WO2023199781A1

WO2023199781A1 - 蓄電装置

Info

Publication number: WO2023199781A1
Application number: PCT/JP2023/013837
Authority: WO
Inventors: 謙志河手; 延言柴田; 彬和田; 隼輔奥田
Original assignee: 株式会社Ｇｓユアサ
Priority date: 2022-04-13
Filing date: 2023-04-03
Publication date: 2023-10-19

Abstract

第一方向に並ぶ複数の蓄電素子を有する蓄電ユニットと、蓄電ユニットを保持する保持部材と、蓄電ユニット及び保持部材が収容される外装体と、を備える蓄電装置であって、蓄電ユニットと保持部材とを接着または溶着により接合する第一接合部と、保持部材と外装体とを接着または溶着により接合する第二接合部と、を備える。

Description

蓄電装置

　本発明は、蓄電装置に関する。

　特許文献１には、電池セルと電池セルが固定されるトレイからなる電池ユニットが複数積層され、複数のトレイは通しボルト及びナットによって固定された蓄電装置が開示されている。

特開２０１６－１２２６３３号公報

　上記従来の蓄電装置のように、複数の蓄電素子を備える構成では、耐振動性または耐衝撃性を確保するために、トレイどうしをボルト及びナット等の固定部材で固定している。しかしながら、上記のような構成の蓄電装置では、固定部材、及び、固定部材を取り付けるための取り付け部を設ける必要があるため、蓄電装置全体に占める蓄電素子の体積占有率が小さくなり、蓄電装置の体積あたりの電気容量が小さくなるおそれがある。また、固定部材及び取り付け部を設けると、蓄電装置の質量が増加するため、振動または衝撃時の発生荷重も増加し、耐振動性または耐衝撃性が悪化するおそれもある。

　本発明は、本願発明者が上記課題に新たに着目してなされたものであり、耐振動性または耐衝撃性を確保しつつ、電気容量が小さくなることを抑制できる蓄電装置を提供することを目的とする。

　本発明の一態様に係る蓄電装置は、第一方向に並ぶ複数の蓄電素子を有する蓄電ユニットと、前記蓄電ユニットを保持する保持部材と、前記蓄電ユニット及び前記保持部材が収容される外装体と、を備える蓄電装置であって、前記蓄電ユニットと前記保持部材とを接着または溶着により接合する第一接合部と、前記保持部材と前記外装体とを接着または溶着により接合する第二接合部と、を備えている。

　本発明によれば、耐振動性または耐衝撃性を確保しつつ、電気容量が小さくなることを抑制できる蓄電装置を提供できる。

図１は、実施の形態に係る蓄電装置の外観を示す斜視図である。図２は、実施の形態に係る蓄電装置を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。図３は、実施の形態に係る蓄電ユニット及び保持部材を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。図４は、実施の形態に係る外装体内に蓄電ユニット、保持部材及び接合部が配置された構成を示す断面図である。

（１）本発明の一態様に係る蓄電装置は、第一方向に並ぶ複数の蓄電素子を有する蓄電ユニットと、前記蓄電ユニットを保持する保持部材と、前記蓄電ユニット及び前記保持部材が収容される外装体と、を備える蓄電装置であって、前記蓄電ユニットと前記保持部材とを接着または溶着により接合する第一接合部と、前記保持部材と前記外装体とを接着または溶着により接合する第二接合部と、を備えている。

　本発明の一態様に係る蓄電装置によれば、蓄電ユニットと保持部材とを接着または溶着により接合し、かつ、保持部材と外装体とを接着または溶着により接合する。これにより、ボルト及びナット等の固定部材、及び、当該固定部材を取り付けるための取り付け部を設けて接合するよりも、蓄電装置を軽量化できる。蓄電装置を軽量化できれば、振動または衝撃時の発生荷重を減少できるため、耐振動性または耐衝撃性を確保できる。さらに、固定部材及び取り付け部を設けるよりも省スペース化できるため、蓄電装置全体に占める蓄電素子の体積占有率が小さくなることを抑制でき、蓄電装置の体積あたりの電気容量が小さくなるのを抑制できる。この結果、蓄電装置の耐振動性または耐衝撃性を確保しつつ、電気容量が小さくなることを抑制できる。

　（２）上記（１）に記載の蓄電装置において、前記保持部材は、複数の前記保持部材を有し、前記蓄電ユニットと複数の前記保持部材とを接着または溶着により接合する複数の前記第一接合部を備える、としてもよい。

　上記（２）に記載の蓄電装置によれば、蓄電ユニットと複数の保持部材とを接着または溶着により接合することで、複数の保持部材において、蓄電装置を軽量化及び省スペース化できる。この結果、さらに確実に蓄電装置の耐振動性または耐衝撃性を確保しつつ、電気容量が小さくなることをさらに抑制できる。

　（３）上記（１）または（２）に記載の蓄電装置において、前記蓄電ユニットは、第一蓄電素子と、前記第一蓄電素子の前記第一方向の一方に配置される第二蓄電素子と、を含み、前記第一蓄電素子と前記第二蓄電素子とを、接着または溶着により接合する第三接合部を有する、としてもよい。

　上記（３）に記載の蓄電装置によれば、第一蓄電素子と第二蓄電素子とを接着または溶着により接合することで、第一蓄電素子と第二蓄電素子とをより強固に固定できる。この結果、さらに確実に蓄電装置の耐振動性または耐衝撃性を確保しつつ、電気容量が小さくなることをさらに抑制できる。

　（４）上記（１）から（３）のいずれかひとつに記載の蓄電装置において、前記保持部材は、前記第一方向において前記蓄電ユニットと対向する第一保持部を有し、前記第一接合部は、前記蓄電ユニットと前記第一保持部とを接合する、としてもよい。

　上記（４）に記載の蓄電装置によれば、保持部材が、第一方向において蓄電ユニットと接合されることで、蓄電素子が第一方向に膨張するのを抑制できる。この結果、さらに確実に蓄電装置の耐振動性または耐衝撃性を確保しつつ、電気容量が小さくなることをさらに抑制できる。

　（５）上記（１）から（４）のいずれかひとつに記載の蓄電装置において、前記外装体は、外装体本体及び外装体蓋体を有し、前記保持部材は、前記外装体本体及び前記外装体蓋体の少なくとも一方と対向する第二保持部を有し、前記第二接合部は、前記外装体本体及び前記外装体蓋体の少なくとも一方と前記第二保持部とを接合する、としてもよい。

　上記（５）に記載の蓄電装置によれば、第二保持部は、外装体本体及び外装体蓋体の少なくとも一方と対向するため、外装体と保持部材との接合が安定する。この結果、さらに確実に蓄電装置の耐振動性または耐衝撃性を確保しつつ、電気容量が小さくなることをさらに抑制できる。

　（６）上記（５）に記載の蓄電装置において、前記外装体本体及び前記外装体蓋体は、前記第一方向と交差する第二方向に並び、前記第二保持部材は、前記第二方向において前記外装体本体及び前記外装体蓋体の少なくとも一方と対向し、前記第二接合部は、前記第二方向において前記外装体本体及び前記外装体蓋体の少なくとも一方と前記第二保持部とを接合する、としてもよい。

　上記（６）に記載の蓄電装置によれば、外装体本体と外装体蓋体とを接合する際に、外装体本体と外装体蓋体とで保持部材を挟む力を利用して、外装体本体及び外装体蓋体の少なくとも一方と第二保持部とを接合できるため、容易に、外装体と保持部材とを接合できる。この結果、さらに確実に蓄電装置の耐振動性または耐衝撃性を確保しつつ、電気容量が小さくなることをさらに抑制できる。

　（７）上記（１）から（６）のいずれかひとつに記載の蓄電装置において、前記保持部材は、前記第一方向の両側において前記蓄電ユニットと前記外装体の壁部との間に配置される一対の第一保持部を有し、前記一対の第一保持部のそれぞれは、前記第一方向において、前記壁部との間に隙間が形成されるように前記壁部と離間して配置される、としてもよい。

　上記（７）に記載の蓄電装置によれば、保持部材と外装体の壁部とは、第一方向において隙間が形成されるため、蓄電素子が第一方向に膨張する際の膨張代を確保できる。この結果、仮に蓄電素子が第一方向に膨張した場合であっても、さらに確実に蓄電装置の耐振動性または耐衝撃性を確保しつつ、電気容量が小さくなることをさらに抑制できる。

　以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態（その変形例も含む）に係る蓄電装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。

　以下の説明及び図面中において、蓄電装置に備わる蓄電素子の端子の突出方向をＸ軸方向と定義する。複数の蓄電素子の並び方向、保持部材をなす第一保持部材と第二保持部材との並び方向をＹ軸方向と定義する。蓄電装置の外装体における外装体本体と外装体蓋体との並び方向、外装体本体に対する保持部材の挿抜方向、または、上下方向をＺ軸方向と定義する。これらＸ軸方向、Ｙ軸方向及びＺ軸方向は、互いに交差（以下実施の形態では、直交）する方向である。なお、使用態様によってはＺ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Ｚ軸方向を上下方向として説明する。

　以下の説明において、Ｘ軸プラス方向とは、Ｘ軸の矢印方向を示し、Ｘ軸マイナス方向とは、Ｘ軸プラス方向とは反対方向を示す。単にＸ軸方向という場合は、Ｘ軸プラス方向及びＸ軸マイナス方向の双方またはいずれか一方の方向を示す。Ｙ軸方向及びＺ軸方向についても同様である。本実施の形態では、Ｙ軸方向は第一方向の一例であり、Ｚ軸方向は第二方向の一例である。平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。２つの方向が直交している、とは、当該２つの方向が完全に直交していることを意味するだけでなく、実質的に直交していること、すなわち、数％程度の差異を含むことも意味する。以下の説明において、「絶縁」と表現する場合、「電気的な絶縁」を意味する。

　（実施の形態）
　［１．蓄電装置の全般的な説明］
　図１及び図２を用いて、実施の形態に係る蓄電装置１の全般的な説明を行う。図１は、実施の形態に係る蓄電装置１の外観を示す斜視図である。図２は、実施の形態に係る蓄電装置１を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。

　蓄電装置１は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電できる装置であり、本実施の形態では、略直方体形状を有している。蓄電装置１は、電力貯蔵用途または電源用途等に使用される電池モジュール（組電池）である。具体的には、蓄電装置１は、自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、船舶、スノーモービル、農業機械、建設機械、または、電気鉄道用の鉄道車両等の移動体の駆動用またはエンジン始動用等のバッテリ等として用いられる。上記の自動車としては、電気自動車（ＥＶ）、ハイブリッド電気自動車（ＨＥＶ）、プラグインハイブリッド電気自動車（ＰＨＥＶ）、及び、化石燃料（ガソリン、軽油、液化天然ガス等）自動車が例示される。上記の電気鉄道用の鉄道車両としては、電車、モノレール、リニアモーターカー、並びに、ディーゼル機関及び電気モーターの両方を備えるハイブリッド電車が例示される。蓄電装置１は、家庭用または事業用等に使用される定置用のバッテリ等としても用いることができる。

　図１及び図２に示すように、蓄電装置１は、蓄電ユニット２０と、蓄電ユニット２０を保持する保持部材２１と、蓄電ユニット２０及び保持部材２１が収容される外装体１０と、を備えている。外装体１０の内部において、蓄電ユニット２０及び保持部材２１に加えて、複数の蓄電素子２０ａに電気的に接続されるバスバー、バスバーを保持するバスバープレート、並びに、ヒューズ及び制御基板等が配置されてもよいが、これらの部材の図示及びその説明は省略する。

　外装体１０は、蓄電装置１の筐体（外殻）を構成する箱形（略直方体形状）の容器（モジュールケース）である。外装体１０は、蓄電ユニット２０等を所定の位置に固定し、これら要素を衝撃などから保護する。外装体１０は、蓄電ユニット２０及び保持部材２１を収容する外装体本体１１と、蓄電ユニット２０及び保持部材２１の上方を覆う外装体蓋体１２と、を有する。外装体本体１１及び外装体蓋体１２は、Ｚ軸方向（第二方向）に並ぶ。

　外装体本体１１は、上部が開放されてＺ軸プラス方向の面の全面が開口した有底矩形筒状の部材（ハウジング）であり、その開放（開口）部分が開口部１１１である。開口部１１１は、平面視において略四角形状である。外装体蓋体１２は、外装体本体１１の開口部１１１を閉塞する扁平な矩形状の部材である。外装体本体１１及び外装体蓋体１２は、接着剤、ヒートシール（熱溶着）、超音波溶着、レーザ溶着、または、ネジ結合等によって互いに接合され、これにより、外装体１０の内部が密閉される。外装体本体１１は、Ｘ軸方向両側の側面に互いに対向する２つの第一壁部１１２を有し、Ｙ軸方向両側の側面に互いに対向する２つの第二壁部１１３を有し、Ｚ軸マイナス方向の面に第三壁部１１４を有している。

　具体的には、第一壁部１１２は、外装体本体１１の短側面（短側壁）を形成する矩形状かつ平板状の短側面部（短側壁部）であり、ＹＺ平面に平行に配置される。第一壁部１１２は、第二壁部１１３及び第三壁部１１４に隣接し、かつ、第二壁部１１３よりも外面の面積が小さい。２つの第一壁部１１２は、Ｘ軸方向において、蓄電ユニット２０及び保持部材２１と対向し、かつ、蓄電ユニット２０及び保持部材２１を挟む位置に配置される。第二壁部１１３は、外装体本体１１の長側面（長側壁）を形成する矩形状かつ平板状の長側面部（長側壁部）であり、ＸＺ平面に平行かつＸ軸方向に延びて配置される。第二壁部１１３は、第一壁部１１２及び第三壁部１１４に隣接し、かつ、第一壁部１１２よりも外面の面積が大きい。２つの第二壁部１１３は、Ｙ軸方向において、蓄電ユニット２０及び保持部材２１と対向し、かつ、蓄電ユニット２０及び保持部材２１を挟む位置に配置される。第三壁部１１４は、外装体本体１１の底面（底壁）を形成する矩形状かつ平板状の底面部（底壁部）であり、ＸＹ平面に平行かつＸ軸方向に延びて配置される。第三壁部１１４は、Ｚ軸方向において、蓄電ユニット２０及び保持部材２１と対向し、かつ、外装体蓋体１２とで蓄電ユニット２０及び保持部材２１を挟む位置に配置される。

　保持部材２１の形状等によっては、外装体本体１１は、Ｘ軸方向両側に一対の長側面（長側壁）を有し、Ｙ軸方向両側に一対の短側面（短側壁）を有してもよい。一対の第一壁部１１２が外装体本体１１の長側面（長側壁）を形成し、一対の第二壁部１１３が外装体本体１１の短側面（短側壁）を形成してもよい。

　外装体蓋体１２は、Ｚ軸プラス方向の面に第四壁部１２１を有している。第四壁部１２１は、外装体蓋体１２（外装体１０）の上面（上壁）を形成する平板状の上面部（上壁部）であり、ＸＹ平面に平行に配置される。第四壁部１２１は、Ｚ軸方向において、蓄電ユニット２０及び保持部材２１と対向し、かつ、外装体本体１１の第三壁部１１４とで蓄電ユニット２０及び保持部材２１を挟む位置に配置される。

　外装体蓋体１２は、さらに、Ｙ軸マイナス方向の端部におけるＸ軸方向の両端部に、一対（正極及び負極）の外部端子１２２を有している。蓄電装置１は、この一対の外部端子１２２を介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。外装体蓋体１２が樹脂から形成されている場合には、各外部端子１２２は、インサート成形等によって外装体蓋体１２をなす樹脂と一体化されている。各外部端子１２２において、外装体蓋体１２からＺ軸プラス方向に突出し露出した部位には、外部の機器が電気的に接続される。各外部端子１２２において、外装体蓋体１２からＺ軸マイナス方向で露出した部位には、バスバー等が接合される。外装体蓋体１２に外部端子１２２を固定できるのであれば、インサート成形による固定には限定されず、嵌合による固定でもよいし、ネジまたはカシメなどの締結手法を用いた固定でもよいし、溶接による固定でもよいし、接着剤による固定でもよい。

　外装体１０の外装体本体１１及び外装体蓋体１２は、ポリカーボネート（ＰＣ）、ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリエチレン（ＰＥ）、ポリスチレン（ＰＳ）、ポリフェニレンサルファイド樹脂（ＰＰＳ）、ポリフェニレンエーテル（ＰＰＥ（変性ＰＰＥを含む））、ポリエチレンテレフタラート（ＰＥＴ）、ポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル（ＰＦＡ）、ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）、ポリエーテルサルフォン（ＰＥＳ）、ポリアミド（ＰＡ）、ＡＢＳ樹脂、若しくは、それらの複合材料等の絶縁部材、または、絶縁塗装をした金属等により形成されている。外装体１０は、これにより、蓄電素子２０ａ等が外部の金属部材等に接触することを回避する。なお、蓄電素子２０ａ等の電気的絶縁性が保たれる構成であれば、外装体１０は、金属等の導電部材で形成されてもよい。外装体本体１１及び外装体蓋体１２は、同じ材質で形成されてもよいし、異なる材質で形成されてもよい。

　［２．蓄電ユニット及び保持部材の説明］
　蓄電ユニット２０及び保持部材２１の詳細について説明する。図３は、実施の形態に係る蓄電ユニット２０及び保持部材２１を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。図３に示すように、蓄電ユニット２０は、Ｙ軸方向（第一方向）に並ぶ複数の蓄電素子２０ａを有している。

　蓄電素子２０ａは、電気を充電し、また、電気を放電できる二次電池（単電池）であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。本実施の形態では、蓄電素子２０ａは、扁平な形状を有するパウチタイプの蓄電素子であり、複数（本実施の形態では、４個）のパウチタイプの蓄電素子２０ａがＹ軸方向に並んで配列されている。蓄電素子２０ａは、パウチタイプの蓄電素子ではなく、扁平な直方体形状（角形）、円柱形状、長円柱形状または楕円柱形状等の蓄電素子でもよく、その大きさ及び形状は限定されない。配列される蓄電素子２０ａの個数についても、特に限定されない。蓄電素子２０ａは、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池でもよいし、キャパシタであってもよい。蓄電素子２０ａは、二次電池ではなく、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池でもよい。蓄電素子２０ａは、固体電解質を用いた電池でもよい。

　蓄電装置１が有する蓄電素子２０ａは全て同様の構成を有するため、以下では、１つの蓄電素子２０ａの構成について詳細に説明する。図３では、３つの蓄電素子２０ａが重ねられ、１つの蓄電素子２０ａが離間して配置された状態を図示している。蓄電素子２０ａは、容器２００と、一対（正極及び負極）の端子２０１とを有し、容器２００の内方には、電極体（図示せず）、及び、電解液（非水電解質）（図示せず）等が収容されている。当該電解液としては、蓄電素子２０ａの性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく、適宜公知の材料を用いることができる。

　容器２００は、ラミネートフィルムで形成されたシート状の外装体（外装フィルム）であり、内部に電極体及び電解液等を減圧状態で密閉して収容している。容器２００は、矩形状の２枚のラミネートフィルムが、Ｙ軸方向に重ねられて構成されている。当該２枚のラミネートフィルムは、一対の端子２０１を挟んで熱溶着等により接合（シール）されている。ラミネートフィルムは、アルミニウム等の金属層と、ポリプロピレン（ＰＰ）またはポリエチレン（ＰＥ）等の樹脂層とを含む複数層からなるフレキシブルなフィルムであり、溶着箇所（シール部）には、樹脂層が配置されている。容器２００は、１枚のラミネートフィルムを袋状に形成して、当該ラミネートフィルムの端部同士を熱溶着により接合することで構成されてもよい。蓄電素子２０ａがパウチタイプの蓄電素子でない場合には、容器２００は、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板等の金属製の板状部材により形成されてもよい。

　端子２０１は、電極体に電気的に接続された導電性の板状部材（リード板）であり、容器２００を貫通した状態で容器２００から露出して配置されている。本実施の形態では、Ｚ軸方向に並ぶ一対の端子２０１が、容器２００のＸ軸マイナス方向の端部からＸ軸マイナス方向に突出して配置されている。具体的には、正極の端子２０１は、電極体の正極板に電気的に接続されたリード端子であり、負極の端子２０１は、電極体の負極板に電気的に接続されたリード端子である。つまり、端子２０１は、電極体に蓄えられている電気を蓄電素子２０ａの外部空間に導出し、また、電極体に電気を蓄えるために蓄電素子２０ａの内部空間に電気を導入するための金属製の端子である。なお、端子２０１は、一方（例えば正極）がＸ軸プラス方向の端部から突出し、他方（例えば負極）がＸ軸マイナス方向の端部から突出してもよい。端子２０１は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等で形成されている。

　図３では、端子２０１は、容器２００からＸ軸マイナス方向に突出しただけの簡略化された状態で図示されているが、端子２０１は、延びて隣り合う蓄電素子２０ａに向けて折れ曲がり、当該隣り合う蓄電素子２０ａが有する端子２０１に接続（接合）されてもよい。端子２０１は、バスバー等の導電部材に接続（接合）されることで、当該隣り合う蓄電素子２０ａが有する端子２０１に電気的に接続されてもよい。これにより、複数の蓄電素子２０ａが直列または並列に接続される。端部の蓄電素子２０ａが有する一対の端子２０１のうち、一方は、蓄電装置１が備える外部端子１２２まで延びて当該外部端子１２２に接続（接合）されてもよいし、バスバー等の導電部材によって外部端子１２２に電気的に接続されてもよいし、当該端子２０１自体が外部端子となってもよい。

　電極体は、正極板と負極板とセパレータとが積層されて形成された蓄電要素（発電要素）である。正極板は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属からなる集電箔上に正極活物質層が形成されたものである。負極板は、銅または銅合金等の金属からなる集電箔上に負極活物質層が形成されたものである。正極活物質層及び負極活物質層に用いられる活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能なものであれば、適宜公知の材料を使用できる。セパレータは、樹脂からなる微多孔性のシートまたは不織布等を用いることができる。本実施の形態では、電極体は、極板（正極板及び負極板）がＹ軸方向に積層されて形成されている。なお、電極体は、極板（正極板及び負極板）が巻回されて形成された巻回型の電極体、複数の平板状の極板が積層されて形成された積層型（スタック型）の電極体、または、極板を蛇腹状に折り畳んだ蛇腹型の電極体等、どのような形態の電極体でもよい。

　保持部材２１は、複数の蓄電素子２０ａ（蓄電ユニット２０）を収容し、当該複数の蓄電素子２０ａ（蓄電ユニット２０）を保持する箱形（略直方体形状）の容器（筐体）である。保持部材２１は、第一保持部材２２と、第一保持部材２２に組み付けられて第一保持部材２２とともに複数の蓄電素子２０ａを収容する第二保持部材２３と、を有している。第一保持部材２２及び第二保持部材２３は、複数の蓄電素子２０ａの外方に配置され、複数の蓄電素子２０ａを所定の位置で固定し、衝撃等から保護する。複数の蓄電素子２０ａが第一保持部材２２及び第二保持部材２３により保持されることで、複数の蓄電素子２０ａが第一保持部材２２及び第二保持部材２３の内方で固定される。本実施の形態では、第一保持部材２２及び第二保持部材２３は、接着剤、ヒートシール（熱溶着）、超音波溶着、レーザ溶着、または、ネジ結合等によって互いに接合されているが、接合されなくてもよい。

　第一保持部材２２及び第二保持部材２３は、上記の外装体１０に使用可能ないずれかの樹脂材料等の絶縁性を有する部材で形成されている。これにより、第一保持部材２２及び第二保持部材２３は、複数の蓄電素子２０ａが外部の金属部材等の導電部材と導通することを抑制するが、そのような必要がない場合等には、第一保持部材２２及び第二保持部材２３は、金属等の導電部材で形成されてもよい。第一保持部材２２及び第二保持部材２３は、同じ材質で形成されてもよいし、異なる材質で形成されてもよい。

　第一保持部材２２は、第二保持部材２３のＹ軸マイナス方向に配置される、Ｙ軸プラス方向の面の全面が開口した有底矩形筒状のハウジングである。第一保持部材２２は、Ｘ軸方向両側の側面に、互いに対向する一対の第一側壁部２２１を有し、Ｚ軸方向両側の側面に、互いに対向する一対の第二側壁部２２２を有し、Ｙ軸マイナス方向の面に、底壁部２２３を有している。

　第一側壁部２２１は、第一保持部材２２の短側面（短側壁）を形成する、ＹＺ平面に平行な平板状かつ矩形状の壁部（短側壁部）であり、Ｘ軸方向において複数の蓄電素子２０ａを挟む位置に配置される。第一側壁部２２１は、第二側壁部２２２及び底壁部２２３に隣接し、かつ、第二側壁部２２２よりも外面の面積が小さい。第二側壁部２２２は、第一保持部材２２の長側面（長側壁）を形成する、ＸＹ平面に平行な平板状かつ矩形状の壁部（長側壁部）であり、Ｚ軸方向において複数の蓄電素子２０ａを挟む位置に配置される。第二側壁部２２２は、第一側壁部２２１及び底壁部２２３に隣接し、かつ、第一側壁部２２１よりも外面の面積が大きい。底壁部２２３は、第一保持部材２２の底面（底壁）を形成する、ＸＺ平面に平行な平板状かつ矩形状の壁部（底壁部）であり、Ｙ軸マイナス方向端部の蓄電素子２０ａとＹ軸方向において対向し、かつ、当該蓄電素子２０ａと接触する。

　第二保持部材２３は、第一保持部材２２のＹ軸プラス方向に配置される、Ｙ軸マイナス方向の面の全面が開口した有底矩形筒状のハウジングである。第二保持部材２３は、Ｘ軸方向両側の側面に、互いに対向する一対の第一側壁部２３１を有し、Ｚ軸方向両側の側面に、互いに対向する一対の第二側壁部２３２を有し、Ｙ軸プラス方向の面に、底壁部２３３を有している。

　第一側壁部２３１は、第二保持部材２３の短側面（短側壁）を形成する、ＹＺ平面に平行な平板状かつ矩形状の壁部（短側壁部）であり、Ｘ軸方向において複数の蓄電素子２０ａを挟む位置に配置される。第一側壁部２３１は、第二側壁部２３２及び底壁部２３３に隣接し、かつ、第二側壁部２３２よりも外面の面積が小さい。第二側壁部２３２は、第二保持部材２３の長側面（長側壁）を形成する、ＸＹ平面に平行な平板状かつ矩形状の壁部（長側壁部）であり、Ｚ軸方向において複数の蓄電素子２０ａを挟む位置に配置される。第二側壁部２３２は、第一側壁部２３１及び底壁部２３３に隣接し、かつ、第一側壁部２３１よりも外面の面積が大きい。底壁部２３３は、第二保持部材２３の底面（底壁）を形成する、ＸＺ平面に平行な平板状かつ矩形状の壁部（底壁部）であり、Ｙ軸プラス方向端部の蓄電素子２０ａとＹ軸方向において対向し、かつ、当該蓄電素子２０ａと接触する。

　本実施の形態では、一対の第一側壁部２２１と一対の第一側壁部２３１とが接触し、かつ、接続（接合）され、一対の第二側壁部２２２と一対の第二側壁部２３２とが接触し、かつ、接続（接合）される。これにより、第一保持部材２２及び第二保持部材２３が接続（接合）される。なお、蓄電素子２０ａの形状等によっては、第一保持部材２２は、Ｘ軸方向両側に一対の長側面（長側壁）を有し、Ｚ軸方向両側に一対の短側面（短側壁）を有していてもよい。つまり、一対の第一側壁部２２１が第一保持部材２２の長側面（長側壁）を形成し、一対の第二側壁部２２２が第一保持部材２２の短側面（短側壁）を形成してもよい。第二保持部材２３についても同様である。

　第一保持部材２２の底壁部２２３、及び、第二保持部材２３の底壁部２３３は、第一保持部の一例である。第一保持部材２２の第二側壁部２２２、及び、第二保持部材２３の第二側壁部２３２は、第二保持部の一例である。底壁部２２３及び２３３（第一保持部）は、蓄電ユニット２０とＹ軸方向（第一方向）において対向して配置される。第一保持部材２２及び第二保持部材２３は、Ｙ軸方向（第一方向）の両側において蓄電ユニット２０と外装体１０の壁部（第二壁部１１３）との間に配置される一対の底壁部２２３及び２３３（第一保持部）を有している。第二側壁部２２２及び２３２（第二保持部）は、外装体本体１１及び外装体蓋体１２の少なくとも一方とＺ軸方向（第二方向）において対向して配置される。本実施の形態では、一対の第二側壁部２２２（第二保持部）が、外装体本体１１及び外装体蓋体１２の双方とＺ軸方向（第二方向）において対向して配置される。一対の第二側壁部２３２（第二保持部）が、外装体本体１１及び外装体蓋体１２の双方とＺ軸方向（第二方向）において対向して配置される。

　［３．外装体内における蓄電ユニット及び保持部材の配置位置と接合部の説明］
　外装体１０内における蓄電ユニット２０及び保持部材２１の配置位置と接合部について、詳細に説明する。図４は、実施の形態に係る外装体１０内に蓄電ユニット２０、保持部材２１及び接合部が配置された構成を示す断面図である。

　図４に示すように、外装体１０内において、第一接合部２２３１及び２３３１、第二接合部１１４１及び１２１１、並びに、第三接合部２００１が配置される。第一接合部２２３１及び２３３１は、蓄電ユニット２０と保持部材２１とを接着または溶着により接合する。具体的には、第一接合部２２３１は、蓄電ユニット２０と保持部材２１の第一保持部材２２とを接着または溶着により接合する。第一接合部２３３１は、蓄電ユニット２０と保持部材２１の第二保持部材２３とを接着または溶着により接合する。このように、蓄電装置１は、蓄電ユニット２０と複数の保持部材としての第一保持部材２２及び第二保持部材２３とを接着または溶着により接合する複数の第一接合部２２３１及び２３３１を備えている。

　第一接合部２２３１は、蓄電ユニット２０と第一保持部材２２の底壁部２２３（第一保持部）とを接合する。具体的には、第一接合部２２３１は、蓄電ユニット２０が有するＹ軸マイナス方向端部の蓄電素子２０ａと、第一保持部材２２の底壁部２２３（第一保持部）との間に形成される接合部（固定部）である。第一接合部２２３１は、当該蓄電素子２０ａのＹ軸マイナス方向の面と底壁部２２３（第一保持部）のＹ軸プラス方向の面との間に配置されて、当該蓄電素子２０ａと底壁部２２３（第一保持部）とを接着または溶着により接合する。

　第一接合部２３３１は、蓄電ユニット２０と第二保持部材２３の底壁部２３３（第一保持部）とを接合する。具体的には、第一接合部２３３１は、蓄電ユニット２０が有するＹ軸プラス方向端部の蓄電素子２０ａと、第二保持部材２３の底壁部２３３（第一保持部）との間に形成される接合部（固定部）である。第一接合部２３３１は、当該蓄電素子２０ａのＹ軸プラス方向の面と底壁部２３３（第一保持部）のＹ軸マイナス方向の面との間に配置されて、当該蓄電素子２０ａと底壁部２３３（第一保持部）とを接着または溶着により接合する。

　本実施の形態では、第一接合部２２３１及び２３３１は、蓄電ユニット２０と保持部材２１とを接着する接着剤である。蓄電素子２０ａのＹ軸方向における底壁部２２３及び２３３（第一保持部）に対向する表面、または、底壁部２２３及び２３３（第一保持部）のＹ軸方向における蓄電素子２０ａに対向する表面に接着剤を塗布し、両者を接着することにより、蓄電ユニット２０と保持部材２１（第一保持部材２２及び第二保持部材２３）とを接着により接合（固定）する。

　第一接合部２２３１及び２３３１の範囲、つまり、接着剤を塗布する範囲は特に限定されないが、蓄電素子２０ａのＹ軸方向における底壁部２２３及び２３３（第一保持部）に対向する表面、または底壁部２２３及び２３３（第一保持部）の表面に全面に亘って接着剤を塗布するのが好ましい。Ｙ軸方向から見て、蓄電素子２０ａまたは底壁部２２３及び２３３（第一保持部）において、蓄電素子２０ａまたは底壁部２２３及び２３３（第一保持部）の中央部または外周部に接着剤を塗布してもよい。また、第一接合部２２３１及び２３３１をＹ軸方向から見た形状が、ストライプ状、Ｘ字状、Ｙ字状、環状などでもよい。

　蓄電素子２０ａと保持部材２１とを接合（固定）する手法は、接着剤による接着には限定されず、両面テープ等によって接着（粘着）してもよい。蓄電素子２０ａと保持部材２１とは、溶着（熱溶着、溶接等）によって接合（固定）されてもよく、この場合、蓄電素子２０ａ及び保持部材２１の一部（蓄電素子２０ａ及び保持部材２１の溶けた部分）が、第一接合部２２３１及び２３３１となる。つまり、第一接合部２２３１及び２３３１は、蓄電素子２０ａ及び保持部材２１とは別体の部材（接着剤または両面テープ等）でもよいし、蓄電素子２０ａ及び保持部材２１と一体化された部位（溶着部分等）でもよい。溶着（熱溶着等）によって蓄電素子２０ａと保持部材２１とが一体化することで、より強固な接合（固定）になる。とくに、蓄電素子２０ａの容器２００が、ラミネートフィルムで形成された外装体の場合、外装体の表面に形成される樹脂層は、接着剤の濡れ性が良かったり、両面テープの接着面との貼り付け性が良かったり、保持部材２１との溶着が可能で容易であったり、蓄電素子２０ａと保持部材２１とを、さらに強固な接合にできる。

　第二接合部１１４１及び１２１１は、保持部材２１と外装体１０とを接着または溶着により接合する。第二接合部１１４１及び１２１１は、外装体本体１１及び外装体蓋体１２の少なくとも一方（本実施の形態では、双方）と第一保持部材２２の第二側壁部２２２（第二保持部）及び第二保持部材２３の第二側壁部２３２（第二保持部）とを接合する。

　第二接合部１１４１は、第一保持部材２２が有するＺ軸マイナス方向の第二側壁部２２２（第二保持部）及び第二保持部材２３が有するＺ軸マイナス方向の第二側壁部２３２（第二保持部）と、外装体本体１１とを接合する。具体的には、第二接合部１１４１は、第一保持部材２２の当該第二側壁部２２２（第二保持部）及び第二保持部材２３の当該第二側壁部２３２（第二保持部）と、外装体本体１１が有する第三壁部１１４との間に形成される接合部（固定部）である。第二接合部１１４１は、当該第二側壁部２２２及び２３２（第二保持部）のＺ軸マイナス方向の面と第三壁部１１４のＺ軸プラス方向の面との間に配置されて、当該第二側壁部２２２及び２３２（第二保持部）と第三壁部１１４とを接着または溶着により接合する。

　本実施の形態では、第二接合部１１４１は、第一保持部材２２の当該第二側壁部２２２（第二保持部）及び第二保持部材２３の当該第二側壁部２３２（第二保持部）と、外装体１０の外装体本体１１の第三壁部１１４とを接着する接着剤である。つまり、当該第二側壁部２２２及び２３２（第二保持部）のＺ軸方向における第三壁部１１４と対向する表面、または、第三壁部１１４のＺ軸方向における当該第二側壁部２２２及び２３２（第二保持部）に対向する表面に接着剤を塗布し、両者を接着することにより、第一保持部材２２及び第二保持部材２３と外装体本体１１とを接合（固定）する。

　第二接合部１１４１の範囲、つまり、接着剤を塗布する範囲は特に限定されないが、第二側壁部２２２及び２３２（第二保持部）のＺ軸方向における第三壁部１１４と対向する表面、または第三壁部１１４のＺ軸方向における第二側壁部２２２及び２３２（第二保持部）に対向する表面に全面に亘って接着剤を塗布するのが好ましい。Ｚ軸方向から見て、第二側壁部２２２及び２３２または外装体本体１１において、第二側壁部２２２及び２３２または第三壁部１１４の中央部または外周部に接着剤を塗布してもよい。第二接合部１１４１をＺ軸方向から見た形状が、ストライプ状、Ｘ字状、Ｙ字状、環状などでもよい。第一保持部材２２及び第二保持部材２３と外装体本体１１とを接合（固定）する手法は、接着剤による接着には限定されず、両面テープ等によって接着（粘着）してもよいし、溶着（熱溶着、溶接等）等によって接合（固定）してもよい。詳細については、第一接合部２２３１及び２３３１の場合と同様である。溶着（熱溶着等）によって第一保持部材２２及び第二保持部材２３と外装体本体１１とが一体化することで、より強固な接合（固定）になる。

　第二接合部１２１１は、第一保持部材２２が有するＺ軸プラス方向の第二側壁部２２２（第二保持部）及び第二保持部材２３が有するＺ軸プラス方向の第二側壁部２３２（第二保持部）と、外装体蓋体１２とを接合する。具体的には、第二接合部１２１１は、第一保持部材２２の当該第二側壁部２２２（第二保持部）及び第二保持部材２３の当該第二側壁部２３２（第二保持部）と、外装体蓋体１２が有する第四壁部１２１との間に形成される接合部（固定部）である。第二接合部１２１１は、当該第二側壁部２２２及び２３２（第二保持部）のＺ軸プラス方向の面と第四壁部１２１のＺ軸マイナス方向の面との間に配置されて、当該第二側壁部２２２及び２３２（第二保持部）と第四壁部１２１とを接着または溶着により接合する。

　本実施の形態では、第二接合部１２１１は、第一保持部材２２の当該第二側壁部２２２（第二保持部）及び第二保持部材２３の当該第二側壁部２３２（第二保持部）と、外装体１０の外装体蓋体１２の第四壁部１２１とを接着する接着剤である。当該第二側壁部２２２及び２３２（第二保持部）のＺ軸方向における第四壁部１２１と対向する表面、または、第四壁部１２１のＺ軸方向における第二側壁部２２２及び２３２（第二保持部）に対向する表面に接着剤を塗布し、両者を接着することにより、第一保持部材２２及び第二保持部材２３と外装体蓋体１２とを接合（固定）する。

　第二接合部１２１１の範囲、つまり、接着剤を塗布する範囲は特に限定されないが、第二側壁部２２２及び２３２（第二保持部）のＺ軸方向における第四壁部１２１と対向する表面、または第四壁部１２１のＺ軸方向における第二側壁部２２２及び２３２（第二保持部）に対向する表面に全面に亘って接着剤を塗布するのが好ましい。Ｚ軸方向から見て、第二側壁部２２２及び２３２または外装体蓋体１２において、第二側壁部２２２及び２３２または第四壁部１２１の中央部または外周部に接着剤を塗布してもよい。また、第二接合部１２１１をＺ軸方向から見た形状が、ストライプ状、Ｘ字状、Ｙ字状、環状などでもよい。第一保持部材２２及び第二保持部材２３と外装体蓋体１２とを接合（固定）する手法は、接着剤による接着には限定されず、両面テープ等によって接着してもよいし、溶着（熱溶着、溶接等）等によって接合（固定）してもよい。詳細については、第一接合部２２３１及び２３３１の場合と同様である。溶着（熱溶着等）によって第一保持部材２２及び第二保持部材２３と外装体蓋体１２とが一体化することで、より強固な接合（固定）になる。

　第三接合部２００１は、複数の蓄電素子２０ａのうちの隣り合う２つの蓄電素子２０ａを、接着または溶着により接合する。具体的には、第三接合部２００１は、蓄電素子２０ａが有するＹ軸プラス方向の面と、当該蓄電素子２０ａのＹ軸プラス方向に隣接する蓄電素子２０ａのＹ軸マイナス方向の面との間に形成される接合部（固定部）である。第三接合部２００１は、当該蓄電素子２０ａのＹ軸プラス方向の面と当該蓄電素子２０ａのＹ軸プラス方向に隣接する蓄電素子２０ａのＹ軸マイナス方向の面との間に配置されて、当該蓄電素子２０ａと当該蓄電素子２０ａと隣り合う蓄電素子２０ａとを接着または溶着により接合する。このように、蓄電ユニット２０は、第三接合部２００１を有している。

　本実施の形態では、第三接合部２００１は、複数の蓄電素子２０ａのうちのＹ軸方向に隣り合う２つの蓄電素子２０ａの互いに対向する面との間に形成され、当該２つの蓄電素子２０ａを接着する接着剤である。当該２つの蓄電素子２０ａの互いに対向する表面に接着剤を塗布し、両者を接着することにより、当該２つの蓄電素子２０ａどうしを接合（固定）する。

　第三接合部２００１の範囲、つまり、接着剤を塗布する範囲は特に限定されないが、蓄電素子２０ａのＹ軸方向の表面に全面に亘って接着剤を塗布するのが好ましい。Ｙ軸方向から見て、蓄電素子２０ａのＹ軸方向の表面の中央部または外周部に接着剤を塗布してもよい。また、第三接合部２００１をＹ軸方向から見た形状が、ストライプ状、Ｘ字状、Ｙ字状、環状などであってもよい。蓄電素子２０ａどうしを接合（固定）する手法は、接着剤による接着には限定されず、両面テープ等によって接着してもよいし、溶着（熱溶着、溶接等）等によって接合（固定）してもよい。詳細については、第一接合部２２３１及び２３３１の場合と同様である。溶着（熱溶着等）によって蓄電素子２０ａどうしが一体化することで、より強固な接合（固定）になる。

　一対の底壁部２２３及び２３３（第一保持部）のそれぞれは、Ｙ軸方向（第一方向）において、外装体１０の壁部（第二壁部１１３）との間に隙間が形成されるように外装体１０の壁部（第二壁部１１３）と離間して配置される。具体的には、第一保持部材２２の底壁部２２３（第一保持部）は、Ｙ軸方向において、外装体本体１１のＹ軸マイナス方向の第二壁部１１３との間に隙間が形成されるように、当該第二壁部１１３と離間して配置される。第一保持部材２２は、底壁部２２３（第一保持部）とＹ軸方向における外装体１０と対向する面（外装体本体１１の第二壁部１１３）との間に隙間が形成されるように離間して配置される。第二保持部材２３の底壁部２３３（第一保持部）は、Ｙ軸方向において、外装体本体１１のＹ軸プラス方向の第二壁部１１３との間に隙間が形成されるように、当該第二壁部１１３と離間して配置される。第二保持部材２３は、底壁部２３３（第一保持部）とＹ軸方向における外装体１０と対向する面（外装体本体１１の第二壁部１１３）との間に隙間が形成されるように離間して配置される。

　第一保持部材２２の一対の第一側壁部２２１及び第二保持部材２３の一対の第一側壁部２３１と、外装体本体１１の一対の第一壁部１１２とは、離間しているが、接触してもよいし、接着及び溶着（熱溶着等）等によって接合（固定）してもよい。一対の第一側壁部２２１及び２３１のうちの一方の第一側壁部２２１及び２３１と一対の第一壁部１１２のうちの一方の第一壁部１１２とが離間し、他方の第一側壁部２２１及び２３１と他方の第一壁部１１２とが接触（及び接合）してもよい。第一側壁部２２１と第一壁部１１２とが離間し、第一側壁部２３１と第一壁部１１２とが接触（及び接合）してよいし、第一側壁部２２１と第一壁部１１２とが接触（及び接合）し、第一側壁部２３１と第一壁部１１２とが離間してもよい。第一側壁部２２１、２３１と第一壁部１１２とが接合する場合の接合手法は、上述した第一接合部２２３１及び２３３１等の接合部における接合手法と同様である。

　［４．効果の説明］
　以上のように、本発明の形態に係る蓄電装置１は、Ｙ軸方向（第一方向）に並ぶ複数の蓄電素子２０ａを有する蓄電ユニット２０と、蓄電ユニット２０を保持する保持部材２１と、蓄電ユニット２０及び保持部材２１が収容される外装体１０と、を備えている。蓄電装置１は、蓄電ユニット２０と保持部材２１とを接着または溶着により接合する第一接合部２２３１、２３３１と、保持部材２１と外装体１０とを接着または溶着により接合する第二接合部１１４１、１２１１と、を備えている。このように、蓄電ユニット２０と保持部材２１とを接着または溶着により接合し、かつ、保持部材２１と外装体１０とを接着または溶着により接合する。これにより、ボルト及びナット等の固定部材、及び、当該固定部材を取り付けるための取り付け部を設けて接合を行うよりも、蓄電装置１の軽量化を図ることができる。蓄電装置１の軽量化を図ることができれば、振動または衝撃時の発生荷重の減少を図ることができるため、耐振動性または耐衝撃性を確保できる。さらに、固定部材及び取り付け部を設けるよりも省スペース化できるため、蓄電装置１全体に占める蓄電素子２０ａの体積占有率が小さくなることを抑制でき、蓄電装置１の体積あたりの電気容量が小さくなるのを抑制できる。この結果、蓄電装置１の耐振動性または耐衝撃性を確保しつつ、電気容量が小さくなることを抑制できる。

　蓄電装置１は、蓄電ユニット２０と複数の保持部材（第一保持部材２２及び第二保持部材２３）とを接着または溶着により接合する複数の第一接合部２２３１、２３３１を備えることで、当該複数の保持部材において、蓄電装置１の軽量化及び省スペース化できる。つまり、複数の保持部材（第一保持部材２２及び第二保持部材２３）において、ボルト及びナット等の固定部材、及び、当該固定部材を取り付けるための取り付け部が不要になり、蓄電装置１全体に占める蓄電素子２０ａの体積占有率が小さくなることをさらに抑制できる。この結果、さらに確実に蓄電装置１の耐振動性または耐衝撃性を確保しつつ、電気容量が小さくなることをさらに抑制できる。

　蓄電ユニット２０は、複数の蓄電素子２０ａのうちの隣り合う２つの蓄電素子２０ａどうしを、接着または溶着により接合する第三接合部２００１を有するため、当該蓄電素子２０ａどうしをより強固に固定できる。この結果、さらに確実に蓄電装置１の耐振動性または耐衝撃性を確保しつつ、電気容量が小さくなることをさらに抑制できる。

　保持部材２１は、蓄電ユニット２０とＹ軸方向（第一方向）において対向して配置される底壁部２２３及び２３３（第一保持部）を有し、第一接合部２２３１及び２３３１は、蓄電ユニット２０と底壁部２２３及び２３３（第一保持部）とを接合するため、蓄電素子２０ａがＹ軸方向（第一方向）に膨張するのを抑制できる。保持部材２１が、蓄電ユニット２０の比較的大きな面積の部位と接合できるため、蓄電ユニット２０と保持部材２１との接合強度を向上できる。この結果、さらに確実に蓄電装置１の耐振動性または耐衝撃性を確保しつつ、電気容量が小さくなることをさらに抑制できる。

　外装体１０は、外装体本体１１及び外装体蓋体１２を有し、保持部材２１は、外装体本体１１及び外装体蓋体１２の少なくとも一方と対向する第二側壁部２２２及び２３２（第二保持部）を有している。第二接合部１１４１及び１２１１は、外装体本体１１及び外装体蓋体１２の少なくとも一方と第二側壁部２２２及び２３２（第二保持部）とを接合する。これにより、第二側壁部２２２及び２３２（第二保持部）は、外装体本体１１及び外装体蓋体１２の少なくとも一方と対向するため、外装体１０と保持部材２１との接合が安定する。この結果、さらに確実に蓄電装置１の耐振動性または耐衝撃性を確保しつつ、電気容量が小さくなることをさらに抑制できる。

　外装体１０は、Ｚ軸方向（第二方向）に並ぶ外装体本体１１及び外装体蓋体１２を有し、保持部材２１は、外装体本体１１及び外装体蓋体１２の少なくとも一方とＺ軸方向（第二方向）において対向して配置される第二側壁部２２２及び２３２（第二保持部）を有している。第二接合部１１４１及び１２１１は、外装体本体１１及び外装体蓋体１２の少なくとも一方と第二側壁部２２２及び２３２（第二保持部）とを接合する。これにより、外装体本体１１と外装体蓋体１２とで保持部材２１を挟む力を利用して、外装体本体１１及び外装体蓋体１２の少なくとも一方（本実施の形態では双方）と第二側壁部２２２及び２３２（第二保持部）とを接合できるため、容易に、外装体１０と保持部材２１とを接合できる。この結果、さらに確実に蓄電装置１の耐振動性または耐衝撃性を確保しつつ、電気容量が小さくなることをさらに抑制できる。

　保持部材２１は、Ｙ軸方向（第一方向）の両側において蓄電ユニット２０と外装体１０の壁部（第二壁部１１３）との間に配置される一対の底壁部２２３及び２３３（第一保持部）を有している。一対の底壁部２２３及び２３３（第一保持部）のそれぞれは、Ｙ軸方向（第一方向）において、第二壁部１１３との間に隙間が形成されるように第二壁部１１３と離間して配置される。これにより、蓄電素子２０ａがＹ軸方向（第一方向）に膨張する際の膨張代を確保できる。この結果、仮に蓄電素子２０ａがＹ軸方向（第一方向）に膨張した場合であっても、さらに確実に蓄電装置１の耐振動性または耐衝撃性を確保しつつ、電気容量が小さくなることをさらに抑制できる。

　以上、本実施の形態に係る蓄電装置１について説明したが、本発明は、上記実施の形態には限定されない。今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではなく、本発明の範囲には、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。

　上記実施の形態では、蓄電ユニット２０と保持部材２１とは、第一接合部２２３１及び２３３１の双方が配置されて当該双方によって接合されることとしたが、第一接合部２２３１及び２３３１のいずれか一方しか配置されず、当該一方によって接合されてもよい。この場合、保持部材２１は、第一保持部材２２及び第二保持部材２３の双方を有していてもよいし、第一保持部材２２及び第二保持部材２３のいずれか一方しか有しなくてもよい。

　上記実施の形態では、蓄電ユニット２０が有する蓄電素子２０ａと保持部材２１とが接合されることにより、蓄電ユニット２０と保持部材２１とが接合されることとした。しかしながら、蓄電ユニット２０が有する蓄電素子２０ａ以外の部材（蓄電素子２０ａを覆う絶縁シート、スペーサ、または、エンドプレート等の拘束部材等）と保持部材２１とが接合されることにより、蓄電ユニット２０と保持部材２１とが接合されてもよい。

　上記実施の形態では、蓄電ユニット２０は、複数の蓄電素子２０ａのうちの隣り合う２つの蓄電素子２０ａの全てを接合する第三接合部２００１を有している場合を例示した。しかしながら、蓄電ユニット２０は、いずれかの第三接合部２００１を有していなくてもよいし、全ての第三接合部２００１を有しておらず、隣り合う２つの蓄電素子２０ａどうしを接合しなくてもよい。

　上記実施の形態では、蓄電ユニット２０と、保持部材２１のうちの蓄電ユニット２０と第一方向において対向して配置される底壁部２２３及び２３３（第一保持部）とを接合する第一接合部２２３１及び２３３１が配置される場合を例示した。しかしながら、蓄電ユニット２０と保持部材２１の他の部位（第一側壁部２２１、２３１または第二側壁部２２２、２３２等）とを接合する第一接合部が配置されてもよい。この場合、保持部材２１は、蓄電ユニット２０を保持できる構成であれば、底壁部２２３及び２３３の一方または双方を有しなくてもよい。

　上記実施の形態では、外装体本体１１及び外装体蓋体１２と、保持部材２１のうちの外装体本体１１及び外装体蓋体１２と第二方向において対向して配置される第二側壁部２２２及び２３２（第二保持部）とを接合する第二接合部１１４１及び１２１１が配置される場合を例示した。しかしながら、第二接合部１１４１及び１２１１のいずれか一方しか配置されず、外装体本体１１及び外装体蓋体１２のいずれか一方しか保持部材２１と接合されなくてもよい。外装体本体１１及び外装体蓋体１２の少なくとも一方と保持部材２１の他の部位（底壁部２２３、２３３または第一側壁部２２１、２３１等）とを接合する第二接合部が配置されてもよい。この場合、保持部材２１は、蓄電ユニット２０を保持できる構成であれば、一対の第二側壁部２２２及び一対の第二側壁部２３２のうちの一部の側壁部または全部の側壁部を有しなくてもよい。

　上記実施の形態において、保持部材２１は、蓄電ユニット２０を保持できる構成であれば、一対の第一側壁部２２１及び一対の第一側壁部２３１のうちの一部の側壁部または全部の側壁部を有しなくてもよい。

　上記実施の形態では、底壁部２２３及び２３３（第一保持部）は、第一方向において外装体１０（外装体本体１１）との間に隙間が形成されるように離間して配置される場合を例示した。この場合、それぞれの隙間の幅は、異なってもよい。底壁部２２３及び２３３（第一保持部）の一方または双方は、第一方向において外装体１０（外装体本体１１）との間に隙間が形成されていなくてもよい。この場合、底壁部２２３及び２３３（第一保持部）の一方または双方が外装体１０（外装体本体１１）と接着または溶着により接合されてもよい。

　上記実施の形態が備える各構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。

　本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子を備えた蓄電装置等に適用できる。

１　蓄電装置
１０　外装体
１１　外装体本体
１２　外装体蓋体
２０　蓄電ユニット
２０ａ　蓄電素子
２１　保持部材
２２　第一保持部材
２３　第二保持部材
１１１　開口部
１１２　第一壁部
１１３　第二壁部
１１４　第三壁部
１２１　第四壁部
１２２　外部端子
２００　容器
２０１　端子
２２１、２３１　第一側壁部
２２２、２３２　第二側壁部（第二保持部）
２２３、２３３　底壁部（第一保持部）
１１４１、１２１１　第二接合部
２００１　第三接合部
２２３１、２３３１　第一接合部

Claims

　第一方向に並ぶ複数の蓄電素子を有する蓄電ユニットと、前記蓄電ユニットを保持する保持部材と、前記蓄電ユニット及び前記保持部材が収容される外装体と、を備える蓄電装置であって、
　前記蓄電ユニットと前記保持部材とを接着または溶着により接合する第一接合部と、
　前記保持部材と前記外装体とを接着または溶着により接合する第二接合部と、
　を備える蓄電装置。
　前記保持部材は、複数の前記保持部材を有し、
　前記蓄電ユニットと複数の前記保持部材とを接着または溶着により接合する複数の前記第一接合部を備える
　請求項１に記載の蓄電装置。
　前記蓄電ユニットは、第一蓄電素子と、前記第一蓄電素子の前記第一方向の一方に配置される第二蓄電素子と、を含み、
　前記第一蓄電素子と前記第二蓄電素子とを接着または溶着により接合する第三接合部を有する
　請求項１または２に記載の蓄電装置。
　前記保持部材は、前記第一方向において前記蓄電ユニットと対向する第一保持部を有し、
　前記第一接合部は、前記蓄電ユニットと前記第一保持部とを接合する
　請求項１または２に記載の蓄電装置。
　前記外装体は、外装体本体及び外装体蓋体を有し、
　前記保持部材は、前記外装体本体及び前記外装体蓋体の少なくとも一方と対向する第二保持部を有し、
　前記第二接合部は、前記外装体本体及び前記外装体蓋体の少なくとも一方と前記第二保持部とを接合する
　請求項１または２に記載の蓄電装置。
　前記外装体本体及び前記外装体蓋体は、前記第一方向と交差する第二方向に並び、
　前記第二保持部材は、前記第二方向において前記外装体本体及び前記外装体蓋体の少なくとも一方と対向し、
　前記第二接合部は、前記第二方向において前記外装体本体及び前記外装体蓋体の少なくとも一方と前記第二保持部とを接合する
　請求項５に記載の蓄電装置。
　前記保持部材は、前記第一方向の両側において前記蓄電ユニットと前記外装体の壁部との間に配置される一対の第一保持部を有し、
　前記一対の第一保持部のそれぞれは、前記第一方向において、前記壁部との間に隙間が形成されるように前記壁部と離間して配置される
　請求項１または２に記載の蓄電装置。