JP4775447B2 - 内燃機関用のスパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明は、自動車、コージェネレーション、ガス圧送用ポンプ等に使用する内燃機関用のスパークプラグ及びその製造方法に関する。
従来から、図34、図35に示すように、例えば自動車等の内燃機関の燃焼室に導入される混合気の着火手段として用いられる内燃機関用のスパークプラグ9がある(例えば、特許文献1参照)。
このスパークプラグ9は、下記の中心電極94と、接地電極95とを有する。
この接地電極95は、取付金具92に固定されるとともに、接地電極95における中心電極94側の面である対向面において中心電極94に向かって接地電極95の母材の一部を突出させてなる突出部951を有する。
かかる突出部951の放電面952には、貴金属チップ953が溶接してある。
特開平11−204233号公報
ところが、上記スパークプラグ9においては、以下のような問題がある。
すなわち、貴金属チップ953と接地電極95の母材とは、接合部954においてのみ接合されている。つまり、貴金属チップ953と接地電極95の母材とは、貴金属チップ953と突出部951との接触面の円周上においてのみ溶接されているのである。このため、冷熱サイクルによって接合部954に熱応力が作用すると、接合部954に亀裂が生じたり、あるいは酸化したりして、貴金属チップ953と接地電極95の母材との接合信頼性が低下してしまう。
また、接合部954における熱伝導率は、貴金属チップ953の熱伝導率よりも小さいため、貴金属チップ953の熱引きが悪くなり、その温度が上昇してしまうおそれがある。これにより、貴金属チップ953が消耗して要求電圧が大きくなくなってしまうおそれがある。
さらには、要求電圧を下げるために中心電極94と貴金属チップ953との間に形成される火花放電ギャップGを小さくする必要があるが、かかる場合には、貴金属の使用量が多くなり、スパークプラグ9の製造コストが高くなってしまうおそれがある。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、低コストであって、耐消耗性及び接合信頼性に優れた内燃機関用のスパークプラグを提供しようとするものである。
第一の発明は、外周に取付用ねじ部を設けた取付金具と、この取付金具よりも先端側に突出した状態で配置される碍子先端部を有するとともに上記取付金具の内側に保持される絶縁碍子と、この絶縁碍子よりも先端側に突出した状態で配置される電極先端部を有するとともに上記絶縁碍子の内側に保持される中心電極と、この中心電極との間に火花放電ギャップを形成する接地電極とを備えた内燃機関用のスパークプラグであって、
上記接地電極は、上記中心電極と対向する面である放電面の少なくとも一部に貴金属全体と上記接地電極の母材の一部とを溶融してこれを凝固してなる溶融凝固部を、上記接地電極における上記中心電極の面である対向面において、上記中心電極に向かって押し出し突出させてなる凸部を有することを特徴とする内燃機関用のスパークプラグにある(請求項1)。
第二の発明は、第一の発明に記載の内燃機関用のスパークプラグを製造する方法であって、
上記接地電極の母材における上記凸部の上記放電面を形成しようとする部分の少なくとも一部において、アーク溶接にて貴金属全体と上記接地電極の母材の一部とを溶融した後これを凝固し、
次いで、上記凸部を成形するための凸部用キャビティを有する金型に、上記凸部用キャビティと上記対向面とを対向させた状態で略平板状の上記接地電極を載置し、
次いで、上記凸部を形成するための押圧冶具によって上記接地電極の母材の一部を上記凸部用キャビティに押し出すことにより、上記放電面の少なくとも一部に上記溶融凝固部を有する上記凸部を形成することを特徴とする内燃機関用のスパークプラグの製造方法にある(請求項13)。
第三の発明は、請求項5〜12に記載の内燃機関用のスパークプラグを製造する方法であって、
上記接地電極の母材における上記凸部の上記放電面を形成しようとする部分の少なくとも一部において、アーク溶接にて貴金属全体と上記接地電極の母材の一部とを溶融した後これを凝固し、
次いで、上記凸部を成形するための凸部用キャビティを有する金型に、上記凸部用キャビティと上記対向面とを対向させた状態で略平板状の上記接地電極を載置し、
次いで、上記凹部を形成するための押圧冶具によって上記接地電極背面の一部を押圧して上記凹部を形成するとともに上記接地電極の母材の一部を上記凸部用キャビティに押し出すことにより、上記放電面の少なくとも一部に上記溶融凝固部を有する上記凸部を形成することを特徴とする内燃機関用のスパークプラグの製造方法にある(請求項14)。
第一の発明の作用効果について説明する。
上記放電面の少なくとも一部には、貴金属全体と上記接地電極の母材の一部とを溶融してこれを凝固してなる溶融凝固部が形成されている。これにより、低コストであって、耐消耗性及び接合信頼性に優れた内燃機関用のスパークプラグを提供することができる。
すなわち、本発明においては、貴金属そのものが、接地電極の母材自体つまり母材の一部の界面全体に溶け込むことにより、上記のような溶融凝固部が形成されているのである。このように、溶融凝固部は、接地電極の母材の一部と一体的に形成されて接地電極の他の部分と十分になじんでいるため十分に熱伝導性に優れており、凸部の温度上昇を抑制することができる。また、従来とは異なり、貴金属全体が接地電極の母材の一部に溶け込んでいるため、貴金属が消耗するという不具合が生じることもない。
その結果、耐消耗性に優れたスパークプラグを得ることができる。
特に、本発明においては、上記溶融凝固部を中心電極側に押し出し突出させて上記凸部を形成しているので、熱伝導性に優れ、耐消耗性に優れたスパークプラグを提供することができる。
また、溶融凝固部は貴金属が接地電極の母材に十分に溶け込んで形成されるため、冷熱サイクルによって熱応力が作用しても、溶融凝固部に亀裂が生じることがなく、さらに、貴金属が酸化するという不具合が生じることもない。このため、溶融凝固部と接地電極との接合信頼性を向上させることができる。
さらに、要求電圧を下げるためには、凸部自体の突出量を増やすだけでよく、従来に比して少量の貴金属を使用するだけで足りる。そのため、スパークプラグの製造コストを安価なものとすることができる。
また、本発明のスパークプラグは、上記のように放電面に溶融凝固部を備えた凸部を有するため、火花放電ギャップにおいて火炎核を十分に成長させることができる。その結果、着火性に優れたスパークプラグを得ることができる。
以上のとおり、第一の発明によれば、低コストであって、耐消耗性及び接合信頼性に優れた内燃機関用のスパークプラグを提供することができる。
次に、第二の発明においては、上記接地電極の少なくとも一部において、アーク溶接にて貴金属全体と上記接地電極の母材の一部とを溶融した後これを凝固する。その後、上記押圧冶具によって上記接地電極の母材の一部を上記凸部用キャビティに押し出すことにより、上記放電面の少なくとも一部に上記溶融凝固部を有する上記凸部を形成する。このように、本発明に係る製造方法によれば、上記のような溶融凝固部を備えた凸部を有するスパークプラグを容易に製造することができるため、低コストであって、耐消耗性及び接合信頼性に優れたスパークプラグを容易に得ることができる。
また、第三の発明に係る製造方法によっても、上記第二の発明に記載したように、上記のような溶融凝固部を備えた凸部を有するスパークプラグを容易に製造することができるため、低コストであって、耐消耗性及び接合信頼性に優れたスパークプラグを容易に得ることができる。
実施例1における、スパークプラグの縦断面図。 実施例1における、スパークプラグの先端部の斜視図。 実施例1における、(a)接地電極の先端部分の断面図、(b)接地電極の先端部分の上面図。 実施例1における、凸部を形成する前の溶融凝固部の状態を示す説明図。 実施例1における、凸部を形成する前の溶融凝固部の状態を示す斜視図。 実施例1における、(a)凸部及び凹部を成形する前の状態を示す説明図、(b)凸部及び凹部を成形した後の状態を示す説明図。 実施例1における、凸部及び凹部を成形した後の状態を示す説明図。 実施例1における、(a)凸部及び凹部を成形する前の状態を示すスパークプラグの先端部の説明図、(b)凸部及び凹部を成形した後の状態を示すスパークプラグの先端部の説明図、(c)火花放電ギャップを形成した状態を示すスパークプラグの先端部の説明図。 実施例1における、凸部の付根部及び凹部の底面部に曲面を有する接地電極の先端部分の断面図。 実施例1における、別形態の溶融凝固部を有する接地電極の先端部分の断面図。 実施例1における、さらに別形態の溶融凝固部を有する接地電極の先端部分の断面図。 実施例2における、接地電極に凸部を形成する前の状態を示す上面図。 実施例2における、接地電極に凸部を形成する前の状態を示す正面図。 実施例2における、接地電極に凸部を形成している状態を示す上面図。 実施例2における、接地電極に凸部を形成している状態を示す正面図。 実施例2における、接地電極の先端部分の斜視図。 実施例3における、(a)接地電極の先端部分の断面図、(b)接地電極の先端部分の上面図。 実施例4における、接地電極の断面図。 実施例5における、接地電極の断面図。 実施例6における、接地電極の断面図。 実施例7における、接地電極の上面図。 実施例7における、別形態の接地電極の上面図。 実施例7における、さらに別形態の接地電極の上面図。 実施例8における、(a)凹部の開口部と同一の径を有する押圧冶具にて接地電極背面の一部を押圧している状態を示す説明図、(b)凸部の径よりも小さい径を有する押圧冶具にて接地電極背面の一部を押圧している状態を示す説明図。 実施例8における、別形態の押圧冶具を示す説明図。 実施例9における、多極型のスパークプラグの先端部分の説明図。 実施例10における、スパークプラグの先端部分の断面図。 実施例11における、凸部の放電面に取りつける(a)円柱形状のチップの斜視図、(b)四角柱形状のチップの斜視図、(c)円環形状のチップの斜視図。 実施例11における、(a)凸部を形成した状態を示す説明図、(b)凸部の放電面にチップを溶接している状態を示す説明図、(c)接地電極を屈曲させた状態を示す説明図。 実施例12における、(a)凸部の放電面に形成された溝部の上面図、(b)凸部の放電面に形成された別形態の溝部の上面図、(c)凸部の放電面に形成された別形態の溝部の上面図、(d)凸部の放電面に形成された別形態の溝部の上面図、(e)凸部の放電面に形成された別形態の溝部の上面図、(f)凸部の放電面に形成された別形態の溝部の上面図。 実施例12における、溝部を形成するための溝形成部を有する可動型の斜視図。 実施例13における、凹部の開口部の面積S1と凸部の断面の平均断面積sとの関係であるS1/sと、凸部の突出量hとの関係を示すプロット図。 実施例14における、凹部の深さHと接地電極の厚みTとの関係であるH/Tと、接地電極の温度との関係を示すプロット図。 従来例における、スパークプラグの断面図。 従来例における、スパークプラグの先端部の断面図。
第一発明、第二の発明、及び第三の発明において、上記内燃機関用のスパークプラグは、例えば、自動車、コージェネレーション、ガス圧送用ポンプ等における内燃機関の着火手段として用いることができる。
また、上記貴金属としては、例えば、Ir(イリジウム)、Pt(白金)、Rh(ロジウム)などがある。
なお、溶融凝固部と接地電極の母材との境界は、例えば、以下のように定めることができる。すなわち、凸部の軸方向に平行に切った断面をSEM(走査型電子顕微鏡)にて撮像し、そのSEM写真を観察又はEDX法によって分析することにより、貴金属成分が1%以下の箇所を特定することができる。そして、この箇所を境界とすることができる。
また、第一の発明及び第二の発明のスパークプラグにおいて、内燃機関の燃焼室内に挿入される側を先端側、その反対側を基端側として説明する。
また、第二の発明及び第三の発明におけるアーク溶接としては、プラズマアーク溶接、被覆アーク溶接、サブマージアーク溶接、イナートガス溶接、マグ溶接(含炭酸ガスアーク溶接)、セルフシールドアーク溶接など種々のものが挙げられる。
また、第一の発明のスパークプラグにおいては、上記溶融凝固部は、上記放電面の全面に形成されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、凸部の消耗をより一層抑制することができる。すなわち、中心電極からは、特に凸部の側面と放電面との間に形成される角部に火花が飛びやすい。そのため、上記構成により、かかる部位にも溶融凝固部を配置することができる。その結果、凸部の消耗をより一層抑制することができる。
また、上記凸部は、上記中心電極に対向する放電面において上記接地電極背面側に向かって窪んだ溝部を有することが好ましい(請求項3)。
この場合には、凸部の放電面における角部の全長を長くすることができる。これにより、強電界部を複数形成することができ、要求電圧を低減することができる。その結果、スパークプラグの着火性を向上させることができる。
また、上記凸部には、上記中心電極と対向する放電面にPt、Ir、Rh、Wのいずれか一種類を主成分とする貴金属からなるチップが溶接されていてもよい(請求項4)
この場合には、チップと接地電極との接合信頼性を向上させることができる。すなわち、上記構成によれば、溶接部を有する放電面の表面に貴金属からなるチップを溶接することとなる。このため、接地電極の母材からチップへと作用する熱応力を溶融凝固部によって緩和することができ、チップと接地電極との接合信頼性を向上させることができる。
また、上記構成により、着火性に優れる低コストのスパークプラグを得ることができる。すなわち、上記のように、凸部の放電面にさらに貴金属のチップを取りつける場合には、対向面からの突出量を同じとする場合であっても、単に対向面にチップを取りつける場合よりも、接地電極に凸部が形成されている分だけ使用する貴金属の量を少なくすることができる。このため、スパークプラグの材料コストを低減することができる。また、凸部の放電面よりもさらに電極先端部に近づく方向にチップを取りつけるため、単に凸部を設けただけの場合よりも要求電圧を低減することができ、スパークプラグの着火性を向上させることができる。
なお、本明細書において主成分とは、貴金属からなるチップ全体に占める含有量が50%を超えて含有されるものをいう。
また、上記溶融凝固部は上記放電面の40%以上の面積に形成されていることが好ましい。
この場合は、本発明の効果を一層発揮させることができる。
また、上記溶融凝固部は上記凸部の付根まで形成されていることが好ましい(図11参照)。
この場合は、上記凸部における角部の消耗を十分に抑制することができる。また、凸部の側面における酸化や亀裂、溶融凝固部の剥離等の不具合を回避することができる。
また、上記接地電極は、この接地電極における上記対向面と反対側の面である接地電極背面から上記対向面に向かって形成された凹部を有し、上記凸部は、その軸芯の延長線が上記凹部が形成されている領域を通過するよう形成されていることが好ましい(請求項)。
この場合には、上記スパークプラグを容易に製造することができる。すなわち、例えば押圧冶具などによって接地電極背面の一部を押圧して凹部を形成するのと同時に、凸部を形成することができる。したがって、この場合には、溶融凝固部を有する凸部を容易に形成することができ、ひいては本発明のスパークプラグを容易に製造することができる。
上記スパークプラグにおいては、上記凹部の開口部の面積をS1、上記スパークプラグの軸方向に直交する上記凸部の断面の平均断面積をsとしたとき、S1≧sの関係が成り立つことが好ましい(請求項)。
この場合には、耐熱性に優れたスパークプラグを得ることができる。すなわち、上記凸部は、例えば、接地電極背面の一部を押し出して凹部を形成することにより対向面に接地電極の母材の一部を突出させて成形することができるが、S1≧sの関係があるため、凹部の深さが小さくても、凸部を十分に突出させることができる。このため、凹部付近における接地電極の母材の厚みを十分に確保することができるため、接地電極の熱引きのための経路をも十分に確保することができる。その結果、耐熱性に優れたスパークプラグを得ることができる。
なお、本明細書において、凸部の平均断面積sは、凸部の体積を凸部の突出量で除した値である。
また、上記スパークプラグにおいては、上記スパークプラグの軸方向に直交する上記凹部の断面の平均断面積をS2としたとき、S2≧sが成り立つことが好ましい(請求項)。
この場合には、凹部の深さが小さくても、凸部を十分に突出させることができる。このため、生産性及び耐熱性に優れたスパークプラグを得ることができる。
なお、本明細書において、凹部の平均断面積S2は、凹部の体積を凹部の深さで除した値である。
また、上記スパークプラグにおいては、上記接地電極の厚みをT、上記スパークプラグの軸方向における上記凹部の深さHとは、H≦(3/4)Tの関係が成り立つことが好ましい(請求項10)。
この場合には、凹部付近における接地電極の厚みを十分に確保することができる。その結果、耐熱性に一層優れたスパークプラグを得ることができる。
また、上記凸部と上記凹部とは、略円柱形状であって、上記凸部の直径をd、上記凹部の直径をDとしたとき、D≧dの関係が成り立つことが好ましい(請求項11)。
この場合にも、生産性及び耐熱性に優れたスパークプラグを得ることができる。
また、上記スパークプラグにおいては、このスパークプラグの軸方向における上記凸部の突出量をh、上記スパークプラグの軸方向における上記凹部の深さをHとしたとき、H≦2hの関係が成り立つことが好ましい(請求項12)。
この場合には、凸部を十分に突出させるとともに、凹部付近における接地電極の厚みを十分に確保することができる。その結果、着火性及び耐熱性に十分に優れたスパークプラグを得ることができる。
また、H≦hであることがより好ましい。
また、第二の発明及び第三の発明において、上記接地電極は、その幅方向の両側面を上記金型に設けた側方当接面に当接させた状態で上記押圧冶具によって押圧されることが好ましい(請求項15)。
この場合には、押圧冶具によって接地電極の母材の一部を押圧する際に、接地電極がその幅方向へ広がるように変形することを防ぎ、凸部を確実に突出させることができる。
また、上記接地電極は、その先端部分を上記金型に設けた先端当接面に当接させた状態で上記押圧冶具によって押圧されることが好ましい(請求項16)。
この場合には、押圧冶具によって接地電極の一部を押圧する際に、接地電極がその先端方向へ広がるように変形することを防ぎ、凸部を確実に突出させることができる。
また、上記金型には、上記凸部用キャビティに対して摺動可能な可動型が挿入配置されており、この可動型は、上記接地電極に対向する型面を平面状に形成してなり、上記接地電極の母材の一部を上記凸部用キャビティに押し出して上記凸部を成形する際に上記可動型の型面によって上記凸部の放電面を成形することが好ましい(請求項17)。
この場合には、平板状の型面により凸部の放電面を平面状に成形することができ、これにより、凸部の放電面と側面との間に角部を形成しやすくなる。
ここで、スパークプラグが内燃機関に取りつけられて使用される場合、初期状態においては、火花は電極先端部から上記角部へ向かって放電する。そして、かかる火花放電によって、凸部は上記角部から次第に消耗していき、上記角部がなくなった後に凸部全体の消耗が進行し、火花放電ギャップが拡大する。すなわち、上記方法により製造されたスパークプラグにおいては、まず上記角部から凸部を消耗させることができる。したがって、凸部が上記角部を有している分、凸部の寿命、すなわち、スパークプラグの寿命を長くすることができる。
また、可動型の位置調整を行うことにより、凸部の突出量を容易に調整することができる。
さらに、可動型が凸部用キャビティに対して摺動可能であるため、凸部を成形した後、接地電極を金型より容易に離型することができる。
また、上記凸部を形成するに当たっては、上記押圧冶具によって上記接地電極背面の一部を二回以上押圧してもよい(請求項18)。
この場合には、凸部の放電面において角部を確実に形成することができる。すなわち、仮に押圧冶具による一回の押圧によっては放電面に十分に角部を形成することができなくても、二回以上押圧することで放電面に確実に角部を形成することができる。これにより、要求電圧を低減することができ、着火性に優れるスパークプラグを得ることができる。
また、上記金型は、上記凸部における上記中心電極に対向する放電面において上記接地電極背面側に向かって窪んだ溝部を形成するための溝形成部を備えた可動型を有することが好ましい。
この場合には、上記と同様に、強電界部を複数形成して要求電圧を低減することができ、スパークプラグの着火性を向上させることができる。
また、上記凸部を形成した後、上記放電面にPt、Ir、Rh、Wのいずれか一種類を主成分とする貴金属からなるチップを溶接することもできる。
この場合には、前述したとおり、スパークプラグの材料コストを低減することができるとともに、スパークプラグの着火性を向上させることができる。
(実施例1)
本発明の内燃機関用のスパークプラグ、及びその製造方法に係る実施例について、図1〜図11とともに説明する。
本例のスパークプラグ1は、図1に示すように、以下の取付金具2と、絶縁碍子3と、中心電極4と、接地電極5とを有する。
具体的には、取付金具2は、自身の外周に取付用ねじ部20を設けてなる。
絶縁碍子3は、取付金具2よりも先端側に突出した状態で配置される碍子先端部30を有するとともに、取付金具2の内側に保持されている。
また、中心電極4は、絶縁碍子3よりも先端側に突出した状態で配置される電極先端部40を有するとともに、絶縁碍子3の内側に保持されている。
そして、接地電極5は、中心電極4との間に火花放電ギャップGを形成している。
接地電極5は、取付金具2に固定されるとともに、接地電極5における中心電極4側の面である対向面51において中心電極4に向かって接地電極5の母材の一部を突出させてなる凸部510を有する。
そして、この凸部510は、中心電極4と対向する面である放電面511の少なくとも一部に、貴金属全体と接地電極5の母材の一部とを溶融してなる溶融凝固部511aを有する。
以下、詳細に説明する。
上記スパークプラグ1は、例えば、自動車、コージェネレーション、ガス圧送用ポンプ等における内燃機関の着火手段として用いることができる。
スパークプラグ1の構成について説明する。
スパークプラグ1は、前述したとおり、自身の外周に取付用ねじ部20を有する取付金具2を有する。そして、取付用ねじ部20において、スパークプラグ1は、内燃機関の燃焼室(図示略)の壁部に螺合される。また、図1、図2に示すように、取付金具2の先端面に、接地電極5の一端が接合されており、接地電極5の他端に形成される凸部510が、中心電極4の電極先端部40と対向する位置に配されるよう、接地電極5は屈曲成形されている。
対向面510と対向する上記中心電極4の電極先端部40は、例えば、Ir、Rh、Ru等を含む貴金属のチップからなるものとすることができる。
また、接地電極5は、図1〜図3、図6〜図8に示すように、この接地電極5における対向面51と反対側の面である接地電極背面52から対向面51に向かって形成された凹部520を有する。
この凹部520と凸部510との位置関係について説明すると、本例においては、図3(a)に示すように、凸部510は、この凸部510の軸芯Mの延長線が凹部520が形成されている領域を通過するよう形成されている。
また、これも前述したとおり、放電面511の少なくとも一部には、貴金属全体と接地電極5の母材の一部とを溶融してなる溶融凝固部511aが形成されている。本例では、図3〜図8に示すように、放電面511の全面に溶融凝固部511aが形成されている。
なお、放電面511の面積に対して40%以上の面積を有する溶融凝固部511aが形成されていれば、本発明の作用効果を十分に発揮することができる。
また、本例のスパークプラグ1においては、凹部520の開口部523の面積をS1、スパークプラグ1の軸方向に直交する凸部510の断面の平均断面積をsとしたとき、S1≧sの関係が成り立つ。なお、凸部510の平均断面積sは、凸部510の体積vを突出量hで除した値v/hである。
また、本例においては、凸部510及び凹部520はともに略円柱形状である。したがって、例えば、図3に示すように、凸部510の直径をd、凹部520の直径をDとすると、本例のスパークプラグ1においては、D≧dの関係が成り立っている。
また、接地電極5は、例えば、Niを主成分としてTiを含有するNi基合金からなるものとすることができる。
また、本例のスパークプラグ1においては、例えば、凸部510の直径dを1.5mm、凹部520の直径Dを1.7mm、接地電極5の幅Wを2.8mmとすることができる。すなわち、本例のスパークプラグ1においては、前述したとおり、D≧dの関係のほか、W>Dの関係が成り立っている。
また、接地電極5の厚みTは、例えば1.6mmとすることができる。すなわち、本例のスパークプラグ1においては、H≦(3/4)Tの関係が成り立っている。
凸部510は、放電面511が平坦面として形成されるとともに、放電面511と側面512との間に角部513を有している。
なお、本例においては、後述する図10、図11とは異なり、角部513の全体に溶融凝固部511aが形成されているわけではない。
なお、図9に示すように、凸部510の付根部514を曲面によって形成することができ、また、凹部520の底面角部524を曲面によって形成することもできる。この場合には、凸部510の付根部514における曲率半径及び凹部520の底面角部524の曲率半径をそれぞれ0.1mm以上とすることにより、加工後に付根部514及び底面角部524における応力集中を抑制することができる。これにより、エンジン運転時の冷熱環境においても接地電極5における亀裂を抑制することができる。
なお、本例のスパークプラグ1の軸方向における凸部510の突出量hは0.7mm、スパークプラグ1の軸方向における凹部520の深さHは1.1mmである。このように、本例のスパークプラグ1においてはH>hであり、凹部520の体積は凸部510の体積よりも大きいが、これは、凸部510を成形する際に、接地電極5の一部がどうしても凸部510以外の部分に拡がってしまうためである。したがって、例えば、接地電極5の軸方向に直交する断面を限りなく矩形形状とする等、凸部510以外の部分への拡がりを抑制することが好ましい。
なお、突出量hは、前述した値に限られず、例えば0.3mm≦h≦1.1mmとすることができる。
h≧0.3mmである場合には、スパークプラグの着火性を向上させることができる。すなわち、接地電極5の対向面51を、放電火花により混合気に着火した初期火炎から0.3mm以上離すことにより、初期火炎が燃え広がりやすくすることができ、スパークプラグの着火性を向上させることができる。
また、h≦1.1mmである場合には、凸部510の先端部の温度上昇を抑制し、エンジン運転中におけるプレイグニッションを抑制することができる。
次に、前述した各寸法の計測方法の一例を示す。
すなわち、例えば図3に示すように接地電極5の加工部分を切断した断面において各部の寸法を計測する。かかる計測においては、例えば投影機を用いて10倍等の倍率で投影して計測してもよく、拡大写真を用いて計測してもよい。
具体的には、凸部510の直径dは、上記断面における凸部510の幅方向の長さを計測する。また、凹部520の直径Dは、上記断面における凹部520の幅方向の長さを計測する。
また、凸部510の突出量hは、上記断面において、接地電極5の対向面51から凸部510の放電面511までの長さを計測する。また、凹部520の深さHは、同様に接地電極5の接地電極背面52から凹部520の底面部521までの距離を計測する。
次に、本例のスパークプラグ1の製造方法について、図4〜図8とともに説明する。
まず、図8(a)に示すように、接地電極5を固定した取付金具2の内側に中心電極4等を挿通する。
次いで、図4、図5に示すように、略平板状の接地電極5の母材における、放電面511を形成しようとする部分よりも若干大きな範囲において、アーク溶接にて貴金属全体と接地電極5の母材の一部とを溶融する。具体的には、上記放電面511を形成しようとする部分の上に貴金属チップを載置して、アーク溶接にて接地電極5の母材の一部と溶融させた後、これを凝固させて溶融凝固部511aに相当する部分を形成する。
上記アーク溶接においては、溶融凝固部511aにおける放電面511近傍の金属比率は70%以上、溶融凝固部511aにおける接地電極5の母材近傍は金属比率が50%以下となることが好ましい。
また、上記貴金属としては、Ir、Pt、Rh等を用いることが好ましく、一方、接地電極の母材としては、前述した、Niを主成分としてTiを含有するNi基合金のほか、Ni−Cr系合金、Ni−Cr−Al系合金等を用いることが好ましい。
また、上記アーク溶接としては、プラズマアーク溶接、被覆アーク溶接、サブマージアーク溶接、イナートガス溶接、マグ溶接(含炭酸ガスアーク溶接)、セルフシールドアーク溶接など種々のものが挙げられる。
次いで、図6(a)に示すように、上記接地電極5を、凸部510を成形するための略円柱形状の凸部用キャビティ61を有する金型6に、凸部用キャビティ61と対向面51とを対向させた状態で載置する。また、このとき、接地電極5は、同図に示すように、幅方向の両側面53及び先端部分54を金型6に設けた側方当接面63及び先端当接面64に当接させた状態で金型6に載置される。
また、金型6には、凸部用キャビティ61に対して摺動可能な可動型610が挿入配置されている。この可動型610は、接地電極5に対向する型面611を平面状に形成してなる。なお、凸部用キャビティ61内における可動型610の位置を調整することによって凸部510の突出量hを変更することができる。
また、押圧冶具7は、凸部用キャビティ61と同様、略円柱形状からなるとともに、スパークプラグ1においてS1≧sの関係が成り立つように、押圧冶具7の可動方向に直交する断面の断面積が凸部用キャビティ61の断面積よりも大きくなるよう構成されている。
そして、上記金型6及び上記押圧冶具7を用いて、平板状の接地電極5に冷鍛加工を施すことにより凸部510を成形する。具体的には、図6(b)、図7に示すように、押圧冶具7によって接地電極背面52の一部を押圧して凹部520を形成するとともに接地電極5の母材の一部を凸部用キャビティ61に向かって押し出すことにより凸部510を成形する。すなわち、対向面51の一部が押し出され、その押し出された分の接地電極5が凸部用キャビティ61の内部に突出して上記のとおり放電面511に溶融凝固部511aを有する凸部510が成形される。
また、押圧冶具7によって接地電極背面52の一部を押し出すに当たっては、図6(b)に示すように、接地電極5は、上記側方当接面63及び上記先端当接面64に当接したままの状態で押圧冶具7によって押圧される。したがって、対向面51の一部を押し出した分、凸部510を十分に突出させることができる。
ただし、前述したとおり、押圧冶具7によって押し出された凹部520の体積分のすべてが凸部510とはならない場合があるため、接地電極5の軸方向に直交する断面を限りなく矩形形状とするとともに接地電極5を側方当接面63及び先端当接面64に十分に当接させることが好ましい。すなわち、上記方法によれば、凹部520の体積と凸部510の体積とを略同等に近づけることができ、H≧hの関係が成り立つスパークプラグを構成することができる。
また、凸部510の放電面511は、接地電極5の一部が可動型610の型面611に当接することによって成形される。
次いで、可動型610を接地電極5の方へ押し出して凸部用キャビティ61から凸部510を引き出すことにより、加工を施した接地電極5を金型6から離型する。
次いで、図8(b)、(c)に示すように、電極先端部40と凸部510とが対向するように接地電極5を屈曲成形する。これにより、電極先端部40と凸部510との間に火花放電ギャップGが形成される。
なお、本例のスパークプラグ1は、上記の形状に限られるものではない。
すなわち、例えば、図10に示すように、放電面511のみならず、角部513や側面512の一部にも溶融凝固部511aを形成することができる。この場合には、放電により消耗しやすい角部513の消耗を十分に抑制することができる。
さらには、図11に示すように、放電面511、角部513及び側面512のみならず、凸部510の付根部514にまで溶融凝固部511aを形成することもできる。この場合にも角部513の消耗を十分に抑制することができる。また、この場合には、凸部510の側面512において、溶融凝固部511aと接地電極5の母材との境界が存在しないため、酸化や亀裂、溶融凝固部511aの剥離等の不具合を十分に回避することができる。
以下に、本例の作用効果について説明する。
放電面511の少なくとも一部には、貴金属全体と接地電極5の母材の一部とを溶融してこれを凝固してなる溶融凝固部511aが形成されている。これにより、低コストであって、耐消耗性及び接合信頼性に優れた内燃機関用のスパークプラグ1を提供することができる。
すなわち、本例においては、貴金属そのものが、接地電極5の母材自体つまり母材の一部の界面全体に溶け込むことにより、上記のような溶融凝固部511aが形成されているのである。このように、溶融凝固部511aは、接地電極5の母材の一部と一体的に形成されて接地電極5の他の部分と十分になじんでいるため十分に熱伝導性に優れており、凸部510の温度上昇を抑制することができる。また、従来とは異なり、貴金属全体が接地電極5の母材の一部に溶け込んでいるため、貴金属が消耗するという不具合が生じることもない。
その結果、耐消耗性に優れたスパークプラグ1を得ることができる。
また、溶融凝固部511aは貴金属が接地電極5の母材に十分に溶け込んで形成されるため、冷熱サイクルによって熱応力が作用しても、溶融凝固部511aに亀裂が生じることがなく、さらに、貴金属が酸化するという不具合が生じることもない。このため、溶融凝固部511aと接地電極5との接合信頼性を向上させることができる。
さらに、要求電圧を下げるためには、凸部510自体の突出量を増やすだけでよく、従来に比して少量の貴金属を使用するだけで足りる。そのため、スパークプラグ1の製造コストを安価なものとすることができる。
また、本例のスパークプラグ1は、上記のように放電面511に溶融凝固部511aを備えた凸部510を有するため、火花放電ギャップGにおいて火炎核を十分に成長させることができる。その結果、着火性に優れたスパークプラグ1を得ることができる。
また、本例のスパークプラグ1においては、溶融凝固部511aは、放電面511の全面に形成されているため、凸部510の消耗をより一層抑制することができる。すなわち、中心電極4からは、特に凸部510の側面512と放電面511との間に形成される角部513に火花が飛びやすい。そのため、上記構成により、かかる部位にも溶融凝固部511aを配置することができる。その結果、凸部510の消耗をより一層抑制することができる。
また、接地電極5は凹部520を有し、凸部510はその軸芯Mの延長線が凹部520が形成されている領域を通過するよう形成されているため、本例のスパークプラグ1を容易に製造することができる。すなわち、例えば押圧冶具7などによって接地電極背面52の一部を押圧して凹部520を形成するのと同時に、凸部510を形成することができる。したがって、この場合には、溶融凝固部511aを有する凸部510を容易に形成することができ、ひいては本例のスパークプラグ1を容易に製造することができる。
本例のスパークプラグ1においては、凹部520の開口部523の面積をS1、軸方向に直交する凸部510の断面の平均断面積をsとしたとき、S1≧sの関係が成り立つため、耐熱性に優れたスパークプラグ1を得ることができる。すなわち、凸部510は、例えば、接地電極背面52の一部を押し出して凹部520を形成することにより対向面51に接地電極5の母材の一部を突出させて成形することができるが、S1≧sの関係があるため、凹部520の深さが小さくても、凸部510を十分に突出させることができる。このため、凹部520付近における接地電極5の母材の厚みを十分に確保することができるため、接地電極5の熱引きのための経路をも十分に確保することができる。その結果、耐熱性に優れたスパークプラグ1を得ることができる。
また、本例のスパークプラグ1においては、その軸方向に直交する凹部520の断面の平均断面積をS2としたとき、S2≧sが成り立つため、凹部520の深さが小さくても、凸部510を十分に突出させることができる。このため、生産性及び耐熱性に優れたスパークプラグ1を得ることができる。
また、本例のスパークプラグ1においては、接地電極5の厚みをT、スパークプラグ1の軸方向における凹部520の深さHとは、H≦(3/4)Tの関係が成り立つため、凹部520付近における接地電極5の厚みを十分に確保することができる。その結果、耐熱性に一層優れたスパークプラグ1を得ることができる。
また、凸部510と凹部520とは、略円柱形状であって、凸部510の直径をd、凹部520の直径をDとしたとき、D≧dの関係が成り立つため、生産性及び耐熱性に優れたスパークプラグ1を得ることができる。
また、本例のスパークプラグ1においては、その軸方向における凸部510の突出量をh、軸方向における凹部520の深さをHとしたとき、H≦2hの関係が成り立つため、凸部510を十分に突出させるとともに、凹部520付近における接地電極5の厚みを十分に確保することができる。その結果、着火性及び耐熱性に十分に優れたスパークプラグ1を得ることができる。
以上のとおり、本例によれば、低コストであって、耐消耗性及び接合信頼性に優れた内燃機関用のスパークプラグを提供することができる。
(実施例2)
本例は、図12〜図16に示すように、上記実施例1とは異なる形状のスパークプラグ1、及びその製造方法についての例である。
本例のスパークプラグ1における接地電極5は、図16に示すように、その先端部分が先端側に向かうにつれて幅が狭くなるよう形成されたテーパ部516を有する。そして、このテーパ516における対向面51側には、テーパ部516と同形状の凸部510が形成されている。
なお、テーパ部516のテーパ角(図16における符号θ参照)は例えば12.5〜45°とすることができる。かかる範囲であれば、成形性に優れ十分な突出量を有する凸部510を容易に形成することができる。
また、本例においても実施例1と同様、放電面510の全面に溶融凝固部511aが形成されている。
一方、本例では、実施例1とは異なり凹部(図1における符号520参照)は形成されていない。
次に、本例のスパークプラグ1の製造手順について説明する。
すなわち、本例では、まず実施例1と同様に、凸部510の放電面511を形成しようとする部分よりも大きな範囲において、アーク溶接にて貴金属全体と接地電極5の母材の一部とを溶融した後これを凝固する。
次いで、図13、図15に示すような凸部用キャビティ61を有する金型6に、図12、図14に示すように、凸部用キャビティ61と対向面51とを対向させた状態で接地電極5の母材を載置する。
次いで、図13、図15に示すように、接地電極5の母材の軸方向と直交する方向の両方向から一対の押圧冶具7にて接地電極5の母材の先端部分を押圧する。かかる一対の押圧冶具7は、テーパ部516のテーパ角θと同角度のテーパ形状を有する。
これにより、図16に示すような形状の接地電極5を有するスパークプラグ1を作製することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例3)
本例は、図17に示すように、凸部510と凹部520とが、略四角柱形状である接地電極5の例である。すなわち、本例の接地電極5は、略四角柱形状の凸部用キャビティ61を有する金型6と略四角柱形状の押圧冶具7とを用いて作製したものである。
本例のスパークプラグ1においては、このスパークプラグ1の軸方向に直交する凸部510の断面における断面積をa、スパークプラグ1の軸方向に直交する凹部520の断面における断面積をAとしたとき、A≧aの関係が成り立っている。ここで、凸部510及び凹部520は、スパークプラグ1の軸方向から見たときの形状がともに正方形状である。すなわち、凸部510の一辺の長さxと、凹部520の一辺の長さwとは、w>xの関係を有する。
また、凹部520の一辺の長さwと接地電極5の幅Wとは、W>wの関係を有する。
また、本例においても実施例1と同様、放電面510の全面に溶融凝固部511aが形成されている。
その他は、実施例1と同様の構成及び作用効果を有する。
(実施例4)
本例は、図18に示すように、接地電極5の軸方向に平行に切断したときの断面が略長方形状である凸部510と、接地電極5の軸方向に平行に切断したときの断面が略台形状である凹部520とを有する接地電極5の例である。
すなわち、凹部520において、接地電極5の軸方向に平行に切断したときの断面に表れる凹部520の側面522の二本の輪郭線は、接地電極背面52から対向面51側へ向かうにつれて凹部520の平均断面積S2が小さくなるようテーパ状となっている。そして、本例の接地電極5をスパークプラグ1の軸方向に見たとき、凹部520の底部521の面積は凹部520の開口部523の面積よりも小さい。
本例においては、図18に示すように、凹部520の開口部523の面積S1は、凸部510の面積sよりも大きい。また、凹部520の平均断面積S2についても、凸部510の面積sより大きい。
ここで、凹部520の平均断面積S2は、凹部520の体積Vを凹部520の深さHで除した値V/Hである。
なお、本例においても実施例1と同様、放電面510の全面に溶融凝固部511aが形成されている。
その他は、実施例1と同様の構成及び作用効果を有する。
(実施例5)
本例は、図19に示すように、接地電極5を、スパークプラグ1の軸方向に平行に切断したときの断面が、ともに略台形状である凸部510及び凹部520を有する接地電極5の例である。
本例においては、凹部520の開口部523の面積S1は、凸部510の平均断面積sよりも大きい。また、凹部520の平均断面積S2についても、凸部510の平均断面積sより大きい。
ここで凸部510の平均断面積sは、凸部510の体積vを突出量hで除した値v/hである。また、凹部520の平均断面積S2は、凹部520の体積Vを凹部520の深さHで除した値V/Hである。
また、本例においても実施例1と同様、放電面510の全面に溶融凝固部511aが形成されている。
その他は、実施例1と同様の構成及び作用効果を有する。
(実施例6)
本例は、図20に示すように、接地母材50を、スパークプラグ1の軸方向に平行に切断したときの断面が略長方形状である凸部510と、その断面において表れる曲線が半楕円弧形状である凹部520とを有する接地電極5の例である。
本例においては、凹部520の開口部523の面積S1は、凸部510の面積sよりも大きい。また、凹部520の平均断面積S2についても、凸部510の面積sより大きい。
ここで、凹部520の平均断面積S2は、凹部520の開口部523から底部521までの間における、軸方向に直交する方向の断面における凹部520の断面積の平均値である。
また、本例においても実施例1と同様、放電面510の全面に溶融凝固部511aが形成されている。
その他は、実施例1と同様の構成及び作用効果を有する。
(実施例7)
本例は、図21〜図23に示すように、凸部510と凹部520とが、種々の形状を有する接地電極5の例である。
図21に示す接地電極5は、ともに六角柱形状である凸部510及び凹部520を有する。
また、図22に示す接地電極5は、ともに楕円柱形状である凸部510及び凹部520を有する。
また、図23に示す接地電極5は、実施例3における略四角柱形状の凸部510と凹部520とを、ともにスパークプラグ1の軸方向を中心として略45°回転させてなるものである。
このように、凸部510及び凹部520の形状は種々あるが、これらの場合にも、凸部510及び凹部520の形状以外については、実施例1と同様の構成を有する。すなわち、本例においても実施例1と同様、放電面510の全面に溶融凝固部511aが形成されている。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例8)
本例は、図24、図25に示すように、押圧冶具7によって接地電極背面52の一部を押圧して凸部510を形成する押圧工程の変形例である。
すなわち、図24は、上記押圧工程を2回行っている状態を示している。そして、同図(a)に示すように、一回目の押圧工程においては、凹部520の開口部523の径と同一の径を有する押圧冶具7aを用いて凸部510を形成している。
次いで、同図(b)に示すように、二回目の押圧工程において、凸部510の径よりも小さい径を有する押圧冶具7bを用いて凸部510をさらに突出させる。
本例の場合には、凸部510に確実に角部513を形成することができる。
また、図25は、互いに径の異なる押圧部71、72を有する押圧冶具7cによって押圧工程を行っている状態を示している。具体的には、同図に示すように、押圧冶具7cは、押圧方向の先端側に配設され凸部510の径よりも小さい径を有する押圧部71と、さらにその後端部から押圧方向と反対方向に延設され凹部520の開口部523の径よりも小さい径を有する押圧部72とを有する。
この場合にも、上記図24に示した場合と同様、凸部510に確実に角部513を形成することができる。
その他は、実施例1と同様である。
(実施例9)
本例は、図26に示すように、接地電極5を二つ有する多極型のスパークプラグ1の例である。
すなわち、本例のスパークプラグ1は、凸部510を有する接地電極5を二つ備えている。具体的には、二つの接地電極5は、それぞれの凸部510における放電面511が中心電極4を挟んで互いに対向するように取付金具2に取りつけられている。
また、それぞれの凸部510は、中心電極4の先端部に向かって突出している。
また、本例においても実施例1と同様、放電面510の全面に溶融凝固部511aが形成されている。
本例の場合には、着火性に優れたスパークプラグ1を得ることができる。
その他は、実施例1と同様である。
(実施例10)
本例は、図27に示すように、中心電極4の先端部に取りつけられた電極先端部40のみが、絶縁碍子3の碍子先端部30よりもスパークプラグ1の軸方向の先端側に位置するよう構成されたスパークプラグ1の例である。
また、本例においても実施例1と同様、放電面510の全面に溶融凝固部511aが形成されている。
本例の場合には、優れた耐くすぶり性を確保しつつ要求電圧を低減することができるスパークプラグ1を得ることができる。
その他は、実施例1と同様である。
(実施例11)
本例は、図28、図29に示すように、放電面511の全面に配される溶融凝固部511aの表面sにさらに貴金属からなるチップ514を溶接した接地電極5を有するスパークプラグ1の例である。
チップ514としては、例えばPt、Ir、Rh、Wのいずれか一種類を主成分とした貴金属を用いることができる。
また、チップ514は、図28(a)に示すような円柱形状のもの、図28(b)に示すような直方体形状のもの、図28(c)に示すような円環形状のものを、凸部510の突出量hに応じて種々高さを変更して形成することができる。
本例のスパークプラグ1の作製手順について、図29とともに説明する。
すなわち、同図(a)に示すように、放電面511を形成する位置に溶融凝固部511aを形成した後、上記実施例1と同様、押圧冶具7によって接地電極5の母材の一部を押圧することにより凸部510を形成する。
次いで、同図(b)に示すように、凸部510の先端部に、チップ514を例えば抵抗溶接により溶接する。なお、チップ514が長い場合などにおいては、溶接の信頼性を高めるため、抵抗溶接とレーザー溶接とを併用することもできる。
次いで、図29(c)に示すように、貴金属からなるチップ514及び凸部510が中心電極4の電極先端部40と面するよう接地電極5を屈曲させる。
以上の手順により、本例のスパークプラグ1を作製することができる。
本例のように、凸部510の放電面511にさらに貴金属からなるチップ514を取りつける場合には、対向面51からの突出量hを同じとする場合であっても、単に対向面51にチップ514を取りつける場合よりも接地電極5に凸部510が形成されている分だけ使用する貴金属の量を少なくすることができる。このため、スパークプラグ1の材料コストを低減することができる。また、凸部510の放電面511よりもさらに電極先端部40に近づく方向にチップ514を取りつけるため、単に凸部510を設けただけの場合よりも要求電圧を低減することができ、スパークプラグ1の着火性を向上させることができる。また、接地電極5の母材からチップ514へと作用する熱応力を溶融凝固部511aによって緩和することができ、チップ514と接地電極5との接合信頼性を向上させることができる。
その他は、実施例1と同様である。
(実施例12)
本例は、図30、図31に示すように、放電面511の全面に形成された溶融凝固部511aに種々の形状の溝部515が形成されている接地電極5の例である。
放電面511には、例えば図30(a)に示すように三つの円柱形状の溝部515、同図(b)に示すように三つの直線状の溝部515を放電面511の中心で結合してなるもの、同図(c)に示すように二本の直線状の溝部515を並列してなるものなど種々の形状の溝部515を形成することができる。
また、凸部510の放電面511には、図30(d)に示すように、複数の直線状の溝部515を並列してなるもの、同図(e)に示すように、格子状のもの、同図(f)に示すように、二本の直線状の溝部515を放電面511の中心で交差させたものなど種々の形状の溝部515を形成することができる。
そして、それぞれの溝部515は、凸部510の放電面511において接地電極背面52側に向かって窪むように形成されている。
また、例えば、図30(a)に示すような円柱形状の溝部515を形成するに当たっては、図31に示すような溝部515の形状と逆パターンの円柱形状の溝形成部615を備えた型面611を有する可動型610を用いることができる。
その他は、実施例1と同様である。
本例のように、放電面511の全面に溶融凝固部511aを形成しておけば、溶融凝固部511aを有する角部を複数箇所において形成することができる。
(実施例13)
本例は、図32に示すように、凹部520の開口部523の面積S1と凸部510の断面の平均断面積sとの関係を示すS1/sと、凸部510の突出量hとの関係を調べた例である。
具体的には、凹部520の深さHを1.2mm、凹部520の直径Dを1.8mm、接地電極5の厚みTを1.6mm、接地電極5の幅Wを2.8mmで固定するとともに、凸部510の直径dを変更することによりS1/sの値が種々異なる接地電極5を作製した(符号については図3参照)。
そして、それぞれの場合における凸部510の突出量hを測定した。
その他の構成は、実施例1と同様である。
測定結果を図32に示す。
同図からわかるように、S1/s≧1である場合には、凸部510の突出量hは0.7mmを超え、凸部510を十分に突出させることができる。
一方、S1/s<1である場合には、凸部510の突出量hは0.7mm未満であり、凸部510を十分に突出させることが困難であることがわかる。特にS1/s<0.8の場合には、H>2hとなるため、熱引きの経路が十分に確保されているとは言いがたい。
以上より、凸部510を十分に突出させるという観点から、S1/s≧1であることが重要であることがわかる。
なお、本例においては、凸部510が円柱形状である接地電極5にて実験を行ったが、凸部510の側面512や凹部520の側面522がテーパ状である場合であっても同様の結果が得られる。
(実施例14)
本例は、図33に示すように、凹部520の深さHと接地電極5の厚みTとの関係を示すH/Tと、接地電極5の温度との関係を調べた例である。
具体的には、凹部520の直径Dを2.0mm、凸部510の直径dを1.5mm、接地電極5の幅Wを2.8mm、接地電極5の厚みTを1.6mmで固定するとともに、凹部520の深さHを種々変更することによりH/Tの値が種々異なる接地電極5を作製した(符号については図3参照)。
その他の構成は、実施例1と同様である。
評価方法は以下のようにして行った。
すなわち、まず、各接地電極5、及び凸部510及び凹部520を設けなかった場合の接地電極(以下、比較試料という。)が730℃となるように加熱した。
次いで、各接地電極5、及び比較試料における、凹部520よりも先端部分54に近い部分の温度を測定した。
次いで、比較試料の温度に対する、各接地電極5の増加温度を算出した。
なお、本例では、比較試料に対する増加温度の基準は100℃とした。これは、100℃以上の温度上昇が生じた場合、耐熱性が低下して接地電極5の寿命低下が顕著となるおそれがあることに基づく。
評価結果を図33に示す。
同図からわかるように、H/T≦0.75である場合には、比較試料に対する増加温度を100℃以下と、十分に小さくすることができる。
一方、H/T>0.75である場合には、比較試料に対する増加温度が100℃を超え、さらに温度増加率が急激に増大することがわかる。
以上より、接地電極5の熱引きの観点から、H/T≦0.75であることが重要であることがわかる。
なお、本例においては、凸部510が円柱形状である接地電極5にて実験を行ったが、凸部510の側面512や凹部520の側面522がテーパ状である場合であっても同様の結果が得られる。
1 スパークプラグ
2 取付金具
20 取付用ねじ部
3 絶縁碍子
30 碍子先端部
4 中心電極
40 電極先端部
5 接地電極
51 対向面
510 凸部
511 放電面
511a 溶融凝固部
G 火花放電ギャップ

Claims (18)

  1. 外周に取付用ねじ部を設けた取付金具と、この取付金具よりも先端側に突出した状態で配置される碍子先端部を有するとともに上記取付金具の内側に保持される絶縁碍子と、この絶縁碍子よりも先端側に突出した状態で配置される電極先端部を有するとともに上記絶縁碍子の内側に保持される中心電極と、この中心電極との間に火花放電ギャップを形成する接地電極とを備えた内燃機関用のスパークプラグであって、
    上記接地電極は、上記中心電極と対向する面である放電面の少なくとも一部に貴金属全体と上記接地電極の母材の一部とを溶融してこれを凝固してなる溶融凝固部を、上記接地電極における上記中心電極の面である対向面において、上記中心電極に向かって押し出し突出させてなる凸部を有することを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  2. 請求項1において、上記溶融凝固部は、上記放電面の全面に形成されていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  3. 請求項1又は2において、上記凸部は、上記放電面において上記接地電極における上記対向面と反対側の面である接地電極背面側に向かって窪んだ溝部を有することを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  4. 請求項1又は2において、上記放電面には、Pt、Ir、Rh、Wのいずれか一種類を主成分とする貴金属からなるチップが溶接されていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、上記溶融凝固部は上記放電面の40%以上の面積に形成されていることを特徴とする内熱機関用のスパークプラグ。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項において、上記溶融凝固部は上記凸部の付根まで形成されていることを特徴とする内熱機関用のスパークプラグ。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項において、上記接地電極は、この接地電極における上記対向面と反対側の面である接地電極背面から上記対向面に向かって形成された凹部を有し、上記凸部は、その軸芯の延長線が上記凹部が形成されている領域を通過するよう形成されていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  8. 請求項7において、上記凹部の開口部の面積をS1、上記スパークプラグの軸方向に直交する上記凸部の断面の平均断面積をsとしたとき、S1≧sの関係が成り立つことを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  9. 請求項7又は8において、上記スパークプラグの軸方向に直交する上記凹部の断面の平均断面積をS2としたとき、S2≧sが成り立つことを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  10. 請求項7〜9のいずれか一項において、上記接地電極の厚みをT、上記スパークプラグの軸方向における上記凹部の深さをHとしたとき、H≦(3/4)Tの関係が成り立つことを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  11. 請求項7〜10のいずれか一項において、上記凸部と上記凹部とは、略円柱形状であって、上記凸部の直径をd、上記凹部の直径をDとしたとき、D≧dの関係が成り立つことを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  12. 請求項7〜11のいずれか一項において、上記スパークプラグの軸方向における上記凸部の突出量をh、上記スパークプラグの軸方向における上記凹部の深さをHとしたとき、H≦2hの関係が成り立つことを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグを製造する方法であって、
    上記接地電極の母材における上記凸部の上記放電面を形成しようとする部分の少なくとも一部において、アーク溶接にて貴金属全体と上記接地電極の母材の一部とを溶融した後これを凝固し、
    次いで、上記凸部を成形するための凸部用キャビティを有する金型に、上記凸部用キャビティと上記対向面とを対向させた状態で略平板状の上記接地電極を載置し、
    次いで、上記凸部を形成するための押圧冶具によって上記接地電極の母材の一部を上記凸部用キャビティに押し出すことにより、上記放電面の少なくとも一部に上記溶融凝固部を有する上記凸部を形成することを特徴とする内燃機関用のスパークプラグの製造方法。
  14. 請求項5〜12のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグを製造する方法であって、
    上記接地電極の母材における上記凸部の上記放電面を形成しようとする部分の少なくとも一部において、アーク溶接にて貴金属全体と上記接地電極の母材の一部とを溶融した後これを凝固し、
    次いで、上記凸部を成形するための凸部用キャビティを有する金型に、上記凸部用キャビティと上記対向面とを対向させた状態で略平板状の上記接地電極を載置し、
    次いで、上記凹部を形成するための押圧冶具によって上記接地電極背面の一部を押圧して上記凹部を形成するとともに上記接地電極の母材の一部を上記凸部用キャビティに押し出すことにより、上記放電面の少なくとも一部に上記溶融凝固部を有する上記凸部を形成することを特徴とする内燃機関用のスパークプラグの製造方法。
  15. 請求項13又は14において、上記接地電極は、その幅方向の両側面を上記金型に設けた側方当接面に当接させた状態で上記押圧冶具によって押圧されることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグの製造方法。
  16. 請求項13〜15のいずれか一項において、上記接地電極は、その先端部分を上記金型に設けた先端当接面に当接させた状態で上記押圧冶具によって押圧されることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグの製造方法。
  17. 請求項13〜16のいずれか一項において、上記金型には、上記凸部用キャビティに対して摺動可能な可動型が挿入配置されており、この可動型は、上記接地電極に対向する型面を平面状に形成してなり、上記接地電極の母材の一部を上記凸部用キャビティに押し出して上記凸部を成形する際に上記可動型の型面によって上記凸部の放電面を成形することを特徴とする内燃機関用のスパークプラグの製造方法。
  18. 請求項13〜17のいずれか一項において、上記凸部を形成するに当たっては、上記押圧冶具によって上記接地電極背面の一部を二回以上押圧することを特徴とする内燃機関用のスパークプラグの製造方法。
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