JP2006234995A - 光重合性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (A)カルボキシル基含有バインダー、30〜80質量%、(B)光重合可能なモノマー、15〜60質量%、(C)光重合開始剤、0.01〜20質量%を含有してなる光重合組成物であって、(A)カルボキシル基含有バインダーが、少なくとも下記一般式(I)で表されるモノマー、10〜40質量%、下記一般式(II)で表されるモノマー、10〜80質量%、及び下記一般式(III)で表されるモノマー、10〜80質量%を共重合した共重合体であり、かつ重量平均分子量が5,000〜500,000である事を特徴とするアルカリ現像可能な光重合性樹脂組成物を用いる。
【選択図】 なし
Description
レジストパターン形成後、回路を形成させるプロセスは大きく2つの方法に分かれる。第一の方法は、レジストパターンによって覆われていない銅張り積層板等の銅面をエッチング除去した後、レジストパターン部分を現像液よりも強いアルカリ水溶液で除去する方法である。この場合、工程の簡便さから、貫通孔(スルーホール)を硬化膜で覆いその後エッチングする方法(テンティング法)が多用されている。第二の方法は同上の銅面上に銅めっき処理を施し、必要であれば更に半田、ニッケルおよび錫等のめっき処理を行った後、同様にレジストパターン部分の除去、さらに現れた銅張り積層板等の銅面をエッチングする方法(めっき法)である。エッチングには塩化第二銅、塩化第二鉄、銅アンモニア錯体溶液、硫酸/過酸化水素水溶液等の酸性エッチング液が用いられる。
めっき法においては、レジストのめっき液耐性が重要であり、めっき液耐性が十分でないとめっきの前処理の際に処理液がレジストと基板の間に浸透し、硬化したレジストのアンダーカットが起こり、レジストが基板から浮き上がるような現象が発生しやすくなる。このような現象が起こるとめっきもぐり(めっきがレジストの下部にまで及ぶ現象)が生じる事から、めっき液耐性に優れるフォトレジストが望まれている。また、近年の配線パターンの狭ピッチ化に伴い、回路配線幅は縮小し続けると同時に、配線回路の電気特性等の観点からレジストの厚みに対して金属めっき厚さも増大し、フォトレジストは非常に狭い空間に施された金属めっき皮膜により封入される。結果として公知方法による剥離除去が困難になる。レジストが完全に除去されないならば、つづくエッチング工程により不完全な配線回路が得られ好適ではない事から、剥離性に優れるフォトレジストが望まれてい
る。増大する金属めっき厚みに適合するため、厚いフォトレジストを試みられる場合もあるが、この方法ではレジストの解像性や密着性が損なわれる為、狭ピッチ配線パターン製造には制限される。
(1) (A)カルボキシル基含有バインダー、30〜80質量%、(B)光重合可能なモノマー、15〜60質量%、(C)光重合開始剤、0.01〜20質量%を含有してなる光重合性樹脂組成物であって、(A)カルボキシル基含有バインダーが、少なくとも下記一般式(I)で表されるモノマー、10〜40質量%、下記一般式(II)で表されるモノマー、10〜80質量%、及び下記一般式(III)で表されるモノマー、10〜80質量%を共重合した共重合体であり、かつ重量平均分子量が5,000〜500,000である事を特徴とするアルカリ現像可能な光重合性樹脂組成物。
(2) 一般式(III)がベンジル(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1記載の光重合性樹脂組成物。
(3) (B)光重合可能なモノマーとして、一般式(IV)及び/または(V)を含有する事を特徴とする(1)または(2)記載の光重合性樹脂組成物。
(5) 上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の光重合性樹脂組成物を支持体上に積層してなることを特徴とするドライフィルム。
(6) 上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の光重合性樹脂組成物を基板上に積層
し、露光し、現像する工程を含むことを特徴とするレジストパターンの形成方法。
(7) (6)記載の方法によりレジストパターンが形成された基板を、エッチングまたはめっきする工程を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
本発明に用いられる(A)カルボキシル基含有バインダーに含まれるカルボキシル基の量は、酸当量で100以上600以下であり、好ましくは250以上450以下である。酸当量とは、その中に1当量のカルボキシル基を有する線状重合体の質量を言う。
バインダー中のカルボキシル基は、光重合性樹脂層にアルカリ水溶液に対する現像性や剥離性を与えるために必要である。現像耐性が向上し、解像度及び密着性が向上する点から100以上であり、現像性及び剥離性が向上する点から600以下である。酸当量の測定は、平沼産業(株)製平沼自動滴定装置(COM−555)を使用し、0.1mol/Lの水酸化ナトリウムを用いて電位差滴定法により行われる。
分散度(分子量分布と呼ぶこともある)は下記式の重量平均分子量と数平均分子量の比で表される。
(分散度)=(重量平均分子量)/(数平均分子量)
重量平均分子量及び数平均分子量は、日本分光(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(ポンプ:Gulliver、PU−1580型、カラム:昭和電工(株)製Shodex(登録商標)(KF−807、KF−806M、KF−806M、KF−802.5)4本直列、移動層溶媒:テトラヒドロフラン、ポリスチレン標準サンプル(昭和電工(株)製Shodex STANDARD SM−105)による検量線使用)によりポリスチレン換算として求められる。
一般式(II)で表されるモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロロスチレン等のスチレン誘導体が挙げられる。一般式(II)で表されるモノマーの割合は、10質量%以上80質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。解像性や密着性の観点から10質量%以上が好ましく、硬化レジストの柔軟性の観点から40質量%以下が好ましい。
この場合の、カルボキシル基含有バインダーにおける一般式(III)で表されるモノマーの割合は、10質量%以上80質量%以下が好ましく、10質量%以上70質量%以下がより好ましく、30質量%以上70質量%以下が更に好ましい。解像性及び密着性、めっき液耐性の観点から10質量%以上が好ましく、現像性の観点から70質量%以下が好ましい。本発明に用いられる(A)カルボキシル基含有バインダーは、必須成分である上記一般式(I)〜(III)のモノマーに加えて、これら以外の公知のモノマーも共重合成分として併用する事が出来る。例えば、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸半エステル等のカルボン酸含有モノマー、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸グリシジル等が挙げられ、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられる(A)カルボキシル基含有バインダーの光重合性樹脂組成物全体に対する割合は、30質量%以上80質量%以下であり、40質量%以上70質量%以下がより好ましく、40質量%以上60質量%以下が特に好ましい。テンティング膜強度が向上し、エッジフューズが抑制される点から30質量%以上であり、現像性やめっき性が向上する点から80質量%以下である。
ノニルフェノキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、及びポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ム等のオキシムエステル類、p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸、及びp−ジイソプロピルアミノ安息香酸等のアミノ安息香酸類、前記アミノ安息香酸類とアルコールとのエステル化物、並びにp−ヒドロキシ安息香酸エステルなどが挙げられる。
2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体には、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ビス−(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等があるが、特に、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体が好ましい。
また、上記で示された化合物以外に、他の光重合開始剤との併用も可能である。他の光重合開始剤とは、各種の活性光線、例えば、紫外線等により活性化され、重合を開始する化合物である。
本発明の光重合性樹脂組成物には、染料、顔料等の着色物質を含有させることもできる。用いられる着色物質としては、例えば、フクシン、フタロシアニングリーン、オーラミン塩基、カルコキシドグリーンS、パラマジエンタ、クリスタルバイオレット、メチルオレンジ、ナイルブルー2B、ビクトリアブルー、マラカイトグリーン、(保土ヶ谷化学(株)製 アイゼン(登録商標) MALACHITE GREEN)、ベイシックブルー20、ダイアモンドグリーン(保土ヶ谷化学(株)製 アイゼン(登録商標) DIAMOND GREEN GH)等が挙げられる。
ロイコ染料としては、例えば、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコクリスタルバイオレット]、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコマラカイトグリーン]等が挙げられる。
フルオラン染料としては、例えば、2−アニリノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2′−メトキシカルボニルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2′−メトキシカルボニルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−6−ジエチルアミノ−3−メトキシフルオラン、2−(N,N−ジベンジルアミノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、3,6−ジエチルジアミノフルオラン等の3,6−ジアミノフルオラン誘導体等が挙げられる。
トリアジン化合物としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
このような発色系染料の中でも、トリブロモメチルフェニルスルフォンとロイコ染料との組み合わせや、トリアジン化合物とロイコ染料との組み合わせが有用である。
このようなラジカル重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコール、塩化第一銅、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ジフェニルニトロソアミン等が挙げられる。
また、本発明の光重合性樹脂組成物に、必要に応じて可塑剤等の添加剤を含有させることもできる。このような添加剤としては、例えば、ジエチルフタレート等のフタル酸エステル類やp−トルエンスルホンアミド、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル等が挙げられる。
また、支持体のヘーズは、感度、解像性、密着性の観点から5.0以下であるものが好ましい。支持体の厚みは薄い方が画像形成性、経済性の面で有利であるが、強度を維持する必要から、10μm以上30μm以下のものが一般的である。
光重合性樹脂層の厚みは、用途において異なるが、プリント配線板作製用には5μm以上100μm以下、好ましくは5μm以上50μm以下であり、光重合性樹脂層が薄いほど解像力は向上する。また、光重合性樹脂層が厚いほど膜強度が向上する。
保護層がある場合は、まず保護層を剥離した後、光重合性樹脂層を基板、つまり、プリント配線板用基板の金属表面に加熱圧着し積層する。この時の加熱温度は、一般的に、40℃以上160℃以下である。
次に、必要ならば支持体を剥離し、マスクフィルムを通して活性光により画像露光する。
次いで、光重合性樹脂上に支持体がある場合には、必要に応じてこれを除き、続いてアルカリ水溶液を用いて光重合性樹脂層の未露光部を現像除去する。アルカリ水溶液としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の水溶液を用いる。これらのアルカリ水溶液は光重合性樹脂層の特性に合わせて選択されるが、一般的に0.4質量%以上3質量%以下の炭酸ナトリウム水溶液が用いられる。
その後、一般的に現像で用いたアルカリ水溶液よりも更に強いアルカリ性の水溶液によ
り硬化レジストパターンを剥離する。剥離用のアルカリ水溶液についても特に制限はないが、1質量%以上5質量%以下の水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの水溶液が一般的に用いられる。
また、セミアディティブ工法等めっき工程を設けた場合には、レジストパターンを剥離後に、レジストパターンの下に現れた銅面をエッチングする場合もある。
また、本発明のドライフィルムレジストを用いて半導体パッケージを製造する場合、LSIとしての回路形成が終了したウェハに光重合性樹脂層をラミネートし、露光、現像を行った後、開口部に銅、はんだ等の柱状のめっきを施す。次に硬化レジストの剥離を行い、柱状めっき以外の部分の薄い金属層をエッチングにより除去することにより、所望の半導体パッケージを得る。
(実施例1〜4、比較例1〜3)
<光重合性樹脂組成物>
実施例及び比較例において用いた光重合性樹脂組成物の組成を後記する表1に示す。
以下に、実施例及び比較例の評価用サンプルの作製方法並びに得られたサンプルについての評価方法及び評価結果について示す。
実施例及び比較例における光重合性樹脂積層体は次の様にして作製した。
<カルボキシル基含有バインダーの作製>
まず、下記に示すバインダーを準備した。
(合成例)
窒素導入口、攪拌羽根、ジムロート及び温度計を備えた1000ccの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下でメチルエチルケトン300gを入れ、湯浴の温度を80℃に上げた。次いでメタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレートをそれぞれ30/20/50(質量比)の組成比で合計400gの溶液を調製した。この調製液に、アゾビスイソブチロ二トリル3gを30gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を作製し、攪拌しながら2時間かけて滴下した。その後6時間重合した(一次重合)。その後アゾビスイソブチロ二トリル6gを30gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を4時間置きに3回に分けて滴下した後、5時間加熱攪拌した(二次重合)。次いでメチルエチルケトン240gを添加して重合反応物をフラスコから取り出して、バインダー溶液A−1を得た。この時の重量平均分子量は5.5万、分散度は1.8、酸当量は290であった。得られたバインダー溶液A−1中のメチルエチルケトンを十分に除去し測定した樹脂固形分は、41.1%であった。
バインダーA−1:メタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート=30/20/50(重量比)(重量平均分子量5.5万、分散度1.8、酸当量290、固形分濃度=41.1質量%のメチルエチルケトン溶液)。
バインダーA−2:メタクリル酸/スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート=30/40/20/10(重量比)(重量平均分子量4.7万、分散度4.4、酸当量290、固形分濃度=40.5質量%のメチルエチルケ
トン溶液)。
バインダーA−3:メタクリル酸/スチレン/メタクリル酸メチル=25/25/50(重量比)(重量平均分子量5.3万、分散度3.1、酸当量344、固形分濃度=43.0質量%のメチルエチルケトン溶液)。
バインダーA−5:メタクリル酸/ベンジルメタクリレート=20/80(重量比)(重量平均分子量5.6万、分散度3.6、酸当量430、固形分濃度=42.0質量%のメチルエチルケトン溶液)。
バインダーA−6:メタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート=30/40/30(重量比)(重量平均分子量5.7万、分散度2.0、酸当量290、固形分濃度=42.0質量%のメチルエチルケトン溶液)。
バインダーA−7:メタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート=20/10/70(重量比)(重量平均分子量5.5万、分散度2.0、酸当量430、固形分濃度=42.0質量%のメチルエチルケトン溶液)。
B−2:2,2−ビス[ 4−(メタクリロキシポリエトキシ)シクロヘキシル] プロパンであり、両端にそれぞれ平均5モルずつのエチレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコールのジメタクリレート。
B−3:平均12モルのプロピレンオキサイドを付加したポリプロピレングリコールにエチレンオキサイドをさらに両端にそれぞれ平均3モルずつ付加したポリアルキレングリコールのジメタクリレート。
B−4:ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均5モルずつのエチレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコールのジメタクリレート(新中村化学工業(株)製NKエステルBPE−500)。
C−1:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン。
C−2:2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール。
D−1:ロイコクリスタルバイオレット。
D−2:保土谷化学(株)製 アゼイン(登録商標) DIAMOND GREEN GH。
表1に示す組成の光重合性樹脂組成物をよく攪拌、混合し、支持体として19μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面にバーコーターを用いて均一に塗布し、95℃の乾燥機中で4分間乾燥して光重合性樹脂層を形成した。光重合性樹脂層の厚みは25μmであった。
次いで、光重合性樹脂層のポリエチレンテレフタレートフィルムを積層していない表面上に、保護層として23μm厚のポリエチレンフィルムを張り合わせて光重合性樹脂積層体を得た。
解像度、密着性、めっき液耐性及び剥離性評価用基板は、35μm圧延銅箔を積層した1.6mm厚の銅張積層板表面を湿式バフロール研磨(スリーエム(株)製、スコッチブライト(登録商標)HD#600、2回通し)した後、(A)スプレー圧0.20MPaでジェットスクラブ研磨(日本カーリット(株)製、サクランダムR(登録商標)#220)したものを用意した。
光重合性樹脂積層体のポリエチレンフィルムを剥がしながら、整面して60℃に予熱した銅張積層板にホットロールラミネーター(旭化成(株)社製、AL−70)により、ロール温度105℃でラミネートした。エアー圧力は0.35MPaとし、ラミネート速度は1.5m/minとした。
<露光>
光重合性樹脂層に評価に必要なパターンマスクを支持体であるポリエチレンテレフタレートフィルム上におき、超高圧水銀ランプ(オーク製作所製、HMW−201KB)により80mJ/cm2 の露光量で露光した。
ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、30℃の1質量%Na2 CO3 水溶液を所定時間スプレーし、光重合性樹脂層の未露光部分を溶解除去した。この際、未露光部分の光重合性樹脂層が完全に溶解するのに要する最も少ない時間を最小現像時間とした。
<めっき前処理>
現像後の耐めっき性評価基板を、酸性脱脂FRX(10%水溶液、アトテックジャパン(株)製)浴に、40℃で4分浸せきした。水洗した後10%硫酸水溶液に室温下2分浸せきした。
硫酸銅コンク(メルテックス(株)製)を19wt%硫酸で3.6倍に希釈し、濃塩酸を200ppm添加した。次いで光沢剤としてカパラシッドHLとカパラシッドGSをそれぞれ0.4ml/l、20ml/l添加した。めっき前処理後の耐めっき性評価基板(6cm×12.5cm)を、作成された硫酸銅めっき液を用いてハーリングセル均一めっき装置(株式会社 山本鍍金試験器社製)により、引加電流0.4Aで65分間めっきした。このときの銅めっき被膜の厚みは21μm厚であった。
<剥離>
めっき処理を施した評価基板を、50℃、3wt%の苛性ソーダ水溶液にてスプレーして、レジスト膜を剥離除去した。
(1)解像度評価
ラミネート後15分経過した解像度評価用基板を、露光部と未露光部の幅が1:1の比率のラインパターンマスクを通して露光した。最小現像時間の2倍の現像時間で現像し、硬化レジストラインが正常に形成されている最小マスク幅を解像度の値とした。
◎:解像度の値が10μm以下。
○:解像度の値が10μmを超え、15μm以下。
△:解像度の値が15μmを超え、20μm以下。
×:解像度の値が20μmを超える。
ラミネート後15分経過した密着性評価用基板を、露光部と未露光部の幅が1:100の比率のラインパターンマスクを通して露光した。最小現像時間の2倍の現像時間で現像し、硬化レジストラインが正常に形成されている最小マスク幅を密着性の値とした。
◎:密着性の値が10μm以下。
○:密着性の値が10μmを超え、15μm以下。
△:密着性の値が15μmを超え、20μm以下。
×:密着性の値が20μmを超える。
ラミネート後15分経過した耐めっき性評価用基板に、露光部と未露光部の幅が1:100の比率のラインパターンマスクを通して露光した。最小現像時間の2倍の現像時間で現像した後、硫酸銅めっきを行い、さらに硬化レジストを剥離した。レジスト剥離後15μm部分の硫酸銅めっきラインを光学顕微鏡で観察し、めっき液耐性を以下のようにランク付けした。
○:硫酸銅めっきのもぐりが全くなく良好なめっきラインを形成している。
△:硫酸銅めっきのもぐり幅がライン片側で2μm未満である。
×:硫酸銅めっきのもぐり幅がライン片側で2μm以上ある。
ラミネート後15分経過した剥離性評価用基板に、ライン/スペースが6μm/6μmから30μm/30μmまで2μm刻みで変化させた回路パターンが描画されたガラスマスクフィルムを通して露光した。最小現像時間の2倍の現像時間で現像した後、硫酸銅めっきを行い、さらに硬化レジストを剥離した。レジスト剥離後の硫酸銅めっきラインを光学顕微鏡で観察し、レジストパターンの剥離性を以下のようにランク付けした。
◎:レジスト剥離残りが発生する配線パターンが10μm以下。
○:レジスト剥離残りが発生する配線パターンが10μmを超え、15μm以下。
△:レジスト剥離残りが発生する配線パターンが15μmを超え、20μm以下。
×:レジスト剥離残りが発生する配線パターンが20μmを超える。
Claims (7)
- (A)カルボキシル基含有バインダー、30〜80質量%、(B)光重合可能なモノマー、15〜60質量%、(C)光重合開始剤、0.01〜20質量%を含有してなる光重合性樹脂組成物であって、(A)カルボキシル基含有バインダーが、少なくとも下記一般式(I)で表されるモノマー、10〜40質量%、下記一般式(II)で表されるモノマー、10〜80質量%、及び下記一般式(III)で表されるモノマー、10〜80質量%を共重合した共重合体であり、かつ重量平均分子量が5,000〜500,000である事を特徴とする光重合性樹脂組成物。
- 一般式(III)で表されるモノマーがベンジル(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1記載の光重合性樹脂組成物。
- (B)光重合可能なモノマーとして、一般式(IV)及び/または(V)表される化合物を含有する事を特徴とする請求項1または2記載の光重合性樹脂組成物。
- (C)光重合開始剤として、ロフィン二量体及び/またはその誘導体を含有する事を特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の光重合性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか一つに記載の光重合性樹脂組成物を支持体上に積層してなることを特徴とする光重合性樹脂積層体。
- 請求項1〜4のいずれか一つに記載の光重合性樹脂組成物を基板上に積層し、露光し、現像する工程を含むことを特徴とするレジストパターンの形成方法。
- 請求項6記載の方法によりレジストパターンが形成された基板を、エッチングまたはめっきする工程を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
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