JP6473357B2 - 基板処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体基板、液晶表示用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等(以下、単に「基板」と称する)に処理液を供給する基板処理装置および基板処理方法に関し、特に、処理液を回収するカップの技術に関する。
特許文献1は、基板保持部と、回転駆動機構と、第1、第2のノズルと、カップ体と、第1、第2の排液管路と、排気管路と、可動カップとを備えた基板処理装置を開示する。基板保持部は、基板を水平に保持する。回転駆動機構は、基板保持部を回転させる。第1のノズルは、ポジティブトーン現像用の現像液を供給する。第2のノズルは、ネガティブトーン現像用の現像液を供給する。カップ体は、現像液を回収する。第1、第2の排液管路および排気管路はそれぞれ、カップ体に接続される。可動カップは、上下動することによって、第1、第2の排液管路のいずれかに現像液を案内する。
例えば、第1のノズルが現像液を供給するとき、可動カップは現像液を第1の排液管路に案内し、第2のノズルが現像液を供給するとき、可動カップは現像液を第2の排液管路に案内する。第1の排液管路はポジティブトーン現像用の現像液を排出し、第2の排液管路はネガティブトーン現像用の現像液を排出する。この際、排気管路は、カップ体内の気体(現像液のミストを含む)を排出する。これにより、第1、第2の排液管路で、ポジティブトーン現像用の現像液とネガティブトーン現像用の現像液とが混合することを防止できる。排気管路は、第1、第2のノズルが現像液を供給するとき、カップ体内の気体(現像液のミストを含む)を排出する。
特開2014−75575号公報
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
排気管路は、ポジティブトーン現像用の現像液のミスト、および、ネガティブトーン現像用の現像液のミストの両方を排出する。よって、排気管路内で、異なる種類の現像液のミストが混合するおそれがある。その場合、カップ内の雰囲気を清浄に保つことが困難になり、基板に対して処理を品質良く行うことが困難になる
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、基板に対して処理を品質良く行うことができる基板処理装置および基板処理方法を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る基板処理装置は、基板を略水平姿勢で保持する基板保持部と、前記基板保持部を略鉛直軸回りに回転する回転駆動部と、前記基板保持部に保持された基板に処理液を供給する処理液供給部と、前記基板保持部の側方を囲むように設けられている外カップと、前記外カップ内に収容される内カップと、を備え、前記内カップは、前記内カップが処理液を回収する回収位置と、前記外カップが処理液を回収する退避位置とにわたって移動可能であり、前記内カップは、環状の外形を呈する内カップ本体と、前記内カップ本体に形成され、前記内カップ本体内の処理液を排出する排液口と、前記内カップ本体に形成され、前記内カップ本体内の気体を排出する排気口と、を備え、前記外カップは、環状の外形を呈する外カップ本体と、前記外カップ本体に形成され、前記外カップ本体内の処理液を排出する排液口と、前記外カップ本体に形成され、前記外カップ本体内の気体を排出する排気口と、を備える基板処理装置である。
[作用・効果]本発明に係る基板処理装置によれば、内カップ本体内の処理液、内カップ本体内の気体、外カップ本体内の処理液、および、外カップ本体内の気体をそれぞれ個別に排出できる。よって、例えば、内カップ本体内の気体と外カップ本体内の気体が混合しない。よって、内カップを使用するときも、外カップを使用するときも、基板に対して品質良く処理を行うことができる。
本発明において、前記内カップは、前記内カップの前記排気口の上方を覆うカバー部を備えていることが好ましい。内カップの排気口に処理液が流入することを好適に防止できる。
本発明において、前記内カップの前記排気口は、前記内カップの前記排液口より高い位置に配置されていることが好ましい。内カップの排気口に処理液が流入することを好適に防止できる。
本発明において、前記内カップ本体は、前記外カップの前記排気口の上方を覆うことが好ましい。外カップの排気口に処理液が流入することを好適に防止できる。
本発明において、前記外カップは、前記外カップの前記排液口と前記外カップの前記排気口とを仕切る仕切壁を備えていることが好ましい。外カップの排気口に処理液が流入することを好適に防止できる。
本発明において、前記内カップは、前記内カップ本体に接続される鍔部を備え、前記外カップの前記排気口は、前記仕切壁の内方に配置され、前記外カップの前記排液口は、前記仕切壁の外方に配置され、前記内カップが前記退避位置に配置されているとき、前記鍔部は、前記仕切壁の外方に処理液を案内することが好ましい。外カップの排気口に処理液が流入することを好適に防止できる。
本発明において、前記内カップは、前記内カップ本体に接続され、前記内カップの前記排液口から排出された処理液を通じる排液管と、前記内カップ本体に接続され、前記内カップの前記排気口から排出された気体を通じる排気管と、を備え、前記外カップは、前記外カップ本体に接続され、前記内カップの前記排液管を上下動可能に収容し、前記内カップの前記排液管から排出された処理液を通じる排液延長管と、前記外カップ本体に接続され、前記内カップの前記排気管を上下動可能に収容し、前記内カップの前記排気管から排出された気体を通じる排気延長管と、を備えていることが好ましい。内カップの排液管は排液延長管に連通するので、内カップの排液管を短くできる。外カップの排気管は排気延長管に連通するので、内カップの排気管を短くできる。これらの結果、内カップを小型化できる。
本発明において、前記内カップが回収位置にあるとき、前記内カップの前記排液管が前記排液延長管内に挿入されている距離は、80mm以下であることが好ましい。内カップを一層小型化できる。
本発明において、前記内カップが回収位置にあるとき、前記内カップの前記排気管が前記排気延長管内に挿入されている距離は、80mm以下であることが好ましい。内カップを一層小型化できる。
本発明において、前記内カップおよび前記外カップを洗浄するための洗浄液を供給する洗浄液供給部と、回転可能に設けられ、前記洗浄液供給部によって供給された洗浄液を前記内カップおよび前記外カップに散布する散布ディスクと、を備え、前記洗浄液供給部は、洗浄液を前記散布ディスクに向けて吐出する第1ノズルと、前記第1ノズルとは異なる洗浄液を前記散布ディスクに向けて吐出する第2ノズルと、を含むことが好ましい。洗浄液供給部は、互いに異なる処理液を吐出する第1ノズルおよび第2ノズルを備えているので、内カップおよび外カップにそれぞれ適切な洗浄液を散布できる。
本発明に係る基板処理方法は、基板処理装置で基板を処理する基板処理方法において、前記基板処理装置でポジティブトーン現像用の現像液を用いて、ポジティブトーン現像処理を行う工程と、前記基板処理装置でネガティブトーン現像用の現像液を用いて、ネガティブトーン現像処理を行う工程と、を備え、前記ポジティブトーン現像処理を行う工程では、前記基板処理装置に設けられる第1カップでポジティブトーン現像用の現像液を回収し、前記ネガティブトーン現像処理を行う工程では、前記基板処理装置に設けられる第2カップでネガティブトーン現像用の現像液を回収し、前記基板処理方法は、前記ポジティブトーン現像処理を行う工程から前記ネガティブトーン現像処理を行う工程に切り替えるときに、ネガティブトーン現像用の洗浄液を前記第2カップに予め散布する工程と、前記ネガティブトーン現像処理を行う工程から前記ポジティブトーン現像処理を行う工程に切り替えるときに、ポジティブトーン現像用の洗浄液を前記第1カップに予め散布する工程と、を備える基板処理方法である。
[作用・効果]本発明に係る基板処理方法は、ネガティブトーン現像用の洗浄液を前記第2カップに予め散布する工程を備えているので、ネガティブトーン現像処理を行う工程を始める前に、ネガティブトーン現像処理に適した環境を効果的に形成できる。よって、切り替え後の最初のネガティブトーン現像処理であっても品質良く行うことができる。
また、本発明に係る基板処理方法は、ポジティブトーン現像用の洗浄液を前記第1カップに予め散布する工程を備えているので、ポジティブトーン現像処理を行う工程を始める前に、ポジティブトーン現像処理に適した環境を効果的に形成できる。よって、切り替え後の最初のポジティブトーン現像処理であっても品質良く行うことができる。
なお、「ネガティブトーン現像用の洗浄液を前記第2カップに予め散布する工程」は、切り替え前の最後の「前記ポジティブトーン現像処理を行う工程」の後で、切り替え後の最初の「前記ネガティブトーン現像処理を行う工程」の前に、実行される。「ポジティブトーン現像用の洗浄液を前記第1カップに予め散布する工程」は、切り替え前の最後の「前記ポジティブトーン現像処理を行う工程」の後で、切り替え後の最初の「前記ネガティブトーン現像処理を行う工程」の前に、実行される。
本発明において、前記ネガティブトーン現像処理を行う工程から前記ポジティブトーン現像処理を行う工程に切り替えるときに、ポジティブトーン現像用の洗浄液を前記第2カップに散布する工程を備えることが好ましい。ポジティブトーン現像処理を行う工程を始める前に、ポジティブトーン現像処理に適した環境を確実に形成できる。
また、本発明に係る基板処理方法は、基板処理装置で基板を処理する基板処理方法において、前記基板処理装置でポジティブトーン現像処理を行う工程と、前記基板処理装置でネガティブトーン現像処理を行う工程と、前記ポジティブトーン現像処理を行う工程から前記ネガティブトーン現像処理を行う工程に切り替えるときに、溶媒雰囲気を予め形成する工程と、前記ネガティブトーン現像処理を行う工程から前記ポジティブトーン現像処理を行う工程に切り替えるときに、溶媒不在雰囲気を予め形成する工程と、を備える基板処理方法である。
[作用・効果]本発明に係る基板処理方法は、溶媒雰囲気を予め形成する工程を備えているので、ネガティブトーン現像処理を行う工程を始める前に、ネガティブトーン現像処理に適した環境を形成できる。よって、切り替え後の最初のネガティブトーン現像処理であっても品質良く行うことができる。
また、本発明に係る基板処理方法は、溶媒不在雰囲気を予め形成する工程を備えているので、ポジティブトーン現像処理を行う工程を始める前に、ポジティブトーン現像処理に適した環境を形成できる。よって、切り替え後の最初のポジティブトーン現像処理であっても品質良く行うことができる。
本発明において、前記ポジティブトーン現像処理を行う工程では、前記基板処理装置に設けられる第1カップでポジティブトーン現像処理に使用した処理液を回収し、前記ネガティブトーン現像処理を行う工程では、前記基板処理装置に設けられる第2カップでネガティブトーン現像処理に使用した処理液を回収し、前記溶媒雰囲気を予め形成する工程では、前記第2カップに溶媒雰囲気を形成し、前記溶媒不在雰囲気を予め形成する工程では、前記第1カップ、または、前記第1カップおよび前記第2カップに溶媒不在雰囲気を形成することが好ましい。溶媒雰囲気を予め形成する工程では、ネガティブトーン現像処理に適した環境を基板の周囲に形成できる。また、記溶媒不在雰囲気を予め形成する工程では、ポジティブトーン現像処理に適した環境を基板の周囲に好適に形成できる。
また、本発明に係る基板処理方法は、同一空間に設けられる複数の基板処理ユニットのそれぞれで基板を処理する基板処理方法において、前記基板処理ユニットの少なくともいずれかで、ポジティブトーン現像用の現像液を用いて、ポジティブトーン現像処理を行う工程と、前記基板処理ユニットの少なくともいずれかで、ネガティブトーン現像用の現像液を用いて、ネガティブトーン現像処理を行う工程と、を備え、前記ポジティブトーン現像処理を行う工程では、前記基板処理ユニットのそれぞれに設けられる第1カップでポジティブトーン現像用の現像液を回収し、前記ネガティブトーン現像処理を行う工程では、前記基板処理ユニットのそれぞれに設けられる第2カップでネガティブトーン現像用の現像液を回収し、前記基板処理方法は、前記ポジティブトーン現像処理を行う工程から前記ネガティブトーン現像処理を行う工程に切り替えるときに、ネガティブトーン現像用の洗浄液を全ての前記第2カップに予め散布する工程と、前記ネガティブトーン現像処理を行う工程から前記ポジティブトーン現像処理を行う工程に切り替えるときに、ポジティブトーン現像用の洗浄液を全ての前記第1カップに予め散布する工程と、を備える基板処理方法である。
[作用・効果]本発明に係る基板処理方法は、ネガティブトーン現像用の洗浄液を全ての前記第2カップに予め散布する工程を備えているので、ネガティブトーン現像処理を行う工程を始める前に、ネガティブトーン現像処理に適した環境を各基板処理ユニットに効果的に形成できる。よって、いずれの基板処理ユニットであっても、最初からネガティブトーン現像処理を品質良く行うことができる。
また、本発明に係る基板処理方法は、ポジティブトーン現像用の洗浄液を全ての前記第1カップに予め散布する工程を備えているので、ポジティブトーン現像処理を行う工程を始める前に、ポジティブトーン現像処理に適した環境を各基板処理ユニットに効果的に形成できる。よって、いずれの基板処理ユニットであっても、最初からポジティブトーン現像処理を品質良く行うことができる。
本発明において、前記ネガティブトーン現像処理を行う工程から前記ポジティブトーン現像処理を行う工程に切り替えるときに、ポジティブトーン現像用の洗浄液を全ての前記第2カップに散布する工程を備えることが好ましい。ポジティブトーン現像処理を行う工程を始める前に、ポジティブトーン現像処理に適した環境を各基板処理ユニットに確実に形成できる。
また、本発明に係る基板処理方法は、同一空間に設けられる複数の基板処理ユニットのそれぞれで基板に処理を行う基板処理方法において、前記基板処理ユニットの少なくともいずれかで、前記ポジティブトーン現像処理を行う工程と、前記基板処理ユニットの少なくともいずれかで、前記ネガティブトーン現像処理を行う工程と、前記ポジティブトーン現像処理を行う工程から前記ネガティブトーン現像処理を行う工程に切り替えるときに、溶媒雰囲気を予め形成する工程と、前記ネガティブトーン現像処理を行う工程から前記ポジティブトーン現像処理を行う工程に切り替えるときに、溶媒不在雰囲気を予め形成する工程と、を備える基板処理方法である。
[作用・効果]本発明に係る基板処理方法は、溶媒雰囲気を予め形成する工程を備えているので、ネガティブトーン現像処理を行う工程を始める前に、ネガティブトーン現像処理に適した環境を各基板処理ユニットに形成できる。よって、いずれの基板処理ユニットであっても、最初からネガティブトーン現像処理を品質良く行うことができる。
また、本発明に係る基板処理方法は、溶媒不在雰囲気を予め形成する工程を備えているので、ポジティブトーン現像処理を行う工程を始める前に、ポジティブトーン現像処理に適した環境を各基板処理ユニットに形成できる。よって、いずれの基板処理ユニットであっても、最初からポジティブトーン現像処理を品質良く行うことができる。
本発明において、前記ポジティブトーン現像処理を行う工程では、前記基板処理ユニットのそれぞれに設けられる第1カップでポジティブトーン現像処理に使用した処理液を回収し、前記ネガティブトーン現像処理を行う工程では、前記基板処理ユニットのそれぞれに設けられる第2カップでネガティブトーン現像処理に使用した処理液を回収し、前記溶媒雰囲気を予め形成する工程では、全ての前記第2カップに溶媒雰囲気を形成し、前記溶媒不在雰囲気を予め形成する工程では、全ての前記第1カップ、または、全ての前記第1カップおよび全ての前記第2カップに溶媒不在雰囲気を形成することが好ましい。溶媒雰囲気を予め形成する工程では、ネガティブトーン現像処理に適した環境を基板の周囲に形成できる。また、記溶媒不在雰囲気を予め形成する工程では、ポジティブトーン現像処理に適した環境を基板の周囲に形成できる。
この発明に係る基板処理装置および基板処理方法によれば、基板に対して品質良く処理を行うことができる。
実施例1に係る基板処理装置の平面図である。 実施例1に係る基板処理装置の断面図である。 内カップおよび外カップの配置例を示す図である。 カップの詳細図である。 カップの詳細図である。 カップの底面図である。 カップを下から見た斜視図である。 カップの詳細図である。 実施例1に係る基板処理装置の動作例を示すフローチャートである。 実施例2に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図である。 現像処理ユニットの側面図である。 同一空間に設けられる複数の現像処理ユニットの動作例を示すフローチャートである。 変形実施例におけるカップの詳細断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。図1、2はそれぞれ、実施例1に係る基板処理装置の平面図、断面図である。
実施例1に係る基板処理装置1は、処理液を用いて基板を1枚ずつ処理する装置である。より具体的には、基板処理装置1は、ネガティブトーン現像処理およびポジティブトーン現像処理の両方を行うことができる。基板処理装置1は、基板保持部5と回転駆動部7と処理液供給部11とカップ洗浄部13とカップ20とカップ昇降機構41とを備えている。
<基板保持部>
基板保持部5は、1枚の基板(例えば、半導体ウエハ)Wを略水平姿勢で保持する。基板保持部5は、例えば、基板Wの下面の中央部を吸着保持する。
<回転駆動部>
回転駆動部7は、基板保持部5と接続し、基板保持部5を略鉛直軸回りに回転する。回転駆動部7は、回転軸7Aとモータ7Bとを備えている。回転軸7Aの上端は基板保持部5に接続され、回転軸7Aの下端はモータ7Bに接続されている。モータ7Bは駆動力を回転軸7Aに出力する。
<処理液供給部>
処理液供給部11は、基板保持部5に保持された基板Wに処理液を供給する。処理液供給部11は、処理液を下方に吐出するノズル11A、11B、11C、11Dを含む。各ノズル11A−11Dはそれぞれ、基板保持部5に保持される基板Wの上方の位置(図において点線で示す)と、基板Wの上方から外れた位置(図において実線で示す)との間にわたって移動可能に設けられている。
本実施例では、ノズル11A、11Bは、ポジティブトーン現像処理に用いる。ノズル11Aが吐出する処理液は、ポジティブトーン現像用の現像液である。ポジティブトーン現像用の現像液は、アルカリ現像液であり、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH:Tetra Methyl Ammonium Hydroxide)である。ノズル11Bが吐出する処理液は、ポジティブトーン現像用の洗浄液である。ポジティブトーン現像用の洗浄液は、例えば、純水である。
ノズル11C、11Dは、ネガティブトーン現像処理に用いる。ノズル11Cが吐出する処理液は、ネガティブトーン現像用の現像液である。ネガティブトーン現像用の現像液は、例えば、酢酸ブチルなどの有機溶剤を含む現像液である。ノズル11Dが吐出する処理液は、ネガティブトーン現像用の洗浄液である。ネガティブトーン現像用の洗浄液は、例えば、4−メチル−2−ペンタノール(MIBC:Methyl Iso Butyl Carbinol)などの有機溶剤を含む洗浄液である。
<カップ洗浄部>
カップ洗浄部13は、カップ20を洗浄する。カップ洗浄部13は、洗浄液供給部14と散布ディスク16とを備えている。
洗浄液供給部14は、カップ20を洗浄するための処理液(以下、「洗浄液」と呼ぶ)を供給する。洗浄液供給部14は、洗浄液を吐出する複数のノズル14Aと、ノズル14Aとは異なる洗浄液を吐出する複数のノズル14Bとを含む。各ノズル14A、14Bはそれぞれ、散布ディスク16に向けて洗浄液を吐出する。各ノズル14A、14Bは、基板保持部5の下方に固定的に設置されているベース板15に支持されている。
ノズル14Aが吐出する洗浄液は、ポジティブトーン現像用の洗浄液であり、例えば、純水である。ノズル14Bが吐出する洗浄液は、ネガティブトーン現像用の洗浄液であり、例えば、有機溶剤を含む洗浄液である。ノズル14A、14Bは、本発明における第1ノズル、第2ノズルの例である。
散布ディスク16は、洗浄液供給部14によって供給された洗浄液をカップ20に散布する。散布ディスク16は、基板保持部5よりも下方で、洗浄液供給部14よりも上方に配置されている。散布ディスク16は略円盤形状を呈する。散布ディスク16の中心部は回転駆動部7(回転軸12A)と接続している。散布ディスク16は、基板保持部5と一体に回転する。
散布ディスク16は、ノズル14Aが供給した洗浄液とノズル14Bが供給した洗浄液とを、散布ディスク16内において混合することなく、散布ディスク16の側方へ散布する。散布ディスク16は、開口17A、17Bと、貯留部18A、18Bと、複数の吐出口19A、19Bを備える。開口17A、17Bは、散布ディスク16の下面に形成される。開口17Aはノズル14Aから吐出された洗浄液を受け、開口17Bはノズル14Bから吐出された洗浄液を受ける。貯留部18A、18Bは、散布ディスク16の内部に形成される。貯留部18Aは、開口17Aと連通し、洗浄液を貯留する。貯留部18Bは、開口17Bと連通し、洗浄液を貯留する。各吐出口19A、19Bは、散布ディスク16の外周面に形成されている。各吐出口19Aは貯留部18Aと連通し、各吐出口19Bは貯留部18Bと連通する。散布ディスク16が回転すると、貯留部18A内の処理液が吐出口19Aから飛散し、貯留部18B内の処理液が吐出口Bから飛散する。
<カップと昇降機構>
カップ20は、基板Wに供給された処理液を回収する。カップ20は、内カップ21と外カップ31を備える。外カップ31は、基板保持部5の側方を囲むように設けられている。内カップ21は、外カップ31内に収容されている。内カップ21は処理液を捕集する導入口Aを有し、外カップ31は処理液を捕集する導入口Bを有する。
昇降機構41は、内カップ21および外カップ31を上下動させる。昇降機構41は、内カップ昇降機構41Aと外カップ昇降機構41Bとを備えている。内カップ昇降機構41Aは、内カップ21と接続し、内カップ21を昇降する。外カップ昇降機構41Bは、外カップ31と接続し、外カップ31を昇降する。
図3(A)乃至3(D)は、内カップ21および外カップ31の4つの配置例を示す。なお、図3(A)乃至3(D)では、内カップ21および外カップ31を簡略に図示する。
外カップ31は、処理位置(図3(A)、3(B)参照)と洗浄位置(図3(C)、3(D)参照)に移動可能である。処理位置では、外カップ31の導入口Bが基板保持部5の側方に位置する。洗浄位置では、外カップ31の導入口Bが散布ディスク16の側方に位置する。洗浄位置は処理位置よりも低い。
内カップ21は、外カップ31に対して回収位置(図3(A)、3(C)参照)と待避位置(図3(B)、3(D)参照)に移動可能である。回収位置では、内カップ21の導入口Aが外カップ31の導入口Bと略同じ高さに位置する。導入口Aは導入口Bを通じて開放し、内カップ21は処理液(基板Wから飛散された処理液および散布ディスク16が散布した処理液を含む)を回収する。内カップ21が待避位置にあるとき、内カップ21の導入口Aは外カップ31の導入口Bより低い。導入口Bは開放し、外カップ31は処理液を回収する。待避位置は回収位置よりも低い。
本実施例では、内カップ21を用いてポジティブトーン現像処理を行い、外カップ31を使用してネガティブトーン現像処理を行う。内カップ21は、本発明における第1カップの例である。外カップ31は、本発明における第2カップの例である。
<内カップ本体/外カップ本体の詳細な構造>
図4(A)、4(B)は、カップ20の詳細図である。図4(A)では、内カップ21が回収位置にあり、図4(B)では内カップ21が退避位置にある。
内カップ21は、略環状の外形を有し、内部が中空である内カップ本体22を備える。内カップ本体22は、底部22aと内周壁22bと外周壁22cとを有する。内周壁22bの下端は底部22aと接続している。外周壁22cの下端は、内周壁22bの外方において底部22aと接続している。外周壁22cの上端は、内方に屈曲している。上述した導入口Aは、内周壁22bの上端と外周壁22cの上端との間に形成される。内カップ本体22は、さらに、底部22aの内周縁から下方に突出する環状の凸部22dを有する。なお、「内方」とは、内カップ本体22/外カップ本体32の中心に向かう方向を意味し、「外方」とは「内方」の反対方向を意味する。内カップ本体22/外カップ本体32の中心は、例えば、回転軸7Aの軸心と略一致する。
外カップ31は、略環状の外形を呈する外カップ本体32を備える。外カップ本体32は、底部32aと内周壁32bと外周壁32cとを備えている。各部32a−32cは、内カップ本体22の各部22a−22cと略同じ構造を有する。
外カップ本体32は、さらに、フランジ部32dと環状の段部32eを備えている。フランジ部32dは、内周壁32bから外方に略水平に延びている。フランジ部32dの一部は、内カップ21の導入口Aを通じて、内カップ本体22の内部に進入している。段部32eは、底部32aと内周壁32bとが接続する角部において、底部32aから上方に隆起している。
図4(A)に示すように、内カップ21が回収位置にあるとき、内カップ本体21の外周壁22cは外カップ本体32の外周壁32cと接触し、内カップ本体22の内周壁22bは外カップ本体32のフランジ部32dと接触する。これにより、内カップ本体22が外カップ本体32の導入口Bを閉塞し、外カップ31が処理液を回収することを禁止する。
図4(B)に示すように、内カップ21が退避位置にあるとき、内カップ本体22の外周壁22cはフランジ部32dと接触し、内カップ本体22の凸部22dは外カップ本体32の段部32eと接触する。これにより、外カップ本体32が内カップ21の導入口Aを閉塞し、内カップ21が処理液を回収することを禁止する。
<内カップの排液/排気の詳細な構造>
図5(A)は内カップ21の排液構造を示す図であり、図5(B)は内カップ21の排気構造を示す図である。なお、図5(A)、5(B)では、内カップ21は回収位置にある。図6はカップ20の底面図であり、図7はカップ20を下から見た斜視図である。
内カップ21は、1つの排液口23と1つの排液管24を備える。排液口23は、内カップ本体22(底部22a)に形成され、内カップ本体22の内部の処理液を内カップ本体22の外へ排出する。排液管24は、内カップ本体22(底部22a)に接続され、排液口23から排出された処理液を通じる。図5(A)では、内カップ本体22内の処理液の流れF1を模式的に示す。
外カップ31は、排液管24を延長する1つの排液延長管33を備える。排液延長管33は、外カップ本体32(底部32a)に接続されている。排液延長管33は、排液管24よりも大きい径を有する。排液延長管33は、排液管24を上下動可能に収容し、排液管24から排出された処理液を通じる。このように、排液延長管33が排液管24を継ぐので、排液管24の長さを短くできる。
内カップ21が回収位置に配置されているときであっても、排液管24の下端は排液延長管33に挿入されている。このため、排液管24から排出された処理液が、外カップ本体32内に流出しない。内カップ21が回収位置に配置されているとき、排液管24の下端は排液延長管33の下端より上方であることが好ましい。内カップ21を考慮したカップ20の最大高さを低くすることができる。さらに、内カップ21が回収位置に配置されているとき、排液管24の下端が排液延長管33に挿入されている距離は80mm以下であることが好ましい。排液管24の長さを一層短くできる。
内カップ21は、2つの排気口25と2つの排気管26を備える。各排気口25は、内カップ本体22(底部22a)に形成され、内カップ本体22の内部の気体(処理液のミスとを含む)を内カップ本体22の外へ排出する。各排気管26は、内カップ本体22(底部22a)に接続され、各排気口25から排出された気体を通じる。図5(B)では、内カップ本体22内の気体の流れF2を模式的に示す。
外カップ31は、各排気管26を延長する2つの排気延長管34を備える。排気延長管34は、外カップ本体32(底部32a)に接続されている。排気延長管34は、排気管26よりも大きい径を有する。排気延長管34は、排気管26を上下動可能に収容し、排気管26から排出された気体を通じる。このように、排気延長管34が排気管26を継ぐので、排気管26の長さを短くできる。
内カップ21が回収位置に配置されているときであっても、排気管26の下端は排気延長管34に挿入されている。このため、排気管26から排出された気体が、外カップ本体32内に流出しない。内カップ21が回収位置に配置されているとき、排気管26の下端は排気延長管34の下端より上方であることが好ましい。内カップ21を考慮したカップ20の最大高さを低くすることができる。さらに、内カップ21が回収位置に配置されているとき、排気管26の下端が排気延長管34に挿入されている距離は80mm以下であることが好ましい。排気管26の長さを一層短くできる。
内カップ21は、排気口25の上方を覆う庇部27を備えている。庇部27は、排気口25に処理液が流入することを防止する。庇部27は、内カップ本体22の内部に設けられている。本実施例では、庇部27の基端部は、排気口25の近傍の底部22aに接続されている。庇部27の先端は、内カップ21の導入口Aよりも低い位置で排気口25の上方に延びる。なお、庇部27は、内カップ本体22内の気体が排気口25に流入することを許容する。庇部27は、本発明におけるカバー部の例である。
上述したフランジ部32dも、各排気口25を覆い、処理液が排気口25に流入することを防止する。すなわち、フランジ部32dは、本発明におけるカバー部として機能する。
<外カップの排液/排気の詳細な構造>
図8(A)は外カップ31の排液構造を示す図であり、図8(B)は外カップ31の排気構造を示す図である。なお、図8(A)、8(B)では、内カップ21は待避位置にある。
外カップ31は、1つの排液口35と1つの排液管36と2つの排気口37と2つの排気管38とを備えている。排液口35と排気口37は、外カップ本体32(底部32a)に形成されている。排液管36と排気管38は、外カップ本体32(底部32a)に接続されている。排液口35は、外カップ本体32の内部の処理液を排出する。排液管36は、排液口35から排出された処理液を通じる。排気口37は、外カップ本体32の内部の気体(処理液のミスとを含む)を排出する。排気管38は、排気口37から排出された気体を通じる。図8(A)では、外カップ本体32内の処理液の流れF3を模式的に示す。図8(B)では、外カップ本体32内の気体の流れF4を模式的に示す。
さらに、外カップ31は、排液口35と排気口37とを仕切る環状の仕切壁39を備えている。仕切壁39は、内周壁32bの外方で、かつ、外周壁32cの内方において底部32aから上方に突出している。排液口35は仕切壁39の外方に配置され、排気口37は仕切壁39の内方に配置される。
内カップ本体22は、仕切壁39の内方を上下動する。これにより、内カップ本体22は排気口37の上方を覆い、排気口37に外カップ本体32内の処理液が流入することを防止する。特に、内カップ21が退避位置にあるとき、内カップ本体22は外カップ31の導入口Bより低いので、排気口37に処理液が落下することを的確に防止できる。
内カップ本体22の外周面22cには、処理液を仕切壁39の外方に案内する鍔部28が取り付けられている。鍔部28の先端は、外周面22cから外方かつ下方に延びている。内カップ21が退避位置にあるとき、鍔部28の先端は、仕切壁39の上端よりも下方で、かつ、仕切壁39の外方に位置する。すなわち、鍔部28と外周壁22cとの間の隙間に、仕切壁37の上端が収容される。このように鍔部28を仕切壁37の上端に被せると、鍔部28は、外カップ本体32内の処理液を仕切壁37の外方に案内する。これにより、鍔部28は、処理液が排気口37に流入することを防止できる。なお、内カップ21が待避位置にあるときであっても、外カップ本体32内の気体は、鍔部28と仕切壁39との間を通過して、排気口37に流入できる。
<排液ダクトと排気ダクト>
図7を参照する。基板処理装置1は、排液ダクト43、44を備えている。排液ダクト43は、排液延長管33の下端と接続し、排液延長管33から排出された処理液を通じる。排液ダクト44は、排液管36の下端と接続し、排液管36から排出された処理液を通じる。
基板処理装置1は、排気ダクト45、46を備えている。排気ダクト45は、排気延長管34の下端と接続しており、排気延長管34から排出された気体を通じる。排気ダクト46は、排気管38の下端と接続しており、排気管38から排出された気体を通じる。
<制御部>
図2を参照する。基板処理装置1は、制御部47を備えている。制御部47は、上述した回転駆動部7、処理液供給部11、洗浄液供給部14および昇降機構41を統括的に制御する。
次に、実施例1に係る基板処理装置1の動作について説明する。図9は、基板処理装置1の動作例を示すフローチャートである。
<ステップS1> 溶媒雰囲気の形成
本ステップS1の開始前に、外カップ31は洗浄位置にあり、内カップ21は退避位置にあるものとする。本ステップS1では、有機溶剤を含む雰囲気(以下、「溶媒雰囲気」という)を形成する。具体的には、ノズル16Bがネガティブトーン現像用の洗浄液を吐出し、回転駆動部7が散布ディスク16を回転する。これにより、カップ洗浄部13はネガティブトーン現像用の洗浄液を外カップ31に散布する。散布された洗浄液の一部は揮発し、外カップ31(例えば、外カップ本体32の内部)や散布ディスク16の側方に溶媒雰囲気が形成される。
外カップ本体32に散布された洗浄液は、排液口35および排液管36を通じてカップ20の外部(すなわち、排液ダクト44)に排出される。外カップ本体32の内部の気体は、排気口37および排気管38を通じてカップ20の外部(すなわち、排気ダクト46)に排出される。
<ステップS2> ネガティブトーン現像処理
不図示の基板搬送機構が基板Wを基板保持部5に載置する。基板Wの上面には、露光処理されたレジスト膜が形成されている。外カップ昇降機構41Bは、外カップ31を処理位置に移動させる。内カップ昇降機構41Aは、外カップ31が処理位置にあるときの退避位置に内カップ21を移動させる。基板Wの周囲が溶媒雰囲気になる。
基板処理装置1は、予め設定されている処理レシピに従い、基板Wにネガティブトーン現像処理を行う。例えば、ノズル13Cが基板Wの上方に移動し、基板Wにネガティブトーン現像用の現像液を供給する。続いて、ノズル13Dが基板Wの上方に移動し、基板Wにネガティブトーン現像用の洗浄液を供給する。この間、回転駆動部7は、基板Wを適宜に回転させる。このネガティブトーン現像処理により、レジスト膜の非露光部は溶解され、除去される。
外カップ31は、ネガティブトーン現像処理に使用された処理液を回収する。具体的には、外カップ本体32は、基板Wから振り切られた処理液を受け止める。排液口35および排液管36は、外カップ本体32内の処理液をカップ20の外部に排出する。排気口37および排気管38は、外カップ本体32内の気体をカップ20の外部に排出する。
ネガティブトーン現像処理が終わると、カップ昇降機構41は、外カップ31を洗浄位置に移動させ、外カップ31が洗浄位置であるときの待避位置に内カップ21を移動させる。不図示の基板搬送機構は、基板保持部5から基板Wを搬出する。
<ステップS3> カップ洗浄
カップ洗浄部13が外カップ31を洗浄する。具体的には、カップ洗浄部13は、ネガティブトーン現像用の洗浄液を外カップ31に散布し、ネガティブトーン現像処理に用いられた処理液を洗い流す。この際も、外カップ本体32内の処理液は排液口35を通じて排出され、外カップ本体32内の気体は排気口37を通じて排出される。
<ステップS4> ポジティブトーン現像処理に切り替えるか?
ネガティブトーン現像処理からポジティブトーン現像処理に切り替える場合は、ステップS5に進む。そうでない場合、ステップS2に戻り、他の基板Wに対してネガティブトーン現像処理を繰り返す。
<ステップS5> 溶媒不在雰囲気の形成
有機溶剤を実質的に含まない雰囲気(以下、「溶媒不在雰囲気」という)を外カップ31等に形成する。具体的には、ノズル16Aがポジティブトーン現像用の現像液を吐出し、回転駆動部7が散布ディスク16を回転する。これにより、カップ洗浄部13はポジティブトーン現像用の洗浄液を外カップ31に散布する。これにより、外カップ31に付着する有機溶剤や外カップ31内を浮遊する有機溶剤が洗い流され、外カップ31に溶媒不在雰囲気が形成される。なお、「溶媒不在雰囲気」は、有機溶剤を全く含まない雰囲気に限られず、ポジティブトーン現像処理の品質に実質的に影響しないほど僅かな有機溶剤を含む雰囲気でもよい。
<ステップS6> カップ切替
カップ昇降機構41は、外カップ31を洗浄位置に保ち、内カップ21を回収位置に移動させる。
<ステップS7> 溶媒不在雰囲気の形成
溶媒不在雰囲気を内カップ21に形成する。具体的には、カップ洗浄部13はポジティブトーン現像用の洗浄液を内カップ21に散布する。
内カップ本体22に散布された洗浄液は、排液口23、排液管24および排液延長管33を通じてカップ20の外部(すなわち、排液ダクト43)に排出される。内カップ本体22の内部の気体は、排気口25、排気管26および排気延長管34を通じてカップ20の外部(すなわち、排気ダクト46)に排出される。
<ステップS8> ポジティブトーン現像処理
基板搬送機構が基板保持部5に1枚の基板Wを載置する。カップ昇降機構41は、外カップ31を処理位置に移動させ、内カップ21を外カップ31が処理位置にあるときの回収位置に移動させる。基板Wの周囲が溶媒不在雰囲気になる。
基板処理装置1は、予め設定されている処理レシピに従い、基板Wにポジティブトーン現像処理を行う。例えば、ノズル13Aが基板Wにポジティブトーン現像用の現像液を供給する。続いて、ノズル13Bが基板Wにポジティブトーン現像用の洗浄液を供給する。この間、回転駆動部7は、基板Wを適宜に回転させる。このポジティブトーン現像処理により、レジスト膜の露光部は、溶解され、除去される。
内カップ21は、ポジティブトーン現像処理に使用された処理液を回収する。具体的には、内カップ本体22は、基板Wから飛散した処理液を受け止める。排液口23、排液管24および排液延長管33は、内カップ本体22内の処理液をカップ20外に排出する。排気口25、排気管26および排気延長管34は、内カップ本体22の気体をカップ20外に排出する。
ポジティブトーン現像処理が終わると、カップ昇降機構41は、外カップ31を洗浄位置に移動させ、内カップ21を外カップ31が洗浄位置にあるときの回収位置に移動させる。基板搬送機構は、基板保持部5から基板Wを搬出する。
<ステップS9> カップ洗浄
カップ洗浄部13は、ポジティブトーン現像用の洗浄液で内カップ21を洗浄する。この際も、内カップ本体22内の処理液は排液口23から排出され、内カップ本体22内の気体は排気口25から排出される。
<ステップS10> ネガティブトーン現像処理に切り替えるか?
ポジティブトーン現像処理からネガティブトーン現像処理に切り替える場合は、ステップS11に進む。そうでない場合、ステップS8に戻り、他の基板Wに対してポジティブトーン現像処理を繰り返す。
<ステップS11> カップ切替
カップ昇降機構41は、外カップ31を洗浄位置に保ち、内カップ21を退避位置に移動させる。そして、ステップS1に戻る。
上述した動作例において、ステップS1は、本発明における「ネガティブトーン現像用の洗浄液を前記第2カップに予め散布する工程」であり、本発明における「溶媒雰囲気を予め形成する工程」の例である。ステップS2は、本発明における「ネガティブトーン現像処理を行う工程」の例である。ステップS5、S7は、本発明における「溶媒不在雰囲気を予め形成する工程」の例である。また、ステップS5は、本発明における「ポジティブトーン現像用の洗浄液を前記第2カップに散布する工程」の例であり、ステップS7は、本発明における「ポジティブトーン現像用の洗浄液を前記第1カップに予め散布する工程」の例である。
<効果>
本実施例1によれば、基板処理装置1は内カップ21と外カップ31を備え、内カップ21は回収位置と退避位置とに移動可能である。この内カップ21の移動によって、内カップ21と外カップ31とを容易に切り替えることができる。よって、本実施例のように、各基板Wにポジティブトーン現像処理およびネガティブトーン現像処理のいずれかを選択的に行うことができる。
内カップ21が回収位置にあるときには、内カップ21が外カップ31の導入口Bを閉塞し、内カップ21が待避位置にあるときには、外カップ31が内カップ21の導入口Aを閉塞する。よって、ネガティブトーン現像処理に使用される処理液が内カップ21に付着することを防止でき、内カップ21を使用したポジティブトーン現像処理を品質良く行うことができる。同様に、ポジティブトーン現像処理に使用される処理液が外カップ31に付着することがないので、外カップ31を使用したネガティブトーン現像処理を品質良く行うことができる。さらに、カップ洗浄部13は、カップ21、31に個別に各種の雰囲気を形成できる。
外カップ31は内カップ21を収容するので、カップ20の全体を小型化できる。
内カップ21は内カップ本体22と排液口23と排気口25とを備え、外カップ31は外カップ本体32と排液口35と排気口37を備える。よって、内カップ本体22内の処理液、内カップ本体22内の気体、外カップ本体32内の処理液および外カップ本体32内の気体を、別々に排出できる。よって、内カップ本体22内の処理液と外カップ本体32内の処理液とが混合することを防止でき、かつ、内カップ本体22内の気体と外カップ本体32内の気体とが混合することを防止できる。よって、内カップ21を使用するときも外カップ31を使用するときも、基板Wに対して処理を品質良く行うことができる。
外カップ31は、排液管24と連通接続する排液延長管33を備える。これにより、排液管24の長さを短くでき、内カップ21を小型化できる。また、内カップ本体22内の処理液を、外カップ本体32内を通過させずに、カップ20の外部に排出できる。
同様に、外カップ31は、排気管26と連通接続する排気延長管34を備える。これにより、排気管26の長さを短くでき、内カップ21を小型化できる。また、内カップ本体22内の気体を、外カップ本体32内を通過させずに、カップ20の外部に排出できる。
内カップ21は庇部27を備えるので、排気口25に処理液が流入することを防止できる。さらに、外カップ本体32のフランジ部32dは排気口25に対するカバー部として機能するので、排気口25に処理液が流入することを一層確実に防止できる。
外カップ31は仕切壁39を備えるので、排気口37に処理液が流入することを防止できる。さらに、内カップ本体22は排気口37の上方を覆っているので、排気口37に処理液が流入することを一層確実に防止できる。さらに、内カップ21は鍔部28を備えるので、排気口37に処理液が流入することを一層確実に防止できる。
基板処理装置1は昇降機構41を備えているので、内カップ21は回収位置と待避位置とに容易に移動できる。さらに、昇降機構41は、外カップ31を洗浄位置に移動できる。これにより、基板保持部5自体が昇降しなくても、基板搬送機構は基板保持部5にアクセスできる。また、散布ディスク16が昇降しなくても、カップ洗浄部13はカップ20に洗浄液を散布できる。よって、散布ディスク16を回転軸7Aに固定することができる。
ポジティブトーン現像処理からネガティブトーン現像処理に切り替えるときに、溶媒雰囲気を形成する(ステップS1)。よって、切り替え後の最初のネガティブトーン現像処理から溶媒雰囲気下において基板Wを処理を行うことができる。その結果、切り替え後の最初のネガティブトーン現像処理であっても、現像欠陥などを防止できる。このように、ネガティブトーン現像処理を始める前にネガティブトーン現像処理に適した環境を形成するので、基板Wに品質良く処理を行うことができる。
本ステップS1では、外カップ31に溶媒雰囲気を形成するので、ネガティブトーン現像処理が施される基板Wの周囲に、ネガティブトーン現像処理に適した環境を形成できる。さらに、本ステップS1では、ネガティブトーン現像用の洗浄液を外カップ31に散布するので、溶媒雰囲気を効果的に形成できる。
ネガティブトーン現像処理からポジティブトーン現像処理に切り替えるときに、溶媒不在雰囲気を形成する(ステップS5、S7)。よって、切り替え後の最初のポジティブトーン現像処理から溶媒不在雰囲気下において基板Wを処理を行うことができる。その結果、切り替え後の最初のポジティブトーン現像処理であっても、現像欠陥などを防止できる。このように、ポジティブトーン現像処理を始める前にポジティブトーン現像処理に適した環境を形成するので、基板Wに品質良く処理を行うことができる。
ステップS5では、内カップ21に溶媒不在雰囲気を形成するので、ポジティブトーン現像処理が施される基板Wの周囲にポジティブトーン現像処理に適した環境を形成できる。さらに、本ステップS5では、ポジティブトーン現像用の洗浄液を内カップ21に散布するので、溶媒雰囲気を効果的に形成できる。
ステップS7では、外カップ31にも溶媒不在雰囲気を形成するので、ポジティブトーン現像処理に適した環境を確実に形成できる。換言すれば、外カップ31に残留する処理液が溶媒不在雰囲気の形成を阻害することを未然に防ぐことができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施例2を説明する。
図10は、実施例2に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図である。実施例2に係る基板処理装置61は、レジスト膜を形成する処理と現像処理とを基板Wに行う。
基板処理装置61は、インデクサ部(以下、「ID部」と呼ぶ)63と処理部65とインターフェイス部(以下、「IF部」と呼ぶ)67とを備えている。処理部65は2つの処理ブロック65A、65Bを含む。ID部83、処理ブロック65A、65B、IF部67は、この順に1列に連結されている。IF部67は、さらに、本装置61とは別体の外部装置である露光機EXPに隣接している。
ID部63は、複数の基板Wを収容するカセットCを載置する載置台71と、基板Wを搬送する搬送機構TIDを備える。ID部63と処理ブロック65Aの間には、基板Wを載置する載置部P1が設けられている。ID用搬送機構TIDは、カセットCと載置部P1とにアクセスする。
処理ブロック65Aは、基板Wを搬送する主搬送機構T1と、主搬送機構T1の一方側に設けられる複数の液処理ユニット73A、73Bと、主搬送機構T1の他方側に設けられる複数の熱処理ユニット75A、75B、75Cとを備えている。液処理ユニット73A、73Bは、例えば、基板Wにレジスト膜材料を塗布する塗布処理ユニットである。熱処理ユニット75A、75B、75Cは、基板Wに加熱処理や冷却処理を行う。処理ブロック65Aと処理ブロック65Bとの間には基板Wを載置する載置部P2が設けられている。主搬送機構T1は、載置部P1、P2、塗布処理ユニット73A、73Bおよび熱処理ユニット75A−75Cにアクセスする。
処理ブロック65Bは、基板Wを搬送する主搬送機構T2と、主搬送機構T2の一方側に設けられる複数の液処理ユニット77A、77Bと、主搬送機構T2の他方側に設けられる複数の熱処理ユニット79A、79Bと、を備えている。さらに、処理ブロック65Bは、IF部67に隣接する位置に設けられ、基板Wを載置する載置部P3を備えている。主搬送機構T2は、載置部P2、P3、現像処理ユニット77A、77Bおよび熱処理ユニット79A、79Bにアクセス可能である。
液処理ユニット77A、77Bは、基板Wを現像する現像処理ユニットである。各現像処理ユニット77A、77Bは、実施例1で説明した要素5−46を備えており、基板Wにポジティブトーン現像処理およびネガティブトーン現像処理を行うことができる。図10に示すように、液処理ユニット77A、77Bは、さらに、処理液供給部11を移動させる移動機構12を備えている。なお、各現像処理ユニット77A、77Bは、実施例1で説明した制御部47を備えていなくてもよい。例えば、現像処理ユニット77A、77Bの外部に設けられる不図示の制御部が、現像処理ユニット77A、77Bを制御してもよい。
図11は、現像処理ユニット77A、77Bの側面図である。現像処理ユニット77A、77Bは、同じチャンバー78内に収容されている。すなわち、現像処理ユニット77A、77Bは同一空間に設けられている。また、現像処理ユニット77A、77Bの間で、排液ダクト43、44および排気ダクト45、46は共通化されている。
再び、図10を参照する。IF部67は、基板Wを搬送するIF用搬送機構TIF1、TIF2と、基板Wを載置する載置部P4を備えている。載置部P4は、載置された基板Wを所定温度に冷却する機能を有していてもよい。IF用搬送機構TIF1は、載置部P3、P4にアクセス可能である。IF用搬送機構TIF2は、載置部P4にアクセス可能であり、露光機EXPとの間で基板Wを受渡し可能である。
基板処理装置61の動作例を簡単に説明する。
<ID部63からIF部67に基板Wを搬送する動作例>
ID用搬送機構TIDは、カセットCから基板Wを搬出し、この基板Wを載置部P1に載置する。主搬送機構T1は、載置部P1から基板Wを受け取り、この基板Wを塗布処理ユニット77A、77Bおよび熱処理ユニット79A乃至79Cに所定の順番で搬送する。各処理ユニット77、79は、基板Wに処理を行う。その結果、基板Wにレジスト膜が形成される。主搬送機構T1は、レジスト膜が形成された基板Wを載置部P2に載置する。主搬送機構T2は、載置部P2から基板Wを受け取り、載置部P3に載置する。IF用搬送機構TIF1は、載置部P3から基板Wを受け取り、載置部P4に載置する。IF用搬送機構TIF2は、載置部P4から基板Wを受け取り、露光機EXPに渡す。
<IF部67からID部63に基板Wを搬送する動作例>
IF用搬送機構TIF2は、露光機EXPから露光済みの基板Wを受け取り、IF用搬送機構TIF1に基板Wを渡す。IF用搬送機構TIF1は、基板Wを主搬送機構T2に渡す。主搬送機構T2は、基板Wを現像処理ユニット77A、77Bおよび熱処理ユニット79A、79Bに搬送する。各処理ユニット77、79は、基板Wに処理を行う。その結果、基板Wは現像される。主搬送機構T2は、現像された基板Wを主搬送機構T1に渡す。主搬送機構T1は、基板WをID用搬送機構TIDに渡す。ID用搬送機構TIDは基板WをカセットCに搬入する。
次に、現像処理ユニット77A、77Bの動作例を説明する。図12は、現像処理ユニット77A、77Bの動作例を示すフローチャートである。この動作例の特徴は、ポジティブトーン現像処理とネガティブトーン現像処理との切り替え、および、各種雰囲気の形成を、現像処理ユニット77A、77Bが協調して行う点にある。以下、実施例1と共通する動作については適宜に簡略に説明する。
<ステップS21> 全ての現像処理ユニットで溶媒雰囲気の形成
現像処理ユニット77A、77Bの両方で、溶媒雰囲気を形成する。溶媒雰囲気の形成は、実施例1のステップS1と同様に、ネガティブトーン現像用の洗浄液を外カップ31に散布することによって行われる。これにより、現像処理ユニット77A、77Bに設けられる全ての外カップ31に溶媒雰囲気が形成される。
<ステップS22> 少なくともいずれかの現像処理ユニットでネガティブトーン現像処理
主搬送機構T2が、現像処理ユニット77A、77Bに基板Wを搬入する。現像処理ユニット77A、77Bは、搬入された基板Wにネガティブトーン現像処理を行う。ネガティブトーン現像処理が終了すると、主搬送機構T2は、現像処理ユニット77A、77Bから基板Wを搬出する。
このようにして、本ステップS22では、現像処理ユニット77A、77Bの少なくともいずれかが、基板Wにネガティブトーン現像処理を行う。例えば、現像処理ユニット77A、77Bが並行してネガティブトーン現像処理を行ってもよい。あるいは、現像処理ユニット77Aのみがネガティブトーン現像処理を行ってもよい。ただし、本ステップS22で行うことができる処理はネガティブトーン現像処理に限られており、現像処理ユニット77A、77Bのいずれも、ポジティブトーン現像処理を行うことは禁止されている。
<ステップS23> 使用したカップの洗浄
現像処理ユニット77Aがネガティブトーン現像処理を行う度に、現像処理ユニット77Aの外カップ31を洗浄する。同様に、現像処理ユニット77Bがネガティブトーン現像処理を行う度に、現像処理ユニット77Bの外カップ31を洗浄する。
<ステップS24> 全ての現像処理ユニットでポジティブトーン現像処理に切り替えるか?
現像処理ユニット77A、77Bの両方がポジティブトーン現像処理に切り替える場合は、ステップS25に進む。そうでない場合、ステップS22に戻る。
<ステップS25> 全ての現像処理ユニットで溶媒不在雰囲気の形成
現像処理ユニット77A、77Bの両方で溶媒不在雰囲気を形成する。溶媒雰囲気の形成は、実施例1のステップS5と同様に、ポジティブトーン現像用の洗浄液を外カップ31に散布することによって行われる。これにより、現像処理ユニット77A、77Bに設けられる全ての外カップ31に溶媒不在雰囲気が形成される。
<ステップS26> 全ての現像処理ユニットでカップ切替
全ての外カップ31は洗浄位置に移動し、全ての内カップ21は、外カップ31が洗浄位置にあるときの回収に移動する。
<ステップS27> 全ての現像処理ユニットで溶媒不在雰囲気の形成
現像処理ユニット77A、77Bの両方で溶媒不在雰囲気を形成する。溶媒雰囲気の形成は、実施例1のステップS27と同様に、ポジティブトーン現像用の洗浄液を内カップ21に散布することによって行われる。これにより、全ての内カップ21に溶媒不在雰囲気が形成される。
<ステップS28> 少なくともいずれかの現像処理ユニットでポジティブトーン現像処理
現像処理ユニット77A、77Bの少なくともいずれかが、基板Wにポジティブトーン現像処理を行う。本ステップS28で行うことができる処理はポジティブトーン現像処理に限られており、現像処理ユニット77A、77Bのいずれも、ネガティブトーン現像処理を行うことは禁止されている。
<ステップS29> 使用したカップの洗浄
現像処理ユニット77A、77Bはそれぞれ、ポジティブトーン現像処理を行う度に、使用した内カップ21を洗浄する。
<ステップS30> 全ての現像処理ユニットでネガティブトーン現像処理に切り替えるか?
現像処理ユニット77A、77Bの両方がネガティブトーン現像処理に切り替える場合は、ステップS31に進む。そうでない場合、ステップS28に戻る。
<ステップS31> カップ切替
全ての外カップ31は洗浄位置に移動し、全ての内カップ21は、外カップ31が洗浄位置にあるときの退避位置に移動する。
上述した動作例において、ステップS21は、本発明における「ネガティブトーン現像用の洗浄液を全ての前記第2カップに予め散布する工程」であり、本発明における「溶媒雰囲気を予め形成する工程」の例である。ステップS22は、本発明における「ネガティブトーン現像処理を行う工程」の例である。ステップS25、S27は、本発明における「溶媒不在雰囲気を予め形成する工程」の例である。また、ステップS25は、本発明における「ポジティブトーン現像用の洗浄液を全ての前記第2カップに散布する工程」の例であり、ステップS7は、本発明における「ポジティブトーン現像用の洗浄液を全ての前記第1カップに予め散布する工程」の例である。
<効果>
本実施例2によれば、実施例1と同様な効果に加えて、以下の効果を奏する。
チャンバー78内の全ての現像処理ユニット77A、77Bの処理を一括して、ネガティブトーン現像処理とポジティブトーン現像処理との間で切り替える(ステップS24、S30)。これにより、各現像処理ユニット77A、77Bの一方が、他方の雰囲気を害することを防止できる。
ネガティブトーン現像処理に切り替えるときには、全ての現像処理ユニット77A、77Bで溶媒雰囲気を形成する(ステップS21)。これにより、溶媒雰囲気を速やかに形成できる。そして、いずれの現像処理ユニット77A、77Bであっても、最初からネガティブトーン現像処理を品質良く行うことができる。
ポジティブトーン現像処理に切り替えるときには、全ての現像処理ユニット77A、77Bで溶媒不在雰囲気を形成する(ステップS25、S27)。これにより、溶媒不在雰囲気を速やかに形成できる。そして、いずれの現像処理ユニット77A、77Bであっても、最初からポジティブトーン現像処理を品質良く行うことができる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した各実施例では、基板Wにポジティブトーン現像処理とネガティブトーン現像処理を行う装置を例示したが、これに限られない。例えば、基板Wに洗浄処理や塗布処理など、処理液を用いて基板Wに処理を行う種々の装置に変更してもよい。また、本実施例では、1枚の基板Wに対して、内カップ21を使用する処理(ポジティブトーン現像処理)と外カップ31を使用する処理(ネガティブトーン現像処理)のいずれか一方を行う装置であったが、これに限られない。すなわち、1枚の基板Wに対して、内カップ21を使用する処理と外カップ31を使用する処理の両方を行う装置に変更してもよい。
(2)上述した各実施例では、排気口25に処理液が流入することを防止するために、庇部27等を例示したが、これに限られない。図13は、変形実施例に係る内カップ21の排気構造を示す図である。排気口25は、排液口23より高い位置に配置されている。この変形実施例によっても、排気口25に処理液が流入することを防止できる。
(3)上述した各実施例では、昇降機構41の構成例として、内カップ昇降機構41Aと外カップ昇降機構41Bを例示したが、これに限られない。
例えば、昇降機構41は、内カップ21および内カップ昇降機構41Aと外カップ31とを一体に昇降させる全体昇降機構とを備えてもよい。これによれば、全体昇降機構の動作のみによって、内カップ21を回収位置または退避位置に保ったまま、外カップ31を処理位置および洗浄位置に移動することができる。
例えば、基板処理装置1が基板保持部5および散布ディスク16を昇降する機構を備えている場合には、外カップ昇降機構41B等を省略して、外カップ31を固定的に設置してもよい。
(4)上述した各実施例では、ポジティブトーン現像処理を始める前に、外カップ31に溶媒不在雰囲気を形成したが(ステップS5、S25)、これに限られない。すなわち、これらのステップS5、S25を省略してもよい。この変形実施例によっても、ポジティブトーン現像処理を始める前に、溶媒不在雰囲気を形成できる。
(5)上述した各実施例では、ノズル14A、14Bはそれぞれ、開口17A、17Bに向けて吐出したが、これに限られない。例えば、ノズル14A、14Bは、同じ開口に向けて吐出してもよい。この変形実施例では、散布ディスク16の内部に、溶媒雰囲気および溶媒不在雰囲気を形成できる。また、この変形実施例においては、開口17Aと連通する流路と、開口17Bと連通する流路のいずれか一方を省略してもよい。
(6)上述した各実施例では、溶媒雰囲気を形成するために、ネガティブトーン現像用の洗浄液を使用したが、これに限られない。例えば、有機溶剤を含む液体または気体を使用して、溶媒雰囲気を形成してもよい。同様に、上述した各実施例では、溶媒不在雰囲気を形成するために、ポジティブトーン現像用の洗浄液を使用したが、これに限られない。雰囲気中に含まれる有機溶剤を除去できる液体または気体を使用して、溶媒不在雰囲気を形成してもよい。
(7)上述した各実施例では、カップ洗浄部13が各種の雰囲気を形成したが、これに限られない。例えば、基板処理装置1/現像処理ユニット77A、77Bは、カップ洗浄部13とは別個に設けられ、液体および気体の少なくともいずれかを散布する散布部を備えてもよい。本変形実施例によれば、散布部が各種の雰囲気を適切に形成できる。
(8)上述した各実施例および上記(1)から(7)で説明した各変形実施例については、さらに各構成を他の変形実施例の構成に置換または組み合わせるなどして適宜に変更してもよい。
1 … 基板処理装置
5 … 基板保持部
7 … 回転駆動部
11 … 処理液供給部
13 … カップ洗浄部
14 … 洗浄液供給部
14A、14B … ノズル(第1ノズル、第2ノズル)
16 … 散布ディスク
21 … 内カップ
22 … 内カップ本体
22a … 底部
23 … 排液口
24 … 排液管
25 … 排気口
26 … 排気管
27 … 庇部(カバー部)
28 … 鍔部
31 … 外カップ
32 … 外カップ本体
32a … 底部
32d … フランジ部(カバー部)
33 … 排液延長管
34 … 排気延長管
35 … 排液口
36 … 排液管
37 … 排気口
38 … 排気管
39 … 仕切壁
41 … 昇降機構
77A、77B … 現像処理ユニット
A … 内カップの導入口
B … 外カップの導入口

Claims (10)

  1. 基板を略水平姿勢で保持する基板保持部と、
    前記基板保持部を略鉛直軸回りに回転する回転駆動部と、
    前記基板保持部に保持された基板に処理液を供給する処理液供給部と、
    前記基板保持部の側方を囲むように設けられている外カップと、
    前記外カップ内に収容される内カップと、
    を備え、
    前記内カップは、前記内カップが処理液を回収する回収位置と、前記外カップが処理液を回収する退避位置とにわたって移動可能であり、
    前記内カップは、
    環状の外形を呈する内カップ本体と、
    前記内カップ本体に形成され、前記内カップ本体内の処理液を排出する排液口と、
    前記内カップ本体に形成され、前記内カップ本体内の気体を排出する排気口と、
    を備え、
    前記外カップは、
    環状の外形を呈する外カップ本体と、
    前記外カップ本体に形成され、前記外カップ本体内の処理液を排出する排液口と、
    前記外カップ本体に形成され、前記外カップ本体内の気体を排出する排気口と、
    を備える基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置において、
    前記内カップは、前記内カップの前記排気口の上方を覆うカバー部を備えている基板処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の基板処理装置において、
    前記内カップの前記排気口は、前記内カップの前記排液口より高い位置に配置されている基板処理装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記内カップ本体は、前記外カップの前記排気口の上方を覆う基板処理装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記外カップは、前記外カップの前記排液口と前記外カップの前記排気口とを仕切る仕切壁を備えている基板処理装置。
  6. 請求項5に記載の基板処理装置において、
    前記内カップは、前記内カップ本体に接続される鍔部を備え、
    前記外カップの前記排気口は、前記仕切壁の内方に配置され、
    前記外カップの前記排液口は、前記仕切壁の外方に配置され、
    前記内カップが前記退避位置に配置されているとき、前記鍔部は、前記仕切壁の外方に処理液を案内する基板処理装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記内カップは、
    前記内カップ本体に接続され、前記内カップの前記排液口から排出された処理液を通じる排液管と、
    前記内カップ本体に接続され、前記内カップの前記排気口から排出された気体を通じる排気管と、
    を備え、
    前記外カップは、
    前記外カップ本体に接続され、前記内カップの前記排液管を上下動可能に収容し、前記内カップの前記排液管から排出された処理液を通じる排液延長管と、
    前記外カップ本体に接続され、前記内カップの前記排気管を上下動可能に収容し、前記内カップの前記排気管から排出された気体を通じる排気延長管と、
    を備えている基板処理装置。
  8. 請求項7に記載の基板処理装置において、
    前記内カップが回収位置にあるとき、前記内カップの前記排液管が前記排液延長管内に挿入されている距離は、80mm以下である基板処理装置。
  9. 請求項7または8に記載の基板処理装置において、
    前記内カップが回収位置にあるとき、前記内カップの前記排気管が前記排気延長管内に挿入されている距離は、80mm以下である基板処理装置。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記内カップおよび前記外カップを洗浄するための洗浄液を供給する洗浄液供給部と、 回転可能に設けられ、前記洗浄液供給部によって供給された洗浄液を前記内カップおよび前記外カップに散布する散布ディスクと、
    を備え、
    前記洗浄液供給部は、
    洗浄液を前記散布ディスクに向けて吐出する第1ノズルと、
    前記第1ノズルとは異なる洗浄液を前記散布ディスクに向けて吐出する第2ノズルと、
    を含む基板処理装置。
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