以下、本実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態における二次電池装置の外観を概略的に示すとともに一部を破断してその内部構造を概略的に示す斜視図である。
二次電池装置1は、その外形が略直方体であり、複数の電池セル10、支持枠20、外ケース30、上ケース40などを備えて構成されている。複数の電池セル10は、二次電池装置1の長手方向である第1方向Xに沿って並んでいる。支持枠20は、電池セル10の各々を支持するとともに、第1方向Xに並んだ電池セル10の間に隙間Gを形成している。この支持枠20は、第1支持枠21、第2支持枠22、及び、第3支持枠23を有している。このような支持枠20は、各電池セル10に接するもしくは接する可能性があるため、例えば樹脂などの絶縁材料によって形成されている。第3支持枠23は、第1支持枠21と第2支持枠22との間に位置している。第1支持枠21には、ガス排出管50が取り付けられている。また、この第1支持枠21には、出力端子60が取り付けられている。出力端子60は、正極の第1出力端子61及び負極の第2出力端子62からなる。これらの第1出力端子61及び第2出力端子62は、例えば銅などの金属によって形成されている。
外ケース30は、複数の電池セル10とともに支持枠20を収容するものであり、第1方向Xを長手方向とする長方形状の底部(図示しない)と、この底部から略垂直に立ち上がった4つの側壁とを有している。このような外ケース30は、例えば鉄などの金属によって形成されている。外ケース30の底部は、第1方向Xとこの第1方向Xに直交する第2方向Yとで規定されるXY平面に平行である。外ケース30の側壁は、二次電池装置1の高さ方向(つまり、第1方向X及び第2方向Yに直交する方向)に相当する第3方向Zに延出している。図1に示した例では、4つの側壁のうち、第1方向Xと第3方向Zとで規定されるXZ平面に平行な側壁31、及び、第2方向Yと第3方向Zとで規定されるYZ平面に平行な側壁32が図示されている。側壁31には、複数のスリットSLが形成されている。各スリットSLは、第3方向Zに延出し、電池セル10の間に形成された隙間Gと対向している。スリットSLの第1方向Xに沿った幅は、隣接する電池セル10の間に形成された隙間の幅と同等である。
この外ケース30は、第1支持枠21とネジなどの締結部材により締結されている。図示した例では、側壁31と第1支持枠21とが締結部材S1により5箇所で締結され、また、側壁32と第1支持枠21とが締結部材S2により2箇所で締結されている。さらに、側壁32と第3支持枠23とが締結部材S3により2箇所で締結されている。
側壁32の上部には、コの字型の切欠部32Aが形成されている。ガス排出管50の端部に取り付けられたパイプ50Pは、側壁32の切欠部32Aから外部に延出している。
上ケース40は、XY平面と平行な平板状であり、第1方向Xを長手方向とする長方形状に形成されている。このような上ケース40は、例えば樹脂によって形成されている。この上ケース40には、第1出力端子61を露出する第1開口41及び第2出力端子62を露出する第2開口42が形成されている。第1開口41から露出した第1出力端子61は、上ケース40から突出している。また、第2開口42から露出した第2出力端子62も同様に、上ケース40から突出している。この上ケース40は、第1支持枠21と締結部材により締結されている。図示した例では、上ケース40と第1支持枠21とが締結部材S4により8箇所で締結されている。このような上ケース40は、外ケース30の蓋となる。
上ケース40の略中央には、枠状に形成された突出部43が形成されている。この突出部43の内側には、図示しない監視基板が取り付けられる。突出部43には、基板カバー70が取り付けられている。この基板カバー70は、監視基板に対する電磁ノイズ対策のために設けられ、監視基板を覆っている。このような基板カバー70は、例えば鉄などの金属によって形成されている。この基板カバー70は、上ケース40の突出部43と締結部材により締結されている。図示した例では、基板カバー70と突出部43とが締結部材S5により8箇所で締結されている。
図2は、図1に示した二次電池装置1に適用可能な電池セル10の外観を概略的に示す斜視図である。
電池セル10の外面は、例えばアルミニウムなどの金属容器によって構成されている。このような電池セル10の外形は、第1方向Xの長さが第2方向Y及び第3方向Zの長さよりも短い略直方体である。電池セル10の第1方向Xに沿った長さは、電池セル10の厚さに相当する。すなわち、この電池セル10は、セル端子11が設けられた上面10T、この上面10Tに対向する底面10B、及び、上面10Tと底面10Bとを繋ぐ側面10Sを有している。上面10T及び底面10Bは、XY平面に平行であり、第2方向Yを長手方向とする略長方形状である。側面10Sは、XZ平面と平行な一対の側面10S1及び10S2、及び、YZ平面と平行な一対の側面10S3及び10S4からなる。
上面10Tに設けられたセル端子11は、正極端子11P及び負極端子11Nからなる。これらの正極端子11P及び負極端子11Nは、例えばアルミニウムなどの導電材料によって形成されている。また、正極端子11P及び負極端子11Nは、第2方向Yに並んでいる。図2に示した例では、正極端子11P及び負極端子11Nは、略四角形状であり、上面10Tから突出している。これらの正極端子11P及び負極端子11Nからなるセル端子11は、多段構造である。すなわち、セル端子11は、上面10Tから突出した略四角形状の下段部111と、この下段部111の上に積層され且つ下段部111よりも小さな略四角形状の上段部112とによって形成されている。正極端子11P及び負極端子11Nのいずれの下段部111についても、その上面10Tからの第3方向Zに沿った長さは、同一である。
また、この上面10Tには、局所的に肉薄に形成されたラプチャ12が設けられている。このラプチャ12は、略四角形状であり、正極端子11Pと負極端子11Nとの間に配置されている。
図3は、図1に示した二次電池装置1を上方から見た分解斜視図である。なお、この図3においては、二次電池装置1を構成する部材の一部を省略している。
二次電池装置1は、複数の電池セル10、第1支持枠21、第2支持枠22、第3支持枠23、外ケース30、上ケース40、ガス排出管50、第1出力端子61、第2出力端子62、基板カバー70、監視基板(ASIC(特定用途向け集積回路)基板)80、バスバー91乃至97などを備えている。
複数の電池セル10は、各電池セル10の厚さ方向つまり第1方向Xに並んでいる。図示した例では、12個の電池セル10が第1方向Xに一列に並んでいる。これらの電池セル10は、各々のセル端子11が第1方向Xに平行な一直線上に並び且つXY平面と平行な同一平面上に位置するように配列されている。すなわち、各電池セル10のセル端子11は、第1方向Xに沿って並んでおり、図示した例では、第1方向Xの一端側から他端側に向かって順に電池セル10aの負極端子11N、電池セル10bの負極端子11N、電池セル10cの正極端子11P、電池セル10dの正極端子11P、電池セル10eの負極端子11N、電池セル10fの負極端子11N、電池セル10gの正極端子11P、電池セル10hの正極端子11P、電池セル10iの負極端子11N、電池セル10jの負極端子11N、電池セル10kの正極端子11P、電池セル10lの正極端子11Pが一直線上に並んでいる。同様にして、第1方向Xの一端側から他端側に向かって順に電池セル10aの正極端子11P、電池セル10bの正極端子11P、電池セル10cの負極端子11N、電池セル10dの負極端子11N、電池セル10eの正極端子11P、電池セル10fの正極端子11P、電池セル10gの負極端子11N、電池セル10hの負極端子11N、電池セル10iの正極端子11P、電池セル10jの正極端子11P、電池セル10kの負極端子11N、電池セル10lの負極端子11Nが一直線上に並んでいる。同様にして、電池セル10a乃至10lのラプチャ12も一直線上に並んでいる。
第1支持枠21は、複数の電池セル10の各々の上面10Tを支持する。なお、この第1支持枠21による電池セル10の支持構造については後に詳述する。図示した第1支持枠21の上面21Tの側には、第1方向Xの一端側に第1出力端子61が取り付けられるとともに、第1方向Xの他端側に第2出力端子62が取り付けられている。
図4は、第1支持枠21の構造をより詳細に説明するとともに複数の電池セル10及びガス排出管50との位置関係を説明するための拡大分解斜視図である。
第1支持枠21の上面21Tの側における略中央には、第1方向Xに沿って延出した凹所21Aが形成されている。この凹所21Aは、第1方向Xに沿って延出した一対のリブ21B及び21Cの間に形成されている。凹所21Aには、支持した複数の電池セル10の各々のラプチャ12と対向する開口21AHが形成されている。開口21AHは、支持する電池セル10の個数と同数箇所に形成され、図示した例では、12箇所に略等間隔に形成されている。また、凹所21Aの表面には、シリコーンゴムなどによって形成されたシール材100が配置されている。このシール材100は、開口21AHを露出している。
リブ21Bは、略コの字型の側壁21Dと繋がっている。これらのリブ21Bと側壁21Dとの間には、第1方向Xに沿って延出した凹所21Eが形成されている。凹所21Eには、支持した複数の電池セル10の各々のセル端子11を露出する開口(図示しない)が形成されている。また、この凹所21Eには、3個のバスバー91乃至93が配置されている。
これらのバスバー91乃至93は、例えばアルミニウムなどの導電材料によって形成され、いずれも同一形状の4連である。つまり、バスバー91乃至93の各々は、凹所21Eの図示しない開口から露出した4個の電池セル10のセル端子11を電気的に接続するものであり、各セル端子11と溶接されている。より具体的には、バスバー91は、電池セル10a及び10bの正極端子11Pと接続されるとともに、電池セル10c及び10dの負極端子11Nと接続されている。バスバー92は、電池セル10e及び10fの正極端子11Pと接続されるとともに、電池セル10g及び10hの負極端子11Nと接続されている。バスバー93は、電池セル10i及び10jの正極端子11Pと接続されるとともに、電池セル10k及び10lの負極端子11Nと接続されている。
リブ21Cは、略コの字型の側壁21Fと繋がっている。これらのリブ21Cと側壁21Fとの間には、第1方向Xに沿って延出した凹所21Gが形成されている。凹所21Gには、支持した複数の電池セル10の各々のセル端子11を露出する開口(図示しない)が形成されている。また、この凹所21Gには、4個のバスバー94乃至97が配置されている。
これらのバスバー94乃至97は、例えばアルミニウムなどの導電材料によって形成されている。バスバー95及び96は、バスバー91などと同様に、いずれも同一形状の4連である。また、バスバー94及び97は、いずれも同一形状の2連である。つまり、バスバー94及び97の各々は、凹所21Eの図示しない開口から露出した2個の電池セル10のセル端子11を電気的に接続するものであり、各セル端子11と溶接されている。より具体的には、バスバー94は、電池セル10a及び10bの負極端子11Nと接続されるとともに第1出力端子61と接続されている。バスバー95は、電池セル10c及び10dの正極端子11Pと接続されるとともに、電池セル10e及び10fの負極端子11Nと接続されている。バスバー96は、電池セル10g及び10hの正極端子11Pと接続されるとともに、電池セル10i及び10jの負極端子11Nと接続されている。バスバー97は、電池セル10k及び10lの正極端子11Pと接続されるとともに第2出力端子62と接続されている。
これらのバスバー91乃至97は、図示しないフレキシブル配線基板と電気的に接続されている。このフレキシブル配線基板は、リブ21B及び21Cのそれぞれの上に配置される。バスバー91乃至97とフレキシブル配線基板との接続等については、後に説明する。
側壁21D及び21Fには、外ケース30との位置決めあるいは締結のための部材が挿入される複数の孔21HAが形成されている。また、これらの側壁21D及び21FのXY平面に平行な上面には、上ケース40との位置決めあるいは締結のための部材が挿入される複数の孔21HBが形成されている。なお、第1支持枠21の底部21bは、XY平面に平行である。
ガス排出管50は、凹所21Aに嵌め込まれる。このガス排出管50は、第1方向Xに延出した直線状であってYZ平面と平行な断面が略四角形状の管状部51、管状部51の両端に接続されたパイプ50P、管状部51の上面51Tに接続された4つの固定板52乃至55などを備えている。固定板52乃至55の各々には、管状部51を挟む2箇所に締結用の孔50Hが形成されている。
リブ21Bには、固定板52乃至55が各々嵌め込まれる4箇所の凹部21BCが形成されるとともに、各凹部21BCには、固定板52乃至55の各々の孔50Hと連通する締結用の孔21BHが形成されている。同様に、リブ21Cには、固定板52乃至55が各々嵌め込まれる4箇所の凹部21CCが形成されるとともに、各凹部21CCには、固定板52乃至55の各々の孔50Hと連通する締結用の孔21CHが形成されている。
このような構成により、ガス排出管50の管状部51が凹所21Aに嵌め込まれ、また、固定板52乃至55の各々がリブ21Bの凹部21BC及びリブ21Cの凹部21CCにそれぞれ嵌め込まれた状態で、ガス排出管50の孔50Hとリブ21Bの孔21BHとにそれぞれ挿入された図示しない締結部材、及び、ガス排出管50の孔50Hとリブ21Cの孔21CHとにそれぞれ挿入された図示しない締結部材により、ガス排出管50は、第1支持枠21に固定される。
再び図3に戻って説明する。
第2支持枠22は、複数の電池セル10の各々の底面10Bを支持する。すなわち、第2支持枠22は、電池セル10の各々を支持する第2凹部22Cを有している。第2凹部22Cは、支持する電池セル10の個数と同数箇所に形成され、図示した例では、12箇所に略等間隔に形成されている。
つまり、第2支持枠22は、底部22B、枠部22F、及び、梁部22Mによって形成されている。底部22Bは、XY平面と平行であり、且つ、第1方向Xを長手方向とする長方形状に形成されている。枠部22Fは、底部22Bから略垂直に立ち上がり、12個の電池セル10a乃至10lの外周を囲むように1周りの枠状に形成されている。梁部22Mは、YZ平面と平行であり、底部22Bから略垂直に立ち上がるとともに枠部22Fに繋がっている。また、梁部22Mは、第1方向Xに並んだ12個の電池セル10a乃至10lの間にそれぞれ介在し、11箇所に略等間隔に形成されている。枠部22F及び梁部22Mの底部22Bからの第3方向Zに沿った長さは同一である。
このような構成により、12箇所に形成された第2凹部22Cには、12個の電池セル10a乃至10lが各々嵌め込まれ、少なくとも各電池セル10の底面10Bと第2支持枠22の底部22Bとが接着されている。このとき、電池セル10と第2凹部22Cとの隙間は、接着剤によって充填されていることが望ましい。これにより、電池セル10の変位をより抑制することが可能となる。
第3支持枠23は、複数の電池セル10の各々の側面10Sを支持する。すなわち、第3支持枠23は、梯子状の単一部材によって構成され、電池セル10の各々を支持する筒状部23Cを有している。筒状部23Cは、支持する電池セル10の個数と同数箇所に形成され、図示した例では、12箇所に略等間隔に形成されている。
つまり、第3支持枠23は、一対のエンドプレート23A及び23B、一対の側板23D及び23E、及び、梁部23Mによって形成されている。エンドプレート23Aは、第1方向Xの一端側に位置し、電池セル10aの側面を支持する。エンドプレート23Bは、第1方向Xの他端側に位置し、電池セル10lの側面を支持する。これらのエンドプレート23A及び23Bは、ともにYZ平面と平行な略四角形状である。また、エンドプレート23Aには、外ケース30との位置決めあるいは締結のための部材が挿入される2つの孔23Hが形成されている。図示しないが、エンドプレート23Bにも同様の2つの孔23Hが形成されている。また、これらのエンドプレート23A及び23Bの第3方向Zに沿った長さについては、各電池セル10の第3方向Zに沿った長さより短い。側板23D及び23Eは、一対のエンドプレート23A及び23Bに連結されている。これらの側板23D及び23Eは、XZ平面と平行である。梁部23Mは、YZ平面に平行であり、側板23D及び23Eに繋がっている。また、梁部23Mは、第1方向Xに並んだ12個の電池セル10a乃至10lの間にそれぞれ介在し、11箇所に略等間隔に形成されている。これらの梁部23Mの第3方向Zに沿った長さについては、エンドプレート23A及び23Bの第3方向Zに沿った長さよりも短く、側板23D及び23Eの第3方向Zに沿った長さと同一である。
このような構成により、12箇所に形成された筒状部23Cには、12個の電池セル10a乃至10lが各々嵌め込まれ、各電池セル10の側面10Sを支持している。つまり、筒状部23Cを形成する各面(すなわち、側板23D及び23E、及び、向かい合う一対の梁部23M)が電池セル10の側面10Sを支持する。また、エンドプレート23Aの上面23AT及びエンドプレート23Bの上面23BTは、XY平面と平行な同一平面上に位置しており、第1支持枠21の底部21bに接している場合があり得る。
なお、第3支持枠23は、各電池セル10の側面10Sにおける略中央部つまり電池セル10の第3方向Zにおける中間点付近を支持することが望ましい。第3支持枠23は、電池セル10と接着されることなく支持していることが望ましい。例えば、第3支持枠23と電池セル10とを接着するために、筒状部23Cの内側に接着剤を塗布した後に、各電池セル10を筒状部23Cに嵌め込むと、電池セル10の側面10Sに接着剤が広がってしまう。このため、図3に示したような第3支持枠23の筒状部23Cは、電池セル10の側面10Sとは接着されることなく側面10Sとの摩擦力などにより固定されている。なお、各電池セル10の側面10Sと第3支持枠23とを接着する場合には、第3支持枠23の筒状部23Cに電池セル10を嵌め込んだ後に、筒状部23Cと電池セル10の側面10Sとの間に接着剤を塗布して硬化させる手法を適用することができる。
なお、第3支持枠23については、図3に示した形状に限られるものではなく、例えば、エンドプレート23A及び23Bは、第1支持枠21の底部21bに接する上面23AT及び23BTを有する形状であれば、四角形状に限らず、十字型や他の多角形状などであっても良い。第3支持枠23は、電池セル10の側面10Sの略中央部を支持しつつ、第1支持枠21の底部21bに接する上面23AT及び23BTを有することにより、第3支持枠23の位置決めがしやすくなり、組立作業を容易にできる。
また、第3支持枠23は、例えば、図5に示すように、梯子状の単一部材によって構成されても良い。すなわち、ここに示した第3支持枠23は、図3に示した例と同様に、電池セル10の各々を支持する筒状部23Cを有している。筒状部23Cは、支持する電池セル10の個数と同数箇所に形成され、図示した例では、12箇所に略等間隔に形成されている。ここに示した第3支持枠23は、図3に示した例と比較して、枠部23F、及び、梁部23Mによって形成されている点で相違している。枠部23Fは、XY平面に対して略垂直に立ち上がり、12個の電池セル10a乃至10lの外周を囲むように1周りの枠状に形成されている。梁部23Mは、YZ平面と平行であり、枠部23Fに繋がっている。また、梁部23Mは、第1方向Xに並んだ12個の電池セル10a乃至10lの間にそれぞれ介在するように、11箇所に略等間隔に形成されている。枠部23F及び梁部23Mの第3方向Zに沿った長さは同一である。
このような構成においては、12箇所に形成された筒状部23Cには、12個の電池セル10a乃至10lが各々嵌め込まれ、各電池セル10の側面10Sを支持している。つまり、筒状部23Cを形成する各面(すなわち、枠部23F及び向かい合う一対の梁部23M)が電池セル10の側面10Sを支持する。なお、この第3支持枠23は、各電池セル10の側面10Sにおける略中央部つまり電池セル10の第3方向Zにおける中間点付近を支持することが望ましい。また、各電池セル10の側面10Sと第3支持枠23とは接着されてもよい。また、第3支持枠23は、各電池セル10の側面10Sとの摩擦力により固定されても良い。あるいは、第3支持枠23は、外ケース30と締結部材により締結されても良い。図5に示した例の第3支持枠23については、変形が少なく、形状安定性に優れている。
また、第3支持枠23は、例えば、図6に示すように、櫛状の第1部材231及び第1部材231と同一形状の第2部材232の組み合わせによって構成されても良い。ここでは、第1部材231の形状について説明する。この第1部材231は、コの字型の外縁部23R、及び、櫛歯23Tによって形成されている。外縁部23Rは、XZ平面に平行であり第1方向Xに沿って延出した直線部23R1、及び、YZ平面に平行であり第2方向Yに沿って延出した一対の端部23R2及び23R3によって形成されている。端部23R2及び23R3は、それぞれ直線部23R1の両端に繋がっている。櫛歯23Tは、YZ平面と平行であり、直線部23R1に繋がっている。また、櫛歯23Tは、第1方向Xに並んだ12個の電池セル10a乃至10lの間にそれぞれ介在するように、端部23R2と端部23R3との間で11箇所に略等間隔に形成されている。端部23R2及び23R3、及び、櫛歯23Tの第2方向Yに沿った長さは同一であり、電池セル10の側面10Sの第2方向Yに沿った長さの概ね1/2である。外縁部23R及び櫛歯23Tの第3方向Zに沿った長さは同一である。
このような構成においては、第1方向Xに並んだ12個の電池セル10a乃至10lに対して、第1部材231の櫛歯23Tが各々電池セル10の間に挿入され、同様に、第2部材232も取り付けられ、各電池セル10の側面10Sを支持している。取り付けられた第1部材231及び第2部材232は、各々の外縁部23R及び櫛歯23Tが接していても良いし、離間していても良い。なお、このような構成の第3支持枠23についても、各電池セル10の側面10Sにおける略中央部つまり電池セル10の第3方向Zにおける中間点付近を支持することが望ましい。また、各電池セル10の側面10Sと第3支持枠23とは接着されてもよい。また、第3支持枠23は、各電池セル10の側面10Sとの摩擦力により固定されても良い。あるいは、支持枠23は、外ケース30と締結部材により締結されても良い。図6に示した例の第3支持枠23については、一組の同一部材によって構成されるため、量産性に優れており、また、取り付ける際にも、並んだ複数の電池セル10の横方向から挿入すればよく、組立作業を容易にできる。
また、第3支持枠23は、例えば、図7に示すように、複数の櫛歯23Tを有する第1部材231及び第1部材231の櫛歯23Tの各々の先端部23TAを支持する棒状の第2部材232の組み合わせによって構成されても良い。第1部材231は、コの字型の外縁部23R、及び、櫛歯23Tによって形成されている。外縁部23Rは、XZ平面に平行であり第1方向Xに沿って延出した直線部23R1、及び、YZ平面に平行であり第2方向Yに沿って延出した一対の端部23R2及び23R3によって形成されている。端部23R2及び23R3は、それぞれ直線部23R1の両端に繋がっている。これらの端部23R2及び23R3の各々の先端部23RAには、第2部材232が嵌合する凹部23RBが形成されている。櫛歯23Tは、YZ平面と平行であり、直線部23R1に繋がっている。また、櫛歯23Tは、第1方向Xに並んだ12個の電池セル10a乃至10lの間にそれぞれ介在するように、端部23R2と端部23R3との間で11箇所に略等間隔に形成されている。櫛歯23Tの各々の先端部23TAには、第2部材232が嵌合するように第2部材232の断面形状と略同一形状の切欠23TBが形成されている。凹部23RB及び切欠23TBは、第1方向Xに沿った同一直線上に位置している。端部23R2及び23R3、及び、櫛歯23Tの第2方向Yに沿った長さは同一であり、電池セル10の側面10Sの第2方向Yに沿った長さと略同一である。外縁部23R及び櫛歯23Tの第3方向Zに沿った長さは同一である。第2部材232は、YZ平面と平行な断面形状が一定であり、第1方向Xに沿って延出した棒状に形成され、櫛歯23Tの切欠23TBに嵌合する。この第2部材232の両端部は、90度の屈曲し、凹部23RBに嵌合する。
このような構成においては、第1方向Xに並んだ12個の電池セル10a乃至10lに対して、第1部材231の櫛歯23Tが各々電池セル10の間に挿入され、第2部材232が第1部材2231に嵌合されることにより、各電池セル10の側面10Sを支持している。嵌合された第1部材231及び第2部材232は、接着されることが望ましい。なお、このような構成の第3支持枠23についても、各電池セル10の側面10Sにおける略中央部つまり電池セル10の第3方向Zにおける中間点付近を支持することが望ましい。また、各電池セル10の側面10Sと第3支持枠23とは接着されてもよい。また、第3支持枠23の第1部材231は、各電池セル10の側面10Sとの摩擦力により固定されても良い。あるいは、支持枠23は、外ケース30と締結部材により締結されても良い。第1部材231による電池セル10の支持力が十分である場合には、第2部材232を省略しても良い。図7に示した例の第3支持枠23については、取り付ける際に、並んだ複数の電池セル10の横方向から挿入すればよく、組立作業を容易にできる。
再び図3に戻って説明する。
外ケース30は、底部35と、この底部35から略垂直に立ち上がった4つの側壁31乃至34とを有している。この外ケース30において、底部35と対向する面は開放されている。底部35は、XY平面と平行であり、第1方向Xを長手方向とする長方形状である。一対の側壁31及び33は、向かい合い、XZ平面と平行であり、第1方向Xを長手方向とする長方形状である。これらの側壁31及び33には、向かい合う位置に各々スリットSLが形成されている。これらのスリットSLは、第1方向Xに並んだ電池セル10の間と対向している。
すなわち、側壁31に形成されたスリットSLは、第3方向Zに延出し、第3方向Zに沿った2箇所に形成されるとともに、第1方向Xに並んだ12個の電池セル10の間の11箇所の隙間と対向している。つまり、側壁31には、スリットSLは、22箇所(2×11箇所)に形成されている。同様に、側壁33についても、スリットSLが22箇所に形成されている。
また、側壁31には、第1支持枠21の孔21HAと連通する締結用の孔31Hが形成されている。同様に、側壁33にも、第1支持枠21の孔21HAと連通する締結用の孔33Hが形成されている。一対の側壁32及び34は、向かい合い、YZ平面と平行である。側壁32には、第1支持枠21の孔21HAと連通する締結用の孔32HA、第3支持枠23の孔23Hと連通する締結あるいは位置決め用の孔32HBが形成されている。同様に、側壁34にも、第1支持枠21の孔21HAと連通する締結用の孔34HA、第3支持枠23の孔23Hと連通する締結あるいは位置決め用の孔34HBが形成されている。
このような構成により、第1支持枠21の孔21HAと外ケースの孔31H、32HA、33H、34HAとにそれぞれ挿入された図示しない締結部材により、第1支持枠21と外ケース30とが締結される。また、第3支持枠23の孔23Hと外ケースの孔32HB、34HB、34HBとにそれぞれ挿入された図示しない締結部材あるいはピンなどの位置決め部材により、第3支持枠23と外ケース30とが締結あるいは位置決め固定される。
また、側壁32の上部には、コの字型の切欠部32Aが形成されている。同様に、側壁34の上部にも、切欠部32Aと同一形状であり、且つ、切欠部32Aと向かい合う切欠部34Aが形成されている。これらの切欠部32A及び34Aは、第1支持枠21の凹所21Aの第1方向Xに沿った同一直線上に位置している。このため、第1支持枠21の凹所21Aに固定されたガス排出管50の両端のパイプ50Pは、側壁32の切欠部32A及び側壁34の切欠部34Aから外部に向かって延出する。
上ケース40は、XY平面と平行な平板状であり、第1方向Xを長手方向とする長方形状に形成されている。この上ケース40には、第1支持枠21に取り付けられた第1出力端子61を露出する第1開口41が形成されている。また、この上ケース40には、第1支持枠21に取り付けられた第2出力端子62を露出する第2開口42が形成されている。この上ケース40には、第1支持枠21の孔21HBと連通する締結用の孔40Hが形成されている。
このような構成により、第1支持枠21の孔21HBと上ケース40の孔40Hとにそれぞれ挿入された図示しない締結部材により、第1支持枠21と上ケース40とが締結される。
上ケース40の略中央には、枠状に形成された突出部43が形成されている。この突出部43の内側には、監視基板80を取り付けるための4つの脚部44が設けられている。また、この突出部43の内側には、図示を省略したフレキシブル配線基板に接続された配線を引き出すための開口45及び46が形成されている。例えば、リブ21Bの上に配置されたフレキシブル配線基板の配線は開口45から引き出され、監視基板80に接続される。同様に、リブ21Cの上に配置されたフレキシブル配線基板の配線は開口46から引き出され、監視基板80に接続される。また、この突出部43には、孔43Hが形成されている。
監視基板80は、フレキシブル配線基板からの出力に基づいて各電池セル10を監視するものであり、突出部43によって囲まれた内側に配置され、4つの脚部44に締結部材により締結されている。
基板カバー70は、監視基板80を覆うように配置される。この基板カバー70には、突出部43に形成された孔43Hと連通する孔70Hが形成されている。基板カバー70の孔70Hと上ケース40に形成された突出部43の孔43Hとにそれぞれ挿入された図示しない締結部材により、基板カバー70と上ケース40とが締結される。
図8は、図1に示した二次電池装置1を下方から見た分解斜視図である。なお、この図8においては、二次電池装置1を構成する部材の一部を省略しており、複数の電池セル10、第1支持枠21、第2支持枠22、第3支持枠23、外ケース30、上ケース40、ガス排出管50、基板カバー70、監視基板80などが図示されている。図3などを参照して説明した部分については、詳細な説明を省略する。
12個の電池セル10a乃至10lは、第1方向Xに並んでいる。これらの電池セル10については、各々の上面10Tが第1支持枠21を向くとともに、各々の底面10Bが第2支持枠22を向いている。
第2支持枠22については、底部22B及び枠部22Fが図示されている。底部22Bは、外ケース30の側を向いている。
第3支持枠23については、一対のエンドプレート23A及び23B、一対の側板23D及び23E、及び、梁部23Mが図示されている。この支持枠23は、12箇所に等間隔に形成された筒状部23Cを有している。
外ケース30については、底部35、側壁33及び34が図示されている。側壁33には、スリットSLが22箇所(2×11箇所)に形成されている。側壁34には、切欠部34Aなどが形成されている。底部35は、XY平面と平行である。外ケース30の底部35と第2支持枠22の底部22Bとは、接着されていても良いし、接着されていなくても良い。
上ケース40には、第1開口41、第2開口42、開口45及び46が形成されている。
基板カバー70には、監視基板80を覆う凹所70Cが形成されている。
第1支持枠21は、12個の電池セル10a乃至10lの各々の上面10Tを支持する。すなわち、この第1支持枠21は、底部21bの側に、電池セル10の各々を支持する第1凹部211を有している。
図9は、第1支持枠21の構造をより詳細に説明するとともに複数の電池セル10及びガス排出管50との位置関係を説明するための拡大分解斜視図である。
第1凹部211は、支持する電池セル10の個数と同数箇所に形成され、図示した例では、12箇所に略等間隔に形成されている。つまり、第1支持枠21は、第1凹部211を形成するために、中板部211B、枠部211F、及び、梁部211Mを有している。
中板部211Bは、第1方向Xを長手方向とする長方形状に形成されている。この中板部211Bは、第1支持枠21の第3方向Zに沿った略中間に位置している。中板部211Bの電池セル10と向かい合う側の表面211Sは、XY平面と平行であり、しかも、先に説明した外ケース30の底部35と平行である。
このような中板部211Bには、上記したように、凹所21Aに連通する開口21AHが形成されている。図示した例では、12箇所に形成された開口21AHは、略四角形状であり、第1方向Xに沿って並び、等間隔に形成されている。より具体的には、第1凹部211の各々の略中央に、1つの開口21AHが形成されている。このような開口21AHは、第1凹部211に各々支持された電池セル10のラプチャ12と対向する。
また、この中板部211Bには、開口21AHを挟む両側に開口211HA及び開口211HBが形成されている。開口211HA及び開口211HBは、支持した電池セル10のセル端子を露出するものである。これらの開口211HA及び開口211HBは、図2に示したセル端子11の下段部111を挿入可能な略四角形状に形成されている。中板部211Bの第3方向Zに沿った長さ(つまり板厚)は、下段部111の第3方向Zに沿った長さと略同等である。このため、開口211HA及び開口211HBにそれぞれ挿入されたセル端子11は、その上段部112が中板部211Bから凹所21Aに向かって突出する。開口211HAは、支持する電池セル10の個数と同数箇所に形成され、図示した例では、12箇所に形成されている。これらの開口211HAは、第1方向Xに沿って並び、等間隔に形成されている。同様に、開口211HBは、支持する電池セル10の個数と同数箇所に形成され、図示した例では、12箇所に形成されている。これらの開口211HBは、第1方向Xに沿って並び、等間隔に形成されている。
枠部211Fは、中板部211Bから略垂直に第3方向Zに沿って立ち上がり、12個の電池セル10a乃至10lの外周を囲むように1周りの枠状に形成されている。このような枠部211Fは、中板部211Bよりも底部21bの側に形成されており、中板部211Bよりも上面21Tの側に形成された側壁21D及び21Fと繋がっている。枠部211Fと側壁21D及び21Fとは、XZ平面及びYZ平面においてツライチ、つまり、XZ平面及びYZ平面において同一平面上に形成されている。
梁部211Mは、YZ平面と平行であり、中板部211Bから略垂直に第3方向Zに沿って立ち上がるとともに枠部211Fに繋がっている。また、梁部211Mは、第1方向Xに並んだ12個の電池セル10a乃至10lの間にそれぞれ介在し、11箇所に略等間隔に形成されている。枠部211F及び梁部211Mの中板部211Bからの第3方向Zに沿った長さは同一である。
このような構成により、12箇所に形成された第1凹部211には、12個の電池セル10a乃至10lが各々嵌め込まれ、少なくとも各電池セル10の上面10Tと、第1支持枠21の中板部211Bの表面211Sと、が接着されている。このとき、電池セル10a乃至10lの各々のラプチャ12が開口21AHと向かい合うとともに、電池セル10a乃至10lの各々のセル端子11が開口211HA及び開口211HBから露出する。また、電池セル10と第1凹部211との隙間は、接着剤により充填されていることが望ましい。これにより、電池セル10の変位をより抑制することができる。
図10は、第1支持枠21に形成された1つの第1凹部211の一つを拡大した平面図である。
第1凹部211は、第1方向Xに沿って延出した枠部211Fと第2方向Yに沿って延出した梁部211Mとで囲まれた内側に形成されている。この第1凹部211は、嵌め込まれる電池セル10の上面10Tの外形と略同等の第2方向Yを長手方向とする略長方形状に形成されている。
第1凹部211を形成する向かい合う梁部211Mは、それぞれ第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに沿って間隔をおいて対向している。このように向かい合う梁部211Mの間の第1方向Xに沿った間隔、つまり、第1凹部211の第1方向Xに沿った長さは、1個の電池セル10の第1方向Xに沿った長さと略同等(すなわち、電池セル10の長さと第1凹部211の長さとが同一もしくは電池セル10の長さの方が第1凹部211の長さより若干長い)である。
また、第1凹部211を形成する向かい合う枠部211Fは、それぞれ第1方向Xに沿って延出し、第2方向Yに沿って間隔をおいて対向している。このように向かい合う枠部211Fの間の第2方向Yに沿った間隔、つまり、第1凹部211の第2方向Yに沿った長さは、1個の電池セル10の第2方向Yに沿った長さと略同等(すなわち、電池セル10の長さと第1凹部211の長さとが同一もしくは電池セル10の長さの方が第1凹部211の長さより若干長い)である。
開口21AHは、第1凹部211の略中央に形成されている。開口211HA及び開口211HBは、開口21AHを挟んで第2方向Yに並んでいる。これらの開口21AH、開口211HA及び開口211HBは、いずれも略四角形状である。
このような第1凹部211における最外周には、1周りの枠状の溝211Gが形成されている。この溝211Gは、中板部211Bの表面211Sよりも窪んでおり、表面211Sと梁部211M及び枠部211Fとの間に形成されている。このような溝211Gを設けたことにより、電池セル10の上面10Tと中板部211Bの表面211Sとを接着する際、これらの間に塗布された接着剤(例えば、エポキシ樹脂など)のうち、余剰分が溝211Gに逃げ、この溝211Gを伝わって第1凹部211の全体的に広がり、電池セル10と第1支持枠21との接着面積を拡大することが可能となる。
再び図9に戻り説明する。
第1支持枠21の凹所21Aに嵌め込まれるガス排出管50については、管状部51の底面51Bには、開口51Hが形成されている。開口51Hは、図示した例では、12箇所に形成されている。これらの開口51Hは、第1方向Xに沿って並び、等間隔に形成されている。このような開口51Hは、ガス排出管50の管状部51が凹所21Aに嵌め込まれた際に、第1支持枠21の開口21AHに連通する。つまり、各開口51Hは、第1凹部211に嵌め込まれた電池セル10のラプチャ12と対向する。
次に、出力端子及びバスバーの形状、及び、これらの電気的な接続手法について説明する。ここでは、図3に示した第2出力端子62及びバスバー97を例に説明する。
図11は、第2出力端子62及びバスバー97の分解斜視図である。
第2出力端子62は、例えば銅ブロックによって形成されている。この第2出力端子62は、その第1方向Xに沿った中央部に頭部62Aを有するとともに、この頭部62Aを挟んだ両側に肩部62C及び62Dを有している。頭部62Aの高さH1、つまり、XY平面に平行な底部62Bからの第3方向Zに沿った長さは、肩部62C及び62Dの高さH2よりも高い。肩部62C及び62Dの高さH2は、略同等である。頭部62AのXY平面に平行な上面62ATは、略四角形状である。頭部62Aの上面62ATには、第3方向Zに延出した孔62AHが形成されている。肩部62C及び62Dの各々のXY平面に平行な上面62CT及び62DTは、略四角形状である。肩部62Cの上面62CTには、第3方向Zに延出した孔62CHが形成されている。肩部62Dの上面62DTには、第3方向Zに延出した孔62DHが形成されている。第2出力端子62のバスバー97と向かい合う側面62Sは、XZ平面に平行である。
バスバー97は、1つの電池セル10(図3に示した例では電池セル10k)のセル端子11に電気的に接続される電流リード971と、隣接する電池セル10(図3に示した例では電池セル10l)のセル端子11に電気的に接続される電流リード972と、これらの電流リード971と電流リード972とを連結する連結部973と、を有している。電流リード971及び972は、略同一形状である。バスバー97は、2つの電流リードを有していることから、本実施形態では「2連」と称している。このようなバスバー97においては、電流リード971、電流リード972、及び、連結部973は、いずれも導電性材料によって形成されており、連結部973によって電流リード971と電流リード972とを電気的に接続している。
電流リード971は、接続部9711、中間部9712、及び、延出部9713を一体的に有し、略Z字型に形成されている。
接続部9711は、XY平面に平行な略四角形の平板状に形成されている。この接続部9711には、第1支持枠21の開口21AHから突出したセル端子11を挿入可能な開口9711Hが形成されている。特に、ここでは、この開口9711Hは、図2に示したセル端子11の上段部112を挿入可能な略四角形状に形成されている。接続部9711の第3方向Zに沿った長さ(つまり板厚)は、上段部112の第3方向Zに沿った長さと略同等、あるいは、上段部112の第3方向Zに沿った長さの方が接続部9711の第3方向Zに沿った長さより長い。このため、開口9711Hに挿入されたセル端子11は、その上段部112が露出する。セル端子11の上段部112及び開口9711Hは、第1方向Xに沿った一対の辺を有する四角形状であり、これらの第1方向Xに沿った各辺において上段部112と接続部9711とが溶接されるなどして、セル端子11と電流リード971とが電気的に接続される。また、この接続部9711には、第1方向Xに延出した電圧取出端子974が形成されている。
中間部9712は、XZ平面に平行な略四角形の平板状に形成されている。この中間部9712の一端は、接続部9711の一端に接続され、接続部9711に対して略垂直な第3方向Zに延出している。つまり、この中間部9712は、バスバー97を第2出力端子62に取り付けた際に、第2出力端子62の側面62Sと略平行に延出している。
延出部9713は、XY平面に平行な略四角形の平板状に形成されている。この延出部9713の一端は、中間部9712の他端に接続され、中間部9712に対して略垂直は第2方向Yに延出している。つまり、この延出部9713は、バスバー97を第2出力端子62に取り付けた際に、肩部62Cの上面62CTに略平行に延出している。この延出部9713には、肩部62Cに形成された孔62CHに連通する孔9713Hが形成されている。
電流リード972についても、電流リード971と実質的に同一形状であり、接続部9721、中間部9722、及び、延出部9723を一体的に有し、略Z字型に形成されている。以下、各部について簡単に説明する。
接続部9721は、XY平面に平行な略四角形の平板状に形成されている。この接続部9721には、第1支持枠21の開口21AHから突出したセル端子11の上段部112を挿入可能な略四角形状の開口9721Hが形成されている。セル端子11の上段部112及び開口9721Hは、第1方向Xに沿った一対の辺を有する四角形状であり、これらの第1方向Xに沿った各辺において上段部112と接続部9721とが溶接されるなどして、セル端子11と電流リード972とが電気的に接続される。
中間部9722は、XZ平面に平行な略四角形の平板状に形成されている。この中間部9722の一端は、接続部9721の一端に接続され、接続部9721に対して略垂直な第3方向Zに延出している。つまり、この中間部9722は、バスバー97を第2出力端子62に取り付けた際に、第2出力端子62の側面62Sと略平行に延出している。
延出部9723は、XY平面に平行な略四角形の平板状に形成されている。この延出部9723の一端は、中間部9722の他端に接続され、中間部9722に対して略垂直は第2方向Yに延出している。つまり、この延出部9723は、バスバー97を第2出力端子62に取り付けた際に、肩部62Dの上面62DTに略平行に延出している。この延出部9723には、肩部62Dに形成された孔62DHに連通する孔9723Hが形成されている。
連結部973は、XZ平面における断面形状が略U字型に形成され、電流リード971の接続部9711に接続されるとともに、電流リード972の接続部9721に接続されている。
バスバー97の延出部9713は、第2出力端子62の肩部62Cの上面62CTに載置され、孔62CHと孔9713Hとに挿入された図示しない締結部材により締結される。また、バスバー97の延出部9723は、第2出力端子62の肩部62Dの上面62DTに載置され、孔62DHと孔9723Hとに挿入された図示しない締結部材により締結される。このようにして、バスバー97と第2出力端子62とが締結されるとともに、両者が電気的に接続される。
なお、第1出力端子61は、第2出力端子62と略同一の形状である。また、バスバー94は、バスバー97と略同一の形状である。このため、バスバー94と第1出力端子61とについては、説明を省略するが、上述したバスバー97と第2出力端子62と同様の手法により電気的に接続されている。
次に、4連のバスバーの形状について説明する。ここでは、図3に示したバスバー96を例に説明する。
図12に示すように、バスバー96は、電池セル10(図3に示した例では電池セル10g)のセル端子11に電気的に接続される電流リード961と、隣接する電池セル10(図3に示した例では電池セル10h)のセル端子11に電気的に接続される電流リード962と、隣接する電池セル10(図3に示した例では電池セル10i)のセル端子11に電気的に接続される電流リード963と、隣接する電池セル10(図3に示した例では電池セル10j)のセル端子11に電気的に接続される電流リード964と、電流リード961と電流リード962とを連結する連結部965と、電流リード962と電流リード963とを連結する連結部966と、電流リード963と電流リード964とを連結する連結部967と、を有している。
電流リード961乃至964は、略同一形状である。バスバー96は、4つの電流リードを有していることから、本実施形態では「4連」と称している。このようなバスバー96においては、電流リード961乃至964、及び、連結部965乃至967は、いずれも導電性材料によって形成されている。
電流リード961は、XY平面に平行な略四角形の平板状に形成されている。この電流リード961には、第1支持枠21の開口21AHから突出したセル端子11を挿入可能な開口961Hが形成されている。特に、ここでは、この開口961Hは、図2に示したセル端子11の上段部112を挿入可能な略四角形状に形成されている。電流リード961の第3方向Zに沿った長さ(つまり板厚)は、上段部112の第3方向Zに沿った長さと略同等、あるいは、上段部112の第3方向Zに沿った長さの方が電流リード961の第3方向Zに沿った長さより長い。このため、開口961Hに挿入されたセル端子11は、その上段部112が露出する。セル端子11の上段部112及び開口961Hは、第1方向Xに沿った一対の辺を有する四角形状であり、これらの第1方向Xに沿った各辺において上段部112と電流リード961とが溶接されるなどして電気的に接続される。
電流リード962乃至964も同様に、XY平面に平行な略四角形の平板状に形成されている。また、これらの電流リード962乃至964の各々には、第1支持枠21の開口21AHから突出したセル端子11の上段部112を挿入可能な略四角形状の開口962H乃至964Hが形成されている。これらの開口962H乃至964Hは、第1方向Xに沿った一対の辺を有する四角形状であり、これらの第1方向Xに沿った各辺においてセル端子11の上段部112と電流リード962乃至964とが溶接されるなどして電気的に接続される。なお、電流リード962には、第2方向Yに延出した電圧取出端子968が形成されている。
次に、本実施形態で適用されるフレキシブル配線基板とその接続関係について説明する。
図13は、フレキシブル配線基板110A及び110Bとバスバー91乃至97との接続関係を模式的に示す図である。なお、この図13においては、バスバー91乃至97の構造については簡略化して図示している。
フレキシブル配線基板110Aは、バスバー91の電圧取出端子918、バスバー92の電圧取出端子928、及び、バスバー93の電圧取出端子938とそれぞれ配線W1乃至W3を介して接続されている。このフレキシブル配線基板110Aは、図3に示した第1支持枠21の上面21T、特に、リブ21Bの上に配置されている。このフレキシブル配線基板110Aは、リブ21Bに接着されていても良い。フレキシブル配線基板110Aに接続された引出配線WAは、図示を省略した上ケースに形成された開口45を通り、監視基板80に接続されている。
フレキシブル配線基板110Bは、バスバー94の電圧取出端子944、バスバー95の電圧取出端子958、バスバー96の電圧取出端子968、及び、バスバー97の電圧取出端子974とそれぞれ配線W4乃至W7を介して接続されている。このフレキシブル配線基板110Bは、図3に示した第1支持枠21の上面21T、特に、リブ21Cの上に配置されている。このフレキシブル配線基板110Bは、リブ21Cに接着されていても良い。フレキシブル配線基板110Bに接続された引出配線WBは、図示を省略した上ケースに形成された開口46を通り、監視基板80に接続されている。
次に、二次電池装置1のYZ平面における断面構造について説明する。
図14は、電池セル10cを含む二次電池装置1のYZ平面における断面構造を概略的に示す図である。なお、この図14においては、電池セル10cの内部構造については図示を省略している。
電池セル10cは、第1支持枠21の第1凹部211、第2支持枠22の第2凹部22Cに嵌め込まれることによって支持されているとともに、第3支持枠23の筒状部23Cに挿入されることによって支持されている。すなわち、電池セル10cの上面10Tは、第1支持枠21の中板部211Bの表面211Sに接しており、図示しない接着剤によって接着されている。溝211Gには、接着剤が充填されている場合もあるし、充填されていない場合もある。この電池セル10cは、向かい合う枠部211Fの間に位置している。つまり、電池セル10cの上面10Tに繋がる側面10Sの一部は、枠部211Fに向かい合っており、側面10Sと枠部211Fとが接着されている場合もある。このようにして、電池セル10cの上面10Tを含むセル上部10UPは、第1支持枠21によって支持されている。
電池セル10cの底面10Bは、第2支持枠22の底部22Bの表面22Sに接しており、図示しない接着剤によって接着されている。この電池セル10cは、向かい合う枠部22Fの間に位置している。つまり、電池セル10cの底面10Bに繋がる側面10Sの一部は、枠部22Fに向かい合っており、側面10Sと枠部22Fとが接着されている場合もある。このようにして、電池セル10cの底面10Bを含むセル下部10LWは、第2支持枠22によって支持されている。
この電池セル10cは、向かい合う側板23D及び23Eの間に位置している。つまり、電池セル10cの第3方向Zに沿った中間部10CNの側面10Sは、第3支持枠23の側板23D及び23Eに接している。側面10Sと第3支持枠23とは接着されていても良いし、接着されていなくても良い。
電池セル10cの上面10Tが第1支持枠21の中板部211Bの表面211Sに接した状態では、電池セル10cのセル端子11は以下のように中板部211Bに嵌め込まれている。すなわち、上面10Tから突出したセル端子11である負極端子11Nは、その下段部111が中板部211Bに形成された開口211HAに嵌め込まれ、負極端子11Nの上段部112が中板部211Bよりも図の上方つまりリブ21Bと側壁21Dとの間に形成された凹所21Eに向かって突出している。同様に、上面10Tから突出したセル端子11である正極端子11Pは、その下段部111が中板部211Bに形成された開口211HBに嵌め込まれ、正極端子11Pの上段部112が中板部211Bよりも図の上方つまりリブ21Cと側壁21Fとの間に形成された凹所21Gに向かって突出している。また、上面10Tにおいて、正極端子11Pと負極端子11Nとの間に形成されたラプチャ12は、中板部211Bに形成された開口21AHと向かい合っている。
バスバー91は、凹所21Eに嵌め込まれ、中板部211Bの上方に配置されている。中板部211Bよりも凹所21Eに突出した負極端子11Nの上段部112は、バスバー91の開口91Hに嵌め込まれている。バスバー91と負極端子11Nの上段部112とは、第1方向X(つまり、図面の法線方向)に延出した溶接位置WZで溶接されている。
バスバー95は、凹所21Gに嵌め込まれ、中板部211Bの上方に配置されている。中板部211Bよりも凹所21Gに突出した正極端子11Pの上段部112は、バスバー95の開口95Hに嵌め込まれている。バスバー95と正極端子11Pの上段部112とは、第1方向X(つまり、図面の法線方向)に延出した溶接位置WZで溶接されている。
リブ21Bとリブ21Cとの間に形成された凹所21Aにおける中板部211Bの上方には、シール材100が配置されている。このシール材100は、中板部211Bに形成された開口21AHを露出している。凹所21Aには、ガス排出管50の管状部51が嵌め込まれている。管状部51の底面51Bは、シール材100に接している。また、底面51Bに形成された開口51Hは、開口21AHと重なり、ラプチャ12に向かい合っている。管状部51の内部には、YZ平面に平行な断面が略四角形状の空洞56が形成されている。
外ケース30は、第1支持枠21に図示しない締結部材により締結されている。この外ケース30の底部35は、第2支持枠22の底部22Bと対向しており、両者が接している場合もある。底部35と底部22Bとが接している場合には、両者が接着されていても良いし、接着されていなくても良い。外ケース30の側壁31は、第1支持枠21の側壁21F及び枠部211F、第3支持枠23の側板23D、及び、第2支持枠22の枠部22Fに接している。外ケース30の側壁33は、第1支持枠21の側壁21D及び枠部211F、第3支持枠23の側板23E、及び、第2支持枠22の枠部22Fに接している。つまり、外ケース30の側壁31及び33と、電池セル10cの側面10Sとは、接しておらず、枠部211F、側板23D、及び、枠部22Fが介在していない部分については隙間が形成されている。
上ケース40は、第1支持枠21の上面21T、つまり、側壁21D及び21Fの上、及び、リブ21B及び21Cの上に配置されている。
次に、二次電池装置1のXZ平面における断面構造について説明する。
図15は、凹所21Gに配置されたバスバー94乃至97及び電池セル10a乃至10lを含む二次電池装置1のXZ平面における断面構造を概略的に示す図である。なお、この図15において、電池セル10cの内部構造については図示を省略しており、さらに、12個の電池セル10a乃至10lのうちの一部などの図示を省略している。
電池セル10a乃至10lの各々は、第1支持枠21の第1凹部211、第2支持枠22の第2凹部22Cに嵌め込まれることによって支持されているとともに、第3支持枠23の筒状部23Cに挿入されることによって支持されている。
すなわち、電池セル10aの上面10Tは、第1支持枠21の中板部211Bの表面211Sに接しており、図示しない接着剤によって接着されている。溝211Gには、接着剤が充填されている場合もあるし、充填されていない場合もある。電池セル10b乃至10lの各々についても同様である。この電池セル10aは、向かい合う枠部211Fと梁部211Mとの間に位置している。つまり、電池セル10aの上面10Tに繋がる側面10Sの一部は、枠部211F及び梁部211Mに向かい合っており、側面10Sと枠部211F及び梁部211Mとが接着されている場合もある。電池セル10b乃至10kの各々については、向かい合う梁部211Mの間に位置している。電池セル10lについては、向かい合う梁部211Mと枠部211Fとの間に位置している。
電池セル10aの底面10Bは、第2支持枠22の底部22Bの表面22Sに接しており、図示しない接着剤によって接着されている。電池セル10b乃至10lの各々についても同様である。この電池セル10aは、向かい合う枠部22F及び梁部22Mの間に位置している。つまり、電池セル10aの底面10Bに繋がる側面10Sの一部は、枠部22F及び梁部22Mに向かい合っており、側面10Sと枠部22F及び梁部22Mとが接着されている場合もある。電池セル10b乃至10kの各々については、向かい合う梁部22Mの間に位置している。電池セル10lについては、向かい合う梁部22M及び枠部22Fとの間に位置している。
電池セル10aは、向かい合うエンドプレート23Aと梁部23Mとの間に位置している。つまり、電池セル10aの側面10Sは、第3支持枠23のエンドプレート23A及び梁部23Mに接している。電池セル10b乃至10kの各々は、向かい合う梁部23Mの間に位置している。電池セル10lについては、向かい合うエンドプレート23Bと梁部23Mとの間に位置している。電池セル10a乃至10lの各々の側面10Sと第3支持枠23とは接着されていても良いし、接着されていなくても良い。
第3支持枠23については、図示したように、エンドプレート23Aの上面23ATが第1支持枠21の底部21bに接していても良いが、接していない場合もある。同様に、エンドプレート23Bの上面23BTが第1支持枠21の底部21bに接していても良いが、接していない場合もある。いずれにしても、このような第3支持枠23は、外ケース30と位置決めされた状態で、外ケース30と固定される。
なお、エンドプレート23A及びエンドプレート23Bと第2支持枠22とは離間している。つまり、エンドプレート23A及びエンドプレート23Bの第3方向Zに沿った長さは、第1支持枠21と第2支持枠22との第3方向Zに沿った間隔よりも短い。このため、第1支持枠21及び第2支持枠22に電池セル10を接着する際に、第2支持枠22が邪魔をすることはなく、第2支持枠22が介在することによる電池セル10と第1支持枠21との離間、あるいは、電池セル10と第2支持枠22との離間を防止することができる。
電池セル10aの上面10Tが第1支持枠21の中板部211Bの表面211Sに接した状態では、電池セル10aの負極端子11Nは以下のように中板部211Bに嵌め込まれている。すなわち、上面10Tから突出した負極端子11Nは、その下段部111が中板部211Bに形成された開口211HBに嵌め込まれ、負極端子11Nの上段部112が中板部211Bよりも図の上方つまり凹所21Gに向かって突出している。同様にして、電池セル10bの負極端子11Nは、その下段部111が中板部211Bに嵌め込まれ、その上段部112が凹所21Gに向かって突出している。バスバー94は、開口941H及び開口942Hを有している。中板部211Bよりも凹所21Gに突出した電池セル10aの負極端子11Nの上段部112は、バスバー94の開口941Hに嵌め込まれている。中板部211Bよりも凹所21Gに突出した電池セル10bの負極端子11Nの上段部112は、バスバー94の開口942Hに嵌め込まれている。
同様に、中板部211Bよりも凹所21Gに突出した電池セル10cの正極端子11Pの上段部112は、バスバー95の開口951Hに嵌め込まれている。中板部211Bよりも凹所21Gに突出した電池セル10dの正極端子11Pの上段部112は、バスバー95の開口952Hに嵌め込まれている。図示を省略したが、電池セル10e及び電池セル10fの負極端子11Nの上段部112も、バスバー95の開口に各々嵌め込まれている。
同様に、中板部211Bよりも凹所21Gに突出した電池セル10iの負極端子11Nの上段部112は、バスバー96の開口963Hに嵌め込まれている。中板部211Bよりも凹所21Gに突出した電池セル10jの負極端子11Nの上段部112は、バスバー96の開口964Hに嵌め込まれている。図示を省略したが、電池セル10g及び電池セル10hの正極端子11Pの上段部112も、バスバー96の開口に各々嵌め込まれている。
同様に、中板部211Bよりも凹所21Gに突出した電池セル10kの正極端子11Pの上段部112は、バスバー97の開口9711Hに嵌め込まれている。中板部211Bよりも凹所21Gに突出した電池セル10lの正極端子11Pの上段部112は、バスバー97の開口9721Hに嵌め込まれている。
なお、中板部211Bには、梁部211Mとは反対向き(図中の上向き)に突出した仕切り211Wが形成されている。バスバー94乃至97は、これらの仕切り211Wを跨いでいる。また、隣接するバスバーの間には、仕切り211Wよりも第1方向に広い区画部211Xが形成されている。図に示した例では、バスバー94とバスバー95との間、及び、バスバー96とバスバー97との間に、それぞれ区画部211Xが形成されている。
外ケース30は、第1支持枠21に図示しない締結部材により締結されている。この外ケース30の底部35は、第2支持枠22の底部22Bと対向しており、両者が接している場合もある。底部35と底部22Bとが接している場合には、両者が接着されていても良いし、接着されていなくても良い。外ケース30の側壁32は、第1支持枠21の側壁21F及び枠部211F、第3支持枠23のエンドプレート23A、及び、第2支持枠22の枠部22Fに接している。外ケース30の側壁34は、第1支持枠21の側壁21F及び枠部211F、第3支持枠22のエンドプレート23B、及び、第2支持枠22の枠部22Fに接している。
上ケース40は、第1支持枠21の上面21T、つまり、側壁21Fの上に配置されている。
このような構成においては、第1支持枠23の開口211HBから露出した電池セル10a乃至10lの各々のセル端子11は、第1方向Xに沿って一直線上に並んでいる。また、電池セル10a乃至10lの各々が第1支持枠21の第1凹部211に嵌め込まれ、電池セル10a乃至10lの各々の上面10Tが中板部211Bの表面211Sに接している。表面211SはXY平面と平行であるため、第1支持枠23の開口211HBから露出したセル端子11の第3方向の位置が揃っている。つまり、セル端子11の各々は、XY平面と平行な同一平面上に位置している。また、外ケース30の底部35は、XY平面と平行に形成されているため、セル端子11の各々は、底部35と平行な同一平面(つまり、XY平面と平行な同一平面)上に位置している。
次に、二次電池装置1のXZ平面における断面構造について説明する。
図16は、凹所21Aに配置されたガス排出管50及び電池セル10a乃至10lを含む二次電池装置1のXZ平面における断面構造を概略的に示す図である。なお、この図16において、電池セル10cの内部構造については図示を省略しており、さらに、12個の電池セル10a乃至10lのうちの一部や、上ケース40の上方に形成された突出部や監視基板、基板カバーなどの図示を省略している。
図15に示した例と同様に、電池セル10a乃至10lの各々は、第1支持枠21の第1凹部211、第2支持枠22の第2凹部22Cに嵌め込まれることによって支持されているとともに、第3支持枠23の筒状部23Cに挿入されることによって支持されている。これらの支持構造の詳細については、説明を省略する。
電池セル10aの上面10Tが第1支持枠21の中板部211Bの表面211Sに接した状態では、電池セル10aのラプチャ12は、中板部211Bに形成された開口21AHと向かい合っている。凹所21Aにおける中板部211Bの上方には、開口21AHを露出するシール材100が配置されている。ガス排出管50は、凹所21Aに配置されている。ガス排出管50の管状部51は、シール材100の上に配置されている。管状部51の底面51Bは、シール材100に接している。管状部51の底面51Bに形成された開口51Hは、開口21AHと重なり、ラプチャ12に向かい合っている。他の電池セル10b乃至10lについても同様に、各々のラプチャ12は、開口21AHを介して開口51Hと向かい合っている。
管状部51の内部には、第1方向Xに沿って延出した空洞56が形成されている。この空洞56は、各開口51Hと連通している。管状部51の一端側に取り付けられたパイプ50Pは、空洞56に連通し、外ケース30の側壁32に形成された切欠部32Aに向かって第1方向Xに延出している。また、管状部51の他端側に取り付けられたパイプ50Pも同様に、空洞56に連通し、外ケース30の側壁34に形成された切欠部34Aに向かって第1方向Xに延出している。固定板52乃至55は、管状部51と上ケース40との間に配置されている。これらの固定板52乃至55は、管状部51に固定されている。なお、これらの固定板52乃至55は、上ケース40と接していても良いし、接していなくても良い。
このような構成により、電池セル10のラプチャ12が破裂し、電池セル10の内部から噴出した気体(あるいは液体を含む場合もある)は、ガス排出管50の開口51Hから管状部51の内部の空洞56を通り、パイプ50Pから外部に排出可能となる。このとき、ラプチャ12の周囲の電池セル10の上面と中板部211Bの表面211Sとが接着されているため、噴出した液体や気体が電池セル10のセル端子11や電池セル10の周囲に到達することはない。また、比較的弾性を有する部材によって形成されたシール材100が中板部211Bと管状部51との間に介在し、管状部51がシール材100に向けて押圧された状態でガス排出管50が第1支持枠21に固定されているため、管状部51がシール材100に密着し、ラプチャ12から噴出した液体や気体が第1支持枠21の凹所21Aに漏れ出すこともない。
本実施形態においては、複数の電池セル10の各々について、上面10Tを含むセル上部10UPは第1支持枠21によって支持されるとともに、底面10Bを含むセル下部10LWは第2支持枠22によって支持されている。これらのセル上部10UP及びセル下部10LWは、電池セル10において比較的変形の小さい箇所であり、各々第1支持枠21及び第2支持枠22によって安定的に支持される。
また、複数の電池セル10の各々について、中間部10CNは、第3支持枠23によって支持されている。つまり、隣接する電池セル10の間にも第3支持枠23が介在している。このように、電池セル10において比較的変形しやすい、特に膨らむ方向(例えば第1方向X)に変形しやすい中間部10CNが第3支持枠23によって支持されている。
このため、例えば、電池セル10cが膨らむ方向に応力を発生したとしても、電池セル10cに隣接する電池セル10bとの間、及び、電池セル10cに隣接する電池セル10dとの間に第3支持枠23の梁部23Mが介在しているため、電池セル10cを挟む梁部23Mに力が作用するが、一方の梁部23Mは隣接する電池セル10bとも接触しており、他方の梁部23Mは隣接する電池セル10dとも接触しているため、電池セル10b及び電池セル10dが支えとなり、電池セル10cの変形を抑制することができる。
また、電池セル10が膨らむ応力により、隣接する他の電池セル10との隙間を広げようとする力が作用するが、セル上部10UPは第1支持枠21で支持され、セル下部10LWは第2支持枠22で支持され、さらに、中間部10CNは第3支持枠23によって囲まれているため、電池セル10の間の隙間の増加が抑制できる。つまり、直方体状に形成された電池セル10において、比較的膨らみやすい面は、YZ平面と平行な側面10Sであるが、この側面10Sが膨らむ方向つまりその法線方向となる第1方向Xに沿って複数の電池セル10が配列され、第1乃至第3支持枠21乃至23、及び、隣接する電池セル10同士の作用により、電池セル10の膨らみが抑制され、しかも、配列された複数の電池セル10の間に形成される隙間の幅の変化を抑制できる。
このように、大規模な電池セル10を緊縛する構成としなくても、経時変化による電池セル10の変形を抑制することができる。また、電池セル10の膨らみあるいは変形に起因した電池としての性能の変化を抑制することができる。さらに、電池セル10の膨らみを抑制することにより、電池セル10の間に適度な隙間を確保することができ、外ケース30に形成されたスリットSLを介して空気などの冷却媒体が二次電池装置1の内部に流れ込み、電池セル10を側面10Sから冷却することが可能となる。
また、本実施形態の二次電池装置は、略直方体の外形であり、凹凸が少ないため、コンパクトであり、しかも、変形が少ないため、車載用などに適用される際に車内の後部や床下などの限られたスペースに容易に設置することが可能となる。
次に、上述した二次電池装置1の製造方法について、上記説明で利用した図面を参照しながら説明する。
まず、図2などに示したように、セル端子11が設けられた上面10T、上面10Tに対向する底面10B、及び、上面10Tと底面10Bとを繋ぐ側面10Sを有する電池セル10を12個用意する。また、一方で、図9などに示したように、電池セル10を支持するための12箇所の第1凹部211や、第1方向Xに並んだ12箇所の開口21AH、第1方向Xに沿って並んだ12箇所の開口211HA、第1方向Xに沿って並んだ12箇所の開口211HBなどが形成された第1支持枠21を用意する。また、図3などに示したように、電池セル10を支持するための12箇所の第2凹部22Cなどが形成された第2支持枠22、電池セル10の側面10Sを支持する筒状部23Cなどが形成された第3支持枠23を用意する。
続いて、第1支持枠21を、上面21Tを上に向けて平坦な作業テーブルに載置し、図4などに示したように、第1出力端子61、及び、第2出力端子62を取り付ける。さらに、第1支持枠21の凹所21Aには、開口21AHを塞がないようにシール材100を配置した後、ガス排出管50を取り付ける。このとき、管状部51が凹所21Aに嵌め込まれるとともに、固定板52乃至55の各々がリブ21Bに形成された凹部21BC及びリブ21Cに形成された凹部21CCに嵌め込まれる。そして、ガス排出管50を凹所21Aに向けて押圧しながら、固定板52乃至55に形成された孔50Hとリブ21Bの孔21BHとにそれぞれ締結部材を挿入して締結するとともに、固定板52乃至55に形成された孔50Hとリブ21Cの孔21CHとにそれぞれ締結部材を挿入して締結する。これにより、ガス排出管50は、第1支持枠21に固定される。
続いて、図9などに示したように、第1支持枠21を、底部21bを上に向けて平坦な作業テーブルに載置する。そして、第1凹部211の各々に接着剤を塗布する。このとき、接着剤は、中板部211Bの表面211Sに塗布される。そして、電池セル10a乃至10lの各々の上面10Tを第1凹部211に向け、それぞれ第1凹部211に嵌め込む。これにより、電池セル10の上面10Tが第1凹部211の少なくとも中板部211Bの表面211Sに接着される。このとき、各電池セル10のラプチャ12が中板部211Bに形成された開口21AHと向かい合う。また、各電池セル10のセル端子11は、中板部211Bに形成された開口211HAまたは開口211HBに嵌め込まれている。セル端子11のうち、少なくとも上段部112は、第1支持枠21の凹所21Eまたは凹所21Gに向かって突出している。
続いて、第1支持枠21に接着された電池セル10a乃至10lの各々を囲むように第3支持枠23を挿入する。つまり、第3支持枠23の筒状部23Cの各々が電池セル10a乃至10lの底面10B側から挿入され、電池セル10a乃至10lの各々の側面10Sが第3支持枠23によって囲まれる。挿入された第3支持枠23のエンドプレート23Aの上面23AT及びエンドプレート23Bの上面23BTは、それぞれ第1支持枠21の底部21bと接触している。
続いて、第2支持枠22の第2凹部22Cの各々に接着剤を塗布する。このとき、接着剤は、底部22Bに塗布される。そして、第2支持枠22の第2凹部22Cを、第3支持枠23が挿入された電池セル10a乃至10lの各々の底面10Bに向け、第2凹部22Cの各々に電池セル10a乃至10lの各々の底面10Bを嵌め込む。これにより、電池セル10の底面10Bが第2凹部22Cの少なくとも底部22Bに接着される。
続いて、外ケース30を、電池セル10a乃至10lに接着された第2支持枠22に向け、外ケース30の底部35と第2支持枠22の底部22Bとが対向し、しかも、外ケース30の側壁31乃至34が第1乃至第3支持枠21乃至23を囲むように取り付ける。このとき、底部22Bと底部35との間に接着剤を塗布して両者を接着しても良い。そして、側壁31乃至34と第1支持枠21とを締結部材により締結する。具体的には、図1に示した例のように、側壁31と第1支持枠21とは、5箇所で締結部材S1により締結される。側壁33と第1支持枠21とについても同様に締結される。また、側壁32と第1支持枠21とは、2箇所で締結部材S2により締結される。側壁34と第1支持枠21とについても同様に締結される。また、このとき、第3支持枠23と側壁32及び側壁34とも締結部材により締結される。具体的には、図1に示した例のように、側壁32と第1支持枠21とは、2箇所で締結部材S3により締結される。側壁34と第1支持枠21とについても同様に締結される。なお、この時点では、第1支持枠21と電池セル10とを接着する接着剤、及び、第2支持枠22と電池セル10とを接着する接着剤とは、完全に硬化しておらず、その後、所定時間をおいて接着剤を完全に硬化させる。
続いて、再び、第1支持枠21の上面21Tを上に向けて、外ケース30を平坦な作業テーブルに載置する。そして、図4などに示したように、第1支持枠21の凹所21Eにバスバー91乃至93を取り付ける。また、第1支持枠21の凹所21Gには、バスバー94乃至97を取り付ける。このとき、バスバー91乃至97の各々は、第1支持枠21の開口211HAまたは開口211HBから露出し凹所21Eまたは凹所21Gに向かって突出した電池セル10a乃至10lの各々のセル端子11に嵌め込まれる。
具体的には、図17に示すように、バスバー91の開口911Hには、電池セル10aの正極端子11Pが嵌め込まれる。バスバー91の開口912Hには、電池セル10bの正極端子11Pが嵌め込まれる。バスバー91の開口913Hには、電池セル10cの負極端子11Nが嵌め込まれる。バスバー91の開口914Hには、電池セル10dの負極端子11Nが嵌め込まれる。バスバー92の開口921Hには、電池セル10eの正極端子11Pが嵌め込まれる。バスバー92の開口922Hには、電池セル10fの正極端子11Pが嵌め込まれる。バスバー92の開口923Hには、電池セル10gの負極端子11Nが嵌め込まれる。バスバー92の開口924Hには、電池セル10hの負極端子11Nが嵌め込まれる。バスバー93の開口931Hには、電池セル10iの正極端子11Pが嵌め込まれる。バスバー93の開口932Hには、電池セル10jの正極端子11Pが嵌め込まれる。バスバー93の開口933Hには、電池セル10kの負極端子11Nが嵌め込まれる。バスバー93の開口934Hには、電池セル10lの負極端子11Nが嵌め込まれる。バスバー94の開口941Hには、電池セル10aの負極端子11Nが嵌め込まれる。バスバー94の開口942Hには、電池セル10bの負極端子11Nが嵌め込まれる。バスバー95の開口951Hには、電池セル10cの正極端子11Pが嵌め込まれる。バスバー95の開口952Hには、電池セル10dの正極端子11Pが嵌め込まれる。バスバー95の開口953Hには、電池セル10eの負極端子11Nが嵌め込まれる。バスバー95の開口954Hには、電池セル10fの負極端子11Nが嵌め込まれる。バスバー96の開口961Hには、電池セル10gの正極端子11Pが嵌め込まれる。バスバー96の開口962Hには、電池セル10hの正極端子11Pが嵌め込まれる。バスバー96の開口963Hには、電池セル10iの負極端子11Nが嵌め込まれる。バスバー96の開口964Hには、電池セル10jの負極端子11Nが嵌め込まれる。バスバー97の開口9711Hには、電池セル10kの正極端子11Pが嵌め込まれる。バスバー97の開口9721Hには、電池セル10lの正極端子11Pが嵌め込まれる。なお、この図17では、バスバー91乃至97やセル端子11については、簡略化して図示している。バスバー91乃至93とフレキシブル配線基板110Aとの接続、及び、バスバー94乃至97とフレキシブル配線基板110Bとの接続については、バスバー91乃至97を第1支持枠21に取り付ける前に予め行われていても良いし、バスバー91乃至97を第1支持枠21に取り付けた後に半田付けにより行っても良い。バスバー91乃至93と接続されたフレキシブル配線基板110Aは、第1支持枠21のリブ21Bに貼り付けられる。また、バスバー94乃至97と接続されたフレキシブル配線基板110Bは、第1支持枠21のリブ21Cに貼り付けられる。
続いて、ここまでの工程で組み立てたユニットをレーザ溶接装置のステージ上に載置する。このとき、第1支持枠21の上面21Tを上に向けて、外ケース30の底部35をステージの上に載置する。このステージを、上述したXY平面と平行な基準面とすると、底部35と平行な中板部211Bの表面211Sを基準に上面10Tが位置決めされた電池セル10については、各セル端子11のステージからの高さつまり第3方向Zの距離が揃っている。すなわち、図15などに示したように、電池セル10a乃至10lの各々のセル端子11は、XY平面と平行な同一平面上に位置している。
このような状態において、レーザ光は、電池セル10a乃至10lの略直上から照射される。電池セル10a乃至10lが第1方向Xに並んだ系では、レーザ光は、バスバー91乃至97とセル端子11との境界付近を中心としたスポット径SPを形成し、第1方向Xに走査される。より具体的には、第1方向Xに平行なラインL1に沿ってレーザ光が走査される。このとき、レーザ光は、バスバー91乃至93とセル端子11との境界が存在する領域に照射され、第1方向Xに沿ったセル端子間つまりバスバー91乃至93とセル端子11との境界が存在しない領域には照射されない。レーザ光は、電池セル10aのセル端子11Pから電池セル10lのセル端子11NまでラインL1に沿って走査された後、ラインL1に平行なラインL2、ラインL3、及び、ラインL4に沿って同様に走査される。なお、レーザ光は、ラインL1乃至L4を同時に走査されても良い。これにより、第1方向Xに沿った境界を中心としてバスバー91乃至97とセル端子11とが溶接される。つまり、セル端子11の全周がバスバーと溶接されるわけではなく、第1方向Xに沿ったバスバーとの境界のみが溶接されている。
このような溶接手法によれば、セル端子11が一方向つまり第1方向Xに直線上に並び、しかも、基準面からの第3方向Zの距離が揃っているため、バスバー91乃至97及びセル端子11の境界に対してレーザ光を第3方向Zから照射する際に、レーザ光のスポット径SPを一定にした状態で、セル端子11が並んだ第1方向Xと平行な一方向に走査することによって複数のセル端子11の溶接が可能となる。このため、スポット径SPの調整や、第2方向Yへのズレに対する調整が不要となる。したがって、セル端子11とバスバー91乃至97との溶接を高速化することができ、組立作業を容易にできる。また、セル端子11とバスバー91乃至97との溶接の高精度化が可能となり、信頼性を向上することができる。
また、レーザ溶接装置が画像認識装置を搭載し、セル端子11及びバスバー91乃至97の状態を撮像しながらレーザ溶接を行うシステムにおいては、バスバー91乃至97の第3方向Zへのズレが認識された場合には、セル端子11の第3方向Zへのズレは考慮しなくても良いため、その原因がバスバーのセル端子からの離間であることが直ちに把握できる。
続いて、レーザ溶接が完了したユニットの第1支持枠21の上面21Tに、上ケース40を載置する。このとき、第1出力端子61は第1開口41から露出し、また、第2出力端子62は第2開口42から露出する。そして、上ケース40の開口45からフレキシブル配線基板110Aの引出配線WAを引き出し、監視基板80に接続する。同様に、上ケース40の開口46からフレキシブル配線基板110Bの引出配線WBを引き出し、監視基板80に接続する。監視基板80は、締結部材により上ケース40に形成された脚部44に締結される。
続いて、上ケース40を第1支持枠21に締結する。具体的には、図1に示した例のように、上ケース40と第1支持枠21とは、8箇所で締結部材S4により締結される。その後、基板カバー70を上ケース40に形成された突出部43に締結する。具体的には、図1に示した例のように、基板カバー70と突出部43とは、8箇所で締結部材S5により締結される。
以上のような工程により、二次電池装置1が製造される。
なお、ガス排出管50の第1支持枠21への取り付けは、バスバー91乃至97のレーザ溶接工程よりも前のタイミングであればいつでも良い。すなわち、ガス排出管50は金属によって形成されているため、レーザ溶接後のバスバー91乃至97の少なくとも1つとガス排出管50の一部とが接触すると、ショートして電池セル10などへダメージを与えるおそれがある。このため、ガス排出管50は、レーザ溶接工程よりも前に取り付けることが望ましい。
次に、本実施形態の他の構成例について説明する。なお、上記の構成例と同一構成については同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
図18は、電池セル10a乃至10lを含む他の二次電池装置1のXZ平面における断面構造を概略的に示す図である。なお、この図18においては、第1支持枠や上ケース、バスバーなどの図示を省略しており、さらに、12個の電池セル10a乃至10lのうちの一部などの図示を省略している。
第3支持枠23は、上記の通り、一対のエンドプレート23A及び23Bと、第1方向Xに並んだ12個の電池セル10a乃至10lの間にそれぞれ介在する梁部23Mと、を有している。
エンドプレート23Aは、上面23ATと、上面23ATとは反対側で第2支持枠22の枠部22Fに接する下面23ABと、電池セル10aの側面10Sを支持する内面23AIと、内面23AIとは反対側で外ケース30の側壁32に接する外面23AOと、を有している。上面23ATと内面23AIとの間、及び、下面23ABと内面23AIとの間には、それぞれ面取りされた面取り部23ACが形成されている。
エンドプレート23Bは、上面23BTと、上面23BTとは反対側で第2支持枠22の枠部22Fに接する下面23BBと、電池セル10lの側面10Sを支持する内面23BIと、内面23BIとは反対側で外ケース30の側壁34に接する外面23BOと、を有している。上面23BTと内面23BIとの間、及び、下面23BBと内面23BIとの間には、それぞれ面取りされた面取り部23BCが形成されている。
エンドプレート23Aの下面23AB及びエンドプレート23Bの下面23BBは、枠部22Fに接着されるなどして繋がっている。なお、第2支持枠22と第3支持枠23とが一体的に形成されていても良い。
梁部23Mのそれぞれは、一対のエンドプレート23A及び23Bの間で略等間隔に配置されている。梁部23Mのそれぞれは、第2支持枠22に向かって次第に板厚が薄くなる楔形状である。ここでの板厚とは、第1方向Xに沿った梁部23Mの厚さに相当する。一対のエンドプレート23A及び23Bの板厚は、梁部23Mの板厚よりも厚い。
また、梁部23Mのそれぞれは、図示しない第1支持枠の側に上端部23MTと、第2支持枠22の側に下端部23MBとを有している。図示した例では、電池セル10のすべてが膨らんでいない状態であり、各電池セル10の側面10Sは、梁部23Mの上端部23MT付近に接触しているものの、梁部23Mの下端部23MB付近には接触していない。
このような構成例においても、上記の通り、電池セル10の各々は、図示しない第1支持枠、第2支持枠22、及び、第3支持枠23によって支持されている。隣接する電池セル10の間には、第3支持枠23の梁部23Mが介在している。このため、例えいずれかの電池セル10がその厚さ方向に膨らむ応力を発生したとしても、当該電池セル10を挟む一対の梁部23Mに力が作用するが、これらの梁部23Mは隣接する他の電池セル10とも接触しているため、当該電池セル10に隣接する他の電池セル10が支えとなって、当該電池セル10の変形を抑制することができる。
また、電池セル10が膨らむ応力により、隣接する他の電池セル10との隙間を広げようとする力が作用するが、各電池セル10が第1乃至第3支持枠によって支持されているため、電池セル10の間の隙間の増加を抑制することができる。
図19は、図18に示した第3支持枠23の梁部23Mの1つを拡大した図である。ここでは、電池セル10cと電池セル10dとの間の梁部23Mを図示している。
梁部23Mは、その上端部23MT及び下端部23MBのそれぞれに面取りされた面取り部23MCを有している。図中の左側は電池セル10c及び10dが膨らむ前の状態を示している。この状態では、電池セル10cの側面10S及び電池セル10dの側面10Sは、それぞれ梁部23Mの上端部23MTに接している。図中の右側は電池セル10c及び10dが膨らんだ状態を示している。この状態では、電池セル10cの側面10S及び電池セル10dの側面10Sは、それぞれ梁部23Mの形状に沿うように接している。つまり、側面10Sは、上端部23MTから下端部23MB付近に亘って接している。
このように、経年変化などで電池セル10c及び10dがそれぞれの厚さ方向に膨らんだ場合には、それぞれの電池セルの側面10Sが梁部23Mに沿うように変形する。このとき、梁部23Mが下向きつまり第2支持枠22に向かって細くなった楔形状であるため、各電池セル10c及び10d自体には図中の矢印で示すような下向きの力が発生する。梁部23Mを有する第3支持枠23は、第2支持枠22と繋がっているため、各電池セル10c及び10dは、第2支持枠22に向かって押し付けられ、第2支持枠22によって確実に支持される。
また、膨らんだ電池セル10の上向きつまり第1支持枠21に向かう移動が規制されるため、電池セル同士を電気的に接続するバスバーに不所望な力が作用することを抑制することができる。これにより、バスバーの損傷、バスバーと接続されたセル端子11の損傷、さらには、バスバーのセル端子11からの離脱といった不具合の発生を抑制することができる。
また、各電池セル10の側面10Sに接する梁部23Mの上端部23MT及び下端部23MBは、面取りされている。このため、特に、電池セル10が厚さ方向に膨らんだ際に、側面10Sへの局所的な応力の集中を緩和することができる。これにより、電池セル10の損傷を抑制することができる。
また、第3支持枠23を構成する一対のエンドプレート23A及び23Bは、第3支持枠23の他の部分、例えば梁部23Mの板厚よりも厚い板厚を有している。このため、第3支持枠23の強度を増すことができ、特に、電池セル10が膨らんだ際の電池セル10の厚さ方向の変形を抑制することができる。
図20は、電池セル10a乃至10lを含む他の二次電池装置1におけるXZ平面の一部断面を含む分解斜視図である。なお、この図20においては、第1支持枠や上ケース、バスバーなどの図示を省略している。図20に示した構成例は、図18に示した構成例と比較して、一対のエンドプレート23A及び23Bのそれぞれが凹部CCA及びCCBを有し、しかも、外ケース30がエンドプレート23A及び23Bのそれぞれの凹部CCA及びCCBに係合する形状の凸部CVA及びCVBを有する点で相違している。
より具体的には、エンドプレート23Aについて、内面23AIは略平坦面である一方で、外面23AOは、傾斜した凹部CCAを有している。この凹部CCAは、エンドプレート23Aの下面23ABと上面23ATとの間の略中央部分に形成されている。このような凹部CCAは、上方に向かうにしたがって次第に大きく凹んだ形状である。つまり、凹部CCAは、傾斜面SLAを含んでいる。エンドプレート23Aの板厚に着目すると、凹部CCAが形成された中央部分は、下面23AB側から上面23AT側に向かうにしたがって次第に板厚が薄くなる楔形状である。
エンドプレート23Bについて、内面23BIは略平坦面である一方で、外面23BOは、傾斜した凹部CCBを有している。この凹部CCBは、エンドプレート23Bの下面23BBと上面23BTとの間の略中央部分に形成されている。このような凹部CCBは、上方に向かうにしたがって次第に大きく凹んだ形状である。つまり、凹部CCBは、傾斜面SLBを含んでいる。エンドプレート23Bの板厚に着目すると、凹部CCBが形成された中央部分は、下面23BB側から上面23BT側に向かうにしたがって次第に板厚が薄くなる楔形状である。
外ケース30は、エンドプレート23Aに接する側壁32、及び、エンドプレート23Bに接する側壁34を有している。側壁32は、外ケース30の内側に向かって突出した凸部CVAを有している。この凸部CVAは、側壁32がエンドプレート23Aに接した際に、エンドプレート23Aに向かって突出しており、凹部CCAに係合する形状に形成されている。つまり、この凸部CVAは、上方に向かうに従って次第に大きくエンドプレート23Aに向かって突出した形状であり、傾斜面SLAに接している。側壁34は、外ケース30の内側に向かって突出した凸部CVBを有している。この凸部CVBは、側壁34がエンドプレート23Bに接した際に、エンドプレート23Bに向かって突出しており、凹部CCBに係合する形状に形成されている。つまり、この凸部CVBは、上方に向かうに従って次第に大きくエンドプレート23Bに向かって突出した形状であり、傾斜面SLBに接している。
図21は、図20に示した二次電池装置1のXZ平面における断面構造を概略的に示す図である。なお、この図21においては、第1支持枠や上ケース、バスバーなどの図示を省略しており、さらに、12個の電池セル10a乃至10lのうちの一部などの図示を省略している。
エンドプレート23Aの内面23AIは、電池セル10aの側面10Sに接している。エンドプレート23Aの外面23AOは、外ケース30の側壁32に接しており、凹部CCAの傾斜面SLAも側壁32に形成された凸部CVAに接している。エンドプレート23Bの内面23BIは、電池セル10lの側面10Sに接している。エンドプレート23Bの外面23BOは、外ケース30の側壁34に接しており、凹部CCBの傾斜面SLBも側壁34に形成された凸部CVBに接している。
なお、梁部23Mの形状については、図18を参照しながら説明した構成例と同一である。
このような構成によれば、上記の構成例で説明した効果に加えて、第3支持枠23のエンドプレート23A及び23Bにそれぞれ形成された凹部CCA及びCCBと、外ケース30の側壁32及び34にそれぞれ形成された凸部CVA及びCVBとが係合するため、電池セル10の各々を強固に固定することができる。また、電池セル10が膨らんだ際には、外ケース30の凸部CVA及びCVBによって、一対のエンドプレート23A及び23Bを挟む方向に力が作用するとともに、各電池セル10を第2支持枠22に向けて押し付ける方向に力が作用するため、電池セル10の各々を第2支持枠22でより確実に支持することができる。
図22は、電池セル10a乃至10l及び第3支持枠23を含む他の二次電池装置1の分解斜視図である。なお、この図22においては、第1支持枠や第2支持枠、上ケース、バスバーなどの図示を省略している。図22に示した構成例は、図18に示した構成例と比較して、一対の側板23D及び23Eのそれぞれがアーチ形状で相違している。
これらの側板23D及び23Eは、一対のエンドプレート23A及び23Bに繋がっているとともに、梁部23Mのそれぞれと繋がっている。また、これらの側板23D及び23Eの第3方向Zに沿った長さ(高さ)は、一対のエンドプレート23A及び23Bと繋がっている部分で最大であり、エンドプレート23Aとエンドプレート23Bとの間の中間位置に向かうに従って次第に小さくなる。このような形状の側板23D及び23Eを含む第3支持枠23によれば、支持強度を確保しながら、軽量化を達成できる。また、側板23D及び23Eの高さが滑らかに変化する形状であることから、応力を分散することができ、振動や衝撃に対しても強度を確保できる。
以上説明したように、本実施形態によれば、車両などに搭載しやすい組電池を提供することが可能となる。
なお、この発明は、上記実施形態そのものに限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
例えば、図2に示した電池セル10においては、正極端子11P及び負極端子11Nは、上面10Tから突出していたが、必ずしも上面10Tから突出してなくてもよく、上面10Tと同一平面上に形成されていても良い。
また、二次電池装置1が12個の電池セル10を備えた構成について説明したが、二次電池装置1に備えられる電池セル10の個数は、この例に限らない。