のカルボキシル基を有する線状重合体の質量を言う。
バインダー中のカルボキシル基は、光重合性樹脂層にアルカリ水溶液に対する現像性や剥離性を与えるために必要である。現像耐性が向上し、解像度及び密着性が向上する点から100以上であり、現像性及び剥離性が向上する点から600以下である。酸当量の測定は、平沼産業(株)製平沼自動滴定装置(COM−555)を使用し、0.1mol/Lの水酸化ナトリウムを用いて電位差滴定法により行われる。
本発明に用いられる(A)カルボキシル基含有バインダーの重量平均分子量は、5,000以上500,000以下である。現像性が向上する点から500,000以下であり、テンティング膜強度が向上し、感光性樹脂積層体をロール状に巻き取った場合にロール端面から感光性樹脂組成物が染み出す現象すなわちエッジフューズが抑制される点から5,000以上である。20,000以上300,000万以下であることがより好ましい。
分散度(分子量分布と呼ぶこともある)は下記式の重量平均分子量と数平均分子量の比で表される。
(分散度)=(重量平均分子量)/(数平均分子量)
重量平均分子量及び数平均分子量は、日本分光(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(ポンプ:Gulliver、PU−1580型、カラム:昭和電工(株)製Shodex(登録商標)(KF−807、KF−806M、KF−806M、KF−802.5)4本直列、移動層溶媒:テトラヒドロフラン、ポリスチレン標準サンプル(昭和電工(株)製Shodex STANDARD SM−105)による検量線使用)によりポリスチレン換算として求められる。
本発明に用いられる(A)カルボキシル基含有バインダーは、少なくとも下記一般式(I)で表されるモノマー、10〜40質量%、下記一般式(II)で表されるモノマー、10〜80質量%、及び下記一般式(III)で表されるモノマー、10〜80質量%を共重合した共重合体であり、かつ重量平均分子量が5,000〜500,000である。
Figure 2006234995
Figure 2006234995
Figure 2006234995
(R1 ,R2 ,R3 ,は各々独立に水素原子またはメチル基を表し、R4 ,R5 ,は各々独立に水素原子、ハロゲン類、ヒドロキシル基、炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、またはハロアルキル基を表す。)
一般式(I)で表されるモノマーは、例えば(メタ)アクリル酸が挙げられる。この場合の、一般式(I)で表されるモノマーの割合は、10質量%以上40質量%以下が好ましく、20質量%以上40質量%以下がより好ましい。現像耐性が向上し、解像度及び密着性が向上する点から45質量%以下であり、アルカリ水溶液による現像性及び剥離性が向上する点から15質量%以上である。
一般式(II)で表されるモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロロスチレン等のスチレン誘導体が挙げられる。一般式(II)で表されるモノマーの割合は、10質量%以上80質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。解像性や密着性の観点から10質量%以上が好ましく、硬化レジストの柔軟性の観点から40質量%以下が好ましい。
一般式(III)で表されるモノマーは、例えばベンジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシベンジル(メタ)アクリレート、4−メチルベンジル(メタ)アクリレート、4−クロロベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。特に好ましい例としては、非酸性で、分子中に重合性不飽和基を一個有し、光重合性樹脂層の現像性、エッチング性及びめっき工程での耐性、硬化膜の可とう性等の種々の特性を保持するという観点から、ベンジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
この場合の、カルボキシル基含有バインダーにおける一般式(III)で表されるモノマーの割合は、10質量%以上80質量%以下が好ましく、10質量%以上70質量%以下がより好ましく、30質量%以上70質量%以下が更に好ましい。解像性及び密着性、めっき液耐性の観点から10質量%以上が好ましく、現像性の観点から70質量%以下が好ましい。本発明に用いられる(A)カルボキシル基含有バインダーは、必須成分である上記一般式(I)〜(III)のモノマーに加えて、これら以外の公知のモノマーも共重合成分として併用する事が出来る。例えば、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸半エステル等のカルボン酸含有モノマー、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸グリシジル等が挙げられ、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられる(A)カルボキシル基含有バインダーは、上記モノマーの混合物を、アセトン、メチルエチルケトン、イソプロパノール等の溶剤で希釈した溶液に、過酸化ベンゾイル、アゾイソブチロニトリル等のラジカル重合開始剤を適量添加し、加熱攪拌することにより合成を行うことができる。混合物の一部を反応液に滴下しながら合成を行う場合もある。合成手段としては、溶液重合以外に、塊状重合、懸濁重合及び乳化重合を用いてもよい。
本発明に用いられる(A)カルボキシル基含有バインダーの光重合性樹脂組成物全体に対する割合は、30質量%以上80質量%以下であり、40質量%以上70質量%以下がより好ましく、40質量%以上60質量%以下が特に好ましい。テンティング膜強度が向上し、エッジフューズが抑制される点から30質量%以上であり、現像性やめっき性が向上する点から80質量%以下である。
本発明の組成物には、上記(A)記載のカルボキシル基含有バインダーに加えて、(A)カルボキシル基含有バインダーに該当しない公知の熱可塑性高分子を併用して用いることも出来る。併用できる熱可塑性高分子としては、例えば、(メタ)アクリル酸と、(メタ)アクリル酸エステル化合物(たとえば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステルなど)、スチレン、スチレン誘導体からなる群より選ばれる1種ないし2種以上の化合物との共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシエチル・カルボキシメチルセルロース等のカルボン酸含有セルロースなどとの併用が挙げられる。特に現像液中の凝集物の発生を抑える観点から、メタアクリル酸、スチレン、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、及び2−エチルヘキシルアクリレートを共重合した重量平均分子量3万以上6万以下の熱可塑性高分子を併用することが好ましい。併用する(A)カルボキシル基含有バインダーに該当しない公知の熱可塑性高分子と、(A)カルボキシル基含有バインダーの合計は、光重合性樹脂組成物全体に対し、30質量%以上90質量%以下が好ましい。エッジフューズの観点から30質量%以上であり、硬化性の観点から90質量%である。
未露光部を弱アルカリ水溶液で現像するアルカリ現像型の光重合性樹脂組成物を現像した場合においては、現像液中に未重合の組成物が分散する。この分散物が多いと、分散物が集まって現像液の凝集物となるが、現像液中の凝集物は基板上に再付着してショート不良の原因となることがあるので好ましくない。また、該凝集物の発生を防ぐために、フィルターを通して現像液の循環を行うことも考えられるが、該凝集物の発生が多いと、フィルター交換頻度が高くなったり、現像機の洗浄のインターバルが短くなったりして経済的ではないので、このような観点からも凝集物は少ない方が好ましい。
本発明において、(B)光重合可能なモノマーとしては、公知の(メタ)アクリレート基を有する化合物を使用できる。例えば、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、またポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチルトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシプロピル−β′−(アクリロイルキシ)プロピルフタレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、及びポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、(メタ)アクリレート基を有するウレタン化合物も挙げられる。例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物と、一分子中にヒドロキシル基と(メタ)アクリル基を有する化合物(2−ヒドロキシプロピルアクリレート、オリゴプロピレングリコールモノメタクリレート等)とのウレタン化合物等が挙げられる。具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネートとオリゴプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマーPP1000)との反応物がある。
解像性及び密着性の観点から、(B)光重合可能なモノマーの好ましい例としては、一般式(IV)または(V)に示される化合物が挙げられる。
Figure 2006234995
(R6 は水素原子またはメチル基、R7 は−CH2 OHまたは−CH2 O(CO)CH=CH2 または−CH2 O(CO)C(CH3 )=CH2 基を表す。)
一般式(IV)で示される化合物の具体的としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、及びペンタエリスリトールトリ/テトラ(メタ)アクリレート(東亞合成(株)製 M−306)等が挙げられる。これらの中でも、ペンタエリスリトールトリ/テトラ(メタ)アクリレート(東亞合成(株)製 M−306)が好ましい。
Figure 2006234995
(式中、R8 及びR9 は水素原子又はメチル基であり、これらは同一であっても相違していても良い。AはC2 4 、BはCH2 CH(CH3 )を表し、m1+m2は2〜30の整数、m3+m4は0〜30の整数である。−(A−O)−、及び−(B−O)−の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであっても良く、−(A−O)−、及び−(B−O)−の順序は、何れがエステル側であっても良い。)
一般式(V)で示される化合物の具体例としては、2,2−ビス{( 4−アクリロキシポリエトキシ) シクロヘキシル}プロパン、または2,2−ビス{( 4−メタクリロキシポリエトキシ) シクロヘキシル}プロパンの有するポリエトキシ基が、モノエトキシ、ジエトキシ、トリエトキシ、テトラエトキシ、ペンタエトキシ、ヘキサエトキシ、ヘプタエトキシ、オクタエトキシ、ノナエトキシ、デカエトキシ、ウンデカエトキシ、ドデカエトキシ、トリデカエトキシ、テトラデカエトキシ、及びペンタデカエトキシからなる群から選ばれるいずれかである化合物があげられる。2,2−ビス{( 4−アクリロキシポリアルキレンオキシ) シクロヘキシル}プロパンまたは2,2−ビス{( 4−メタクリロキシポリアルキレンオキシ) シクロヘキシル}プロパンにおいて、両端のアルキレンオキシ基が、平均8モルのエトキシ基と平均2モルのプロピルオキシ基とがブロックもしくはランダムに結合した構造である化合物、および、両端のアルキレンオキシ基が、平均4モルのエトキシ基と平均4モルのプロピルオキシ基とがブロックもしくはランダムに結合した構造である化合物などが挙げられる。これらの中でも、2,2−ビス{( 4−アクリロキシペンタエトキシ) シクロヘキシル}プロパン、および、2,2−ビス{( 4−メタクリロキシペンタエトキシ) シクロヘキシル}プロパンが好ましい。
(B)光重合可能なモノマーとして、下記一般式(VI)で表される化合物群から選択される光重合可能なエチレン性不飽和化合物を含有することは、現像性の観点から好ましい。現像性の観点から光重合性樹脂組成物全体に対する割合は5質量%以上が好ましく、密着性の観点から30質量%以下が好ましい。
Figure 2006234995
(式中、R10及びR11は水素原子又はメチル基であり、これらは同一であっても相違しても良い。n1 、n2 、及びn3 はそれぞれ独立に3〜20の整数である。)
(B)光重合可能なモノマーの、光重合性樹脂組成物全体に対する割合は、15質量%以上60質量%以下が好ましい。光感度が向上する点から15質量%以上であり、エッジフューズが抑制される点から60質量%以下である。好ましくは20質量%以上60質量%以下、より好ましくは25質量%以上50質量%以下である。
(C)成分の、光重合開始剤としては、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルジプロピルケタール、ベンジルジフェニルケタール、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、チオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−フルオロチオキサントン、4−フルオロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、4−クロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン[ミヒラーズケトン]、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、及び2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどの芳香族ケトン類、ロフィン二量体等のトリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン等のアクリジン類、α、α−ジメトキシ−α−モルホリノ−メチルチオフェニルアセトフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、N−アリール−α−アミノ酸、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−O −ベンゾイルオキシム、及び2,3−ジオキソー3−フェニルプロピオジ酸エチル−2−(O −ベンゾイルカルボニル)−オキシ
ム等のオキシムエステル類、p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸、及びp−ジイソプロピルアミノ安息香酸等のアミノ安息香酸類、前記アミノ安息香酸類とアルコールとのエステル化物、並びにp−ヒドロキシ安息香酸エステルなどが挙げられる。
N−アリール−α−アミノ酸としては、N−フェニルグリシン、N−メチル−N−フェニルグリシン、N−エチル−N−フェニルグリシン、N−(n−プロピル)−N−フェニルグリシン、N−(n−ブチル)−N−フェニルグリシン、N−(2−メトキシエチル)−N−フェニルグリシン、N−メチル−N−フェニルアラニン、N−エチル−N−フェニルアラニン、N−(n−プロピル)−N−フェニルアラニン、N−(n−ブチル)−N−フェニルアラニン、N−メチル−N−フェニルバリン、N−メチル−N−フェニルロイシン、N−メチル−N−(p−トリル)グリシン、N−エチル−N−(p−トリル)グリシン、N−(n−プロピル)−N−(p−トリル)グリシン、N−(n−ブチル)−N−(p−トリル)グリシン、N−メチル−N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−エチル−N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−(n−プロピル)−N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−メチル−N−(p−ブロモフェニル)グリシン、N−エチル−N−(p−ブロモフェニル)グリシン、N−(n−ブチル)−N−(p−ブロモフェニル)グリシン、N,N′−ジフェニルグリシン、N−メチル−N−(p−ヨードフェニル)グリシン、N−(p−ブロモフェニル)グリシン、N−(p−クロロフェニル)グリシン、及びN−(o−クロロフェニル)グリシン等が挙げられる。特にN−フェニルグリシンが好適に用いられる。
なかでも下記一般式(VII)で表されるロフィン二量体及び/またはその誘導体を含むことは高解像度の観点から好ましい実施態様である。
Figure 2006234995
(式中、X、Y及びZは水素、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン基を表し、p、q、rは1〜5の整数である。)
上記一般式(VII)で表される化合物において、2個のロフィン基を結合する共有結合は、1,1′−、1,2′−、1,4′−、2,2′−、2,4′−又は4,4′−位についているが、1,2′−位についていることが好ましい。
2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体には、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ビス−(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等があるが、特に、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体が好ましい。
本発明に用いられる(c)光重合開始剤としては、一般式(VII)で表される2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体とp−アミノフェニルケトンを併用する系が好ましい。p−アミノフェニルケトンとしては、例えば、p−アミノベンゾフェノン、p−ブチルアミノフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノベンゾフェノン、p,p′−ビス(エチルアミノ)ベンゾフェノン、p,p′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン[ミヒラーズケトン]、p,p′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、p,p′−ビス(ジブチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
また、上記で示された化合物以外に、他の光重合開始剤との併用も可能である。他の光重合開始剤とは、各種の活性光線、例えば、紫外線等により活性化され、重合を開始する化合物である。
本発明において、(c)光重合開始剤の割合は、光重合性樹脂組成物全体に対し、0.01質量%以上20質量%以下であり、好ましくは0.5質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは1質量%以上8質量%以下である。感度が向上する点から0.01質量%以上であり、解像度が向上する点から20質量%以下である。
本発明の光重合性樹脂組成物には、染料、顔料等の着色物質を含有させることもできる。用いられる着色物質としては、例えば、フクシン、フタロシアニングリーン、オーラミン塩基、カルコキシドグリーンS、パラマジエンタ、クリスタルバイオレット、メチルオレンジ、ナイルブルー2B、ビクトリアブルー、マラカイトグリーン、(保土ヶ谷化学(株)製 アイゼン(登録商標) MALACHITE GREEN)、ベイシックブルー20、ダイアモンドグリーン(保土ヶ谷化学(株)製 アイゼン(登録商標) DIAMOND GREEN GH)等が挙げられる。
本発明の光重合性樹脂組成物には、光照射により発色する発色系染料を含有させることもできる。用いられる発色系染料としては、例えば、ロイコ染料又はフルオラン染料と、ハロゲン化合物の組み合わせがある。
ロイコ染料としては、例えば、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコクリスタルバイオレット]、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコマラカイトグリーン]等が挙げられる。
フルオラン染料としては、例えば、2−アニリノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2′−メトキシカルボニルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2′−メトキシカルボニルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−6−ジエチルアミノ−3−メトキシフルオラン、2−(N,N−ジベンジルアミノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、3,6−ジエチルジアミノフルオラン等の3,6−ジアミノフルオラン誘導体等が挙げられる。
ハロゲン化合物としては、例えば、臭化アミル、臭化イソアミル、臭化イソブチレン、臭化エチレン、臭化ジフェニルメチル、臭化ベンザル、臭化メチレン、トリブロモメチルフェニルスルフォン、四臭化炭素、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリクロロアセトアミド、ヨウ化アミル、ヨウ化イソブチル、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(p−クロロフェニル)エタン、ヘキサクロロエタン、トリアジン化合物等が挙げられる。
トリアジン化合物としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
このような発色系染料の中でも、トリブロモメチルフェニルスルフォンとロイコ染料との組み合わせや、トリアジン化合物とロイコ染料との組み合わせが有用である。
本発明の光重合性樹脂組成物の熱安定性、保存安定性を向上させるために、光重合性樹脂組成物にラジカル重合禁止剤を含有させることは好ましいことである。
このようなラジカル重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコール、塩化第一銅、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ジフェニルニトロソアミン等が挙げられる。
また、本発明の光重合性樹脂組成物に、必要に応じて可塑剤等の添加剤を含有させることもできる。このような添加剤としては、例えば、ジエチルフタレート等のフタル酸エステル類やp−トルエンスルホンアミド、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル等が挙げられる。
本発明の光重合性樹脂組成物をドライフィルムレジストとして使用する場合には、該光重合性樹脂組成物を支持体上に塗工して、光重合性樹脂積層体にする。ここで用いられる支持体としては、活性光を透過する透明なものが望ましい。活性光を透過する支持層としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合体フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルム等が挙げられる。これらのフィルムとしては、必要に応じて延伸されたものも使用可能である。
また、支持体のヘーズは、感度、解像性、密着性の観点から5.0以下であるものが好ましい。支持体の厚みは薄い方が画像形成性、経済性の面で有利であるが、強度を維持する必要から、10μm以上30μm以下のものが一般的である。
光重合性樹脂積層体において、支持体面とは反対側の光重合性樹脂組成物からなる層(以下「光重合性樹脂層」という。)の表面に、必要に応じて保護層を積層する。支持体よりも保護層の方が光重合性樹脂層との密着力が十分小さく、容易に剥離できることがこの保護層としての重要な特性である。このような保護層としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、及び延伸ポリプロピレンフィルム等が挙げられる。
光重合性樹脂層の厚みは、用途において異なるが、プリント配線板作製用には5μm以上100μm以下、好ましくは5μm以上50μm以下であり、光重合性樹脂層が薄いほど解像力は向上する。また、光重合性樹脂層が厚いほど膜強度が向上する。
以下、この光重合性樹脂積層体を用いたレジストパターンの形成工程を含むプリント配線板の作製方法を簡単に述べる。
保護層がある場合は、まず保護層を剥離した後、光重合性樹脂層を基板、つまり、プリント配線板用基板の金属表面に加熱圧着し積層する。この時の加熱温度は、一般的に、40℃以上160℃以下である。
次に、必要ならば支持体を剥離し、マスクフィルムを通して活性光により画像露光する。
次いで、光重合性樹脂上に支持体がある場合には、必要に応じてこれを除き、続いてアルカリ水溶液を用いて光重合性樹脂層の未露光部を現像除去する。アルカリ水溶液としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の水溶液を用いる。これらのアルカリ水溶液は光重合性樹脂層の特性に合わせて選択されるが、一般的に0.4質量%以上3質量%以下の炭酸ナトリウム水溶液が用いられる。
次に、現像により露出した金属面に既知のエッチング法又はめっき法のいずれかの方法を行うことにより、金属の画像パターンを形成する。
その後、一般的に現像で用いたアルカリ水溶液よりも更に強いアルカリ性の水溶液によ
り硬化レジストパターンを剥離する。剥離用のアルカリ水溶液についても特に制限はないが、1質量%以上5質量%以下の水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの水溶液が一般的に用いられる。
また、セミアディティブ工法等めっき工程を設けた場合には、レジストパターンを剥離後に、レジストパターンの下に現れた銅面をエッチングする場合もある。
本発明のドライフィルムを用いてリードフレームを製造する場合、前記の銅張り積層板やフレキシブル基板等の代わりに、銅、銅合金、鉄系合金等の金属板の片面または両面に感光性樹脂層をラミネートし、露光、現像を行った後、エッチングする。最終的に硬化レジストの剥離を行い、所望のリードフレームを得る。
また、本発明のドライフィルムレジストを用いて半導体パッケージを製造する場合、LSIとしての回路形成が終了したウェハに光重合性樹脂層をラミネートし、露光、現像を行った後、開口部に銅、はんだ等の柱状のめっきを施す。次に硬化レジストの剥離を行い、柱状めっき以外の部分の薄い金属層をエッチングにより除去することにより、所望の半導体パッケージを得る。
以下、本発明の実施形態の例を具体的に説明する。
(実施例1〜参考例、比較例1〜3)
<光重合性樹脂組成物>
実施例、参考例及び比較例において用いた光重合性樹脂組成物の組成を後記する表1に示す。
以下に、実施例、参考例及び比較例の評価用サンプルの作製方法並びに得られたサンプルについての評価方法及び評価結果について示す。
1.評価用サンプルの作製
実施例及び比較例における光重合性樹脂積層体は次の様にして作製した。
<カルボキシル基含有バインダーの作製>
まず、下記に示すバインダーを準備した。
(合成例)
窒素導入口、攪拌羽根、ジムロート及び温度計を備えた1000ccの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下でメチルエチルケトン300gを入れ、湯浴の温度を80℃に上げた。次いでメタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレートをそれぞれ30/20/50(質量比)の組成比で合計400gの溶液を調製した。この調製液に、アゾビスイソブチロ二トリル3gを30gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を作製し、攪拌しながら2時間かけて滴下した。その後6時間重合した(一次重合)。その後アゾビスイソブチロ二トリル6gを30gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を4時間置きに3回に分けて滴下した後、5時間加熱攪拌した(二次重合)。次いでメチルエチルケトン240gを添加して重合反応物をフラスコから取り出して、バインダー溶液A−1を得た。この時の重量平均分子量は5.5万、分散度は1.8、酸当量は290であった。得られたバインダー溶液A−1中のメチルエチルケトンを十分に除去し測定した樹脂固形分は、41.1%であった。
同様にして、バインダー溶液A−2からA−5を合成した。重合性物質の組成比及び得られたバインダー溶液の樹脂固形分、重量平均分子量、分散度、酸当量を以下に示す。
バインダーA−1:メタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート=30/20/50(重量比)(重量平均分子量5.5万、分散度1.8、酸当量290、固形分濃度=41.1質量%のメチルエチルケトン溶液)。
バインダーA−2:メタクリル酸/スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート=30/40/20/10(重量比)(重量平均分子量
4.7万、分散度4.4、酸当量290、固形分濃度=40.5質量%のメチルエチルケトン溶液)。
バインダーA−3:メタクリル酸/スチレン/メタクリル酸メチル=25/25/50(重量比)(重量平均分子量5.3万、分散度3.1、酸当量344、固形分濃度=43.0質量%のメチルエチルケトン溶液)。
バインダーA−4:メタクリル酸/n−ブチルアクリレート/メタクリル酸メチル=25/10/65(重量比)(重量平均分子量4.0万、分散度3.7、酸当量344、固形分濃度=34.0質量%のメチルエチルケトン溶液)。
バインダーA−5:メタクリル酸/ベンジルメタクリレート=20/80(重量比)(重量平均分子量5.6万、分散度3.6、酸当量430、固形分濃度=42.0質量%のメチルエチルケトン溶液)。
バインダーA−6:メタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート=30/40/30(重量比)(重量平均分子量5.7万、分散度2.0、酸当量290、固形分濃度=42.0質量%のメチルエチルケトン溶液)。
バインダーA−7:メタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート=20/10/70(重量比)(重量平均分子量5.5万、分散度2.0、酸当量430、固形分濃度=42.0質量%のメチルエチルケトン溶液)。
B−1:ペンタエリスリトールトリアクリレートとテトラアクリレートの混合物(東亞合成(株)製 M−306)。
B−2:2,2−ビス[ 4−(メタクリロキシポリエトキシ)シクロヘキシル] プロパンであり、両端にそれぞれ平均5モルずつのエチレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコールのジメタクリレート。
B−3:平均12モルのプロピレンオキサイドを付加したポリプロピレングリコールにエチレンオキサイドをさらに両端にそれぞれ平均3モルずつ付加したポリアルキレングリコールのジメタクリレート。
B−4:ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均5モルずつのエチレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコールのジメタクリレート(新中村化学工業(株)製NKエステルBPE−500)。
C−1:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン。
C−2:2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール。
D−1:ロイコクリスタルバイオレット。
D−2:保土谷化学(株)製 アゼイン(登録商標) DIAMOND GREEN GH。
<光重合性樹脂積層体の作製>
表1に示す組成の光重合性樹脂組成物をよく攪拌、混合し、支持体として19μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面にバーコーターを用いて均一に塗布し、95℃の乾燥機中で4分間乾燥して光重合性樹脂層を形成した。光重合性樹脂層の厚みは25μmであった。
次いで、光重合性樹脂層のポリエチレンテレフタレートフィルムを積層していない表面上に、保護層として23μm厚のポリエチレンフィルムを張り合わせて光重合性樹脂積層体を得た。
<基板整面>
解像度、密着性、めっき液耐性及び剥離性評価用基板は、35μm圧延銅箔を積層した1.6mm厚の銅張積層板表面を湿式バフロール研磨(スリーエム(株)製、スコッチブライト(登録商標)HD#600、2回通し)した後、(A)スプレー圧0.20MPaでジェットスクラブ研磨(日本カーリット(株)製、サクランダムR(登録商標)#22
0)したものを用意した。
<ラミネート>
光重合性樹脂積層体のポリエチレンフィルムを剥がしながら、整面して60℃に予熱した銅張積層板にホットロールラミネーター(旭化成(株)社製、AL−70)により、ロール温度105℃でラミネートした。エアー圧力は0.35MPaとし、ラミネート速度は1.5m/minとした。
<露光>
光重合性樹脂層に評価に必要なパターンマスクを支持体であるポリエチレンテレフタレートフィルム上におき、超高圧水銀ランプ(オーク製作所製、HMW−201KB)により80mJ/cm2 の露光量で露光した。
<現像>
ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、30℃の1質量%Na2 CO3 水溶液を所定時間スプレーし、光重合性樹脂層の未露光部分を溶解除去した。この際、未露光部分の光重合性樹脂層が完全に溶解するのに要する最も少ない時間を最小現像時間とした。
<めっき前処理>
現像後の耐めっき性評価基板を、酸性脱脂FRX(10%水溶液、アトテックジャパン(株)製)浴に、40℃で4分浸せきした。水洗した後10%硫酸水溶液に室温下2分浸せきした。
<硫酸銅めっき>
硫酸銅コンク(メルテックス(株)製)を19wt%硫酸で3.6倍に希釈し、濃塩酸を200ppm添加した。次いで光沢剤としてカパラシッドHLとカパラシッドGSをそれぞれ0.4ml/l、20ml/l添加した。めっき前処理後の耐めっき性評価基板(6cm×12.5cm)を、作成された硫酸銅めっき液を用いてハーリングセル均一めっき装置(株式会社 山本鍍金試験器社製)により、引加電流0.4Aで65分間めっきした。このときの銅めっき被膜の厚みは21μm厚であった。
<剥離>
めっき処理を施した評価基板を、50℃、3wt%の苛性ソーダ水溶液にてスプレーして、レジスト膜を剥離除去した。
2.評価方法
(1)解像度評価
ラミネート後15分経過した解像度評価用基板を、露光部と未露光部の幅が1:1の比率のラインパターンマスクを通して露光した。最小現像時間の2倍の現像時間で現像し、硬化レジストラインが正常に形成されている最小マスク幅を解像度の値とした。
◎:解像度の値が10μm以下。
○:解像度の値が10μmを超え、15μm以下。
△:解像度の値が15μmを超え、20μm以下。
×:解像度の値が20μmを超える。
(2)密着性評価
ラミネート後15分経過した密着性評価用基板を、露光部と未露光部の幅が1:100の比率のラインパターンマスクを通して露光した。最小現像時間の2倍の現像時間で現像し、硬化レジストラインが正常に形成されている最小マスク幅を密着性の値とした。
◎:密着性の値が10μm以下。
○:密着性の値が10μmを超え、15μm以下。
△:密着性の値が15μmを超え、20μm以下。
×:密着性の値が20μmを超える。
(3)めっき液耐性
ラミネート後15分経過した耐めっき性評価用基板に、露光部と未露光部の幅が1:100の比率のラインパターンマスクを通して露光した。最小現像時間の2倍の現像時間で現像した後、硫酸銅めっきを行い、さらに硬化レジストを剥離した。レジスト剥離後15μm部分の硫酸銅めっきラインを光学顕微鏡で観察し、めっき液耐性を以下のようにランク付けした。
○:硫酸銅めっきのもぐりが全くなく良好なめっきラインを形成している。
△:硫酸銅めっきのもぐり幅がライン片側で2μm未満である。
×:硫酸銅めっきのもぐり幅がライン片側で2μm以上ある。
(4)剥離性
ラミネート後15分経過した剥離性評価用基板に、ライン/スペースが6μm/6μmから30μm/30μmまで2μm刻みで変化させた回路パターンが描画されたガラスマスクフィルムを通して露光した。最小現像時間の2倍の現像時間で現像した後、硫酸銅めっきを行い、さらに硬化レジストを剥離した。レジスト剥離後の硫酸銅めっきラインを光学顕微鏡で観察し、レジストパターンの剥離性を以下のようにランク付けした。
◎:レジスト剥離残りが発生する配線パターンが10μm以下。
○:レジスト剥離残りが発生する配線パターンが10μmを超え、15μm以下。
△:レジスト剥離残りが発生する配線パターンが15μmを超え、20μm以下。
×:レジスト剥離残りが発生する配線パターンが20μmを超える。
3.評価結果
実施例、参考例及び比較例の評価結果を表1に示す。
Figure 2006234995
本発明によれば、印刷配線板、リードフレーム、半導体パッケージ等の製造、金属の精密加工等の分野において、エッチングレジスト又はめっきレジスト等のレジスト材料として特に優れた高解像性と高密着性及びめっき液耐性を有し、更にレジスト剥離性にも優れた光重合性樹脂組成物を提供することができる。

Claims (6)

  1. (A)カルボキシル基含有バインダー、30〜80質量%、(B)光重合可能なモノマー、15〜60質量%、(C)光重合開始剤、0.01〜20質量%を含有してなる光重合性樹脂組成物であって、(A)カルボキシル基含有バインダーが、少なくとも下記一般式(I)で表されるモノマー、10〜40質量%、下記一般式(II)で表されるモノマー、10〜80質量%、及び下記一般式(III)で表されるモノマー、10〜80質量%を共重合した共重合体であり、(B)光重合可能なモノマーとして、下記一般式(IV)及び/または(V)表される化合物を含有し、かつ重量平均分子量が5,000〜500,000である事を特徴とする光重合性樹脂組成物。
    Figure 2006234995
    Figure 2006234995
    Figure 2006234995
    (R1 ,R2 ,及びR3 は各々独立に水素原子またはメチル基を表し、R4 ,及びR5 は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、またはハロアルキル基を表す。)
    Figure 2006234995
    (R 6 は水素原子またはメチル基を表し、R 7 は−CH 2 OH、−CH 2 O(CO)CH=CH 2 、または−CH 2 O(CO)C(CH 3 )=CH 2 基を表す。)
    Figure 2006234995
    (式中、R 8 及びR 9 は水素原子又はメチル基であり、これらは同一であっても相違していても良い。AはC 2 4 、BはCH 2 CH(CH 3 )を表し、m1+m2は2〜30の整数、m3+m4は0〜30の整数である。−(A−O)−、及び−(B−O)−の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであっても良く、−(A−O)−、及び−(B−O)−の順序は、何れがエステル側であっても良い。)
  2. 上記一般式(III)で表されるモノマーがベンジル(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1記載の光重合性樹脂組成物。
  3. (C)光重合開始剤として、ロフィン二量体及び/またはその誘導体を含有する事を特徴とする請求項1又は2に記載の光重合性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか一つに記載の光重合性樹脂組成物を支持体上に積層してなることを特徴とする光重合性樹脂積層体。
  5. 請求項1〜のいずれか一つに記載の光重合性樹脂組成物を基板上に積層し、露光し、現像する工程を含むことを特徴とするレジストパターンの形成方法。
  6. 請求項記載の方法によりレジストパターンが形成された基板を、エッチングまたはめっきする工程を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
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