JP5546972B2 - 電子デバイス並びに下面電極型固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

電子デバイス並びに下面電極型固体電解コンデンサおよびその製造方法 Download PDF

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本発明は電子デバイス並びに下面電極型固体電解コンデンサおよびその製造方法に関する。
代表的な電子デバイスとして下面電極型固体電解コンデンサを用いて説明する。従来から弁作用金属として、タンタル、ニオブなどを用いた固体電解コンデンサは、小型で静電容量が大きく、周波数特性に優れ、CPUのデカップリング回路あるいは電源回路などに広く使用されている。また、携帯型電子機器の発展に伴い、特に下面電極型固体電解コンデンサの製品化が進んでいる。
この様な下面電極型固体電解コンデンサとして、陽極端子及び陰極端子が形成されたプリント配線板にコンデンサ素子が接続された電子部品が特許文献1で提案されている。図7は従来の下面電極型固体電解コンデンサの構造を示す正面断面図である。
図7に示すように従来の下面電極型固体電解コンデンサは、コンデンサ素子81から引出された陽極リード82(特許文献1では陽極リード線と記載)に溶接された陽極リード体84(特許文献1では支持部材と記載)をプリント配線板92(特許文献1では変換基板と記載)の陽極内部端子90(特許文献1では陽極接続端子と記載)と高温半田85で接続されている。
更にコンデンサ素子81の陰極層とプリント配線板92の陰極内部端子89(特許文献1では陰極接続端子と記載)は導電性接着剤88で接続され、その後、絶縁性の外装樹脂83でコンデンサ素子81等が覆われ固体電解コンデンサの製品外形が形成される。プリント配線板92の陽極外部端子87(特許文献1では陽極実装端子と記載)および陰極外部端子86(特許文献1では陰極接続端子と記載)が実装基板との実装部となっている。
次に従来の下面電極型固体電解コンデンサの製造方法について同様に図7を参照して説明する。プリント配線板92の絶縁板91の上部に設けた陽極内部端子90に高温半田85を印刷し、陰極内部端子89に導電性接着剤88を塗布する。その後、高温半田85を塗布した位置に、抵抗溶接などにより陽極リード82と接続された陽極リード体84を配置すると同時に、導電性接着剤88を塗布した位置に、コンデンサ素子81を搭載し固着する。そして、プリント配線板92上のコンデンサ素子81等を外装樹脂83でモールド外装し、その後所定の寸法に切削しチップ状コンデンサを作製する。ここで、特許文献1には特に記載は無いが、製品の特性を示す表示をレーザマーカにて行う際は所定の寸法に切断する前にまとめて行うのが一般的である。
特開2009−105241号公報
下面電極型固体電解コンデンサの構造において、同一外形サイズの下面電極型固体電解コンデンサにおいてより大きな静電容量を得る目的でコンデンサ素子を大きくしようとした場合、コンデンサ素子と下面電極型固体電解コンデンサ上面部との間の外装樹脂の肉厚を薄くし、下面電極型固体電解コンデンサの外形形状高さ方向でコンデンサ素子を大きくする方法がある。この時、弊害として樹脂外装時に起こる外装樹脂の流れ不足に起因するコンデンサ素子の製品上面部の露出を防止する事を目的に、通常外装樹脂に使用するトランスファーモールド樹脂に替えて、樹脂に含まれるフィラーの径がより小さい液状エポキシ樹脂を外装樹脂として使用する方法がある。
しかし、液状エポキシ樹脂自体には離型剤成分を含んでいないため、下面電極型固体電解コンデンサを製造する時に問題となる場合がある。
製造方法の例として樹脂外装後、外装樹脂上面部にレーザマーカにて表示後、下面電極型固体電解コンデンサを所定の寸法に切断する。その際、ウエハーリング(ダイシング専用治具)にダイシングテープ(製品固定用テープ)を貼り、切断前のプリント配線板上にコンデンサ素子が搭載された状態の下面電極型固体電解コンデンサの外装樹脂側を固定し、規定の形状にダイシングによって切断されるのが一般的である。その後、UV照射などによりダイシングテープの粘着力を弱め、規定の形状に加工された下面電極型固体電解コンデンサをダイシングテープから取外す。その工法として一度にすべての製品をダイシングテープからへら状の治具などを使用し取外し、ボールフィーダー、直線フィーダーなどを使用した整列機にて再整列させ次工程に流す方法もあるが、製造工程が複雑になる問題がある。そのため、新たに整列機を使用せず、ダイシングテープ上から切断後に直接ピッカーを使用して1個ずつピックアップする方法は、ダイシングテープにすでに整列された状態で次工程に送るため、生産効率上有利となる。ただ、ピックアップ時、時として下面電極型固体電解コンデンサがダイシングテープから外れずピックアップミスを起こす可能性が有り、また時としてダイシングテープの粘着成分が下面電極型固体電解コンデンサ上面部に転写するといった問題が発生することがある。そのため、製品歩留および生産性が悪くなる事より製造原価の上昇につながることがある。
本発明の課題は、同一外形サイズ内により大きな静電容量を得ることを目的に、液状エポキシ樹脂を外装樹脂として使用した下面電極型固体電解コンデンサで、外装樹脂にて封止した後、下面電極型固体電解コンデンサ上面部となる箇所にレーザマーカにて表示する下面電極型固体電解コンデンサであり、下面電極型固体電解コンデンサ上面部となる箇所にレーザマーカにて表示後に下面電極型固体電解コンデンサ上面部となる箇所、つまり外装樹脂上面部に離型剤を塗り乾燥することにより外装樹脂の上面部に離型剤層を形成し、ダイシングテープから直接ピッカーを使用して1個づつピックアップする際に、確実に1個づつピックアップすることが可能となり、生産効率のよい、また製品最終外観に不純物が付着していない製品を提供することにある。すなわち、製造原価の安いより大きなコンデンサ素子等の電子デバイス素子が収納可能となる構造を有する下面電極型固体電解コンデンサ等の電子デバイスを提供することにある。
本発明の電子デバイスは、上部に平面状の外装樹脂を有し、下部に外部端子を有し、前記平面状の外装樹脂の表面の全面に離型剤層を有することを特徴とする。
本発明の下面電極型固体電解コンデンサは陽極リードが導出された弁作用金属からなる多孔質体の表面に誘電体、電解質、陰極層が順次形成されたコンデンサ素子と、上面に前記コンデンサ素子と電気的に接続された陽極内部端子および陰極内部端子を、下面に前記陽極内部端子および前記陰極内部端子とそれぞれ電気的に接続された陽極外部端子および陰極外部端子を有するプリント配線板とを備え、外装樹脂により封止した下面電極型固体電解コンデンサにおいて、前記外装樹脂の長手方向に平行で前記プリント基板と対向する上面のみに全面に離型剤層を有することを特徴とする。
また、本発明の下面電極型固体電解コンデンサは、前記離型剤層は、フッ素化合物で有ってもよく、前記外装樹脂が液状エポキシ樹脂を硬化したものであってもよい。
本発明の下面電極型固体電解コンデンサの製造方法は、コンデンサ素子から導出された陽極リードに陽極リード体を接合する工程と、プリント配線板の上面の陽極内部端子となる位置に高温半田で前記陽極リード体を接合する工程と、陰極内部端子となる位置に導電性接着剤で前記コンデンサ素子を接合する工程と、前記陽極リード体と前記コンデンサ素子を外装樹脂で封止する工程と、その後、製品特性及び極性表示部前記外装樹脂の長手方向に平行で前記プリント基板と対向する面に形成する工程と、前記外装樹脂上面のみに全面に離型剤を塗布、乾燥させ離型剤層を形成する工程と、ダイシングテープに前記外装樹脂の上面を固定する工程と、前記外装樹脂および前記プリント配線板を所定の外形寸法にダイシングで切削加工する工程と、前記ダイシングテープから一個ずつピックアップする工程を含むことを特徴する。
本発明によれば、外装樹脂に従来の技術のトランスファーモールド樹脂を使用しないため、高さ方向においてより大きなコンデンサ素子を同一パッケージ内に収納する事が出来る。また離型剤層を外装樹脂の上面部に作ることにより製造工程が簡略化でき、初期投資の低減につながり、また製造工程の一つの工程であるピックアップ工程での外観不良、ピックアップミスが減るため歩留の向上、作業性の向上になり、より製造単価の安い製品を提供できる。
本発明の実施の形態の下面電極型固体電解コンデンサを説明する図であり、図1(a)は正面断面図、図1(b)は平面図である。 本発明の実施の形態の下面電極型固体電解コンデンサの製造工程の一部を説明する図であり、図2(a)はプリント配線板の平面図、図2(b)はプリント配線板の上面に陽極リード体を陽極リードに溶接したコンデンサ素子を搭載した時の平面図、図2(c)は図2(b)のA−A線の断面図である。 本発明の実施の形態の下面電極型固体電解コンデンサの製造工程の一部を説明する図であり、図3(a)は外装樹脂で封止後の平面図、図3(b)はその正面図である。 本発明の実施の形態の下面電極型固体電解コンデンサの製造工程の一部を説明する図であり、図4(a)はレーザマーカによる表示後の平面図、図4(b)はその正面図である。 本発明の実施の形態の下面電極型固体電解コンデンサの製造工程の一部を説明する図であり、ダイシングテープをウエハーリングに貼り、レーザマーカによる表示後の状態のプリント配線板を固定した後、ダイシングを行い、個々に指定の寸法に切削した状態での上面図である。 本発明の実施の形態の下面電極型固体電解コンデンサの製造工程の一部を説明する図であり、図6(a)はピッカーで下面電極型固体電解コンデンサをピックアップする形態を説明する概略図。図6(b)はピッカーで下面電極型固体電解コンデンサをピックアップ後の形態を説明する概略図である。 従来の下面電極型固体電解コンデンサの構造を示す正面断面図である。
以下本発明の実施の形態を下面電極型固体電解コンデンサを例に、その構造と製造方法について図面を参照して説明する。
まず、本発明の実施の形態における下面電極型固体電解コンデンサの構造について図1を参照して説明する。
図1(a)に示すようにコンデンサ素子1は公知の技術で製造され、タンタル、アルミニウム、チタン、ニオブ等などの弁作用金属の粉末に、弁作用金属と同種の金属からなる陽極リード2の一端を導出させ、他部を埋没させて加圧成形し、焼結した陽極体の表面に誘電体皮膜を形成し、さらにポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン等の固体電解層を形成させた後、グラファイト層及び銀ペースト層を順次形成させ陰極としている。
図1(a)に示すようにプリント配線板12の絶縁板11の下面の陽極外部端子7と陰極外部端子6は実装基板等と物理的な接続固定と電気的な接続の役割を果たす電極端子であり、上面の陽極内部端子10と陰極内部端子9はそれぞれ陽極外部端子7と陰極外部端子6と接続され、銅材を主成分とした金属板からなる。また銅材の酸化を防ぐ目的で銅材の表面にニッケルメッキを行った後に金メッキが形成されていてもよい。
図1(a)に示すように陽極リード2と陽極リード体4は溶接により接続固定してあり、陽極リード体4は陽極内部端子10との電気的な接続の役割を果たす。陽極リード体4と陽極内部端子10は、Sn−Ag等を主成分とする、高温半田ペーストを固化してなる高温半田5で接続固定している。コンデンサ素子1と陰極内部端子9は導電性接着剤8等で接続固定している。
図1(a)に示すように外装樹脂3はコンデンサ素子1、陽極リード2、それらと接続している陽極内部端子10、陰極内部端子9を覆うように充填され製品形状を形成しているエポキシを主成分とした絶縁性の液状エポキシが硬化した樹脂である。図1(b)に示ように外装樹脂13の上面部はレーザマーカにより極性表示14及び特性表示15が表示部16として施され、外装樹脂13の上面部全体には表示部16を形成後に離型剤が塗られ、離型剤の溶剤成分を加熱し蒸発させ離型剤層20を外装樹脂13の上面部に作る。尚、図1(a)において極性表示14及び特性表示15の深さは浅く、離型剤層20の厚みも薄いために明確には図示していない。
続いて、図2、図3、図4及び図5を用いて本発明の実施の形態における下面電極型固体電解コンデンサの製造工程を説明する。
図2(a)は使用するプリント配線板32の概略図であり、図示してないが、図2(a)の陽極内部端子30にペースト状の高温半田を印刷塗布し、更に陰極内部端子29に導電性接着剤を塗布する。その後図2(b)、図2(c)に示すように陽極内部端子の位置に陽極リード22に接続した陽極リード体24を、陰極内部端子の位置にコンデンサ素子21を搭載する。更に半導体レーザを用いてペースト状の高温半田を固化し接合させ、導電性接着剤は加熱炉を使用し固着接合させる。
次に図2(b)、図2(c)の状態にあるプリント配線板32の上面に必要量の液状エポキシ樹脂を塗布し液状エポキシ樹脂専用成形機を使用して、図3に示すように外装樹脂43でプリント配線板42上のコンデンサ素子を封止する。この時点で下面電極型固体電解コンデンサの上面は平面となり高さが決定される。
なお、外装樹脂に液状エポキシ樹脂を使用した場合について説明したが、液状エポキシ樹脂に留まらずガラス含有エポキシ樹脂、液晶ポリマー、トランスファーモールド樹脂を使用することができる。
次に図4に示す様に、プリント配線板52上に形成された外装樹脂53の上面部、即ち最終的に下面電極型固体電解コンデンサの上面部となる外装樹脂53の上面部の表面にレーザマーカによる表示部56となる極性表示54及び特性表示55を複数個形成する。
次に外装樹脂上面部の表面に離型剤を筆、もしくは刷毛を使用して塗り、加熱炉で溶剤成分を蒸発、乾燥させる事により外装樹脂の上面部に離型剤層を作る。
図5は最終的な下面電極型固体電解コンデンサ所定の寸法まで切削した状態を示した概略図であり、図4に示したプリント配線板上でコンデンサ素子が外装樹脂で封止された集合体を、ダイシングテープ69が貼られたウエハーリング68に最終的に下面電極型固体電解コンデンサの上面部となる外装樹脂の上面部を下にして固定した後、ダイシング加工により指定の寸法形状に切削し、ダイシングテープから1個ずつピックアップするなどして下面電極型固体電解コンデンサを得ている。
なお、外装樹脂に用いるトランスファーモールド樹脂などは樹脂成分に通常離型剤が含有されているが、ダイシングテープに液状エポキシ樹脂同様に貼り付けた場合、レーザマーカによって彫られた極性表示、特性表示の深さ最大20μmの凹部にダイシングテープの粘着層が食い込みダイシングテープより外れにくくすると推測され液状エポキシ樹脂だけに留まらず外装樹脂にガラス含有エポキシ樹脂、液晶ポリマー、トランスファーモールド樹脂を使用し、表示が製品上面に施された製品でダイシング後ピッカーで一個ずつピックアップする製造方法にも効果がある。
なお、本発明の実施の形態では下面電極型固体電解コンデンサについて説明したが、外装樹脂で封止され、レーザ加工により外装樹脂の表面に特性等が表示された電子デバイスについても同様の効果がある。
本発明の実施例の下面電極型固体電解コンデンサの構造と製造方法について実施の形態で用いた図1、図2、図3、図4、図5及びピッカーでの本製品のピックアップ方法を示す図6を参照して説明するが、下面電極型固体電解コンデンサの内部の構造は従来技術と同じ構成であり、公知の製造方法にて作製したため内部組立て方法の詳細は省略する。
以下概略的に製造について説明する。まず図2(a)に示すようにプリント配線板32の陽極内部端子30にペースト状の高温半田をメタルマスクを用いて複数箇所印刷し、更に陰極内部端子29に導電性接着剤を複数箇所塗布した。
ペースト状の高温半田はSn−Ag−Cuの複合材で200℃以上の熱で溶融し、一度硬化してしまうと300℃でも再溶融しない高温半田のことを指す。高温半田を用いることにより、実装基板へ実装時に構成部材が再溶融して流れ出すことを防ぐことができる。導電性接着剤はAgペーストを使用した。
図1におけるコンデンサ素子1の構造は従来技術と同じ構成であり、公知の製造方法にて作製したため詳細は省略するが、一端よりタンタルワイヤーからなる陽極リード2を導出させたタンタルの弁作用金属の焼結体からなる多孔質体の表面に誘電体、電解質、陰極層を順次形成させたコンデンサ素子1を得た。陽極リード2に抵抗溶接にて42アロイを母材とした陽極リード体4を接続している。
続いて、図2(b)、(c)に示すようにコンデンサ素子21を陰極内部端子29の位置に搭載し、陽極リード体24を陽極内部端子30の位置に搭載した。その後、ペースト状の高温半田は半導体レーザを用いて硬化させ固体状の高温半田部を形成させて固着接合した。導電性接着剤も加熱炉を用いて固着接合した。
その後、絶縁性の液状エポキシ樹脂を図2(b)、(c)の状態にあるプリント配線板32上に外装できる必要量を塗布し、図3に示すように真空下で外装樹脂43を形成し封止した。この時、液状エポキシ樹脂には離型剤が含まれていないため、液状エポキシ樹脂専用成形機金型の上型と液状エポキシ樹脂との接触面には厚み75μmのポリテトラフルオロエチレンシートを介在させ離形性を高めながら図3に示すようにプリント配線板42上に外装樹脂43を上面が平面となるように製作した。
次に図4に示すように外装樹脂53の上面にレーザマーカにより極性表示54及び特性表示55の表示部56の形成を行った。次に図示されてはいないが、離型剤を外装樹脂上面部の全面に筆もしくは刷毛などを使用し、離型剤の溶剤成分で表面が濡れる程度に薄く塗った後、熱乾燥により離型剤の溶剤分を加熱炉を使用して完全に蒸発乾燥させ離型剤層を形成した。離型剤層を形成する目的は液状エポキシ樹脂自体に離型剤成分を含んでいないことと、レーザマーカによる表示部56は表面を彫って行うため、違いが外装樹脂上面部から最大20μmの深さとなることに起因している。離型剤層が外装樹脂の最上面部に無いと後で述べる次工程であるピックアップ工程で、液状エポキシ樹脂自体に離型剤成分を含んでいないため外装樹脂上面部(表示部56を除く)とダイシングテープとの密着性が高くなることとダイシングテープの粘着層がこの表示部56による凹部に食込んでしまうことでピックアップ率が低下する。またピックアップ工程でピックアップ率を上げるため、突上げピンをより高く上げるとダイシングテープの粘着層がダイシングテープから外れ、下面電極型固体電解コンデンサ上面部に転写するといった問題が発生する。
ここで使用する離型剤の主成分はフッ素化合物であり、トリフルオルメチルベンゼンを溶剤に使用した実験の結果、フッ素化合物の濃度は本製品形状においてはトリフルオルメチルベンゼンにフッ素化合物が0.3vol%になるよう溶解したものが最適でありその時の後で述べるピックアップ工程でのピッカーでのピックアップ率は99.9%以上であった。ちなみにフッ素化合物の含有量が0.5vol%だと剥離性が高く、ダイシング加工時、ダイシングテープ(製品固定用テープ)から外形形状にダイシング後の製品が粘着力不足のため所定の位置から10%以上が剥離してしまいピックアップ出来ず、0.2vol%だと逆に剥離性が低く、ダイシングテープの粘着力が強いためピッカーでのピックアップ率は96%付近であった。また離型剤を使用しない場合はピックアップ用突上げニードルの形状、突き上げ高さ、吸着ノズルの高さ、吸着口の大きさ、吸着能力などをピッカーの最適条件と思われる様に調整してもダイシングテープの種類の変更、UV照射量の変更を行ってもピックアップ率が90%を越えることはなかった。尚、溶剤乾燥後の最終的な離型剤層の厚みは非常に薄い膜であり測定不能であり記載する事ができない。表1に離型剤のフッ素化合物濃度によるピックアップ率の結果を示した。
Figure 0005546972
次工程として図5に示すようにウエハーリング68にダイシングテープ69を貼り、プリント配線板上の外装樹脂上面部つまり表示面側を下にしてダイシングテープ69に固定し、規定の形状にダイシングによって切断する。外装樹脂上面部を下に向ける理由はダイシングテープの粘着層が万一、陽極外部端子及び陰極外部端子に付着して、本製品の実装基板への実装時に実装不良が発生する事を防ぐことが目的である。
図示されていないが、次にダイシングテープから本製品を取外ししやすくするためUV照射によってダイシングテープの粘着力を低下させる。また図5の陽極外部端子67、陰極外部端子66にはわかりやすくするために斜線を付した。
図6にて次工程であるピッカーでの本製品のピックアップ方法について公知の技術であり簡単に説明する。ウエハーリング78に貼ったダイシングテープ79にテンションを掛けることにより四方に広げた状態にし、ダイシングテープ79の製品固定面の反対側より突上げピン72で製品を突上げ、少し浮き上がった状態で吸着ノズル71が降下し下面電極型固体電解コンデンサ73の外部端子面側を真空吸着し、吸着ノズル71が上昇する事でダイシングテープ79から直接ピックアップする。その後、その状態で次の加工を行うのが生産効率上有利であり、本工法では前記吸着ノズル71に吸着した状態でダイシング後の下面電極型固体電解コンデンサの4側面を一個ずつ画像検査している。ダイシングテープには粘着層の厚み、ベース材の厚み、粘着強度などダイシングする製品の特性に合わせてさまざまな種類のものが市販されているが、今回粘着層の厚みが25μm、ベース厚みが150μmの物が最適であった。ちなみに粘着層の厚みが40μm以上だと粘着層が製品に付着するものが現れ、25μm以下だとダイシング時、固着強度が弱く本製品を固定できない事が有った。その後最終的にテーピングされる。
上記実施例の製造工程により得た下面電極型固体電解コンデンサの構造を図1にて説明する。下面電極型固体電解コンデンサは、陽極側は溶接により接合した陽極リード2と陽極リード体4を、高温半田5を介して、陽極内部端子10と電気的に接続し、陰極側ではコンデンサ素子1を導電性接着剤8を介して、陰極内部端子9と電気的に接続している。尚、説明上、陽極リード体4の搭載側を陽極内部端子10と称し、実装面側を陽極外部端子7と称す。また、コンデンサ素子1の搭載面側を陰極内部端子9と称し、実装面側を陰極外部端子6と称している。また陽極内部端子10は陽極外部端子7と、陰極内部端子9は陰極外部端子6とそれぞれプリント配線板12のスルーホールを通して接続されている。また、極性表示14及び特性表示15の深さは極端に浅いために明確に分かる図示はない。同様に離型剤層20はその厚みが薄いため明確に分かる図示はないが外装樹脂最上面部の全面に作られている。
以上、本発明の実施例で得た下面電極型固体電解コンデンサの形状寸法は長手寸法2.0mm、短手寸法1.2mm、厚みは1.0mmである。
本発明の実施例で得た構造の下面電極型固体電解コンデンサと従来技術のトランスファーモールド樹脂を使用した下面電極型固体電解コンデンサが収納できるコンデンサ素子の体積を比較した。その結果、同一の製品形状の下面電極型固体電解コンデンサで従来技術より本発明の実施例のほうが体積で約5%大きいコンデンサ素子を収納することが可能となった。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、この実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれる。すなわち、同業者であれば、なし得るであろう各種変形、修正を含むことはもちろんである。
1、21、81 コンデンサ素子
2、22、82 陽極リード
3、13、43、53、83 外装樹脂
4、24、84 陽極リード体
5、85 高温半田
6、66、86 陰極外部端子
7、67、87 陽極外部端子
8、88 導電性接着剤
9、29、89 陰極内部端子
10、30、90 陽極内部端子
11、91 絶縁板
12、32、42、52、92 プリント配線板
14、54 極性表示
15、55 特性表示
16、56 表示部
20 離型剤層
68、78 ウエハーリング
69、79 ダイシングテープ
71 吸着ノズル
72 突上げピン
73 下面電極型固体電解コンデンサ

Claims (5)

  1. 陽極リードが導出された弁作用金属からなる多孔質体の表面に誘電体、電解質、陰極層が順次形成されたコンデンサ素子と、上面に前記コンデンサ素子と電気的に接続された陽極内部端子および陰極内部端子を、下面に前記陽極内部端子および前記陰極内部端子とそれぞれ電気的に接続された陽極外部端子および陰極外部端子を有するプリント配線板とを備え、外装樹脂により封止した下面電極型固体電解コンデンサにおいて、前記外装樹脂の長手方向に平行で前記プリント基板と対向する上面のみに全面に離型剤層を有することを特徴とする下面電極型固体電解コンデンサ。
  2. 前記離型剤層は、フッ素化合物でることを特徴とする請求項に記載の下面電極型固体電解コンデンサ。
  3. 前記外装樹が液状エポキシ樹脂を硬化したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の下面電極型固体電解コンデンサ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の下面電極型固体電解コンデンサであることを特徴とする電子デバイス。
  5. コンデンサ素子から導出された陽極リードに陽極リード体を接合する工程と、プリント配線板の上面の陽極内部端子となる位置に高温半田で前記陽極リード体を接合する工程と、陰極内部端子となる位置に導電性接着剤で前記コンデンサ素子を接合する工程と、前記陽極リード体と前記コンデンサ素子を外装樹脂で封止する工程と、その後、製品特性及び極性表示部を前記外装樹脂の長手方向に平行で前記プリント基板と対向する面に形成する工程と、前記外装樹脂上面のみに全面に離型剤を塗布、乾燥させ離型剤層を形成する工程と、ダイシングテープに前記外装樹脂面を固定する工程と、前記外装樹脂および前記プリント配線板を所定の外形寸法にダイシングで切削加工する工程と、前記ダイシングテープから一個ずつピックアップする工程を含むことを特徴する下面電極型固体電解コンデンサの製造方法。
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