JP2001290278A - 感光性フィルム及びこれを用いたプリント配線板又は金属加工板 - Google Patents

感光性フィルム及びこれを用いたプリント配線板又は金属加工板

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JP2001290278A
JP2001290278A JP2000106713A JP2000106713A JP2001290278A JP 2001290278 A JP2001290278 A JP 2001290278A JP 2000106713 A JP2000106713 A JP 2000106713A JP 2000106713 A JP2000106713 A JP 2000106713A JP 2001290278 A JP2001290278 A JP 2001290278A
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resin layer
photosensitive
photosensitive resin
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Jinko Mukai
仁子 向
Shinji Takano
真次 高野
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ラミネート法において、金属表面に感光性フ
ィルムをエアーボイドの発生数を低減して歩留り良く積
層しかつ作業性に優れた感光性フィルム及びこれを用い
たプリント配線板を提供する。 【解決手段】 支持フィルムの上に感光性樹脂層を形成
し、さらにその上に保護フィルムを設けた感光性フィル
ムにおいて、保護フィルムに含まれる直径が80μm以
上のフィッシュアイ数が5個/m2 以下であり、かつ、
感光性樹脂層が(a)酸当量が100〜600、重量平
均分子量が2万〜50万の線状重合体、(b)下記
(I)で示される化合物から選択される不飽和化合物 (式中R1 ,R2 はH又はCH3 であり、A,Bは−C
H(CH3 )CH2 −又は−CH2 CH2 −であり、m
1+m2、n1+n2は6〜12である。)及び(c)
光重合開始剤を含有し、感光性樹脂層の膜厚が5〜30
μmである感光性フィルム及びこれを用いたプリント配
線板又は金属加工板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は印刷回路板又はリー
ドフレーム等のメタルエッチング加工用として好適に用
いられる感光性フィルム及びこれを用いたプリント配線
板又は金属加工板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子の軽薄短小化、少量多
品種化の傾向が進むにつれ、ICチップを基板上に搭載
するために用いられるリードフレームやBGAも多ピン
化、狭小化が進み、これらの半導体パッケージを搭載す
る印刷回路板も高密度化が要求される。
【0003】これらのパターン形成用レジストとして
は、一般的に感光性フィルムが用いられている。感光性
フィルムは透明な支持フィルム上に感光性樹脂組成物を
塗布、乾燥し保護フィルムを張り合わせたサンドイッチ
構造であり、ラミネート時に保護フィルムを除去しなが
ら、感光性樹脂層を下地金属に加熱圧着し、マスクフィ
ルムなどを通して露光を行う。次に支持フィルムをはく
離し、現像液により未露光部を溶解もしくは分散除去
し、基板上に硬化レジスト画像を形成する。
【0004】回路を形成するプロセスとしては大きく分
けてエッチング法とメッキ法の二つの方法がある。ここ
でエッチング法とは、現像後に形成した硬化レジストに
よって被覆されていない金属面をエッチング除去した
後、レジストをはく離する方法である。一方、メッキ法
とは現像後に形成した硬化レジストによって被覆されて
いない金属面に銅及び半田等のメッキ処理を行った後、
レジストを除去しレジストによって被覆されていた金属
面をエッチングする方法である。
【0005】また、リードフレームやBGAの多ピン
化、狭小化及びこれらの半導体パッケージを搭載する印
刷回路板の高密度化に伴い、解像度及びコスト面から感
光性フィルムは薄膜化の傾向にある。また良好なエッチ
ング耐性が要求される。
【0006】このような感光性フィルムの薄膜化に伴
い、基板表面の凹凸に対する埋め込み性(追従性)が低
下し、エッチング法の場合回路パターンの欠け及び断線
の原因となり、メッキ法の場合はショートの原因とな
る。従ってラミネート時に基板表面の凹凸に対する埋め
込み性を得るために、感光性樹脂層は熱及び圧力によっ
て流動しなければならない。
【0007】一方、感光性フィルムの支持フィルムとし
てはPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等
のポリエステルフィルムが用いられ、保護フィルムとし
てはPE(ポリエチレン)フィルムなどのポリオレフィ
ンフィルムが用いられている。また通常保護フィルムと
して用いられるポリオレフィンフィルムは、原材料を熱
溶融し、混練、押し出し、2軸延伸、キャスティングま
たはインフレーション法によって製造される。一般的に
ポリオレフィンフィルム等の保護フィルム中にはフィッ
シュアイと呼ばれる未溶解及び熱劣化物を含む。フィッ
シュアイの大きさは一般的に直径(φ)が10μm〜1
mmで、フィルム表面から1〜50μmの高さで突き出
ている。このフィッシュアイの凸部が感光性樹脂層に凹
みを生じ、ラミネート後の基板上に図1に示すようなエ
アーボイド6を生じる。すなわち、支持フィルム1と感
光性樹脂層2とフィッシュアイ4を有する保護フィルム
からなる感光性フィルムを、保護フィルムを剥がして基
板5にラミネート(矢印)すると、エアーボイド6が生
じる。このエアーボイドは感光性樹脂層の膜厚と相関
し、感光性樹脂層の膜厚が薄いほど発生し易く、次工程
である露光、現像のレジスト像形成において、パターン
欠け及び断線が発生する。この現象は、エッチング法の
場合回路パターンの欠け及び断線の原因となり、メッキ
法の場合はショートの原因となる。従ってラミネート時
にフィッシュアイによって凹んだ感光性樹脂層部にエア
ー巻き込みを防ぐために、感光性樹脂層は熱及び圧力に
よって流動しなければならない。
【0008】このような現象の対策として、感光性樹脂
層の粘度を低くし、ラミネート時の樹脂流動を向上する
手法が考えられるが、この場合、エッジフュージョンと
呼ばれる感光性フィルム端部からの感光性樹脂層のしみ
だしが発生し、ラミネート性が悪化するという問題があ
る。
【0009】またラミネート時のはく離性フィルムとし
て表面平滑なフィルムを用いることが特公平3−124
02号公報に開示されている。しかしこの公報ではラミ
ネート時のはく離性フィルム上に感光性樹脂組成物を塗
布、乾燥して感光性樹脂層を形成し、さらにその上に支
持フィルムを積層している。この場合、はく離性フィル
ムは感光性樹脂組成物を塗布、乾燥する際の熱による寸
法変化の無い材質を選定する必要があり、材質が限定さ
れる。
【0010】また特公昭53−31670号公報、特開
昭51−63702号公報、特開平1−314144号
公報等に見られるように、真空ラミネータ法が有用であ
るが、この方法は、一般的に用いられる常圧ラミネート
法に比較し、装置が大きい、ラミネートするチャンバー
内が真空のため、ゴミが発生しやすい等の問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、常圧ラミネ
ート法において、金属表面を有する基板表面に感光性フ
ィルムをエアーボイドの発生数を低減して歩留り良く積
層しかつ保存安定性及び作業性に優れた感光性フィルム
及びこれを用いたプリント配線板又は金属加工板を提供
するものである。
【0012】また、本発明は上記の効果に加え、さらに
ラミネート性に優れた感光性フィルムを提供するもので
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の問
題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、フィッシュア
イ数が少ない保護フィルムを使用し、光重合可能な不飽
和化合物として、特定のウレタン化合物を使用すること
により、ラミネート時に発生するエアーボイドが低減さ
れ、かつ基板表面の凹凸に対して追従性が良好であり、
さらにエッチング耐性に優れることを見出し、本発明に
至った。
【0014】本発明は、支持フィルム(A)の上に感光
性樹脂層(B)を形成し、さらにその上に保護フィルム
(C)を張り合わせた感光性フィルムにおいて、保護フ
ィルム(C)に含まれる直径が80μm以上のフィッシ
ュアイ数が5個/m2 以下であり、かつ、感光性樹脂層
(B)が (a)カルボキシル基含有量が酸当量で100〜60
0、重量平均分子量が2万〜50万の線状重合体を5〜
95重量部 (b)下記一般式(I)で示される化合物から選択され
る1種または2種以上の光重合可能な不飽和化合物を9
5〜5重量部(ただし(a)及び(b)の総量を100
重量部とする)
【0015】
【化2】
【0016】(式中R1 ,R2 はH又はCH3 であり、
これらは同一であっても相違してもよい。A,Bは−C
H(CH3 )CH2 −又は−CH2 CH2 −であり、
A,Bは相異し、A,Bは化合物の構造の中心に対して
線対称に位置するように選ばれる。m1+m2は6〜1
2、n1+n2は6〜12であり、m1,m2,n1,
n2は正の整数である。)及び(c)光重合開始剤を
(a)及び(b)に対して0.01〜30重量%含有
し、感光性樹脂層(B)の膜厚が5〜30μmである感
光性フィルムに関する。
【0017】本発明における支持フィルム(A)として
は、例えば、帝人社製テトロンフィルムGSシリーズ、
デュポン社製マイラーフィルムDシリーズ等のポリエス
テルフィルム等が挙げられる。好ましくはポリエチレン
テレフタレートフィルムが用いられる。支持フィルムの
膜厚は、12〜25μmであることが好ましく、12μ
mより薄い場合は機械的強度が低下するため、塗工時の
支持フィルムが破れるなどの問題が発生する傾向があ
り、一方25μmより厚い場合、解像度の低下及び価格
が高くなる傾向がある。
【0018】本発明における感光性樹脂組成物を含む感
光性樹脂層に含まれる線状重合体(a)において、カル
ボキシル基含有量は酸当量で100〜600とされ、3
00〜400が好ましい。ここで酸当量とはその中に1
当量のカルボキシル基を有するポリマの重量をいう。重
合体中のカルボキシル基はアルカリ水溶液に対し現像性
やはく離性を付するために必要であるが、酸当量が60
0を越えると、現像性やはく離性が低下し、100未満
の場合、耐薬品性及び塗工溶媒又は他の組成物例えばモ
ノマーとの相溶性が低下する。また重量平均分子量は2
万〜50万とされ、5〜20万が好ましい。重量平均分
子量が50万を越えると現像性、はく離性及び解像度が
低下し、2万未満の場合、機械強度が劣る。
【0019】線状重合体は2種又はそれ以上の単量体を
共重合させることにより得られる。単量体は2種に区分
される。第1の単量体は分子中に重合性不飽和基を1個
有するカルボン酸又は酸無水物である。例えば、(メ
タ)アクリル酸(これはメタクリル酸及びアクリル酸を
表す。以下同様)、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、
イタコン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸半エステル
等である。第2の単量体は、感光性樹脂層の現像性、エ
ッチング及びメッキ工程での耐性、硬化膜の可撓性など
の種々の特性を保持するように選ばれる。例えば、メチ
ル(メタ)アクリレート(これはメタクリレート及びア
クリレートを表す。以下同様)、ブチル(メタ)アクリ
レート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の
アルキル(メタ)アクリレート類がある。また酢酸ビニ
ルなどのビニルアルコールのエステル類や、スチレン又
は重合可能なスチレン誘導体等がある。又上記の重合性
不飽和基を分子中に1個有するカルボン酸又は酸無水物
のみの重合によっても得ることができる。
【0020】感光性樹脂層に含有される線状重合体の量
は5〜95重量部の範囲内でなければならず、好ましく
は30〜70重量部である。線状重合体の量が5重量部
未満の場合光硬化物が脆くはく離性に劣る傾向があり、
95重量部を越えると感度が不十分となる傾向がある。
【0021】一般式(I)で示される上記の化合物を光
重合可能な不飽和化合物として用いると、ラミネート時
に感光性樹脂層の粘度が低下し、基板表面上の凹凸に対
する埋め込み性が向上、かつ、保護フィルム中のフィッ
シュアイによって凹みが生じた感光性樹脂層部へのエア
ー巻き込みを抑制することができ、さらに良好なエッチ
ング耐性が得られる。
【0022】本発明における感光性樹脂層の中には、光
重合可能な不飽和化合物が5〜95重量部含まれるが、
30〜70重量部の範囲がより好ましい。光重合可能な
不飽和化合物が5重量部未満の場合、感度が不十分とな
る傾向があり、95重量部を越えると光硬化物が脆くは
く離性に劣る傾向がある。
【0023】光重合可能な不飽和化合物としては、一般
式(I)で示される化合物以外の化合物と組み合わせる
ことも可能である。但し一般式(I)で示される化合物
の光重合可能な不飽和化合物に占める割合は40〜10
0重量%が好ましい。この化合物が少なすぎると上述の
レジストとしての特性が損なわれる。
【0024】本発明に用いる(I)式で示される光重合
可能な不飽和化合物において、エチレングリコール鎖の
みの場合、親水性が増し、エッチング耐性が低下し、プ
ロピレングリコール鎖のみの場合、現像時間が長くな
る。
【0025】本発明の提案する感光性樹脂層(B)は光
重合開始剤を必須成分として含んでいる。ここでの光重
合開始剤は各種の活性光線、例えば紫外線などにより活
性化され重合を開始する公知の化合物である。例えば、
2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアン
トラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベ
ンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、
2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアン
トラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルア
ントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェ
ナンタラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、
2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類がある。
また例えばベンゾフェノン、ミヒラーズケトン{4,
4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン}、4,
4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の芳香
族ケトン類がある。また例えばベンゾイン、ベンゾイン
メチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイ
ンフェニルエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾ
イン等のベンゾインエーテル類がある。また例えばジエ
チルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合
わせのようにチオキサントン系化合物と3級アミン化合
物との組み合わせもある。また例えば2−(o−クロロ
フェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、
2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフ
ェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェ
ニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−
(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダ
ゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5
−ジフェニルイミダゾール2量体等の2,4,5−トリ
アリールイミダゾール2量体がある。これらは単独で又
は2種以上を組み合わせて使用される。
【0026】この感光性樹脂層に含有される光重合開始
剤の量は上記の重合体(a)及び不飽和化合物(b)に
対して0.01〜30重量%であり、好ましくは0.0
5〜10重量%である。ここで光重合開始剤が0.01
重量%未満の場合、充分な感度が得られず、30重量%
を越えると感光性樹脂層の活性線吸収率が高くなり感光
性樹脂層底部の硬化度が不十分となる。
【0027】本発明で用いられる感光性樹脂層は、必要
に応じて、可塑剤、熱重合禁止剤、ロイコクリスタルバ
イオレット、トリブロモメチルフェニルスルフォン等の
発色剤、マラカイトグリーン等の染料、顔料、充填材、
密着性付与剤、香料、イメージング剤等を配合してもよ
い。
【0028】上記(a)成分、(b)成分及び(c)成
分を含有する感光性樹脂組成物は、必要に応じて溶剤を
加えて、溶液とした後、これを支持フィルム(A)上に
塗布、乾燥して感光性樹脂層(B)を形成する。次いで
その感光性樹脂層(B)上に保護フィルム(C)を張り
合わせることにより、感光性フィルムが得られる。
【0029】溶剤としては、特に制限はなく、公知のも
のが使用でき、例えば、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、クロロホルム、塩化メチレン、トルエン、メタノー
ル、エタノール等が挙げられる。これらは単独で又は2
種類以上を組み合わせて使用される。
【0030】感光性樹脂層(B)の膜厚は、5〜30μ
mであることが必要である。5μmより薄い場合、ラミ
ネート時にシワが発生しやすく、30μmより厚い場
合、解像度が悪化する。好ましい範囲は10〜25μm
である。
【0031】また感光性樹脂層の粘度(30℃)は15
〜50MPa・sであることが好ましく、25〜40M
Pa・sであることがより好ましい。粘度が15MPa
・sより小さい場合、エッジフュージョンが発生しやす
くなる傾向があり、50MPa・sより大きいと樹脂流
動が低くなり、感光性樹脂層が脆くなる。また、粘度の
測定は、ニュートン流体に対する関係式(I)を用い、
1/Zに対してtをプロットし、その傾きから求めるこ
とが可能である。
【0032】
【数1】 t=η(3V2/8πF)×{(1/Z)−(1/Z)}…式(I) η:粘度(Pa・s) F:厚さ方向にかけた力(N) V:試験片の体積(m3 ) Z:厚さ(m) t:時間(秒) これらの測定はTMA装置を用いて測定可能である。
【0033】本発明に用いられる保護フィルム(C)中
に含まれる直径(φ)が80μm以上のフィッシュアイ
数は5個/m2 以下であることが必要である。ここでフ
ィッシュアイとは材料を熱溶解し混練、押し出し延伸
法、キャスティング法又はインフレーション法によりフ
ィルムを製造する際に、材料の未溶解物、劣化物等がフ
ィルム中に取り込まれたものをいう。
【0034】また、フィッシュアイの直径の大きさは材
料によっても異なるが約10μm〜1mmであり、フィ
ルムの表面からの高さは1〜50μmである。ここでフ
ィッシュアイの大きさの測定方法は、例えば光学顕微
鏡、接触型表面粗さ計、非接触型表面粗さ計又は走査型
電子顕微鏡で測定可能である。なお、フィッシュアイの
直径(φ)は最大径を意味する。
【0035】また保護フィルム(C)の表面粗さとして
は、中心線平均粗さRaが0.005〜0.3μmであ
ることが好ましく、0.01〜0.1μmであることが
さらに好ましい。表面粗さは、接触型表面粗さ計を用い
て測定可能である。
【0036】このようにフィッシュアイレベルの良好な
本発明に好適に用いられる保護フィルムは、例えばフィ
ルムを製造する際、原料樹脂の異物を除去する、原料樹
脂を熱溶融後に濾過を行うなど、フィルムの製造法の変
更を行うことにより製造可能である。
【0037】また市販の保護フィルム(C)として、王
子製紙社製アルファンE−200C、E−200H、信
越フィルム社製PP−タイプPT、東レ社製トレファン
BO−2400、YR12タイプ等のポリプロピレンフ
ィルム、帝人社製テトロンフィルムGSシリーズ、デュ
ポン社製マイラーフィルムDシリーズ等のポリエステル
フィルム等が挙げられるがこれに限られるものではな
い。
【0038】保護フィルム(C)の膜厚は15〜50μ
mであることが好ましい。15μmより薄い場合、製造
が困難となる傾向があり、50μmより厚い場合、価格
が高くなる傾向がある。
【0039】また、感光性樹脂層(B)と支持フィルム
(A)の接着強度が、感光性樹脂層(B)と保護フィル
ム(C)の接着強度よりも大きいことが好ましい。感光
性樹脂層(B)と支持フィルム(A)の接着強度が、感
光性樹脂層(B)と保護フィルム(C)の接着強度より
も小さいと、ラミネート時に保護フィルムを除去する
際、感光性樹脂層が保護フィルム側に転写される可能性
がある。本発明になる感光性フィルムより、公知の方法
によって、プリント配線板又は金属加工板を得ることが
できる。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0041】実施例1〜5及び比較例1〜4 表1に示す(a)成分、(b)成分、(c)成分、その
他の成分及び溶媒を混合し、感光性樹脂組成物溶液を調
整した。
【0042】
【表1】
【0043】次いでこの感光性樹脂組成物の溶液を16
μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人
(株)製テトロン)上に均一に塗布し、100℃の熱風
対流式乾燥機(楠本化成(株)製HISPEC HT3
20S)で約5分間乾燥し、表2に示す各保護フィルム
をラミネートし感光性フィルムを得た。感光性樹脂層の
乾燥後の膜厚は20μmであった。
【0044】上記で作製した感光性フィルムの支持フィ
ルムと保護フィルムを剥離した感光性樹脂層を重ね合わ
せ厚さ:1mm、直径:7mmの試験片を作製した。次
にTMA装置(Thermal Analysis:セ
イコー電子工業(株)、TMA/SS100)を用い、
30〜80℃の範囲で試験片の厚さ方向にそれぞれ40
〜2gの範囲の荷重をかけ、厚さの変化量を測定した。
次いでニュートン流体に関する関係式(I)を用いて、
1/Zに対してtをプロットしその傾きから粘度を求め
た。
【0045】
【数2】 t=η(3V2/8πF)×{(1/Z)−(1/Z)}…式(I)
【0046】[エアーボイド発生数]厚さ0.15mm
t、20×20cm角の銅合金(ヤマハオーリンメタル
社製:C−7025)を3重量%水酸化ナトリウム水溶
液、50℃に1分間浸漬し、次いで1体積%塩酸水溶
液、25℃に1分浸漬し、その後水洗、乾燥し、得られ
た基板上に前記感光性フィルムの保護フィルムを除去し
ながら、ロール温度:110℃、圧力:0.39MP
a、速度:2m/分でラミネートした。次いで、このよ
うにして得られた基板を、3kWの超高圧水銀灯(オー
ク製作所社製、HMW−201GX)で60mJ/cm
2 の露光を行った。
【0047】露光後の基板上のエアーボイド数を100
倍の顕微鏡を用いて測定した。また、各保護フィルムの
フィッシュアイの大きさ及び個数を100倍の顕微鏡を
用いて測定した。
【0048】[断線率]厚さ1.6mmtの銅張り積層
板(日立化成工業社製、MCL−E68、銅厚:35μ
m)上に感光性フィルムH−S930(日立化成工業社
製、商品名:フォテック)を上記条件でラミネートし
た。次いでライン/スペース=400/100μmのフ
ォトマスクを使用し、3kWの超高圧水銀灯(オーク製
作所社製、HMW−201GX)で30mJ/cm2
露光を行い、支持フィルムを除去した後、1重量%炭酸
ナトリウム水溶液(30℃)を約30秒間スプレーし未
露光部を除去した。この基板を、25重量%過硫酸アン
モニウム水溶液(30℃)に6分間浸漬し、水洗後、3
重量%水酸化ナトリウム水溶液(50℃)に1分浸漬し
硬化レジスト膜を除去し傷基板を作製した。この傷深さ
を接触型表面粗さ計(小坂研究所社製:サーフコーダ
SE−30D)を用い測定した結果、傷深さは6μmで
あった。
【0049】作製した傷基板に前記感光性フィルムの保
護フィルムを除去しながら、ロール温度:110℃、圧
力:0.69MPa、速度:2m/分でラミネートし
た。この時、基板上の傷はラミネートロールに対して平
行にした。次いで、ライン/スペース=100/100
μmのフォトマスクを基板傷に対し垂直になるようにセ
ットし、3kWの超高圧水銀灯(オーク製作所社製、H
MW−201GX)で60mJ/cm2 の露光を行い、
支持フィルムを除去した後1重量%炭酸ナトリウム水溶
液(30℃)を約30秒間スプレーし未露光部を除去し
た。次に45ボーメの塩化第二鉄水溶液(50℃)を1
00秒間スプレーし、露出した銅をエッチングし、3重
量%水酸化ナトリウム水溶液(50℃)に1分浸漬し硬
化レジスト膜を除去した。基板上の傷に感光性樹脂層が
追従していない場合はレジストと基板間に空隙があるた
め、銅のラインはレジストと傷の交点部分でエッチング
液がしみ込み、銅が溶解し、銅ラインが接続しないこと
となり、断線不良となる。このレジストと傷の交点部分
を25倍の顕微鏡を用いて観察し、断線及びラインが1
/3以上欠けている割合(観察交点数:250個所)を
評価し断線率(値が大きいほど追従性が悪い)とした。
【0050】[エッチング耐性]厚さ0.15mmt、
20×20cm角の銅合金(ヤマハオーリンメタル社
製:C−7025)を3重量%水酸化ナトリウム水溶
液、50℃に1分間浸漬し、次いで1体積%塩酸水溶
液、25℃に1分浸漬し、その後水洗、乾燥し、得られ
た基板上に前記感光性フィルムの保護フィルムを除去し
ながら、ロール温度:110℃、圧力:0.39MP
a、速度:2m/分でラミネートした。次いで、208
ピンリードフレームパターンを有するフォトマスクを用
い、3kWの超高圧水銀灯(オーク製作所社製、HMW
−201GX)で60mJ/cm2 の露光を行い、支持
フィルムを除去した後1重量%炭酸ナトリウム水溶液
(30℃)を約30秒間スプレーし未露光部を除去し、
リードフレームパターンを形成した。
【0051】45ボーメの塩化第二鉄水溶液に37重量
%塩酸水溶液を加え、遊離塩酸濃度を2.5重量%に調
整し80℃に加熱した。この塩化第二鉄水溶液に上記方
法で作製した現像後の基板を浸漬し、レジストがはく離
する時間を測定した。はく離時間が長いほど、エッチン
グ耐性が良好である。
【0052】結果を表2にまとめて示す。
【0053】
【表2】
【0054】表2から明らかなように、実施例は比較例
に比べ、エアーボイド発生数が少なく、基板表面の凹凸
に対し追従性に優れ、かつエッチング耐性に優れる。
【0055】
【発明の効果】本発明の感光性フィルムは、エアーボイ
ド発生数が少なく、また基板の表面凹凸に対して追従性
に優れるため、欠け、断線不良が低減し、かつエッチン
グ耐性に優れる。これを用いて得られるプリント配線
板、リードフレーム等の金属加工板のメタルエッチング
加工の歩留り向上に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】エアーボイドの発生を説明する説明図。
【符号の説明】
1 支持フィルム 2 感光性樹脂層 3 保護フィルム 4 フィッシュアイ 5 基板 6 エアーボイド

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持フィルム(A)の上に感光性樹脂層
    (B)を形成し、さらにその上に保護フィルム(C)を
    張り合わせた感光性フィルムにおいて、保護フィルム
    (C)に含まれる直径が80μm以上のフィッシュアイ
    数が5個/m2以下であり、かつ、感光性樹脂層(B)
    が(a)カルボキシル基含有量が酸当量で100〜60
    0、重量平均分子量が2万〜50万の線状重合体を5〜
    95重量部及び(b)下記一般式(I)で示される化合
    物から選択される1種または2種以上の光重合可能な不
    飽和化合物を95〜5重量部(ただし(a)及び(b)
    の総量を100重量部とする) 【化1】 (式中R1 ,R2 はH又はCH3 であり、これらは同一
    であっても相違してもよい。A,Bは−CH(CH3
    CH2 −又は−CH2 CH2 −であり、A,Bは相異
    し、A,Bは化合物の構造の中心に対して線対称に位置
    するように選ばれる。m1+m2は6〜12、n1+n
    2は6〜12であり、m1,m2,n1,n2は正の整
    数である。)及び(c)光重合開始剤を(a)及び
    (b)に対して0.01〜30重量%含有し、感光性樹
    脂層(B)の膜厚が5〜30μmである感光性フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 感光性樹脂層(B)と支持フィルム
    (A)の接着強度を、感光性樹脂層(B)と保護フィル
    ム(C)の接着強度よりも大とした請求項1記載の感光
    性フィルム。
  3. 【請求項3】 保護フィルム(C)がポリプロピレンフ
    ィルムである請求項1又は2記載の感光性フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の感光性
    フィルムを用いたプリント配線板。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の感光性
    フィルムを用いた金属加工板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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