JP5533092B2 - 座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法及びその識別プログラム - Google Patents
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Description
また、各工程でのパターン形成後、ウエハ状態でチップごとに電気的特性試験(ウエハテスト)を行なって良不良の判定を行なっている。
不良分布は大きく分けて、ウエハ上の位置要素に対して均等に分布する場合と、ウエハ上の位置要素に依存して集中分布する場合の2種類に分けられる。ウエハ上の位置に依らず均等に分布する不良はランダム不良、ウエハ上の一部に偏って発生する不良はクラスタリング不良と呼ばれることもある。
集中して分布した不良分布(集中不良分布と称す)の発生原因は、製造工程や製造装置等に起因する場合が多いので、製造工程や製造装置等を調査することにより歩留り低下の原因を究明できることがある。
特許文献1には、不良分布がクラスタ化している様子に従ってウエハをグループ分けし、その様子が既知の不良分布パターンと類似しているかどうかを判定することにより不良原因の特定を行なう方法が記載されている。
また、特許文献2には、欠陥の分布状態に基づいて、繰り返し欠陥、密集欠陥、線状分布欠陥、環あるいは塊状分布欠陥、ランダム欠陥などのカテゴリに欠陥を分類する方法が記載されている。
不良分布が既知の不良分布パターンに適合するかどうかの判断は、ウエハ上(座標平面上)での特定の領域に不良分布があるかどうかで判断される。
ここで、座標平面は、直交座標平面又は斜交座標平面である。
また、データ点の分布領域とは、座標平面上で各データ点のすべてを線で結んだときの外周の線及びその内側の領域と定義する。
また、座標平面を分割する数は2つ以上であればいくつであってもよい。
また、隣り合う2つの領域の境界上に位置するデータ点は、それらの両方の領域のデータ点として処理してもよいし、いずれか一方の領域のデータ点として処理してもよい。後者の場合、境界上のデータ点をどちらの領域のデータ点として扱うかは、予め定義付けておけばよい。例えば、Y軸に直交する複数の直線で領域を分割する場合、境界上のデータ点は、Y座標の小さいほうの領域のデータ点として扱う、などである。
ここで、データ点分布領域の分布範囲を表す情報は、データ点分布領域を構成するデータ点のXY座標のうち、X軸に対する最大値及び最小値、ならびに、Y軸に対する最大値及び最小値によって表されるもの、又は、極座標におけるデータ点分布領域の最大r値、最小r値、最大θ値、及び、最小θ値によって表されるものである。
また、分布代表点領域の分布範囲を表す情報は、分布代表点領域を構成する代表点のXY座標のうち、X軸に対する最大値及び最小値、ならびに、Y軸に対する最大値及び最小値によって表されるもの、又は、極座標における分布代表点領域の最大r値、最小r値、最大θ値、及び、最小θ値によって表されるものである。
この分布代表点領域面積しきい値判断処理は、重複領域の有無を判断する処理の前であってもよいし、後であってもよい。
ここで、上記分割用直線と上記第2分割用直線は互いに直交している例を挙げることができる。ただし、分割用直線と第2分割用直線は互いに直交していなくてもよい。
さらに、上記分割用直線は座標平面の一方の座標軸と平行に設定され、上記第2分割用直線は座標平面の他方の座標軸と平行に設定される例を挙げることができる。
ここで、上記分割用直線と上記第3分割用直線とが成す角度に限定はないが、その角度は90度に近いことが好ましく、より好ましくは上記分割用直線と上記第3分割用直線は互いに直交している状態である。
また、上記第3分割用直線は上記複数のデータ点の回帰直線である例を挙げることができる。
これにより、データ点分布領域を分布代表点領域に置き換えた状態、すなわち、データ点分布領域を表現するための情報量を小さくした状態で、被判定データ群のデータ点分布領域が特定の判定領域に分布しているかどうかを判断することができる。
さらに、この分布代表点領域面積しきい値判定処理を、重複領域の有無を判断する処理の前に行なうようにすれば、分布代表点領域の面積が小さい、排除されるべき被判定データ群について重複領域の有無判断の処理を行なう必要がなくなる。
ここで、分割用直線と第2分割用直線は互いに直交しているようにすれば、データ点の分布領域をより適切に画定することができる。
さらに、分割用直線は座標平面の一方の座標軸と平行に設定され、第2分割用直線は座標平面の他方の座標軸と平行に設定されるようにすれば、各データ点の座標値に基づいて各データ点がいずれの分割領域に属するのかを容易に分別でき、さらに、各データ点の座標値を比較することによって簡単な処理で代表点候補及び代表点を選定することができる。
そこで、上記第3分割用直線は上記複数のデータ点の回帰直線であるようにすれば、データ点の存在しない分割領域の発生を低減することができる。なお、第3分割用直線として回帰直線を用いる場合、データの存在しない分割領域が発生したときに、上述のように対向する分割領域のデータ点を用いてデータ点の存在しない分割領域に対応する代表点を選定してもよいが、データの存在しない分割領域は代表点なしとして扱った方がより適切な分布代表点領域を画定できる。
図1は、本発明の一実施例を説明するためのフローチャートである。図2は、ウエハ上に設定した判定領域を示す図である。図3は、ウエハ上でのパターン欠陥位置を示す図である。図4は、集中パターン欠陥分布の分布代表点選定ステップを説明するためのフローチャートである。図5は、パターン欠陥グループを拡大して図示し、さらに領域をY軸方向で8分割するための分割用直線を図示した図である。図6は、同じ座標平面上に、判定領域と集中パターン欠陥分布代表点領域を重ね合わせて表示した図である。図1から図6を参照してこの実施例を説明する。なお、Y軸方向とはY軸と平行な方向を意味し、X軸方向とはX軸と平行な方向を意味する。
この実施例において、本発明の識別方法における「分割用直線が延びる2方向」は図5中の白抜き矢印で示した2方向である。この実施例では、その2方向の一方はY軸座標のプラス方向と同一であり、他方はY座標軸のマイナス方向と同一である。また、本発明の識別方法における「分割領域内のデータ点のうち分割用直線が延びる2方向でそれぞれ最も外側に位置するデータ点」は分割領域内のデータ点のうちY軸座標について最大値をもつデータ点とY軸座標について最小値をもつデータ点が該当する。
例えば、まず、第1のデータ点のX軸座標値に基づいて、そのデータ点が属する分割領域を求める。そのデータ点の座標をそのデータ点が属する分割領域における最大値側代表点候補として記憶する。次のデータ点が属する分割領域を求める。そのデータ点が属する分割領域に既に最大値側代表点候補がある場合は、そのデータ点のY軸座標値と、代表点候補のY軸座標値とを比較する。そのデータ点のY軸座標値が最大値側代表点候補のY軸座標値よりも大きいときは、そのデータ点の座標をそのデータ点が属する分割領域における新たな最大値側代表点候補として記憶する。また、そのデータ点のY軸座標値が最大値側代表点候補のY軸座標値よりも小さいときは、最大値側代表点候補の情報はそのままにしておく。また、そのデータ点のY軸座標値が最大値側代表点候補のY軸座標値と等しいときは、そのデータ点の座標をそのデータ点が属する分割領域における最大値側代表点候補、もとの最大値側代表点候補の情報もそのまま記憶しておく。そのデータ点が属する分割領域に最大値側代表点候補がまだない場合は、そのデータ点が属する分割領域における最大値側代表点候補として記憶する。その後、すべてのデータ点について上記と同様の処理を繰り返し、各分割領域における最大値側代表点候補を求める。すべてのデータ点について処理が終わった後、各分割領域における代表点候補を最大値側代表点として記憶する。最小値側代表点の選定についても同様の処理を行なう。最小値側代表点の選定は、最大値側代表点の選定とはデータ点のY軸座標値の大小関係の比較を逆にして同等の処理を行なえばよい。
例えば、第1のデータ点をそのデータ点が属する分割領域における最大値側代表点候補又は最小値側代表点候補とし、次のデータ点について代表点候補のデータ点とのY軸座標値の比較により一方を最大値側代表点候補とし、他方を最小値側代表点候補とした後、さらに次のデータ点について最大値側代表点候補のデータ点及び最小値側代表点候補のデータ点とのY軸座標値を比較することによって最大値側代表点及び最小値側代表点を求めるようにしてもよい。
また、各データ点を分割領域に基づいてグループ分けして、分割領域ごとに各データ点のY軸座標値を比較して代表点とするようにしてもよい。
また、データ点のない分割領域は代表点がないものとして以後の処理を行なってもよい。
ステップS6:同じ座標平面上で、集中パターン欠陥分布9の代表点が線で連結されて形成される集中パターン欠陥分布代表点領域11と判定領域5とが重なる重複領域13の有無が判定される。ここでは、16点の代表点を線が交差しない順番に結線して分布代表点領域11を画定した。例えば、始点となる代表点から時計周り又は反時計周りに順次隣の領域の代表点を通過するように代表点を結線することにより線が交差しない分布代表点領域11を画定できる。図6では、分布代表点領域11を画定する線は直線であるが、例えばVisual BasicのDrawClosedCurve関数等を用いて、代表点を通る滑らかな曲線により分布代表点領域11を画定してもよい。後述する各実施例でも同様である。
しかし、蓄積されたデータに対してこれらの処理を行なう際、毎回同じ基準で処理されるのであれば、データ収集時に集中パターン欠陥分布を構成するデータ点(被判定データ群)に対して代表点選定処理を行ない、代表点情報もウエハ情報(被判定データ群識別情報)に関連付けて蓄積されるデータとしてデータベースに登録しておくほうが合理的である。図7を参照してその実施例を説明する。
ステップS18:データベースに登録されたウエハ情報のうち、該当ウエハ判定を行なうウエハ情報を被判定ウエハ情報として選定する。例えば、ステップS17で設定された判定領域内に位置する集中パターン欠陥分布の代表点をもつ被判定ウエハ情報を選定する。また、ステップS15で、ウエハ情報に関連付けて上記特徴情報を登録している場合には、その特徴情報に基づいて該当ウエハ判定を行なうべき被判定ウエハ情報を選定してもよい。また、ロット番号や品種情報、検査実施日時などの情報を用いて被判定ウエハ情報を選定してもよい。
ステップS20:図1のステップS6の該当ウエハ判定と同様にして、集中パターン欠陥分布代表点領域と判定領域とが重なる重複領域の有無を判定し、重複領域がある場合には、求めるべきパターン欠陥分布を有するパターン欠陥検査結果データをもつウエハ情報と判定する。
ステップS21:ステップS18で選定された被判定ウエハ情報が残っているかどうかを判断する。次の被判定ウエハ情報がある場合(Yes)、ステップS19に戻り、次の被判定ウエハ情報についてステップS19〜S20の処理を行なう。次の被判定ウエハ情報がない場合(No)、処理を終了する。
さらに、集中パターン欠陥分布の代表点情報の情報量は、集中パターン欠陥分布を構成する全欠陥データ点の情報量に比べて小さいので、読込み時間が速くなり、処理時間の短縮を図ることができる。
この分布代表点領域面積の判定処理は、重複領域の有無判定の前に行なってもよいし、後に行なってもよい。なお、この分布代表点領域面積の判定処理を、重複領域の有無判定の前に行なうようにすれば、分布代表点領域の面積が小さい、排除されるべきデータについて重複領域の有無判断の処理を行なう必要がなくなる。
例えば、図8に示すように、判定領域5と分布代表点領域11は重複しているが、判定領域5の面積に対する重複領域13の面積の割合が例えば50%よりも小さい場合は、該当ウエハ情報ではないと判定することにより、求めるべき該当ウエハ情報の判定精度を向上させることができる。
なお、図8に示すように、重複領域13は複数の領域に分離していることもある。
例えば、図9に示すように、判定領域5と分布代表点領域11は重複しているが、分布代表点領域11の面積に対する重複領域13の面積の割合が例えば50%よりも小さい場合は、該当ウエハ情報ではないと判定することにより、求めるべき該当ウエハ情報の判定精度を向上させることができる。
また、図8の状態においても、分布代表点領域11の面積に対する重複領域13の面積の割合は例えば50%よりも小さいので、分布代表点領域11に対応するウエハ情報は該当ウエハ情報ではないと判定され得る。
これに対し、判定領域5の配置位置によっては、例えば図10に示すように、判定領域5内にパターン欠陥データ点(黒塗り丸印)が位置するにもかかわらず、代表点(白抜き丸印)が判定領域5内に位置しないことがある。図10に示した判定領域5と代表点の位置関係の場合、ステップS18で、この代表点情報をもつ被判定ウエハ情報を選定することができない。なお、図10は、座標平面の領域がX1〜X4の4つの領域に分割され、分割領域X1〜X4ごとに代表点が選定された状態を示している。
図11は、集中パターン欠陥分布の分布範囲の一例を説明するための図である。
集中パターン欠陥分布9の分布範囲を表す情報は、集中パターン欠陥分布を構成する全てのデータ点のXY座標のうち、X軸に対する最大値Xh1及び最小値Xl1、ならびに、Y軸に対する最大値Yh1及び最小値Yl1によって表される。判定領域5の範囲は、X軸に対する最大値Xh0及び最小値Xl0、ならびに、Y軸に対する最大値Yh0及び最小値Yl0によって表される。
この場合、ステップS18で被判定ウエハ情報を絞り込む検索条件は、Xh1>Xl0、Xl1<Xh0、Yh1>Yl0、かつ、Yl1<Yh0、となる。これにより、ステップS18は、図11に示した集中パターン欠陥分布9をもつ被判定ウエハ情報を選定することができる。
ここでは、集中パターン欠陥分布を構成する全てのデータ点を用いて、X軸に対する最大値Xh1及び最小値Xl1、ならびに、Y軸に対する最大値Yh1及び最小値Yl1を求めているが、集中パターン欠陥分布の分布範囲を表す情報として代表点のみを用いてこれらの最大値及び最小値を求めてもよい。
図11では、XY座標を用いているが、極座標を用いて集中パターン欠陥分布9の分布範囲を表してもよい。
極座標を用いる場合、集中パターン欠陥分布9の分布範囲を表す情報は、集中パターン欠陥分布を構成する全てのデータ点のr値及びθ値のうち、最大値rh1及び最小値rl1、ならびに、最大値θh1及び最小値θl1によって表される。判定領域5の範囲は、最大値rh0及び最小値rl0、ならびに、最大値θh0及び最小値θl0によって表される。
この場合、ステップS18で被判定ウエハ情報を絞り込む検索条件は、Rh1>Rl0、Rl1<Rh0、θh1>θl0、かつ、θl1<θh0、となる。これにより、ステップS18は、図12に示した集中パターン欠陥分布9をもつ被判定ウエハ情報を選定することができる。
ここでは、集中パターン欠陥分布を構成する全てのデータ点を用いて、最大値rh1及び最小値rl1、ならびに、最大値θh1及び最小値θl1を求めているが、集中パターン欠陥分布の分布範囲を表す情報として代表点のみを用いてこれらの最大値及び最小値を求めてもよい。
例えば、分布代表点領域11の形状がどれだけ円形に近いかを表す値として、分布代表点領域11の面積を、分布代表点領域11を囲む線長を円周とする円の面積で割った値(以下、円形比率と称す。)を求め、その値をウエハ情報に関連付けてデータベースに登録する。
分布代表点領域11を囲む線長をLとすると、Lを円周とする円の半径rはL/2πである。Lを円周とする円の面積は、πr2=π(L/2π)2=L2/4πである。分布代表点領域11の面積をSとすると、円形比率は、S/(L2/4π)=4πS/L2となる。
円形比率は、1に近づくほど円形になり、0に近づくほど線形になるので、必要に応じて分布識別対象ウエハ選択ステップで対象の限定に活用できる。
図13に示した集中パターン欠陥分布9に対する集中パターン欠陥分布代表点領域11と、図14に示した集中パターン欠陥分布9に対する集中パターン欠陥分布代表点領域11の面積は同じであるが、図13と図14とではパターン欠陥データ点数が異なっており、図13の方が図14に比べてデータ点分布領域のデータ点が高密度になっている。分布代表点領域11のデータ点分布領域のデータ点分布密度を予め求めてウエハ情報に関連付けてデータベースに登録しておけば、図14のように集中パターン欠陥分布9のデータ点分布領域のデータ点分布密度が小さい集中パターン欠陥分布9を排除して、図13のように集中パターン欠陥分布9のデータ点分布領域のデータ点分布密度が大きい集中パターン欠陥分布9に限定して被判定ウエハ情報の選定を行ないたいときに活用することができる。
また、パターン欠陥位置を示すデータ点や異物位置を示すデータ点の位置に対応するチップ位置を不良チップとし、不良チップ位置を示すデータを用いて上記実施例と同様の処理を行なうこともできる。ただし、鏡面ウエハ上の異物検査結果データにはチップの概念がないので、ウエハ上に仮想チップを設ける。
例えば、図3に示したウエハ上でのパターン欠陥位置を不良チップに置き換えると、図15に示すようになる。図15で不良チップは符号15で示される。
チップ7及び不良チップ15の中心の点(黒塗り丸印及び白抜き丸印)を用いて代表点(白抜き丸印)を求め、集中不良分布17に対応する集中不良分布代表点領域19を求めると、集中不良分布17を構成する不良チップ15は、集中不良分布代表点領域19に対してはみ出す部分が多くなる。
これが望ましくない場合は、ウエハテスト結果データのチップ7を表す位置情報を、チップ7の4隅を表す位置情報に変換して、集中不良分布17の代表点を求めるようにすればよい。
図18に示すように、不良チップ15の4隅を表す位置情報(黒塗り丸印及び白抜き丸印)を用いて代表点(白抜き丸印)を求め、集中不良分布17に対応する集中不良分布代表点領域19を求めると、集中不良分布17を構成する不良チップ15は、集中不良分布代表点領域19に対してはみ出す部分がなくなるのがわかる。
例えば、ノッチ3を下にしてウエハ1の上半分を判定領域としたり、ノッチ3を下にしてウエハ1の右半分を判定領域としたりできる。
また、判定領域は、必ずしも枠状のものでなくてもよい。例えば、X,Y座標平面でX>0,Y>0の領域や、X<2の領域など、枠状ではない領域であってもよい。
判定領域は、判定領域5aのように三角形の領域でもよいし、判定領域5bのように複数の点を滑らかな曲線で連結した領域でもよいし、判定領域5cのように楕円形の領域でもよいし、判定領域5dのようにウエハ1からはみ出した領域でもよい。
図20は、ウエハテスト結果データを座標平面上に示した図である。複数の不良チップ15で構成される集中不良分布17と、集中不良分布17に対応する集中不良分布代表点領域19が図示されている。
図21は、メタル1形成工程の欠陥検査結果データを座標平面上に示した図である。パターン欠陥位置を示すデータ点(黒塗り丸印)と、集中パターン欠陥分布9−1と、集中パターン欠陥分布9−1に対応する集中パターン欠陥分布代表点領域11−1が図示されている。
図22は、メタル2形成工程の欠陥検査結果データを座標平面上に示した図である。パターン欠陥位置を示すデータ点(黒塗り丸印)と、集中パターン欠陥分布9−2と、集中パターン欠陥分布9−2に対応する集中パターン欠陥分布代表点領域11−2が図示されている。
図23は、メタル3形成工程の欠陥検査結果データを座標平面上に示した図である。パターン欠陥位置を示すデータ点(黒塗り丸印)と、集中パターン欠陥分布9−3と、集中パターン欠陥分布9−3に対応する集中パターン欠陥分布代表点領域11−3が図示されている。
ウエハテスト結果にて図20に示すように集中不良分布17がある場合、集中不良分布17に対応する集中不良分布代表点領域19を判定範囲として設定して、各メタル形成工程のパターン欠陥検査結果に対して該当ウエハ判定ステップを行なえばいい。原因となる工程は、メタル2の集中不良分布代表点領域11−2のように、集中不良分布代表点領域19(判定領域)と重なるので、該当ウエハ判定ステップで、集中不良分布17の発生原因となる情報をもつ被判定ウエハ情報を判定できる。
なお、プログラムの機能の1つとして、該当ウエハ情報と判定された複数のウエハ情報の集中不良分布代表点領域又は集中パターン欠陥分布代表点領域を1つの座標平面上に描画して、不要と思われる集中不良分布及び集中パターン欠陥分布を選択し、その分布を有するウエハ情報を該当ウエハ情報から除く機能を備えれば、さらに最適な該当ウエハ情報の分類が可能になる。
図26は、代表点選定ステップの変形例を説明するためのフローチャートである。図27は、図5に示した集中パターン欠陥分布9を表した座標平面に、領域をX軸方向で8分割するための第2分割用直線を図示した図である。図28は、図27の座標平面に、Y軸方向の分割用直線、及び、集中パターン欠陥分布9の集中パターン欠陥分布代表点領域11をさらに図示した図である。
図5、図26、図27及び図28を参照して代表点選定ステップの変形例を説明する。
分割領域X1の最大値側の第1代表点候補として求めたデータ点が代表点となっていれば起点とし、なっていなければ、起点として分割領域X2から順に分割領域X8へ最大値側の第1代表点候補であり代表点となっているデータ点を探す。起点が決まれば、起点となる代表点が属する分割領域Xa(aは2〜8の自然数)から順に分割領域X8側へ最大値側の第1代表点候補であり代表点となっているデータ点を探し、起点から順に結線する。次に分割領域X8から分割領域X1へ最小値側の第1代表点候補であり代表点になっているデータ点を探し、順に結線し、最後に起点を結線して、分布代表点領域11の領域を画定する。分布代表点領域11の領域を画定する線は、代表点を直線で結線したものでもよし、代表点を通る滑らかな曲線であってもよい。
なお、データ点の分布状態と分割領域の設定具合によっては、Y軸方向での分割領域X1〜X8、又はX軸方向での分割領域Y1〜Y8にデータ点が1つしか存在しない場合がある。その場合、1つのデータ点しか存在しない分割領域について、そのデータ点を最大値側、最小値側のいずれの代表点候補としてもよい。
また、分割用直線と第2分割用直線は互いに直交していなくてもよい。さらに、分割用直線と第2分割用直線の一方又は両方は、座標平面の座標軸に対して平行に設定されなくてもよい。
このように、この代表点選定ステップでも、データ点の分布領域に応じた分布代表点領域を画定するための代表点を適切に選定することができる。
図29のフローチャートのステップS5−3bで、分割領域A1〜A12ごとに、第3分割用直線L3より最長の距離となるデータ点を代表点として求め、さらにデータ点のない分割領域A1,A2,A7に対する代表点を求める。分割領域A1〜A12ごと代表点を求める処理と、データ点のない分割領域A1,A2,A7に対する代表点を求める処理はどちらが先であってもよい。
分割領域A2にはデータ点がなく、第3分割用直線L3を挟んで分割領域A2に対向する分割領域A11に2つ以上のデータ点があるので、分割領域A11のデータ点のうち第3分割用直線L3に最も近いデータ点を分割領域A2の代表点T2として選定する。
分割領域A7にはデータ点がなく、第3分割用直線L3を挟んで分割領域A7に対向する分割領域A6に2つ以上のデータ点があるので、分割領域A6のデータ点のうち第3分割用直線L3に最も近いデータ点を分割領域A1の代表点T3として選定する。
代表点T1は分割領域A1の代表点、代表点T2は分割領域A2の代表点、代表点T3は分割領域A7の代表点とすることにより、分割領域A1、A2、A3、・・・、A10、A11、A12の順で各代表点を結線することにより、集中パターン欠陥分布代表点領域11を画定する線の交差を防ぐことができる。
図33は、図5に示した集中パターン欠陥分布9を表した座標平面に、データ点の分布領域を12分割するための分割用直線L1及び回帰直線と分布代表点領域11を図示した図である。
ここでは、座標平面のX軸についてデータ点の分布領域の最大値と最小値を求め、その最大値と最小値の回帰直線上に代表点T4,T5(+印参照)を追加した。集中パターン欠陥分布代表点領域11を画定する線が交差しないようにするには、分割領域A1,A2,・・・,A5,A6、代表点T4、分割領域A7,A8,・・・,A11,A12、代表点T5の順で各代表点を結線する等がある。
なお、座標平面のY軸についてデータ点の分布領域の最大値と最小値を求め、その最大値と最小値の回帰直線上の点に代表点を追加してもよい。
図35は、図33の代表点に回帰直線上の代表点を追加し、かつ端の分割領域の代表点を無視して分布代表点領域を画定した図である。
図35では、回帰直線上の代表点T4,T5を追加し、端の分割領域A1,A6,A7,A12の代表点を無視して分布代表点領域を画定している。図35で分割領域A1,A6,A7,A12の代表点は、代表点でないデータ点と同様に黒塗り丸印で示している。なお、分割領域A1,A6,A7,A12で代表点を求める処理をしてもよいし、しなくてもよい。
また、上記実施例ではX,Yの直交座標平面を用いているが、本発明で用いる平面座標は、斜交座標平面であってもよい。
L1 分割用直線
L2 第2分割用直線
L3 第3分割用直線
T1〜T3 データ点のない分割領域に対する追加の代表点
T4,T5 回帰直線上の追加の代表点
1 ウエハ
5,5a〜5d 判定領域
9,9−1,9−2,9−3 集中パターン欠陥分布(データ点分布領域)
11,11−1,11−2,11−3,19 分布代表点領域
13 重複領域
15 不良チップ
17 集中不良分布
Claims (19)
- 対になった2つの変数をもつ複数のデータからなる被判定データ群に対してコンピュータにより実行される方法であって、
前記被判定データ群のデータが点として表される座標平面の領域をデータ点の分布領域を横切る1本又は互いに平行な複数本の分割用直線によって2つ以上の領域に分割し、分割領域ごとに分割領域内のデータ点のうち前記分割用直線が延びる2方向でそれぞれ最も外側に位置するデータ点をデータ点分布領域の代表点として選定する分布代表点選定ステップと、
前記代表点が線で連結されて形成される分布代表点領域と、前記座標平面に設定された特定の領域である判定領域とが重なる重複領域の有無を判断し、前記重複領域があるときは前記被判定データ群が該当データ群であると判定する判定ステップと、を含んだ座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。 - 前記被判定データ群は、半導体装置製造工程におけるパターン欠陥検査結果データ、異物検査結果データ又はウエハテスト結果データである請求項1に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。
- 前記判定ステップの前に、前記分布代表点選定ステップで得られた前記代表点の情報である代表点情報と前記被判定データ群を識別できる情報である被判定データ群識別情報を関連付けてデータベースに登録する代表点情報登録ステップを含み、
前記判定ステップは、前記データベースから前記被判定データ群識別情報に関連付けられた前記代表点情報を読み込んで前記重複領域の有無を判定する請求項1又は2に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。 - 前記代表点情報登録ステップは、前記データ点分布領域及び前記分布代表点領域の分布範囲、ならびに、前記分布代表点領域の面積、円形比率及びデータ点分布密度のうち少なくとも1つを含む特徴情報を前記被判定データ群識別情報に関連付けて前記データベースに登録し、
前記判定ステップは、前記特徴情報に基づいて判定すべき前記被判定データ群識別情報を絞り込んでから、前記重複領域の有無を判定する請求項3に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。 - 前記判定ステップは、前記分布代表点領域の面積が予め設定された分布代表点領域面積しきい値以上であるかの判定を行ない、前記分布代表点領域の面積が前記分布代表点領域面積しきい値よりも小さい場合は前記被判定データ群を該当データ群ではないと判定する請求項1から4のいずれか一項に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。
- 前記判定ステップは、前記重複領域の面積が予め設定された重複領域面積しきい値以上であるかの判定をさらに行ない、前記重複領域の面積が前記重複領域面積しきい値以上である場合に前記被判定データ群を該当データ群であると判定する請求項1から5のいずれか一項に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。
- 前記判定ステップは、前記判定領域の面積に対する前記重複領域の面積の割合が予め設定された第1割合しきい値以上であるかの判定をさらに行ない、その割合が前記第1割合しきい値以上である場合に前記被判定データ群を該当データ群であると判定する請求項1から6のいずれか一項に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。
- 前記判定ステップは、前記分布代表点領域の面積に対する前記重複領域の面積の割合が予め設定された第2割合しきい値以上であるかの判定をさらに行ない、その割合が前記第2割合しきい値以上である場合に前記被判定データ群を該当データ群であると判定する請求項1から7のいずれか一項に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。
- 前記判定ステップは、前記代表点を前記線が交差しない順番に結線して前記分布代表点領域を画定する請求項1から8のいずれか一項に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。
- 前記分布代表点選定ステップは、座標平面の一方の座標軸と平行に前記分割用直線を設定して分割領域ごとに他方の座標軸の座標値について最大値をもつデータ点と最小値をもつデータ点を前記代表点として選定する請求項1から9のいずれか一項に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。
- 前記分布代表点選定ステップは、分割領域ごとに分割領域内のデータ点のうち前記分割用直線が延びる2方向でそれぞれ最も外側に位置するデータ点をデータ点分布領域の代表点候補として選定した後、前記分割用直線に交差し、かつデータ点の分布領域を横切る1本又は互いに平行な複数本の第2分割用直線によって、座標平面の領域を2つ以上の領域に分割したときの各分割領域で分割領域内のデータ点のうち前記第2分割用直線が延びる2方向でそれぞれ最も外側に位置するデータ点であり、かつ前記代表点候補であるデータ点を前記代表点として選定する請求項1から9のいずれか一項に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。
- 前記分割用直線と前記第2分割用直線は互いに直交している請求項11に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。
- 前記分割用直線は座標平面の一方の座標軸と平行に設定され、前記第2分割用直線は座標平面の他方の座標軸と平行に設定される請求項12に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。
- 前記分布代表点選定ステップは、前記分割用直線に交差し、かつ前記データ点の分布領域を横切る第3分割用直線と前記分割用直線とによって座標平面の領域を分割し、分割領域ごとに前記第3分割用直線から最も離れたデータ点を前記代表点として選定する請求項1から9のいずれか一項に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。
- 前記分割用直線と前記第3分割用直線は互いに直交している請求項14に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。
- 前記分布代表点選定ステップは、前記第3分割用直線を挟んで対向する2つの分割領域のうち一方にデータ点がなく、他方に2つ以上のデータ点がある場合に、その2つ以上のデータ点がある分割領域のデータ点のうち前記第3分割用直線に最も近いデータ点をデータ点のない分割領域の代表点として選定する請求項14又は15に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。
- 前記第3分割用直線は前記複数のデータ点の回帰直線である請求項14から16のいずれか一項に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。
- 前記分布代表点選定ステップは、座標平面の2つの座標軸のいずれか一方の座標軸について前記複数のデータ点の分布領域の最大値と最小値を求め、その最大値と最小値の前記複数のデータ点の回帰直線上の点に代表点を追加する請求項1から17のいずれか一項に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。
- 請求項1から18のいずれか一項に記載の各ステップをコンピュータに実行させるための、座標平面におけるデータ点分布領域の識別プログラム。
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