JP3854166B2 - 基板処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体ウエハ等の基板の表面に現像液、レジスト液、リンス液等の処理液を供給して基板に対し所要の処理を施す基板処理装置、特に、スリット状液吐出口もしくは複数の小孔が並列した液吐出口を有する処理液吐出ノズルを備えた基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば半導体デバイスの製造プロセスにおいて、近年、半導体ウエハの表面に形成されたフォトレジスト膜を現像処理する方法の1つとしてスリットスキャン現像方式が広く用いられている。この現像方式は、例えば特開平11−221511号公報等に開示されているように、下端面にスリット状液吐出口を有する現像液吐出ノズルを、ウエハ保持部によって水平姿勢に保持され静止した状態のウエハの一端から他端まで水平方向へ直線状に移動させながら、現像液吐出ノズルのスリット状液吐出口から現像液をウエハ上へ吐出して、ウエハ上に現像液を盛るようにするものである。このように、ウエハを静止させた状態で液盛りを行うことにより、レジスト膜パターンの線幅均一性を大幅に向上させることが可能になった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、現像液吐出ノズルが走査する平面領域は矩形状であるのに対し、半導体ウエハやその周囲を取り囲む現像カップの外周は円形である。このため、現像液吐出ノズルのスリット状液吐出口から吐出される現像液のうちの一部は、ウエハ上に盛られずに、現像液吐出ノズルの走査時にウエハ面外に滴下して廃棄されてしまい、現像液が無駄に消費されていたという問題点があった。
【0004】
この発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、スリット状液吐出口もしくは複数の小孔が並列した液吐出口を有する処理液吐出ノズルを走査しつつ液吐出口から基板上へ処理液を吐出する処理方式において、処理液の無駄な消費を無くすことができる基板処理装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、基板を水平姿勢に保持する基板保持手段と、上部が開口し前記基板保持手段に保持された基板を取り囲むように配設されたカップと、下端部にスリット状のもしくは複数の小孔が並列した液吐出口を有し基板に対して相対的に水平方向へ移動しつつ前記液吐出口から基板上へ処理液を吐出する処理液吐出ノズルと、この処理液吐出ノズルを基板に対して相対的に水平方向へ移動させる水平移動手段と、を備えた基板処理装置において、前記カップの周辺に、前記処理液吐出ノズルの液吐出口から基板面外に吐出された処理液を回収するための回収容器をカップとは別体として配設し、前記回収容器を、前記処理液吐出ノズルの液吐出口から基板面外に吐出された処理液を回収する回収位置と退避位置との間を移動可能に支持したことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の基板処理装置において、前記退避位置を前記回収位置と同一水平面内に設定し、前記回収容器を退避位置と回収位置との間において水平面内で往復移動させることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2記載の基板処理装置において、前記回収容器の、前記カップと対向する側の上端部を、カップの上端縁の上方に張り出させて基板の周縁付近まで延設したことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1記載の基板処理装置において、前記退避位置を前記回収位置の下方に設定し、前記回収容器を退避位置と回収位置との間で上下方向に往復移動させることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、基板を水平姿勢に保持する基板保持手段と、上部が開口し前記基板保持手段に保持された基板を取り囲むように配設されたカップと、下端部にスリット状のもしくは複数の小孔が並列した液吐出口を有し基板に対して相対的に水平方向へ移動しつつ前記液吐出口から基板上へ処理液を吐出する処理液吐出ノズルと、この処理液吐出ノズルを基板に対して相対的に水平方向へ移動させる水平移動手段と、を備えた基板処理装置において、前記カップの周辺に、前記処理液吐出ノズルの相対的移動方向と直交する方向における幅寸法が処理液吐出ノズルの長手側寸法と同等の矩形状をなし処理液吐出ノズルの液吐出口から基板面外に吐出された処理液を回収するための回収容器を、処理液吐出ノズルの相対的移動方向における前端位置がカップの上部開口面の前端位置より前方となるように配設したことを特徴とする。
請求項6に係る発明は、基板を水平姿勢に保持する基板保持手段と、上部が開口し前記基板保持手段に保持された基板を取り囲むように配設されたカップと、下端部にスリット状のもしくは複数の小孔が並列した液吐出口を有し基板に対して相対的に水平方向へ移動しつつ前記液吐出口から基板上へ処理液を吐出する処理液吐出ノズルと、この処理液吐出ノズルを基板に対して相対的に水平方向へ移動させる水平移動手段と、を備えた基板処理装置において、前記カップの周辺に、前記処理液吐出ノズルの相対的移動方向と直交する方向における幅寸法が処理液吐出ノズルの長手側寸法と同等の矩形状をなし処理液吐出ノズルの液吐出口から基板面外に吐出された処理液を回収するための回収容器を、処理液吐出ノズルの相対的移動方向における後端位置がカップの上部開口面の後端位置より後方となるように配設したことを特徴とする。
【0006】
請求項7に係る発明は、請求項5または請求項6記載の基板処理装置において、前記回収容器を、前記処理液吐出ノズルの液吐出口から基板面外に吐出された処理液を回収する回収位置と退避位置との間で移動可能に支持したことを特徴とする。
【0007】
請求項8に係る発明は、請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の基板処理装置において、前記カップを基板に対して相対的に上下方向へ移動させる上下移動手段が設けられ、前記回収容器を前記カップに一体的に取着して、回収容器をカップと一緒に基板に対して相対的に上下方向へ移動させることを特徴とする。
【0008】
請求項9に係る発明は、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の基板処理装置において、前記回収容器の、前記カップと対向して近接する面を、カップの外周形状に沿った形状としたことを特徴とする。
【0009】
請求項10に係る発明は、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の基板処理装置において、前記回収容器を処理液貯留タンクに回収用配管を介して接続したことを特徴とする。
【0010】
請求項11に係る発明は、請求項10記載の基板処理装置において、前記回収用配管に開閉弁を介挿したことを特徴とする。
【0011】
請求項12に係る発明は、請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の基板処理装置において、前記回収容器に、その内側面を洗浄し乾燥させる洗浄・乾燥手段を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項1、請求項5および請求項6に係る発明の基板処理装置においては、処理液吐出ノズルを基板に対して相対的に水平方向へ移動させつつスリット状液吐出口もしくは複数の小孔が並列した液吐出口から基板上へ処理液を吐出したとき、液吐出口から処理液のうちの一部が基板面外に吐出されると、その処理液は、カップの周辺に配設された回収容器内に滴下して回収される。
また、請求項1に係る発明の装置では、処理液吐出ノズルの液吐出口から基板上へ処理液を吐出するときは、回収容器がカップ周辺の回収位置に移動して保持され、基板上への処理液も吐出操作が終わると、回収容器は回収位置から退避位置へ移動して、基板上への純水の吐出操作、基板の乾燥処理などが行われる。
請求項5に係る発明の装置では、処理液の吐出が開始されてから処理液吐出ノズルがカップの上部開口面の前端位置に到達するまでの間に液吐出口から吐出される処理液も回収容器内に回収される。
請求項6に係る発明の装置では、処理液吐出ノズルがカップの上部開口面を通過してから処理液の吐出が完全に停止するまでの間に液吐出口から吐出される処理液も回収容器内に回収される。
請求項2に係る発明の基板処理装置では、処理液吐出ノズルから基板上へ処理液を吐出しないときには、回収容器が回収位置と同一水平面内に設けられた退避位置へ移動させられるので、他の操作の支障とならない。
請求項3に係る発明の基板処理装置では、カップの上端縁を越えて基板の周縁付近まで至る領域に滴下する処理液も回収される。
請求項4に係る発明の基板処理装置では、処理液吐出ノズルから基板上へ処理液を吐出しないときには、回収容器が回収位置の下方の退避位置へ移動させられるので、他の操作の支障とならない。
【0013】
請求項7に係る発明の基板処理装置では、処理液吐出ノズルから基板上へ処理液を吐出しないときには、回収容器が退避位置へ移動させられるので、他の操作の支障とならない。
【0014】
請求項8に係る発明の基板処理装置では、処理液吐出ノズルから基板上へ処理液が吐出されるときには、カップは基板に対して相対的に下方へ移動させられるが、カップに一体的に取着された回収容器も基板に対してその下方に位置し、処理液吐出ノズルの液吐出口から基板面外に吐出された処理液を回収容器内に回収する。処理液吐出ノズルから基板上へ処理液が吐出されないとき、例えば、基板上に現像液を液盛りしてから所定時間が経過した後に基板上へ純水を吐出し基板を回転させるときには、カップは基板に対して相対的に上方へ移動させられるが、カップに一体的に取着された回収容器も基板に対してその上方に位置することになるので、基板上から飛散した純水や現像液が回収容器内の処理液(現像液)に混入することが防止される
【0015】
請求項9に係る発明の基板処理装置では、カップの外周と回収容器の対向面との隙間が小さくなるので、処理液吐出ノズルの液吐出口から基板面外に吐出された処理液をより多く回収容器内に回収することが可能になる
【0016】
請求項10に係る発明の基板処理装置では、処理液吐出ノズルの液吐出口から基板面外に吐出され回収容器内に滴下した処理液は、回収用配管を通って処理液貯留タンク内に集められ貯留される。
【0017】
請求項11に係る発明の基板処理装置では、回収用配管に介挿された開閉弁を閉じることにより、処理液貯留タンク内に貯留された処理液が回収用配管を通じて空気と触れることが防止される。
【0018】
請求項12に係る発明の基板処理装置では、洗浄・乾燥手段によって適宜、回収容器の内側面を洗浄し乾燥させることにより、現像液等の処理液が回収容器の内側面に付着したままとなって、その影響で回収される処理液の濃度が変動する、といったことが防止される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1および図2は、この発明の実施形態の1例を示し、図1は、基板処理装置の1種である現像処理装置の概略構成を示す平面図であり、図2は、図1のII−II矢視断面図である。
【0021】
この現像処理装置は、基板、例えば半導体ウエハWを水平姿勢で吸着保持するウエハ保持部10、上端部にウエハ保持部10が固着され鉛直に支持された回転支軸12、および、回転支軸12に回転軸が連結されウエハ保持部10および回転支軸12を鉛直軸回りに回転させる回転モータ14を備えている。ウエハ保持部10の周囲には、ウエハ保持部10上のウエハWを取り囲むように円形の現像カップ16が配設されており、現像カップ16は、上下方向へ往復移動自在に保持されている。
【0022】
現像カップ16の一方の側部には、ガイドレール18が配設されている。ガイドレール18には、アーム駆動部20が摺動自在に係合しており、アーム駆動部20にノズルアーム22が保持されている。ノズルアーム22には、現像液吐出ノズル24が水平姿勢で吊着されており、現像液吐出ノズル24は、ガイドレール18と直交する方向に配置されている。現像液吐出ノズル24は、下端面に長手方向に延びるスリット状液吐出口26を有し、図示しない現像液供給管を通して現像液供給源に接続されている。そして、アーム駆動部20により、ノズルアーム22をガイドレール18に沿って水平方向へ直線的に移動させて、現像液吐出ノズル24を矢印Aで示す方向に走査しつつ、現像液吐出ノズル24のスリット状液吐出口26からウエハW上へ現像液を吐出することができるようになっている。ウエハW上への液盛りが済むと、現像液吐出ノズル24は、矢印Aで示す方向と逆方向に移動させられて元の位置に戻される。
【0023】
また、現像カップ16の他方の側部には、液盛りしてから所定時間が経過した後に現像反応を停止させるためにウエハW上へ純水(リンス液)を吐出する純水吐出ノズル28が配設されている。純水吐出ノズル28は、図示しない純水供給管を通して純水供給源に接続されている。この純水吐出ノズル28は、矢印Bで示す方向へ水平面内で回動可能に支持されている。
【0024】
この装置には、現像カップ16の周辺に、現像液吐出ノズル24のスリット状液吐出口26からウエハW面外に吐出された現像液を回収するための回収容器30が配設されている。図示例では、現像液吐出ノズル24の移動方向における現像カップ16の前後に一対の回収容器30、30が設けられている。なお、回収容器30は、現像カップ16の前側だけあるいは後側だけに設けるようにしてもよい。
【0025】
回収容器30は、現像液吐出ノズル24の移動方向と直交する方向における幅寸法が現像液吐出ノズル24の長手側寸法と同等もしくはそれより若干大きい矩形状をなし、現像カップ16と対向して近接する面が現像カップ16の外周形状に沿った円弧状に形成されていて、回収容器30と現像カップ16との間にほとんど隙間が出来ないようにされている。勿論、回収容器30の形状は、図示例のものに限定されない。例えば、図3に示すように、回収容器31の、現像カップ17と対向する側の上部を、現像カップ17の上端縁の上方に張り出させてウエハWの周縁付近まで延設するような形状としてもよい。
【0026】
回収容器30には、現像液流出口32が形設されており、現像液流出口32に回収用配管34が連通接続されている。回収用配管34は、現像液貯留タンク36に流路的に接続されている。回収用配管34には、回収容器30側および現像液貯留タンク36側にそれぞれ開閉弁38、40が介挿されている。現像液貯留タンク36は、密閉構造を有し、内部に回収された現像液42が貯留される。また、現像液貯留タンク36には、開閉弁46が介挿された取出し用配管44が挿入されている。
【0027】
回収容器30は、現像液吐出ノズル24のスリット状液吐出口26からウエハW面外に吐出された現像液を回収する回収位置(図1および図2に示した位置)と退避位置との間を移動可能に支持されている。退避位置は、回収位置と同一水平面内に設定して、図1に矢印Cで示すように回収容器30を水平面内で往復移動させるようにしてもよいし、退避位置を回収位置の下方に設定して、図2に矢印Dで示すように回収容器30を回収位置と退避位置との間で昇降させるようにしてもよい。なお、回収容器30が図1および図2に示した位置にあっても、操作に特に支障が無ければ、回収容器30を固定してもよい。
【0028】
また、図示していないが、回収容器30に、その内側面を洗浄し乾燥させる洗浄・乾燥装置を併設するとよい。そして、洗浄・乾燥装置により、適宜、回収容器30の内側面を洗浄し乾燥させるようにする。このようにすると、現像液が回収容器30の内側面に付着したままとなって、その影響で回収される現像液の濃度が変動する、といったことを防止することができる。
【0029】
なお、回収容器の平面形状は、図1に示したものに限らない。例えば、回収容器を固定しても差し支えない場合において、図4に示すように、現像カップ16に一体化された回収容器52としてもよい。このような構成にすると、現像液吐出ノズル24からウエハW面外に吐出された未使用の現像液をより多く回収容器52内に回収することが可能となる。図4中の符号54は、現像液流出口を示す。
【0030】
次に、上記したような構成を備えた現像処理装置による処理動作の1例について説明する。
【0031】
表面に露光後のフォトレジスト膜が形成されたウエハWが装置内に搬入されて、ウエハ保持部10にウエハWが保持されると、回収容器30を回収位置へ移動させる。続いて、現像液供給源から現像液供給管を通して現像液吐出ノズル24内へ現像液を供給し、スリット状液吐出口26からウエハW上へ現像液を吐出させつつ、アーム駆動部20によって現像液吐出ノズル24を矢印Aで示す方向に走査する。これにより、ウエハW上に現像液が供給されて液盛りされる。このとき、現像液吐出ノズル24のスリット状液吐出口26からウエハW面外に吐出された現像液は、回収容器30内に滴下する。回収容器30内に滴下した現像液は、回収用配管34を通って現像液貯留タンク36内に集められ貯留される。現像液貯留タンク36内に貯留された現像液42は、濃度チェックされ、必要により濃度調整されて、再利用される。
【0032】
ウエハW上への液盛りが終わると、アーム駆動部20により現像液吐出ノズル24を矢印Aで示す方向と逆方向へ移動させて元の位置に戻し、次いで、回収容器30を回収位置から退避位置へ移動させ、回収用配管34に介挿された開閉弁38、40を閉じる。回収用配管30に介挿された開閉弁38、40を閉じておくことにより、現像液貯留タンク36内に貯留された現像液42が回収用配管30を通じて空気と触れることを防止することができる。
【0033】
次に、現像カップ16を上昇させ、ウエハW上に液盛りしてから所定時間が経過すると、純水吐出ノズル28を作動させ、純水吐出ノズル28から純水をウエハW上へ吐出させることにより、ウエハWの表面上のフォトレジスト膜の現像反応を停止させる。続いて、回転モータ14を作動させて、ウエハ保持部10に保持されたウエハWを水平面内で鉛直軸回りに回転させることにより、ウエハWを乾燥させる。ウエハWの乾燥処理が終了すると、回転モータ14を停止させ、ウエハWを装置内から搬出する。
【0034】
次に、図5および図6は、図4に示したように現像カップに一体的に取着された回収容器を備えた現像処理装置による処理動作について説明するための図である。この装置の現像カップ56は、その上面開口に比べて胴部の径が大きくされている。これは、図6に示すように現像カップ56を上昇させた状態でウエハW上へ純水を吐出させその後にウエハWを回転させて乾燥させる際に、ウエハW上から飛散した純水や現像液が現像カップ56の内周壁面で跳ね返るのを少なくするためである。この現像カップ56の上部の小径とされた部分の外周壁面に、現像液吐出ノズル24からウエハW面外に吐出された未使用の現像液を回収するための回収容器58が固定されている。図中の符号60、62は、それぞれ現像液吐出ノズル24の待機位置を示す。
【0035】
このような構成の装置において、現像液吐出ノズル24によってウエハW上に現像液を液盛りするときは、図5に示すように、現像カップ56および回収容器58はウエハWより僅かに下方の位置に静止させられる。この状態で、現像液吐出ノズル24のスリット状液吐出口からウエハW上へ現像液を吐出させつつ現像液吐出ノズル24を矢印方向へ移動させる。これにより、ウエハW上に現像液が供給されて液盛りされ、現像液吐出ノズル24のスリット状液吐出口からウエハW面外に吐出された現像液が回収容器58内に回収される。
【0036】
ウエハW上への現像液の供給が終わると、図6に示すように、現像液吐出ノズル24が待機位置60へ移動し、図示しない上下移動機構によって現像カップ56が上昇させられ、現像カップ56と一体の回収容器58も上昇して、ウエハWより上方の位置に静止する。そして、ウエハW上への液盛りから所定時間が経過すると、純水吐出ノズル(図5および図6には図示せず)から純水がウエハW上へ吐出されて、ウエハW上のフォトレジスト膜の現像反応が停止させられ、続いて、ウエハ保持部10に保持されたウエハWが回転させられて乾燥させられる。このとき、回収容器58の上面開口は、ウエハWより上方に位置しているので、ウエハW上から純水や現像液が飛散しても、そのミストが回収容器58内の現像液に混入する心配が無い。ウエハWの乾燥処理が終了すると、現像カップ56および回収容器58が元の下方位置へ移動させられ、その後にウエハWが装置内から搬出される。
【0037】
なお、上記した実施形態では、下端面にスリット状液吐出口26を有する現像液吐出ノズル24を備えた現像処理装置について説明したが、複数の小孔を長手方向に並列させた多孔状の液吐出口を下端部に有する現像液吐出ノズルを備えた装置についても、この発明は上記と同様に適用し得る。また、上記実施形態では、現像処理装置について説明したが、この発明は、それ以外の基板処理装置についても適用することが可能である。
【0038】
【発明の効果】
請求項1、請求項5および請求項6に係る発明の基板処理装置を使用すると、スリット状液吐出口もしくは複数の小孔が並列した液吐出口を有する処理液吐出ノズルを走査しつつ液吐出口から基板上へ処理液を吐出する場合において、従来は一部が廃棄されていた未使用の処理液を回収することが可能になるので、処理液の無駄な消費を無くすことができる。
【0039】
請求項2、請求項4および請求項7に係る発明の基板処理装置では、回収容器が操作の支障となることが無い。
請求項3に係る発明の基板処理装置では、処理液吐出ノズルの液吐出口から吐出されてカップの上端縁および上部開口面内における基板面外に滴下する処理液も回収容器内に回収することができる。
【0040】
請求項8に係る発明の基板処理装置では、回収容器がカップと一体的に上下方向へ移動し、処理液吐出ノズルから基板上へ処理液が吐出されないときに、基板上から飛散したリンス液や処理液が回収容器内の処理液に混入することを防止することができる。
【0041】
請求項9に係る発明の基板処理装置では、処理液吐出ノズルの液吐出口から基板面外に吐出された処理液をより多く回収容器内に回収することができる。
【0042】
請求項10に係る発明の基板処理装置では、回収された処理液が処理液貯留タンク内に貯留され、その処理液を再利用することができる。
【0043】
請求項11に係る発明の基板処理装置では、処理液貯留タンク内に貯留された処理液が回収用配管を通じて空気と触れることを防止することができる。
【0044】
請求項12に係る発明の基板処理装置では、現像液等の処理液が回収容器の内側面に付着したままとなって、その影響で回収される処理液の濃度が変動する、といったことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態の1例を示し、基板処理装置の1種である現像処理装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】 図1のII−II矢視断面図である。
【図3】 回収容器の、図1とは異なる形状を示す要部概略断面図である。
【図4】 回収容器の、図1とは異なる構成例を示す概略平面図である。
【図5】 現像カップに一体的に取着された回収容器を備えた現像処理装置による処理動作について説明するための図であって、現像液吐出ノズルから現像液をウエハ上へ吐出するときの状態を示す要部概略断面図である。
【図6】 同じく、ウエハ上への現像液の供給後に純水吐出ノズルから純水をウエハ上へ吐出するときの状態を示す要部概略断面図である
【符号の説明】
10 ウエハ保持部
12 回転支軸
14 回転モータ
16、17、56 現像カップ
18 ガイドレール
20 アーム駆動部
22 ノズルアーム
24 現像液吐出ノズル
26 スリット状液吐出口
28 純水吐出ノズル
30、31、52、58 回収容器
32、54 現像液流出口
34 回収用配管
36 現像液貯留タンク
38、40、46 開閉弁
42 現像液
44 取出し用配管
W ウエハ

Claims (12)

  1. 基板を水平姿勢に保持する基板保持手段と、
    上部が開口し前記基板保持手段に保持された基板を取り囲むように配設されたカップと、
    下端部にスリット状のもしくは複数の小孔が並列した液吐出口を有し基板に対して相対的に水平方向へ移動しつつ前記液吐出口から基板上へ処理液を吐出する処理液吐出ノズルと、
    この処理液吐出ノズルを基板に対して相対的に水平方向へ移動させる水平移動手段と、
    を備えた基板処理装置において、
    前記カップの周辺に、前記処理液吐出ノズルの液吐出口から基板面外に吐出された処理液を回収するための回収容器をカップとは別体として配設し、前記回収容器を、前記処理液吐出ノズルの液吐出口から基板面外に吐出された処理液を回収する回収位置と退避位置との間を移動可能に支持したことを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記退避位置が前記回収位置と同一水平面内に設定され、前記回収容器が退避位置と回収位置との間を水平面内で往復移動する請求項1記載の基板処理装置。
  3. 前記回収容器の、前記カップと対向する側の上端部が、カップの上端縁の上方に張り出して基板の周縁付近まで延設された請求項2記載の基板処理装置。
  4. 前記退避位置が前記回収位置の下方に設定され、前記回収容器が退避位置と回収位置との間を上下方向に往復移動する請求項1記載の基板処理装置。
  5. 基板を水平姿勢に保持する基板保持手段と、
    上部が開口し前記基板保持手段に保持された基板を取り囲むように配設されたカップと、
    下端部にスリット状のもしくは複数の小孔が並列した液吐出口を有し基板に対して相対的に水平方向へ移動しつつ前記液吐出口から基板上へ処理液を吐出する処理液吐出ノズルと、
    この処理液吐出ノズルを基板に対して相対的に水平方向へ移動させる水平移動手段と、
    を備えた基板処理装置において、
    前記カップの周辺に、前記処理液吐出ノズルの相対的移動方向と直交する方向における幅寸法が処理液吐出ノズルの長手側寸法と同等の矩形状をなし処理液吐出ノズルの液吐出口から基板面外に吐出された処理液を回収するための回収容器を、処理液吐出ノズルの相対的移動方向における前端位置がカップの上部開口面の前端位置より前方となるように配設したことを特徴とする基板処理装置。
  6. 基板を水平姿勢に保持する基板保持手段と、
    上部が開口し前記基板保持手段に保持された基板を取り囲むように配設されたカップと、
    下端部にスリット状のもしくは複数の小孔が並列した液吐出口を有し基板に対して相対的に水平方向へ移動しつつ前記液吐出口から基板上へ処理液を吐出する処理液吐出ノズルと、
    この処理液吐出ノズルを基板に対して相対的に水平方向へ移動させる水平移動手段と、
    を備えた基板処理装置において、
    前記カップの周辺に、前記処理液吐出ノズルの相対的移動方向と直交する方向における幅寸法が処理液吐出ノズルの長手側寸法と同等の矩形状をなし処理液吐出ノズルの液吐出口から基板面外に吐出された処理液を回収するための回収容器を、処理液吐出ノズルの相対的移動方向における後端位置がカップの上部開口面の後端位置より後方となるように配設したことを特徴とする基板処理装置。
  7. 前記回収容器が、前記処理液吐出ノズルの液吐出口から基板面外に吐出された処理液を回収する回収位置と退避位置との間を移動可能に支持された請求項5または請求項6記載の基板処理装置。
  8. 前記カップを基板に対して相対的に上下方向へ移動させる上下移動手段が設けられ、前記回収容器が前記カップに一体的に取着されて、回収容器がカップと一緒に基板に対して相対的に上下方向へ移動する請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の基板処理装置。
  9. 前記回収容器の、前記カップと対向して近接する面が、カップの外周形状に沿った形状とされた請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の基板処理装置。
  10. 前記回収容器が処理液貯留タンクに回収用配管を介して接続された請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の基板処理装置。
  11. 前記回収用配管に開閉弁が介挿された請求項10記載の基板処理装置。
  12. 前記回収容器に、その内側面を洗浄し乾燥させる洗浄・乾燥手段が設けられた請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の基板処理装置。
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