JP5521731B2 - 現像処理方法及び現像処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、露光処理がされたフォトマスク用基板に現像液を供給して現像処理を行なう現像処理方法及び現像処理装置に関する。
フォトマスクのフォトリソグラフィ工程においては、洗浄処理された基板にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成し、所定のパターンでレジスト膜に描画し、これを現像処理するという一連の処理が行われる。描画は、レーザーか電子線で行われる。現像処理は、一般的にスピンナ型と呼ばれる液処理装置を用いて、基板を面内で回転させながら所定の処理液を供給して行われている。
近年、フォトリソグラフィ技術の進歩により形成すべき半導体回路が微細化し、線幅が露光波長よりも短い(小さい)パターンを形成する傾向がある。それに伴い、被処理基板の面内での現像処理の均一性、パターン解像度が厳しく要求されている。
そのため、例えば、露光処理された基板をスピンチャック等にセットし、固定して現像液を基板に液盛りし、パドルを形成して現像反応を進行させ、所定時間経過した後に基板を回転させると共にそれとほぼ同時にリンス液の供給を開始して現像液とリンス液を振り切り、その後にリンス液の供給を停止して基板を高速で回転させ、スピン乾燥を行うというパドル現像方法も採用されている。
このようなパドル現像方式では、均一に現像液が塗布・供給されるため、面内でのパターン寸法のばらつきは小さく、パターンが倒れにくいというメリットがあるが、現像処理過程でレジストとの反応生成物を含む現像液が基板上に滞留することになるため、現像速度が露光密度により異なる現像ローディング効果が発生し、これによる影響で寸法が変動するという問題があった。
この問題を解決するために、基板を常に回転させ、遠心力で現像液を除去する方法が考案されている(特許文献1参照)。しかし、回転の動作では特定方向に常に流れを発生させるため、パターンが倒れやすく、また古い現像液が常に中心から外に移動するため、現像の偏りの発生が危惧される。
現像液を効率的に撹拌する方法としては、スプレーノズルを用いて現像液をパドル現像液の上からかける方法もあるが、ファンノズルからの現像液の圧力によりパターンが倒れる危険性がある。
また、基板から現像液を回収する方法として、基板を斜めの姿勢にすることによって基板上の現像液を流下させる方法が知られている(特許文献2参照)。
しかし、この方法では、常に一方向でしか現像液が流れないため、現像の偏りの発生が危惧される。
特開2004−022764号公報 特開2003−086488号公報
上述のように、従来においては、パターンが倒れやすく、また現像の偏りが発生しやすいという課題がある。
本発明はかかる課題を解決するために、基板を傾け、かつその傾きの方向を360度変化させることにより、基板を回転させることなく、現像液の攪拌と除去を行ない、基板面内の現像速度を均一にすることで、現像液によるパターン倒れや現像の偏りの発生を抑えて処理面内おける寸法ばらつきのない高品質な基板を得ることが可能な現像処理方法及び現像処理装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、露光処理がされたフォトマスク用基板の現像処理方法であって、基板が水平面に対して0度を超え90度に達しない角度で傾き、基板の現像中にその傾く方向が基板の中心を通る垂直軸回り方向に360度変化する制御を連続的に行ないながら現像するにあたり、平板状のノズル保持体に複数のノズルを配設してなるノズル装置を基板の上方に配置し、そのノズル装置の各ノズルから現像液を供給して基板上に現像液パドルを形成し、前記ノズルからの現像液の供給量を個別に制御し、前記ノズル装置の複数のノズルの位置がノズルの配設間隔以内の距離で常に変動することを特徴とする現像処理方法である。
本発明によれば、基板の傾き方向を変化させることで、基板自体を回転させることなく、現像液を全方向に撹拌でき、除去を効率的に行なうことができる。また、ノズルと基板との平面視の位置関係が変化しないため、現像の偏りの発生を各ノズルから吐出される現像液の量を個別に制御することで抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る現像処理装置を示す正面図。 その現像処理装置の基板保持部を傾けたときの状態を示す正面図。 その現像処理装置におけるノズル装置を示す下面図。 その現像処理装置による現像処理時の状態を示す正面図。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1には、本発明の一実施形態にかかる現像処理装置を示してあり、この現像処理装置は、露光処理後のフォトマスク用基板1を保持するための基板保持部2を備えている。この基板保持部2は平板状をなし、その下面側に配置された3本の支柱3で支えられている。図では、3本目の支柱は、他の支柱3の影になってみえていない。
パターンが描画された基板1は、搬送装置により基板保持部2の上にセットされる。基板保持部2の上面側の縁にはピン4が立っており、基板保持部2が傾いても基板1がずれ動いたり落ちたりすることがない構造となっている。
基板1がセットされる基板保持部2は、高さが制御される3本の支柱3で支えられているが、基板保持部2と各支柱3の接点にはボールジョイントが設けられ、そのボールジョイントを介して基板保持部2と各支柱3とが結合され、各支柱3の高さを制御することにより、基板保持部2の角度及びその傾きの向きを変化させることが可能となっている。すなわち、3本の支柱3の高さがそれぞれ連動して変化することで、基板保持部2の水平面に対する傾きの角度、及びその傾きの向きが制御される。基板保持部2に基板1がセットされたのちに、基板保持部2は設定された角度に傾く。傾きの角度は、水平面に対して0度を超え90度に達しない範囲内で任意に設定される。
図2には、各支柱3の高さを変えて、基板1の傾きの角度、方向を変えている様子を示してある。支柱3の高さは、ボールスクリューなどの昇降装置により制御される。3本の支柱3の高さが連動して変化することで、基板保持部2の傾斜角度が所定の角度に設定されるとともに、さらにその傾斜角度を一定に保った状態で、3本の支柱3の高さが連動して変化することで、基板保持部2が回転せずにその傾斜の向きが基板保持部2の中心を通る垂直軸回りの方向に360度変わるように制御される。現像中には、基板保持部2の傾斜の向きが連続して360度変わるように制御される。傾斜の向きを変える速度は、任意に設定される。
図3には、基板1に現像液を供給するためのノズル装置5を示してあり、このノズル装置5は、四角平板状のノズル保持体6の下面側に複数のノズル7をマトリックス状に配設してなる。例えば図3に示すように、ノズル保持体6には、15.4mmの間隔で、11x11の計121個のノズル7がマトリックス状に配置されている。各ノズル7からは現像液が吐出される。
ノズル装置5は、図4に示すように、基板保持部2に保持された基板1の上方に水平に配置される。ノズル装置5は、ノズル保持体6のセンターのノズル7と基板1のセンターが一致するように配置される。
各ノズル7からは基板1の表面に向けて現像液が吐出される。この際、各ノズル7から吐出される現像液が基板1に直接当たらないように、途中に緩衝部材を設け、その緩衝部材に当てながら供給することが望ましい。緩衝部材を設けることにより、基板1の上のより広い面積に偏りなく現像液を供給することができる。図では、緩衝部材は省略してある。
また、ノズル7の位置をノズル7の配設ピッチ間隔以内の距離で、常に移動させる構成とし、現像液が直接当たる場所を変更することが可能な構造とすることも可能である。この構成により、基板1の上の同じ位置に現像液が当たり続けることを避けて、現像液が直接当たる場所と当たらない場所の現像の差による現像の偏りの発生を抑えることができる。ノズル7の移動は、ノズル7の単体が動いても、ノズル保持体6が動いてもどちらでもよい。また、ノズル7の単体、もしくはノズル保持体6の基板1に対する角度を常に変えることで、現像液が直接当る場所を変更するようにしてもよい。
基板1の現像時には、基板保持部2は回転させず、基板保持部2が所定角度で傾斜し、その傾斜の向きが360度連続的に変化するように動作させる。基板保持部2の上の基板1と各ノズル7との平面視の位置は、基板1の傾き方向の変化にかかわらずほぼ一致しており、基板1の特定位置で現像ムラが発生する場合は、個別にノズル7から出る現像液の量を制御して調整する。特に同心円状の傾向が発生する場合は、中心部のノズル7が吐出する現像液の量と周辺部のノズル7が吐出する現像液の量とを変えることで調整する。描画密度が面内で大きく異なる場合には、レイアウトに応じて、あらかじめ現象液の量を変えてもよい。また、基板1の傾斜の向きの変化と連動させて、現像液の量を変えてもよい。
基板1上の現像液は、基板1があらゆる向きで傾くことにより、一方向に偏ることなく撹拌される。古い現像液は、基板1の傾きと新しい現像液の供給とにより縁の部分から排出が促進され、現像液の撹拌と除去が効率的に行なわれる。
現像後に、現像と同様の手法を用いて、リンス液をかけることにより、面内で偏りなく、リンスを行なうことができる。
本発明の現像処理方法を用いて露光処理がされたフォトマスク用基板を処理することにより、現像液の撹拌と除去を効率的に行なうことができ、また、部分的に現像液の量を調整することにより、現像ムラを低減することができ、パドル現像において、現像ローディング効果の発生を抑制し、パターン倒れの発生しにくく、寸法ばらつきの少ない高精度なフォトマスクを得ることができる。
1…基板
2…基板保持部
3…支柱
4…ピン
5…ノズル装置
6…ノズル保持体
7…ノズル

Claims (1)

  1. 露光処理がされたフォトマスク用基板の現像処理方法であって、基板が水平面に対して0度を超え90度に達しない角度で傾き、基板の現像中にその傾く方向が基板の中心を通る垂直軸回り方向に360度変化する制御を連続的に行ないながら現像するにあたり、
    平板状のノズル保持体に複数のノズルを配設してなるノズル装置を基板の上方に配置し、そのノズル装置の各ノズルから現像液を供給して基板上に現像液パドルを形成し、前記ノズルからの現像液の供給量を個別に制御し、
    前記ノズル装置の複数のノズルの位置がノズルの配設間隔以内の距離で常に変動することを特徴とする現像処理方法。
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