JP5699421B2 - 顕微鏡装置 - Google Patents

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Description

本発明は、試料に照明光を照射し、照明光に基づく試料からの戻り光を検出する顕微鏡装置に関する。
顕微鏡観察において、生体の深部観察を行う際には、焦点面以外からの戻り光の影響により、画像のSN比は劣化する。この現象はたとえ共焦点顕微鏡を用いたとしても充分取り除くことはできていない。
この、問題点を解消するための技術(USP5,973,828、USP5,969,854、USP6,423,956、DE4326473)が提案されている。
これらの技術では、二つの対物レンズを用いて、それぞれの焦点領域が交差するように配置することと共焦点顕微鏡技術を組み合わせるによって、それらの交差領域のみの情報が得られることにより、水平分解能は少々悪くなるが、主として深度方向の分解能を向上させるものである(USP5,973,828の図2参照)。
また、これらの構成を比較的低NAのレンズで構成した場合には次の効果があることが非特許文献2に記載されている。
(1)光軸方向の分解能が向上する。
(2)NAが小さいため、生体深部観察においても収差が発生しにくい。
(3)小さい径のものが製作しやすい。
(4)WDを長くできて深部観察に適する。
(5)二つの光路が別々のため、深部観察を行っても観察面以外からの戻り光などのノイズ光の影響を受けにくい。
また、USP5,973,828の図7には、二つの対物レンズの位置関係を保ったまま焦点位置を走査する走査機構が開示されている。また、非特許文献1、非特許文献2には、対象物をステージ等で移動させて走査する方法が開示されている。
米国特許第5,973,828号明細書 米国特許第5,969,854号明細書 米国特許第6,423,956号明細書 独国特許第4326473号明細書
「Confocal microscope with large field and working distance」, Applied Optics, Vol.38, No.22, pp.4870 「Dual-axis confocal microscope for high-resolution in vivo imaging」,Optics Letters,Vol.28,No.6,pp414
このように、角度を付けて配置した2つの対物レンズを用いて、一方から光を投光して他方から光を検出することにより、信号のSN比が向上し、深部観察が可能となっている。しかしながら、より深部からの情報を得たいという要望には対応できない。
本発明の目的は、従来の装置よりもさらに深部からの情報を得ることができ、生体深部の観察に適した顕微鏡装置を提供することにある。
本発明の顕微鏡装置は、試料に照明光を照射し、前記照明光に基づく前記試料からの戻り光を検出する顕微鏡において、可干渉性を有する照明光を少なくとも2つに分離する分離手段と、前記分離手段により分離された前記照明光の少なくとも一方に一定周波数での変調を加える変調手段と、前記分離された照明光を前記試料において光路が重なるように導く対物レンズと、前記光路が重なった部分で起こる干渉光によって生じる光を、戻り光として検出する検出手段と、を備え、分離されたそれぞれの照明光の前記試料への入射角度が互いに異なり、前記照明光の少なくとも2つに互いに異なる一定周波数の変調を加えると共に、前記試料の焦点において起こる干渉光に前記少なくとも2つの変調周波数の和もしくは差の周波数で変化する強度変調を起こさせ、この強調変調の周波数成分を抽出することを特徴とする。
この顕微鏡装置によれば、分離された照明光の少なくとも一方に変調を加え、分離されたそれぞれの照明光について試料において光路が重なるように導くとともに、この光路が重なった部分で起こる干渉光を、戻り光として検出するので、従来の装置よりもさらに深部からの情報を得ることができ、生体深部の観察に適している。
前記対物レンズは、前記分離された照明光を前記試料において同一の焦点を結ばせるとともに、前記検出手段は、前記焦点で起こる干渉光によって生じる光を、戻り光として前記対物レンズを介して取得し、検出してもよい。
前記分離された照明光は、前記対物レンズを出てから焦点を結ぶまでの光路が互いに分離され、重ならなくてもよい。
前記変調が位相変調、強度変調、周波数変調のいずれかであると共に、前記干渉光によって発生する光の信号を取得し、前記少なくとも2つの変調周波数の和もしくは差の周波数成分を抽出してもよい。
前記戻り光が蛍光であり、前記検出手段は前記干渉光によって生じる蛍光を検出してもよい。
前記少なくとも2つの照明光は前記対物レンズの瞳位置において、前記対物レンズの瞳径よりも小さい光で互いに重ならない位置に平行光として入射させてもよい。
前記照明光の焦点を前記対物レンズの焦点面で走査するとともに、前記検出手段は走査された各々の焦点からの戻り光を検出してもよい。
本発明の顕微鏡装置によれば、分離された照明光の少なくとも一方に変調を加え、分離されたそれぞれの照明光について試料において同一焦点を結ばせるとともに、焦点で起こる干渉光を、戻り光として検出するので、従来の装置よりもさらに深部からの情報を得ることができ、生体深部の観察に適している。
実施例1の顕微鏡装置の構成を示すブロック図。 変調装置の構成を示す図。 収束点が走査される様子を示す図。 異なる周波数での変調を受けた光が重なる領域を示す図。 実施例2の顕微鏡装置の構成を示すブロック図。 変調装置の構成を示す図であり、(a)および(b)は、それぞれ別の変調装置の構成を示す図。 変調装置の構成等を示す図であり、(a)は別の変調装置を光源の方向からみた図、(b)は光の交差領域を示す図。 対物レンズ周辺の変形例を示す図。 実施例3の顕微鏡装置の構成を示すブロック図。
以下、本発明による顕微鏡装置の実施形態について説明する。
以下、図1〜図4を参照して、実施例1の顕微鏡装置について説明する。
図1は、実施例1の顕微鏡装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施例の顕微鏡装置1は、近赤外の波長を有するコリメート光を発するレーザ光源2を有し、その前面には変調装置3が配置されている。
図2は、変調装置3の構成を示す図である。図2に示すように、変調装置3は図2においてレーザ光の右側一部を周波数f1=10.1MHzで変調する第1のAOM(音響光学素子)3aと、図2においてレーザ光の左側一部を周波数f2=10MHzで変調する第2のAOM3bと、を有する。変調は、強度変調でも位相変調でも周波数変調でもよく、同様の効果が得られる。
図1に示すように、変調装置3の先には、レーザ光の向きを変えるためのダイクロイックミラー4と、レーザ光を走査するための走査光学ユニット5とが配置されている。
ダイクロイックミラー4は、波長により異なる反射性・透過性を示し、レーザ光を反射し、レーザ光により励起された蛍光を透過させる特性を有する。
走査光学ユニット5は、一本の軸の周りに回転可能な可変ミラー5aと、可変ミラー5aの軸にほぼ直交する一本の軸の周りに回転可能な可変ミラー5bとを備えている。
さらに、顕微鏡装置1は、光を収束させる瞳投影レンズ6と、レーザ光を偏向するミラー7と、結像レンズ8と、対物レンズ9とを備えている。また、対物レンズ9の先には、試料12を載せるステージ11が設けられている。
また、ダイクロイックミラー4の近傍には試料12から発生した蛍光を選択的に透過する蛍光フィルタ13が設けられるとともに、蛍光フィルタ13の先には、蛍光ビームを収束させるレンズ14と、ピンホールが形成されたピンホール部材15と、ピンホール部材15のピンホールを通過した光を検出する検出器16と、が順次、設けられる。検出器16からの信号はバンドパスフィルタ19を介してコントローラ17に与えられる。
コントローラ17は、光学走査ユニット4の走査制御、光検出器16からの信号の取得、変調装置3の制御等を実行する。また、表示モニタ18に情報を出力する。
以下、本実施例の顕微鏡装置1の動作について説明する。
レーザ光源2からの光によって励起される蛍光指示薬が導入された試料12は、ステージ11上に配置される。
レーザ光源2からのレーザ光は、変調装置3に入射し、レーザ光の右側の一部はAOM3aによって周波数f1=10.1MHzで変調され、レーザ光の左側の一部はAOM3bによって周波数f2=10MHzで変調される。これらの光はダイクロイックミラー4によって光走査ユニット5へと導かれ、光走査ユニット5によって任意の方向に走査される。
レーザ光はさらに瞳投影レンズ6、反射ミラー7、結像レンズ8を通過し、対物レンズ9に入射される。対物レンズ9によってこのレーザ光は収束されるとともに、光走査ユニット5によってこの収束点は焦点面上を走査される。
図3は収束点が走査される様子を示す図である。図3において、実線および点線は走査されるレーザ光の光束を示している。
図3に示すように、光走査ユニット5によって対物レンズ9に入射するレーザ光の入射角度が変化し、これにより収束点10が焦点面10Aで走査される。周波数f1で変調されたレーザ光と、周波数f2で変調されたレーザ光は、対物レンズ9に対し互いに異なる角度で入射し、対物レンズ9を出てから焦点を結ぶまでの光路が互いに分離され、重ならない。
図4は、異なる周波数での変調を受けた光が重なる領域を示す図である。
図4におけるハッチングで示した領域が2つの光の交差領域を示す。図4に示すように、この交差領域においてのみ、それぞれの変調を受けた光が重なる。この領域において、2つの光は干渉を起こし、2つの差の周波数である100kHzで強度変調される。この変調がかかったレーザ光によって試料12の蛍光指示薬が励起されて、蛍光が生じる。
この蛍光は対物レンズ9の全領域で捕らえられてレーザ光とは逆向きに進み、結像レンズ8、反射ミラー7、瞳投影レンズ6、光走査ユニット5を介してダイクロイックミラー4へ導かれる。この蛍光はダイクロイックミラー4を透過して、蛍光フィルタ13によって特定の波長成分が選択的に透過され、レンズ14と、ピンホール15とによって焦点面からの光のみが選択されて、検出器16へ入る。
光検出器16からの出力信号は、バンドパスフィルタ19に送られ、ここで差の周波数100kHz近傍の周波数のみが抽出される。さらに信号はコントローラ17へ導かれ、走査制御に同期してデジタル信号に変換され、走査位置と対応させて画像データが作成される。この画像データは、画像として表示モニタ18上に表示され、あるいは、コントローラ17内部のメモリに記憶される。
また、図示しないアクチュエータによって、対物レンズもしくは試料を対物レンズの光軸方向に移動させて、別の深さの画像を観察することもできる。さらに、光走査ユニット5とアクチュエータを連動させて、任意の断面画像を観察したり、3次元情報を観察したりすることが可能である。
このように、本実施例の顕微鏡装置1では、焦点の交差領域のみで、互いに異なる周波数で変調した光の干渉を起こさせ、その差の周波数で交差領域のみで強度変調を加えているので、この領域のみの蛍光がこの差の周波数成分を有する。本実施例の顕微鏡装置1では、バンドパスフィルタ19でこの周波数成分のみを抽出するので、交差領域の蛍光情報がSN比良く検出できるようになり、生体の深部の蛍光情報も得ることができる。
また、レーザ光の右側の光路と左側の光路が対物レンズ9を出た後に、互いの光軸が概ね90度で交差するように構成するときに図3に示す交差領域が最も小さくなるので、この場合に分解能が最良となる。
なお、図4に示す交差領域のみの蛍光がバンドパスフィルタ19により抽出されるため、ピンホール部材15を用いなくても共焦点効果は得られるが、ピンホールを挿入することで一層SN比が向上する。
本実施例では、変調装置3をレーザ光前面に配置したが、その位置は限定されない。例えば、ダイクロイックミラー4で反射した後の光路に挿入しても良いし、対物レンズの瞳近傍に挿入しても良い。また、瞳位置がリレーされる、走査光学ユニット5の近傍に挿入しても良い。
また、変調装置3に代えて、2つの電気光学変調素子(EOM)によって位相変調もしくは周波数変調を加えるように構成しても、同様の効果が得られる。また、他の変調手段を用いても構わない。
また、AOM3a、3bを周波数シフタとして使用しても構わない。この場合、互いに異なる一定周波数で駆動されるAOMに光を入射し、周波数変調の加わった回折光を用いても同様の効果が得られる。
また、照明のための光源としては干渉距離の短い光源がより好ましく、近赤外光のSLD(スーパールミネッセンスダイオード)や白色光、LEDなどを用いることによって、焦点付近以外の光路長が異なる領域では干渉が起こらなくなり、さらにSN比が向上する。
また、SLDの代わりに、極短パルス光を用いても同様の効果が得られる。
また、本実施例では1つの対物レンズを用いて、2つの変調光を重ね合わせたが、これに限らず、焦点位置を合わせた複数の対物レンズを用いて変調光を重ねても良い。
さらに、交差領域において差の周波数で変調される励起光によって生じる非線形現象を利用しても良い。例えば、変調される励起光によって生じる多光子蛍光を検出しても良く、また、変調される励起光の波長が半分になる2次高調波やさらに高次の高調波を検出しても良い。さらに、励起光による蛍光の変調周波数が2倍となる周波数の高調波を検出しても良い。
また、本実施形態では、出力信号の中の2つの変調周波数の差の成分を抽出したが、用いる変調周波数によっては、和の成分を抽出しても構わない。
また、光走査手段として可変ミラーを示したが、これに限らず音響光学偏向素子、電気変調偏向素子を用いても良い。また、資料を走査しても良く、顕微鏡の一部または全体を走査しても構わない。
以上のように、本実施例の顕微鏡装置1によれば、試料を照明するレーザ光を対物レンズの瞳の別の領域から、それぞれ違う周波数で変調を加えて投光し、2つの光の集光点が交差する領域で差周波数の強度変調を起こさせて、その光で励起を行い、そこで発生する蛍光の差周波成分のみを抽出したので、極めてSN比が良く、組織の深部観察に適している。
以下、図5を参照して、実施例2の顕微鏡装置について説明する。実施例2の顕微鏡装置は、蛍光ではなく反射、散乱光を検出するものである。
図5は、実施例2の顕微鏡装置の構成を示すブロック図である。実施例1と同一要素には同一符合を付し、その説明は省略する。
実施例2の顕微鏡装置1Aでは、光源としてコリメート光を発する近赤外光のSLD21(スーパールミネッセンスダイオード)を使用する。また、実施例1におけるダイクロイックミラー4の代わりに偏光ビームスプリッタ22が用いられ、蛍光フィルタ13の代わりに偏光フィルタ24が用いられる。さらに対物レンズ10の前には、1/4波長板23が挿入されている。
変調装置3は実施例1と同様、図2においてレーザ光の右側一部を周波数f1=10.1MHzで変調する第1のAOM(音響光学素子)3aと、図2においてレーザ光の左側一部を周波数f2=10MHzで変調する第2のAOM3bと、を有する。
次に、本実施例の顕微鏡装置1Aの動作について説明する。
SLD21からの光は、直線偏光を有する。変調装置3で変調を加えられ偏光ビームスプリッタ22で反射された後、同様の光路を通り、1/4波長板23でそれぞれ円偏光へと変換され、対物レンズ9によって焦点を結ぶ。
実施例1と同様、焦点の交差領域でのみ干渉を起こして差周波数(100kHz)での強度変調が与えられる。焦点からの反射、散乱光は対物レンズ9で集められて、もう一度1/4波長板23を通過することにより、入射光とは90度偏光方向の異なる偏光となり、照明光の光路を逆方向に戻り、今度は偏光ビームスプリッタ22を透過した後に、偏光フィルタ24でその偏光成分を選択され、さらに、ピンホール部材18を介して検出器19で検出される。
光検出器16からの出力信号は、バンドパスフィルタ19に送られ、ここで差の周波数100kHz近傍の周波数のみが抽出される。さらに信号はコントローラ17へ導かれ、走査制御に同期してデジタル信号に変換され、走査位置と対応させて画像データが作成される。この画像データは、画像として表示モニタ18上に表示され、あるいは、コントローラ17内部のメモリに記憶される。
本実施例の顕微鏡装置1Aで使用されるSLD21の光は、約10μm程度の可干渉距離を有しているため、光路長が等しくなる場合のみ干渉が生じる。光は試料12において、様々な散乱するが、光路長が等しくなる焦点近傍でしか干渉が生じない。この焦点近傍の干渉光による戻り光のみを抽出できるので、反射、散乱光でも、焦点の情報をSN比良く検出できる。
なお、上記差周波数(100kHz)を抽出する代わりに、非線形現象によって交差領域でおきるf1−f2の成分の高調波を検出しても良い。
以上のように、本実施例の顕微鏡装置1によれば、試料を照明する可干渉光を対物レンズの瞳の別の領域から、それぞれ違う周波数で変調を加えて投光し、2つの光の集光点が交差する領域で差周波数の強度変調を起こさせて、そこで発生する反射、散乱光の差周波成分のみを抽出したので、生体深部の反射、散乱光を極めてSN比が良い状態で検出でき、組織の深部観察に適している。
以下、変調装置の種々の形態について説明する。実施例1または実施例2の顕微鏡装置において、以下の変調装置を変調装置3に代えて使用することができる。
図6(a)は、別の変調装置30の構成を示す図である。
図6(a)に示すように、変調装置30は、光路の右側一部に位相変調を加える電気光学変調素子(EOM)30aと、中心部付近を遮光するマスク31とを備える。位相変調された光は、交差領域で変調されていない光と重なって干渉を起こすことによって、変調を加えた周波数の強度変調となり、この光で励起を行うので蛍光もこの変調周波数を有する。これをこの変調周波数のみを通過させるバンドパスフィルタ19で抽出する。このような構成によっても、変調装置3(図2(a))を使用する場合と同様の効果を得ることができる。また、EOM30aの代わりにAOMを挿入して、周波数シフトを行う周波数変調を加えても同様の効果が得られる。
図6(b)は別の変調装置40の構成を示す図である。
変調装置40は4枚のミラー41,42,43,44と、2つの台形プリズム45,46と、台形プリズム45,46に振動を加える2つの圧電素子47,48とを備える。
図6(b)において光束の右側の一部は、ミラー43、台形プリズム46、ミラー44で順次、反射され、下向きに射出する。また、図6(b)において光束の左側の一部は、ミラー41、台形プリズム45、ミラー42で順次、反射され、下向きに射出する。
変調装置40では、ミラー43で光路の右側の一部を抽出し、圧電素子48を周波数f1で振動させることによって、図6(b)において左右に台形ミラー46を往復移動させ、この光に周波数f1の位相変調を与える。同様に、ミラー41で光路の左側の一部を抽出し、圧電素子47を周波数f2で振動させることによって、図6(b)において左右に台形ミラー45を往復移動させ、この光に周波数f2の位相変調を与える。
このように、変調装置40によれば、内部の光路長を変化させることで、変調装置3と同様の変調を与えることができる。
図7(a)は、別の変調装置50を光源の方向からみた図である。
光軸中心部には第1のEOM51が、光軸周辺部には第2のEOM52が、それぞれ設けられ、両者の間には遮光マスク53が設けられる。
変調装置50では、光軸中心部にある第1のEOM51で周波数f1の変調を加え、周辺部にある第2のEOM52で周波数f2の変調を加える。
図7(b)は光の交差領域を示す図である。このように、対物レンズ9の中心部から周波数f1の変調を受けた光が、対物レンズ9の周辺部から周波数f2の変調を受けた光が、それぞれ入射し、中心部で交差する。これにより、ハッチングで示す交差領域でのみ差周波数の強度変調を起こさせることができる。これにより、変調装置3を使用した場合と同様の効果を得ることができる。
光路の分け方はこれに限らず、同様の効果が得られればどのようなパターンでも構わない。また、3つ以上の周波数で変調を加えた光を用いても良い。
図8は対物レンズ9の周辺の変形例で、結像レンズ8より先端の部分のみを表す。図のように光はプリズム60によって2方向に分割され、それぞれミラー61、62に反射されて、光軸が平行に配置された2つの対物レンズ9a、9bに入射される。2つの対物レンズ9a、9bを通過した光は図のように同じ焦点10を結ぶ。ここで2つの対物レンズ9a、9bはその焦点面が一致するように配置されているので、光を走査した際に焦点が一致したまま走査され、実施例1もしくは2と同様の効果が得られる。
図9は、実施例3の顕微鏡装置の構成を示すブロック図である。実施例1、2と同一要素には同一符合を付し、その説明は省略する。
図9に示すように、本実施例の顕微鏡装置1Bは、可干渉距離の短い近赤外の波長を有する発散光を発するSLD素子70を有し、その前面にはコリメートレンズ71が配置されており、その先には光を2分岐するビームスプリッタ72が配置されている。
ビームスプリッタ72で反射された光は二つの変調装置のうちの第1のEOM(電気光学変調素子)3a通過するように構成されている。また、ビームスプリッタ72を通過した光は、その先のミラー73で反射した後に第2のEOM3b通過するように構成されている。
ここでEOM3aは周波数f1=10.1MHzで通過する光に位相変調を加え、EOM3bは周波数f1=10MHzで通過する光に位相変調を加えるように構成されている。これらのEOM3a、EOM3bは電気的にコントローラ17に接続されている。
EOM3aの先には、ミラー75、ウェッジプリズム76、第1の対物レンズ77が図のように配置されている。また、EOM3bの先には、ミラー78、ウェッジプリズム79、第2の対物レンズ79が配置されている。
また、二つの対物レンズ77,79はその焦点位置が概ね同じ位置になるように配置されており、焦点10で交差する構成になっている。また、焦点10には試料を走査するXYZ方向に移動可能な電動ステージ82に載せられた試料12が設けられている。SLD素子70を出てから焦点10までの二つの光路長は等しくなるように構成されている。
また、二つの対物レンズ77,79の間には、検出用レンズ80、蛍光フィルタ81、検出器16が配置されている。また、検出器16はバンドパスフィルタ19を介してコントローラ17と接続されている。
コントローラ17は、電動ステージ82の走査制御、光検出器16からの信号の取得、変調装置3の制御等を実行する。また、表示モニタ18に情報を出力する。
以下、本実施例の顕微鏡装置1Bの動作について説明する。
SLD素子70からの光によって励起される蛍光指示薬が導入された試料12は、電動ステージ82上に配置される。
SLD素子70からの光は、コリメートレンズ71によってコリメートされ、ビームスプリッタで分岐された後に、それぞれ二つのEOM3a、3bに入射される。EOM3aを通過した光は周波数f1=10.1MHzで位相変調され、EOM3bを通過した光は周波数f2=10MHzで変調される。
EOM3aを通過した光は、ミラー75で反射した後にウェッジプリズム76で向きを変えられた後に、第1の対物レンズ77によって焦点10を結ぶ。また、EOM3bを通過した光は、ミラー78で反射した後にウェッジプリズム79で向きを変えられた後に、第2の対物レンズ79によって同じ位置の焦点10を結ぶように構成されている。
この焦点10の近傍において、2つの光は干渉を起こし、2つの差の周波数である100kHzで強度変調される。この変調が加わった光によって試料12の蛍光指示薬が励起されて、蛍光が生じる。
この蛍光は、検出用レンズ80で集められ、蛍光フィルタ81で蛍光の波長成分のみが選択されて、検出器16で検出される。検出器16からの信号はバンドパスフィルタ19によって100kHz周辺の周波数成分のみが抽出されてコントローラ17に与えられる。
また、コントローラ17は電動ステージ82を走査して、水平方向断面や、垂直方向断面などの所望の断面の蛍光情報を取得して、表示モニタ18に出力する。
本実施例では実施例1と同様の効果を有する。
さらに本実施例は実施例2と同様に可干渉距離が10μm程度のSLD光源を用いている。このため光路長が等しくなる場合のみ干渉が生じる。光は試料12において、様々に散乱するが、光路長が等しくなる焦点近傍でしか干渉が生じない。この焦点近傍の干渉によって生じる蛍光の情報のみを抽出できるので、焦点の情報をSN比良く検出できる。
本実施例では二つの対物レンズの焦点位置が等しくなる例を示したが、これに限らず焦点近傍において二つの光が交差するような構成を取っても同様の効果が得られる。
本発明の適用範囲は上記実施形態に限定されることはない。本発明は、試料に照明光を照射し、照明光に基づく試料からの戻り光を検出する顕微鏡装置に対し、広く適用することができる。
3 変調装置(変調手段)
9 対物レンズ
12 試料
16 検出器(検出手段)
19 バンドパスフィルタ(検出手段)
30 変調装置(変調手段)
40 変調装置(変調手段)
50 変調装置(変調手段)

Claims (6)

  1. 試料に照明光を照射し、前記照明光に基づく前記試料からの戻り光を検出する顕微鏡において、
    可干渉性を有する照明光を少なくとも2つに分離する分離手段と、
    前記分離手段により分離された前記照明光の少なくとも一方に一定周波数での変調を加える変調手段と、
    前記分離された照明光を前記試料において光路が重なるように導く対物レンズと、
    前記光路が重なった部分で起こる干渉光によって生じる光を、戻り光として検出する検出手段と、
    を備え、
    前記分離手段により分離されたそれぞれの照明光の前記試料への入射角度が互いに異なり、
    前記照明光の少なくとも2つに互いに異なる一定周波数の変調を加えると共に、前記試料の焦点において起こる干渉光に前記少なくとも2つの変調周波数の和もしくは差の周波数で変化する強度変調を起こさせ、この強調変調の周波数成分を抽出することを特徴とする顕微鏡装置。
  2. 前記対物レンズは、前記分離された照明光を前記試料において同一の焦点を結ばせるとともに、前記検出手段は、前記焦点で起こる干渉光によって生じる光を、戻り光として前記対物レンズを介して取得し、検出することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡装置。
  3. 前記変調が位相変調、強度変調、周波数変調のいずれかであると共に、前記干渉光によって発生する光の信号を取得し、前記少なくとも2つの変調周波数の和もしくは差の周波数成分を抽出することを特徴とする請求項1または2に記載の顕微鏡装置。
  4. 前記戻り光が蛍光であり、前記検出手段は前記干渉光によって生じる蛍光を検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の顕微鏡装置。
  5. 前記少なくとも2つの照明光は前記対物レンズの瞳位置において、前記対物レンズの瞳径よりも小さい光で互いに重ならない位置に平行光として入射されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の顕微鏡装置。
  6. 前記照明光の重なった部分を走査するとともに、前記検出手段は走査された各々の焦点からの戻り光を検出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の顕微鏡装置。
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