JP2008256638A - 製品検査装置、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

製品検査装置、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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茂 長島
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Abstract

【課題】製品の誤差及び誤差形状を容易に認識可能で、誤差を解消するための成形条件の見直しを容易にできる製品検査装置を提供する。
【解決手段】業種データに応じて業種別用途の確認を行う(S105)。業種別用途が樹脂成形品の場合(S105−樹脂成形品)には、判定手段14が、製品の表面の誤差と裏面の誤差を比較して誤差形状を判定する(S106)。選択手段15がソリューションデータ記録手段に記録された樹脂成形品用ソリューションデータベース9を選択し、その中から誤差形状に基づき適用すべきソリューションデータを選択し、表示手段16が適用すべきソリューションデータを表示する(S108)。
【選択図】図6

Description

本発明は、CAD(Computer Aided Design)装置で設計した三次元CADデータを利用した製品検査装置に関する。
従来、CADデータを基に製作された製品がCADデータ通りに作られているかどうかを確認するために検査が行われている。この検査においてはまず、CADデータと製品の点群データを対応付けてそれらの位置合わせ(照合)が行われる。例えば、特許文献1には、点群データとCADデータを高精度に対応付けることができる方法が示されている。この方法によれば、物体の点群データを基に該物体の機構解析モデルを作成し、治具のCADデータを基に該治具の機構解析モデルを作成し、機構解析ソフトウェアを用いて物体の機構解析モデルを治具の機構解析モデルに固定するシミュレーションを行うことにより、点群データの座標系とCADデータの座標系を高精度に対応付けることができる。
そして、点群データとCADデータが対応付けられた後、両データの各部位での誤差が検出され、その誤差がカラーマップ等でコンピュータ画面に表示される。検査者は、このカラーマップを見ることで、製品のどの部位でどれだけの誤差があるか、もしくは、その誤差形状はどのようになっているか等を認識する。そして、その誤差を解消するため、成形条件を見直すという作業が行われている。
特開2004−150930号公報
しかしながら、カラーマップを見ることで誤差を確認すると、僅かな誤差を見逃してしまい、何度も試作品を作らなければならない事態になることがあった。また、カラーマップを製品の裏表から見てその誤差形状を把握するので、作業者の労力が必要であった。さらに、誤差を解消するため成形条件を見直す作業は、長年の経験が必要で、特に若手技術者にとっては、ハードルの高い作業となっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、製品の誤差及び誤差形状を容易に認識可能で、誤差を解消するための成形条件の見直しを容易にできる製品検査装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明の製品検査装置は、三次元CADデータを利用して製品を検査する製品検査装置であって、製品の形状を計測した点群データと三次元CADデータを入力する入力手段、予めソリューションデータを記録しておくソリューションデータ記録手段、前記入力手段に入力された前記点群データと前記三次元CADデータを照合する照合手段、該照合手段で照合した前記点群データと前記三次元CADデータの誤差を検出する誤差検出手段、前記誤差から誤差形状を判定する判定手段、該判定手段により判定された前記誤差形状に基づき前記ソリューションデータ記録手段に記録されたソリューションデータの中から適用すべきソリューションデータを選択する選択手段、及び前記誤差、前記誤差形状及び/又は前記適用すべきソリューションデータを表示する表示手段、からなる構成を採用した。
誤差だけでなく、誤差形状も表示されるので、製品の誤差を多方向から見て、誤差形状を判断する必要がなく、作業者の労力が必要なくなる。また、適用すべきソリューションデータも表示されるので、若手技術者でもその誤差を解消するための成形条件の見直しを容易にできる。これら、誤差、誤差形状、及びソリューションデータが同時又は簡単な操作により別個に表示されるので、製品の誤差の情報及び解決策をすぐに把握することができ、より高精度な製品を確実に製造することができる。
また、本発明の製品検査装置は、前記判定手段が、前記製品の表面の誤差と裏面の誤差を比較して前記誤差形状を判定するので、比較的容易に誤差形状を判定することができ、検査に余計な時間がかからない。
また、本発明の製品検査装置は、前記ソリューションデータ記録手段に業種別用途に応じた複数の業種別ソリューションデータが記憶されており、前記入力手段に入力された業種データに基づき、前記選択手段が前記複数の業種別ソリューションデータの中から前記業種データに対応したソリューションデータを選択し、前記誤差形状に基づき前記ソリューションデータの中から適用すべきソリューションデータを選択するので、業種別用途に応じてソリューションデータを用意され、より的確な解決策を提示できる。
また、本発明の製品検査装置は、前記誤差検出手段が、前記点群データと前記三次元CADデータの誤差を所定の閾値を定めて区分けし、該区分けされた島を認識し、前記表示手段が、前記島の数を表示するので、島の数を正確に把握することができ、誤差の発生した部位を見落とすことがなく、漏れなく対処できる。
また、本発明の製品検査装置は、前記誤差検出手段が、前記点群データと前記三次元CADデータの誤差を所定の閾値を定めて区分けし、該区分けされた島を認識し、該島の最大変位部の数値を把握し、前記表示手段が、前記最大変位部の数値を前記最大変位部の箇所に対応付けて表示するので、各島の最大変位部とその数値を把握することができ、より的確な対処方法を取ることができる。
また、本発明の製品検査装置は、前記最大変位部の数値に付随して表示されるキー表示部をマウスでクリックすることにより前記誤差形状及び/又は前記ソリューションデータを表示する。このようにすれば、誤差の最大変位部の情報を把握した後に、各誤差位置での誤差形状やソリューションデータを表示できるので、誤差形状やソリューションデータが見やすい。
本発明のプログラムは、三次元CADデータを利用して製品を検査するためにコンピュータを、製品の形状を計測した点群データと三次元CADデータを入力する入力手段、予めソリューションデータを記録しておくソリューションデータ記録手段、前記入力手段に入力された前記点群データと前記三次元CADデータを照合する照合手段、該照合手段で照合した前記点群データと前記三次元CADデータの誤差を検出する誤差検出手段、前記誤差から誤差形状を判定する判定手段、該判定手段により判定された前記誤差形状に基づき前記ソリューションデータ記録手段に記録されたソリューションデータの中から適用すべきソリューションデータを選択する選択手段、及び前記誤差、前記誤差形状及び/又は前記適用すべきソリューションデータを表示する表示手段、として機能させる。
また、本発明のプログラムは、前記判定手段が、前記製品の表面の誤差と裏面の誤差を比較して前記誤差形状を判定する。
また、本発明のプログラムは、前記ソリューションデータ記録手段に業種別用途に応じた複数の業種別ソリューションデータが記憶されており、前記入力手段に入力された業種データに基づき、前記選択手段が前記複数の業種別ソリューションデータの中から前記業種データに対応したソリューションデータを選択し、前記誤差形状に基づき前記ソリューションデータの中から適用すべきソリューションデータを選択する。
また、本発明のプログラムは、前記誤差検出手段が、前記点群データと前記三次元CADデータの誤差を所定の閾値を定めて区分けし、該区分けされた島を認識し、前記表示手段が、前記島の数を表示する。
また、本発明のプログラムは、前記誤差検出手段が、前記点群データと前記三次元CADデータの誤差を所定の閾値を定めて区分けし、該区分けされた島を認識し、該島の最大変位部の数値を把握し、前記表示手段が、前記最大変位部の数値を前記最大変位部の箇所に対応付けて表示する。
また、本発明のプログラムは、前記最大変位部の数値に付随して表示されるキー表示部をマウスでクリックすることにより前記誤差形状及び/又は前記ソリューションデータを表示する。
本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、三次元CADデータを利用して製品を検査するためにコンピュータを、製品の形状を計測した点群データと三次元CADデータを入力する入力手段、予めソリューションデータを記録しておくソリューションデータ記録手段、前記入力手段に入力された前記点群データと前記三次元CADデータを照合する照合手段、該照合手段で照合した前記点群データと前記三次元CADデータの誤差を検出する誤差検出手段、前記誤差から誤差形状を判定する判定手段、該判定手段により判定された前記誤差形状に基づき前記ソリューションデータ記録手段に記録されたソリューションデータの中から適用すべきソリューションデータを選択する選択手段、及び前記誤差、前記誤差形状及び/又は前記適用すべきソリューションデータを表示する表示手段、として機能させるためのプログラムを記録した。
また、本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、前記判定手段が、前記製品の表面の誤差と裏面の誤差を比較して前記誤差形状を判定するプログラムを記録した。
また、本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、前記ソリューションデータ記録手段に業種別用途に応じた複数の業種別ソリューションデータが記憶されており、前記入力手段に入力された業種データに基づき、前記選択手段が前記複数の業種別ソリューションデータの中から前記業種データに対応したソリューションデータを選択し、前記誤差形状に基づき前記ソリューションデータの中から適用すべきソリューションデータを選択するプログラムを記録した。
また、本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、前記誤差検出手段が、前記点群データと前記三次元CADデータの誤差を所定の閾値を定めて区分けし、該区分けされた島を認識し、前記表示手段が、前記島の数を表示するプログラムを記録した。
また、本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、前記誤差検出手段が、前記点群データと前記三次元CADデータの誤差を所定の閾値を定めて区分けし、該区分けされた島を認識し、該島の最大変位部の数値を把握し、前記表示手段が、前記最大変位部の数値を前記最大変位部の箇所に対応付けて表示するプログラムを記録した。
また、本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、前記最大変位部の数値に付随して表示されるキー表示部をマウスでクリックすることにより前記誤差形状及び/又は前記ソリューションデータを表示するプログラムを記録した。
本発明に係る製品検査装置は、三次元CADデータを利用して製品を検査する製品検査装置であって、製品の形状を計測した点群データと三次元CADデータを入力する入力手段、予めソリューションデータを記録しておくソリューションデータ記録手段、前記入力手段に入力された前記点群データと前記三次元CADデータを照合する照合手段、該照合手段で照合した前記点群データと前記三次元CADデータの誤差を検出する誤差検出手段、前記誤差から誤差形状を判定する判定手段、該判定手段により判定された前記誤差形状に基づき前記ソリューションデータ記録手段に記録されたソリューションデータの中から適用すべきソリューションデータを選択する選択手段、及び前記誤差、前記誤差形状及び/又は前記適用すべきソリューションデータを表示する表示手段、からなるので、製品の誤差及び誤差形状を容易に認識可能で、誤差を解消するための成形条件の見直しを容易にできる。
三次元CADデータを利用して製品を検査する製品検査装置であって、製品の形状を計測した点群データと三次元CADデータを入力する入力手段、予めソリューションデータを記録しておくソリューションデータ記録手段、前記入力手段に入力された前記点群データと前記三次元CADデータを照合する照合手段、該照合手段で照合した前記点群データと前記三次元CADデータの誤差を検出する誤差検出手段、前記誤差から誤差形状を判定する判定手段、該判定手段により判定された前記誤差形状に基づき前記ソリューションデータ記録手段に記録されたソリューションデータの中から適用すべきソリューションデータを選択する選択手段、及び前記誤差、前記誤差形状及び/又は前記適用すべきソリューションデータを表示する表示手段、からなる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る製品検査装置の実施形態を示す構成図である。図2は、本発明に係る製品検査装置の概略構成図である。図3、図4、図5は、本発明に係る製品検査装置の画面表示を示す図である。図6は、本発明に係る製品検査装置の動作を示すフローチャートである。図7は、本発明に係る製品検査装置の誤差形状の自動判断アルゴリズムの例を説明するための図である。
図1には、本発明に係る製品検査装置1が示されている。製品検査装置1は、コンピュータであり、装置内部の制御を行うCPU(Central Processing Unit:中央演算装置)2、液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の表示装置3やキーボード4、マウス5、フレキシブルディスク6等とCPU2とを接続する入出力制御部7及び記憶手段8を備えている。
CPU2は、図2に示すような、製品の形状を計測した点群データ21と三次元CADデータ22を入力する入力手段11、照合手段12、誤差検出手段13、判定手段14、選択手段15、及び表示手段16を実現し、図6のフローチャートに示すような動作を行うようにプログラミングされている。
ここで、CADデータとは、CADに係るデータの他、CAM(Computer Aided Manufacturing)、CAE(Computer Aided Engineering)、CAT(Computer Aided Testing)等のCADに関連するデータを含むものである。また、製品とは、完成品だけでなく、試作品等も含む。また、製品を計測する計測手段は、ある二点からカメラで撮像したデータやレーザを照射して得たデータ等から三次元形状を非接触で計測する非接触計測機や、接触式計測機等を例示することができる。そして、様々な機器の部品およびその筐体等の、加工物をスキャンすることで、加工物は、三次元座標を有する点データの集合、すなわち測定点群データとして取り扱われる。さらに、CADデータを作成するコンピュータや計測機は、互いにLAN(Local Area Network)等のネットワークで接続されているか、記録媒体等によってデータの授受が可能にされている。
本実施例においては、コンピュータを製品検査装置1として動作させるためのプログラムを、CPU2が既に保持している状態から説明を行っている。しかしながら、その前提として、コンピュータに該プログラムをインストールする必要があり、該プログラムの供給は、フレキブルディスク6やMO(Magneto Optical disk)やCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)等の記録媒体による方法や、インターネットやWAN(Wide Area Network)等の通信回線による方法などがある。
記憶手段8は、具体的にはハードディスク(Hard Disk)であり、誤差形状とソリューションデータとを関連付けたソリューションデータベースが記憶されている。この例では、樹脂成形用のソリューションデータベース9及びプレス成形用のソリューションデータベース10が記憶されている。本発明は、これに限定されるものではなく、ダイカスト等による成形用のソリューションデータベースを用意することができる。本実施例では記憶手段8をハードディスクとしているが、例えばフレキシブルディスクやMOなどを記憶手段として使用することも可能である。
次に、本実施例における製品検査装置1の画面表示について説明する。
図3には、三次元CADデータを基に樹脂成形された電子機器の内蔵部品の形状31が示されている。この製品の形状31には、製品の形状を計測した点群データと三次元CADデータの誤差がカラーマップとして表示される(図ではハッチングで示してある)。誤差とは、CADデータ、すなわち設計上の物と、点群データ、すなわち製作された物との間でどれだけずれが生じているのかを示す。
例えば、誤差が所定の閾値範囲の箇所41が緑色に表示され、誤差が凹状で所定の閾値範囲の箇所42は水色に表示され、誤差が凹状で所定の閾値以下の範囲43は青色に表示され、誤差が凸状で所定の閾値範囲の箇所45は黄色に表示され、誤差が凸状で所定の閾値以上の範囲46は赤色に表示される。なお、本発明はこれに限定されるものではなく、表示色の段階等は種々に変更でき、例えばグレースケール表示や所定の閾値の輪郭のみの表示をすることもできる。また、閾値は、例えば、誤差の寸法を尺度とすることができ、誤差が−0.10〜+0.10の範囲を緑色、+0.10〜+0.20の範囲を黄色、+0.20以上の範囲を赤色、−0.10〜−0.20の範囲を水色、−0.20以下の範囲を青色に着色することができる。
この例では、凹状の誤差の内、最も変位の大きい最大変位部44の箇所から引き出し線が延ばされ、「凹方向に0.15mmの変形があります。肉厚異常を発生している可能性があります。」という変形量と誤差形状の表示がなされている。また、凸状の誤差の内、最も変位の大きい最大変位部47の箇所から引き出し線が延ばされ、「凸方向に0.13mmの変形があります。反りを発生している可能性があります。」という変形量と誤差形状の表示がなされている。
これらは、誤差検出手段13が、点群データと三次元CADデータの誤差を所定の閾値を定めてカラーマップとして区分けし、その区分けされた島を認識し、その島の最大変位部の数値を把握し、表示手段16が、最大変位部の数値をその最大変位部の箇所に対応付けて表示したものである。この例では、大きな島が2つあるので、2箇所の変形量と誤差形状のデータを示してあるが、これは、島の数によって表示データ数が異なるということを示し、実際には、島の数分だけ変形量と誤差形状のデータが表示されることとなる。もしくは、所定の閾値以上及び所定の閾値以下の誤差の生じている箇所(カラーマップの赤色及び青色に表示されている部分)のみの変形量と誤差形状を表示することもできる。なお、この例のように、最大変位部の変位と反り等の誤差形状を同時に表示したが、一方のみを表示させることもできる。
また、この例では、画面左上に「全体で2箇所の異常を自動認識しました。」という表示がなされている。これは、誤差検出手段13が、点群データと三次元CADデータの誤差を所定の閾値を定めてカラーマップとして区分けし、その区分けされた島を認識し、表示手段16が、その島の数を表示したものである。
ここで島とは、図3の誤差が凹状で所定の閾値以下の範囲43や誤差が凸状で所定の閾値以上の範囲46のことを指す。このように、図3においては、島が2つあるので、「全体で2箇所の異常を自動認識しました。」という表示がなされている。なお、島は、このように、周辺よりも相対的に凹状や凸状になっている部分を指すので、その配色にかかわらず、周辺よりも変位の大きい部分を示す。つまり、所定の閾値以上及び所定の閾値以下の誤差を生じている箇所(カラーマップの赤色及び青色に表示されている部分)だけでなく、赤色及び青色の部分は無いが、所定の閾値範囲内にある黄色や水色の部分があれば、その部分を島と判断し、それらの島の数を表示することもできる。また、ある程度の面積を持つ島に限定して表示することもできる。また、島の数ではなく、最大変位部の数を検出して表示しても良い。さらに、島及び最大変位部は、ノイズを除去した誤差データから検出される。
また、誤差形状は、樹脂成形の場合は、判定手段14が、例えば、ある部位で、製品の表面が凸形状で裏面が凹形状の場合は「反り」もしくは「倒れ」、表面が凸形状で裏面がフラットの場合は「バリ」、表面が凹形状で裏面がフラットの場合は「欠け」もしくは「ひけ」、表面が凹形状で裏面も凹形状もしくは表面が凸形状で裏面も凸形状の場合は「肉厚異常」等と判定する。また、プレス成形の場合は、判定手段14が、例えば、ある部位で、製品の表面が凸形状で裏面が凹形状の場合は「スプリングバック」、表面が凸形状で裏面がフラットの場合は「しわ」、表面が凹形状で裏面がフラットの場合は「われ」等と判定する。
「反り」もしくは「倒れ」、又は、「欠け」もしくは「ひけ」の区別は、その誤差の生じている範囲や誤差の生じている部位の製品形状等から判定することができる。また、製品の角部で凸形状となっている場合には「バリ」であると判定するように、製品の誤差の生じている部位によって誤差形状の判定を変えることもできる。さらに、これらの誤差形状の分類データを記憶手段8に記憶させて、誤差が生じた場合には、分類データを参照して誤差に対する誤差形状の判定を行うこともできる。
図4には、図3と同じように製品の形状31及びカラーマップが示されている。この例では、図の上方の凹状の誤差を生じている部分から引き出し線が延ばされ、「肉厚異常の解決策として、以下を確認してください。1.型開き 2.型の加工ミス」という誤差形状及びソリューションデータの表示がなされている。また、図の下方の凸状の誤差を生じている部分から引き出し線が延ばされ、「反りの解決策として、以下を確認してください。 1.型温度差 2.冷却条件 3.水管の配置 4.ゲート位置、径 5.射出圧、速度」という誤差形状及びソリューションデータの表示がなされている。
ここで、ソリューションデータとは、誤差を改善するための成形条件の見直し点がデータ化されたものである。各誤差形状に対して、一般的に考えられる形成条件の見直し点が関連付けられており、誤差が発生すると、判定手段14が、誤差形状を判定し、選択手段15がその誤差形状に基づきソリューションデータ記録手段に記録されたソリューションデータの中から適用すべきソリューションデータを選択し、表示手段16により、成形条件の見直し点が候補として表示される。ここで表示されたソリューションデータは一例であり、本願発明はこれに限定されるものではなく、種々に変更を加えることができる。なお、この例では、誤差形状とソリューションデータを同時に表示したが、一方のみを表示させることもできる。
図5は、図3、図4と同じように製品の形状31及びカラーマップが示されている。図の上方の凹状部から引き出し線が延ばされ、「凹方向に0.15mmの変形があります。」という最大変位部の情報が表示されている。その最大変位部の情報の右端には、「S」というキー表示部が配置されている。図の下方の凸状部から引き出し線が延ばされ、「凸方向に0.13mmの変形があります。」という最大変位部の情報が表示されている。その最大変位部の情報の右端には、凹状部と同じように、「S」というキー表示部が配置されている。このキー表示部をマウス5でクリックすることにより誤差形状及び/又はソリューションデータを表示することもできる。
次に、本実施例における製品検査装置1の動作を説明する。
尚、以下の説明において、括弧内の符号は図6のフローチャートの符号に対応している。
まず、製品の形状を計測した点群データ21と三次元CADデータ22を製品検査装置1に取り込む(S101)。取り込む方法としては、フレキシブルディスク6やMO等の記録媒体を介して行ったり、図示しない通信回線を用いる方法などがある。取り込んだ点群データ21と三次元CADデータ22は、記憶手段8に格納する。なお、三次元CADデータ22を、まとめて記憶手段8に格納しておいてもかまわない。
次に、照合手段12は、入力手段11に入力された点群データ21と前記三次元CADデータ22を照合(座標系合わせ)する(S102)。具体的には、まず、点群データ21の個々の点について、データの分布の平均が構成する面を算出し、これを基準面とする。そして、CADデータ22と点群データ21との位置合わせを行い、CADデータ22の面と基準面とが、向きが同一で距離が最小となる位置が算出され、2つのデータの像を重ね合わせる。
続いて、誤差検出手段13が、照合手段12で照合した点群データ21と三次元CADデータ22の誤差を検出し、表示手段16が、その誤差をカラーマップとして表示する(S103)。誤差は、所定の閾値ごとに色分けされており、例えば、凸状に所定の閾値以上の誤差が生じている場合は赤色、凹状に所定の閾値以下の誤差が生じている場合は青色というように色づけされる。カラーマップを表示すると共に、表示手段16が、誤差の検査結果の数値等の情報を表示し、コンピュータに備えられた出力手段(図示せず)が、表計算ファイル形式などの帳票を出力する(S104)。
次に、業種データに応じて業種別用途の確認を行う(S105)。業種データは、樹脂成形品又はプレス成形品といった用途の識別データであり、検査者がキーボード4等から入力することができる。なお、この例では、樹脂成形品又はプレス成形品の場合が示されているが、本発明はこれに限らず、ダイカスト等による成形品にも適用できる。
業種別用途が樹脂成形品の場合(S105−樹脂成形品)には、判定手段14が、製品の表面の誤差と裏面の誤差を比較して誤差形状を判定する(S106)。誤差形状は、例えば、反り、肉厚異常、ひけ、バリ、倒れ、欠落等がある。そして、表示手段16が、誤差の発生している箇所から引き出し線を引き、誤差形状のメッセージを表示する(S107)。メッセージは、例えば、「この部分で反りが発生している可能性があります。」とする。
さらに、入力手段11に入力された業種データに基づき、選択手段15がソリューションデータ記録手段に記録された樹脂成形品用ソリューションデータベース9を選択し、その中から誤差形状に基づき適用すべきソリューションデータを選択し、表示手段16が適用すべきソリューションデータを表示する(S108)。適用すべきソリューションデータの表示は、例えば、「成形条件(型温度差、冷却条件、水管、ゲート位置、射出圧)を確認してください。」とする。
業種別用途がプレス成形品の場合(S105−プレス成形品)には、判定手段14が、製品の表面の誤差と裏面の誤差を比較して誤差形状を判定する(S109)。誤差形状は、例えば、スプリングバック、われ、しわ等がある。そして、表示手段16が、誤差の発生している箇所から引き出し線を引き、誤差形状のメッセージを表示する(S110)。メッセージは、例えば、「この部分でスプリングバックが発生している可能性があります。」とする。
さらに、入力手段11に入力された業種データに基づき、選択手段15がソリューションデータ記録手段に記録されたプレス成形用ソリューションデータベース10を選択し、その中から誤差形状に基づき適用すべきソリューションデータを選択し、表示手段16が適用すべきソリューションデータを表示する(S108)。適用すべきソリューションデータの表示は、例えば、「成形条件(プレス圧、ビード位置、見込み形状)を確認してください。」とする。
次に、本発明に係る製品検査装置の誤差形状の自動判断アルゴリズムの例を説明する。
図7には、格子状に分割された点群モデルが示されている。点群モデルは、00〜03、10〜13、20〜23、30〜33、40〜43という格子に分割されている。実際には、この格子上に、誤差がカラーマップとして表示される。この例では、主に、格子02、12、20〜22、30〜32、40〜42が所定の閾値範囲の凸状になっており、例えば黄色に着色される。また、主に、格子30〜32、40〜42が所定の閾値以上の凸状になっており、例えば赤色(誤差カラーマップの不具合色)に着色される。図では、黄色部分の外形が51、赤色部分の外形が52と示してある。
誤差形状を自動判断するには、まず、点群モデルの上方向(平面図)からみて、2次元的な処理を行なう。続いて、点群モデルを囲む矩形を定義する。その矩形をあるピッチで分割し格子状態にする。次に、誤差カラーマップの不具合色が、各格子内で、どれほどの面積比を持っているかを計算する。N個以上隣接した格子が或閾値以上の面積で不具合色になっていれば、反りと判断する。ただし、下方向からも同じ計算をして同じ位置で、上も凸下も凸、もしくは、上も凹下も凹であれば、肉厚異常と判断する。
誤差カラーマップの不具合色が、各格子内で、どれほどの面積比を持っているかという計算は次のように行う。まず、所定の閾値以上の凸状になっている格子30について、物全体の面積Sa30と不具合色の面積Sb30から面積比Rx30=Sb30/Sa30を計算する。同じようにして、所定の閾値以上の凸状になっている格子31〜32、40〜42についても面積比を計算する。そして、Rx30、Rx40、Rx31、Rx41、Rx32、Rx42が所定値Rα以上であることが判明したとすれば、この部分で反りが発生していると判断する。さらに製品の裏側も同じように格子に分割し、面積比を求めて検査する。同じ位置で、表面も凸で裏面も凸、もしくは、表面も凹で裏面も凹であれば、反りではなくて、肉厚異常と判断する。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る製品検査装置、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、CAD装置で設計した三次元CADデータを利用した製品検査装置等に適用できる。
本発明に係る製品検査装置の実施形態を示す構成図である。 本発明に係る製品検査装置の概略構成図である。 本発明に係る製品検査装置の画面表示を示す図である。 本発明に係る製品検査装置の画面表示を示す図である。 本発明に係る製品検査装置の画面表示を示す図である。 本発明に係る製品検査装置の動作を示すフローチャートである。 本発明に係る製品検査装置の誤差形状の自動判断アルゴリズムの例を説明するための図である。
符号の説明
1・・・・・・製品検査装置
2・・・・・・CPU
3・・・・・・表示装置
4・・・・・・キーボード
5・・・・・・マウス
6・・・・・・フレキシブルディスク
7・・・・・・入出力制御部
8・・・・・・記憶手段
9・・・・・・樹脂成形用のソリューションデータベース
10・・・・・プレス成形用のソリューションデータベース
11・・・・・入力手段
12・・・・・照合手段
13・・・・・誤差検出手段
14・・・・・判定手段
15・・・・・選択手段
16・・・・・表示手段
21・・・・・点群データ
22・・・・・CADデータ
31・・・・・製品の形状
41〜43、45、46、51、52・・・・カラーマップ
44、47・・最大変位部

Claims (18)

  1. 三次元CADデータを利用して製品を検査する製品検査装置であって、
    製品の形状を計測した点群データと三次元CADデータを入力する入力手段、
    予めソリューションデータを記録しておくソリューションデータ記録手段、
    前記入力手段に入力された前記点群データと前記三次元CADデータを照合する照合手段、
    該照合手段で照合した前記点群データと前記三次元CADデータの誤差を検出する誤差検出手段、
    前記誤差から誤差形状を判定する判定手段、
    該判定手段により判定された前記誤差形状に基づき前記ソリューションデータ記録手段に記録されたソリューションデータの中から適用すべきソリューションデータを選択する選択手段、及び
    前記誤差、前記誤差形状及び/又は前記適用すべきソリューションデータを表示する表示手段、
    からなる製品検査装置。
  2. 前記判定手段が、前記製品の表面の誤差と裏面の誤差を比較して前記誤差形状を判定する請求項1に記載の製品検査装置。
  3. 前記ソリューションデータ記録手段に業種別用途に応じた複数の業種別ソリューションデータが記憶されており、前記入力手段に入力された業種データに基づき、前記選択手段が前記複数の業種別ソリューションデータの中から前記業種データに対応したソリューションデータを選択し、前記誤差形状に基づき前記ソリューションデータの中から適用すべきソリューションデータを選択する請求項1又は2に記載の製品検査装置。
  4. 前記誤差検出手段が、前記点群データと前記三次元CADデータの誤差を所定の閾値を定めて区分けし、該区分けされた島を認識し、前記表示手段が、前記島の数を表示する請求項1乃至3いずれかに記載の製品検査装置。
  5. 前記誤差検出手段が、前記点群データと前記三次元CADデータの誤差を所定の閾値を定めて区分けし、該区分けされた島を認識し、該島の最大変位部の数値を把握し、前記表示手段が、前記最大変位部の数値を前記最大変位部の箇所に対応付けて表示する請求項1乃至4いずれかに記載の製品検査装置。
  6. 前記最大変位部の数値に付随して表示されるキー表示部をマウスでクリックすることにより前記誤差形状及び/又は前記ソリューションデータを表示する請求項5記載の製品検査装置。
  7. 三次元CADデータを利用して製品を検査するためにコンピュータを、
    製品の形状を計測した点群データと三次元CADデータを入力する入力手段、
    予めソリューションデータを記録しておくソリューションデータ記録手段、
    前記入力手段に入力された前記点群データと前記三次元CADデータを照合する照合手段、
    該照合手段で照合した前記点群データと前記三次元CADデータの誤差を検出する誤差検出手段、
    前記誤差から誤差形状を判定する判定手段、
    該判定手段により判定された前記誤差形状に基づき前記ソリューションデータ記録手段に記録されたソリューションデータの中から適用すべきソリューションデータを選択する選択手段、及び
    前記誤差、前記誤差形状及び/又は前記適用すべきソリューションデータを表示する表示手段、
    として機能させるためのプログラム。
  8. 前記判定手段が、前記製品の表面の誤差と裏面の誤差を比較して前記誤差形状を判定する請求項7に記載のプログラム。
  9. 前記ソリューションデータ記録手段に業種別用途に応じた複数の業種別ソリューションデータが記憶されており、前記入力手段に入力された業種データに基づき、前記選択手段が前記複数の業種別ソリューションデータの中から前記業種データに対応したソリューションデータを選択し、前記誤差形状に基づき前記ソリューションデータの中から適用すべきソリューションデータを選択する請求項7又は8に記載のプログラム。
  10. 前記誤差検出手段が、前記点群データと前記三次元CADデータの誤差を所定の閾値を定めて区分けし、該区分けされた島を認識し、前記表示手段が、前記島の数を表示する請求項7乃至9いずれかに記載のプログラム。
  11. 前記誤差検出手段が、前記点群データと前記三次元CADデータの誤差を所定の閾値を定めて区分けし、該区分けされた島を認識し、該島の最大変位部の数値を把握し、前記表示手段が、前記最大変位部の数値を前記最大変位部の箇所に対応付けて表示する請求項7乃至10いずれかに記載のプログラム。
  12. 前記最大変位部の数値に付随して表示されるキー表示部をマウスでクリックすることにより前記誤差形状及び/又は前記ソリューションデータを表示する請求項11記載のプログラム。
  13. 三次元CADデータを利用して製品を検査するためにコンピュータを、
    製品の形状を計測した点群データと三次元CADデータを入力する入力手段、
    予めソリューションデータを記録しておくソリューションデータ記録手段、
    前記入力手段に入力された前記点群データと前記三次元CADデータを照合する照合手段、
    該照合手段で照合した前記点群データと前記三次元CADデータの誤差を検出する誤差検出手段、
    前記誤差から誤差形状を判定する判定手段、
    該判定手段により判定された前記誤差形状に基づき前記ソリューションデータ記録手段に記録されたソリューションデータの中から適用すべきソリューションデータを選択する選択手段、及び
    前記誤差、前記誤差形状及び/又は前記適用すべきソリューションデータを表示する表示手段、
    として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  14. 前記判定手段が、前記製品の表面の誤差と裏面の誤差を比較して前記誤差形状を判定する請求項13に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  15. 前記ソリューションデータ記録手段に業種別用途に応じた複数の業種別ソリューションデータが記憶されており、前記入力手段に入力された業種データに基づき、前記選択手段が前記複数の業種別ソリューションデータの中から前記業種データに対応したソリューションデータを選択し、前記誤差形状に基づき前記ソリューションデータの中から適用すべきソリューションデータを選択する請求項13又は14に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  16. 前記誤差検出手段が、前記点群データと前記三次元CADデータの誤差を所定の閾値を定めて区分けし、該区分けされた島を認識し、前記表示手段が、前記島の数を表示する請求項13乃至15いずれかに記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  17. 前記誤差検出手段が、前記点群データと前記三次元CADデータの誤差を所定の閾値を定めて区分けし、該区分けされた島を認識し、該島の最大変位部の数値を把握し、前記表示手段が、前記最大変位部の数値を前記最大変位部の箇所に対応付けて表示する請求項13乃至16いずれかに記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  18. 前記最大変位部の数値に付随して表示されるキー表示部をマウスでクリックすることにより前記誤差形状及び/又は前記ソリューションデータを表示する請求項17記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016197391A (ja) * 2015-04-02 2016-11-24 スリーディー・システムズ・コリア・インコーポレイテッド 3次元スキャナを利用して生成された幾何形状を基準座標に移動させて検査基準座標を設定する方法
JP2020008903A (ja) * 2018-07-02 2020-01-16 株式会社ミツトヨ 測定データ観察装置、測定支援装置、及びプログラム

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