JP3788429B2 - レジストパターンの製造法、プリント配線板の製造法及びリードフレームの製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レジストパターンの製造法、プリント配線板の製造法及びリードフレームの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体素子の軽薄短小化、少量他品種化の傾向が進むにつれ、ICチップを基板上に搭載するために用いられるリードフレームやBGAも多ピン化、狭小化が進み、これらの半導体パッケージを搭載する印刷回路板も高密度化が要求される。これらのパターン形成用レジストとしては、一般的に感光性エレメントが用いられている。感光性エレメントは透明な支持フィルム上に感光性樹脂組成物を塗布、乾燥し保護フィルムを張り合わせたサンドイッチ構造であり、ラミネート時に保護フィルムを除去しながら、感光性樹脂組成物層を下地金属に加熱圧着し、マスクフィルムなどを通して露光を行う。次に支持フィルムを剥離し、現像液により未露光部を溶解もしくは分散除去し、基板上に硬化レジスト画像を形成する。
【0003】
回路を形成するプロセスとしては大きく分けてエッチング法とめっき法の二つの方法がある。ここでエッチング法とは、現像後に形成した硬化レジストによって被覆されていない金属面をエッチング除去した後、レジストを剥離する方法である。一方、めっき法とは現像後に形成した硬化レジストによって被覆されていない金属面に銅及び半田等のめっき処理を行った後、レジストを除去しレジストによって被覆されていた金属面をエッチングする方法である。
【0004】
また、リードフレームやBGAの多ピン化、狭小化及びこれらの半導体パッケージを搭載する印刷回路板の高密度化に伴い、解像度、密着性及びコスト面から感光性エレメントは薄膜化の傾向にある。このような感光性エレメントの薄膜化に伴い、基板表面の凹凸に対する埋め込み性(追従性)が低下し、エッチング法では、回路パターンの欠け及び断線の原因となり、めっき法では、ショートの原因となる。したがって、ラミネート時に基板表面の凹凸に対する埋め込み性を得るために、感光性樹脂組成物層は熱及び圧力によって流動しなければならない。
【0005】
一方、感光性エレメントの支持フィルムとしてはポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルムが用いられ、保護フィルムとしてはポリエチレンフィルムなどのポリオレフィンフィルムが用いられている。また通常保護フィルムとして用いられるポリオレフィンフィルムは、原材料を熱溶融し、混練、押し出し、2軸延伸、キャスティングまたはインフレーション法によって製造される。
【0006】
一般的にポリオレフィンフィルム等の保護フィルム中には図1に示すようなフィシュアイ4と呼ばれる異物、未溶解物及び熱劣化物を含む。フィッシュアイの大きさは一般的に直径が10μm〜1mmで、フィルム表面から1〜50μmの高さで突き出ている。このフィッシュアイの凸部が感光性樹脂組成物層に凹みを生じ、ラミネート後の基板上にエアーボイド6を生じる。すなわち、支持フィルム1と感光性樹脂組成物層2とフィッシュアイ4を有する保護フィルム3からなる感光性エレメントを、保護フィルム3を剥がして基板5にラミネートすると、エアーボイド6が生じる。
【0007】
このエアーボイド6は感光性樹脂組成物層2の膜厚と相関し、感光性樹脂組成物層2の膜厚が薄いほど発生し易く、次工程である露光、現像のレジスト像形成において、パターン欠け及び断線が発生する。この現象は、エッチング法の場合回路パターンの欠け及び断線の原因となり、めっき法の場合はショートの原因となる。従ってラミネート時にフィッシュアイ4によって凹んだ感光性樹脂組成物層部にエアー巻き込みを防ぐために、感光性樹脂組成物層は熱及び圧力によって流動しなければならない。このような現象の対策として、感光性樹脂組成物層の粘度を低くし、ラミネート時の樹脂流動を向上する手法が考えられるが、この場合、エッジフュージョンと呼ばれる感光性エレメント端部からの感光性樹脂組成物層の染みだしが発生し、ラミネート性が悪化するという問題がある。
【0008】
また特公昭53−31670号公報、特開昭51−63702号公報、特開平1−314144号公報等に記載されるように、真空ラミネータ法が有用であるが、この方法は、一般的に用いられる常圧ラミネート法に比較し、装置が大きい、ラミネートするチャンバー内が真空のため、ゴミが発生しやすい等の問題がある。また保護フィルムとして表面平滑なフィルムを使用する手法が考えられるが、この場合、ラミネート時に保護フィルムを巻き取る際に、保護フィルムの巻き取りシワが発生し、うまくラミネートできない等の問題がある。
【0009】
【特許文献1】
特公昭53−31670号公報
【0010】
【特許文献2】
特開昭51−63702号公報
【0011】
【特許文献3】
特開平1−314144号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、リードフレームやBGAの多ピン化、狭小化及びこれらの半導体パッケージを搭載するプリント配線の高密度化に極めて有用な、エアーボイドの発生数が低減するため歩留り良く積層することができ、かつラミネート性、保存安定性及び作業性が優れたレジストパターンの製造法を提供するものである。
別の本発明は、リードフレームやBGAの多ピン化、狭小化及びこれらの半導体パッケージを搭載するプリント配線の高密度化に極めて有用な、エアーボイドの発生数が低減するため歩留り良く積層することができ、かつラミネート性、保存安定性及び作業性が優れたレジストパターンを有するプリント配線板又はリードフレームの製造法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、支持フィルム(A)、感光性樹脂組成物層(B)及び保護フィルム(C)を有する感光性エレメントであって、保護フィルム(C)の表面粗さが、感光性樹脂組成物層(B)と接触する面のRaが0.15μm以下、Rmaxが1.5μm以下であり、感光性樹脂組成物層(B)と接触しない面のRaが0.1〜0.8μm、Rmaxが1〜5μmであり、かつ、保護フィルム(C)中に含まれる直径80μm以上のフィッシュアイの個数が5個/m2以下である感光性エレメントを、回路形成用基板上に、その感光性樹脂組成物層(B)が密着するようにして積層し、活性光線を画像状に照射して露光部を光硬化させ、未露光部を現像により除去することを特徴とするレジストパターンの製造法に関する。
別の本発明は、上記本発明に係るレジストパターンの製造法によりレジストパターンの製造された回路形成用基板をエッチングまたはめっきすることを特徴とするプリント配線板又はリードフレームの製造法に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明における支持フィルム(A)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムが挙げられ、透明性の見地からは、ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることが好ましい。また、入手可能なものとしては、例えば、帝人(株)製テトロンフィルムGSシリーズ、デュポン社製マイラーフィルムDシリーズ等のポリエステルフィルム等が挙げられる。
【0015】
支持フィルムの膜厚は、1〜100μmであることが好ましく、12〜25μmであることがより好ましい。この膜厚が1μm未満では機械的強度が低下するため、塗工時の支持フィルムが破れるなどの問題が発生する傾向があり、100μmを超えると解像度の低下及び価格が高くなる傾向がある。これらの支持フィルムは、後に感光性樹脂組成物層から除去可能でなくてはならないため、除去が不可能となるような表面処理が施されたものであったり、材質であったりしてはならない。
【0016】
本発明における感光性樹脂組成物層(B)の感光性樹脂組成物は、感光性を有するもので有れば特に限定されないが、(a)バインダポリマー、(b)分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物及び(c)光重合開始剤を含有してなる組成物である。
【0017】
上記(a)バインダーポリマーとしては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。アルカリ現像性の見地からは、アクリル系樹脂が好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、上記(a)バインダーポリマーは、例えば、重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。
【0018】
上記重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のα−位若しくは芳香族環において置換されている重合可能なスチレン誘導体、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、アクリル酸グリシジルエステル、メタクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、α−ブロモアクリル酸、α−クロルアクリル酸、β−フリルアクリル酸、β−スチリルアクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸などが挙げられる。
【0019】
上記アクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸プロピルエステル、アクリル酸ブチルエステル、アクリル酸ペンチルエステル、アクリル酸ヘキシルエステル、アクリル酸ヘプチルエステル、アクリル酸オクチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸ノニルエステル、アクリル酸デシルエステル、アクリル酸ウンデシルエステル、アクリル酸ドデシルエステル、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸プロピルエステル、メタクリル酸ブチルエステル、メタクリル酸ペンチルエステル、メタクリル酸ヘキシルエステル、メタクリル酸ヘプチルエステル、メタクリル酸オクチルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸ノニルエステル、メタクリル酸デシルエステル、メタクリル酸ウンデシルエステル、メタクリル酸ドデシルエステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0020】
また、前記(a)バインダーポリマーは、アルカリ現像性の見地から、カルボキシル基を含有させることが好ましく、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。その場合、アクリル酸又はメタクリル酸を含有させることが好ましく、その含有率は、アルカリ現像とアルカリ耐性のバランスの見地から、12〜40重量%とすることが好ましく、15〜25重量%とすることがより好ましい。この含有率が12重量%未満ではアルカリ現像性が劣る傾向があり、40重量%を超えるとアルカリ耐性が劣る傾向が有る。
【0021】
また、前記(a)バインダーポリマーは、可とう性の見地からスチレン又はスチレン誘導体を重合性単量体として含有させることが好ましい。これらの(a)バインダーポリマーは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0022】
また、前記(a)バインダポリマーの重量平均分子量は、20,000〜300,000であることが好ましく、40,000〜200,000であることがより好ましい。この重量平均分子量が20,000未満では機械強度が劣る傾向があり、300,000を超えるとアルカリ現像性が劣る傾向がある。なお、本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定され、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線により換算されたものである。
【0023】
また、前記(a)バインダポリマーの酸価は、80〜300mgKOH/gであることが好ましく、100〜200mgKOH/gであることがより好ましい。この酸価が80未満では現像性が悪化する傾向があり、300を超えると耐薬品性が悪化する傾向がある。
【0024】
前記(b)分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としては、例えば、多価アルコール、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、2,2−ビス(4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させで得られる化合物、ウレタンモノマー、ノニルフェニルジオキシレンアクリレート、ノニルフェニルジオキシレンメタクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β′−アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β′−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β′−アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β′−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレート、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
【0025】
上記多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジアクリレート、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジメタクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジアクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリメタクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリアクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリメタクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリアクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリメタクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリアクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリメタクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリアクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジアクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等が挙げられる。
【0026】
上記α,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸及びメタクリル酸が拳げられる。上記2,2−ビス(4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(アクリロキシデカエトキシ)フェニル)等が挙げられる。上記2,2−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン等が挙げられ、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能である。
【0027】
上記グリシジル基含有化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリメタクリレート、2,2−ビス(4−アクリロキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)フェニル、2,2−ビス(4−メタクリロキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)フェニル等が拳げられる。上記ウレタンモノマーとしては、例えば、β位にOH基を有するアクリルモノマー又はそれに対応するメタクリルモノマーとイソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等との付加反応物、トリス(メタクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジメタクリレート、EO,PO変性ウレタンジメタクリレート等が挙げられる。なお、EOはエチレンオキサイドを示し、EO変性された化合物はエチレンオキサイド基のブロック構造を有する。また、POはプロピレンオキサイドを示し、PO変性された化合物はプロピレンオキサイド基のブロック構造を有する。
【0028】
上記アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸ブチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。上記メタクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸ブチルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0029】
前記(b)光重合性化合物の重合可能なエチレン性不飽和基の濃度は、(a)成分及び(b)成分の総量100gに対して、0.10〜0.27モルであることが好ましく、0.11〜0.26モルであることがより好ましく、0.14〜0.25であることが特に好ましく、0.18〜0.23モルであることが極めて好ましい。この濃度が0.10モル未満では、メタルエッチング時に微小径(直径50〜300μm)の貫通穴又は、ハーフエッチング部の作成を必要とする製品に対し、除去することが容易でない剥離残りが発生する傾向があり、0.27モルを超えると、剥離時間が長くなり剥離残り又は剥離不可となり、製造時間及び製造装置に多大な影響を及ぼす傾向がある。なお、重合可能なエチレン性不飽和基の濃度は、下記の関係式(1)から算出できる。
【0030】
【数1】
【0031】
前記(c)光重合開始剤としては、各種の活性光線、例えば紫外線などにより活性化され重合を開始する公知のあらゆる化合物であり、例えば、ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナンタラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、クマリン系化合物などが挙げられる。
【0032】
また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。また、密着性及び感度の見地からは、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体がより好ましい。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0033】
前記(a)成分の配合量は、(a)成分及び(b)成分の総量100重量部に対して、40〜80重量部であることが好ましく、50〜70であることがより好ましい。この配合量が40重量部未満では塗膜性に劣り、エッジフュージョンと呼ばれる樹脂が感光性エレメント端部から染み出す傾向があり、80重量部を超えると感度が低下し、機械強度が弱くなる傾向がある。
【0034】
前記(b)成分の配合量は、(a)成分及び(b)成分の総量100重量部に対して、20〜60重量部であることが好ましく、30〜50であることがより好ましい。この配合量が20重量部未満では感度が低下し、機械強度が弱くなる傾向があり、60重量部を超えると塗膜性に劣り、エッジフュージョンと呼ばれる樹脂が感光性エレメント端部から染み出す傾向がある。
【0035】
前記(c)成分の配合量は、(a)成分及び(b)成分の総量100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましく、0.2〜10であることがより好ましい。この配合量が0.1重量部未満では感度が不十分となる傾向があり、20重量部を超えると露光の際に組成物の表面での吸収が増大して内部の光硬化が不十分となる傾向がある。
【0036】
本発明における感光性樹脂組成物には、必要に応じて、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモメチルフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などを(a)成分及び(b)成分の総量100重量部に対して各々0.01〜20重量部程度含有することができる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0037】
本発明における感光性樹脂組成物は、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解して固形分30〜60重量%程度の溶液として支持フィルム(A)上に塗布、乾燥して感光性樹脂組成物層(B)を形成する。次いでこの感光性樹脂組成物層上に保護フィルム(C)を貼り合わせることにより、感光性エレメントが得られる。
【0038】
感光性樹脂組成物層(B)の厚みは、1〜50μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましく、10〜25μmであることがより好ましい。この厚みが1μm未満では追従性が低下し、欠け、断線が発生する傾向があり、50μmを超えると解像度が悪化する傾向がある。
【0039】
感光性樹脂組成物層(B)の30℃における粘度は15〜50Mpa・sであることが好ましく、25〜40Mpa・sであることがより好ましい。粘度が15Mpa・s未満ではエッジフュージョンと呼ばれる樹脂が感光性エレメント端部から染み出し易い傾向があり、50Mpa・sを超えると樹脂流動が低くなり、エアーボイドが発生しやすくなる傾向がある。なお、本発明における粘度の測定は、ニュートン流体に対する下記の関係式(2)を用い、1/Z4に対してtをプロットし、その傾きから求めることが可能である。これらの測定はTMA装置を用いて測定可能である。
【0040】
【数2】
【0041】
本発明における保護フィルム(C)は、保護フィルム(C)の表面粗さが、感光性樹脂組成物層と接触する面のRaが0.15μm以下、Rmaxが1.5μm以下であり、感光性樹脂組成物層と接触しない面のRaが0.1〜0.8μm、Rmaxが1〜5μmである必要があり、感光性樹脂組成物層と接触する面のRaが0.1μm以下、Rmaxが1.0μm以下であることが好ましく、感光性樹脂組成物層と接触しない面のRaが0.15〜0.4μm、Rmaxが1.5〜3.0μmであることが好ましい。
【0042】
感光性樹脂組成物層と接触する面の表面粗さRaが0.15を超え、Rmaxが1.5μmを超えると保護フィルム(C)の表面形状が感光性樹脂組成物層(B)側に転写し、感光性樹脂組成物層が凹み、ラミネート時のエアーボイドの原因となる。感光性樹脂組成物層と接触しない面の表面粗さRaが0.1μm未満であり、Rmaxが1μm未満であると、ラミネート時の保護フィルム巻き取りの際にシワが発生し、作業性よくラミネートできない。また感光性樹脂組成物層と接触しない面の表面粗さRaが0.8μmを超え、Rmaxが5μmを超えると、感光性エレメントの塗工時及びスリット時の巻き取りテンションにより、感光性樹脂組成物層と接触しない面の表面形状が感光性樹脂組成物層に転写し、ラミネート時のエアーボイドの原因となる。
【0043】
なお、本発明における表面粗さは、JIS B0601における表面粗さを表し、そのうちRaは中心線平均粗さを表し、Rmaxは最大高さを表す。また、カットオフ値は、0.08mm、測定長さは、2.5mmである。また、保護フィルム(C)中に含まれる直径80μm以上のフィシュアイの個数が5個/m2以下であることが好ましい。なお、フィシュアイとは、材料を熱溶融、混練し、押し出し延伸又はキャスティング法によりフィルムを製造する際に、材料の異物、未溶解物、酸化劣化物等がフィルム中に取り込まれたものである。
【0044】
このようにフィッシュアイレベルの良好なフィルムは、材料の選定、混練方法の適正化、材料溶融後の瀘過等を行うことにより製造可能である。またフィッシュアイの直径の大きさは材料によっても異なるが約10μm〜1mmであり、フィルム表面からの高さは約1μm〜50μmである。ここでフィッシュアイの大きさの測定方法は、例えば、光学顕微鏡、接触型表面粗さ計、レーザー光を用いた非接触型表面測定機、走査型電子顕微鏡等を使用し測定可能である。なお、本発明におけるフィッシュアイの直径とは、フィッシュアイの最大径を意味する。
【0045】
保護フィルム(C)の厚みは1〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましく、15〜50μmであることが特に好ましい。この厚みが1μm未満では保護フィルムの強度が不十分なため、感光性樹脂組成物層に保護フィルムを張り合わせる際に、破断しやすい傾向があり、100μmを超えると価格が高くなり、保護フィルムをラミネートする際にシワが発生しやすい傾向がある。
【0046】
このような保護フィルムは市販のものとして、例えば、王子製紙(株)製アルファンMA−410、E−200C、信越フィルム(株)製等のポリプロピレンフィルム、帝人(株)製PS−25等のPSシリーズなどのポリエチレンテレフタレートフィルム等が挙げられるがこれに限られたものではない。また、市販のフィルムをサンドブラスト加工することにより、簡単に製造することが可能である。
【0047】
また、感光性樹脂組成物層(B)と支持フィルム(A)との接着強度が、感光性樹脂組成物層(B)と保護フィルム(C)との接着強度よりも大きいことが好ましい。感光性樹脂組成物層(B)と支持フィルム(A)との接着強度が、感光性樹脂組成物層(B)と保護フィルム(C)との接着強度よりも小さいと、ラミネート時に保護フィルムを除去する際、感光性樹脂組成物層が保護フィルム側に転写する傾向がある。
【0048】
本発明における感光性エレメントは、例えば、支持フィルム上に前記感光性樹脂組成物を塗布、乾燥し、保護フィルムを積層することにより得られる。この感光性エレメントを用いてレジストパターンを製造するに際しては、例えば、保護フィルムを除去後、感光性樹脂組成物層を加熱しながら回路形成用基板に圧着することにより積層する方法などが挙げられる。積層される表面は、通常金属面であるが、特に制限はない。感光性樹脂組成物層の加熱温度は90〜130℃とすることが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPa(1〜10kg/cm2)とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。また、感光性樹脂組成物層を前記のように90〜130℃に加熱すれば、予め回路形成用基板を予熱処理することは必要ではないが、積層性をさらに向上させるために、回路形成用基板の予熱処理を行うこともできる。
【0049】
このようにして積層が完了した感光性樹脂組成物層は、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線が画像状に照射される。この際、感光性樹脂組成物層上に存在する重合体フィルムが透明の場合には、そのまま、活性光線を照射してもよく、また、不透明の場合には、当然除去する必要がある。感光性樹脂組成物層の保護という点からは、重合体フィルムは透明で、この重合体フィルムを残存させたまま、それを通して、活性光線を照射することが好ましい。活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するものが用いられる。また、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いられる。
【0050】
次いで、露光後、感光性樹脂組成物層上に支持体が存在している場合には、支持体を除去した後、アルカリ水溶液等の現像液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により未露光部を除去して現像し、レジストパターンを製造する。現像液としては、アルカリ性水溶液等の安全かつ安定であり、操作性が良好なものが用いられる。上記アルカリ性水溶液の塩基としては、例えば、リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ、リチウム、ナトリウム、カリウム若しくはアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩などが用いられる。
【0051】
また、現像に用いるアルカリ性水溶液としては、0.1〜5重量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%水酸化ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%四ホウ酸ナトリウムの希薄溶液等が好ましい。また、現像に用いるアルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物層の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。現像の方式には、ディップ方式、スプレー方式等があり、高圧スプレー方式が解像度向上のためには最も適している。
【0052】
現像後の処理として、必要に応じて80〜250℃程度の加熱又は0.2〜5mJ/cm2程度の露光を行うことによりレジストパターンをさらに硬化して用いてもよい。
【0053】
現像後に行われる金属面のエッチングには塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液を用いることができるが、エッチファクタが良好な点から塩化第二鉄溶液を用いることが望ましい。
【0054】
感光性エレメントを用いてプリント配線板又はリードフレームを製造する場合、現像されたレジストパターンをマスクとして、回路形成用基板の表面を、エッチング、めっき等の公知方法で処理する。上記めっき法としては、例えば、硫酸銅めっき、ピロリン酸銅めっき等の銅めっき、ハイスローはんだめっき等のはんだめっき、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)めっき、スルファミン酸ニッケルめっき等のニッケルめっき、ハード金めっき、ソフト金めっき等の金めっきなどがある。次いで、レジストパターンは、通常、現像に用いたアルカリ水溶液よりさらに強アルカリ性の水溶液で剥離される。この強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜5重量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜5重量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。また、レジストパターンが形成されたプリント配線板は、多層プリント配線板でもよい。
【0055】
また、本発明における感光性エレメントは、リードフレームやメタルマスクなどを製造するのに用いられるメタルエッチング加工用感光性エレメントとして好適である。
【0056】
【実施例】
次に実施例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0057】
実施例1〜2及び比較例1〜3
表1に示す(a)成分、(b)成分、(c)成分及びその他の成分を混合し、溶液を調整した。
【0058】
【表1】
【0059】
次いでこの感光性樹脂組成物の溶液を16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム上に均一に塗布し、100℃の熱風対流乾燥機で約5分間乾燥し、表2に示す各保護フィルムをラミネートし感光性エレメントを得た。感光性樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は20μmであった。また、使用する各保護フィルムの表面粗さを接触式表面粗さ測定器SE−3D((株)小坂研究所製)を使用し、JIS B0601に従い、中心線平均粗さRa及び最大高さRmaxを測定した。結果を表2に示す。
【0060】
上記で作成した感光性エレメントの感光性樹脂組成物層を重ね合わせ、厚さ:1mm、直径:7mmの試験片を作成した、次にTMA装置(Termal Analysis:セイコー電子工業(株)、TMA/SS100)を用い、30℃〜80℃での試験片の厚さ方向にそれぞれ2〜40gの荷重をかけ、厚さ方向の変化量を測定した。次いにニュートン流体に関する前記関係式(2)を用いて、1/Z4に対してtをプロットしその傾きから粘度を求めた。また、上記で作成した感光性エレメントを幅2cmに切断し、レオメータ(不動興業(株)製)を用い、各保護フィルムと感光性樹脂組成物層との180゜ピール強度を測定した。同様にして、支持フィルムと感光性樹脂組成物層との180゜ピール強度を測定した。
【0061】
一方、厚さ0.15mm厚、20cm×20cm角の銅合金(ヤマハオーリンメタル社製、C−7025)を3重量%水酸化ナトリウム水溶液、50℃に1分間浸漬し、次いで1体積%塩酸水溶液、25℃、1分間浸漬し、その後水洗、乾燥し、得られた基板上に前記感光性エレメントの保護フィルムを除去しながら、ロール温度:110℃、圧力:0.39MPa、速度:2m/分でラミネートした。次いでこのようにして得られた基板を、3kWの超高圧水銀灯((株)オーク製作所製、HMW−201GX)で50mJ/cm2の露光を行った。露光後の基板上のエアーボイド数を100倍の光学顕微鏡を用いて測定した。また、各支持フィルムのフィッシュアイの大きさ及び数を100倍の顕微鏡を用いて測定した。結果をまとめて表2及び表3に示す。
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
表2及び表3から明らかなように、保護フィルム(C)として直径80μm以上のフィッシュアイの個数が5個/m2であり、かつ感光性樹脂組成物層と接触する面の表面粗さRaが0.15μm以下、Rmaxが1.5μm以下であり、感光性樹脂組成物層と接触しない面の表面粗さRaが0.1〜0.8μm、Rmaxが1〜5μmのフィルムを使用することにより、欠け、断線の原因となるエアーボイドの発生個数が減少し、かつラミネート性が向上することが分かる。
【0065】
【発明の効果】
本発明に係るレジストパターンの製造法は、リードフレームやBGAの多ピン化、狭小化及びこれらの半導体パッケージを搭載するプリント配線の高密度化に極めて有用な、エアーボイドの発生数が低減するため歩留り良く積層することができ、かつラミネート性、保存安定性及び作業性が優れる。
【0066】
本発明に係るプリント配線板又はリードフレームの製造法は、リードフレームやBGAの多ピン化、狭小化及びこれらの半導体パッケージを搭載するプリント配線の高密度化に極めて有用な、エアーボイドの発生数が低減するため歩留り良く積層することができ、かつラミネート性、保存安定性及び作業性が優れたレジストパターンを有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】エアーボイドの発生を説明する説明図。
【符号の説明】
1 支持フィルム
2 感光性樹脂組成物層
3 保護フィルム
4 フィッシュアイ
5 基板
6 エアーボイド
Claims (9)
- 支持フィルム(A)、感光性樹脂組成物層(B)及び保護フィルム(C)を有する感光性エレメントであって、保護フィルム(C)の表面粗さが、感光性樹脂組成物層(B)と接触する面のRaが0.15μm以下、Rmaxが1.5μm以下であり、感光性樹脂組成物層(B)と接触しない面のRaが0.1〜0.8μm、Rmaxが1〜5μmであり、かつ、保護フィルム(C)中に含まれる直径80μm以上のフィッシュアイの個数が5個/m2以下である感光性エレメントを、回路形成用基板上に、その感光性樹脂組成物層(B)が密着するようにして積層し、活性光線を画像状に照射して露光部を光硬化させ、未露光部を現像により除去することを特徴とするレジストパターンの製造法。
- 保護フィルム(C)の表面粗さが、感光性樹脂組成物層(B)と接触する面のRaが0.1μm以下、Rmaxが1.0μm以下であり、感光性樹脂組成物層(B)と接触しない面のRaが0.15〜0.4μm、Rmaxが1.5〜3.0μmである請求項1記載のレジストパターンの製造法。
- 感光性樹脂組成物層(B)が、(a)バインダーポリマー、(b)分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物及び(c)光重合開始剤を含有してなる請求項1又は2記載のレジストパターンの製造法。
- 感光性樹脂組成物層(B)と支持フィルム(A)との接着強度が、感光性樹脂組成物層(B)と保護フィルム(C)との接着強度よりも大きい請求項記載1〜3のいずれか1項記載のレジストパターンの製造法。
- 保護フィルム(C)がポリプロピレンフィルム又はポリエチレンテレフタレートフィルムである請求項1〜4のいずれか1項記載のレジストパターンの製造法。
- 保護フィルム(C)が回路形成用基板積層時に除去される請求項1〜5のいずれか1項記載のレジストパターンの製造法。
- 感光性樹脂組成物層(B)の厚みが1〜50μmである請求項1〜6のいずれか1項記載のレジストパターンの製造法。
- 感光性樹脂組成物層(B)の厚みが5〜30μmである請求項1〜6のいずれか1項記載のレジストパターンの製造法。
- 請求項1〜8のいずれか1項記載のレジストパターンの製造法によりレジストパターンの製造された回路形成用基板をエッチングまたはめっきすることを特徴とするプリント配線板又はリードフレームの製造法。
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