JP2016105126A - 顕微鏡装置 - Google Patents

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山宮 広之
Hiroyuki Yamamiya
広之 山宮
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Abstract

【課題】従来の装置よりもさらに深部からの観察情報を得ることができ、生体深部の観察に適した顕微鏡装置を提供すること。【解決手段】試料に可干渉性を有する照明光を照射し、前記照明光に基づく前記試料からの戻り光を検出するように構成された顕微鏡において、前記照明光を少なくとも2系統に分離し、分離された前記照明光の少なくとも一方に変調を加える変調手段と、前記分離された照明光を前記試料において同一の焦点を結ばせる対物レンズと、前記焦点で発生する干渉光によって生じる光を戻り光として前記対物レンズを介して取得し検出する検出手段とを備え、前記対物レンズを出てから焦点を結ぶまでの照明光の光路と、戻り光のうちの検出器で検出される光の焦点から対物レンズまでの光路が重ならないように異なることを特徴とするもの。【選択図】 図1

Description

本発明は、顕微鏡装置に関し、特により深部の観察が行える顕微鏡装置に関するものである。
顕微鏡観察において、生体の深部観察を行う際には、焦点面以外からの戻り光の影響により、画像のSN比は劣化する。この現象は、たとえ共焦点顕微鏡を用いたとしても充分取り除くことはできていない。
これを解決するための技術として、一般的に2光子顕微鏡が知られているが、2光子顕微鏡には以下の問題点がある。
・特殊な短パルス光源が必要であり、装置は高価になる。
・低倍率のマクロ観察を行おうとした場合、焦点は十分に小さくならないため2光子励起の効率が悪くなり、深部観察ができない。
これらの問題を解消する技術として、特許文献1として引用する特表2010-532878号公報に記載されているが知られている。
この技術は、走査型レーザ顕微鏡において、レーザ光の空間的に分けられた一部に位相変調を加えて焦点でのみ強度変調を発生させるとともに、戻ってくる蛍光の強度変調成分を抽出することによって、深部の蛍光情報のみを抽出する技術である。
特表2010-532878号公報
しかし、この技術を用いても、照明光路の途中で発生する蛍光成分も検出器で検出されてしまう。
この結果、強度変調の成分のみを抽出しようとしても、多大なノイズである直流成分が検出器で検出されると、微弱な深部観察信号はノイズに埋もれてしまって十分な感度で検出することは困難である。すなわち、十分な深部観察が行えないという問題がある。
本発明は、これらの問題点を解決したものであり、その目的は、従来の装置よりもさらに深部からの観察情報を得ることができ、生体深部の観察に適した顕微鏡装置を提供することにある。
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
試料に可干渉性を有する照明光を照射し、前記照明光に基づく前記試料からの戻り光を検出するように構成された顕微鏡において、
前記照明光を少なくとも2系統に分離し、分離された前記照明光の少なくとも一方に変調を加える変調手段と、
前記分離された照明光を前記試料において同一の焦点を結ばせる対物レンズと、
前記焦点で発生する干渉光によって生じる光を戻り光として前記対物レンズを介して取得し検出する検出手段とを備え、
前記対物レンズを出てから焦点を結ぶまでの照明光の光路と、戻り光のうちの検出器で検出される光の焦点から対物レンズまでの光路が重ならないように異なることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の顕微鏡装置において、
前記照明光と戻り光は、前記対物レンズの瞳位置において互いに異なる領域を通過することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の顕微鏡装置において、
前記照明光は対物レンズの瞳位置の外周部を通過し、前記戻り光は瞳位置の中心部付近を通過することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の顕微鏡装置において、
前記対物レンズの形状は光軸方向から見た場合に1方向に長い扁平形状であり、前記扁平形状の対物レンズの中心領域において戻り光を通過させるとともに、中心領域を挟む長手方向に二つの照明光を通過させる領域を設けたことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の顕微鏡装置において、
前記対物レンズとして、可変焦点レンズを用いたことを特徴とする。
本発明の顕微鏡装置によれば、従来に比べてさらに深部からの観察情報を得ることができ、生体深部の観察に好適である。
本発明に基づく第1の実施例の構成を示すブロック図である。 変調装置3の構成説明図である。 レーザ光の収束点の走査説明図である。 フィルタ13の開口正面図である。 EOMを用いた変調装置3の構成説明図である。 本発明に基づく第2の実施例の構成を示すブロック図である。 本発明に基づく第3の実施例の構成を示すブロック図である。 変調装置33の構成説明図である。 プローブ先端部34の構成説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明に基づく第1の実施例の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施例の顕微鏡装置1は、近赤外の波長を有するコリメート光を発するレーザ光源2を有し、その前面には変調装置3が配置されている。
図2は変調装置3の構成説明図であり、(A)は側面図、(B)は光軸方向に沿って見た正面図である。(B)に示すように、変調装置3は4つのAOM(音響光学素子)の領域3a〜3dを有し、他の部分は光を遮光する構造となっている。
ここで、AOM3a、3cはたとえば周波数f1=10.1MHzで周波数変調を行い、AOM3b、3dはたとえば周波数f2=10MHzで周波数変調を行う。
再び図1において、変調装置3の先には、レーザ光の向きを変えるためのダイクロイックミラー4と、レーザ光を走査するための走査光学ユニット5とが配置されている。
ダイクロイックミラー4は、波長により異なる反射性・透過性を示すものであり、レーザ光を反射し、レーザ光により励起された蛍光を透過させる特性を有する。
走査光学ユニット5は、一本の軸の周りに回転可能な可変ミラー5aと、可変ミラー5aの軸にほぼ直交する一本の軸の周りに回転可能な可変ミラー5bとを備えている。
さらに、顕微鏡装置1は、光を収束させる瞳投影レンズ6と、レーザ光を偏向するミラー7と、結像レンズ8と、対物レンズ9とを備えている。また、対物レンズ9の先には、試料12を載せるステージ11が設けられている。
また、ダイクロイックミラー4の近傍には試料12から発生した蛍光の一部の領域を選択的に透過するフィルタ13が設けられている。このフィルタ13には、特定の蛍光波長のみを透過させる蛍光フィルタ膜が設けられている。
フィルタ13の光路の先には、蛍光ビームを収束させるレンズ14と、ピンホールが形成されたピンホール部材15と、ピンホール部材15のピンホールを通過した光を検出する検出器16とが順次設けられている。検出器16の出力信号は、バンドパスフィルタ19を介してコントローラ17に与えられる。
コントローラ17は、光学走査ユニット4の走査制御や、光検出器16からの信号の取得や、変調装置3の制御などを実行する。また、表示モニタ18に情報を出力する。
図1のように構成される顕微鏡装置1の動作を説明する。
レーザ光源2の出力光により励起される蛍光指示薬が導入された試料12は、ステージ11上に配置される。
レーザ光源2の出力光は、図2に示すような変調装置3に入射される。レーザ光の領域の一部はAOM3a、3cにより周波数f1=10.1MHzで変調され、レーザ光の左側の一部はAOM3b、3dによって周波数f2=10MHzで変調される。これらの光はダイクロイックミラー4によって光走査ユニット5へと導かれ、光走査ユニット5によって任意の方向に走査される。
レーザ光はさらに瞳投影レンズ6、反射ミラー7、結像レンズ8を通過して、対物レンズ9に入射される。このレーザ光は対物レンズ9により収束されるとともに、このレーザ光の収束点は光走査ユニット5によって焦点面上を走査される。
図3は、レーザ光の収束点の走査説明図である。図3において、実線および点線は走査されるレーザ光の光束を示している。
図3に示すように、光走査ユニット5によって対物レンズ9に入射するレーザ光の入射角度が変化し、これにより収束点10が焦点面10Aで走査される。周波数f1で変調されたレーザ光と周波数f2で変調されたレーザ光は、対物レンズ9の瞳の外周付近に投影されて互い平行な角度で入射し、対物レンズ9を出てから焦点を結ぶまでの光路は互いに分離されて重ならない。
ここで、すべての光は対物レンズ9によって集光され、焦点においてのみ、それぞれの変調を受けた光が重なる。この領域において、4つの光は干渉を起こし、2つの差の周波数である100kHzで強度変調される。この強度変調されレーザ光により試料12の蛍光指示薬が励起され、蛍光が生じる。
この蛍光は対物レンズ9の全領域で捕らえられてレーザ光とは逆方向に進み、結像レンズ8、反射ミラー7、瞳投影レンズ6、光走査ユニット5を介してダイクロイックミラー4へ導かれる。この蛍光はダイクロイックミラー4を透過して、フィルタ13によって選択的に特定の場所の蛍光の波長成分が選択的に透過され、レンズ14とピンホール15により焦点面からの光のみが選択されて検出器16に入射される。
図3では、フィルタ13で選択的に透過される領域を対物レンズ9の瞳位置に投影する状態と、フィルタ13の開口とを示している。
図4は、フィルタ13の開口を図3の対物レンズ9の瞳位置における光軸に沿った方向から見た正面図である。このように、励起する光路とは異なる光路で蛍光を回収する。
光検出器16の出力信号はバンドパスフィルタ19に送られ、差の周波数100kHz近傍の周波数のみが抽出される。バンドパスフィルタ19の出力信号はコントローラ17に入力され、走査制御に同期してデジタル信号に変換され、走査位置と対応した画像データが作成される。この画像データは、画像として表示モニタ18上に表示されるとともにコントローラ17内部のメモリに記憶される。
また、図示しないアクチュエータにより対物レンズまたは試料を対物レンズの光軸方向に移動させて、別の深さの画像を観察することもできる。さらに、光走査ユニット5とアクチュエータを連動させて任意の断面画像を観察したり、3次元情報を観察することもできる。
図1のように構成される顕微鏡装置は、焦点の交差領域のみで互いに異なる周波数で変調した光の干渉を発生させ、その差の周波数で交差領域のみで強度変調を加えているので、この領域のみの蛍光がこの差の周波数成分を有することになる。
そして、バンドパスフィルタ19でこの周波数成分のみを抽出するので、交差領域の蛍光情報をSN比よく検出でき、生体の深部の蛍光情報も得ることができる。
さらに、励起光の光路と蛍光を回収する光路が分離されているため、励起光の光路中に存在する蛍光物質が蛍光を発しても検出器で検出されることはなく、ノイズ成分が低くなることからSN比よく観察が行える。
また、レーザ光の照明光の光路が対物レンズ9の瞳位置の外周付近を通るため、強度変調を起こす焦点領域はほぼ回折限界まで小さくなり、この領域からの変調成分を抽出することで分解能は最良となる。
仮に励起光の光路を対物レンズの瞳の中心付近に配置し、蛍光を回収する光路を瞳位置の外周部に配置した場合を考えると、強度変調を起こす焦点領域が大きくなる。蛍光を回収する光路は理想的には前記強度変調の領域の中の回折限界に近い領域の情報を回収するが、試料における光散乱や回折の影響で周辺部の変調領域の情報も混入するため、分解能は前述の構成ほどには向上しない。
なお、図3に示す焦点領域のみの蛍光がバンドパスフィルタ19により抽出されることから、ピンホール部材15を用いなくても共焦点効果は得られるが、ピンホールを挿入することで一層SN比が向上する。
本実施例では変調装置3をレーザ光前面に配置しているが、その位置は限定されない。たとえばダイクロイックミラー4で反射した後の光路に挿入してもよいし、対物レンズの瞳近傍に挿入してもよい。また、瞳位置がリレーされる、走査光学ユニット5の近傍に挿入してもよい。
また、本実施例ではAOMを用いて周波数変調を行っているが、これに限らずAOMを用いて強度変調を行っても同様の効果が得られる。
また、変調装置3に代えて、2つの電気光学変調素子(EOM)によって位相変調もしくは強度変調を加えるように構成しても同様の効果が得られる。
図5は図2のAOMの代わりにEOMを用いた変調装置3の構成説明図であり、(A)は側面図、(B)は光軸方向に沿って見た正面図である。
変調装置には二つのEOM3e、3fが配置されており、それぞれ100KHzで位相変調が加えられている。また領域3g、3hは変調を加えない透過領域である。この構成においても図2の構成と同様に焦点領域で100kHzの強度変調が得られる。
一般にAOMの周波数変調は極めて周波数が高いため、二つの差周波数を用いることが多いが、EOMを用いると一つのEOMでAOMに比べて低い周波数の変調が行えることから、このような構成にすることができる。
また、これらEOMの形状は円形に限るものではなく、図5(C)に示すように瞳の外周部を囲むように配置することでより分解能の高い画像が得られる。
また、照明の光源としては干渉距離の短い光源がより好ましく、近赤外光のSLD(スーパールミネッセンスダイオード)や白色光、LEDなどを用いることによって、焦点付近以外の光路長が異なる領域では干渉が起こらなくなり、さらにSN比が向上する。
また、SLDの代わりに、極短パルス光を用いても同様の効果が得られる。
また、本実施例では1つの対物レンズを用いて2つの変調光を重ね合わせているが、これに限らず、焦点位置を合わせた複数の対物レンズを用いて変調光を重ねてもよい。
さらに交差領域で変調される励起光によって生じる多光子蛍光を検出してもよく、波長が半分になる2次高調波やより高次の高調波を検出してもよい。
また、光走査手段として可変ミラーを示したが、これに限らず音響光学偏向素子や電気変調偏向素子を用いてもよい。また、試料を走査してもよく、顕微鏡の一部または全体を走査しても構わない。
図1のような構成の顕微鏡装置1によれば、試料12を照明するレーザ光を対物レンズ9の瞳の別の領域からそれぞれ異なる周波数で変調を加えて投光し、2つの光の集光点が交差する領域で差周波数の強度変調を発生させてその光で励起を行い、そこで発生する蛍光を励起光の光路とは異なる光路で回収検出するとともに変調成分である差周波成分のみを抽出しているので、極めてSN比がよく、組織の深部観察に適している。
図6は本発明に基づく第2の実施例の構成を示すブロック図であり、図1と共通する部分には同一の符号を付けている。第2の実施例の顕微鏡装置は、蛍光ではなく反射、散乱光を検出する。
図6に示す第2の実施例では、光源としてコリメート光を発する近赤外光のSLD21(スーパールミネッセンスダイオード)を使用する。また、図1のダイクロイックミラー4の代わりに偏光ビームスプリッタ22が用いられ、蛍光を透過させるフィルタ13の代わりに特定の偏光を透過させるフィルタ24が用いられている。さらに対物レンズ10の前段には、1/4波長板23が挿入されている。
変調装置3は、図1で用いるものと同様に構成されていて、レーザ光の一部を周波数f1=10.1MHzで変調するAOM(音響光学素子)3a、3cと、レーザ光の一部を周波数f2=10MHzで変調するAOM3b、3dとを有している。
図6の動作を説明する。
SLD21の出力光は、直線偏光を有している。変調装置3で変調され偏光ビームスプリッタ22で反射された後、同様の光路を通り、1/4波長板23でそれぞれ円偏光に変換され、対物レンズ9によって焦点を結ぶ。
図1の実施例と同様に、焦点の交差領域でのみ干渉を起こして差周波数(100kHz)での強度変調が与えられる。焦点からの反射、散乱光は対物レンズ9で集められてもう一度1/4波長板23を通過することにより、入射光とは90度偏光方向の異なる偏光となり、照明光の光路を逆方向に戻る。
今度は偏光ビームスプリッタ22を透過した後に、フィルタ24でその偏光成分が選択され、さらにピンホール部材18を介して検出器19で検出される。フィルタ24は、図1の構成と同様に、励起光の光路とは異なる光路の反射光、散乱光のみを通過させる。
光検出器16の出力信号はバンドパスフィルタ19に送られ、ここで差の周波数100kHz近傍の周波数のみが抽出される。さらに信号はコントローラ17へ導かれ、走査制御に同期してデジタル信号に変換され、走査位置と対応させて画像データが作成される。この画像データは、画像として表示モニタ18上に表示され、あるいは、コントローラ17内部のメモリに記憶される。
図6で用いるSLD21の出力光は、10μm程度の可干渉距離を有しているため、光路長が等しくなる場合のみ干渉が生じる。SLD21の出力光は試料12に照射されて様々に散乱するが、干渉は光路長が等しくなる焦点近傍でしか生じない。この焦点近傍の干渉光による戻り光のみを抽出できるので、焦点の情報をSN比よく検出できる。
なお、上記差周波数(100kHz)を抽出する代わりに、非線形現象によって交差領域で発生するf1−f2の成分の高調波を検出してもよい。
図6のように構成される顕微鏡装置は、試料を照明する可干渉光を対物レンズの瞳の別の領域からそれぞれ異なる周波数で変調して投光することにより、光の集光点が交差する領域で差周波数に基づく強度変調を発生させ、そこで発生する反射、散乱光の差周波成分のみを抽出するので、生体深部の反射、散乱光を極めてSN比がよい状態で検出でき、組織の深部観察に適している。
さらに、照明光の光路と反射、散乱光を回収する光路が分離されているため、照明光の光路中にある試料の反射、散乱光が検出器で検出されることはなく、ノイズ成分が低くなるためよりSN比よく観察が行える。
また、照明光の光路が対物レンズ9の瞳位置の外周付近を通るため、強度変調を起こす焦点領域はほぼ回折限界まで小さくなり、この領域からの変調成分を抽出することで分解能が最良となる。
図7は、本発明に基づく第3の実施例の構成を示すブロック図である。図7に示す顕微鏡装置30は、細長いプローブ34を有する生体内観察に適したものである。レーザ光源31は、近赤外の波長を有する光を、シングルモードのファイバで構成されるファイバカプラ32に出力する。ファイバカプラ32は2系統のファイバ32a、32bに分岐され、レーザ出力光も等分される。これらファイバ32a、32bは変調装置33を通る。
図8は、変調装置33の構成説明図である。変調装置33は、一つのファイバ位相変調器33aを有している。このファイバ位相変調器33aは、たとえばピエゾ素子が円筒状に形成されたものである。ファイバ位相変調器33aの外周がピエゾ素子に加えられる電圧によって伸縮することにより、円筒に巻きつけられたファイバ32bを通る光は10MHzで位相変調される。他方のファイバ32aを通る光は変調されない。
変調装置33を通ったファイバ32a、32bはプローブ部34に導入される。また、プローブ34は、プローブ先端部34aで検出される光を伝達する検出用のシングルモードのファイバ32cを有する。
図9はプローブ先端部34の構成説明図であり、(A)は拡大図、(B)は可変焦点レンズの正面図である。プローブ34はアウターシース40とその内側のインナーシース41によって構成されている。インナーシース41は図示しないフレキシブルシャフトによってアウターシース40に対して図示しないモータによって回転可能に構成され、アウターシース40のプローブ先端部34近傍は近赤外光を透過する材質で構成されている。
ファイバ32a、32bの先端には先端光学系42a、42bが配置されており、ファイバからの光をコリメートするとともにプリズムで反射する構成となっている。また、ファイバ32cの先端にも同様の先端光学系42cが配置されているが、こちらは試料からの光を光ファイバに導入するように作用する。
先端光学系42a、42b、42cの近傍には、可変焦点レンズ43が試料35と対向するように配置されている。この可変焦点レンズ43は、図9(B)に示すように円形のレンズ形状を扁平に切り落とした形状となっており、電気的な信号により内部の屈折率分布が変化することによって、その焦点位置を高速に変えることができる。
可変焦点レンズ43の中心部には検出用のファイバ32cに入る光が通過する領域が配置され、その領域の両側には励起用のファイバ32a、32bからの光が通過する領域が配置されている。
検出用の光ファイバ32cは検出器36に接続されるが、検出器36の内部には所望の蛍光波長のみを通過させる図示しない蛍光フィルタが配置されている。検出器36からの信号はバンドパスフィルタ37を介してコントローラ38に与えられる。
コントローラ17は、光検出器16の出力信号の取得、可変焦点レンズ43の制御、変調装置3の制御、インナーシースを回転させる図示しないモータの回転制御なども実行する。また、表示モニタ18に表示すべき情報を出力する。
図7に示す第3の実施例の動作を説明する。
レーザ光源31の出力光はファイバカプラ32に導かれ、二つのファイバ32a、32bに分岐されて変調装置33に入射される。一方のファイバ32b内部の光は10MHzで位相変調される。
これらファイバファイバ32a、32bに入射されたレーザ光源31の出力光はプローブ先端部34aに導かれ、先端光学系42a、42bにより、平行光に変換された後に直角に向きを変える。これらの光は可変焦点レンズ43の外側を通過して、試料35内部で焦点を結ぶ。これら二つの光は焦点において干渉し、10MHzの強度変調となる。強度変調されたレーザ光によって試料12の蛍光指示薬が励起され、蛍光が生じる。
この蛍光は可変焦点レンズ43の中心部の領域で捕らえられて先端光学系42cによって検出用の光ファイバ32cに導かれる。ファイバ32cに導かれた蛍光から、検出器36内部の図示しない蛍光フィルタによって所望の蛍光波長のみが検出される。
光検出器36の出力信号はバンドパスフィルタ37に送られ、変調周波数10MHz近傍の周波数のみが抽出される。さらに信号はコントローラ18へ導かれる。また、コントローラは可変焦点レンズ43をたとえば10kHzで駆動し、インナーシースをたとえば10Hzで回転させる。
この結果、焦点は10kHzで深さ方向に走査されるとともに、回転方向には10Hzで走査される。
検出された信号は、走査制御に同期してデジタル信号に変換され、走査位置と対応した画像データが作成される。この画像データは画像として表示モニタ39上に表示されるとともに、コントローラ38内部のメモリに記憶される。
このように、本実施例の顕微鏡装置30では、焦点の交差領域のみで変調した光の干渉を発生させて位相変調を強度変調に変換するが、焦点の領域のみの蛍光がこの周波数成分を有する。
バンドパスフィルタ37でこの周波数成分のみを抽出することで、焦点領域の蛍光情報をSN比よく検出でき、生体の深部の蛍光情報も得ることができる。
さらに、励起光の光路と蛍光を回収する光路が分離されているため、励起光の光路中にある蛍光物質が蛍光を発生しても検出器で検出されることはなく、ノイズ成分が低くなることからSN比よく観察が行える。
また、対物レンズとして高速な可変焦点レンズを用いたので高速な深さ方向走査が可能である。
また、可変焦点レンズを1方向に長い扁平形状に構成し、その長手方向外周付近に励起用の二つの光を通すため、1方向だけではあるが強度変調を起こす焦点領域をほぼ回折限界まで小さくできる。
また、可変焦点レンズを1方向に長い扁平形状に構成できることから、プローブを細径にすることができる。
以上説明したように、本発明によれば、従来の装置よりもさらに深部からの観察情報を得ることができ、生体深部の観察に適した顕微鏡装置が実現できる。
1 顕微鏡装置
2 レーザ光源
3 変調装置
4 ダイクロイックミラー
5 走査光学ユニット
6 瞳投影レンズ
7 偏向ミラー
8 結像レンズ
9 対物レンズ
10 焦点位置
11 ステージ
12 試料
13 フィルタ
14 レンズ
15 ピンホール部材
16 検出器
17 コントローラ
18 表示モニタ

Claims (5)

  1. 試料に可干渉性を有する照明光を照射し、前記照明光に基づく前記試料からの戻り光を検出するように構成された顕微鏡において、
    前記照明光を少なくとも2系統に分離し、分離された前記照明光の少なくとも一方に変調を加える変調手段と、
    前記分離された照明光を前記試料において同一の焦点を結ばせる対物レンズと、
    前記焦点で発生する干渉光によって生じる光を戻り光として前記対物レンズを介して取得し検出する検出手段とを備え、
    前記対物レンズを出てから焦点を結ぶまでの照明光の光路と、戻り光のうちの検出器で検出される光の焦点から対物レンズまでの光路が重ならないように異なることを特徴とする顕微鏡装置。
  2. 前記照明光と戻り光は、前記対物レンズの瞳位置において互いに異なる領域を通過することを特徴とする請求項1記載の顕微鏡装置。
  3. 前記照明光は対物レンズの瞳位置の外周部を通過し、前記戻り光は瞳位置の中心部付近を通過することを特徴とする請求項1または請求項2記載の顕微鏡装置。
  4. 前記対物レンズの形状は光軸方向から見た場合に1方向に長い扁平形状であり、前記扁平形状の対物レンズの中心領域において戻り光を通過させるとともに、中心領域を挟む長手方向に二つの照明光を通過させる領域を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の顕微鏡装置。
  5. 前記対物レンズとして、可変焦点レンズを用いたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の顕微鏡装置。
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