JP5539657B2 - 食品食器用透明洗剤 - Google Patents

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Description

本発明は、台所用洗剤等の家庭用あるいは業務用の食品食器用透明洗剤に関する。
例えば、台所用洗剤は、昭和30年代半ば頃に登場したが、当時は食器洗いと共に野菜や果物も洗えることが重要なポイントであった。当時の厚生省からは、野菜や果物を洗剤で洗い、回虫の卵や農薬を洗い流すよう通達が各都道府県に出されていた。最近に至っては、食に対する安全性が重要視されており、特に、輸入野菜の残留農薬が不安視される一方、野菜等を洗うにしても、洗剤残りを心配する使用者も増えている。従って、現在、台所用洗剤等の食品食器用洗剤には、野菜等を安心して洗える無害性が重要であると共に、荒れ性や湿疹の原因となる刺激性が少ないことも極めて重要となっている。
一般に、台所用洗剤は、界面活性剤と、その補助的成分からなる。補助的成分には洗剤の用途に応じて、保湿剤、キレート剤、pH調整剤等がある。界面活性剤としては、特開昭50−39707号公報(特許文献1)及び特開平8−56631号公報(特許文献2)等に示されているように、ショ糖脂肪酸エステルが安全性と除菌性に優れていることが知られている。しかしながら、ショ糖脂肪酸エステル等を界面活性剤として洗剤に用いた場合には安全性が高いものの、その洗浄力は、食器洗いに供するには著しく弱く、泡立ちも少ないといった問題があった。
特開昭50−39707号公報 特開平8−56631号公報
ところで、食品食器用洗剤の商品価値には、上記の安全性を第一として、十分な洗浄力及び泡立ち性を具備するのは勿論のこと、洗剤商品として外観を損なわない透明性を具備している必要がある。しかし、上記ショ糖脂肪酸エステル等の界面活性剤は、他の含有成分によっては溶解性が低下しやすく、特に、低温保存時においては沈殿物を生じたり濁ったりするため、洗浄力が低下するうえ、洗剤商品としては不透明液となって、消費者イメージを損なうおそれがあった。
従って、本発明の目的は、安全性を第一に、しかも洗浄力及び泡立ち性に優れ、更に外観を損なわない透明性を具備した食品食器用透明洗剤を提供することである。
本発明者は、上記課題に鑑み、各種洗剤成分の組成を鋭意検討した結果、安全性を有し、且つ外観を損なわない透明性を具備し、食品食器の洗浄力及び泡立ち性も不満のない食品食器用洗剤を得ることに成功した。
本発明の第1の形態は、界面活性剤として食品添加物であるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含有し、他の全成分が食品添加物及び/又は飲用品から構成され、低温で透明性を有する食品食器用透明洗剤である。
本発明の第2の形態は、前記第1の形態において、前記低温が−5℃以上である食品食器用透明洗剤である。
本発明の第3の形態は、界面活性剤として食品添加物であるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルを含有し、他の全成分が食品添加物及び/又は飲用品から構成され、前記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルにより前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの低温での白濁を防止する食品食器用透明洗剤である。
本発明の第4の形態は、前記第3の形態において、前記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの添加量をW1(mass%)及び前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの添加量をW2(mass%)としたとき、それらの添加量比W1/W2≧1/3に設定して、3℃以上の低温で白濁を防止する食品食器用透明洗剤である。
本発明の第5の形態は、前記第4の形態において、前記添加量比W1/W2≧1に設定して、−5℃以上の低温で白濁を防止する食品食器用透明洗剤である。
本発明の第6の形態は、前記第3、第4又は第5の形態において、前記添加量W1(mass%)が7.5〜22.5の範囲にあり、同時に前記添加量W2(mass%)が22.5〜7.5の範囲にある食品食器用透明洗剤である。
本発明の第7形態は、前記第1、第2又は第3の形態において、前記飲用品は、精製飲用水及び/又は醸造アルコールである食品食器用透明洗剤である。
本発明の第1の形態において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルからなる界面活性剤を主要組成とする。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(別名ポリソルベートとも略称する。)は、親水部が非電解質で、イオン化しない親水性部分を有した非イオン(ノニオン)系界面活性剤であり、且つ安全性の高い食品添加物として認定されている(平成20年4月30日付け厚生労働省令第103号による食品衛生法施行規則の一部改正により、4種のポリソルベート、即ち、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート65及びポリソルベート80が追加された。)。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、界面活性剤として、水溶液の表面張力を低下させる浸透作用に優れ、良好な洗浄力及び泡立ち性を発揮する。特に、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのラウレ−ト、オレエ−トは、0℃付近の低温下においても良好な溶解性を備えて、洗浄力も低下しないうえ、低温保存下で透明性を維持させることができるので、消費者イメージを損なわない透明洗剤を実現することができる。更に、本形態においては、安全性の高い食品添加物であるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを主組成として、その他の補助組成物を含む全成分が食品添加物及び/又は飲用品から構成されているので、極めて高い安全性を有し、しかも生分解性も有して環境に優しい性質を具備する透明洗剤を提供することができる。
前記食品衛生法施行規則の一部改正により認可された4種のポリソルベートは、上述のように、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート:ポリソルベート20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸エステル(ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート:ポリソルベート60)、ポリオキシエチレンソルビタントリステアリン酸エステル(ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート:ポリソルベート65)及びポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸エステル(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート:ポリソルベート80)である。本発明におけるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルには、水溶性に特に優れたポリソルベート20、80が透明洗剤に最も好適である。
図1はポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル(ポリソルベート20)の化学組成を示す。ポリソルベート60、65、80は、ポリソルベート20の化学組成における側鎖の脂肪酸の種類に応じて異なる。
食品食器用洗剤商品としての透明度の低温安定性試験は、国内の室内冷暗所での冬場の平均温度(3℃)条件下での評価に基づき行う。また、寒冷地における透明度の低温安定性試験も、寒冷地の室内冷暗所での冬場の平均温度(−5℃)条件下での評価に基づき行う。低温安定性の評価は冷暗所に1月間放置したときの濁りの有無によって行われる。
本発明におけるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、国内の室内冷暗所での冬場の平均温度(3℃)条件下は勿論、寒冷地の室内冷暗所での冬場の平均温度(−5℃)条件下においても、良好な溶解性を備え、低温保存下で安定した透明性を具備している。従って、本発明の第2の形態においては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを界面活性剤に用いて、前記低温が−5℃以上である食品食器用透明洗剤を実現することができる。
本発明の第3の形態において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる複合界面活性剤を主要組成とする。ポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルと同様に、食品添加物としての認可されており、安全性が極めて高く、しかも優れた界面活性能と泡立ち性を有し、乳化剤や可溶化剤、洗剤として有用である。即ち、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、界面活性剤として、水溶液の表面張力を低下させる浸透作用に優れ、良好な洗浄力及び泡立ち性を発揮する。
ところが、安全性が極めて高く、且つ洗浄力及び泡立ち性において優位性を備えるポリグリセリン脂肪酸エステル単体のみで界面活性剤に用いて洗剤を構成したとき、洗剤液の透明度に関する低温安定性試験を実施したところ、洗剤液が白濁し、透明性に劣る試験結果となった。そこで、本発明者が鋭意検討した結果、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを添加してポリグリセリン脂肪酸エステルとポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルからなる複合界面活性剤を主要組成として洗剤を構成した場合には、低温での上記白濁現象を解消することに成功した。従って、本発明の第3の形態によれば、安全性の高い食品添加物からなる上記複合界面活性剤を用い、且つ他の全成分が食品添加物及び/又は飲用品から構成されているため、極めて安全性が高く、しかも前記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルにより前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの低温での白濁を防止して商品価値を高め、更に生分解性も有して環境に優しい性質を具備する透明洗剤を提供することができる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、以下の構造式(1)を有する。


R−C−O−〔CH−CH−CH−O〕−H ・・・(1)

OH
本発明においては、脂肪酸のアルキル基Rが炭素数6〜22、望ましくは8〜14で、ポリグリセリンの重合度nが2〜14、望ましくは8〜12のポリグリセリン脂肪酸エステルを使用することができる。複合界面活性剤を構成するポリグリセリン脂肪酸エステルとポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルにおける夫々の脂肪酸エステルは同種又は異種のものも使用してもよい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは抗菌特性を有しているため、本発明に係る透明洗剤にポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する場合には、保存剤や防腐剤を添加しなくても抗菌特性を発現させることができる。
本発明に係る透明洗剤には、食品添加物である補助組成物を含有することができる。補助組成物としては、食品添加物で構成された、安定化剤、キレート剤、増粘剤等があり、洗剤用途等に応じて混合使用することができる。必要に応じて、食品添加物で構成された保存剤(防腐剤)を添加してもよい。
食品添加物として適用可能なものとして、例えば、安定化剤には手肌の保護に好適なグリセリン、プロピレングリコール等、キレート剤にはクエン酸、リンゴ酸、グルコン酸など、増粘剤にはキサンタンガム、アルギン酸ナトリウム等、保存剤にはエチルアルコール、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸などを使用することができる。
また、必要に応じて、本発明に係る透明洗剤には、食品添加物であるpH調整剤を添加することができる。食品添加物からなるpH調整剤としては、酸性剤として、クエン酸、アジピン酸、グルコン酸、コハク酸、乳酸、dl−リンゴ酸、フマル酸等を、また、アルカリ剤として水酸化ナトリウムを使用することができる。
本発明者の実験によれば、上記複合界面活性剤において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの添加量に応じて、ポリグリセリン脂肪酸エステルの低温での透明度に影響を与えるといった知見を得た。
本発明の第4の形態に係る透明洗剤は、前記知見に基づき為されたものであり、前記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの添加量をW1(mass%)及び前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの添加量をW2(mass%)としたとき、それらの添加量比W1/W2≧1/3に設定することにより、3℃以上の低温で白濁を防止することができる。
本発明の第5の形態によれば、前記知見に基づき、前記添加量比W1/W2≧1に設定することにより、−5℃以上の低温で白濁を防止する食品食器用透明洗剤を実現することができる。
本発明の第6の形態によれば、上記複合界面活性剤を用いて洗剤を構成する場合には、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの添加量W1(mass%)を7.5〜22.5の範囲に、同時にポリグリセリン脂肪酸エステルの添加量W2(mass%)を22.5〜7.5の範囲に設定することにより、低温下で透明性を保持し、安全性及び洗浄性に優れた食品食器用透明洗剤を実現することができる。
本発明では、洗剤用溶剤として水又はアルコールを使用する場合、手肌に優しく、安全性が極めて高い水やアルコールを使用することが要請される。そこで、本発明の第7の形態によれば、精製飲用水及び/又は醸造アルコールを前記飲用品に使用するので、安全な食品食器用洗剤を提供することができる。
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステルの化学組成を示す図である。 実施例1〜4と比較例に対して行った各性能試験の比較結果をまとめた表である。 3℃の恒温槽に1月間放置したときの低温安定性の評価結果を界面活性剤の添加量比W1/W2別に表示したグラフである。 −5℃の恒温槽に1月間放置したときの低温安定性の評価結果を界面活性剤の添加量比W1/W2別に表示したグラフである。
本発明の実施形態に係る食品食器用透明洗剤を図面を参照して以下に説明する。
本実施形態の食品食器用洗剤である実施例1〜4として、以下の組成に係る洗剤を示す。
実施例1の洗剤は、界面活性剤として食品添加物であるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル単体を含有させ、他の全成分が食品添加物(エチルアルコール・グリセリン・キサンタンガム)及び精製水から構成されている。
実施例2〜4の洗剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる複合界面活性剤を主要組成とし、他の全成分が食品添加物(エチルアルコール・グリセリン・キサンタンガム)及び精製水から構成されている。実施例2〜4の洗剤における複合界面活性剤の配合比率(W1/W2)が異なる。実施例1の場合には、複合界面活性剤の配合比率(W1/W2)が無限大∞に相当する。実施例2〜4の配合比率は夫々、3、1、1/3である。
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルには、図1の化学組成式で表されたポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート)を用いた。ポリグリセリン脂肪酸エステルには、前掲の構造式(1)において炭素数が12、ポリグリセリン重合度nが10としたときのポリグリセリンラウリン酸エステルを使用した。
(実施例1:W1/W2=∞)
ポリグリセリン脂肪酸エステル(界面活性剤) 0mass%(=W2)
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(界面活性剤) 30mass%(=W1)
エチルアルコール(保存・防腐剤) 8mass%
グリセリン(安定化剤) 7mass%
キサンタンガム(増粘剤) 0.5mass%
精製水 54.5mass%
(実施例2:W1/W2=3)
ポリグリセリン脂肪酸エステル(界面活性剤) 7.5mass%(=W2)
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(界面活性剤)22.5mass%(=W1)
エチルアルコール(保存・防腐剤) 8mass%
グリセリン(安定化剤) 7mass%
キサンタンガム(増粘剤) 0.5mass%
精製水 54.5mass%
(実施例3:W1/W2=1)
ポリグリセリン脂肪酸エステル(界面活性剤) 15mass%(=W2)
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(界面活性剤) 15mass%(=W1)
エチルアルコール(保存・防腐剤) 8mass%
グリセリン(安定化剤) 7mass%
キサンタンガム(増粘剤) 0.5mass%
精製水 54.5mass%
(実施例4:W1/W2=1/3)
ポリグリセリン脂肪酸エステル(界面活性剤) 22.5mass%(=W2)
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(界面活性剤)7.5mass%(=W1)
エチルアルコール(保存・防腐剤) 8mass%
グリセリン(安定化剤) 7mass%
キサンタンガム(増粘剤) 0.5mass%
精製水 54.5mass%
上記実施例の洗剤は食品添加物で構成され、十分な安全性を具備するものであり、更に洗剤として必要な泡立ち性、洗浄力及び透明性を調べるために、以下の比較例を用いて各性能試験を行った。この比較例は、界面活性剤として食品添加物であるポリグリセリン脂肪酸エステルのみを含有させ、他の全成分が上記実施例と同様の配合比からなる食品添加物及び精製水から構成されている。
(比較例:W1/W2=0)
ポリグリセリン脂肪酸エステル(界面活性剤) 30mass%(=W2)
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(界面活性剤) 0mass%(=W1)
エチルアルコール(保存・防腐剤) 8mass%
グリセリン(安定化剤) 7mass%
キサンタンガム(増粘剤) 0.5mass%
精製水 54.5mass%
性能試験は低温安定性試験と洗浄性試験からなる。後者の洗浄性試験においてはミキサー法による泡立ち試験と、リーナツ法による洗浄力試験を実施した。
低温安定性試験は、3℃の恒温槽及び−5℃の恒温槽に1月間放置したときの洗剤の溶液状態を評価して行った。
リーナツ法による洗浄力試験は、JIS規格(K3362 9.2)に準拠した洗浄力評価試験に基づいて行った。JIS規格では5段階評価(洗浄力判定用指標洗剤との比較)であるが、より詳しく差異を知るために洗浄効率(汚垢の除去率)を求めた。洗浄条件として、回転数250rpmの回転洗浄槽に標準使用濃度液700ml(洗剤濃度:0.075mass%)を30℃で投入した。すすぎ条件として、回転数100rpmの回転洗浄槽にすすぎ水700mlを30℃で投入した。いずれの水も水道水を使用した。汚垢液の組成は、牛脂20g、大豆油20g、モノオレイン0.5g、オイルレッド0.2g及びクロロホルム120mlからなる。汚垢液にスライドガラスを浸漬し、乾燥処理して溶媒を除去して汚垢サンプルを作成した後、各洗浄液に投入する。3分間の洗浄処理の後、すすぎ水によるすすぎ洗浄を行い、更に乾燥させて乾燥後の重量を計測する。計測された洗浄後の重量と、洗浄前の重量と比較して汚垢重量の減少率(%)を算出した。
泡立ち試験条件は、洗剤濃度2.5mass%の水溶液を100ml、ミキサーに投入し、10秒間攪拌した後、泡の高さを計測した。洗剤の希釈液には水温18℃の水道水を使用した。
図2は実施例1〜4と比較例に対して行った各性能試験の比較結果を示す。低温安定性試験による低温安定性の評価は、白濁発生を×、約透明の場合を△、透明を○で示している。約透明の場合は少し白濁をした半透明状態を含む。リーナツ法による洗浄力試験の評価は、洗浄前後の汚垢重量の減少率(%)で示している。泡立ち試験結果は泡の高さ(cm)で示している。
図3は3℃の恒温槽に1月間放置したときの評価結果を界面活性剤の添加量比W1/W2別に表示したグラフである。図4は−5℃の恒温槽に1月間放置したときの評価結果を添加量比W1/W2別に表示したグラフである。
洗浄前後の汚垢重量の減少率(%)の基準値は事業者において適宜設定できるが、ここでは仮に基準値として25%を設定しておく。図2からわかるように、洗浄力は、実施例1〜4につき、56%から35.2%に達しており、いずれも基準値25%を超えている。また、比較例においても基準値を超える29.8%の洗浄力を示した。従って、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのみを含有させた実施例1の洗剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる複合界面活性剤による実施例2〜4の洗剤、ポリグリセリン脂肪酸エステルのみを含有させた比較例の洗剤は基準値をオーバーし、すべて良好な洗浄力を有する。但し、実施例1〜4及び比較例全体でみれば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのみの組成のとき(実施例1)が最大で、ポリグリセリン脂肪酸エステル組成が増加するにつれて洗浄力が漸減しており、ポリグリセリン脂肪酸エステル単体のみを界面活性剤としたときには、複合界面活性剤の使用時より洗浄力が低下することがわかる。
泡立ち試験の基準値は事業者において適宜設定できるが、ここでは仮に基準値として4cmを設定しておく。図2からわかるように、泡立ち試験結果からは、実施例1〜4につき、5.1cmから4.2cmに達しており、いずれも基準値4cmを超えている。また、比較例においても基準値を超える4.4cmの泡立ち性を示した。従って、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのみを含有させた実施例1の洗剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる複合界面活性剤による実施例2〜4の洗剤、ポリグリセリン脂肪酸エステルのみを含有させた比較例の洗剤はすべて良好な泡立ち性を有し、上記洗浄力結果と符合する。
比較例の低温安定性試験においては洗剤液に白濁を生じた。これは、ポリグリセリン脂肪酸エステルの前掲の構造式(1)において、炭素数が小さい低分子量のものが析出して白濁現象を生じた結果である。従って、ポリグリセリン脂肪酸エステル単体のみを界面活性剤としても、洗浄性、安全性が保持されていても、洗剤として商品価値が低下することになる。
実施例1の低温安定性試験の結果からは、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのみを界面活性剤として使用しても、国内の室内冷暗所での冬場の平均温度(3℃)条件下は勿論、寒冷地の室内冷暗所での冬場の平均温度(−5℃)条件下においても、良好な溶解性を備え、低温保存下で安定した透明性を具備していることがわかった。
実施例1〜4の低温安定性試験の結果からは、図3及び図4に示すように、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルの添加量比W1/W2に低温透明度が依存していることがわかった。即ち、添加量比W1/W2≧1/3に設定することにより、ポリグリセリン脂肪酸エステルを界面活性剤に用い、且つポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを添加することにより、3℃以上の低温で白濁を防止することができる(実施例2〜4参照)。また、実施例1〜3からは、前記添加量比W1/W2≧1に設定することにより、−5℃以上の低温で白濁を防止することができることがわかる。
従って、上記複合界面活性剤を用いて洗剤を構成する場合には、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの添加量W1(mass%)を7.5〜22.5の範囲に、同時にポリグリセリン脂肪酸エステルの添加量W2(mass%)を22.5〜7.5の範囲に設定することにより、低温下で透明性を保持し、安全性及び洗浄性に優れた食品食器用透明洗剤を実現することができる。
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
本発明によれば、安全性が高く、洗浄力及び泡立ち性に優れ、しかも白濁や濁り、沈殿物等を生じず、洗剤として商品価値を高める低温下の透明性を保持した食品食器用洗剤を提供することができる。

Claims (2)

  1. 界面活性剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルを含有し、前記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルにより前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの−5℃又は3℃の低温での白濁を少なくとも1月間防止する食品食器用透明洗剤であって、前記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの添加量をW1(mass%)及び前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの添加量をW2(mass%)としたとき、それらの添加量比W1/W2≧3に設定することを特徴とする食品食器用透明洗剤。
  2. 前記食品食器用透明洗剤の洗剤用溶剤として、精製飲用水及び/又は醸造アルコールを使用する請求項1に記載の食品食器用透明洗剤。
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