JP5545693B2 - 現像処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等(以下、単に「基板」と称する)に現像液を供給して現像処理を行う現像処理装置に関する。
周知のように、半導体や液晶ディスプレイなどの製品は、上記基板に対して洗浄、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、層間絶縁膜の形成、熱処理、ダイシングなどの一連の諸処理を施すことにより製造されている。これらの諸処理のうち例えばレジスト塗布処理、現像処理およびそれらに付随する熱処理のそれぞれを行う処理ユニットを複数組み込み、搬送ロボットによってそれら各処理ユニット間で基板の循環搬送を行うことにより基板に一連のフォトリソグラフィー処理を施す基板処理装置がいわゆるコータ&デベロッパとして広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
従来より、特許文献1に開示されているような基板処理装置においては、複数の処理ユニットが個別に組み込まれていた。すなわち、複数の処理ユニットのそれぞれを個別の筐体内に設けるようにしていた。例えば、特許文献1に開示される基板処理装置には5つの現像処理ユニットが設けられているが、それぞれの現像処理ユニットは1つの筐体内に基板を吸着保持して回転させるスピンチャックや基板に現像液を供給するノズルを1つずつ設けて構成されている。よって、複数の現像処理ユニットは、相互に雰囲気も分離されることとなっていた。
特開2003−324139号公報
しかしながら、複数の現像処理ユニットを個別に独立して組み込むようにすると、ユニット数に比例してノズル等のパーツ点数が増え、それに応じてコストも増大することとなっていた。また、1つの筐体の限られた空間内に、現像処理に必要な多数のパーツを設けることとなるため、現像処理ユニットのデザイン仕様の制約も大きくなっていた。さらには、複数の現像処理ユニットの雰囲気が必然的に分離されるため、プロセス雰囲気に微小な機差が生じる可能性もあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、部品点数を削減するとともに、制限空間内での高いデザイン裕度を有する現像処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板に現像液を供給して現像処理を行う現像処理装置において、共通の筐体内に、相互に雰囲気を連通させた状態にて同じ高さ位置に一列に並設された複数の現像処理ユニットと、前記複数の現像処理ユニットの配列方向に沿って移動し、前記複数の現像処理ユニットのそれぞれに収容された円形の基板に対して現像液を吐出する現像液ノズルと、前記複数の現像処理ユニットの配列のうちの隣接する現像処理ユニットの間に設けられ、待機状態の現像液ノズルを受け入れる長尺形状の待機ポッドと、を備え、前記待機ポッドの長手方向長さは前記基板の径よりも長く、前記複数の現像処理ユニットのそれぞれは、基板を保持して回転させる回転保持手段と、前記回転保持手段に保持された基板の周囲を取り囲むカップと、前記カップを、前記回転保持手段に対して基板を搬出入するときの搬出入位置と前記回転保持手段に保持された基板に現像処理を行うときの前記カップの上端が前記回転保持手段に保持された基板よりも高くなる処理位置との間で昇降させる昇降手段と、を備え、前記待機ポッドの上端の高さ位置は前記処理位置における前記カップの上端よりも高く、前記待機ポッドの下端の高さ位置は前記処理位置における前記カップの上端よりも低いことを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る現像処理装置において、前記待機ポッドに、前記現像液ノズルの洗浄を行う洗浄機構を設けることを特徴とする。
本発明によれば、共通の筐体内に相互に雰囲気を連通させた状態にて同じ高さ位置に複数の現像処理ユニットを一列に並設し、それら複数の現像処理ユニットの配列方向に沿って移動して現像液を吐出する現像液ノズルを設け、複数の現像処理ユニットの配列のうちの隣接する現像処理ユニットの間には待機状態の現像液ノズルを受け入れる長尺形状の待機ポッドを設け、待機ポッドの長手方向長さは基板の径よりも長く、待機ポッドの上端の高さ位置は処理位置における現像処理ユニットのカップの上端よりも高く、待機ポッドの下端の高さ位置は処理位置におけるカップの上端よりも低いため、待機ポッドは隣接する現像処理ユニットを仕切る仕切壁としても機能し、別途に仕切板を設ける必要がなくなる。その結果、部品点数を削減することができるとともに、仕切板を設置するためのスペースを削減して筐体の制限空間内での高いデザイン裕度を持たせることができる。
特に、請求項2の発明によれば、待機ポッドに現像液ノズルの洗浄を行う洗浄機構を設けているため、待機中の現像液ノズルの洗浄を行うことができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<1.全体構成>
まず、本発明に係る現像処理装置を組み込んだ基板処理装置の全体構成について説明する。図1は、本発明に係る現像処理装置を組み込んだ基板処理装置1の平面図である。また、図2は基板処理装置1の液処理ユニットの配置構成を示す概略側面図であり、図3は熱処理ユニットの配置構成を示す概略側面図であり、図4は搬送ロボットおよび基板載置部の配置構成を示す側面図である。なお、図1および以降の各図にはそれらの方向関係を明確にするためZ軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系を適宜付している。
本実施形態の基板処理装置1は、基板Wとして円板形状の半導体ウェハにフォトレジスト膜を塗布形成するとともに、パターン露光後の半導体ウェハに現像処理を行う装置(いわゆるコータ&デベロッパ)である。なお、本発明に係る現像処理装置を搭載した基板処理装置1の処理対象となる基板Wは半導体ウェハに限定されるものではなく、液晶表示装置用ガラス基板やフォトマスク用ガラス基板等であっても良い。
本実施形態の基板処理装置1は、インデクサブロックID、塗布処理ブロックSC、現像処理ブロックSDおよびインターフェイスブロックIFの4つの処理ブロックを一方向(X軸方向)に連設して構成されている。インターフェイスブロックIFには基板処理装置1とは別体の外部装置である露光装置(ステッパ)EXPが隣接して接続配置されている。
インデクサブロックIDは、装置外から受け取った未処理基板Wを塗布処理ブロックSCに搬入するとともに、現像処理の終了した処理済み基板Wを装置外に搬出するための処理ブロックである。インデクサブロックIDは、複数のキャリアC(本実施形態では4個)を並べて載置する載置台11と、各キャリアCから未処理の基板Wを取り出すとともに、各キャリアCに処理済みの基板Wを収納するインデクサロボットIDRと、を備えている。
インデクサブロックIDに隣接して塗布処理ブロックSCが配置されている。塗布処理ブロックSCは、基板Wにレジスト膜およびその下地に反射防止膜を形成する処理ブロックである。塗布処理ブロックSCは、大まかに上側塗布セルUCおよび下側塗布セルLCの上下2段に分けられている。上側塗布セルUCは、主搬送ロボットTR1および主搬送ロボットTR1が搬送を担当する複数の処理ユニットを備えて構成される。同様に、下側塗布セルLCは、主搬送ロボットTR2および主搬送ロボットTR2が搬送を担当する複数の処理ユニットを備えて構成される。
塗布処理ブロックSCとインターフェイスブロックIFとの間に挟み込まれるようにして現像処理ブロックSDが配置されている。現像処理ブロックSDは、露光処理後の基板Wに対して現像処理を行う処理ブロックである。現像処理ブロックSDは、大まかに上側現像セルUDおよび下側現像セルLDの上下2段に分けられている。上側現像セルUDは、主搬送ロボットTR3および主搬送ロボットTR3が搬送を担当する複数の処理ユニットを備えて構成される。同様に、下側現像セルLDは、主搬送ロボットTR4および主搬送ロボットTR4が搬送を担当する複数の処理ユニットを備えて構成される。
X軸方向に沿って並ぶ上側塗布セルUCと上側現像セルUDとは連結されて、インデクサブロックIDとインターフェイスブロックIFとの間を結ぶ一つの基板処理経路を形成する。同様に、X軸方向に沿って並ぶ下側塗布セルLCと下側現像セルLDとは連結されて、インデクサブロックIDとインターフェイスブロックIFとの間を結ぶ一つの基板処理経路を形成する。すなわち、基板処理装置1は、塗布処理ブロックSCおよび現像処理ブロックSDに跨って上下2段の基板処理経路を有する。
現像処理ブロックSDに隣接してインターフェイスブロックIFが配置されている。インターフェイスブロックIFは、未露光の基板Wを基板処理装置1とは別体の外部装置である露光装置EXPに渡すとともに、露光済みの基板Wを露光装置EXPから受け取る処理ブロックである。インターフェイスブロックIFは、基板Wを搬送する第1インターフェイスロボットIFR1および第2インターフェイスロボットIFR2を備える。
インデクサブロックIDと塗布処理ブロックSCとの接続部分には基板載置部PASS1U,PASS2U,PASS1L,PASS2Lが設けられている。基板載置部PASS1U,PASS2Uは、インデクサブロックIDと上側塗布セルUCとの接続部分に上下に積層して設けられている。インデクサロボットIDRと主搬送ロボットTR1との間の基板Wの受け渡しは基板載置部PASS1U,PASS2Uを介して行われる。一方、基板載置部PASS1L,PASS2Lは、インデクサブロックIDと下側塗布セルLCとの接続部分に上下に積層して設けられている。インデクサロボットIDRと主搬送ロボットTR2との間の基板Wの受け渡しは基板載置部PASS1L,PASS2Lを介して行われる。
また、塗布処理ブロックSCと現像処理ブロックSDとの接続部分には基板載置部PASS3U,PASS4U,PASS3L,PASS4Lが設けられている。基板載置部PASS3U,PASS4Uは、上側塗布セルUCと上側現像セルUDとの接続部分に上下に積層して設けられている。主搬送ロボットTR1と主搬送ロボットTR3との間の基板Wの受け渡しは基板載置部PASS3U,PASS4Uを介して行われる。一方、基板載置部PASS3L,PASS4Lは、下側塗布セルLCと下側現像セルLDとの接続部分に上下に積層して設けられている。主搬送ロボットTR2と主搬送ロボットTR4との間の基板Wの受け渡しは基板載置部PASS3L,PASS4Lを介して行われる。
また、現像処理ブロックSDには、基板載置部PASS5U,PASS6U,PASS5L,PASS6Lが設けられている。基板載置部PASS5U,PASS6Uは、上側現像セルUDに上下に積層して設けられている。主搬送ロボットTR3と第1インターフェイスロボットIFR1との間の基板Wの受け渡しは基板載置部PASS5U,PASS6Uを介して行われる。基板載置部PASS5L,PASS6Lは、下側現像セルLDに上下に積層して設けられている。主搬送ロボットTR4と第1インターフェイスロボットIFR1との間の基板Wの受け渡しは基板載置部PASS5L,PASS6Lを介して行われる。
さらに、インターフェイスブロックIFには、基板載置部PASS7,PASS8が上下に積層して設けられている。第1インターフェイスロボットIFR1と第2インターフェイスロボットIFR2との間の基板Wの受け渡しは基板載置部PASS7,PASS8を介して行われる。以上の基板載置部はいずれも3本の支持ピンを備えて構成されており、一方のロボットが支持ピン上に載置した基板Wを他方のロボットが受け取ることによって基板Wの受け渡しが行われる。なお、各基板載置部には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサが設けられている。
<1−1.インデクサブロック>
続いて、インデクサブロックIDから順に各処理ブロックについて説明する。インデクサブロックIDの載置台11に対しては未処理の複数枚の基板Wを収納したキャリアCがAGV(automated guided vehicle)等の無人搬送機構によって搬入される。また、処理済みの複数枚の基板Wを収納したキャリアCもAGV等によって搬出される。なお、キャリアCの形態としては、基板Wを密閉空間に収納するFOUP(front opening unified pod)の他に、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドや収納基板Wを外気に曝すOC(open cassette)であっても良い。
インデクサロボットIDRは、載置台11の側方をキャリアCの並び方向(Y軸方向)に沿って水平移動する可動台12と、可動台12に対して鉛直方向(Z軸方向)に伸縮する昇降軸13と、基板Wを水平姿勢で保持する保持アーム14と、を備えている。保持アーム14は、昇降軸13の上端に搭載されており、鉛直方向に沿った軸心周りでの旋回動作および旋回半径方向に沿ったスライド移動が可能に構成されている。よって、保持アーム14は、Y軸方向に沿った水平移動、昇降移動、水平面内の旋回動作および旋回半径方向に沿った進退移動を行う。これにより、インデクサロボットIDRは、保持アーム14を各キャリアCにアクセスさせて未処理の基板Wの取り出しおよび処理済みの基板Wの収納を行うことができる。
<1−2.塗布処理ブロック>
塗布処理ブロックSCの上側塗布セルUCにおいては、主搬送ロボットTR1が移動するための搬送スペースTP1を挟んで熱処理ユニット群と液処理ユニット群とが対向して配置されている。具体的には、液処理ユニット群が装置正面側((−Y)側)に、熱処理ユニット群が装置背面側((+Y)側)に、それぞれ位置している。
図2に示すように、上側塗布セルUCの液処理ユニット群は、上段に複数個(本実施の形態では3個)隣接配置された反射防止膜用塗布処理ユニットBARCと、下段に複数個(本実施の形態では3個)隣接配置されたレジスト膜用塗布処理ユニットRESとを備える。3個の反射防止膜用塗布処理ユニットBARCのそれぞれは、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック、そのスピンチャックを回転駆動させるスピンモータおよびスピンチャック上に保持された基板Wの周囲を囲繞するカップ等を備えている。3個の反射防止膜用塗布処理ユニットBARCは、仕切壁等によって間仕切りされることなく並設されている。そして、3個の反射防止膜用塗布処理ユニットBARCに共用の反射防止膜用塗布液供給部21が設けられている(図1)。反射防止膜用塗布液供給部21は、吐出ノズル22を3個の反射防止膜用塗布処理ユニットBARCの並びに沿って移動させるとともに、反射防止膜用塗布処理ユニットBARCに向かって進退移動させる。吐出ノズル22は、反射防止膜用の塗布液を吐出する。なお、吐出ノズル22は反射防止膜用の塗布液の種類毎に複数設けられており、反射防止膜用塗布液供給部21はそれらのうちの一つを把持して移動させる。
上側塗布セルUCの下段に設けられた3個のレジスト膜用塗布処理ユニットRESも反射防止膜用塗布処理ユニットBARCとほぼ同様の構成を備えている。すなわち、3個のレジスト膜用塗布処理ユニットRESのそれぞれは、スピンチャック、スピンモータ、カップ等を備えている。また、3個のレジスト膜用塗布処理ユニットRESは、仕切壁等によって間仕切りされることなく並設されており、3個のレジスト膜用塗布処理ユニットRESに共用のレジスト膜用塗布液供給部(図示省略)が設けられている。レジスト膜用塗布液供給部は、吐出ノズルを3個のレジスト膜用塗布処理ユニットRESの並びに沿って移動させるとともに、レジスト膜用塗布処理ユニットRESに向かって進退移動させる。吐出ノズルは、レジスト膜用の塗布液を吐出する。なお、上記と同様に、吐出ノズルはレジスト膜用の塗布液の種類毎に複数設けられており、レジスト膜用塗布液供給部はそれらのうちの一つを把持して移動させる。
図3に示すように、上側塗布セルUCの熱処理ユニット群は、搬送スペースTP1に面して3列に熱処理ユニットを積層配置している。最もインデクサブロックIDおよび現像処理ブロックSDに近い列のそれぞれには、4個の加熱ユニットPHPおよび1個の冷却ユニットCPが上下に積層配置されている。また、真ん中の列には、2個の加熱ユニットPHPおよび1個の冷却ユニットCPが上下に積層配置されている。
加熱ユニットPHPは、ホットプレート25、仮置部27およびローカル搬送アーム26を備えて構成される。仮置部27に搬入された基板Wがローカル搬送アーム26によってホットプレート25に搬送され、その基板Wが所定温度にまで昇温されて加熱処理される。加熱処理の終了した基板Wはローカル搬送アーム26によって受け取られることにより粗く冷却される。仮置部27に冷却機構を設け、ローカル搬送アーム26の冷却能をさらに高めるようにしても良い。なお、図1の真ん中の列では、ローカル搬送アーム26の図示を省略している。
冷却ユニットCPは、加熱された基板Wを冷却して所定の温度にまで正確に降温するとともに基板Wを当該所定の温度に維持する。上側塗布セルUCの熱処理ユニット群に配置された10個の加熱ユニットPHPのうちの1つにおいては、基板Wと被膜との密着性を向上させるためにHMDS(ヘキサメチルジシラザン)の蒸気雰囲気中で基板Wを熱処理(密着強化処理)する。なお、密着強化処理用の加熱ユニットPHPは、HMDSの雰囲気が外部に漏れないように、図示を省略するカバーによりホットプレート表面との間に密閉空間を形成する。
図4に示すように、搬送スペースTP1には、主搬送ロボットTR1を上下方向に案内する2本の縦ガイドレール31と水平方向(X方向)に案内する横ガイドレール32とが設けられている。2本の縦ガイドレール31は、搬送スペースTP1のX軸方向両端において、液処理ユニット群の側に固定設置されている。横ガイドレール32は、2本の縦ガイドレール31の間に摺動可能に横架されている。横ガイドレール32には、ベース部33が摺動可能に取り付けられている。ベース部33は、搬送スペースTP1の略中央まで横方向に張り出すように取り付けられている。図示省略の駆動部によって横ガイドレール32は縦ガイドレール31に案内されて上下方向に移動し、ベース部33は横ガイドレール32に案内されてX軸方向に移動する。
ベース部33には、鉛直方向に沿った軸心周りにて旋回可能に回転台35が設けられている。回転台35には、基板Wを保持する2つの保持アーム37a,37bがそれぞれ独立して水平方向にスライド移動可能に搭載されている。2つの保持アーム37a,37bは互いに上下に近接した位置に設けられている。ベース部33には回転台35を回転する駆動部が設けられ、回転台35には保持アーム37a,37bを回転台35の旋回半径方向にスライド移動する駆動部が内蔵されている(いずれも図示省略)。よって、保持アーム37a,37bのそれぞれは、昇降移動、X軸方向に沿ったスライド移動、水平面内の旋回動作および旋回半径方向に沿った進退移動を行う。これにより、主搬送ロボットTR1は、2個の保持アーム37a,37bをそれぞれ個別に上側塗布セルUCの液処理ユニット群および熱処理ユニット群に配置された処理ユニット並びに基板載置部PASS1U,PASS2U,PASS3U,PASS4Uに対してアクセスさせて、それらとの間で基板Wの授受を行うことができる。
下側塗布セルLCの構成は上側塗布セルUCの構成と概ね同じである。すなわち、下側塗布セルLCにおいても、主搬送ロボットTR2が移動するための搬送スペースTP2を挟んで熱処理ユニット群と液処理ユニット群とが対向して配置されている。
図2に示すように、下側塗布セルLCの液処理ユニット群は、上段に複数個(本実施の形態では3個)隣接配置された反射防止膜用塗布処理ユニットBARCと、下段に複数個(本実施の形態では3個)隣接配置されたレジスト膜用塗布処理ユニットRESとを備える。反射防止膜用塗布処理ユニットBARCおよびレジスト膜用塗布処理ユニットRESは上側塗布セルUCにおけるものと同じである。
図3に示すように、下側塗布セルLCの熱処理ユニット群は、搬送スペースTP2に面して3列に熱処理ユニットを積層配置している。最もインデクサブロックIDおよび現像処理ブロックSDに近い列のそれぞれには、4個の加熱ユニットPHPおよび1個の冷却ユニットCPが上下に積層配置されている。また、真ん中の列には、2個の加熱ユニットPHPおよび1個の冷却ユニットCPが上下に積層配置されている。加熱ユニットPHPおよび冷却ユニットCPは上側塗布セルUCにおけるものと同じである。また、上側塗布セルUCと同様に、10個の加熱ユニットPHPのうちの1つにおいては、基板Wと被膜との密着性を向上させるためにHMDSの蒸気雰囲気中で基板Wを熱処理する。その加熱ユニットPHPは、HMDSの雰囲気が外部に漏れないように、図示を省略するカバーによりホットプレート表面との間に密閉空間を形成する。
また、主搬送ロボットTR2の構成も上側塗布セルUCにおける主搬送ロボットTR1と同様である。よって、主搬送ロボットTR2は、2個の保持アーム37a,37bをそれぞれ個別に下側塗布セルLCの液処理ユニット群および熱処理ユニット群に配置された処理ユニット並びに基板載置部PASS1L,PASS2L,PASS3L,PASS4Lに対してアクセスさせて、それらとの間で基板Wの授受を行うことができる。
<1−3.現像処理ブロック>
現像処理ブロックSDの上側現像セルUDにおいては、主搬送ロボットTR3が移動するための搬送スペースTP3を挟んで熱処理ユニット群と液処理ユニット群とが対向して配置されている。具体的には、塗布処理ブロックSCと同じく、液処理ユニット群が装置正面側((−Y)側)に、熱処理ユニット群が装置背面側((+Y)側)に、それぞれ位置している。
図2に示すように、上側現像セルUDの液処理ユニット群は、上下2段のそれぞれに複数個(本実施の形態では3個)隣接配置された現像処理ユニットDEVを備える。複数の現像処理ユニットDEVのそれぞれは、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック、そのスピンチャックを回転駆動させるスピンモータおよびスピンチャック上に保持された基板Wの周囲を囲繞するカップ等を備えている。上側現像セルUDの上段の3個の現像処理ユニットDEVは、相互に雰囲気を連通させた状態にて同じ高さ位置に一列に並設されている。そして、3個の現像処理ユニットDEVに共用の現像液供給部60が設けられている(図1)。これら同じ高さの一列に並設された3個の現像処理ユニットDEVによって本発明に係る現像処理装置が構成され、その詳細についてはさらに後述する。
上側現像セルUDの下段の3個の現像処理ユニットDEVについても、上段と同様に、相互に雰囲気を連通させた状態にて同じ高さ位置に一列に並設されている。そして、3個の現像処理ユニットDEVに共用の現像液供給部が設けられている。この現像液供給部も、上段と同様のものである。
図3に示すように、上側現像セルUDの熱処理ユニット群は、搬送スペースTP3に面して3列に処理ユニットを積層配置している。最も塗布処理ブロックSCに近い列には、3個の加熱ユニットPHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置されている。また、インターフェイスブロックIFに近い列には、4個の加熱ユニットPHPが積層配置されるとともに、最上段に基板載置部PASS5U,PASS6Uが配置されている。真ん中の列には、単一のエッジ露光ユニットEEWと1個の冷却ユニットCPとが積層配置されている。加熱ユニットPHPおよび冷却ユニットCPは上述した塗布処理ブロックSCにおけるものと概ね同様である。エッジ露光ユニットEEWは、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャックおよび該スピンチャックに保持された基板Wの周縁に光を照射して露光する光照射器などを備えている(いずれも図示省略)。なお、エッジ露光ユニットEEWは、熱処理ユニットに該当する処理ユニットではないが、装置レイアウトの都合上、現像処理ブロックSDの熱処理ユニット群に配置している。
また、インターフェイスブロックIFに近い列に配置された4個の加熱ユニットPHPは、露光直後の基板Wに対して露光後加熱処理(Post Exposure Bake)を行う熱処理ユニットである。これら4個の加熱ユニットPHPは、インターフェイスブロックIFの第1インターフェイスロボットIFR1が搬送を負担するという点において塗布処理ブロックSCに近い列に配置された加熱ユニットPHPとは性格が異なるが、レイアウトの都合上、現像処理ブロックSDの熱処理ユニット群に配置している。インターフェイスブロックIFに近い列に配置された4個の加熱ユニットPHPおよび基板載置部PASS5U,PASS6Uは、搬送スペースTP3に面する前面側とインターフェイスブロックIFに面する側面側の双方に開口部が設けられており、それらの両面から基板Wの搬出入を行うことができる。
上側現像セルUDの主搬送ロボットTR3の構成は塗布処理ブロックSCにおける主搬送ロボットTR1,TR2と同様である。よって、主搬送ロボットTR3は、2個の保持アーム37a,37bをそれぞれ個別に上側現像セルUDの液処理ユニット群および熱処理ユニット群に配置された処理ユニット並びに基板載置部PASS3U,PASS4U,PASS5U,PASS6Uに対してアクセスさせて、それらとの間で基板Wの授受を行うことができる。
下側現像セルLDの構成は上側現像セルUDの構成と概ね同じである。すなわち、下側現像セルLDにおいても、主搬送ロボットTR4が移動するための搬送スペースTP4を挟んで熱処理ユニット群と液処理ユニット群とが対向して配置されている。
図2に示すように、下側現像セルLDの液処理ユニット群は、上下2段のそれぞれに複数個(本実施の形態では3個)隣接配置された現像処理ユニットDEVを備える。現像処理ユニットDEVは上側現像セルUDにおけるものと同じである。また、上側現像セルUDと同様に、上下2段のそれぞれにおいて、3個の現像処理ユニットDEVが相互に雰囲気を連通させた状態にて同じ高さ位置に一列に並設されており、3個の現像処理ユニットDEVに共用の現像液供給部が設けられている。
図3に示すように、下側現像セルLDの熱処理ユニット群は、搬送スペースTP4に面して3列に処理ユニットを積層配置している。最も塗布処理ブロックSCに近い列には、3個の加熱ユニットPHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置されている。また、インターフェイスブロックIFに近い列には、4個の加熱ユニットPHPが積層配置されるとともに、最上段に基板載置部PASS5L,PASS6Lが配置されている。真ん中の列には、単一のエッジ露光ユニットEEWと1個の冷却ユニットCPとが積層配置されている。加熱ユニットPHP、冷却ユニットCPおよびエッジ露光ユニットEEWは上側現像セルUDにおけるものと同様である。また、エッジ露光ユニットEEWおよび露光後加熱処理を行う4個の加熱ユニットPHP(インターフェイスブロックIFに近い列の加熱ユニットPHP)は、レイアウトの都合上現像処理ブロックSDの熱処理ユニット群に配置している。さらに、インターフェイスブロックIFに近い列に配置された4個の加熱ユニットPHPおよび基板載置部PASS5L,PASS6Lは、搬送スペースTP4に面する前面側とインターフェイスブロックIFに面する側面側の双方に開口部が設けられており、それらの両面から基板Wの搬出入を行うことができる。
下側現像セルLDの主搬送ロボットTR4の構成は塗布処理ブロックSCにおける主搬送ロボットTR1,TR2と同様である。よって、主搬送ロボットTR4は、2個の保持アーム37a,37bをそれぞれ個別に下側現像セルLDの液処理ユニット群および熱処理ユニット群に配置された処理ユニット並びに基板載置部PASS3L,PASS4L,PASS5L,PASS6Lに対してアクセスさせて、それらとの間で基板Wの授受を行うことができる。
<1−4.インターフェイスブロック>
図5は、インターフェイスブロックIFの構成を示す側面図である。インターフェイスブロックIFの第1インターフェイスロボットIFR1と第2インターフェイスロボットIFR2とは、処理ブロックの並びの方向(X軸方向)とは垂直の方向(Y軸方向)に並んで設けられている。第1インターフェイスロボットIFR1は現像処理ブロックSDの熱処理ユニット群に近い位置に配置されている。第2インターフェイスロボットIFR2は露光装置EXPの基板搬出入口に近い位置に配置されている。第1インターフェイスロボットIFR1と第2インターフェイスロボットIFR2との間には、2つの基板載置部PASS7,PASS8、基板戻し用のリターンバッファRBFおよび基板送り用のセンドバッファSBFが上下に積層配置されている。
リターンバッファRBFは、何らかの障害によって現像処理ブロックSDが露光済みの基板Wの現像処理を行うことができない場合に、現像処理ブロックSDの加熱ユニットPHPにて露光後加熱処理を行った後に、その基板Wを一時的に収納保管しておくものである。一方、センドバッファSBFは、露光装置EXPが未露光の基板Wの受け入れをできないときに、露光処理前の基板Wを一時的に収納保管するものである。リターンバッファRBFおよびセンドバッファSBFはいずれも複数枚の基板Wを多段に収納できる収納棚によって構成されている。なお、リターンバッファRBFに対しては第1インターフェイスロボットIFR1がアクセスを行い、センドバッファSBFに対しては第2インターフェイスロボットIFR2がアクセスを行う。
第1インターフェイスロボットIFR1は、固定設置された基台43と、基台43に対して鉛直方向(Z軸方向)に伸縮する昇降軸45と、基板Wを保持する保持アーム47と、を備えている。保持アーム47は、昇降軸45の上端に搭載されており、鉛直方向に沿った軸心周りでの旋回動作および旋回半径方向に沿ったスライド移動が可能に構成されている。よって、保持アーム47は、昇降移動、水平面内の旋回動作および旋回半径方向に沿った進退移動を行うことができる。これにより、第1インターフェイスロボットIFR1は、保持アーム47をリターンバッファRBF、基板載置部PASS5U,PASS6U,PASS5L,PASS6L,PASS7,PASS8および現像処理ブロックSDに配置された露光後加熱処理を行う加熱ユニットPHPにアクセスさせて、それらとの間で基板Wの授受を行うことができる。
第2インターフェイスロボットIFR2も基台43、昇降軸45および保持アーム47を備え、第1インターフェイスロボットIFR1と同様の構成を備えている。このため、第2インターフェイスロボットIFR2は、保持アーム47をセンドバッファSBFおよび基板載置部PASS7,PASS8にアクセスさせて、それらとの間で基板Wの授受を行うことができる。また、第2インターフェイスロボットIFR2は、露光装置EXPの基板搬出入口に未露光の基板Wを渡すとともに、当該基板搬出入口から露光済みの基板Wを受け取る。
なお、露光装置EXPは、基板処理装置1にてレジスト塗布された露光前の基板WをインターフェイスブロックIFから受け取ってパターンの露光処理を行う。露光装置EXPにて露光処理の行われた基板WはインターフェイスブロックIFに戻される。露光装置EXPは、投影光学系と基板Wとの間に屈折率の大きな液体(例えば、屈折率n=1.44の純水)を満たした状態で露光処理を行う、いわゆる「液浸露光処理」に対応したものであっても良い。
<1−5.制御系>
次に、基板処理装置1の制御系について説明する。図6は、基板処理装置1の制御系の概略を示すブロック図である。基板処理装置1は、階層構造に構成された制御系を備えており、図6に示すように、上位のメインコントローラMCおよび複数の下位のセルコントローラCCを備える。メインコントローラMCおよび各セルコントローラCCのハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、各コントローラは、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用アプリケーションやデータなどを記憶しておく磁気ディスク等を備えている。
上位のメインコントローラMCは、基板処理装置1の全体に1つ設けられており、装置全体の管理、メインパネルMPの管理およびセルコントローラCCの管理を主に担当する。メインパネルMPは、メインコントローラMCのディスプレイとして機能するものである。また、メインコントローラMCに対してはキーボードKBから種々のコマンドを入力することができる。なお、メインパネルMPをタッチパネルにて構成し、メインパネルMPからメインコントローラMCに入力作業を行うようにしても良い。
セルコントローラCCは、1つの搬送ロボット(主搬送ロボットTR1〜TR4、インデクサロボットIDR、第1インターフェイスロボットIFR1および第2インターフェイスロボットIFR2を含む)とその搬送ロボットが搬送を担当する処理ユニットとによって構成されるセルを管理する制御部である。セルコントローラCCは、より下位の搬送コントローラTCを介して搬送ロボットの搬送動作を制御するとともに、ユニットコントローラPCを介してセル内の各処理ユニットの動作を制御する。
また、メインコントローラMCのさらに上位の制御機構として、基板処理装置1とLAN回線を介して接続されたホストコンピュータ100が位置している。ホストコンピュータ100は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用アプリケーションやデータなどを記憶しておく磁気ディスク等を備えており、一般的なコンピュータと同様の構成を有している。ホストコンピュータ100には、本実施形態の基板処理装置1が通常複数台接続されている。ホストコンピュータ100は、接続されたそれぞれの基板処理装置1に処理手順および処理条件を記述したレシピを渡す。ホストコンピュータ100から渡されたレシピは各基板処理装置1のメインコントローラMCの記憶部(例えばメモリ)に記憶される。
なお、露光装置EXPには、上記の基板処理装置1の制御機構から独立した別個の制御部が設けられている。すなわち、露光装置EXPは、基板処理装置1のメインコントローラMCの制御下で動作しているものではなく、単体で独自の動作制御を行っているものである。もっとも、このような露光装置EXPもホストコンピュータ100から受け取ったレシピに従って動作制御を行っており、露光装置EXPにおける露光処理と同期した処理を基板処理装置1が行うこととなる。
<1−6.基板載置部>
本実施形態の基板処理装置1には、複数の基板載置部が設けられており、それらは2つの基板載置部が一対として設けられている(例えば、基板載置部PASS1Uと基板載置部PASS2U、基板載置部PASS7と基板載置部PASS8)。これは、露光前の基板WをインデクサブロックIDからインターフェイスブロックIFへと向けて送るための送り基板載置部と、露光後の基板WをインターフェイスブロックIFからインデクサブロックIDへと向けて戻すための戻り基板載置部とを区分けしているためである。すなわち、基板載置部PASS1U,PASS1L,PASS3U,PASS3L,PASS5U,PASS5L,PASS7が送り基板載置部に該当し、露光前の基板Wはこれらを介して受け渡しが行われる。一方、基板載置部PASS2U,PASS2L,PASS4U,PASS4L,PASS6U,PASS6L,PASS8が戻り基板載置部に該当し、露光後の基板Wはこれらを介して受け渡しが行われる。
また、図6の各セルコントローラCCがセル内の搬送制御を行う際には、各基板載置部は基板Wがセル内に搬入される入口基板載置部またはセルから搬出される出口基板載置部となる。なお、入口基板載置部および出口基板載置部はある基板載置部について絶対的に規定されているものではなく、相対的に決定されるものである。例えば、露光前の基板Wを載置する基板載置部PASS3Uは、上側塗布セルUCの出口基板載置部であると同時に、上側現像セルUDの入口基板載置部でもある。
<2.現像処理装置の構成>
次に、本発明に係る現像処理装置の構成について説明する。本発明に係る現像処理装置は、一列に並設された3個の現像処理ユニットDEVによって構成される。よって、現像処理ブロックSDの上側現像セルUDおよび下側現像セルLDのそれぞれには本発明に係る現像処理装置が2段ずつ設けられている。
図7は本発明に係る現像処理装置の平面図であり、図8はその側面図である。共通の筐体50の内部において、3つの現像処理ユニットDEVが相互に雰囲気を連通させた状態にて同じ高さ位置にX軸方向に沿って一列に並設されている。図9は、3つの現像処理ユニットDEVのうちの隣接する2つの現像処理ユニットDEVを拡大した側面図である。
3つの現像処理ユニットDEVは同一の構成を有している。各現像処理ユニットDEVは、回転保持部110、処理カップ120、リンスノズル130およびカップ昇降機構125を備える。回転保持部110は、スピンチャック111、回転軸113およびモータ114を備える。スピンチャック111は、基板Wの下面中心近傍を真空吸着する。回転軸113は、スピンチャック111の下面側中心部に垂設されている。回転軸113は、モータ114のモータ軸に連結されている。スピンチャック111が基板Wを略水平姿勢にて吸着保持しつつ、モータ114が回転軸113を回転させることによって、基板Wが鉛直方向に沿った軸の周りで回転する。
回転保持部110を取り囲んで処理カップ120が設けられている。処理カップ120は、カップ昇降機構125によって搬出入位置と処理位置との間で鉛直方向に沿って昇降される。搬出入位置とは、回転保持部110に対して基板Wを搬出入するときの処理カップ120の高さ位置であり、図9の二点鎖線にて示す位置である。処理カップ120が搬出入位置にあるときには、処理カップ120の上端がスピンチャック111の上面よりも下方に位置する。一方、処理位置とは、回転保持部110に保持された基板Wに現像処理を行うときの処理カップ120の高さ位置であり、図9の実線にて示す位置である。処理カップ120が処理位置にあるときには、回転保持部110に保持された基板Wの周囲を処理カップ120が取り囲む。そして、回転する基板Wから飛散した液滴は処理カップ120によって回収され、図示省略のドレインへと排出される。なお、カップ昇降機構125としてはエアシリンダ等を用いることができる。
リンスノズル130は、鉛直方向に沿った軸を中心に旋回可能に設けられている。リンスノズル130は、処理カップ120よりも外側の待避位置と回転保持部110に保持された基板Wの直上のリンス位置との間で旋回駆動される。リンス位置のリンスノズル130は、図示省略のリンス液供給部から送給されたリンス液(本実施の形態では純水)を回転保持部110に保持された基板Wの上面に供給する。
また、3つの現像処理ユニットDEVを収容する筐体50の内部には現像液供給部60が設けられている。現像液供給部60は、2種類の現像液ノズル、すなわちスリットノズル610および多孔ノズル620を備えている。スリットノズル610は、少なくとも基板Wの径以上の長さを有するスリット状の吐出口を備える長尺の現像液ノズルである。スリットノズル610は、ノズル昇降機構611によって鉛直方向に沿って昇降移動されるとともに、ノズルスライド機構612によって水平方向(X軸方向)に沿ってスライド移動される。ノズル昇降機構611としては例えばエアシリンダ等を用いることができ、ノズルスライド機構612としては例えばベルト駆動機構等を用いることができる。スリットノズル610は、ノズルスライド機構612によって3つの現像処理ユニットDEVの配列方向に沿って移動し、3つの現像処理ユニットDEVのいずれの上方にも位置することができる。
スリットノズル610には、図示省略の現像液供給部から現像液が送給される。送給された現像液はスリットノズル610のスリット状の吐出口から帯状に吐出される。スリットノズル610は、3つの現像処理ユニットDEVのそれぞれに収容された基板Wに対して現像液を吐出する。より詳細には、3つの現像処理ユニットDEVのいずれかにおいて、回転保持部110によって静止状態または低速回転状態にて保持される基板Wの上方をスリットノズル610がX軸方向に沿ってスライド移動しつつ現像液をカーテン状に吐出することにより、基板Wの上面に現像液を液盛りすることができる。
一方、多孔ノズル620は、現像液を吐出する複数の小孔を備える現像液ノズルである。多孔ノズル620は、スリットノズル610と比較すると顕著に長さが短い。多孔ノズル620は、ノズル昇降機構621によって鉛直方向に沿って昇降移動されるとともに、ノズルスライド機構622によって水平方向(X軸方向)に沿ってスライド移動される。上記と同様に、ノズル昇降機構621としては例えばエアシリンダ等を用いることができ、ノズルスライド機構622としては例えばベルト駆動機構等を用いることができる。多孔ノズル620は、ノズルスライド機構622によって3つの現像処理ユニットDEVの配列方向に沿って移動し、3つの現像処理ユニットDEVのいずれの上方にも位置することができる。
多孔ノズル620には、図示省略の現像液供給部から現像液が送給される。送給された現像液は多孔ノズル620の複数の小孔から吐出される。多孔ノズル620は、3つの現像処理ユニットDEVのそれぞれに収容された基板Wに対して現像液を吐出する。より詳細には、3つの現像処理ユニットDEVのいずれかにおいて、回転保持部110に保持されて低速回転される基板Wの上方を多孔ノズル620がX軸方向に沿ってスライド移動しつつ現像液を複数の小孔から吐出することにより、基板Wの上面に現像液を液盛りすることができる。なお、多孔ノズル620は回転保持部110に保持された基板Wの中心直上を通過するように移動する。
このように、スリットノズル610および多孔ノズル620はいずれも複数の現像処理ユニットDEVの配列方向に沿って移動し、複数の現像処理ユニットDEVのそれぞれに収容された基板Wに対して現像液を吐出することができる。すなわち、スリットノズル610および多孔ノズル620は、複数の現像処理ユニットDEVのそれぞれに個別に設けられているものではなく、複数の現像処理ユニットDEVに共用のノズルである。現像処理に際してスリットノズル610または多孔ノズル620のいずれを用いるかはプロセスの目的や内容に応じて適宜選択することができる。なお、スリットノズル610および多孔ノズル620のスライド移動は、双方が干渉することの無いようにセルコントローラCCによって制御されている。
また、筐体50の内部には、隣接する現像処理ユニットDEVの間に待機ポッド70が設けられている。待機ポッド70は、待機状態にある現像液ノズル(スリットノズル610および多孔ノズル620)を受け入れるためのものである。具体的には、3つの現像処理ユニットDEVのいずれかにて現像液を吐出する前および/または後に現像液ノズルが待機ポッド70にて待機する。
現像液ノズルは、ノズル先端近傍にて変質或いは経時劣化した現像液が現像処理結果に影響を与えるのを防止するために、一定時間以上ノズル先端近傍に滞留したままの現像液を吐出して排出するオートディスペンス処理を行う。現像液ノズルは、このようなオートディスペンス処理を待機ポッド70にて行う。待機ポッド70は、オートディスペンス処理によって吐出された現像液を図示省略のドレインへと導く。
待機ポッド70は、スリットノズル610および多孔ノズル620に共用のものである。すなわち、スリットノズル610および多孔ノズル620の双方が待機ポッド70にて待機する。よって、長尺のスリットノズル610を受け入れることができるように、待機ポッド70も長尺形状の箱状部材とされている。待機ポッド70の長手方向長さは現像処理ユニットDEVにて処理される基板Wの径よりも長い。
また、図9に示すように、待機ポッド70の上端の高さ位置PTは処理位置における処理カップ120の上端の高さ位置CTよりも高く、待機ポッド70の下端の高さ位置PBは処理位置における処理カップ120の上端の高さ位置CTよりも低い。よって、処理カップ120が処理位置に上昇しているときの処理カップ120の上側側方は待機ポッド70によって覆われることとなる。
また、筐体50の内部には、3つの現像処理ユニットDEVの並びの両端にも待機ポッド75,76が設けられている。一端の待機ポッド75は待機状態のスリットノズル610を受け入れるためのものであり、他端の待機ポッド76は待機状態の多孔ノズル620を受け入れるためのものである。待機ポッド75,76は、ともにオートディスペンス処理によって吐出された現像液を図示省略のドレインへと導く。
また、図8に示すように、3つの現像処理ユニットDEVのぞれぞれの上方にはフィルタユニット80が設けられている。フィルタユニット80にはエア供給がなされており、筐体50の内部においては、3つのフィルタユニット80から下方に向けて清浄な空気のダウンフローが形成される。
さらに、図7に示すように、筐体50の壁面のうち3つの現像処理ユニットDEVのそれぞれの正面側(搬送スペースTP3,TP4に面する側)にはシャッター90が設けられている。現像処理ユニットDEVに対して基板Wの搬出入を行うときにはシャッター90が開放される。基板Wの現像処理を行うときにはシャッター90が閉鎖される。
<3.基板処理装置の動作>
次に、上述の構成を有する基板処理装置1の動作について説明する。まず、基板処理装置1の全体における基板搬送の手順について簡単に説明する。以下に説明する処理手順は、ホストコンピュータ100から受け取ったレシピの記述内容に従って図6の制御系が基板処理装置1の各部を制御することによって実行される。
まず、装置外部から未処理の基板WがキャリアCに収納された状態でAGV等によってインデクサブロックIDに搬入される。続いて、インデクサブロックIDから未処理の基板Wの払い出しが行われる。具体的には、インデクサロボットIDRが所定のキャリアCから未処理の基板Wを取り出し、基板載置部PASS1Uまたは基板載置部PASS1Lに交互に搬送して載置する。
基板載置部PASS1Uに未処理の基板Wが載置されると、上側塗布セルUCの主搬送ロボットTR1がその基板Wを冷却ユニットCPに搬送する。基板Wは冷却ユニットCPにて所定温度に温調される。続いて、基板Wは主搬送ロボットTR1によっていずれかの反射防止膜用塗布処理ユニットBARCに搬送される。反射防止膜用塗布処理ユニットBARCでは、基板Wに反射防止膜用の塗布液が回転塗布される。塗布処理が終了した後、基板Wは主搬送ロボットTR1によって加熱ユニットPHPに搬送される。加熱ユニットPHPにて基板Wの加熱処理が行われることによって、塗布液が乾燥されて基板W上に下地の反射防止膜が形成される。なお、反射防止膜は、露光時に発生する定在波やハレーションを減少させるために、レジスト膜の下地に形成する膜である。その後、主搬送ロボットTR1によって加熱ユニットPHPから取り出された基板Wは冷却ユニットCPに搬送されて冷却される。なお、下地の反射防止膜を形成する前に基板Wを密着強化処理用の加熱ユニットPHPに搬送してHMDSの蒸気雰囲気で密着強化処理を行うようにしても良い。
冷却後の基板Wは主搬送ロボットTR1によって冷却ユニットCPからいずれかのレジスト膜用塗布処理ユニットRESに搬送される。レジスト膜用塗布処理ユニットRESでは、基板Wにレジスト膜用の塗布液が回転塗布される。なお、本実施形態では、レジストとして化学増幅型レジストを用いている。塗布処理が終了した後、基板Wは主搬送ロボットTR1によって加熱ユニットPHPに搬送される。加熱ユニットPHPにて基板Wの加熱処理が行われることによって、塗布液が乾燥されて基板W上にレジスト膜が形成される。その後、主搬送ロボットTR1によって加熱ユニットPHPから取り出された基板Wは冷却ユニットCPに搬送されて冷却される。冷却後の基板Wは主搬送ロボットTR1によって冷却ユニットCPから取り出されて基板載置部PASS3Uに載置される。
基板載置部PASS3Uにレジスト膜が形成された基板Wが載置されると、上側現像セルUDの主搬送ロボットTR3がその基板Wをエッジ露光ユニットEEWに搬送する。エッジ露光ユニットEEWにおいては、基板Wを回転させつつ周縁部に光を照射して周縁露光処理が行われる。周縁部の露光処理が終了した基板Wは主搬送ロボットTR3によって基板載置部PASS5Uに載置される。
一方、基板載置部PASS1Lに載置された基板Wには下側塗布セルLCおよび下側現像セルLDにおいて上記と同様の処理がなされて基板載置部PASS5Lに載置される。基板Wは、下側塗布セルLCでは主搬送ロボットTR2によって搬送され、下側現像セルLDでは主搬送ロボットTR4によって搬送される。すなわち、基板載置部PASS1Uに載置された基板Wは上側塗布セルUCから基板載置部PASS3Uを経由して上側現像セルUDを通る上側の基板処理経路を搬送されて基板載置部PASS5Uに載置される。基板載置部PASS1Lに載置された基板Wは下側塗布セルLCから基板載置部PASS3Lを経由して下側現像セルLDを通る下側の基板処理経路を搬送されて基板載置部PASS5Lに載置される。上側の基板処理経路に入った基板Wが途中から下側の基板処理経路に移ることはなく、逆に下側の基板処理経路に入った基板Wが途中から上側の基板処理経路に移ることもない。
基板載置部PASS5U,PASS5Lに載置された基板WはインターフェイスブロックIFの第1インターフェイスロボットIFR1によって基板載置部PASS7に載置される。そして、基板載置部PASS7に載置された基板Wは第2インターフェイスロボットIFR2によって受け取られ、露光装置EXPに搬入され、パターン露光処理に供される。本実施形態では化学増幅型レジストを使用しているため、基板W上に形成されたレジスト膜のうち露光された部分では光化学反応によって酸が生成する。なお、露光装置EXPにおいて、基板Wに液浸露光処理を行うようにしても良い。
パターン露光処理が終了した露光済みの基板Wは露光装置EXPから再びインターフェイスブロックIFに戻され、第2インターフェイスロボットIFR2によって基板載置部PASS8に載置される。露光後の基板Wが基板載置部PASS8に載置されると、第1インターフェイスロボットIFR1がその基板Wを受け取って現像処理ブロックSDの上側現像セルUDまたは下側現像セルLDに配置された加熱ユニットPHPに搬送する。搬送先の加熱ユニットPHPは、インターフェイスブロックIFに近い列に配置された加熱ユニットPHPである。加熱ユニットPHPでは、露光時の光化学反応によって生じた生成物を酸触媒としてレジストの樹脂の架橋・重合等の反応を進行させ、現像液に対する溶解度を露光部分のみ局所的に変化させるための露光後加熱処理(Post Exposure Bake)が行われる。露光後加熱処理が終了した基板Wは、加熱ユニットPHPが備えるローカル搬送アーム26によって搬送されることにより冷却され、上記化学反応が停止する。続いて、基板Wは第1インターフェイスロボットIFR1によって加熱ユニットPHPから取り出され、基板載置部PASS6Uまたは基板載置部PASS6Lに載置される。
基板載置部PASS6Uに基板Wが載置されると、上側現像セルUDの主搬送ロボットTR3がその基板Wを受け取って冷却ユニットCPに搬送する。冷却ユニットCPにおいては、露光後加熱処理が終了した基板Wがさらに冷却され、所定温度に正確に温調される。その後、主搬送ロボットTR3は、冷却ユニットCPから基板Wを取り出して現像処理ユニットDEVのいずれかに搬送する。現像処理ユニットDEVにおける動作についてはさらに後述するが、基板Wに現像液を供給して現像処理を進行させる。やがて現像処理が終了した後、基板Wは主搬送ロボットTR3によって加熱ユニットPHPに搬送される。このときには塗布処理ブロックSCに近い列に配置された加熱ユニットPHPに搬送される。加熱ユニットPHPでは、基板Wが加熱処理によって乾燥される。さらにその後、基板Wは主搬送ロボットTR3によって冷却ユニットCPに搬送されて冷却される。冷却後の基板Wは主搬送ロボットTR3によって冷却ユニットCPから取り出されて基板載置部PASS4Uに載置される。基板載置部PASS4Uに載置された基板Wは、上側塗布セルUCの主搬送ロボットTR1によってそのまま基板載置部PASS2Uに載置される。
一方、基板載置部PASS6Lに載置された基板Wには下側現像セルLDおよび下側塗布セルLCにおいて上記と同様の処理がなされて基板載置部PASS2Lに載置される。すなわち、基板載置部PASS6Uに載置された基板Wは上側現像セルUDから基板載置部PASS4Uを経由して上側塗布セルUCを通る上側の基板処理経路を搬送されて基板載置部PASS2Uに載置される。基板載置部PASS6Lに載置された基板Wは下側現像セルLDから基板載置部PASS4Lを経由して下側塗布セルLCを通る下側の基板処理経路を搬送されて基板載置部PASS2Lに載置される。往路と同様に、上側の基板処理経路に入った基板Wが途中から下側の基板処理経路に移ることはなく、逆に下側の基板処理経路に入った基板Wが途中から上側の基板処理経路に移ることもない。
基板載置部PASS2U,PASS2Lに載置された処理済みの基板WはインデクサブロックIDのインデクサロボットIDRによって所定のキャリアCに収納される。その後、所定枚数の処理済み基板Wが収納されたキャリアCが装置外部に搬出されて一連のフォトリソグラフィー処理が完了する。
<4.現像処理装置の動作>
次に、現像処理装置の動作について説明する。ここでは、上側現像セルUDに設けられた現像処理装置の動作について説明するが、下側現像セルLDに設けられた現像処理装置についても同様である。現像処理装置の動作は、主搬送ロボットTR3,TR4を管理するセルコントローラCCが現像処理装置の各部を制御することによって進行する。
図10は、現像処理装置におけるスリットノズル610および多孔ノズル620の動作を示す図である。露光後加熱処理が終了して所定温度に温調された基板Wが主搬送ロボットTR3によって3つの現像処理ユニットDEVのうちのいずれかに搬入される。基板Wが搬入される際にはシャッター90が開放され、そこから主搬送ロボットTR3の保持アーム37a(または37b)が進入する。また、処理カップ120は搬出入位置に下降しており、搬入された基板Wは回転保持部110のスピンチャック111によって保持される。基板Wが搬入された後、保持アーム37a(または37b)が退出し、シャッター90が閉鎖される。そして、処理カップ120は処理位置にまで上昇する。
スリットノズル610によって現像液を供給する場合には、基板Wは回転保持部110に静止状態で保持される。そして、図10に示すように、待機ポッド75に待機していたスリットノズル610が基板Wの一端側直上に移動し、現像液を帯状に吐出しつつ他端側に向けて水平移動する。これによって、基板Wの上面には現像液が液盛りされ、現像処理が進行する。現像液の供給を終了したスリットノズル610は待機ポッド70に移動して待機する。
現像液が液盛りされた状態にて所定時間が経過した後、リンスノズル130がリンス位置まで移動して基板Wの上面に純水を吐出する。これにより、現像液の濃度が薄くなって現像処理反応が停止する。そして、回転保持部110が基板Wを回転させて水滴を振り切って乾燥させる。振り切り乾燥処理が終了した後、再び処理カップ120が搬出入位置に下降するとともに、シャッター90が開放されて主搬送ロボットTR3によって基板Wが搬出される。
一方、多孔ノズル620によって現像液を供給する場合には、回転保持部110が基板Wを低速で回転させる。そして、待機ポッド76に待機していた多孔ノズル620が基板Wの回転中心の直上まで移動し、複数の小孔から現像液を吐出しつつ基板Wの端部に向けて水平移動する。これによって、板Wの上面には現像液が液盛りされ、現像処理が進行する。現像液の供給を終了した多孔ノズル620は待機ポッド70に移動して待機する。なお、多孔ノズル620は回転する基板Wの端部から回転中心に向けて水平移動するようにしても良い。
上記と同様に、現像液が液盛りされた状態にて所定時間が経過した後、リンスノズル130がリンス位置まで移動して基板Wの上面に純水を吐出することにより、現像液の濃度が薄くなって現像処理反応が停止する。そして、回転保持部110が基板Wを回転させて水滴を振り切って乾燥させる。振り切り乾燥処理が終了した後、再び処理カップ120が搬出入位置に下降するとともに、シャッター90が開放されて主搬送ロボットTR3によって基板Wが搬出される。
スリットノズル610および多孔ノズル620の双方ともに後続の新たな基板Wがいずれかの現像処理ユニットDEVに搬入されたときには、待機ポッド70からその基板Wの上方に移動する。スリットノズル610および多孔ノズル620は待機ポッド70にてオートディスペンス処理を行っても良い。
回転保持部110が基板Wを回転させて水滴を振り切るときに、飛散した大半の水滴は処理カップ120によって受け止められて回収されるのであるが、一部はミストとして処理カップ120を超えて飛散することもある。本実施形態においては、処理カップ120が処理位置に上昇しているときの処理カップ120の上側側方は待機ポッド70によって覆われている。従って、処理カップ120を超えてミストが飛散したとしても、そのミストが隣接する現像処理ユニットDEVにまで飛散することは待機ポッド70によってせき止められる。その結果、隣接する現像処理ユニットDEVから飛散したミストが基板Wに付着してその基板Wを汚染することが防止される。すなわち、待機ポッド70は、待機状態の現像液ノズルを受け入れるという本来の機能の他に、隣接する現像処理ユニットDEVを仕切る仕切壁としての機能をも兼ね備えているのである。
本実施形態の現像処理装置においては、3つの現像処理ユニットDEVのそれぞれに個別にスリットノズル610および多孔ノズル620を設けるのではなく、1つのスリットノズル610および多孔ノズル620を3つの現像処理ユニットDEVにて共有するようにしている。このため、現像液ノズルに関連する部品点数は少なくなっている。そして、待機状態の現像液ノズルを受け入れる待機ポッド70に隣接する現像処理ユニットDEVを仕切る仕切壁としての役割を果たさせることにより、新たに別途仕切板を設ける必要がなくなり、部品点数をさらに削減することができる。その結果、現像処理装置に必要なコストも低減することができる。
また、別途に仕切板を設ける必要がなくなれば、待機ポッド70と仕切板とを個別にデザインする必要もなくなり、筐体50内の限られた制限空間内に仕切板を設置するためのスペースを削減することもできる。このため、その削減スペース分を他の要求仕様実現の目的に流用することができ、筐体50の制限空間内での高いデザイン裕度を持たせることができる。或いは、その削減スペース分だけ現像処理装置の専有面積を低減することもできる。
また、待機ポッド70の上方には少なくともスリットノズル610および多孔ノズル620が通過できるだけのスペースが空いているため、3つの現像処理ユニットDEVの雰囲気は完全に遮断されているのではなく、相互に雰囲気が連通された状態となっている。このため、湿度や温度等の雰囲気を3つの現像処理ユニットDEVについて共通のものとすることができ、プロセス雰囲気に機差が生じるのを防止することができる。その結果、3つの現像処理ユニットDEVについて均一な現像処理を行うことができる。
さらに、筐体50の天井部分に設けられた3つのフィルタユニット80からは、下方に向けて清浄な空気のダウンフローが形成されている。待機ポッド70が仕切壁としても機能することにより、3つの現像処理ユニットDEVにおけるダウンフローが相互に干渉することが防止され、その結果各現像処理ユニットDEVに安定した清浄空気の気流を形成することができる。このため、より安定した現像処理を行うことができる。
<5.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては、現像処理装置に3つの現像処理ユニットDEVを設けていたが、1つの現像処理装置に設ける現像処理ユニットDEVの設置数は3つに限定されるものではなく、2つであっても良いし、4つ以上であっても良い。設置数にかかわらず複数の現像処理ユニットDEVの配列のうちの隣接する現像処理ユニットDEVの間に上記実施形態と同様の待機ポッド70を設けるようにすれば、同様の効果を得ることができる。
また、隣接する現像処理ユニットDEVの間に設ける待機ポッドの構成は図11,12に示すようなものであっても良い。図11に示す待機ポッド170は、内部に雰囲気分離板171を備えている。雰囲気分離板171の一方側にてスリットノズル610が待機し、他方側にて多孔ノズル620が待機する。このようにすれば、スリットノズル610から吐出する現像液の種類と多孔ノズル620から吐出する現像液の種類とが異なる場合であっても、互いの現像液がスリットノズル610または多孔ノズル620に影響を与えるのを防止することができる。
図12に示す待機ポッド270は、内部にノズル洗浄機構271,272を備えている。ノズル洗浄機構271はスリット状の吐出口を含むスリットノズル610の先端を洗浄する。ノズル洗浄機構272は複数の小孔を含む多孔ノズル620の先端を洗浄する。このようなノズル洗浄機構271,272を設けるようにすれば、待機ポッド70において待機中のスリットノズル610および多孔ノズル620の洗浄処理を行うことができる。
また、上記実施形態においては、現像処理装置に2種類の現像液ノズル、すなわちスリットノズル610および多孔ノズル620を設けるようにしていたが、2本のスリットノズル610または2本の多孔ノズル620を設けるようにしても良い。この場合に図12のような構成を採用するときには、待機ポッド270の内部に2つのノズル洗浄機構271または2つのノズル洗浄機構272を設けるようにすれば良い。また、現像処理装置に設ける現像液ノズルは1つのみであっても良いし、上記とは異なる種類の現像液ノズルを設けるようにしても良い。いずれの場合であっても、現像液ノズルは複数の現像処理ユニットDEVに共有される。
また、図10に示す動作例では、現像液の吐出を終了した後にスリットノズル610および多孔ノズル620が待機ポッド70に移動して待機していたが、現像液の吐出を行う前に予め待機ポッド70に移動して待機するようにしても良い。
また、上記実施形態においては3つの現像処理ユニットDEVの並びの両端に設けていた待機ポッド75,76を待機ポッド70と同様の構成としても良い。
また、基板処理装置1の全体構成は図1から図5に示したような形態に限定されるものではなく、本発明に係る現像処理装置を組み込んだ形態であれば、処理ユニットおよび搬送ロボットの数やレイアウトは適宜変更することができる。
本発明に係る現像処理装置を組み込んだ基板処理装置の平面図である。 図1の基板処理装置の液処理ユニットの配置構成を示す概略側面図である。 図1の基板処理装置の熱処理ユニットの配置構成を示す概略側面図である。 図1の基板処理装置の搬送ロボットおよび基板載置部の配置構成を示す側面図である。 インターフェイスブロックの構成を示す側面図である。 図1の基板処理装置の制御系の概略を示すブロック図である。 本発明に係る現像処理装置の平面図である。 図7の現像処理装置の側面図である。 隣接する2つの現像処理ユニットを拡大した側面図である。 現像処理装置におけるスリットノズルおよび多孔ノズルの動作を示す図である。 待機ポッドの他の構成例を示す図である。 待機ポッドの他の構成例を示す図である。
符号の説明
1 基板処理装置
50 筐体
70,170,270 待機ポッド
80 フィルタユニット
110 回転保持部
120 処理カップ
125 カップ昇降機構
130 リンスノズル
610 スリットノズル
620 多孔ノズル
BARC 反射防止膜用塗布処理ユニット
CP 冷却ユニット
DEV 現像処理ユニット
ID インデクサブロック
IDR インデクサロボット
IF インターフェイスブロック
IFR1 第1インターフェイスロボット
IFR2 第2インターフェイスロボット
LC 下側塗布セル
LD 下側現像セル
PHP 加熱ユニット
RES レジスト膜用塗布処理ユニット
SC 塗布処理ブロック
SD 現像処理ブロック
TR1,TR2,TR3,TR4 主搬送ロボット
UC 上側塗布セル
UD 上側現像セル
W 基板

Claims (2)

  1. 基板に現像液を供給して現像処理を行う現像処理装置であって、
    共通の筐体内に、相互に雰囲気を連通させた状態にて同じ高さ位置に一列に並設された複数の現像処理ユニットと、
    前記複数の現像処理ユニットの配列方向に沿って移動し、前記複数の現像処理ユニットのそれぞれに収容された円形の基板に対して現像液を吐出する現像液ノズルと、
    前記複数の現像処理ユニットの配列のうちの隣接する現像処理ユニットの間に設けられ、待機状態の現像液ノズルを受け入れる長尺形状の待機ポッドと、
    を備え、
    前記待機ポッドの長手方向長さは前記基板の径よりも長く、
    前記複数の現像処理ユニットのそれぞれは、
    基板を保持して回転させる回転保持手段と、
    前記回転保持手段に保持された基板の周囲を取り囲むカップと、
    前記カップを、前記回転保持手段に対して基板を搬出入するときの搬出入位置と前記回転保持手段に保持された基板に現像処理を行うときの前記カップの上端が前記回転保持手段に保持された基板よりも高くなる処理位置との間で昇降させる昇降手段と、
    を備え、
    前記待機ポッドの上端の高さ位置は前記処理位置における前記カップの上端よりも高く、前記待機ポッドの下端の高さ位置は前記処理位置における前記カップの上端よりも低いことを特徴とする現像処理装置。
  2. 請求項1記載の現像処理装置において、
    前記待機ポッドに、前記現像液ノズルの洗浄を行う洗浄機構を設けることを特徴とする現像処理装置。
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