JP5545166B2 - 内燃機関用のスパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明は、互いの間に火花放電ギャップを形成して対向配置された中心電極と接地電極とを有する内燃機関用のスパークプラグに関する。
自動車エンジン等の内燃機関においては、燃費向上のために、例えば、低排気量である過給(ターボ)による高効率エンジンが要求されている。これらの高効率エンジンには、着火性能の向上のために、中心電極及び接地電極の少なくとも何れか一方に針状チップを有してなる高性能のスパークプラグが採用されている(特許文献1)。
具体的には、上記高性能のスパークプラグにおいて使用される火花放電部には、消炎抑制効果が高く、且つ要求電圧が低いことから着火性に優れる針状チップが採用されている。そして、針状チップとしては、火花放電時におけるスパッタリング効果によるチップ消耗を抑制するために高密度材料を主成分として使用している。
ここで、針状チップの主成分である高密度材料はいずれも、例えばPt、Ir、Ru、Rh、Pd、Os等の貴金属、またはレアメタルであり、コスト低減及び資源の枯渇抑制の観点から、高密度材料の使用量の低減が重要課題でもあった。この課題の対策として、放電用チップを、電極母材と接合される接合部と、火花放電ギャップに面する放電部との複合材により構成したスパークプラグが提案されている(特許文献2)。
しかし、特許文献2の放電用チップは、直径が高さより大きいディスク状のチップであって、針状チップと比べて着火性の点で不利である。
そこで、着火性に優れた針状チップを備えたスパークプラグにおいても、高密度材料の使用量を極力抑制して、低コスト化を実現することが求められている。
特開2002−184551号公報 特開平5−166577号公報
しかしながら、チップ高さがチップ径より長い針状チップの構成を、単に低密度材料からなる接合部と、高密度材料からなる放電部との複合材によって構成しただけでは、放電部と接合部との間に亀裂、剥離が生じ、放電部が脱落してしまうおそれがある。
すなわち、高効率エンジンにおける内燃機関の燃焼室環境は、高熱負荷、高振動環境にあり、また、針状チップはチップ径が小さいため、接合部と放電部との間の接合面がディスク状チップと比べて小さい。
ここで、接合部は高密度材料を使用しないため、電極母材と近似する金属、すなわち同種の金属元素を有する金属を用いることができる。例えば、Ni基合金からなる電極母材に対し、Ni基合金からなる接合部を用いることができる。それゆえ、接合面積が小さくても電極母材と接合部との間の接合強度は確保できる。しかし、接合部と放電部とは異種金属となるため、接合面積が小さいと充分には接合強度が得られなくなるおそれがある。そのため、接合部と放電部との間においては、放電部の自重に起因する振動時の負荷による亀裂、剥離が生じ、場合によっては放電部の脱落に至ってしまうおそれがある。そして、その結果、長寿命のスパークプラグを得ることが困難であった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、低コストで着火性及び耐消耗性の高い長寿命の内燃機関用のスパークプラグを提供しようとするものである。
第1の発明は、互いの間に火花放電ギャップを形成して対向配置された中心電極と接地電極とを有する内燃機関用のスパークプラグであって、
上記中心電極と上記接地電極との少なくとも一方は、上記火花放電ギャップに向かって突出するように電極母材に接合された針状チップを有し、
該針状チップは、上記電極母材と接合される母材接合部と、上記火花放電ギャップに面する放電部とを互いに接合してなり、
上記放電部は、上記母材接合部よりも密度が高く、
上記放電部は、上記母材接合部の側面部の少なくとも一部をも覆うように形成された被覆部を有し、
上記針状チップの軸方向長さをL、直径をDとし、上記被覆部を除いた上記放電部の軸方向長さをTとしたとき、0.6mm≦D<L≦1.2mm、0.2mm≦T≦0.5mm、T≦−0.5×L+0.9mm、を満たし、
上記被覆部を含んだ上記放電部の軸方向長さをHとしたとき、T+0.2mm≦Hの関係を満たし、
上記被覆部の軸方向に直交する方向の厚みは、軸方向において、上記火花放電ギャップ側から上記電極母材側に向かって徐々に薄肉化していることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグにある(請求項1)。
第2の発明は、互いの間に火花放電ギャップを形成して対向配置された中心電極と接地電極とを有する内燃機関用のスパークプラグを製造する方法であって、
上記中心電極と上記接地電極との少なくとも一方は、上記火花放電ギャップに向かって突出するように電極母材に接合された針状チップを有し、
該針状チップは、上記電極母材と接合される母材接合部と、上記火花放電ギャップに面する放電部とを互いに接合してなり、
上記放電部は、上記母材接合部よりも密度が高く、
上記針状チップの軸方向長さをL、直径をDとし、上記放電部の軸方向長さをTとしたとき、0.6mm≦D<L≦1.2mm、0.2mm≦T≦0.5mm、T≦−0.5×L+0.9mm、を満たし、
上記放電部を構成する高密度材料によって、軸方向に陥没した凹部を備えたコップ型部材を形成するコップ型部材形成工程と、
上記母材接合部を構成する低密度材料によって、上記凹部挿入可能な形状の芯材を形成する芯材形成工程と、
上記芯材を上記コップ型部材の上記凹部に挿入して複合材を得る挿入工程と、
上記複合材を、軸方向に沿って押出成形することにより、縮径するとともに軸方向長さを延ばして、所定の直径及び軸方向長さの上記針状チップを作製する押出工程と、
上記針状チップを上記電極母材に接合する接合工程とを有することを特徴とする内燃機関用のスパークプラグの製造方法にある(請求項)。
第1の発明において、中心電極と接地電極との少なくとも一方は、0.6mm≦D<L≦1.2mmの針状チップを有する。これにより、チップ径の小さい針状チップとすることにより、火花放電時における火炎核の消炎作用を抑制しやすくすることができる。すなわち、火花放電で混合気に生成した火炎核は、放電チップに接触して熱エネルギーが奪われるため、チップ径が大きいと着火性能の低下を招きやすい。そこで、チップ径の小さい針状のチップとすることにより、火炎核との接触面積を少なくでき、消炎作用を抑制しやすくできる。そのため、着火性を高める効果を得ることができる。
そして、上記針状チップは、上記電極母材と接合される母材接合部と、上記火花放電ギャップに面する放電部とを互いに接合して形成されるとともに、上記放電部は、上記母材接合部よりも密度が高くなるように形成される。すなわち、上記針状チップにおいて、主に火花放電が行われる上記放電部の密度を高くすることにより、スパッタリング効果による針状チップの消耗を抑制できる。
また、上記針状チップは、火花放電が主に行われる上記放電部以外の部分である上記母材接合部を低密度材料により形成している。すなわち、耐消耗性の観点から高密度材料であることを要しない母材接合部には、コストの安価な低密度材料を使用することができ、上記針状チップに要求される高密度材料の使用量を極力抑制することができる。そのため、上記針状チップの製造のコストを低減することができ、その結果、スパークプラグの製造コストをも低減できる。
また、上記針状チップは、針状チップの軸方向長さをL、直径をDとし、上記放電部の軸方向長さをTとしたとき、0.6mm≦D<L≦1.2mm、0.2mm≦T≦0.5mm、T≦−0.5×L+0.9mmを満たすように形成されている。これにより、チップ高さがチップ径より長い上記針状チップであって、上記放電部の軸方向長さTが所定の範囲内によるものにおいて、上記放電部の軸方向長さTが上記針状チップの軸方向長さをLに対して、大きくなりすぎないようにしている。これによって、高密度材料からなる上記放電部の自重に起因する振動時の負荷による亀裂、剥離、あるいは脱落を防止することができる。
すなわち、高密度材料は、低密度材料に対して低熱膨張係数材料であり、高密度材料と低密度材料との接合部においては熱応力が発生しやすい。そのため、かかる熱応力による接合部の強度の低下と、上記放電部の自重による応力との相互作用により、亀裂、剥離あるいは脱落が生じやすい。なお、低密度材料は母材と同等の熱膨張係数を有するため両者の接合部での亀裂等は発生しにくくなる。そこで、上記放電部の軸方向長さTについて、上記針状チップの軸方向長さをLに対して大きくなりすぎないようすることで、高密度材料からなる上記放電部の亀裂、剥離、あるいは脱落を防止することができる。
したがって、スパークプラグの長寿命化を実現することができる。
また、上記針状チップは、上記母材接合部と上記放電部とを互いに接合したものからなるため、上記針状チップを作製する際、上記母材接合部と上記放電部との間の接合面の形状は自由に設定できる。一方、上記母材接合部と上記電極母材との間の接合面の形状は、上記電極母材の表面に依存するため制約がある。それゆえ、上記母材接合部と上記放電部との接合面積を、上記母材接合部と上記電極母材との接合面積よりも大きくしやすい。
ここで、上述したごとく、上記母材接合部と上記電極母材との接合強度は、両者の材料の観点から高くなりやすいが、上記放電部と上記母材接合部とは異種金属となり、両者の接合強度を高めにくい。そのため、上記針状チップにおいては、上記母材接合部と上記放電部との間での亀裂、剥離、あるいは脱落が問題となる。
しかし、上記スパークプラグにおいては、上述のように上記母材接合部と上記放電部との接合面積を大きくすることが可能となるため、上記母材接合部と上記放電部との間における上記針状チップの亀裂、剥離、あるいは脱落を防ぐことが可能となる。その結果、スパークプラグの長寿命化を実現することが可能となる。
第2の発明においては、上記芯材形成工程により形成された芯材を、上記コップ型部材形成工程により形成されたコップ型部材の上記凹部に挿入することで複合材を得て、この複合材を上記押出工程において上記針状チップとする。そのため、両者の接合面を多く確保でき、接合性の高い複合材からなる針状チップを容易に製造することができる。
また、芯材とコップ型部材とを別々に形成した後、両者を接合するため、材料歩留まりを高くすることができる。すなわち、上記コップ型部材形成工程及び上記芯材形成工程において、板材を打ち抜くことによってそれぞれ生じた端材は、それぞれ別個に溶融して再利用することができるため、端材の処理コストを低減できる。つまり、高密度材料と低密度材料とを積層した複合板材を打ち抜いてチップを形成した場合には、複合材の端材が生きることとなるが、異種材料を含む端材は溶融しても再利用しにくい。これに対し、上記製造方法によれば、かかる不具合がない。そのため、チップの材料歩留りを向上させ、スパークプラグの生産性の向上及びコストを低減することができる。
以上のごとく、本発明によれば、低コストで着火性及び耐消耗性の高い長寿命の内燃機関用のスパークプラグを提供できる。
実施例1における、スパークプラグの先端部分の説明図。 実施例1における、針状チップの軸方向長さL、直径D、放電部の軸方向長さT、被覆部を含んだ放電部の軸方向長さHの説明図。 実施例1における、(a)針状チップの軸方向に沿った断面図、(b)針状チップの斜視図。 実施例1における、針状チップの製造方法の説明図。 実験例1における、針状チップの加熱共振試験の説明図。 実験例1における、試料1の針状チップの加熱共振試験の結果説明図。 実験例1における、試料2の針状チップの加熱共振試験の結果説明図。 実験例1における、試料3の針状チップの加熱共振試験の結果説明図。 参考例1における、(a)針状チップの断面図、(b)針状チップの斜視図。 参考例2における、(a)針状チップの断面図、(b)針状チップの斜視図。 参考例3における、(a)針状チップの断面図、(b)針状チップの斜視図。
上記スパークプラグは、特に、高効率の自動車エンジン等の内燃機関の燃焼室内における着火手段として用いることができる。
また、上記針状チップの軸方向長さL、直径D及び上記放電部の軸方向長さTの関係、すなわち、0.6mm≦D<L≦1.2mm、0.2mm≦T≦0.5mm、T≦−0.5×L+0.9mmの関係における臨界意義につき説明する。
すなわち、D<0.6mmの場合は、上記放電部の耐消耗性が不十分となり、火花放電ギャップが拡大しやすくなるおそれがある。また、L>1.2mmの場合は、スパークプラグの軸方向長さが長くなり、スパークプラグ自体の大型化を招いてしまう。
また、T<0.2mmの場合は、上記放電部が薄くなってしまい、上記母材接合部が早期に露出しやすくなる。そのため、スパークプラグの長寿命化が困難となる。また、T>0.5mmの場合は、上記放電部が必要以上に厚くなってしまい、上記放電部の材質の観点から、高コスト化を招くおそれがある。
そして、上記針状チップの軸方向長さLと、上記放電部の軸方向長さTの関係については、後述する実験例1(図6〜図8)に示すように、T>−0.5×L+0.9mmとなると、上記放電部の自重に起因する上記針状チップの亀裂、剥離、あるいは脱落を生じやすくなる。
上記第1の発明において、上記放電部の密度は19g/cm以上であり、上記母材接合部の密度は9g/cm以下であることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記放電部の耐消耗性を充分に高く維持し、火花放電ギャップの拡大を充分に抑制しつつ、上記母材接合部の充分な軽量化が可能となることにより、針状チップ全体の重量及び材料コストを充分に抑制することができる。
また、上記放電部は、上記母材接合部の側面部の少なくとも一部をも覆うように形成されている。
これにより、上記放電部において、上記母材接合部の側面部を覆った部分についても、放電時の耐消耗性を高めることができるとともに、上記母材接合部と上記放電部との接合面を多く確保でき、両者の接合性を効果的に向上させることができる。
また、上記放電部と上記母材接合部との接合面積は、上記母材接合部と上記電極母材との接合面積よりも大きいことが好ましい(請求項)。
この場合には、上記放電部と上記母材接合部との間の接合面における接合面積を広く確保できるため、上記放電部と上記母材接合部との接合強度を高めることができ、上記放電部の脱落を防止することできる。そのため、長寿命のスパークプラグを得ることができる。
すなわち、上述したごとく、上記母材接合部と上記電極母材の接合強度は、両者の材料の観点から高くなりやすいが、上記放電部と上記母材接合部とは異種金属となり、両者の接合強度を高めにくい。そのため、上記針状チップにおいては、上記母材接合部と上記放電部との間での亀裂、剥離、あるいは脱落が問題となる。そこで、上記母材接合部と上記放電部との接合面積を、上記母材接合部と上記電極母材との接合面積よりも大きくすることにより、上記母材接合部と上記放電部との間における上記針状チップの亀裂、剥離、あるいは脱落を防ぐことができる。その結果、効果的にスパークプラグの長寿命化を実現することができる。
また、上記中心電極と上記接地電極との双方が、上記針状チップを有することが好ましい(請求項)。
この場合には、着火性を向上させることができるとともに、上記針状チップにおけるチップ消耗抑制の効果を低コストにて実現することができる。
また、上記放電部の主成分は、上記母材接合部の主成分よりも融点が高いことが好ましい(請求項)。
この場合には、火花放電により電極が局部的に高温になるため、溶融に対する耐消耗性を向上させることができる。
上記第2の発明において、上記コップ型部材形成工程においては、上記高密度材料からなる素材板を円形に打ち抜くと共にその中央部に上記凹部を成形して上記コップ型部材を得ることが好ましい(請求項)。
この場合には、上記コップ型部材形成工程において、上記コップ型部材を容易に形成することができる。
また、上記芯材形成工程においては、上記低密度材料からなる素材板を円形に打ち抜いて上記芯材を得ることが好ましい(請求項)。
この場合には、上記芯材形成工程において、上記芯材を容易に形成することができる。
(実施例1)
本発明の実施例にかかるスパークプラグにつき、図1〜図4を用いて説明する。
本例のスパークプラグ1は、図1に示すごとく、互いの間に火花放電ギャップGを形成して対向配置された中心電極2と接地電極3とを備えている。
また、同図に示すごとく、中心電極2及び接地電極3は、それぞれ、火花放電ギャップGに向かって突出するように電極母材4に接合された針状チップ5を有している。
そして、針状チップ5は、電極母材4と接合される母材接合部51と、火花放電ギャップGに面する放電部52とを互いに接合して形成されている。また、放電部52は、母材接合部51よりも密度が高くなるように構成されている。
具体的には、放電部52の密度は19g/cm以上であり、母材接合部51の密度は9g/cm以下で形成される。
また、放電部52の主成分は、母材接合部51の主成分よりも融点が高い。
すなわち、本例においては、放電部52は、母材接合部51よりも高密度かつ高融点の材料であり、例えば、Pt(21.45g/cm、1770℃)、Ir(22.42g/cm、2410℃)、Os(22.57g/cm、3045℃)、Re(21.02g/cm、3180℃)、W(19.3g/cm、3400℃)が用いられる。なお、カッコ内は(密度、融点)を意味する。
また、母材接合部51は、放電部52よりも低密度かつ低融点の材料であり、例えば、Cu(8.96g/cm)、Ni(8.9g/cm)、Fe(7.87g/cm)、Co(8.9g/cm)、Cr(7.19g/cm)、Ti(4.5g/cm)が用いられる。なお、カッコ内は密度を意味する。
また、図2に示すごとく、針状チップ5は、針状チップ5の軸方向長さをL、直径をDとし、放電部52の軸方向長さをTとしたとき、0.6mm≦D<L≦1.2mm、0.2mm≦T≦0.5mm、T≦−0.5×L+0.9mmの関係を満たすように形成されている。
また、図3(b)に示すごとく、針状チップ5は円柱形状を有する。
また、放電部52と母材接合部51との接合面積は、母材接合部51と電極母材4との接合面積よりも大きくなるように形成されている。
また、図1、図3(a)、(b)に示すごとく、針状チップ5において、放電部52は、母材接合部51の側面部512の少なくとも一部を覆う被覆部53を有する。そして、図2に示すごとく、被覆部53を含んだ放電部52の軸方向長さをHとしたとき、T+0.2mm≦Hの関係を満たしている。
また、被覆部53のチップ軸方向に直交する方向の厚みは、図3(a)、(b)に示すごとく、チップ軸方向において、母材接合部51側にかけて徐々に薄肉化して形成されている。なお、本例のスパークプラグ1においては、図1に示すごとく、中心電極2と接地電極3との双方が、針状チップ5を有するように形成されている。
そして、中心電極2の針状チップ5と接地電極3の針状チップ5とは、同じ構成(形状、寸法、構造、材質)を有してもよいし、異なる構成を有していてもよい。
なお、電極母材4の材質については、例えば、Niを主成分とするインコネル等から構成されている。
次いで、本例のスパークプラグ1の製造方法について説明する。
特に、本例における、針状チップ5の製造方法については、図4を用いて、同図における矢印A1〜D2に示す工程順に沿って針状チップ5の製造方法について、以下に説明する。
まず、図4の矢印A1、A2に示すごとく、コップ型部材形成工程において、放電部52を構成する高密度材料によって、軸方向に陥没した凹部522を備えたコップ型部材521を形成する。具体的には、高密度材料からなる素材板520を円形に打ち抜いて円柱部材524を得ると共に、その中央部に凹部522を成形してコップ型部材521を得る。
次いで、図4の矢印Bに示すごとく、芯材形成工程において、母材接合部51を構成する低密度材料によって、凹部522が挿入可能な形状の芯材511を形成する。具体的には、低密度材料からなる素材板510を円形に打ち抜いて芯材511を得る。
次いで、図4の矢印Cに示すごとく、挿入工程において、芯材511をコップ型部材521の凹部522に挿入して複合材50を得る。ここで、本例では、図4に示すごとく、複合材50における芯材511は、芯材511の一端側がコップ型部材521の上端面より、所定長さ突出する状態で形成される。なお、コップ型部材521の凹部522に対して、芯材511が圧入あるいは抵抗溶接等することで両者を固定し、複合材50が形成される。
また、本工程の後において、複合材50に熱処理を施し、コップ型部材521と芯材511の接合界面を相互拡散させて、両者の接合性を向上させてもよい。
次いで、図4の矢印D1、D2に示すごとく、押出工程において、複合材50を軸方向に沿って押出成形することにより、複合材50を縮径するとともに軸方向長さを延ばして、上記所定の軸方向長さL、直径D及び放電部軸方向長さTを有した針状チップ5を作製する。
なお、本例では、図4の矢印D1に示すごとく、例えば、押出成形型6に複合材50を設置して、軸方向に沿って複合材50を押し出す。これにより、図4の矢印D2に示すごとく、複合材50を縮径するとともに軸方向長さを延ばすことができる。そして、上記所定の軸方向長さL、直径D及び放電部軸方向長さTを有した針状チップ5を形成することができる。
最後に、接合工程(図示略)において、押出工程で得られた針状チップ5を、図1に示すごとく、中心電極2あるいは接地電極3の電極母材4に接合することで、本例のスパークプラグ1を得ることができる。具体的には、針状チップ5を電極母材4に抵抗溶接あるいはレーザー溶接により接合する。なお、本例では、図1に示すごとく、中心電極2と接地電極3との双方にが、針状チップ5が接合されているが、いずれか一方に取り付けてもよい。
次に、本例のスパークプラグ1及びその製造方法における作用効果について説明する。
本例において、中心電極2と接地電極3との少なくとも一方は、0.6mm≦D<L≦1.2mmの針状チップ5を有する。すなわち、径の小さい針状チップとすることにより、火花放電時における火炎核の消炎作用を抑制しやすくすることができる。すなわち、火花放電で混合気に生成した火炎核は、放電チップに接触して熱エネルギーが奪われるため、チップ径が大きいと着火性能の低下を招きやすい。そこで、チップ径の小さい針状のチップとすることにより、火炎核との接触面積を少なくでき、消炎作用を抑制しやすくできる。そのため、着火性を高める効果を得ることができる。
そして、針状チップ5は、電極母材4と接合される母材接合部51と、火花放電ギャップGに面する放電部52とを互いに接合して形成されるとともに、放電部52は、母材接合部51よりも密度が高くなるように形成される。すなわち、針状チップ5において、主に火花放電が行われる放電部52の密度を高くすることにより、スパッタリング効果による針状チップ5の消耗を抑制できる。
また、針状チップ5は、火花放電が主に行われる放電部52以外の部分である母材接合部51を低密度材料により形成している。すなわち、耐消耗性の観点から高密度材料であることを要しない母材接合部51には、コストの安価な低密度材料を使用することができ、針状チップ5に要求される高密度材料の使用量を極力抑制することができる。そのため、針状チップ5の製造のコストを低減することができ、その結果、スパークプラグ1の製造コストをも低減できる。
また、針状チップ5は、針状チップ5の軸方向長さをL、直径をDとし、放電部52の軸方向長さをTとしたとき、0.6mm≦D<L≦1.2mm、0.2mm≦T≦0.5mm、T≦−0.5×L+0.9mm、を満たすように形成されている。これにより、チップ高さがチップ径より長い針状チップ5であって、放電部52の軸方向長さTが所定の範囲内によるものにおいて、放電部52の軸方向長さTが針状チップ5の軸方向長さをLに対して、大きくなりすぎないようにしている。これによって、高密度材料からなる放電部52の自重に起因する振動時の負荷による亀裂、剥離、あるいは脱落を防止することができる。
すなわち、高密度材料は、低密度材料に対して低熱膨張係数材料であり、高密度材料と低密度材料との接合部においては熱応力が発生しやすい。そのため、かかる熱応力による接合部の強度低下と、放電部52の自重による応力との相互作用により、亀裂、剥離あるいは脱落を生じやすい。なお、低密度材料は母材と同等の熱膨張係数を有するため両者の接合部での亀裂等は発生しにくくなる。
そこで、放電部52の軸方向長さTについて、針状チップ5の軸方向長さをLに対して、大きくなりすぎないようすることで、高密度材料からなる放電部52の亀裂、剥離、あるいは脱落を防止することができる。
したがって、スパークプラグの長寿命化を実現することができる。
ここで、具体的には、後記する実験例1から得られた針状チップ5の軸方向長さL、直径D、放電部52の軸方向長さTの関係、すなわち、0.6mm≦D<L≦1.2mm、0.2mm≦T≦0.5mm、T≦−0.5×L+0.9mmの関係を満たさない場合においては、以下の問題が生じ易い。
すなわち、D<0.6mmの場合では、放電部52の耐消耗性が不十分となり、火花放電ギャップGが拡大しやすくなるおそれがある。また、L>1.2mmの場合では、火花放電ギャップGを確保するために、スパークプラグ1自体の大型化を招いてしまう。
また、T<0.2mmの場合では、放電部52が薄くなってしまい、母材接合部51が早期に露出しやすくなる。そのため、スパークプラグ1の長寿命化が困難となる。また、T>0.5mmの場合では、放電部52が必要以上に厚くなってしまい、放電部52の材質の観点から、高コスト化を招いてしまう。
そして、針状チップ5の軸方向長さLと、放電部52の軸方向長さTの関係については、T>−0.5×L+0.9mmとなると、図6、図7、図8に示す直線F(T0.5×L+0.9mm)よりも上側の領域となり、放電部52の自重に起因する針状チップ5の亀裂、剥離、あるいは脱落を生じやすくなるおそれがある。以上の理由から、0.6mm≦D<L≦1.2mm、0.2mm≦T≦0.5mm、T≦−0.5×L+0.9mmの関係を満たす範囲においては、上記の放電部52の自重に起因する針状チップ5の亀裂、剥離、あるいは脱落を防止し、高コスト化を回避しつつ、着火性に優れたスパークプラグ1を得ることができる。
次に、本例のスパークプラグ1を製造するにあたっては、芯材形成工程により形成された芯材511を、コップ型部材形成工程により形成されたコップ型部材521の凹部522に挿入することで複合材50を得て、この複合材50を押出工程によって針状チップ5とする。そのため、両者の接合面を多く確保でき、接合性の高い複合材50からなる針状チップ5を容易に製造することができる。
また、芯材511とコップ型部材521とを別々に形成したのち、両者を接合するため、材料の歩留りを高くすることができる。すなわち、コップ型部材形成工程及び芯材形成工程において、板材を打ち抜くことによってそれぞれ生じた端材513及び端材523は、それぞれ別個に溶融して再利用することができるため、端材の処理コストを低減できる。つまり、高密度材料と低密度材料とを積層した複合板材を打ち抜いてチップを形成した場合には、複合材50の端材が生きることとなるが、異種材料を含む端材は溶融しても再利用しにくい。これに対し、上記製造方法によれば、かかる不具合はない。そのため、チップの材料歩留りを向上させ、スパークプラグ1の生産性の向上及びコストを低減することができる。
また、本例において、放電部52の密度は19g/cm以上であり、母材接合部51の密度は9g/cm以下である。これにより、放電部52の耐消耗性を充分に高く維持し、火花放電ギャップGの拡大を充分に抑制しつつ、母材接合部51の充分な軽量化が可能となることにより、針状チップ5全体の重量及び材料コストを充分に抑制することができる。
また、本例において、放電部52は、母材接合部51の側面部512の少なくとも一部をも覆うように形成されている。これにより、放電部52において、母材接合部51の側面部512を覆った部分についても、放電時の耐消耗性を高めることができるとともに、母材接合部512と放電部52との接合面を多く確保でき、両者の接合性を効果的に向上させることができる。
また、本例において、放電部52と母材接合部51との接合面積は、母材接合部51と電極母材4との接合面積よりも大きくなるように形成される。これにより、放電部52と母材接合部51との接合面54における接合面積を広く確保できるため、放電部52と母材接合部51との接合強度を向上させることができる。そのため、放電部52の脱落を起こりにくくすることできる。
すなわち、上述したごとく、母材接合部51と電極母材4の接合強度は、両者の材料の観点から高くなりやすいが、放電部52と母材接合部51とは異種金属となり、両者の接合強度を高めにくい。そのため、針状チップ5においては、母材接合部51と放電部52との間での亀裂、剥離、あるいは脱落が問題となる。
そこで、母材接合部51と放電部52との接合面積を、母材接合部51と電極母材4との接合面積よりも大きくすることにより、母材接合部51と放電部52との間における針状チップ5の亀裂、剥離、あるいは脱落を防ぐことができる。その結果、効果的にスパークプラグ1の長寿命化を実現することができる。
また、本例において、中心電極2と接地電極3との双方が、針状チップ5を有する。これにより、着火性を向上させることができるとともに、針状チップ5におけるチップ消耗抑制の効果を低コストに実現することができる。
本例において、放電部52の主成分は、母材接合部51の主成分よりも融点が高い。
これにより、火花放電により電極が局部的に高温になるため、溶融に対する耐消耗性を向上させることができる。
また、本例のコップ型部材形成工程においては、高密度材料からなる素材板520を円形に打ち抜くと共にその中央部に凹部522を成形してコップ型部材521を得る。これにより、コップ型部材形成工程において、コップ型部材521を容易に形成することができる。
また、本例の芯材形成工程においては、低密度材料からなる素材板510を円形に打ち抜いて芯材511を得る。これにより、芯材形成工程において、芯材511を容易に形成することができる。
以上のごとく、本発明によれば、低コストで着火性及び耐消耗性の高い長寿命の内燃機関用のスパークプラグを提供できる。
(実験例1)
本例においては、図2、図5〜図8に示すごとく、スパークプラグ1における針状チップ5の軸方向長さL、直径D、放電部52の軸方向長さTと、母材接合部51に対する放電部52の接合信頼性の関係について、加熱共振試験を行い調べた。以下、図2、図5〜図8を用いて、その詳細を説明する。
まず、図5に示すごとく、発振装置7に電極母材4を取り付け、電極母材4の先端部の下面に、上記実施例1の針状チップ5を抵抗溶接して取り付ける。具体的には、母材接合部51と電極母材4と接合面55において抵抗溶接する。
なお、本実験例に用いる発振装置7に取り付けた電極母材4の固有振動数は2kHzである。
次いで、900℃の温度下で、発振装置7を、加速度40G(Gは重力加速度)、振動数1.8〜2.2kHzの条件で、所定時間(10時間)図5に示す矢印Eに示すごとく、振動させる。そして、所定時間(10時間)経過後の針状チップ5における母材接合部51と放電部52との間の接合状態を調べる。
ここで、評価対象としては、まず、針状チップ5の直径Dを0.8mmに設定し、表1、図6に示すごとく、針状チップ5の軸方向長さLを0.6〜1.2mmの間で種々設定し、放電部52の軸方向長さTを0.2〜0.6mmの間で種々設定した12種類の針状チップ5を用いた(表1に示す、試料1−1〜1−12参照)。
評価方法は、各加熱共振験後の各試料において、母材接合部51と放電部52の接合面54における剥離度合いを確認することで、異常発生の有無を確認するものである。
評価結果を表1、図6に示す。表1においては、各試料の針状チップ5の軸方向長さL、放電部52の軸方向長さT及び−0.5×L+0.9mmの値と共に、評価結果を示している。なお、表中の数値の単位はmmである。また、図6における直線Fは、T=−0.5×L+0.9mmを表す。
また、表1、図6に示す○、△、×は、以下の結果を意味する。○は、母材接合部51と放電部52との間の剥離が生じなかったものを意味する。△は、放電部52が母材接合部51から脱落しなかったが、剥離が生じたものを意味する。×は、放電部52が母材接合部51から脱落したものを意味する。
Figure 0005545166
次に、評価対象として、針状チップ5の直径Dを1.1mmに設定し、表2、図7に示すごとく、針状チップ5の軸方向長さLを0.6〜1.2mmの間で種々設定し、放電部52の軸方向長さTを0.2〜0.6mmの間で種々設定した6種類の針状チップ5(表2に示す、試料2−1〜2−6参照)を用いて、同様の実験を行った。
評価結果を表2、図7に示す。なお、表2、図7に示す○、△、×は、表1、図6と同様である。
Figure 0005545166
次に、評価対象として、針状チップ5の直径Dを0.6mmに設定し、表3、図8に示すごとく、針状チップ5の軸方向長さLを0.6〜1.2mmの間で種々設定し、放電部52の軸方向長さTを0.2〜0.5mmの間で種々設定した6種類の針状チップ5(表3に示す、試料3−1〜3−6参照)を用いて、同様の実験を行った。
評価結果を表3、図8に示す。なお、表3、図8に示す○、△、×は、表1、図6と同様である。
Figure 0005545166
図6〜図8から分かるように、少なくとも0.6mm≦L≦1.2mmの範囲では、直線F(T=−0.5×L+0.9mm)の線上以下のデータは○又は△であり、直線Fよりも上にあるデータは×となっている。このことから、針状チップ5の直径Dの大きさにかかわらず、軸方向長さLが、0.6mm≦L≦1.2mmの範囲では、放電部52の軸方向長さTについて、T≦−0.5×L+0.9mmの関係を満たせば、針状チップ5の亀裂、剥離、あるいは脱落を防ぐことができることが分かる。
したがって、本例の試験結果から、針状チップ5の軸方向長さL、直径Dとし、放電部52の軸方向長さTとしたとき、0.6mm≦D<L≦1.2mm、0.2mm≦T≦0.5mm、T≦−0.5×L+0.9mm、の関係を満たす針状チップ5であれば、放電部52の亀裂、剥離、あるいは脱落を防ぐことができることがわかる。
参考例1
本例は、図9(a)、(b)に示すごとく、針状チップ5において、放電部52の被覆部53のチップ径方向と直交する方向の厚みを一定とした例である。
その他は、実施例1と同様である。
本例においては、放電部52の側面においての耐消耗性を向上させることができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
参考例2
本例は、図10(a)、(b)に示すごとく、針状チップ5において、放電部52の被覆部53を母材接合部51のチップ軸方向の全体にわたって形成し、かつ、チップ径方向と直交する方向の厚みを一定とした例である。
本例のスパークプラグ1を製造するにあたっては、挿入工程において、芯材511をコップ型形成部材521の凹部522に勘合した際に、芯材511の上端面とコップ型形成部材521の上端面が面一になるように嵌合されて形成される。
その他は、実施例1と同様である。
本例においては、母材接合部51の側面全体が放電部52によって覆われる。そのため、放電部52の耐消耗性を一層向上させることができる。また、母材接合部51と放電部52との接合面を広く確保でき、両者の接合性をより向上させることができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
参考例3
本例は、図11(a)、(b)に示すごとく、針状チップ5において、放電部52の被覆部53が形成されない例である。
すなわち、本例の針状チップ5は、円柱形状の母材接合部51と放電部52とが、チップ軸方向に互いに重なった構成を有する。
その他、実施例1と同様の構成、作用効果を有する。
なお、上記実施例では、中心電極2と接地電極3との双方に針状チップ5を接合しているが、中心電極2と接地電極3との一方のみに針状チップ5を接合してもよい。
1 スパークプラグ
2 中心電極
3 接地電極
4 電極母材
5 針状チップ
51 母材接合部
52 放電部

Claims (8)

  1. 互いの間に火花放電ギャップを形成して対向配置された中心電極と接地電極とを有する内燃機関用のスパークプラグであって、
    上記中心電極と上記接地電極との少なくとも一方は、上記火花放電ギャップに向かって突出するように電極母材に接合された針状チップを有し、
    該針状チップは、上記電極母材と接合される母材接合部と、上記火花放電ギャップに面する放電部とを互いに接合してなり、
    上記放電部は、上記母材接合部よりも密度が高く、
    上記放電部は、上記母材接合部の側面部の少なくとも一部をも覆うように形成された被覆部を有し、
    上記針状チップの軸方向長さをL、直径をDとし、上記被覆部を除いた上記放電部の軸方向長さをTとしたとき、0.6mm≦D<L≦1.2mm、0.2mm≦T≦0.5mm、T≦−0.5×L+0.9mm、を満たし、
    上記被覆部を含んだ上記放電部の軸方向長さをHとしたとき、T+0.2mm≦Hの関係を満たし、
    上記被覆部の軸方向に直交する方向の厚みは、軸方向において、上記火花放電ギャップ側から上記電極母材側に向かって徐々に薄肉化していることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  2. 請求項1に記載の内燃機関用のスパークプラグにおいて、上記放電部の密度は19g/cm以上であり、上記母材接合部の密度は9g/cm以下であることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  3. 請求項1又は2に記載の内燃機関用のスパークプラグにおいて、上記放電部と上記母材接合部との接合面積は、上記母材接合部と上記電極母材との接合面積よりも大きいことを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  4. 請求項1〜3に記載の内燃機関用のスパークプラグにおいて、上記中心電極と上記接地電極との双方が、上記針状チップを有することを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  5. 請求項1〜4に記載の内燃機関用のスパークプラグにおいて、上記放電部の主成分は、上記母材接合部の主成分よりも融点が高いことを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  6. 互いの間に火花放電ギャップを形成して対向配置された中心電極と接地電極とを有する内燃機関用のスパークプラグを製造する方法であって、
    上記中心電極と上記接地電極との少なくとも一方は、上記火花放電ギャップに向かって突出するように電極母材に接合された針状チップを有し、
    該針状チップは、上記電極母材と接合される母材接合部と、上記火花放電ギャップに面する放電部とを互いに接合してなり、
    上記放電部は、上記母材接合部よりも密度が高く、
    上記針状チップの軸方向長さをL、直径をDとし、上記放電部の軸方向長さをTとしたとき、0.6mm≦D<L≦1.2mm、0.2mm≦T≦0.5mm、T≦−0.5×L+0.9mm、を満たし、
    上記放電部を構成する高密度材料によって、軸方向に陥没した凹部を備えたコップ型部材を形成するコップ型部材形成工程と、
    上記母材接合部を構成する低密度材料によって、上記凹部挿入可能な形状の芯材を形成する芯材形成工程と、
    上記芯材を上記コップ型部材の上記凹部に挿入して複合材を得る挿入工程と、
    上記複合材を、軸方向に沿って押出成形することにより、縮径するとともに軸方向長さを延ばして、所定の直径及び軸方向長さの上記針状チップを作製する押出工程と、
    上記針状チップを上記電極母材に接合する接合工程とを有することを特徴とする内燃機関用のスパークプラグの製造方法。
  7. 請求項6に記載の内燃機関用のスパークプラグの製造方法において、上記コップ型部材形成工程においては、上記高密度材料からなる素材板を円形に打ち抜くと共にその中央部に上記凹部を成形して上記コップ型部材を得ることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグの製造方法。
  8. 請求項6又は7に記載の内燃機関用のスパークプラグの製造方法において、上記芯材形成工程においては、上記低密度材料からなる素材板を円形に打ち抜いて上記芯材を得ることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグの製造方法。
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