JP2007041216A - 感光性フィルム、感光性フィルムの製造方法及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents

感光性フィルム、感光性フィルムの製造方法及びプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 感光層を薄膜化した場合でも、感光層が被着体表面の凹凸に追従性よくラミネートされ、高い製造歩留まりを実現可能であるとともに、良好な解像度を得ることが可能な感光性フィルムを提供すること。
【解決手段】 支持フィルム10、クッション層12、感光層14及び保護フィルム16がこの順に積層されており、クッション層12と感光層14との間の層間接着力が、感光層14と保護フィルムと16の間の層間接着力よりも大きく、支持フィルム10とクッション層12との間の層間接着力が、クッション層12と感光層14との間の層間接着力よりも大きく、保護フィルム16の120℃、20分間での加熱収縮率が、縦方向で5.0%以下、横方向で3.0%以下であり、感光層14は、感光性樹脂組成物を保護フィルム16上に塗布し、乾燥することで形成された層である、感光性フィルム。
【選択図】 図1

Description

本発明は、感光性フィルム、感光性フィルムの製造方法及びプリント配線板の製造方法に関する。
プリント配線板の製造分野においては、めっきやエッチング等に用いられるレジスト材料として、感光性樹脂組成物や、これを支持フィルムに積層して保護フィルムで被覆した感光性フィルムが広く用いられている。このような感光性フィルムを用いてプリント配線板を製造する場合は、まず、感光性フィルムを基板上にラミネートし、パターン露光した後、未露光部を現像液で除去して、更に、めっき又はエッチング処理を施して最終的に硬化部分を基板上から剥離除去する。
近年、プリント配線板の配線の高密度化が進んでおり、感光性フィルムの高い解像度が要求されている。感光性フィルムの高解像度化のためには、感光性樹脂組成物層(以下、「感光層」という)の薄膜化が効果的であるが、基板の表面凹凸へ追従する感光層の量が減少するため、従来の感光性フィルムでは、基板と感光層との未接着部分が多くなり、充分な製造歩留まりが得られないという問題があった。
また、従来の感光性フィルムでは、感光層を薄膜化した場合、感光性フィルムに要求される強度を維持するために、支持フィルムには所定の厚みや硬さが要求される。そのため、感光性フィルム全体の柔軟性が低下してしまい、ラミネートすべき基板の表面の凹凸に感光層が追従し難く、その結果、基板と感光層との未接着部分が多くなり、充分な製造歩留まりが得られないという問題があった。
このような問題を改善するために様々な手法が提案されており、例えば、基板に水を塗布したのち、感光性フィルムを積層する方法(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)、基板に液状の樹脂を積層して接着中間層を形成した後、感光性フィルムを積層する方法(例えば、特許文献3参照。)、真空ラミネーターを用いて減圧下で感光性フィルムを積層する方法(例えば、特許文献4及び特許文献5参照。)等が提案されている。
また、高い解像度の要求に対しては、感光層に直接パターンマスクを密着させて露光することができれば、解像度を大幅に向上させることができる。しかし、従来の感光層は高い粘着性を有しており、パターンマスクを直接密着させると、その粘着性のためにパターンマスクが剥がれにくくなり、さらに、パターンマスクを汚染するという問題があった。そこで、支持フィルム上に、粘着性を有しない感光層、粘着性を有する感光層、保護フィルムを順次積層した感光性フィルム(例えば、特許文献6及び特許文献7参照。)が提案されている。
さらに近年、環境問題への対策の面から、廃棄物を削減する工法が要求されている。従来の感光性フィルムにおいて用いられる保護フィルムは、感光性フィルムをロール状に巻き取って保管する際などに感光層を保護するためだけに使用されており、保護フィルムを使わずに感光性フィルムをロール状に巻き取って保管することができれば廃棄物を低減することができる。しかし、支持フィルム及び高い粘着力を有する感光層を順次積層してなる構造の感光性フィルムをロール状に巻き取った場合、支持フィルムの両面で感光層が粘着してしまい、基板に支持フィルム及び感光層をラミネートすることが困難となる。そこで、支持フィルムの裏面を剥離層で処理し、感光層が支持フィルムの表面でのみ粘着する方法(例えば、特許文献8参照。)、支持フィルムの上に感光層及び非粘着性外層を順次積層する方法(例えば、特許文献9参照。)などが提案されている。
特開昭57−21890号公報 特開昭57−21891号公報 特開昭52−154363号公報 特公昭53−31670号公報 特開昭51−63702号公報 特開平2−230149号公報 特開平3−17650号公報 米国特許第4,293,635号明細書 特開2001−175000号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の製造方法では、水の薄い層を均一に付着させるため、基板表面を清浄にしなければならず、また、小径スルーホール等が存在する場合は、スルーホール中に溜まった水分と感光層とが反応を起こしやすく、現像性を低下させるため、充分な製造歩留まりが得られない等の問題があった。
また、特許文献3に記載の製造方法では、小径スルーホールの現像性、剥離性等が低下するため充分な製造歩留まりが得られず、また、液状樹脂塗布によるコスト増加等の問題があった。
さらに特許文献4及び5に記載の製造方法では、装置が高価であり、真空引きに時間がかかるために、通常の回路形成には使用されることは少なく、導体形成後に用いる永久マスクのラミネートとして利用されているにすぎない。この永久マスクのラミネートの時も、さらに導体への追従性向上が望まれている。
そして、特許文献6〜9に記載の感光性フィルムは、さらなる高解像度化のために感光層を薄膜化した場合、基板の表面凹凸へ追従する感光性樹脂組成物が減少するために、基板と感光層との未接着部分が多くなり、充分な製造歩留まりが得られないという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、感光層を薄膜化した場合であっても、感光層が被着体表面の凹凸に追従性よくラミネートされ、高い製造歩留まりを実現可能であるとともに、良好な解像度を得ることが可能な感光性フィルム、感光性フィルムの製造方法及び上記感光性フィルムを用いたプリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、支持フィルム、クッション層、感光層、及び、保護フィルムがこの順に積層された構造を有し、上記クッション層と上記感光層との間の層間接着力が、上記感光層と上記保護フィルムとの間の層間接着力よりも大きく、且つ、上記支持フィルムと上記クッション層との間の層間接着力が、上記クッション層と上記感光層との間の層間接着力よりも大きく、上記保護フィルムの120℃、20分間での加熱収縮率が、縦方向で5.0%以下、横方向で3.0%以下であり、上記感光層は、該感光層を形成するための感光性樹脂組成物を上記保護フィルム上に塗布し、乾燥することによって形成された層であることを特徴とする感光性フィルムを提供する。
本発明において、上記層間接着力は、23℃、60%RHの条件下で、180°ピール試験として測定することができる。ピール強度は、JIS Z0237に準拠して試験片幅20mm、引っ張り速度300mm/分の試験条件で、レオメーター等を用いて測定することができる。また、本発明において、上記加熱収縮率は、JIS C2151(120℃×20分間)に準拠して測定することができる。
本発明の感光性フィルムは、支持フィルムと感光層との間にクッション層を備えることにより、高解像度化のために感光層を薄膜化した場合であっても、クッション層の存在によりラミネート時に感光層を被着体表面の凹凸に沿って追従性よく密着させることができ、被着体と感光層との未接着部分の発生を充分に抑制することが可能となり、充分な製造歩留まりを得ることができる。また、本発明の感光性フィルムは、支持フィルム、クッション層、感光層及び保護フィルムの各層間の接着力が上記の関係となっていることにより、回路形成用基板上に感光性フィルムを貼り付ける際に、保護フィルムのみを容易に剥離することが可能となり、更に感光層から支持フィルムを剥離する際に、支持フィルムとクッション層とを一体として同時に剥離することが可能となり、作業効率を向上させることができる。
また、本発明の感光性フィルムにおける感光層は、該感光層を形成するための感光性樹脂組成物を保護フィルム上に塗布し、乾燥することによって形成されていることにより、均一且つ高精度な膜厚を有するものとなる。そして、感光層が均一且つ高精度な膜厚を有していることにより、感光層を被着体にラミネートする際に、被着体表面の凹凸に追従性よくラミネートすることが可能となり、また、かかる感光層を用いてレジストパターンを形成する際に良好な解像度を得ることができ、更に、上記レジストパターン形成後、回路パターンを形成する際に、良好なエッチング精度を得ることが可能となる。ここで、本発明の感光性フィルムにおいて、保護フィルムが上記範囲の加熱収縮率を有するものであることにより、感光性樹脂組成物の乾燥時に保護フィルムの収縮が十分に抑制されることとなり、均一且つ高精度な膜厚を有する感光層が得られることとなる。
また、感光層がクッション層上に感光性樹脂組成物を塗布し、乾燥することで形成された層である場合には、感光層に含まれる成分の一部がクッション層に移行しやすくなり、感光層の一部の成分が減少するため、レジストパターン形成時の解像度、及び、密着性が不十分となりやすい。これに対し、本発明の感光性フィルムにおいては、感光層が保護フィルム上に感光性樹脂組成物を塗布し、乾燥することで形成された層であるため、感光層に含まれる成分の一部がクッション層に移行することを十分に抑制することができ、レジストパターン形成時の解像度及び密着性を良好なものとすることができる。
本発明はまた、支持フィルム、クッション層、感光層、及び、保護フィルムがこの順に積層された構造を有する感光性フィルムの製造方法であって、上記支持フィルムと上記クッション層とを積層することによって、上記支持フィルム及び上記クッション層からなる第1の積層フィルムを得る第1の積層工程と、上記感光層を形成するための感光性樹脂組成物を、120℃、20分間での加熱収縮率が、縦方向で5.0%以下、横方向で3.0%以下である上記保護フィルム上に塗布し、乾燥することによって、上記保護フィルム及び上記感光層からなる第2の積層フィルムを得る第2の積層工程と、上記第1の積層フィルムと上記第2のフィルムとを、上記第1の積層フィルムにおける上記クッション層側の面と上記第2の積層フィルムにおける上記感光層側の面とが接するように貼り合わせて上記感光性フィルムを得る貼り合わせ工程と、を有することを特徴とする感光性フィルムの製造方法を提供する。
かかる感光性フィルムの製造方法によれば、感光性樹脂組成物を保護フィルム上に塗布し、乾燥することによって感光層を形成していることにより、均一且つ高精度な膜厚を有する感光層を得ることができる。また、保護フィルムとして、上記範囲の加熱収縮率を有するものを用いることにより、感光性樹脂組成物からなる塗膜の乾燥時に保護フィルムの収縮が十分に抑制されることとなり、より均一且つより高精度な膜厚を有する感光層を得ることができる。そして、上記製造方法により得られる感光性フィルムによれば、感光層が均一且つ高精度な膜厚を有していることにより、感光層を被着体にラミネートする際に、被着体表面の凹凸に追従性よくラミネートすることが可能となり、また、かかる感光層を用いてレジストパターンを形成する際に良好な解像度及び密着性を得ることができ、更に、上記レジストパターン形成後、回路パターンを形成する際に、良好なエッチング精度を得ることが可能となる。
また、クッション層上に感光性樹脂組成物を塗布し、乾燥することで感光層を形成した場合には、感光層に含まれる成分の一部がクッション層に移行しやすく、感光層の一部の成分が減少するため、レジストパターン形成時の解像度、及び、密着性が不十分となりやすい。これに対して、本発明の感光性フィルムの製造方法においては、保護フィルム上に感光性樹脂組成物を塗布し、乾燥することで感光層を形成しているため、感光層に含まれる成分の一部がクッション層に移行することを十分に抑制することができ、レジストパターン形成時の解像度及び密着性が良好な感光性フィルムを得ることができる。
本発明はまた、上記本発明の感光性フィルムから上記保護フィルムを剥離し、上記感光層、上記クッション層及び上記支持フィルムがこの順に回路形成用基板上に積層されるように配置する積層工程と、上記感光性フィルムから上記支持フィルム及び上記クッション層を剥離除去する剥離工程と、活性光線を上記感光層の所定部分に照射して、上記感光層に光硬化部を形成する露光工程と、上記感光層の上記光硬化部以外の部分を除去する現像工程と、を含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法を提供する。
かかるプリント配線板の製造方法においては、上記本発明の感光性フィルムを用いるため、感光層が回路形成用基板表面の凹凸に追従性よくラミネートされ、優れた解像度、密着性及びレジスト形状を得ることができる。その結果、プリント配線板の高密度化及び高解像度化が可能となる。
本発明によれば、感光層を薄膜化した場合であっても、感光層が被着体表面の凹凸に追従性よくラミネートされ、高い製造歩留まりを実現可能であるとともに、良好な解像度を得ることが可能な感光性フィルム、感光性フィルムの製造方法及び上記感光性フィルムを用いたプリント配線板の製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、本発明における(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基及びそれに対応するメタクリロイル基を意味する。
(感光性フィルム及び感光性フィルムの製造方法)
図1は本発明の感光性フィルム1を示す模式断面図である。図1に示すように、感光性フィルム1は、支持フィルム10、クッション層12、感光層14、及び、保護フィルム16がこの順で積層された構成を有している。
そして、感光性フィルム1において、支持フィルム10とクッション層12との間の層間接着力をt1、クッション層12と感光層14との間の層間接着力をt2、感光層14と保護フィルム16との間の層間接着力をt3として、t1、t2及びt3の大小関係は、t1>t2>t3となっている。
t1、t2及びt3が上記の関係を満たしていることにより、感光性フィルム1を用いてプリント配線板を製造する際に、保護フィルム16を容易に剥離することが可能になるとともに、感光層14を回路形成用基板に接触するように積層した後、露光工程前に、感光層14から支持フィルム10及びクッション層12を一体として同時に剥離することが可能となる。
ここで、t3がt2又はt1より大きい場合、感光性フィルム1を回路形成用基板にラミネートする際に、感光層14と保護フィルム16との間で容易に剥離することができず、他の層間で剥離してしまうため、感光層14、クッション層12及び支持フィルム10を回路形成用基板に積層することが困難となる。
また、t2がt1より大きい場合、露光前に支持フィルム10及びクッション層12を感層14から容易に剥離することができず、クッション層12を剥離する際、クッション層12が一部感光層14に残り、露光及び現像時に不具合が生じ、プリント配線板の製造歩留りが悪化する。
なお、t3、t2及びt1は、この順に大きくなっていれば特に問題はないが、t2は0.2〜10N/mであることが好ましく、0.2〜5N/mであることがより好ましい。t2が0.2N/m未満では、ラミネート時にクッション層12と感光層14との間に空気が混入しやすくなる傾向があり、10N/mを超えると、支持フィルム10及びクッション層12を感光層14から剥離する際に、感光層14が一緒に剥がれやすくなる傾向がある。
また、t1は10N/m以上であることが好ましく、100N/m以上であることがより好ましい。t1が10N/m未満では、支持フィルム10及びクッション層12を感光層14から剥離する際に、クッション層12が支持フィルム10から剥離しやすくなる傾向がある。
なお、上記層間接着力t1、t2及びt3は、それぞれ23℃、60%RHにおける各層間の180°ピール試験(剥離強さ、引き剥がし粘着力ともいう)を示し、ピール強度は、JIS Z0237に準拠して試験片幅20mm、引っ張り速度300mm/分の試験条件で、レオメーター等を用いて測定することができる。
以下、感光性フィルム1を構成する各層について詳細に説明する。
支持フィルム10としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムが好適に用いられる。なお、このような重合体フィルムは、単層構造であってもよく、複数の組成からなるフィルムを積層した積層構造であってもよい。
支持フィルム10の厚みは、2〜100μmであることが好ましく、5〜20μmであることがより好ましく、10〜18μmであることが特に好ましい。この厚みが2μm未満では基板にラミネートする際にシワが入りやすくなる傾向があり、100μmを超えると感光性フィルム1全体としての柔軟性が低下する傾向があり、コストが高くなる問題が生じる。
感光層14は、(A)バインダーポリマーと、(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物と、(C)光重合性開始剤とを含有する感光性樹脂組成物からなる層であることが好ましい。
ここで、(A)成分であるバインダーポリマーは、アルカリ現像性の見地からカルボキシル基を含有させることが好ましく、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。カルボキシル基を有する重合性単量体としては、メタクリル酸、アクリル酸、マレイン酸などが好ましい。
(A)バインダーポリマーの酸価は、50〜500mgKOH/gであることが好ましく、100〜300mgKOH/gであることがより好ましい。この酸価が50mgKOH/g未満では現像時間が著しく遅くなる傾向があり、500mgKOH/gを超えると光硬化したレジストの耐現像液性が低下する傾向がある。
(A)バインダーポリマーの重量平均分子量は、5,000〜300,000であることが好ましく、10,000〜150,000であることがより好ましい。この重量平均分子量が、5,000未満では耐現像液性が著しく低下する傾向があり、300,000を超えると現像時間が長くなる傾向がある。但し、本発明における重量平均分子量及び数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定し、標準ポリスチレン換算した値を使用したものである。
また、(A)成分であるバインダーポリマーは、可とう性の見地からスチレン又はスチレン誘導体を重合性単量体として含有させることが好ましい。スチレン誘導体としては、α−メチルスチレン等が挙げられる。
上記スチレン又はスチレン誘導体を重合性単量体として含有する場合には、密着性及び剥離特性を共に向上させる観点から、単量体の全質量を基準として0.1〜70質量%含むことが好ましく、1〜60質量%含むことがより好ましく、1.5〜50質量%含むことが特に好ましい。この含有量が0.1質量%未満では、密着性が劣る傾向があり、70質量%を超えると、剥離片が著しく大きくなり、剥離時間が長くなる傾向がある。
(A)バインダーポリマーとしては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。アルカリ現像性の見地からは、アクリル系樹脂が好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(A)バインダーポリマーは、例えば、重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。上記重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のα−位若しくは芳香族環において置換されている重合可能なスチレン誘導体、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸などが挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、下記一般式(I):
CH=C(R)−COOR (I)
[式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示す。]
で表される化合物、これらの化合物のアルキル基に水酸基、エポキシ基、ハロゲン基等が置換した化合物などが挙げられる。
上記一般式(I)中のRで示される炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基及びこれらの構造異性体が挙げられる。上記一般式(I)で表される単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ウンデシルエステル、(メタ)アクリル酸ドデシルエステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明における(A)成分であるバインダーポリマーには、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、(無水)マレイン酸、フマール酸、アジピン酸無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の2価以上のカルボン酸とエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールプロパン等の2価以上のアルコールとのエステル化反応により得られるポリエステル樹脂等も使用できる。エポキシ樹脂として、ビスフェノールエポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂等が挙げられ、またこれらに酢酸、シュウ酸、(メタ)アクリル酸等の1価のカルボン酸と付加したものが挙げられる。
これらの(A)バインダーポリマーは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。2種類以上を組み合わせて使用する場合のバインダーポリマーとしては、例えば、異なる共重合成分からなる2種類以上のバインダーポリマー、異なる重量平均分子量の2種類以上のバインダーポリマー、異なる分散度の2種類以上のバインダーポリマーなどが挙げられる。ここでいう分散度とは、重量平均分子量/数平均分子量の値のことである。
(B)成分であるエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物は、解像度を向上させる観点から、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリアルコキシ)フェニル)プロパンを含有していることが好ましく、感光層14の厚みが0.1〜15μmである場合は特に好ましい。2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリアルコキシ)フェニル)プロパンを含有する感光層14の厚みは、プリント配線の高密度化及び高解像度化の見地より、より好ましくは1〜15μmであり、さらに好ましくは2〜7μmである。
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリアルコキシ)フェニル)プロパンは、単独で、あるいは、他の重合性化合物と併用して用いられる。
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリアルコキシ)フェニル)プロパンで表される化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等のビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)等が挙げられ、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)は、BPE−1300(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能である。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカプロポキシ)フェニル)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカプロポキシ)フェニル)等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物には、上述のような2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリアルコキシ)フェニル)プロパンが好ましく用いられるが、これ以外にも種々の光重合性化合物を使用することができる。すなわち、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させで得られる化合物、ウレタンモノマー、ノニルフェニルジオキシレン(メタ)アクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
上記多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記α,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
上記グリシジル基含有化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)フェニル等が挙げられる。
上記ウレタンモノマーとしては、例えば、β位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーとイソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等との付加反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、EOはエチレンオキサイドを示し、EO変性された化合物はエチレンオキサイド基のブロック構造を有する。また、POはプロピレンオキサイドを示し、PO変性された化合物はプロピレンオキサイド基のブロック構造を有する。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。
これら(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物は、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリアルコキシ)フェニル)プロパンを含め、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
(C)成分である光重合開始剤として、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体とα−アミノアルキルフェノン、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン等の芳香族ケトン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシルー4−ジメチルアミノベンゾエート、3−メチルブチル−4−ジメチルアミノベンゾエート等の安息香酸エステル、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナンタラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物などを添加しても良い。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。これらを組み合わせる場合には、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
ここで、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体として、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等が挙げられる。また、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対象な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。
ここで、α−アミノアルキルフェノンとして、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1(商品名:IRGACURE369、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1−オン(商品名:IRGACURE907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)等が挙げられる。
(A)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量を100質量部として、30〜80質量部とすることが好ましく、40〜70質量部とすることがより好ましい。この配合量が30質量部未満では光硬化物が脆くなり易く、感光性フィルムとして用いた場合に、塗膜性が劣る傾向があり、80質量部を超えると光感度が不充分となる傾向がある。
(B)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量を100質量部として、20〜70質量部とすることが好ましく、30〜60質量部とすることがより好ましい。この配合量が20質量部未満では光感度が不充分となる傾向があり、70質量部を超えると光硬化物が脆くなる傾向がある。
(C)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量を100質量部として、0.1〜20質量部であることが好ましく、0.2〜10質量部であることがより好ましい。この配合量が0.1質量部未満では光感度が不充分となる傾向があり、20質量部を超えると露光の際に組成物の表面での吸収が増大して内部の光硬化が不充分となる傾向がある。
また、上記感光層14には、必要に応じて、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などを(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して各々0.01〜20質量部程度含有することができる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記感光層14は、プリント配線の高密度化及び高解像度化の見地から、厚みが0.1〜50μmであることが好ましく、0.1〜25μmであることがより好ましく、1〜15μmであることがさらに好ましく、1〜8μmであることが特に好ましく、2〜7μmであることが最も好ましい。本発明においては、感光層14をこのように薄膜化した場合であっても、被着体表面の凹凸に沿って追従性よく感光層をラミネートすることが可能となる。
また、上記感光層14の波長365nmの紫外線に対する透過率は5〜75%であることが好ましく、7〜60%であることがより好ましく、10〜40%であることが特に好ましい。この透過率が5%未満では密着性が劣る傾向があり、75%を超えると解像度が劣る傾向がある。なお、上記透過率は、UV分光計により測定することができ、上記UV分光計としては、(株)日立製作所製228A型Wビーム分光光度計等が挙げられる。
以上のような構成を有する感光層14は、上記感光性樹脂組成物を保護フィルム16上に塗布し、乾燥することによって形成された層である。
感光層14が上記の方法で保護フィルム上に形成された層であることにより、感光層は、均一且つ高精度な膜厚を有するものとなり、ラミネート時における感光層の十分な凹凸追従性、レジストパターン形成時における良好な解像度、及び、レジストパターン形成後の回路パターン形成時における十分なエッチング精度を得ることができる。このとき、保護フィルム14の120℃、20分間での加熱収縮率が、縦方向で5.0%以下、横方向で3.0%以下であることにより、感光性樹脂組成物を保護フィルム16上に塗布し、乾燥して感光層14を形成する際に、保護フィルム16の収縮が十分に抑制されるため、均一且つ高精度な膜厚の感光層14を得ることが可能となる。
また、感光層14が上記の方法で保護フィルム上に形成された層であることにより、感光層14に含まれる成分の一部がクッション層12に移行することを十分に抑制することができ、レジストパターン形成時の解像度及び密着性を良好なものとすることができる。
クッション層12は、熱可塑性樹脂を含む層である。熱可塑性樹脂としては、感光層14から容易に剥離できるクッション層12を形成可能なものであれば特に制限されず、例えば、ポリエチレン、エチレンと該エチレンと共重合可能なモノマーとの共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、アクリル樹脂等が挙げられる。これらの中でも、エチレンと該エチレンと共重合可能なモノマーとの共重合体が好ましく、かかる共重合体の中でも、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体が特に好ましい。
ここで、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体におけるモノマー成分全量を基準としたエチレン成分の割合、及び、上記エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体におけるモノマー成分全量を基準としたエチレン成分の割合は、いずれも50〜90質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがより好ましく、50〜70質量%であることが特に好ましい。上記エチレンの割合が50質量%未満では、いずれの共重合体を用いた場合でもクッション層12と感光層14との密着性が高くなり過ぎ、剥離が困難となる傾向がある。一方、エチレンの割合が90質量%を超えると、いずれの共重合体を用いた場合でもクッション層12と支持フィルム10との密着性が小さくなり過ぎ、クッション層12を含む感光性フィルム1を作製することが困難となる傾向がある。
クッション層12の厚みは、1〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましく、10〜40μmであることが特に好ましい。クッション層12の厚みが1μm未満ではラミネートすべき対象の表面の凹凸への追従性が低下する傾向がある。一方、クッション12の厚みが100μmを超えるとコストアップとなる傾向がある。
クッション層12を構成する樹脂の引張弾性率は、10MPa以下であることが好ましく、5MPa以下であることがより好ましく、3MPa以下であることが更に好ましい。この引張弾性率が10MPaを超える場合には、ラミネートすべき対象の表面の凹凸への追従性が低下する傾向がある。
ここで、上記引張弾性率は、レオメーター等で測定することができる。例えば、測定方法は、上記破断点伸びと同様の方法で試験片を作製し、同様の条件で引張り、試験片の歪みと引張応力の曲線の初めの直線部分を用いて計算することができる。
クッション層12を構成する樹脂の破断点伸びは、1000%以下であることが好ましく、500%以下であることがより好ましく、300%以下であることが更に好ましい。この破断点伸びが1000%を超える場合には、感光性フィルム1を刃などで切断した際に、クッション層12を構成する樹脂が切断面よりはみ出し、きれいに切断することが困難になる傾向がある。
ここで、上記破断点伸びは、レオメーター等で測定することができる。例えば、測定方法は、クッション層12を構成する樹脂をトルエンなどの有機溶剤で溶解したものを金属シャーレ等に入れて60〜90℃で30分間乾燥させて、幅5mm、厚み250μmの試験片を作製し、温度23℃、湿度60%、つかみ具間距離5mmで試験片を引張る。試験片が破断したとき距離Ammから、(A−5)÷5×100%で計算することができる。
また、クッション層12は、本発明の効果を阻害しない範囲で、先に述べた2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、α−アミノアルキルフェノン、(B)成分、又は(C)成分を含有していることが好ましい。これによって、感光層14から2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、α−アミノアルキルフェノン、(B)成分や(C)成分がクッション層12へ移行するのを防止することが可能となる傾向がある。
保護フィルム16は、120℃、20分間での加熱収縮率が縦方向で5.0%以下、横方向で3.0%以下であれば特に制限はないが、好ましくは、縦方向で3.5%以下、横方向で2.0%以下、より好ましくは縦方向で2.0%以下、横方向で1.0%以下である。加熱収縮率が縦方向で5.0%、横方向で3.0%より大きくなると、感光性樹脂組成物を保護フィルム16に塗布し、乾燥して感光層14を形成する場合に、保護フィルム16が収縮し、感光性フィルムの作製が困難になる傾向がある。
なお、加熱収縮率は、JIS C2151(120℃×20分間)に準拠して測定することができる。
また、保護フィルム16は、感光性フィルム1を回路形成用基板等にラミネートする前に剥離されるので、可撓性を有していて感光層14に剥離可能に接着できるものであれば特に制限されない。保護フィルム16としては、例えば、紙、離型紙、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ナイロン等のポリアミド、セロファン等のセルロース、ポリスチレン等のフィルムが挙げられ、これらは、透明であっても非透明であってもよく、離型処理が施されたものであってもよい。入手可能な保護フィルムとしては、王子製紙(株)製のE−200H(製品名)、帝人デュポンフィルム社製のG2−16(製品名)等が挙げられる。
保護フィルム16の厚みは、特に制限されないが、感光性フィルム1をロール状に巻いた場合のサイズの点を考慮すると、10〜30μmとすることが好ましく、10〜25μmとすることがより好ましく、10〜20μmとすることが特に好ましい。
本発明において、クッション層12を支持フィルム10上に積層するには、例えば上述した組成を有するクッション層12を構成する材料を支持フィルム10上に塗工すればよいが、塗工に際しては、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に上記材料を溶解し、固形分10〜50質量%程度の溶液として塗布することができる。あるいは、クッション層12を構成する材料を溶融して支持フィルム10に積層することも可能である。
また、感光層14をクッション層12上に積層するには、例えば、上述のような組成を有する感光性樹脂組成物を保護フィルム16上に塗工して積層フィルムを作製し、これと支持フィルム10及びクッション層12からなる積層フィルムとを貼り合わせればよい。これにより、本発明の感光性フィルム1を得ることができる。塗工に際しては、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に上記感光性樹脂組成物を溶解し、固形分30〜70質量%程度の溶液として塗布することができる。
また、本発明の感光性フィルム1は、以上説明した支持フィルム10、クッション層12、感光層14及び保護フィルム16の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて光吸収層、ガスバリア層等の保護層を有していてもよい。
(レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法)
次に、上述の本発明の感光性フィルム1を用いたレジストパターンの形成方法について、図2(a)〜(e)を参照して説明する。
図2(a)〜(e)は、レジストパターンの形成方法を模式的に示す断面図である。この形成方法においては、まず、感光性フィルム1から保護フィルム16を剥離し、図2(a)に示すように、回路形成用基板18の表面に、支持フィルム10、クッション層12、および感光層14を、感光層14が回路形成用基板18に接するようにローラー20を用いて圧着し、図2(b)に示すように、回路形成用基板18上に感光層14とクッション層12と支持フィルム10とをこの順に積層させる積層工程を行う。次いで、図2(c)に示すように、クッション層12と支持フィルム10とを除去して回路形成用基板18上に感光層14を備えた積層基板を得る。
次に、図2(d)に示すように、紫外線等の活性光線に対して透明部分を有したパターンマスク22を用いることにより、積層基板における感光層14の所定部分に活性光線を照射して光硬化部を形成させる露光工程を行う。そして、図2(e)に示すように、光硬化部以外の感光層14を除去する現像工程を行って、レジストパターン24を形成させる。
上記積層工程において、感光層14を回路形成用基板18上に積層する方法としては、例えば、感光層14を70〜130℃程度に加熱しながら、回路形成用基板18に0.1〜1MPa程度(1〜10kgf/cm程度)の圧力で圧着することにより積層する方法が挙げられる。このとき、追従性をさらに向上させる観点から減圧下で積層を行ってもよい。また、密着性をさらに向上させるために、回路形成用基板18の予熱処理を行ってもよい。なお、回路形成用基板18の積層される表面は通常金属面であるが、特に制限されない。さらに、回路形成用基板18の表面には凹凸が存在していてもよく、本発明の感光性フィルム1を用いることによって凹凸への追従性よくラミネートすることができる。
上記露光工程において、積層が完了した感光層14は、アートワークと呼ばれるネガ又はポジパターンマスク22を通して活性光線が画像状に照射される。活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するものが用いられる。また、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いられる。
上記現像工程は、ウエット現像、ドライ現像等で未露光部を除去して現像し、レジストパターンを形成することによって行われる。ウエット現像の場合は、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤系現像液等の感光性樹脂組成物に対応した現像液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により現像する。
現像液としては、アルカリ性水溶液等の安全かつ安定であり、操作性が良好なものが用いられる。上記アルカリ性水溶液の塩基としては、例えば、リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ、リチウム、ナトリウム、カリウム若しくはアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩などが用いられる。また、現像に用いるアルカリ性水溶液としては、0.1〜5質量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%水酸化ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%四ホウ酸ナトリウムの希薄溶液等が好ましい。また、現像に用いるアルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光層14の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい
上記水系現像液は、水又はアルカリ水溶液と一種以上の有機溶剤とからなるものである。ここで水系現像液におけるアルカリ水溶液の塩基としては、上述した塩基以外に、例えば、ホウ砂やメタケイ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ジアミノプロパノール−2−モルホリン等が挙げられる。現像液のpHは、レジストの現像が充分にできる範囲でpH8〜12とすることが好ましく、pH9〜10とすることがより好ましい。上記有機溶剤としては、例えば、三アセトンアルコール、アセトン、酢酸エチル、炭素数1〜4のアルコキシ基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。有機溶剤の濃度は、通常、2〜90質量%とすることが好ましく、その温度は、現像性にあわせて調整することができる。また、水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤等を少量混入することもできる。
上記有機溶剤系現像液としては、例えば、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、引火防止のため、1〜20質量%の範囲で水を添加することが好ましい。
また、現像工程においては、必要に応じて2種以上の現像方法を併用してもよい。現像の方式には、ディップ方式、バトル方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等があり、高圧スプレー方式が解像度向上のためには最も適している。
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10mJ/cm程度の露光を行うことによりレジストパターンをさらに硬化して用いてもよい。
次に、上述のレジストパターンの形成方法を用いたプリント配線板の製造方法について説明する。プリント配線板の製造方法は、上記レジストパターンの形成方法により、レジストパターンの形成された回路形成用基板をエッチング又はめっきするものである。
回路形成用基板のエッチング又はめっきは、現像されたレジストパターンをマスクとして、回路形成用基板の表面を従来公知の方法によりエッチング又はめっきすることによって行われる。
上記エッチングに用いられるエッチング液としては、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液などを用いることができるが、エッチファクタが良好な点から塩化第二鉄溶液を用いることが好ましい。
上記めっきを行う場合のめっき方法としては、例えば、硫酸銅めっき、ピロリン酸銅めっき等の銅めっき、ハイスローはんだめっき等のはんだめっき、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)めっき、スルファミン酸ニッケルめっき等のニッケルめっき、ハード金めっき、ソフト金めっき等の金めっきなどが挙げられる。
エッチング又はめっきを行った後、レジストパターンは、例えば、現像に用いたアルカリ性水溶液よりさらに強アルカリ性の水溶液で剥離することができる。この強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10質量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10質量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。剥離方式としては、例えば、浸漬方式、スプレー方式等が挙げられ、浸漬方式及びスプレー方式を単独で使用してもよいし、併用してもよい。なお、レジストパターンが形成されたプリント配線板は、多層プリント配線板でもよい。
また、上記めっきが絶縁層と絶縁層上に形成された導体層とを備えた回路形成用基板に対して行われた場合には、パターン以外の導体層を除去する必要がある。この除去方法としては、例えば、レジストパターンを剥離した後に軽くエッチングする方法や、上記めっきに続いてはんだめっき等を行い、その後レジストパターンを剥離することで配線部分をはんだでマスクし、次いで導体層のみをエッチング可能なエッチング液を用いて処理する方法などが挙げられる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[感光層材料の作製]
表1に示す材料を配合して感光層材料の溶液を作製した。
Figure 2007041216

[クッション層材料の作製]
表2に示す材料を配合し、クッション層材料(I)及び(II)の溶液を作製した。
Figure 2007041216

(実施例1)
支持フィルムとして、16μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人デュポンフィルム社製、商品名:G2−16)を準備し、その上にクッション層材料(I)の溶液を、乾燥後の厚みが20μmになるように均一に塗布し、90℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥してクッション層を形成し、第1の積層フィルムを得た。
次いで、保護フィルムに20μm厚のポリプロピレンフィルム(王子製紙社製、商品名:E−200H)を用い、その上に感光層材料の溶液を、乾燥後の厚みが6μmになるように均一に塗布し、90℃の熱風対流式乾燥機で5分間乾燥して感光層を形成し、第2の積層フィルムを得た。
次に、第1の積層フィルムと第2の積層フィルムとを、第1の積層フィルムにおけるクッション層側の面と第2の積層フィルムにおける感光層側の面とが接するように貼り合わせ、実施例1の感光性フィルムを得た。このとき、第1の積層フィルムと第2の積層フィルムとの貼り合わせは、ラミネータ(日立化成工業社製、商品名:HLM−3000)を用い、ラミネートロール速度:1.0m/分、ラミネートロール圧力:0.4MPa、ラミネートロール温度:室温の条件で行った。
(実施例2及び比較例1〜3)
表3に示したクッション層材料の溶液及び保護フィルムをそれぞれ用いた以外は上記実施例1と同様にして、実施例2及び比較例1〜3の感光性フィルムを作製した。なお、比較例2ではクッション層を形成せず、支持フィルム上に直接感光層を形成した。
(比較例4)
支持フィルムとして、16μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人デュポンフィルム社製、商品名:G2−16)を準備し、その上にクッション層材料(I)の溶液を、乾燥後の厚みが20μmになるように均一に塗布し、115℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥してクッション層を形成した。
次いで、クッション層上に感光層材料の溶液を、乾燥後の厚みが6μmになるように均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して感光層を形成した。その後、感光層上に、保護フィルムとしての20μm厚の二軸延伸ポリプロピレンフィルム(王子製紙社製、商品名:E−200H)を積層し、比較例4の感光性フィルムを得た。
Figure 2007041216

ここで、表3における保護フィルムの詳細は以下の通りである。
E−200H:20μm厚のポリプロピレンフィルム(王子製紙社製)縦方向の加熱収縮率2.9%、横方向の加熱収縮率0.4%、
G2−16:16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム社製)、縦方向の加熱収縮率1.8%、横方向の加熱収縮率0.8%、
NF−13:23μm厚のポリエチレンフィルム(王子製紙社製)、縦方向の加熱収縮率10%以上、横方向の加熱収縮率10%以上。
なお、比較例3は、保護フィルムの加熱収縮率が、縦方向及び横方向とも10%以上となり、感光性フィルムを実用上十分な膜厚精度で作製することができなかった。したがって、比較例3の感光性フィルムについては、以下の評価試験を実施しなかった。
<解像度、密着性評価試験>
厚み35μmの銅はくを片面に積層したガラスエポキシ基板(日立化成工業社製、商品名:MCL−E67−35S)の銅表面を、#600相当のブラシを持つ研磨機(三啓社製)を用いて研磨し、水洗後、空気流で乾燥して銅張積層板を得た。
得られた銅張積層板を80℃に加温した後、高温ラミネーター(日立化成工業社製、商品名:HLM−3000)を用いて、実施例1〜2並びに比較例1〜2及び4で得られた感光性フィルムを、保護フィルムを剥離後、感光層を上記基板に向け、支持フィルム側がラミネートロールに触れるようにして上記基板上にラミネートして積層基板を得た。なお、ラミネートの際のラミネートロール速度は1.5m/分、ラミネートロール温度は110℃、ロールのシリンダー圧力は0.4MPa(4kgf/cm)とした。
こうして得られた積層基板を23℃まで冷却し、次いで、支持フィルム及びクッション層、あるいはクッション層が無い場合には支持フィルムを剥離した。ここで、比較例1の感光性フィルムにおいては、クッション層と感光層との間での剥離が困難であり、支持フィルムとクッション層との間で剥離が生じたため、評価を中断した。なお、このことから、比較例1の感光性フィルムでは、クッション層と感光層との間の層間接着力(t2)が、支持フィルムとクッション層との間の層間接着力(t1)よりも大きいことが確認された。
次に、感光層上に、解像度、密着性評価用ネガとしての日立解像度テストパターンNo.3(商品名、日立化成工業社製、ライン幅:6〜47μm、スペース幅:6〜47μm)のパターンマスクを密着させ、高圧水銀灯ランプを有する露光機(オーク製作所社製、型式:EXM−1201)を用いて、100mJ/cmの露光量で露光を行った。
露光後、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)で、感光層を10秒間スプレー現像(スプレー圧力:0.18MPa(1.8kgf/cm))し、未露光部を除去して現像を行うことでレジストパターンを形成した。得られたレジストパターンの現像残りの無い最小スペース幅の値を解像度とし、得られたレジストパターンの欠けが無い最小ライン幅の値を密着性として測定した。その結果を表4に示す。なお、この値が小さいほど解像度、密着性が優れることを示す。
<凹凸追従性評価試験>
ネガ型感光性フィルムH−9040(商品名、日立化成工業社製)を、上記解像度、密着性評価試験と同様の方法で銅張積層板上にラミネートし、積層基板を得た。そして、ライン幅/スペース幅が1000/100(単位:μm)のパターンマスクを用いた以外は上記解像度、密着性評価試験と同様にしてレジストパターンの形成された銅張積層板を得た。次いで、得られた銅張積層板を100g/Lの過硫酸アンモニウム水溶液(30℃)に1〜10分間浸漬し、さらに、レジストパターンを剥離液(3質量%NaOH水溶液、45℃、スプレー圧力:0.2MPa(2kgf/cm))で剥離して、凹み幅が100μm、凹み深さが1〜10μmの間で1μm刻みで異なるキズ付き銅張積層板をそれぞれ得た。
次に、高温ラミネーターを用いて、実施例1〜2並びに比較例1〜2及び4で得られた感光性フィルムを、感光層をキズ付き銅張積層板に向け、支持フィルムがラミネートロールに触れるようにして得られたキズ付き銅張積層板にラミネートして積層基板を得た。また、ラミネートロールの軸と銅張積層板の凹みの長さ方向とが平行となるようにラミネートを行い、ラミネートロール速度は1.5m/分、ラミネートロール温度は110℃、ロールのシリンダー圧力は0.4MPa(4kgf/cm)とした。
次いで、得られた積層基板を23℃まで冷却した後、支持フィルム及びクッション層、あるいは、クッション層が無い場合には支持フィルムのみを剥離した。
そして、感光層上に、解像度評価用ネガとしてのライン幅/スペース幅が100/100(単位:μm)の配線パターンを有するパターンマスクを基板の凹みの長さ方向と直角に交差する方向に置いて密着させ、高圧水銀灯ランプを有する露光機を用いて、100mJ/cmの露光量で露光を行った。
露光後、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)で、感光層を10秒間スプレー現像(スプレー圧力:0.18MPa(1.8kgf/cm))し、光硬化部以外の部分を除去して現像を行うことで基板上にレジストパターンを形成した。レジストパターンが形成された基板に対して塩化第2銅エッチング液(2モル/L CuCl、2N−HCl水溶液、50℃)をスプレーし(スプレー圧力:0.2MPa(2kgf/cm)、レジストで保護されていない部分の銅を溶解し、さらに、レジストパターンを剥離液(3質量%NaOH水溶液、45℃、スプレー圧力:0.2MPa(2kgf/cm))で剥離して基板上に銅のラインが形成されたプリント配線板を作製した。
基板上の凹みにレジストが充分に追従していない場合は、レジストと基板間に空隙が生じるため、銅のラインはレジストと凹みの交点部分でエッチング液が浸み込み、銅が溶解してしまい連続した銅ラインが得られず、断線不良となる。そして、凹み深さの異なる銅張積層板を用いてプリント配線板をそれぞれ作製した際に、断線が開始する凹み深さ(μm)を凹凸追従性(この値が大きい程、追従性は優れる)とした。その結果を表4に示す。なお、実用使用可能な凹凸追従性範囲は、一般に3μm以上と考えられる。
<ピール強度評価試験>
実施例1〜2及び比較例4の感光性フィルムを上記解像度、密着性評価試験と同様の方法で銅張積層板上にラミネートした積層基板と、銅張積層板上に両面テープでクッション層及び支持フィルムを貼り付けた積層基板と、実施例1〜2及び比較例4の感光性フィルムを銅張積層板上にラミネートした後、クッション層及び支持フィルムを剥離し、実施例1の場合にはポリプロピレンフィルム(王子製紙社製、E−200H)を、実施例2の場合にはPETフィルム(帝人デュポンフィルム社製、G2−16)を感光層にラミネートした積層基板とを用意した。これらの試験片を23℃、60%RHで2時間放置した後、クッション層と感光層との間の層間接着力(t2)、支持フィルムとクッション層との間の層間接着力(t1)、及び、感光層と保護フィルムとの間の層間接着力(t3)を、180°ピール強度(剥離強さ)として、レオメーターを用いて引っ張り速度300mm/分でそれぞれ測定し、各層間の接着力の大きさを比較した。その結果を表4に示す。
Figure 2007041216

以上の結果から、本発明の感光性フィルム(実施例1〜2)は、比較例1〜4の感光性フィルムと比較して、優れた凹凸追従性が得られることが確認された。また、実施例1〜2の感光性フィルムは、解像度及び密着性が良好であることが確認された。更に、実施例1〜2の感光性フィルムは、クッション層と感光層との間の層間接着力(t2)が、感光層と保護フィルムとの間の層間接着力(t3)よりも大きく、且つ、支持フィルムとクッション層との間の層間接着力(t1)が、クッション層と感光層との間の層間接着力(t2)よりも大きく、これら感光性フィルムを銅張積層板に積層した後に、支持フィルム及びクッション層を感光層から容易に剥がすことができるため、容易にプリント配線板を製造できることが確認された。
本発明の実施形態にかかる感光性フィルムの模式断面図である。 (a)〜(e)は本発明の感光性フィルムを用いたレジストパターンの形成方法を模式的に示す工程図である。
符号の説明
1…感光性フィルム、10…支持フィルム、12…クッション層、14…感光層、16…保護フィルム、18…回路形成用基板、22…パターンマスク。

Claims (3)

  1. 支持フィルム、クッション層、感光層、及び、保護フィルムがこの順に積層された構造を有し、
    前記クッション層と前記感光層との間の層間接着力が、前記感光層と前記保護フィルムとの間の層間接着力よりも大きく、且つ、前記支持フィルムと前記クッション層との間の層間接着力が、前記クッション層と前記感光層との間の層間接着力よりも大きく、
    前記保護フィルムの120℃、20分間での加熱収縮率が、縦方向で5.0%以下、横方向で3.0%以下であり、
    前記感光層は、該感光層を形成するための感光性樹脂組成物を前記保護フィルム上に塗布し、乾燥することによって形成された層であることを特徴とする感光性フィルム。
  2. 支持フィルム、クッション層、感光層、及び、保護フィルムがこの順に積層された構造を有する感光性フィルムの製造方法であって、
    前記支持フィルムと前記クッション層とを積層することによって、前記支持フィルム及び前記クッション層からなる第1の積層フィルムを得る第1の積層工程と、
    前記感光層を形成するための感光性樹脂組成物を、120℃、20分間での加熱収縮率が、縦方向で5.0%以下、横方向で3.0%以下である前記保護フィルム上に塗布し、乾燥することによって、前記保護フィルム及び前記感光層からなる第2の積層フィルムを得る第2の積層工程と、
    前記第1の積層フィルムと前記第2のフィルムとを、前記第1の積層フィルムにおける前記クッション層側の面と前記第2の積層フィルムにおける前記感光層側の面とが接するように貼り合わせて前記感光性フィルムを得る貼り合わせ工程と、
    を有することを特徴とする感光性フィルムの製造方法。
  3. 請求項1記載の感光性フィルムから前記保護フィルムを剥離し、前記感光層、前記クッション層及び前記支持フィルムがこの順に回路形成用基板上に積層されるように配置する積層工程と、
    前記感光性フィルムから前記支持フィルム及び前記クッション層を剥離除去する剥離工程と、
    活性光線を前記感光層の所定部分に照射して、前記感光層に光硬化部を形成する露光工程と、
    前記感光層の前記光硬化部以外の部分を除去する現像工程と、
    を含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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