JP5549740B2 - 構造化照明装置、構造化照明顕微鏡装置、及び面形状測定装置 - Google Patents

構造化照明装置、構造化照明顕微鏡装置、及び面形状測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、面内方向の超解像を実現できる構造化照明装置、構造化照明顕微鏡装置、パターン投影型の面形状測定装置に関する。
超解像顕微鏡は、試料から射出する回折光のうち解像限界を超える高い空間周波数の情報(大角度の回折光)を結像に寄与させるために、試料面を照明する照明光束に対して変調を施し、結像光学系の試料面と略共役な位置に入射する結像光束に対して復調を施すものである(非特許文献1、特許文献1、特許文献2などを参照。)。
非特許文献1の方法では、試料面の近傍に回折格子(変調用回折格子)を配置すると共に、結像光学系の試料面と略共役な位置に、変調用回折格子と共役な格子定数を持つ回折格子(復調用回折格子)を配置している。それら2つの回折格子を共役的に移動させれば、試料の構造を回折格子のパターンと分離して観察することが可能となる。
一方、特許文献1には、構造化照明顕微鏡を蛍光観察へ適用した例が開示されている。特許文献1の方法では、可干渉光源から射出した光束を回折格子によって2つの光束に分割し、それら2つの光束を対物レンズの瞳上の互いに異なる位置へ個別に集光させる。このとき2つの光束は対物レンズから角度の異なる平行光束として射出し、試料面上で重なり合いストライプ状の干渉縞を形成する。これによって試料面が構造化照明される。そして特許文献1の方法では、構造化照明の位相をステップ状に変化させながら試料像の画像を繰り返し取得し、取得した複数の画像に対して、前述した分離に相当する演算(分離演算)と、前述した復調に相当する演算(復調演算)とを施している。
因みに、構造化照明の位相をステップ状に変化させる方法としては、楔型プリズムを前述した2つの光束の一方に挿入して光軸と垂直な方向へステップ移動させる方法や、格子線と垂直な方向へ回折格子をステップ移動させる方法や、構造化照明のピッチ方向へ試料をステップ移動させる方法などがある。
さらに、特許文献2の方法では、構造化照明の方向をステップ状に変化させながら試料像の画像を繰り返し取得することにより、様々な方向に亘って超解像効果を得ている。因みに、構造化照明の方向をステップ状に変化させる方法としては、回折格子又は試料を回転モータなどで光軸の周りにステップ回転させる方法がある。
特に、非特許文献2の方法では、音響光学素子を4個使用して構造化照明の方向又は位相を変化させている。
特開平11−242189号公報 米国再発行特許発明第38307号明細書 米国特許出願公開第2009/0219607号公報
W. Lukosz, "Optical systems with resolving powers exceeding the classical limit. II" Journal of the Optical Society of America, Vol. 37, PP.932, 1967 Olga Gliko," Development of fast two-dimensional standing wave microscopy using acousto-optic deflectors" Proc. of SPIE Vol. 6861 68610B-8
しかしながら、光学素子をステップ移動させる場合、移動していた光学素子を適当な位置で静止させるのに一定の時間を要するので、特許文献2の方法において必要な画像を全て取得するまでの所要時間を短縮することは難しい。特に、観察対象である試料が生体標本である場合は、試料の構造が時々刻々と変化する可能性があるため、画像取得はできるだけ高速に行われるべきである。
また、非特許文献2のように音響光学素子を4個使う方法では、超解像顕微鏡の光学系が複雑になるので、その分だけ光学系の調整やコストの面で不利となる。
そこで、本発明は、画像取得を高速化するのに好適な構成の構造化照明装置、効率的な構造化照明顕微鏡装置、及び効率的な面形状測定装置を提供することを目的とする。
本発明の構造化照明装置は、光源からの射出光束中に配置され、その射出光束を横切る方向に音波伝搬路を配した光変調器と、前記音波伝搬路の媒体を振動させるための駆動信号を前記光変調器へ与えることにより、前記音波伝搬路内に音波定在波を生起させる駆動手段と、前記音波伝搬路を通過した前記射出光束の互いに異なる回折成分を干渉させ、その干渉縞を被観察物に形成する照明光学系とを備える。
なお、前記駆動手段は、前記光変調器へ与える前記駆動信号の周波数を所定の周波数に設定することにより前記音波定在波を生起させてもよい。
また、本発明の構造化照明装置は、前記駆動信号の周波数、振幅の少なくとも1つを前記音波伝搬路の媒体の温度に応じて調節する調節手段を備えてもよい。
また、本発明の構造化照明装置は、前記音波伝搬路の媒体の温度を検出する温度センサを備え、前記調整手段は、前記温度センサが検出する前記温度に応じて前記駆動信号の周波数を調節してもよい。
また、本発明の構造化照明装置は、前記音波伝搬路の媒体の温度を検出する温度センサを備え、前記調整手段は、前記温度センサが検出する前記温度に応じて前記駆動信号の振幅を調節してもよい。
また、本発明の構造化照明装置は、前記音波伝搬路の媒体で発生した熱を放熱する放熱手段を備えてもよい。
また、本発明の構造化照明装置は、前記干渉縞の位相を変化させる位相変化手段を備えてもよい。
また、前記位相変化手段は、前記光変調器を所定の方向に移動させる駆動装置であってもよい。
また、前記駆動装置は、前記音波定在波の方向に応じて移動量を変更してもよい。
また、前記干渉縞に寄与する前記射出光束は、前記音波伝搬路の両端から離れた所定の部分領域を通過したものであり、前記位相変化手段は、前記音波定在波の波長を所定のパターンで変化させることにより前記干渉縞の位相を変化させる前記駆動手段であってもよい。
また、前記駆動手段は、前記光変調器へ与える前記駆動信号の周波数を所定のパターンで変化させることにより前記音波定在波の波長を変化させてもよい。
また、前記駆動手段は、前記音波定在波の全体の波本数がM/2本ずつ変化するようなパターンで前記周波数を変化させるものであり(但し、|M|は1以上の整数)、前記干渉縞の位相シフトピッチをΔψに設定する場合は、前記音波伝搬路の何れか一方の端部から前記部分領域までの距離Dと、前記音波伝搬路の全長Lとは、D:L=Δψ/M:2πの関係を満たすように設定されてもよい。
また、M=1であってもよい。また、Δψ=2π/k(但し、|k|は2以上の整数)であってもよい。
また、前記光変調器は、前記部分領域で交差した複数の前記音波伝搬路を有してもよい。
また、前記光変調器は、互い対向する平行な側面対を複数有した柱状の音響光学媒体と、それら複数の側面対の各々の間に形成される音波伝搬路へ音波定在波を生起させる複数の超音波トランスデューサとを備えてもよい。
また、複数の前記音波伝搬路の配置関係は、前記照明光学系の光軸と直交する面内において互いに異なる複数の方向の間で前記干渉縞の方向が切り替え可能となるように設定されていてもよい。
また、本発明の構造化照明装置は、前記複数の超音波トランスデューサのいずれか1つへ与える前記駆動信号を生成する信号生成手段と、前記信号生成手段が生成した前記駆動信号の入力先を前記複数の超音波トランスデューサの間で切り換える切換手段とを備えてもよい。
また、本発明の構造化照明顕微鏡装置は、本発明の何れかの構造化照明装置と、前記構造化照明装置により照明された前記被観察物からの観察光束を検出器に結像する結像光学系とを備える。
また、本発明の構造化照明顕微鏡装置は、前記音波伝搬路の媒体の温度に応じて前記検出器の露出量を調節する調節手段を備えてもよい。
また、前記観察光束は、蛍光光束であってもよい。
また、本発明の構造化照明顕微鏡装置は、前記波長の切り換え中に前記検出器が順次に取得した複数の画像に基づき前記被観察物の超解像画像を算出する演算手段を備えてもよい。
また、本発明の面形状測定装置は、本発明の何れかの構造化照明装置と、前記構造化照明装置により照明された前記被観察物の画像を検出する画像検出器と、前記波長の切り換え中に前記画像検出器が順次に取得した複数の画像に基づき前記被観察物の面形状を算出する演算手段とを備える。
第1の実施形態の構造化照明顕微鏡システムの構成図である。 超音波光変調器3の構成図である。 超音波光変調器3の駆動回路19Aを説明する図である。 超音波光変調器3の周辺を光軸方向から見た図である。 構造化照明の方向が第2方向Dbであるときにおける圧電アクチュエータ22の1ステップ分のストロークを説明する図である。 構造化照明の方向が第3方向Dcであるときにおける圧電アクチュエータ22の1ステップ分のストロークを説明する図である。 超音波光変調器3の温度と適正周波数との関係を示すグラフである。 第1の実施形態におけるCPUの動作フローチャートである。 第2の実施形態における超音波光変調器3の周辺を光軸方向から見た図である。 図9のX−X’面(光軸と平行でありトランスデューサ18b、18cを横切る平面)で超音波光変調器3を切断してできる断面図である。 第3の実施形態の構造化照明顕微鏡システムの構成図である。 図12(A)は、超音波光変調器3の超音波伝搬路R内に生起する超音波定在波のパターンを示す模式図であり、図12(B)は、それに対応する構造化照明のパターン(明部及び暗部の配置)を示す模式図である。図12(C)〜(E)は、波本数が変化したときの縞本数の変化を説明する図である。 図13(A)は、長さLと距離Dとの関係を説明する図であり、図13(B)は、スポットSに対応する構造化照明S’の概念図であり、図13(C)は、構造化照明S’の縞本数のずれを説明する図である。 超音波光変調器3の構成図である。 超音波光変調器3の駆動回路19Aを説明する図である。 第3の実施形態におけるCPUの動作フローチャートである。 超音波光変調器3の変形例である。 第4の実施形態の面形状測定装置の構成図である。 超音波光変調器3’の構成図である。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態について図を用いて説明する。本実施形態は、蛍光観察に適用される構造化照明顕微鏡システムの実施形態である。
図1は、本実施形態の構造化照明顕微鏡システムの構成図である。図1に示すとおり構造化照明顕微鏡システムには、光ファイバー1、コレクタレンズ2、超音波光変調器3、レンズ4、0次光カットマスク5A、レンズ6、視野絞り5B、レンズ7、ダイクロイックミラー8、第二対物レンズ11、撮像装置(CCDカメラなど)12、制御装置19、画像記憶・演算装置(コンピュータなど)13、画像表示装置14、対物レンズ9などが配置される。図1中に符号10で示すのは、不図示のステージ上に載置された標本の観察対象面(標本面)であり、その標本は、蛍光染色された生体標本である。
図1において光ファイバー1は、不図示の可干渉光源からの光を導光し、その出射端に二次点光源(可干渉な二次点光源)を形成する。なお、不図示の可干渉光源の波長は、標本の励起波長と同じ波長に設定されている。その二次点光源から射出した光は、コレクタレンズ2によって平行光に変換され、超音波光変調器3へ入射する。
超音波光変調器3は、光軸と垂直な方向に超音波を伝搬する超音波伝搬路Rを有しており、その超音波伝搬路Rに超音波の平面定在波(以下、「超音波定在波」という。)を生起させることにより、超音波伝搬路Rに正弦波状の屈折率分布を付与している。このような超音波光変調器3は、入射光に対して位相型回折格子の働きをし、その光を各次数の回折光に分岐する。図1において実線で示したのは0次回折光であり、点線で示したのは±1次回折光である。
なお、超音波光変調器3は、支持枠21によってその周縁から支持されており、支持枠21には、超音波の波面と垂直な方向へ支持枠21及び超音波光変調器3を変位させる圧電アクチュエータ22が設けられている。因みに、圧電アクチュエータ22の1ステップ分のストロークは、後述する構造化照明の位相を2π/3だけ変化させるような値に設定される。
超音波光変調器3から射出した各次数の回折光は、レンズ4を通過した後に瞳共役面を形成する。この瞳共役面の近傍には0次光カットマスク5Aが配置されており、これは0次回折光及び2次以上の高次回折光をカットし±1次回折光のみを通過させる機能を有している。
0次光カットマスク5Aを通過した±1次回折光は、レンズ6を通過した後に標本共役面を形成する。この標本共役面の近傍には視野絞り5Bが配置されており、これは標本面10上の照明領域(観察領域)のサイズを制御する機能を有している。
視野絞り5Bを通過した±1次回折光は、レンズ7を通過した後にダイクロイックミラー8へ入射し、そのダイクロイックミラー8を反射する。ダイクロイックミラー8を反射した±1次回折光は、対物レンズ9の瞳P上の互いに異なる位置にそれぞれスポットを形成する。なお、瞳Pにおける2つのスポットの形成位置は、瞳Pの概ね最外周部であって、対物レンズ9の光軸に関して互いに対称な位置である。
したがって、対物レンズ9の先端から射出する±1次回折光は、対物レンズ9のNAに相当する角度で互いに反対の方向から標本面10を照射する。前述したとおりこれらの±1次回折光は互いに可干渉な光であるので、標本面10には縞ピッチが一様なストライプ状の干渉縞が投影される。よって、標本面10の照明パターンは、縞構造を持った照明パターンとなる。このように、縞構造を持った照明パターンによる照明が、構造化照明である。構造化照明された標本面10の蛍光領域では蛍光物質が励起され、蛍光を発する。
なお、標本面10上に高いコントラストで縞構造を持った照明パターンを形成するためには、標本面10に入射するすべての±1次回折光が入射面に垂直な電場振動方向、すなわち標本面10に対してS偏光を持つことが必要である。そのために、次の2通りの光学系(第1の光学系、第2の光学系)のいずれかを用意しておくことが望ましい。
第1の光学系としては、図1におけるコレクタレンズ2、および、超音波光変調器3との間に、不図示の偏光子、及び第1の1/4波長板を設け、さらに0次光カットマスク5A近傍に不図示の第2の1/4波長板を設ける。第1の光学系の場合、超音波光変調器3近傍に配置した第1の1/4波長板により超音波光変調器3を透過する光は円偏光とされ、0次光カットマスク5A透過後の光は直線偏光となる。さらに、光カットマスク5A近傍に配置した第2の1/4波長板を回転させることで所望の方向を持った偏光を得ることができる。
第2の光学系としては、図1におけるコレクタレンズ2、および、超音波光変調器3との間に、不図示の偏光子を設け、0次光カットマスク5A近傍に不図示の1/2波長板を設ける。第2の光学系の場合、超音波光変調器3近傍に配置した偏光子により超音波光変調器3を透過する光は特定の方向を持った直線偏光とされ、0次光カットマスク5A透過後の光は、それとは方向の異なる直線偏光となる。さらに、光カットマスク5A近傍に配置した1/2波長板を回転させることで所望の方向を持った偏光を得ることができる。
ここで、構造化照明によると、構造化照明の構造周期と蛍光領域の構造周期との差に相当するモアレ縞が標本面10に現れる。このモアレ縞上では、蛍光領域の構造の空間周波数が変調されており、実際よりも低い空間周波数にシフトしている。したがって構造化照明によると、蛍光領域の構造のうち空間周波数の高い成分を示す蛍光、すなわち対物レンズ9の解像限界を超える大角度で射出した蛍光までもが対物レンズ9へ入射できる。
標本面10から射出し対物レンズへ入射した蛍光は、対物レンズにより平行光に変換された後にダイクロイックミラー8へ入射する。その蛍光は、ダイクロイックミラー8を透過した後、第二対物レンズ11を通過することにより撮像装置12の撮像面上に標本面10の蛍光像を形成する。但し、この蛍光像には、標本面10の蛍光領域の構造情報だけでなく構造化照明の構造情報も含まれており、この蛍光像では、標本面10の蛍光領域の構造の空間周波数は変調されたままである(つまり実際よりも低い空間周波数にシフトしたままである)。
制御装置19は、前述した圧電アクチュエータ22を変位させることにより、超音波光変調器3の位置を基準位置及びその両側の2つの位置の3通りにステップ移動させる。これによって、構造化照明の位相が1周期分変化する。そして、制御装置19は、超音波光変調器3が各ステップ位置にあるときに撮像装置12を駆動して3種類の画像データI1、I2、I3を取得し、それらの画像データI1、I2、I3を順次に画像記憶・演算装置13へ送出する。なお、ここでは構造化照明の位相の異なる3種類の画像データを取得したが、構造化照明の位相の異なる4種類以上の画像データを取得してもよい。しかし、画像記憶・演算装置13による分離演算(後述)を可能とするために、最低でも3種類は必要である。
画像記憶・演算装置13は、取り込まれた画像データI1、I2、I3に対して分離演算を施すことにより、構造化照明の構造情報の除去された画像データIを取得する。さらに画像記憶・演算装置13は、その画像データIに対して復調演算を施すことにより、蛍光領域の構造情報の空間周波数が実際の空間周波数に戻された画像データI’を取得し、その画像データI’を画像表示装置14へ送出する。したがって、画像表示装置14には、対物レンズ9の解像限界を超えた解像画像(超解像画像)が表示される。
図2は、超音波光変調器3の構成図である。図2(A)は、超音波光変調器3を正面(光軸方向)から見た図であり、図2(B)は、超音波光変調器3を側面(光軸に垂直な方向)から見た図である。
図2に示すように超音波光変調器3は、光軸上に中心軸を配した正六角柱状の音響光学媒体15と、音響光学媒体15の6側面のうち互いに相対しない3側面に個別に設けられた3つのトランスデューサ18a、18b、18cとを有する。なお、音響光学媒体15の材質は、例えば石英ガラス、テルライトガラス、重フリントガラス、フリントガラスなどであり、その6つの側面及び2つの底面は、それぞれ十分な精度で研磨されている。
トランスデューサ18aは、圧電体16aと、圧電体16aの上下面に個別に形成された2つの電極17aとを有した超音波トランスデューサであり、そのうち一方の電極17aを介して音響光学媒体15の1つの側面に接合されている。
したがって、トランスデューサ18aの2つの電極17aの間に高周波の交流電圧が印加されると、圧電体16aが厚み方向に振動し、トランスデューサ18aの形成面からそれに相対する側面15aに向かって平面超音波が伝搬し、その超音波は側面15aで光路を折り返す。よって、2つの電極17aの間に印加される交流電圧の周波数が特定の周波数に設定された場合、その超音波は定在波となる。
このとき音響光学媒体15の内部の屈折率には、超音波の進行方向にかけて正弦波状の分布が付与される。したがってこの状態の超音波光変調器3は、側面15aと平行な位相格子を持った位相型回折格子となる。以下、この状態における超音波光変調器3の変調方向(図2の矢印方向)を、「第1方向」と称す。
なお、音響光学媒体15の内部に形成される超音波が完全な定在波から外れていた場合は、前述した±1次回折光の回折効率が低下するため、構造化照明のコントラストが低下する。なぜなら、超音波光変調器3が駆動状態にあると、圧電体16aのジュール熱、接合部の音波反射、音響光学媒体15内の音波減衰などが原因で音響光学媒体15が発熱し、膨張するので、その特性が時間変化する。このため或る周波数で超音波光変調器3が駆動され始め、初期状態では定在波が立っていたとしても、時間が経つにつれて定在波の立つ条件が成り立たなくなる可能性がある。つまり、定在波の立つ周波数(適正周波数)は、超音波光変調器3の温度に依存する。
但し、コントラストの低下量が許容範囲内に収まる(つまり前述した演算の演算誤差が許容範囲内に収まる)ならば、音響光学媒体15の内部に形成される超音波は完全な定在波から多少ずれていてもよい。よって、ここでは「適正周波数」を、「定在波の立つ周波数の近傍において、演算誤差を許容範囲内に収められるような周波数範囲」と解釈しても構わない。
また、トランスデューサ18bも、トランスデューサ18aと同じ構成をしており、圧電体16bと、圧電体16bの上下面に個別に形成された2つの電極17bとを有し、そのうち一方の電極17bを介して音響光学媒体15の1つの側面に接合されている。
したがって、トランスデューサ18bの2つの電極17bの間に適正周波数の交流電圧が印加されると、音響光学媒体15は、トランスデューサ18bの形成面及びそれに相対する側面15bと平行な位相格子を持った位相型回折格子となる。以下、この状態における超音波光変調器3の変調方向(格子ピッチ方向)を、「第2方向」と称す。この第2方向は、第1方向に対して60°の角度を成す。
また、トランスデューサ18cも、トランスデューサ18aと同じ構成をしており、圧電体16cと、圧電体16cの上下面に個別に形成された2つの電極17cとを有し、そのうち一方の電極17cを介して音響光学媒体15の1つの側面に接合されている。
したがって、トランスデューサ18cの2つの電極17cの間に適正周波数の交流電圧が印加されると、音響光学媒体15は、トランスデューサ18cの形成面及びそれに相対する側面15cと平行な位相格子を持った位相型回折格子となる。以下、この状態における超音波光変調器3の変調方向(格子ピッチ方向)を、「第3方向」と称す。この第3方向は、第1方向に対して−60°の角度を成す。
図3は、超音波光変調器3の駆動回路19Aを説明する図である。以下、この駆動回路19Aは、図1に示した制御装置19の一部であるとして説明する。
図3に示すとおり駆動回路19Aは、高周波交流電源19A−1と切り換えスイッチ19A−2とを備える。
高周波交流電源19A−1は、超音波光変調器3へ供給されるべき交流電圧を生成する。その交流電圧の周波数は、数十MHz〜100MHz程度であって、制御装置19内のCPUによって適当な値に制御される。
切り換えスイッチ19A−2は、高周波交流電源19A−1と超音波光変調器3との間に配置され、超音波光変調器3の側の接続先を、超音波光変調器3の3つのトランスデューサ18a、18b、18cの間で切り換えることが可能である。スイッチ19A−2の接続先は、制御装置19内のCPUによって適宜に切り換えられる。
切り換えスイッチ19A−2の接続先がトランスデューサ18aの側であるとき、交流電圧はトランスデューサ18aの2つの電極の間に印加されるので、超音波光変調器3の変調方向は第1方向Daとなる。
また、切り換えスイッチ19A−2の接続先がトランスデューサ18bの側であるとき、交流電圧はトランスデューサ18bの2つの電極の間に印加されるので、超音波光変調器3の変調方向は第2方向Dbとなる。
また、切り換えスイッチ19A−2の接続先がトランスデューサ18cの側であるとき、交流電圧はトランスデューサ18cの2つの電極の間に印加されるので、超音波光変調器3の変調方向は第3方向Dcとなる。
したがって、制御装置19内のCPUは、切り換えスイッチ19A−2の接続先を切り換えるだけで、超音波光変調器3の変調方向を第1方向Da、第2方向Db、第3方向Dcの間で切り換えることができる。
なお、超音波光変調器3の変調方向が第1方向Daであるときにおける構造化照明の方向と、超音波光変調器3の変調方向が第2方向Dbであるときにおける構造化照明の方向と、超音波光変調器3の変調方向が第3方向Dcであるときにおける構造化照明の方向との関係は、第1方向Daと第2方向Dbと第3方向Dcとの関係と同じである。
よって、以下では、超音波光変調器3の変調方向が第1方向Dであるときにおける構造化照明の方向を「第方向Da」と称し、超音波光変調器3の変調方向が第2方向Dbであるときにおける構造化照明の方向を「第2方向Db」と称し、超音波光変調器3の変調方向が第3方向Dであるときにおける構造化照明の方向を「第3方向Dc」と称す。
図4は、超音波光変調器3の周辺を光軸方向から見た図である。
図4に示すとおり圧電アクチュエータ22が変位する方向Dは、第1方向Daに一致している。よって、当然ながら、構造化照明の方向がDaであったときにこの方向Dへ圧電アクチュエータ22が変位すれば、構造化照明の位相が変化する。
しかし、この方向Dが第方向D及び第3方向Dcの各々と成す角度は90°ではないので、たとえ構造化照明の方向が第2方向Db又は第3方向Dcであったとしても、この方向Dへ圧電アクチュエータ22が変位すれば、構造化照明の位相は変化する。
但し、圧電アクチュエータ22の1ステップ分のストロークを不変にすると、構造化照明の方向が第1方向Daであるときとそうでないときとの間で構造化照明の1ステップ分の位相シフト量が異なってしまう。
そこで、制御装置19内のCPUは、構造化照明の方向が第1方向Da、第2方向Db、第3方向Dcの間で切り替わると、圧電アクチュエータ22の1ステップ分のストローク(すなわち圧電アクチュエータ22へ印加する電圧値)を切り換える。
具体的に、CPUは、先ず、構造化照明の方向が第1方向Daであるときにおける圧電アクチュエータ22の1ステップ分のストロークΔを、その構造化照明の位相が2π/3だけ変化するような値に設定する。
そして、CPUは、構造化照明の方向が第2方向Dbであるときにおける圧電アクチュエータ22の1ステップ分のストロークを2Δに設定し、構造化照明の方向が第3方向Dcであるときにおける圧電アクチュエータ22の1ステップ分のストロークを−2Δに設定する。
図5に示すとおり、方向Dと第2方向Dbとは60°の角度を成すので、方向Dへのストローク2Δを第2方向Dbへ射影すると、2Δ×cos60°=Δとなる。よって、方向Dへのストロークを2Δに設定した場合、第2方向DbへのストロークはΔとなる。
したがって、この設定によれば、構造化照明の方向が第2方向Dbであるときの1ステップ分の位相シフト量は、構造化照明の方向が第1方向Daであるときの1ステップ分の位相シフト量に一致する。
また、図6に示すとおり、方向Dと第3方向Dcとは−60°の角度を成すので、方向Dへのストローク−2Δを第3方向Dcへ射影すると、−2Δ×cos(−60°)=Δとなる。よって、方向Dのストロークを−2Δに設定した場合、第3方向DcへのストロークはΔとなる。
したがって、この設定によれば、構造化照明の方向が第3方向Dcであるときの1ステップ分の位相シフト量は、構造化照明の方向が第1方向Daであるときの1ステップ分の位相シフト量に一致する。
以上の結果、構造化照明の1ステップ分の位相シフト量は、構造化照明の方向に拘わらず一定(ここでは2π/3)に保たれる。
また、図4に示すとおり、超音波光変調器3と支持枠21との間には樹脂製のパッド20が介在しており、そのパッド20と支持枠21との間には、例えば白金抵抗体などで構成された温度センサ201が設けられている。この温度センサ201の検出対象は、超音波光変調器3の温度(≒音響光学媒体15の温度)である。温度センサ201が検出する温度は、前述した交流電圧を適正周波数(定在波の立つ周波数)に保つ目的で、制御装置19内のCPUにより適当なタイミングで参照される。
図7は、超音波光変調器3の温度と適正周波数との関係(適正周波数情報)を示すグラフである。図7に示すとおり、超音波光変調器3の温度が約25℃から約45℃の間で変化すると、適正周波数は約80.2MHzから約79.9MHzの間で変化する。
そこで制御装置19内のCPUは、この適正周波数情報をルックアップテーブルの形式で予め記憶する。このルックアップテーブルには、音響光学媒体15の各温度と、各温度における適正周波数とが互いに対応付けられた状態で格納されている。
図8は、第1の実施形態におけるCPUの動作フローチャートである。以下、各ステップを順に説明する。
ステップS11:CPUは、温度センサ201が検出する温度Tを参照する。
ステップS12:CPUは、温度Tに応じてルックアップテーブルを参照し、その温度Tに対応付けられた適正周波数fを、現時点における適正周波数として読み出す。そして、CPUは、高周波交流電源19A−1が生成する交流電圧の周波数を、その適正周波数fに設定する。
ステップS13:CPUは、切り換えスイッチ19A−2の接続先をトランスデューサ18aの側に設定することにより、構造化照明の方向を第1方向Daに設定する。
ステップS14:CPUは、圧電アクチュエータ22の1ステップ分のストロークをΔに設定する。続いてCPUは、圧電アクチュエータ22の変位がゼロである状態で撮像装置12を駆動して画像データIa1を取得する。続いてCPUは、圧電アクチュエータ22の変位をプラス側へ1ステップだけ変化させてから撮像装置12を駆動して画像データIa2を取得する。続いてCPUは、圧電アクチュエータ22をマイナス側へ2ステップだけ変位させてから撮像装置12を駆動して画像データIa3を取得する。その後、CPUは、圧電アクチュエータ22の変位をゼロに戻す。
なお、本ステップにおけるCPUは、圧電アクチュエータ22の駆動タイミングと、撮像装置12の駆動タイミングとを不図示の同期制御回路を介して制御することにより、必要な画像データIa1、Ia2、Ia3を連続して取得する。これによって、一連の3つの画像データIa1、Ia2、Ia3の取得速度は高く保たれる。
ステップS15:CPUは、温度センサ201が検出する温度Tを参照し、その温度Tが前回値と異なるか否かを判別する。異なる場合はステップS16へ移行し、同じであった場合はステップS17へ移行する。
ステップS16:CPUは、温度Tに応じてルックアップテーブルを参照し、その温度Tに対応付けられた適正周波数fを、現時点における適正周波数として読み出す。そして、CPUは、高周波交流電源19A−1が生成する交流電圧の周波数を、その適正周波数fに設定する。
ステップS17:CPUは、切り換えスイッチ19A−2の接続先をトランスデューサ18bの側に切り換えることにより、構造化照明の方向を第2方向Dbに切り換える。
ステップS18:CPUは、圧電アクチュエータ22の1ステップ分のストロークを2Δに切り換える。続いてCPUは、圧電アクチュエータ22の変位をゼロに配置してから撮像装置12を駆動して画像データIb1を取得する。続いてCPUは、圧電アクチュエータ22の変位をプラス側へ1ステップだけ変化させてから撮像装置12を駆動して画像データIb2を取得する。続いてCPUは、圧電アクチュエータ22をマイナス側へ2ステップだけ変位させてから撮像装置12を駆動して画像データIb3を取得する。その後、CPUは、圧電アクチュエータ22の変位をゼロに戻す。
なお、本ステップにおけるCPUは、圧電アクチュエータ22の駆動タイミングと、撮像装置12の駆動タイミングとを不図示の同期制御回路を介して制御することにより、必要な画像データIb1、Ib2、Ib3を連続して取得する。これによって、一連の3つの画像データIb1、Ib2、Ib3の取得速度は高く保たれる。
ステップS19:CPUは、温度センサ201が検出する温度Tを参照し、その温度Tが前回値と異なるか否かを判別する。異なる場合はステップS20へ移行し、同じであった場合はステップS21へ移行する。
ステップS20:CPUは、温度Tに応じてルックアップテーブルを参照し、その温度Tに対応付けられた適正周波数fを、現時点における適正周波数として読み出す。そして、CPUは、高周波交流電源19A−1が生成する交流電圧の周波数を、その適正周波数fに設定する。
ステップS21:CPUは、切り換えスイッチ19A−2の接続先をトランスデューサ18cの側に切り換えることにより、構造化照明の方向を第3方向Dcに切り換える。
ステップS22:CPUは、圧電アクチュエータ22の1ステップ分のストロークを2Δに切り換える。続いてCPUは、圧電アクチュエータ22の変位をゼロに設定してから撮像装置12を駆動して画像データIc1を取得する。続いてCPUは、圧電アクチュエータ22をプラス側へ1ステップだけ移動させてから撮像装置12を駆動して画像データIc2を取得する。続いてCPUは、圧電アクチュエータ22をマイナス側へ2ステップだけ移動させてから撮像装置12を駆動して画像データIc3を取得する。その後、CPUは、圧電アクチュエータ22の変位をゼロに戻し、フローを終了する。
なお、本ステップにおけるCPUは、圧電アクチュエータ22の駆動タイミングと、撮像装置12の駆動タイミングとを不図示の同期制御回路を介して制御することにより、必要な画像データIc1、Ic2、Ic3を連続して取得する。これによって、一連の3つの画像データIc1、Ic2、Ic3の取得速度は高く保たれる。
そして、以上のフローにより取得された一連の9つの画像データIa1、Ia2、Ia3、Ib1、Ib2、Ib3、Ic1、Ic2、Ic3は、画像記憶・演算装置13へ取り込まれる。
画像記憶・演算装置13は、一連の3つの画像データIa1、Ia2、Ia3に対して線形演算からなる分離演算を施すことにより、構造化照明の構造情報を含まない画像データIaを取得し、その画像データIaに対して復調係数の乗算からなる復調演算を施すことにより、第1方向Daに亘る超解像画像の復調画像データIa’を取得する。
また、画像記憶・演算装置13は、一連の3つの画像データIb1、Ib2、Ib3に対して線形演算からなる分離演算を施すことにより、構造化照明の構造情報を含まない画像データIbを取得し、その画像データIbに対して復調係数の乗算からなる復調演算を施すことにより、第2方向Dbに亘る超解像画像の復調画像データIb’を取得する。
また、画像記憶・演算装置13は、一連の3つの画像データIc1、Ic2、Ic3に対して線形演算からなる分離演算を施すことにより、構造化照明の構造情報を含まない画像データIcを取得し、その画像データIcに対して復調係数の乗算からなる復調演算を施すことにより、第3方向Dcに亘る超解像画像の復調画像データIc’を取得する。
そして画像記憶・演算装置13は、3つの復調画像データIa’、Ib’、Ic’を波数空間上で合成してから再び実空間に戻すことにより、第1方向Da、第2方向Db、第3方向Dcに亘る超解像画像の画像データIを取得し、その画像データIを画像表示装置14へ送出する。したがって、画像表示装置14には、標本面10の蛍光領域の構造を詳細に示す超解像画像が表示される。
ここで、上述したステップS13、S17、S21では構造化照明の方向が切り換えられるが、その切り換えでは、切り換えスイッチ19A−2の接続状態を電気的に変更するだけなので、その切り換えに要する時間は短く、電源を含む回路系の時定数込みでも10ms以下に抑えられる。
また、上述したステップS11、S12、S15、S16、S19、S20では、超音波光変調器3の温度に応じて交流電圧の周波数が調節されるが、この調節に要する時間も極めて短い。
したがって、一連の9つの画像データIa1、Ia2、Ia3、Ib1、Ib2、Ib3、Ic1、Ic2、Ic3の取得に要する時間は、構造化照明の方向を切り換えるために回折格子又は標本の回転及び静止を繰り返す場合と比較して、格段に短く抑えられる。
因みに回折格子又は標本を回転モータによって回転させる方法では、それを停止させるまでの時間や、停止後に振動が収まるまでの待機時間が長く、一連の9つの画像データIa1、Ia2、Ia3、Ib1、Ib2、Ib3、Ic1、Ic2、Ic3の取得速度を向上させるのは困難であった。
また、上述したステップS11、S12、S15、S16、S19、S20では、超音波光変調器3の温度に応じて交流電圧の周波数が調節されるので、その周波数を常に適正周波数に保ち、構造化照明のコントラストを常に高く保つことができる。
したがって、一連の9つの画像データIa1、Ia2、Ia3、Ib1、Ib2、Ib3、Ic1、Ic2、Ic3には、標本面10の蛍光領域の構造の情報が正確に反映される。よって、前述した超解像画像の取得精度は高く保たれる。
また、本実施形態では、図4に示したとおり構造化照明の方向は3通りであるにも拘わらず圧電アクチュエータ22は1つしか備えられない。よって、超音波光変調器3の周辺の構成はシンプルである。
さらに本実施形態では、光軸上の同一位置において、方向の異なる複数の回折格子を切り換え可能に形成することができるので、構造化照明の方向を切り換えても焦点位置の再調整等が不要であり、高いコントラストと画像取得時間の短縮を同時に実現することができる。
しかも、上述したステップS14、S18、S22によると、超音波光変調器3の変調方向に応じて圧電アクチュエータ22の1ステップ分のストロークが切り換えられるので、構造化照明の方向が第1方向Daであるときにおける位相シフト量と、構造化照明の方向が第2方向Dbであるときにおける位相シフト量と、構造化照明の方向が第3方向Dcであるときにおける位相シフト量とは、等しくなる。
したがって、画像記憶・演算装置13は、一連の3つの画像データIa1、Ia2、Ia3に対して施すべき演算と、一連の3つの画像データIb1、Ib2、Ib3に対して施すべき演算と、一連の3つの画像データIc1、Ic2、Ic3に対して施すべき演算とを共通化することができる。
その結果、本実施形態によれば、超音波光変調器3の周辺の構成をシンプルに抑えながら、画像記憶・演算装置13の回路規模の拡大を防ぐことができる。
[第1の実施形態の補足]
なお、本実施形態のCPUは、一連の3つの画像データ(画像データIa1、Ia2、Ia3、又は画像データIb1、Ib2、Ib3、又は画像データIc1、Ic2、Ic3)を取得する毎に周波数調節を行ったが、所定期間毎に周波数調節を行ってもよい。或いは、超音波光変調器3に対する連続通電期間を測定し、連続通電期間が所定期間に達する毎に周波数調節を行ってもよい。但し、何れの場合であっても、一連の3つの画像データ(画像データIa1、Ia2、Ia3、又は画像データIb1、Ib2、Ib3、又は画像データIc1、Ic2、Ic3)の取得途中で周波数が変更されないことが望ましい。
また、本実施形態のCPUは、超音波光変調器3の温度に応じて交流電圧の周波数を調節したが、周波数の代わりに、或いは周波数に加えて、交流電圧の振幅を調節してもよい。交流電圧の周波数を固定した場合や、交流電圧の周波数調節が不足した場合には、超音波が定在波から外れ、構造化照明のコントラストが低下する可能性がある。しかし、その場合に交流電圧の振幅を高めに設定すれば、構造化照明の強度が高まるので、前述した演算誤差の増大を、或る程度抑えることができる。
また、本実施形態のCPUは、超音波光変調器3の温度に応じて交流電圧の周波数を調節したが、周波数の代わりに、或いは周波数に加えて、撮像装置12の電荷蓄積時間を調節してもよい。なぜなら、交流電圧の周波数を固定した場合や、交流電圧の周波数調節が不足した場合には、超音波が定在波から外れ、構造化照明のコントラストが低下する可能性がある。しかし、その場合に撮像装置12の電荷蓄積時間を長めに設定すれば、蛍光像を高い露出で検出することができるので、前述した演算誤差の増大を、或る程度抑えることができる。
また、本実施形態の超音波光変調器3の音響光学媒体15の形状は、正六角柱状であったが、互いに相対する側面対が複数存在する他の形状、例えば、正四角柱状、正八角柱状などであってもよい。
因みに、音響光学媒体15の形状が正四角柱状である場合、トランスデューサの個数は2となり、超音波光変調器3の変調方向は、互いに90°ずつ異なる2方向となる。また、音響光学媒体15の形状が正八角柱状である場合、トランスデューサの個数は4となり、超音波光変調器3の変調方向は、互いに45°ずつ異なる4方向となる。
但し、音響光学媒体15の形状は正六角柱状であることが、画像取得効率の点で望ましい。なぜなら、超音波光変調器3の変調方向を互いに60°ずつ異なる3方向とすれば、取得すべき画像データの数が少ない割に取得できる情報量が多い(複数の復調画像データの波数空間における分布域が広い)からである。
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態について図を用いて説明する。本実施形態は、第1の実施形態の変形例である。ここでは、第1の実施形態との相違点のみ説明する。
相違点は、超音波光変調器3に放熱機能が付加された点にある。その代わりに、本実施形態において周波数調節(又は振幅調節又は電荷蓄積時間調節)の頻度は、第1の実施形態におけるそれよりも低減される。或いは、周波数調節(又は振幅調節又は電荷蓄積時間調節)は省略される。
図9は、第2の実施形態における超音波光変調器3の周辺を光軸方向から見た図であり、図10は、図9のX−X’面(光軸と平行でありトランスデューサ18b、18cを横切る平面)で超音波光変調器3を切断してできる断面図である。
図9、図10に示す支持枠21’は、アルミニウムなどの熱伝導率の高い材質で構成されており、支持枠21’と超音波光変調器3との間に介在するパッド20’は、超音波光変調器3の熱を支持枠21’に向けて伝導するパッド型放熱材である。パッド20’の熱伝導率は、例えば1.7W/mKであり、パッド20’の厚さは、例えば0.5mmである(このような仕様のパッドとして、3M製の5503Sがある。)。
また、図10に示すとおり、支持枠21’の表面には、超音波光変調器3の光路を妨げない範囲でペルチェ素子300が貼付されている。このペルチェ素子300は、支持枠21’の熱を空気側へと放熱する働きがある。
したがって、ペルチェ素子300と、支持枠21’と、パッド20’とからなる機構には、超音波光変調器3で発生した熱を超音波光変調器3から離れた空間へと放熱する働きがある。
具体的に、100秒間通電したときの超音波光変調器3の温度上昇量は、この放熱機能を有しなかった場合は5.5℃であるのに対し、放熱機能を有した場合は0.6℃程度に収まることが期待できる。したがって、本実施形態では、前述した交流電圧の適正周波数は殆ど変化しないとみなせる(図7参照)。
その結果、本実施形態では、周波数調節(又は振幅調節又は電解蓄積時間調節)の頻度を低減、或いは周波数調節(又は振幅調節又は電荷蓄積時間調節)を省略したとしても、超解像画像の取得精度を第1の実施形態と同程度に保つことができる。
[本発明を例示する構造化顕微鏡装置等の補足]
なお、本発明を例示する構造化照明顕微鏡装置において、前記超音波光変調器は、互いに対向する平行な側面対を複数有し、かつ光軸上に中心軸を配した柱状の音響光学媒体と、前記音響光学媒体の複数の側面対の各々の間に超音波を生起させる複数の超音波トランスデューサとを備えてもよい。
また、本発明を例示する構造化照明顕微鏡装置において、被観察物上に投影される干渉縞は、回折格子により生成される複数の光束のうち3つ以上の光束を用いて形成されるものであっても良い。
また、本発明を例示する構造化照明顕微鏡装置は、前記複数の超音波トランスデューサの何れか1つへ与えるべき駆動信号として正弦波状に時間変化する駆動信号を生成する信号生成手段と、前記信号生成手段が生成した駆動信号の入力先を前記複数の超音波トランスデューサの間で切り換える切換手段とを更に備えてもよい。
また、本発明を例示する構造化照明顕微鏡装置において、前記信号生成手段が生成する駆動信号の周波数は、前記音響光学媒体中に生起する超音波を定在波にするための周波数に設定されてもよい。
また、本発明を例示する構造化照明顕微鏡装置は、前記音響光学媒体の温度を検出する温度センサと、前記画像検出器の露出量を、前記温度センサが検出する温度に応じて調節する調節手段とを更に備えてもよい。
また、本発明を例示する構造化照明顕微鏡装置は、前記音響光学媒体で発生した熱を放熱する放熱手段を更に備えてもよい。
また、本発明を例示する構造化照明顕微鏡装置において、前記位相変化手段は、前記複数の方向の全てに対して非垂直な方向へ前記超音波光変調器をステップ移動させてもよい。
また、本発明を例示する構造化照明顕微鏡装置において、前記位相変化手段は、前記超音波光変調器の変調方向に応じて1ステップ分のストロークを変更してもよい。
[第3の実施形態]
以下、本発明の第3の実施形態について図を用いて説明する。本実施形態は、第1の実施形態の変形例である。ここでは、第1の実施形態との相違点のみを説明する。
図11は、本実施形態の構造化照明顕微鏡システムの構成図である。図11に示すとおり、本実施形態では、圧電アクチュエータ22が省略されており、構造化照明の位相をシフトさせる機能を、制御装置19が担っている。
制御装置19は、超音波光変調器3の超音波伝搬路Rに生起する超音波定在波を制御することにより、構造化照明の位相シフト量を2π/3ずつステップ状に変化させる(詳細は後述。)。そして、制御装置19は、構造化照明の位相が各状態にあるときに撮像装置12を駆動して3種類の画像データI−1、I、I+1を取得し、それらの画像データI−1、I、I+1を順次に画像記憶・演算装置13へ送出する。
画像記憶・演算装置13は、取り込まれた画像データI−1、I、I+1に対して分離演算を施すことにより、構造化照明の構造情報の除去された画像データIを取得する。さらに画像記憶・演算装置13は、その画像データIに対して復調演算を施すことにより、蛍光領域の構造情報の空間周波数が実際の空間周波数に戻された画像データI’を取得し、その画像データI’を画像表示装置14へ送出する。したがって、画像表示装置14には、対物レンズ9の解像限界を超えた解像画像(超解像画像)が表示される。
図12(A)は、超音波伝搬路R内に生起する超音波定在波のパターンを示す模式図であり、図12(B)は、それに対応する構造化照明のパターン(明部及び暗部の配置)を示す模式図である(但し、超音波伝搬路Rのパターンのうち、実際の構造化照明に反映されるのは、有効な光束が通過する部分のパターンのみである。)。また、図12(A)では、説明をわかりやすくするため、超音波伝搬路Rに生起する超音波定在波の波本数を実際よりも少ない「2」とした。
図12(A)に示すとおり、超音波定在波の波本数(位相変化2πで波本数1本とカウントする)が「2」であるときには、図12(B)に示すとおり、±1次光の干渉による構造化照明の縞本数(明部又は暗部の本数)は「4」となる。つまり、構造化照明の縞本数は、それに対応する超音波定在波の波本数の2倍となる。
したがって、図12(C)、(D)、(E)に示すとおり超音波定在波の波本数を2、(2+1/2)、3のように1/2ずつ3通りに変化させたならば(即ち、超音波定在波の波長を変化させたならば)、それに対応する構造化照明の縞本数は4、5、6のように1ずつ3通りに変化する。
ここで、図12中に白矢印で示すとおり超音波伝搬路Rの一端から1/2だけずれた部分のみに着目すると、その着目部分に対応する構造化照明の位相は、「π」ずつ3通りに変化している。
また、図12中に黒矢印で示すとおり超音波伝搬路Rの一端から1/3だけずれた部分のみに着目すると、その着目部分に対応する構造化照明の位相は、「2π/3」ずつ3通りに変化している。
よって、仮に、超音波伝搬路Rに対する光の入射領域を白矢印で示した位置のみに制限したならば、超音波定在波の波本数を1/2ずつ変化させるだけで、構造化照明の位相を「π」ずつ変化させることができる。
また、仮に、超音波伝搬路Rに対する光の入射領域を黒矢印で示した位置のみに制限したならば、超音波定在波の波本数を1/2ずつ変化させるだけで、構造化照明の位相を「2π/3」ずつ変化させることができる。
そこで本実施形態では、1ステップ当たりの位相シフト量を2π/3とするべく、図13(A)に示すとおり、超音波伝搬路Rへ入射する光のスポット(有効径)Sの中心から超音波伝搬路Rの一端までの距離Dは、超音波伝搬路Rの伝搬方向の長さLの1/3倍に設定される(D=L/3)。
但し、超音波伝搬路Rに生起する超音波定在波の波本数が1/2だけ変化すると、スポットSの内部に生起する超音波定在波の波本数も少しずれるので、図13(B)に示すとおりスポットSに対応する構造化照明S’の縞本数も少しずれてしまう(但し、図13に示した波パターン及び縞パターンは模式図であって、波本数及び縞本数は実際の本数に一致しているとは限らない。)。
そこで本実施形態では、超音波伝搬路Rの長さLは、構造化照明S’の縞本数のズレがほぼゼロとみなせるよう、スポットSの径φに比べて十分に大きく設定される。
具体的には、超音波伝搬路Rの長さLと、スポットSの径φとは、構造化照明S’の縞本数のズレの許容量δとに対して、φ/L<δの関係を満たすように設定される。例えば、構造化照明S’の縞本数のズレを0.15本以下に抑える必要があったならば、その関係式は、φ/L≦0.15となる。
また、超音波光変調器3の超音波伝搬路R上でスポットSの径φがφ/L<δの関係を必ずしも満たしてなくてもよく、例えば、超音波光変調器3から射出した±1次回折光を視野絞り5Bで絞った場合は、超音波伝搬路Rの長さL、標本面10における照明領域(観察領域、視野領域)の直径φ’、標本面10から超音波光変調器3への光学倍率mが、構造化照明S’の縞本数のズレの許容量δに対して、φ’×m/L<δの関係を満たすように設定されればよい。
本実施形態では、スポットSの径φを4mmと仮定する。この場合、超音波伝搬路Rの長さLを30mmに設定すれば、図13(C)に示すとおり、構造化照明S’の両端における縞のズレは、0.068本分程度に抑えられ、構造化照明S’の全域における縞本数のズレは0.68+0.68=0.13本程度に抑えられる。なお、図13(C)において点線で示したのは構造化照明S’の理想パターン(縞本数のズレがゼロである場合のパターン)であり、実線で示したのは構造化照明S’の実際のパターンであるが、わかりやすくするために両者のずれを強調して描いた。
図14は、超音波光変調器3の構成図である。図14(A)は、超音波光変調器3を正面(光軸方向)から見た図であり、図14(B)は、超音波光変調器3を側面(光軸に垂直な方向)から見た図である。
図14に示すように、超音波光変調器3は、音響光学媒体15を備え、その音響光学媒体15は、互いに対向する平行な側面対を3対有した角柱状に整えられている。これら3対の側面対の各々の一方に3つのトランスデューサ18a、18b、18cが個別に設けられており、これによって1つの音響光学媒体15内に3つの超音波伝搬路が形成される。以下、トランスデューサ18aの形成面とそれに相対する側面15aとの間に形成される超音波伝搬路を「超音波伝搬路Ra」とおき、トランスデューサ18bの形成面とそれに相対する側面15bとの間に形成される超音波伝搬路を「超音波伝搬路Rb」とおき、トランスデューサ18cの形成面とそれに対応する側面15cとの間に形成される超音波伝搬路を「超音波伝搬路Rc」とおく。
なお、音響光学媒体15の材質は、例えば石英ガラス、テルライトガラス、重フリントガラス、フリントガラスなどであり、3対の側面対及び2つの底面は、それぞれ十分な精度で研磨されている。
ここで、3つの超音波伝搬路Ra、Rb、Rcの各々の長さLは共通であり(L=30mm)、その長さLは前述したスポットSの径φに対して前述した条件を満たしている。また、3つの超音波伝搬路Ra、Rb、Rcは、各々の一端からL/3だけ離れた位置において60°ずつ異なる角度で交差している。その交差位置に前述したスポットSの中心が位置する。
トランスデューサ18aは、圧電体16aと、圧電体16aの上下面に個別に形成された2つの電極17aとを有した超音波トランスデューサであり、そのうち一方の電極17aを介して音響光学媒体15の1つの側面に接合されている。このトランスデューサ18aの2つの電極17aの間に高周波の交流電圧が印加されると、圧電体16aが厚み方向に振動し、超音波伝搬路Ra内を平面超音波が往復する。2つの電極17aの間に印加される交流電圧の周波数が特定の周波数(適正周波数)に設定された場合、その超音波は定在波となるので、超音波伝搬路の屈折率には、超音波の伝搬方向にかけて正弦波状の分布が付与される。これによって、超音波伝搬路Raは、超音波の伝搬方向と垂直な位相格子を持った位相型回折格子となる。以下、この超音波伝搬路Raの伝搬方向を、「第1方向」と称す。
また、トランスデューサ18bも、トランスデューサ18aと同じ構成をしており、圧電体16bと、圧電体16bの上下面に個別に形成された2つの電極17bとを有し、そのうち一方の電極17bを介して音響光学媒体15の1つの側面に接合されている。
したがって、トランスデューサ18bの2つの電極17bの間に適正周波数の交流電圧が印加されると、超音波伝搬路Rb内を平面超音波が伝搬するので、超音波伝搬路Rbは、超音波の伝搬方向と垂直な位相格子を持った位相型回折格子となる。以下、この超音波伝搬路Rbの伝搬方向を、「第2方向」と称す。この第2方向は、第1方向に対して60°の角度を成す。
また、トランスデューサ18cも、トランスデューサ18aと同じ構成をしており、圧電体16cと、圧電体16cの上下面に個別に形成された2つの電極17cとを有し、そのうち一方の電極17cを介して音響光学媒体15の1つの側面に接合されている。
したがって、トランスデューサ18cの2つの電極17cの間に適正周波数の交流電圧が印加されると、超音波伝搬路Rc内を平面超音波が伝搬するので、超音波伝搬路Rcは、超音波の伝搬方向と垂直な位相格子を持った位相型回折格子となる。以下、この超音波伝搬路Rcの伝搬方向を、「第3方向」と称す。この第3方向は、第1方向に対して−60°の角度を成す。
図15は、超音波光変調器3の駆動回路19Aを説明する図である。この駆動回路19Aは、図11に示した制御装置19の一部である。
図15に示すとおり駆動回路19Aは、高周波交流電源19A−1と切り換えスイッチ19A−2とを備える。
高周波交流電源19A−1は、超音波光変調器3へ供給されるべき交流電圧を生成する。その交流電圧の周波数は、制御回路19内のCPUによって適正周波数(例えば、数十MHz〜100MHz内の何れかの値)に制御される。
本実施形態では、前述した構造化照明S’の位相シフト量を−2π/3、0、+2π/3の3通りにステップ状に変化させるために、CPUは、その交流電圧の周波数を、周波数の異なる3通りの適正周波数f−1、f、f+1の間で切り換えることができるものとする。
例えば、適正周波数fは、長さLが30mmである超音波伝搬路Ra、Rb、Rcに100本の超音波定在波(それに対応する構造化照明の縞本数は200)を生起させるための適正周波数(80MHz)である。この適正周波数fによると、構造化照明S’の位相シフト量はゼロとなる。
この場合、適正周波数f−1は、長さLが30mmである超音波伝搬路Ra、Rb、Rcに(100−1/2)本の超音波定在波(それに対応する構造化照明の縞本数は199)を生起させるための適正周波数(79.946MHz)となる。この適正周波数f−1によると、構造化照明S’の位相シフト量は−2π/3となる。
また、適正周波数f+1は、長さLが30mmである超音波伝搬路Ra、Rb、Rcに(100+1/2)本の超音波定在波(それに対応する構造化照明の縞本数は201)を生起させるための適正周波数(80.054MHz)となる。この適正周波数f+1によると、構造化照明S’の位相シフト量は+2π/3となる。
切り換えスイッチ19A−2は、高周波交流電源19A−1と超音波光変調器3との間に配置され、超音波光変調器3の側の接続先を、超音波光変調器3の3つのトランスデューサ18a、18b、18cの間で切り換えることが可能である。スイッチ19A−2の接続先は、制御装置19内のCPUによって適宜に切り換えられる。
切り換えスイッチ19A−2の接続先がトランスデューサ18aの側であるとき、交流電圧はトランスデューサ18aの2つの電極の間に印加されるので、3つの超音波伝搬路Ra、Rb、Rcのうち超音波伝搬路Raのみが有効となる。
また、切り換えスイッチ19A−2の接続先がトランスデューサ18bの側であるとき、交流電圧はトランスデューサ18bの2つの電極の間に印加されるので、3つの超音波伝搬路Ra、Rb、Rcのうち超音波伝搬路Rbのみが有効となる。
また、切り換えスイッチ19A−2の接続先がトランスデューサ18cの側であるとき、交流電圧はトランスデューサ18cの2つの電極の間に印加されるので、3つの超音波伝搬路Ra、Rb、Rcのうち超音波伝搬路Rcのみが有効となる。
このように、有効な超音波伝搬路を3つの超音波伝搬路Ra、Rb、Rcの間で切り換えれば、構造化照明S’の方向を第1方向に対応する方向と、第2方向に対応する方向と、第3方向に対応する方向との間で切り換えることができる。
図16は、第3の実施形態におけるCPUの動作フローチャートである。以下、各ステップを順に説明する。
ステップS11:CPUは、切り換えスイッチ19A−2の接続先を1番目のトランスデューサ(トランスデューサ18a)の側に設定することにより、構造化照明S’の方向を第1方向に対応する方向に設定する。
ステップS12:CPUは、高周波交流電源19A−1が生成する交流電圧の周波数を、適正周波数f−1に設定することにより、構造化照明S’の位相シフト量を−2π/3に設定する。
ステップS13:CPUは、この状態で撮像装置12を駆動して画像データI−1を取得する。
ステップS14:CPUは、高周波数交流電源19A−1が生成する交流電圧の周波数を、適正周波数fに設定することにより、構造化照明S’の位相シフト量をゼロに設定する。
ステップS15:CPUは、この状態で撮像装置12を駆動して画像データIを取得する。
ステップS16:CPUは、高周波数交流電源19A−1が生成する交流電圧の周波数を、適正周波数f+1に設定することにより、構造化照明S’の位相シフト量を+2π/3に設定する。
ステップS17:CPUは、この状態で撮像装置12を駆動して画像データI+1を取得する。
ステップS18:CPUは、構造化照明S’の方向が前述した3方向の全てに設定済みであるか否かを判別し、設定済みで無い場合はステップS19へ移行し、設定済みであった場合はフローを終了する。
ステップS19:CPUは、切り換えスイッチ19A−2の接続先を切り換えることにより構造化照明S’の方向を切り換えてから、ステップS12へ移行する。
以上のフローによると、第1方向に関する画像データIa−1、Ia、Ia+1と、第2方向に関する画像データIb−1、Ib、Ib+1と、第3方向に関する画像データIc−1、Ic、Ic+1とが取得される。これらの画像データは、画像記憶・演算装置13へ取り込まれる。
画像記憶・演算装置13は、一連の3つの画像データIa−1、Ia、Ia+1に対して線形演算からなる分離演算を施すことにより、構造化照明S’の構造情報を含まない画像データIaを取得し、その画像データIaに対して復調係数の乗算からなる復調演算を施すことにより、第1方向に亘る超解像画像の復調画像データIa’を取得する。
また、画像記憶・演算装置13は、一連の3つの画像データIb−1、Ib、Ib+1に対して線形演算からなる分離演算を施すことにより、構造化照明S’の構造情報を含まない画像データIbを取得し、その画像データIbに対して復調係数の乗算からなる復調演算を施すことにより、第2方向に亘る超解像画像の復調画像データIb’を取得する。
また、画像記憶・演算装置13は、一連の3つの画像データIc−1、Ic、Ic+1に対して線形演算からなる分離演算を施すことにより、構造化照明S’の構造情報を含まない画像データIcを取得し、その画像データIcに対して復調係数の乗算からなる復調演算を施すことにより、第3方向に亘る超解像画像の復調画像データIc’を取得する。
そして画像記憶・演算装置13は、3つの復調画像データIa’、Ib’、Ic’を波数空間上で合成してから再び実空間に戻すことにより、第1方向、第2方向、第3方向に亘る超解像画像の画像データIを取得し、その画像データIを画像表示装置14へ送出する。したがって、画像表示装置14には、標本面10の蛍光領域の構造を詳細に示す超解像画像が表示される。
以上、本実施形態では、超音波伝搬路Rの長さLと、スポットSの径φと、超音波伝搬路Rの一端からスポットSの中心までの距離Dとが、前述した最適な関係に設定されているので、超音波光変調器3に与える交流電圧の周波数を電気的に切り換えるだけで、構造化照明S’の位相を切り換えることできる。その切り換えに要する時間は短く、電源を含む回路系の時定数込みでも10ms以下に抑えられる。
したがって、一連の画像データの取得に要する時間は、構造化照明S’の位相を切り換えるために光学素子又は標本を機械的に移動させる場合と比較して、格段に短く抑えられる。
また、本実施形態では、構造化照明S’の位相を切り換えるために、光学素子又は標本を機械的に移動させる必要が無いので、光学系周辺の構成をシンプルに抑えることができる。
また、本実施形態では、1つの音響光学媒体15内に角度の異なる3つの超音波伝搬路Ra、Rb、Rcを形成したので、切り換えスイッチ19A−の接続状態を電気的に変更するだけで、構造化照明S’の方向を切り換えることができる。その切り換えに要する時間は短く、電源を含む回路系の時定数込みでも10ms以下に抑えられる。
したがって、一連の画像データの取得に要する時間は、構造化照明S’の方向を切り換えるために光学素子又は標本を機械的に回動させる場合と比較して、格段に短く抑えられる。
なお、本実施形態の音響光学媒体15は、3つの超音波伝搬路Ra、Rb、RcをスポットSの中心に関して非対称な関係で配置していたが(図14参照)、例えば図17に示すとおり対称な関係で配置してもよい。因みに、図14に示す例の利点は、音響光学媒体15の外形の凹凸が少ないところにあり、図17に示す例の利点は、3つの超音波伝搬路Ra、Rb、Rcの環境が完全に一致するところにある。
また、上記説明では、超音波伝播路Ra、Rb、Rcの長さを共通とし、トランスデューサ18a、18b、18cに与えられる交流電圧の周波数の変化パターンを共通としたが、これに限定されることは無い。
また、上記説明では、トランスデューサ18a、18b、18cの各々に与えられる交流電圧の周波数の変化パターンを、超音波定在波の波本数が1/2本ずつ変化するようなパターンとしたが、これに限定されることは無い。
また、上記説明では、第1方向及び第2方向及び第3方向の各々の構造化照明S’の位相シフトピッチを2π/3とするために、スポット(有効径)Sの中心から超音波伝搬路Ra、Rb、Rcの各々の端部までの距離Dは、超音波伝搬路Rの伝搬方向の長さLの1/3倍に設定した(D=L/3)が、これに限定されることはない。
具体的には、超音波伝播路Ra、Rb、Rcの各々は以下の条件を個別に満たしていればよい。
先ず、トランスデューサに与えられる交流電圧の周波数の変化パターンは、超音波定在波の波本数がM/2本ずつ変化するようなパターンであればよい(但し、|M|は1以上の整数)。
また、構造化照明S’の位相シフトピッチを任意の値Δψに設定するために、超音波伝搬路の何れか一方の端部から部分領域(例えばスポットS)の中心までの距離Dと、超音波伝搬路の全長Lとは、D:L=Δψ/M:2πの関係を満たせばよい。
なお、標本面10に干渉縞を形成するために、超音波光変調器3の超音波伝搬路R上で射出光束の通過領域(スポット)が、必ずしも超音波伝搬路Rの両端から離れた部分領域に制限されていなくともよく、例えば、超音波伝搬路Rを通過した光束を視野絞り5Bで絞った場合は、標本面10における照明領域(観察領域、視野領域)に形成される干渉縞(構造化照明S’)に寄与する射出光束が通過したであろう超音波伝搬路Rの部分領域が、D:L=Δψ/M:2πの関係を満たしていればよい。
因みに、M=1とすれば、超音波定在波の本数が1/2本ずつしか変化しないので、その変化に起因して構造化照明S’の縞本数に生じるズレを極めて小さく抑えることができる。
また、Δψ=2π/k(但し、|k|は2以上の整数)とすれば、上述した分離演算に必要な画像データ(複数枚の画像データ)を確実に取得することができる(なお、上記の説明では、位相シフトピッチΔψを2π/3としたので、画像データの必要枚数は3であったが、位相シフトピッチΔψが他の値であった場合には、画像データの必要枚数が3以外になることもある。)。
なお、本実施形態では、第1の実施形態の変形例を説明したが、第2の実施形態を同様に変形してもよいことは言うまでもない。
[第4の実施形態]
以下、本発明の第4の実施形態について図を用いて説明する。本実施形態は、面形状測定装置の実施形態である。
図18は、本実施形態の面形状測定装置(パターン投影型の面形状測定装置)の構成図である。図18に示すとおり面形状測定装置には、可干渉光源(レーザ光源)111と、制御装置19’と、レンズ113と、ピンホール部材114と、超音波光変調器3’と、コリメータレンズLと、撮像部120とが配置される。図18中に符号10’で示すのは、不図示のステージに配置された測定物の表面(測定対象面)10’である。このうち、可干渉光源111と、レンズ113と、ピンホール部材114と、超音波光変調器3’と、コリメータレンズLと、制御装置19’とが、測定対象面10’へ縞パターンを投影する投影部であり、不図示のステージの基準面に対して光軸が斜めになるように配置されている。
超音波光変調器3’には、第3実施形態で説明した超音波光変調器と同様の超音波光変調器が適用される。前述したL、φ、D、M、Δψ、kなどの各パラメータは、第3実施形態と同様の最適な関係に設定されている。但し、本実施形態の超音波光変調器3’は光の分岐方向を切り換える必要が無いので、例えば図19に示すとおり超音波光変調器3’の音響光学媒体15’を四角柱状にし、その内部に形成される超音波伝搬路Rの数を1としても構わない。
超音波光変調器3’は、第3実施形態と同様、超音波伝搬路Rに超音波定在波を生起させることによって位相型回折格子の働きをする。超音波光変調器3’で分岐した回折光は、測定対象面10’上に干渉縞を形成する。
制御装置19’は、超音波光変調器3’に与える交流電圧の周波数を第3実施形態で説明したのと同様のパターンで切り換えることが可能である。これによって、測定対象面10’に投影される縞の位相は、第3実施形態における構造化照明S’の位相と同様に切り換わる。
撮像部120は、不図示のステージの基準面に対して光軸が垂直となるように配置されており、縞の投影された測定対象面10’の像を撮像する。この撮像部120は、測定対象面10’からの反射光を結像する結像光学系と、測定対象面10’の画像を撮像する撮像素子とを有している。
撮像部120は、縞の位相が各状態にあるときに測定対象面10’を撮像し、それによって取得した複数の画像データ(位相シフトピッチが2π/3であった場合は3つの画像データ)を不図示の演算装置へ送出する。その演算装置は、それら複数の画像データを所定の演算式(位相シフトピッチが2π/3であった場合は3バケット法の式)に当てはめることにより、測定対象面10’の各位置の高さを算出する。
以上、本実施形態の面形状測定装置においては、測定対象面10’上へ投影された縞の位相が切り換えられるが、その切り換えでは交流電圧の周波数を電気的に切り換えるだけである。
したがって、一連の画像データ(位相シフトピッチが2π/3であった場合は3つの画像データ)の取得に要する時間は、縞の位相を切り換えるために光学素子又は測定対象物を機械的に移動させる場合と比較して、格段に短く抑えられる。
なお、本実施形態の説明では、±1次回折光による干渉縞(2光束構造化照明)を標本面10(光軸をZ方向とするとX-Y面内)に形成する例を用いて説明しているが、本発明は、0次回折光及び±1次回折光による干渉縞(光軸方向にも干渉縞が形成される3光束構造化照明)を標本に形成する場合にも当然適用することができる。
また、本実施形態の説明では、±1次回折光による干渉縞の位相を変化させるために、超音波伝播路Ra、Rb、Rcで生起される超音波定在波の波本数、即ち、超音波定在波の波長を、所定のパターンで変化させる一つの方法として、超音波光変調器3のトランスデューサ18a、18b、18cに与えられる交流電圧の周波数を所定のパターンで変化させることを説明したが、この方法限られないことは言うまでもない。
すなわち、本実施形態では、第3の実施形態の超音波光変調器の応用例(面形状測定装置)を説明したが、第1の実施形態又は第2の実施形態の超音波光変調器を同様に応用してもよいことは言うまでもない。
1:光ファイバー、2:コレクタレンズ、3、3’:超音波光変調器、4:レンズ、5A:0次光カットマスク、5B:視野絞り、9:対物レンズ、10:標本面、10’:測定対象面、12:撮像装置、13:画像記憶・演算装置、19:制御装置、14:画像表示装置、15、15’:音響光学媒体、16:圧電体、18:トランスデューサ、19A:駆動回路、19A−1:高周波交流電源、19A−2:切り換えスイッチ、20,20’:パッド、21,21’:支持枠、22:圧電アクチュエータ、201:温度センサ、300:ペルチェ素子

Claims (23)

  1. 光源からの射出光束中に配置され、その射出光束を横切る方向に音波伝搬路を配した光変調器と、
    前記音波伝搬路の媒体を振動させるための駆動信号を前記光変調器へ与えることにより、前記音波伝搬路内に音波定在波を生起させる駆動手段と、
    前記音波伝搬路を通過した前記射出光束の互いに異なる回折成分を干渉させ、その干渉縞を被観察物に形成する照明光学系と
    を備えることを特徴とする構造化照明装置。
  2. 請求項1に記載の構造化照明装置において、
    前記駆動手段は、
    前記光変調器へ与える前記駆動信号の周波数を所定の周波数に設定することにより前記音波定在波を生起させる
    ことを特徴とする構造化照明装置。
  3. 請求項2に記載の構造化照明装置において、
    前記駆動信号の周波数、振幅の少なくとも1つを前記音波伝搬路の媒体の温度に応じて調節する調節手段を備える
    ことを特徴とする構造化照明装置。
  4. 請求項3に記載の構造化照明装置において、
    前記音波伝搬路の媒体の温度を検出する温度センサを備え、
    前記調整手段は、
    前記温度センサが検出する前記温度に応じて前記駆動信号の周波数を調節する
    ことを特徴とする構造化照明装置。
  5. 請求項3に記載の構造化照明装置において、
    前記音波伝搬路の媒体の温度を検出する温度センサを備え、
    前記調整手段は、
    前記温度センサが検出する前記温度に応じて前記駆動信号の振幅を調節する
    ことを特徴とする構造化照明装置。
  6. 請求項1又は請求項2に記載の構造化照明装置において、
    前記音波伝搬路の媒体で発生した熱を放熱する放熱手段を備える
    ことを特徴とする構造化照明装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の構造化照明装置において、
    前記干渉縞の位相を変化させる位相変化手段を備える
    ことを特徴とする構造化照明装置。
  8. 請求項7に記載の構造化照明装置において、
    前記位相変化手段は、
    前記光変調器を所定の方向に移動させる駆動装置である
    ことを特徴とする構造化照明装置。
  9. 請求項8に記載の構造化照明装置において、
    前記駆動装置は、
    前記音波定在波の方向に応じて移動量を変更する
    ことを特徴とする構造化照明装置。
  10. 請求項7に記載の構造化照明装置において、
    前記干渉縞に寄与する前記射出光束は、
    前記音波伝搬路の両端から離れた所定の部分領域を通過したものであり、
    前記位相変化手段は、
    前記音波定在波の波長を所定のパターンで変化させることにより前記干渉縞の位相を変化させる前記駆動手段である
    ことを特徴とする構造化照明装置。
  11. 請求項10に記載の構造化照明装置において、
    前記駆動手段は、
    前記光変調器へ与える前記駆動信号の周波数を所定のパターンで変化させることにより前記音波定在波の波長を変化させる
    ことを特徴とする構造化照明装置。
  12. 請求項11に記載の構造化照明装置において、
    前記駆動手段は、
    前記音波定在波の全体の波本数がM/2本ずつ変化するようなパターンで前記周波数を変化させるものであり(但し、|M|は1以上の整数)、
    前記干渉縞の位相シフトピッチをΔψに設定する場合は、前記音波伝搬路の何れか一方の端部から前記部分領域までの距離Dと、前記音波伝搬路の全長Lとは、D:L=Δψ/M:2πの関係を満たすように設定される
    ことを特徴とする構造化照明装置。
  13. 請求項12に記載の構造化照明装置において、
    M=1である
    ことを特徴とする構造化照明装置。
  14. 請求項12又は請求項13に記載の構造化照明装置において、
    Δψ=2π/k、
    但し、|k|は2以上の整数である
    ことを特徴とする構造化照明装置。
  15. 請求項1〜請求項14の何れか一項に記載の構造化照明装置において、
    前記光変調器は、
    前記部分領域で交差した複数の前記音波伝搬路を有する
    ことを特徴とする構造化照明装置。
  16. 請求項15に記載の構造化照明装置において、
    前記光変調器は、
    互い対向する平行な側面対を複数有した柱状の音響光学媒体と、それら複数の側面対の各々の間に形成される音波伝搬路へ音波定在波を生起させる複数の超音波トランスデューサとを備えた
    ことを特徴とする構造化照明装置。
  17. 請求項15に記載の構造化照明装置において、
    複数の前記音波伝搬路の配置関係は、
    前記照明光学系の光軸と直交する面内において互いに異なる複数の方向の間で前記干渉縞の方向が切り替え可能となるように設定されている
    ことを特徴とする構造化照明装置。
  18. 請求項16に記載の構造化照明装置において、
    前記複数の超音波トランスデューサのいずれか1つへ与える前記駆動信号を生成する信号生成手段と、
    前記信号生成手段が生成した前記駆動信号の入力先を前記複数の超音波トランスデューサの間で切り換える切換手段と
    を備えたことを特徴とする構造化照明装置。
  19. 請求項1〜請求項18の何れか一項に記載の構造化照明装置と、
    前記構造化照明装置により照明された前記被観察物からの観察光束を検出器に結像する結像光学系と
    を備えたことを特徴とする構造化照明顕微鏡装置。
  20. 請求項19に記載の構造化照明顕微鏡装置において、
    前記音波伝搬路の媒体の温度に応じて前記検出器の露出量を調節する調節手段を備えた
    ことを特徴とする構造化顕微鏡照明装置。
  21. 請求項19又は請求項20に記載の構造化照明顕微鏡装置において、
    前記観察光束は、蛍光光束である
    ことを特徴とする構造化照明顕微鏡装置。
  22. 請求項19〜請求項21の何れか一項に記載の構造化照明顕微鏡装置において、
    前記波長の切り換え中に前記検出器が順次に取得した複数の画像に基づき前記被観察物の超解像画像を算出する演算手段を備えた
    ことを特徴とする構造化照明顕微鏡装置。
  23. 請求項1〜請求項18の何れか一項に記載の構造化照明装置と、
    前記構造化照明装置により照明された前記被観察物の画像を検出する画像検出器と、
    前記波長の切り換え中に前記画像検出器が順次に取得した複数の画像に基づき前記被観察物の面形状を算出する演算手段と
    を備えたことを特徴とする面形状測定装置。
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