JP5958160B2 - 部品実装検査のための検査基準情報の設定方法および検査基準情報の作成システム - Google Patents

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本発明は、部品実装基板における部品の実装状態を自動で検査するための検査基準情報を作成する方法およびその作成を行うシステムに関する。
部品の実装状態の検査に広く用いられている自動外観検査装置では、一般に、部品毎に、その部品の種別に応じた計測が行われて、得られた計測値を所定の基準値と照合することにより、良・不良が判定される。
上記の基準値は、一般に、検査に先立つティーチング処理でユーザにより設定されることから、その負荷を軽減することを課題とした発明が、従来より提示されている。
たとえば、特許文献1には、あらかじめ部品の種毎に、当該部品と基板との間の色彩の関係または画像上の当該部品の近傍における色彩の特徴を表す外観情報とその外観情報に適合する検査基準データとの組み合わせを複数とおり登録しておき、画面に、処理対象の部品の良品画像を表示すると共に、同じ画面上に処理対象の部品につき登録された外観情報による選択肢を表示し、ユーザに選択された選択肢に対応する検査基準データを読み出すことが記載されている。
また、特許文献2には、設計情報に基づいて複数種類の仮想の半田フィレットの形状情報を算出し、各形状情報に基づき半田フィレットの画像を生成してそれぞれの特徴量を算出し、良否を判定すると共に、その判定結果を算出された特徴量と共に出力することが記載されている。
特許第4788517号公報 特許第3974022号公報
従来の検査基準の設定処理では、計測処理により算出される特徴パラメータの値そのものを対象にして、判定の条件や基準値を設定しているため、ユーザにとって、感覚的に把握しづらい、という問題があった。
また基準値を適切な値に設定するには、「良」の計測値の分布範囲や「不良」の計測値の分布範囲を特定するために良品や不良品のサンプルがそれぞれ相当数必要であるが、生産を開始する前に十分なサンプルを確保することは困難である。
上記の問題点に関して、特許文献2に記載の発明によれば、様々な形状の半田フィレットをソフトウェアにより作成し、これらを画像に変換して計測処理を行うことにより得られた特徴量の分布状態を閾値(基準値)と共にユーザに提示するので、ユーザは、基準値の適否を判別しやすくなるように思われる。しかし、はんだ付け部位を含む部品の外観によって良・不良を判断する一般的なユーザに、個々の特徴量の分布を提示しても、それらの分布から良と不良とを見分けるのは困難である。
また、実装状態の適否は、通常、複数とおりの判定結果を統合することによって最終的に判定されるが、その統合のロジックは、ユーザ側の良品の基準によって異なるものになる。たとえば、良品の基準が厳しいユーザの場合には、実施可能な全ての計測を行うと共に、全ての計測値が良の基準を満たすような条件が設定されるが、良品の基準が比較的緩いユーザの場合には、複数種の計測値の中のいずれかが良となれば、良品と判定する場合がある。そのような検査ロジックの内容の設定まで含めた設定を特許文献2に記載の方法により行うのは困難である。
本発明は上記の問題点に着目し、計測値によることなく、「良」と判定したい実装状態と「不良」と判定したい実装状態とをユーザが容易に指定することができると共に、その指定に沿った検査基準情報を自動的に作成することにより、検査基準情報の設定に関する利便性や検査基準の確度を高めることを課題とする。
本発明による方法は、基板に実装された部品に対して予め登録された検査基準に基づく自動検査を行うために、検査基準を示す情報を作成するもので、少なくとも1種類の部品を対象に、1または複数の計測項目による計測結果に基づき実装状態の特徴を少なくとも2つのタイプに分類することが可能な特徴項目を複数種設定すると共に、特徴項目毎のタイプを組み合わせることにより複数の特徴モデルを設定し、各特徴モデルに、各計測項目による計測を実施した場合に得られる計測項目毎の計測値が取り得る数値範囲と特徴モデルの外観を表す模式図とが紐付けられて登録されたデータベースを作成し、以下の第1〜第4のステップを実行する。
第1ステップでは、データベースに登録されている部品を対象として、対象の部品につきデータベースに登録されている特徴モデルの模式図が特徴項目別および各特徴項目のタイプ別に分類された状態で配列された2次元マップを表示して、この表示の中から良好な特徴モデルを選択する操作と不良の特徴モデルを選択する操作とを受け付ける。
第2ステップでは、第1ステップで受け付けた選択に基づき、2次元マップにおいて良好と選択された第1の特徴モデル群と不良と選択された第2の特徴モデル群との間におけるタイプの違いを特定し、そのタイプの違いが生じた特徴項目に対応する計測項目をキーとして当該違いを検出するための判定条件を設定する。
第3ステップでは、前記タイプの違いが生じた特徴項目に対応する計測項目に関してデータベースに登録されている計測値の数値範囲を第1の特徴モデル群および第2の特徴モデル群のそれぞれについて個別に導出して、これらの数値範囲に基づいて各特徴モデル群を見分けるための基準値を導出する。そして、導出された基準値を第2ステップで設定された判定条件にあてはめた検査基準情報を作成する。
第4ステップでは、対象の部品につき第3ステップで作成された検査基準情報を所定の記憶手段(たとえば、検査装置内のメモリや情報管理用のコンピュータシステムなど)に保存する。
上記の方法によれば、ユーザには、各種の特徴項目毎に分類されたタイプの組み合わせが異なる複数の特徴モデルの外観を表す2次元マップが提示される。ユーザは、この2次元マップに示される各特徴モデルの外観を参照して、良好な特徴モデルと不良の特徴モデルとを見分け、その結果を反映した選択操作を行う。この操作が完了すると、良好と選択された特徴モデル群と不良と選択された特徴モデル群との間におけるタイプの違いが特定され、その違いに基づき良と不良とを見分けるための判定条件や基準値が求められて、これらに基づく検査基準情報が作成される。
上記の方法にかかる一実施形態では、第1ステップでは、2次元マップを構成する2軸にそれぞれ2種類の特徴項目による階層構造を設定することとして、上位の特徴項目に属する各種タイプをそれぞれ下位の特徴項目に属する各種タイプにより分類して、その分類に沿って各特徴モデルを配列する。また第2ステップでは、上記2次元マップの各軸の上位の特徴項目のタイプを1つずつ組み合わせることにより生じるグループのうちの1つを基準として、この基準グループ内で良好と選択された特徴モデルと不良と選択された特徴モデルとを見分けるために下位の特徴項目に対応する計測項目をキーとした判定条件を設定すると共に、その他のグループの中からユーザの選択パターンが基準グループと整合しないグループを抽出し、抽出されたグループに対応する上位の特徴項目にかかる計測項目をキーとして前記第1の特徴モデル群と第2の特徴モデル群との間におけるタイプの違いを検出するための判定条件を追加する。
上記の実施例によれば、良好と選択された特徴モデル群と不良と選択された特徴モデル群とを見分けるための判定条件を、効率良く設定することができ、また誤判定が生じる頻度が低い判定条件を設定することができる。
上記の方法が適用される検査基準情報の作成システムは、少なくとも1種類の部品を対象に、1または複数の計測項目による計測結果に基づき実装状態の特徴を少なくとも2つのタイプに分類することが可能な特徴項目を複数種設定すると共に特徴項目毎のタイプを組み合わせることにより設定された複数の特徴モデルに、各計測項目による計測を実施した場合に得られる計測項目毎の計測値が取り得る数値範囲と当該特徴モデルの外観を表す模式図とが紐付けられて登録されたモデルデータ記憶手段;モデルデータ記憶手段に登録されている部品の1つを選択して、選択された部品につきモデルデータ記憶手段に登録されている特徴モデルの模式図が特徴項目別および各特徴項目のタイプ別に分類された状態で配列された2次元マップを表示して、この表示の中から良好な特徴モデルを選択する操作と不良の特徴モデルを選択する操作とを受け付ける選択受付手段;選択受付手段が受け付けた選択に基づき、2次元マップにおいて良好と選択された第1の特徴モデル群と不良と選択された第2の特徴モデル群との間におけるタイプの違いを特定し、そのタイプの違いが生じた特徴項目に対応する計測項目をキーとして当該違いを検出するための判定条件を設定すると共に、前記タイプの違いが生じた特徴項目に対応する計測項目に関してモデルデータ記憶手段に登録されている計測値の数値範囲を前記第1の特徴モデル群および第2の特徴モデル群のそれぞれについて個別に導出して、これらの数値範囲に基づいて各特徴モデル群を見分けるための基準値を導出し、導出された基準値を前記判定条件にあてはめた検査基準情報を作成する検査基準情報作成手段と、前記選択された部品につき検査基準情報作成手段が作成した検査基準情報を保存する登録手段とを、具備する。
上記の構成によれば、選択受付手段により第1ステップが、ロジック情報作成手段により第2および第3ステップが、登録手段により第4ステップが、それぞれ実行されることになる。
モデルデータ記憶手段を含む各手段は、1つのコンピュータ内に設けてもよいし、複数のコンピュータに分散させて設けてもよい。または、自動外観検査を実施する検査装置に各手段を設けることによって、2次元マップを表示してその表示に対する選択を受け付けて検査基準情報を自動生成する機能を有する検査装置を提供することができる。
本発明によれば、ユーザは、目視検査を行うのと同様の観点で、良好な特徴モデルと不良の特徴モデルとを選択することにより、その選択に適合する検査基準情報が自動作成されて登録される。よって、検査基準の設定にかかるユーザの負担が大幅に軽減されると共に、適切な検査基準情報を容易に生成することができる。
本発明が適用される基板検査システムのハードウェア構成を示すブロック図である。 図1の基板検査システムの機能ブロック図である。 マップ表示画面の具体例を示す図である。 上記のマップ表示画面中の1つの模式図を拡大して示す図である。 マップ表示画面に対する選択終了後に表示される結果表示画面の例を示す図である。 定義テーブルの構成例を示す図である。 モデルデータテーブルの構成例を示す図である。 図3の2次元マップ中の基準ブロックに対する選択パターンの適用により生じる誤検出に基づき、判定条件を追加する処理の概要を示す図である。 不良タイプの検出に用いる基準値を設定する処理の手順を示すフローチャートである。 計測値の良範囲と不良範囲との関係から基準値を設定する場合の処理の概要を示す図である。 検査基準の作成処理手順を示すフローチャートである。 基準ブロックに対して許可される5通りの選択パターンを、それぞれのパターンから導出される不良の判定条件と共に示す図である。 見過ぎの識別表示を含む結果表示画面の例を示す図である。
図1は、部品実装基板を検査するための基板検査システムのハードウェア構成例を示す。この実施例のシステムは、自動外観検査装置2,ティーチング用端末装置3,目視検査用端末装置4の各装置が、LAN回線5を介してデータ管理用サーバ1に接続された構成のものである。各装置2,3,4間では相互に通信をすることはなく、情報のやりとりはすべてデータ管理用サーバ1を介して行われる。
自動外観検査装置2(以下、単に「検査装置2」という。)は、クリームはんだの印刷工程、部品実装工程、リフロー工程の各工程を経て完成した部品実装基板を撮像し、生成された画像をあらかじめ登録された検査プログラムを用いて処理することにより、基板上の部品の実装状態の良・不良を判定する。データ管理用サーバ1には、上記の検査プログラムや検査結果が保存されるほか、ティーチング用端末装置3での処理に必要な情報が登録される。
ティーチング用端末装置3は、検査装置2で使用する検査プログラムを作成する作業に用いられ、目視検査用端末装置4は、検査プログラムによる自動検査の結果が適切であるか否かを目視で確認する作業に用いられる。目視検査の検査員は、実物の基板を目視によりチェックし、自動検査の結果が適切でないと判断した場合には、目視検査用端末装置4を用いてデータ管理用サーバ1内の検査結果を修正する。
ティーチング用端末装置3により作成される検査プログラムは、基板に実装される部品の位置情報に検査基準情報を紐付けた構成のものである。この実施例の検査基準は、不良とすべき特徴を判定するのに用いられる計測項目やその判定の条件を定義するものである。
検査プログラムを作成する処理において、ティーチング用端末装置3は、ユーザに指定された基板の設計情報や部品種のリストなどをデータ管理用サーバ1から読み出して、これらに基づき、基板上の各種部品を同一品番毎にグループ分けし、グループ毎にそのグループの部品種に適した方法で検査基準の設定を行う。そのうちの1つとして、この実施例のティーチング用端末装置3には、ユーザが目視検査と同様の感覚で良品と不良品とを選択できる画面を提示して、その画面に対する選択に応じて検査基準を自動作成する機能が設けられている。以下、この機能に関わる処理について詳細に説明する。
図2は、上記の検査基準の作成に関わるデータ管理用サーバ1およびティーチング用端末装置3の機能を、検査装置2および検査用端末装置4との関係と共に示す。
データ管理用サーバ1には、検査プログラム記憶部11、検査結果記憶部12、モデルデータ記憶部13、マップデータ記憶部14などが設けられる。これらの記憶部11〜14は、いずれも複数種のデータファイルを含むリレーショナルデータベースである。
検査プログラム記憶部11には、基板毎の検査プログラムのほか、各種部品種と部品品番との対照リスト、各計測項目の具体的な処理手順を示すプログラム、各種基板の設計情報(実装される部品の品番や位置情報を示すもの)などが保存される。
検査装置2では、検査プログラム記憶部11から検査対象の基板に対応する検査プログラムを読み出して、検査を実行する。一連の検査の結果や検査の際に生成された画像などは、検査装置2からデータ管理用サーバ1に送信されて、検査結果記憶部12に格納される。
ティーチング用端末装置3には、GUI制御部30,マップ作成部31,読出処理部32,検査基準作成部33,登録処理部34などの機能が設定される。
GUI制御部30は、作業画面を表示してユーザの操作を受け付け、他の処理部31〜34と協働して操作に応じた処理を実行する。読出処理部32は、GUI制御部30の処理に必要な情報(基板の設計情報や部品種と部品品番との対照リストなど)を読み出して、GUI制御部30および登録処理部34に提供する。マップ作成部31は、モデルデータ記憶部13およびマップデータ記憶部14の情報を用いて後記する2次元マップMP,MP1を作成する。
GUI制御部30は、2次元マップを用いて検査基準を設定することが可能な部品品番が指定されると、指定された品番用の2次元マップをマップ作成部31に作成させ、この2次元マップを含む画面(以下、「マップ表示画面」という。)を表示する。
GUI制御部30は、マップ表示画面に対するユーザの選択操作を受け付けると共に、その選択の内容を検査基準作成部33に渡して、選択された内容に従った検査基準を表すロジック情報を組み立てさせ、組み立てられたロジックの内容などを示す画面(以下、「結果表示画面」という。)に表示を切り換える。
GUI制御部30は、上記の結果表示画面において検査基準を確定する操作を受け付けると、上記のロジック情報を登録処理部34に渡す。登録処理部34は、読出処理部32を介して取得した基板の設計情報に基づき、2次元マップに対応する部品品番の部品の実装位置にGUI制御部30から渡されたロジック情報を紐付けて、検査プログラム記憶部11に登録する。
以下、ガルウィング型のリード部品に対する検査プログラムを更新する事例を具体例として、マップ表示画面および検査結果表示画面の構成例やロジック情報の作成の原理を説明する。
図3は、マップ表示画面の具体例を示す。
この例のマップ表示画面は、ガルウィング型のリード部品に対する検査基準を設定する画面としてユーザに提示されるもので、基板に対する部品電極の接続状態を複数のタイプに分類して示した2次元マップMPが含まれる。
具体的にこの実施例では、電極の接続状態の特徴を表すために、[フィレット形状][フィレット高さ][フィレット長さ][電極の状態]という4種類の特徴項目を設定する。そして、縦方向および横方向に2種類ずつ特徴項目を割り当てることにより二層構造の分類軸を設定し、各特徴項目をそれぞれ複数のタイプに分類した2次元マップを作成する。以下では、2層構造の上位の軸を「主分類軸」と呼び、下位の軸を「副分類軸」と呼ぶ。
横方向では、[フィレット形状]を主分類軸として、この軸に「凸型」「凸凹型」「凹型」の3つのタイプを設定する。また横方向では、フィレットの高さを副分類軸に設定して、上記3タイプのフィレット形状を、それぞれ「フィレット高」および「フィレット低」の2つに分類する。
縦方向では、[電極の状態]を主分類軸として、この軸に「電極浮きなし」「電極浮きあり・接続」「電極浮きあり・非接続」の3つのタイプを設定する。また横方向では、フィレットの長さを副分類軸に設定して、上記3タイプの電極状態を、それぞれ「フィレット長」および「フィレット短」の2つに分類する。
以下では、[フィレット形状][電極の状態][フィレット高さ][フィレット長さ]の各特徴項目のタイプの組み合わせにより表現される特徴のことを、「特徴モデル」と呼ぶ。
この実施例では、各主分類軸間のタイプの組み合わせのうち、「凸凹型」と「電極浮きあり・非接続」との組み合わせ、および「凹型」と「電極浮きあり・非接続」との組み合わせを除く各組み合わせを、各副分類軸のタイプ毎に分類することにより、28個の特徴モデルを設定する。2次元マップでは、各分類軸をタイプ毎に区切ることにより、各特徴モデルに対応する28個の領域40を設定し、各領域40に、それぞれ該当する特徴モデルの模式図を表示する。
なお、「電極浮きあり・接続」とは、電極に浮きが生じているがはんだには接触している状態を言い、「電極浮きあり・非接続」とは、電極がはんだに接触することなく完全に浮いている状態をいう。上記の2次元マップにおいて、フィレット形状の「凸凹型」や「凹型」と「電極浮きあり・非接続」との組み合わせによる特徴モデルを設定しなかったのは、電極の接触がない場合のはんだは、殆どの場合、凸状に盛り上がった形状にしかならないからである。
図4は、模式図の1つ(図3のマップMPの左上隅の領域内の模式図)を拡大して示したものである。
この模式図は、リード部品の1本の電極を中心とした側面図であって、電極100およびこれが突き出る部品本体の一部分101、基板の一部分102、基板側の電極(ランド)103、はんだの表面形状を表す輪郭線104が含まれる。他の特徴モデルの模式図も同様の構成になるが、はんだの輪郭線104の形状や電極100の姿勢はモデルのタイプに応じて変動する。
図3に参照を戻す。
2次元マップMP内の各領域40には、さらに、OKボタン41およびNGボタン42、ならびに有効・無効を選択するためのチェックボックス43が設けられる。初期では、すべての領域のチェックボックス43が選択されている(選択がなされるとチェックボックス43にレ点印が表示される。)が、ユーザは、現場では発生しない、または問題にする必要がないと判断した特徴モデルに対する選択を解除することができる。
また、この実施例では、主分類軸毎に、その軸内の3つのタイプのうちの1つが他のタイプより優先されるべきタイプとして選択される。具体的には、[フィレット形状]では「凹型」が優先され、[電極の状態]では「電極浮きなし」が優先される。2次元マップMP内でも、これら優先タイプの配置範囲を示すバーが所定の色彩で着色されている。
ユーザは、有効と選択された特徴モデル毎に、その模式図に基づき検査結果を「良」とするか「不良」とするかを判断し、「良」とする場合にはOKボタン41をクリックし、「不良」とする場合には「NG」ボタン42をクリックする。クリックされたボタンは、所定の色彩で着色される(図では色彩をパターン塗りに置き換えて示す。)。
2次元マップMPの右上には、処理の終了を指定するボタン44と、「検査条件生成」の指定ボタン45とが設けられる。ユーザが、各特徴モデルに対する「OK」「NG」の選択を終えて、ボタン45をクリックすると、画面は結果表示画面に切り替えられる。ボタン44が操作された場合には処理は中止される。
図5は、図3の2次元マップMPに対する選択に応じて表示された結果表示画面の例を示す。
この画面でも、向かって右側に、各特徴モデルに対応する領域が各主分類軸および副分類軸に沿って配列された2次元マップMP1が表示されるが、この2次元マップMP1は模式図を含まず、「OK」または「NG」の選択結果を文字および色分けして示すものとなる。具体的に2次元マップMP1では、各特徴モデルに対応する28個の矩形領域50が配列されて、マップ表示画面で「OK」が選択された特徴モデルに対する領域50が薄緑色に着色され、「NG」が選択された特徴モデルに対する領域50がピンク色に着色される。なお、図5において、2次元マップMP1の上に配置されている2つの正方形54,55は、後述する「見過ぎ」および「見逃し」の表示例である。
図5の画面の向かって左側では、各特徴モデルに対する選択に基づき導出された不良の判定条件が表示される。この実施例では、横1行に1つの特徴項目に対応する条件を示すようにしており、判定に用いられる計測項目の名称(図中の「フィレット高さ」「フィレット長さ」など)を入れる欄51を2個ずつ設けた行を複数設定している。また行内の各欄51の間や各行の間は、論理演算子(「And」または「Or」)を入れる欄52を介して繋げられている。また、計測項目の入力欄51の下には、それぞれその項目の計測値が示す「不良」の数値範囲を入れる欄53が設けられる。また、ここには示されていないが、別途、計測項目毎に、「不良」を示す計測値と「良」を示す計測値とを見分けるための基準値が設定される。
各欄51,52,53への情報は、検査基準作成部33により自動入力される。各欄51,52,53は、具体的な情報が入っている場合にのみ有効となるが、左上隅の論理演算子の欄52は空欄の状態でも有効である。各行では、2種類の計測項目をAndまたはOrで繋ぐことができるが、行内の左側の欄51のみに計測項目を入れるだけの条件を設定することも可能である。
図5の結果表示画面の右上には、「戻る」ボタン56と、「検査条件決定」の指定ボタン57とが設けられる。
ユーザが、マップMP1の表示により「OK」「NG」の選択に誤りがあると気づいてボタン56を操作すると、画面は、図3のマップ表示画面に戻り、選択状態を変更することができる。ユーザが選択内容を正しいと判断してボタン57を操作すると、画面左側に示された検査ロジック情報が確定される。
図6(1)は、図3〜図5に例示されたガルウィング型のリード部品に関して、2次元マップの分類に用いられた各種特徴項目およびタイプと計測項目との関係を定義したテーブルである。以下、このテーブルを「マップ構成定義テーブル」という。
この定義テーブルによれば、[フィレット高さ]には、この項目と同じ名称の計測項目「フィレット高さ」が設定され、その計測値によって「フィレット高」と「フィレット低」とに分類される。また[フィレット長さ]には、この項目と同じ名称の計測項目「フィレット長さ」が設定され、その計測値によって「フィレット長」と「フィレット短」とに分類される。
一方、[フィレット形状]には、「はんだ中央ぬれ角度」および「電極エンドぬれ角度」という2種類の計測項目が設定され、これらの計測値によって、「凸型」「凸凹型」[凹型」の3タイプに分類される。[電極の状態]にも「電極突出」および「電極面積」という2種類の計測項目が設定され、これらの計測値によって、「電極浮きなし」「電極浮きあり(接続)」「電極浮きあり(非接続)」の3タイプに分類される。
また、この実施例では、上記の分類による10種類のタイプのうち「フィレット低」「フィレット短」「凸型」「凸凹型」「電極浮きあり(接続)」「電極浮きあり(非接続)」の各タイプを、不良として検出する対象のタイプ(以下「不良タイプ」という。)に設定可能であるとして、これらを検出するための判定条件を図6(2)に示すように定義する。以下、このテーブルを「判定条件定義テーブル」という。
同テーブルによれば、「フィレット低」および「フィレット短」には、それぞれ対応する計測項目による計測値が基準値を下回る、という判定条件が設定される。
[フィレット形状]の「凸型」には、対応する2つの計測項目(「はんだ中央ぬれ角度」および「電極エンドぬれ角度」)が共に基準値を上回る、というAND論理の判定条件が設定されるが、「凸凹型」では「電極エンドぬれ角度」が基準値を上回ることのみが判定条件となる。
「電極浮きあり」には、接続・非接続に関わらず、「電極突出」または「電極面積」が基準値を上回る、という判定条件が設定される。
データ管理用サーバ1のマップデータ記憶部14には、部品種毎に、図3に示した2次元マップMPの枠や各軸を設定するための情報が格納されると共に、上記図6(1)のマップ構成定義テーブルや図6(2)の判定条件定義テーブルが格納されている。また、モデルデータ記憶部13には、各特徴モデルの模式図を示す図形や、各特徴モデルに実際に各計測項目による計測を行った場合に各計測値が取り得る数値範囲を登録したモデルデータテーブルが登録されている。
図7は、図3のマップ表示画面に示された各特徴モデルに対してモデルデータ記憶部13に登録されているモデルデータテーブルの例を示す。このテーブルは、各特徴項目に基づき特徴モデル毎に分類され、特徴モデル毎に、図6(1)に示した6種類の計測項目の計測値が取り得る数値範囲が登録されている。これらの数値範囲は、あらかじめ各特徴モデルの3次元形状を形成してシミュレーションの計測を行うなどの方法で得られたものである。
なお、図7の例では、「フィレット高さ」や「フィレット長さ」の計測値の数値範囲はそれぞれの特徴項目([フィレット高さ][フィレット長さ])にかかるタイプの種毎に統一されているが、部品種によっては、同じタイプに対応する計測値でも、そのタイプに組み合わせられる他のタイプによって数値にばらつきが生じる場合がある。また各計測値の範囲は、当該範囲内の各数値と頻度とを対応づけた数値分布情報として登録することもできる。
ここで再び図2を参照する。
マップ作成部31は、GUI制御部30が受け付けた部品の指定に応じた情報を各記憶部13,14から読み出して、図3に示した2次元マップMPを作成する。
また、2次元マップMPの作成に用いられた各種定義情報や模式図を除くモデルデータは、GUI制御部30を介して検査基準作成部33に提供される。この提供情報に基づき、検査基準作成部33は、マップ表示画面に対するユーザの選択に従った検査基準を作成することが可能になる。
以下、検査基準作成部33により行われる処理を具体的に説明する。
図3に示すように、この実施例の2次元マップMPは、主分類軸に設定されている各タイプの組み合わせにより「凸型/電極浮きなし」「凸型/電極浮きあり・接続」「凸型/電極浮きあり・非接続」「凸凹型/電極浮きなし」「凸凹型/電極浮きあり・接続」「凹型/電極浮きなし」「凹型/電極浮きあり・接続」という7個のブロックに分けられる。さらに、それぞれのブロックがフィレットの高さおよびフィレットの長さに基づき4つに分類されて、28個の特徴モデルが設定される。
そこで、この実施例では、2次元マップMP内の7個のブロックのうち、優先タイプの組み合わせである「凹型・電極浮きなし」のブロックを基準ブロックとして、この基準ブロックに対する選択状態に従った判定条件を他のブロックにも適用した場合に、判定結果がユーザの選択と整合しない状態になる特徴モデルを抽出する。以下、ユーザの選択に整合しない判定結果を、便宜上、「誤判定」という。
図8(1)は、図3の例に示した選択に応じて、「凹型・電極浮きなし」の基準ブロックに対する選択に基づく判定条件(「フィレット短」で「フィレット低」のものを不良とし、その他は良とする。)を各ブロックに適用した場合に得られる結果を示す。この図8(1)では、図5のマップMP1に準じて、各識別モデルをユーザによる選択内容(「OK」または「NG」)を記した矩形に置き換え、各矩形を各分類軸に従って配列すると共に、誤判定が生じた識別モデルに対応する矩形に×印を付けている。図示例の誤判定はすべて「見逃し」、すなわちユーザは「NG」と選択したのに「OK」と判定されてしまう誤判定である。
上記の結果を得た検査基準作成部33は、主分類軸のタイプ毎に見逃しの数を抽出し、最も見逃しが多かったタイプを不良タイプに設定する。図8(1)の例の場合には、[フィレット形状]の「凸型」と[電極の状態]の「電極浮きあり・接続」とに対してそれぞれ9個の見逃しが発生し、[フィレット形状]の「凸凹型」と[電極の状態]の「電極浮きあり・非接続」とに対してそれぞれ3個の見逃しが発生している。よって、「凸型」と「電極浮きあり・接続」とが不良タイプの候補となるが、このような場合には、あらかじめ定められた優先順位に基づき不良タイプにするタイプを選択する。
図8(2)は、図8(1)の結果に対し「凸型」を不良タイプとする旨を選択した場合に残存する誤判定の状態を示す。この段階では、「凸型」にかかる誤判定がすべて解除され、「電極浮きあり・接続」に6個の見逃しが残り、「凸凹型」に3個の見逃しが残っている。ここで再び見逃し数が多い方の「電極浮きあり・接続」を不良判定の対象にすると、見逃しがすべて解消し、ユーザの選択したとおりの結果が得られる状態になる。
上記のとおり、検査基準作成部33は、ユーザの選択に従った判定結果が得られるように、不良タイプを選択すると、図6(2)に示した判定条件定義テーブルから選択された不良タイプに対応する判定条件を読み出して、検査基準の骨子を組み立てる。図5の結果表示画面に示された不良の判定条件中の欄51,52内の情報は、この一連の処理により導出されたものである。
ただし、実際に検査をする場合には、判定条件中の基準値の具体的な値を定める必要がある。そこで、検査基準作成部33は、判定条件が決まると、その判定条件に組み込まれた計測項目毎に、図7に示したモデルデータテーブルを用いて基準値を決定する。図9は、その具体的な処理の手順を示す。
図9は、判定条件に組み込まれた一計測項目に対する処理手順であって、複数の計測項目が判定条件に含まれる場合には、これらの項目毎に図9のステップS1〜S3が実行される。
ステップS1では、処理対象の計測項目にかかる不良タイプに該当する特徴モデルの中からユーザに「NG」と選択された特徴モデルをすべて特定し、特定された特徴モデルおよび処理対象の計測項目につきモデルデータテーブルに登録されている計測値を読み出し、その分布範囲を計測値の不良範囲として導出する。
ステップS2では、処理対象の計測項目にかかる不良タイプには該当しない特徴モデルの中からユーザに「OK」と選択された特徴モデルをすべて特定し、特定された特徴モデルおよび処理対象の計測項目につきモデルデータテーブルに登録されている計測値を読み出し、その分布範囲を計測値の良範囲として導出する。
たとえば、図6(2)によれば、「フィレット低」が不良タイプとして採用される場合には、「フィレット高さ」という計測項目を基準値と比較する旨を示す判定条件が採用される。図5のマップMP1によれば、28個の識別モデルの中で「フィレット低」に該当し、かつ「NG」と選択されている特徴モデルは12個あるから、ステップS1では、これら12個の特徴モデルにつき図7のモデルデータテーブルに登録されている「フィレット高さ」の計測値を読み出し、その分布範囲を求めることになる。その結果、フィレット高さの不良範囲として「5〜50」という数値範囲が導出される。
一方、図5のマップMP1によれば、上記の不良タイプに対応しない特徴モデル、すなわち「フィレット高」に該当する特徴モデルの中で「OK」と選択されているものは4個となる。よって、ステップS2では、これら4個の特徴モデルにつき図7のモデルデータテーブルに登録されている「フィレット高さ」の計測値を読み出し、その分布範囲を求めることになる。その結果、フィレット高さの良範囲として「70〜150」という数値範囲が導出される。
図9のステップS1,S2において、上記の要領で処理対象の計測項目にかかる不良範囲と良範囲とが導出されると、ステップS3では、これらの関係に基づき、不良を検出するための基準値を特定する。
なお、上記のステップS1,S2では、それぞれ条件を満たす特徴モデルを全て対象としてモデルデータの読み出しを行ったが、これに限らず、たとえば計測値の不良範囲を導出する場合には、不良タイプに対応する特徴モデルのうち、見逃しのモデルのみを対象にして、モデルデータテーブルから該当する計測値を抽出してもよい。
図10(1)(2)は、上記ステップS3で実施される処理の概念を示す。
図10(1)(2)ともに、ステップS1の処理により読み出される不良の計測値の分布を波線で示し、ステップS2の処理により読み出される良の計測値の分布を実線で示している。各分布の範囲は、図10(1)に示すように離れている場合もあれば、図10(2)に示すように一部が重なっている場合もある。
図10(1)に示すように、「良」の計測値の分布範囲と「不良」の計測値の分布範囲とが重なっていない場合には、「良」の分布範囲の中の「不良」に近い側の端点pからさらに「不良」側に所定幅だけ移動した点(ただし「不良」の分布範囲には含まれないようにする。)の数値を基準値に設定する。また、図10(2)に示すように、各計測値の分布範囲に重なりが生じている場合には、その重なり部分での「不良」の分布範囲の端点qから「良」の側に所定幅だけ移動した点の数値を基準値に設定する。
図11は、マップ表示画面を用いて検査基準を作成する処理に関してティーチング用端末装置3で実施される処理の手順を示す。
この処理は、処理対象の部品の品番の選択に応じて開始される。最初のステップS101では、データ管理用サーバ1のモデルデータ記憶部13およびマップデータ記憶部14から処理対象の部品に関する諸情報を読み出して、マップ表示画面を作成し、これをモニタに表示する。
ステップS102では、マップ表示画面内の2次元マップMPの各特徴モデルに対するユーザの選択を受け付ける。選択が完了して検査条件生成ボタン45が操作されると、ステップS103に進み、基準ブロック(「凹型/電極浮きなし」のブロック)に対する選択のパターンをチェックする。この実施例では、図12に示す5通りのパターンに限定して選択を受け付けることにしており、基準ブロックに対する選択のパターンがこれらのパターンと異なる場合には、画面に選択のやり直しを求めるメッセージが表示され(ステップS104)、ステップS102に戻る。
上記のように、基準ブロックに対する選択パターンを限定するのは、人による選択を制限なく許可すると、常識に反する選択が行われたり、判定条件を特定できない論理矛盾が生じるからである。
基準ブロックに対する選択が許可されたパターンである場合(ステップS103が「YES」)には、ステップS105において、図6(2)に示した判定条件定義テーブルに基づき、選択パターンに応じた不良タイプおよび判定条件を設定する。この段階での判定条件を、以下、「基本の判定条件」という。
なお、基本の判定条件は、選択パターンの種類によっては複数の条件をAndまたはOrで結びつけたものになる。
ここで、許可される選択パターンおよび基本の判定条件の設定方法について、図12を参照して簡単に説明する。図12中のケース(a)では、「フィレット高さ」や「フィレット長さ」を問わず、4種類の特徴モデルの全てが「OK」と選択されている。この場合には、不良タイプは設定されず「フィレット高さ」や「フィレット長さ」にかかる判定条件も設定されない(フィレットの高さおよび長さに関してはすべてが「良」と判定される。)。
ケース(b)では、「フィレット低/フィレット短」の特徴モデルに対して「NG」が選択され、その他の特徴モデルでは全て「OK」が選択されている。この場合には、「フィレット低」および「フィレット短」を不良タイプとし、両方の不良タイプが検出された場合を不良とすることとして、各不良タイプの判定条件をAndで結んだ判定条件が採用される。
ケース(c)では、「フィレット高/フィレット長」および「フィレット高/フィレット短」の各特徴モデルに対して「OK」が選択され、「フィレット低/フィレット長」および「フィレット低/フィレット短」の各特徴モデルに対して「NG」が選択されている。この場合には、「フィレット低」を不良タイプとして、この不良タイプの判定条件が採用される。
ケース(d)では、「フィレット高/フィレット長」および「フィレット低/フィレット長」の各特徴モデルに対して「OK」が選択され、「フィレット高/フィレット短」および「フィレット低/フィレット短」の各特徴モデルに対して「NG」が選択されている。この場合には、「フィレット短」を不良タイプとして、この不良タイプの判定条件が採用される。
ケース(e)では、「フィレット高/フィレット長」の特徴モデルのみに対して「OK」が選択され、その他の特徴モデルでは全て「NG」が選択されている。この場合には、「フィレット低」および「フィレット短」を不良タイプとして、これらの不良タイプの少なくとも一方が検出された場合を不良とすることとして、各不良タイプの判定条件をORで結んだ判定条件が採用される。
上記図12に示した5通りの選択パターンやこれらに対する判定条件の設定の定義も、判定条件定義テーブルにおいて定義される。図11のステップS105において、基準ブロックに対する選択パターンとその選択パターンに対応する定義とに基づき、不良タイプおよび基本の判定条件が設定されると、ステップS106では、その基本の判定条件を基準ブロック以外の各ブロックに適用し、その条件による判定結果がユーザの選択に一致しない特徴モデル(誤検出の特徴モデル)を抽出する。
ここで抽出された特徴モデルが見過ぎ(ユーザは「OK」を選択したが判定が不良となること)のみである場合(ステップS107が「NO」)、ステップS110以下の処理に進むが、見逃しがある場合(ステップS107が「YES」)には、見逃しがなくなるまでステップS108およびS109を実行する。
ステップS108では、主分類軸のタイプ毎に見逃しの数を抽出して、見逃しの数が最も多くなるタイプを選択し、これを新たな不良タイプに設定する。ステップS109では、この不良タイプにつき抽出されていた見逃しを解除する(図8(1)(2)を参照。)。
上記の処理により見逃しが消失すると、ステップS110に進む。
ステップS110では、基本の判定条件を除く各条件の不良タイプについて、判定条件定義テーブルに定義されている判定条件を読み出し、これらを基本の判定条件に追加する。すなわち、基本の判定条件に対して追加の判定条件を論理演算子ORで結ぶ。つぎにステップS111では、不良タイプ毎に図9に示した基準値設定処理を実行する。なお、ステップS111では、基本の判定条件にかかる不良タイプも処理対象とする。
ステップS112では、基本の判定条件を含む各判定条件にそれぞれステップS111で求めた基準値をあてはめて、検査ロジック情報を作成する。ステップS113では、この検査ロジック情報に基づき図5に示した結果表示画面を表示する。なお、図5の例で欄53に表示されている数値は、計測値の不良範囲を示すもの(図9のステップS1で導出されたもの)であるが、これに代えて不良を検出するための基準値を表示してもよい。
結果表示画面の表示に対してユーザが検査条件決定ボタン57を操作すると、ステップS114が「YES」となり、ステップS115において、作成された検査ロジック情報が確定され、該当する部品の位置情報と紐付けられた状態でティーチング用端末装置3内のメモリに登録される。この登録をもって、処理対象の部品に対する検査基準の作成処理は終了する。
なお、図8に示した例では、基準ブロックに対する選択に基づく判定条件を適用した場合に生じる誤検出は見逃しのみであったが、選択のパターンによっては見過ぎが生じる場合がある。また、図11の処理手順では、見逃しが全てなくなるまで不良タイプを追加しているが、その追加により見過ぎが増える場合もあるので、ある程度の数の見逃しを許容してステップS110以後の処理に進んでもよい。
このように設定された判定条件によると見逃しや見過ぎが生じる場合には、検査結果画面では、見本画像54,55に従って、マップMP1内の該当する領域に所定の色彩によるマーキング枠を設定する。
図13は、検査結果画面のマップMP1内に見過ぎのマーキング枠が表示された例を示す。
この例では、基準ブロックに対し、図12に示したケース(d)の選択パターンによる選択が行われている。このため、「フィレット短」が単独で不良タイプとなる判定条件(図12のケース(d))が適用される。しかし、「凸凹型/電極浮きなし」のブロックにおいて「フィレット高/フレット短」の特徴モデルが「OK」と選択されているため、基本ブロックでの選択パターンによる判定条件が適用されると、「フィレット高/フィレット短」の特徴モデルを選択どおりに判定することができなくなる。これに伴い、図13の例では、マップMP1内の当該特徴モデルに対応する領域50Aに見過ぎを示すマーキング枠が表示されている。
なお、上記実施例では、不良を検出するための判定条件を含む検査基準情報が作成されるが、これに限らず、上記実施例と同様の方法により良品を検出するための判定条件を含む検査基準情報を作成することもできる。
また、上記実施例では、基準の判定条件を設定するための基準ブロックを設定するために、主分類軸の「凹型」および「電極浮きなし」の各タイプを優先タイプとして選択したが、各主分類軸から優先すべきタイプをユーザが自由に選択できるようにしてもよい。
また、上記では、基板上の所定の部品の検査基準を新規作成する例を示したが、これに限らず、あらかじめ作成された標準の検査基準情報や他の基板の同種の部品に対して作成された検査基準情報を更新する場合にも、上記実施例と同様に、マップ表示画面による選択操作を受け付け、その操作に応じて既存の検査基準情報を更新することができる。
1 データ管理用サーバ
2 自動外観検査装置
3 ティーチング用端末装置
11 検査プログラム記憶部
13 モデルデータ記憶部
14 マップデータ記憶部
30 GUI制御部
31 マップ作成部
32 読出処理部
33 検査基準作成部
34 登録処理部
41 OKボタン
42 NGボタン
MP 2次元マップ

Claims (3)

  1. 基板に実装された部品に対してあらかじめ登録された検査基準に基づく自動検査を行うために、前記検査基準を示す情報を作成する方法であって、
    少なくとも1種類の部品を対象に、1または複数の計測項目による計測結果に基づき実装状態の特徴を少なくとも2つのタイプに分類することが可能な特徴項目を複数種設定すると共に、特徴項目毎のタイプを組み合わせることにより複数の特徴モデルを設定し、各特徴モデルに、各計測項目による計測を実施した場合に得られる計測項目毎の計測値が取り得る数値範囲と当該特徴モデルの外観を表す模式図とが紐付けられて登録されたデータベースを作成し、
    前記データベースに登録されている部品を対象として、対象の部品につき前記データベースに登録されている特徴モデルの模式図が特徴項目別および各特徴項目のタイプ別に分類された状態で配列された2次元マップを表示して、この表示の中から良好な特徴モデルを選択する操作と不良の特徴モデルを選択する操作とを受け付ける第1ステップ、
    前記第1ステップで受け付けた選択に基づき、前記2次元マップにおいて良好と選択された第1の特徴モデル群と不良と選択された第2の特徴モデル群との間におけるタイプの違いを特定し、そのタイプの違いが生じた特徴項目に対応する計測項目をキーとして当該違いを検出するための判定条件を設定する第2ステップ、
    前記タイプの違いが生じた特徴項目に対応する計測項目に関して前記データベースに登録されている計測値の数値範囲を前記第1の特徴モデル群および第2の特徴モデル群のそれぞれについて個別に導出して、これらの数値範囲に基づいて各特徴モデル群を見分けるための基準値を導出し、導出された基準値を前記第2ステップで設定された判定条件にあてはめた検査基準情報を作成する第3ステップ、
    前記対象の部品につき第3ステップで作成された検査基準情報を所定の記憶手段に保存する第4ステップ、の各ステップを実行することを特徴とする部品実装検査のための検査基準情報の設定方法。
  2. 前記第1ステップでは、前記2次元マップを構成する2軸にそれぞれ2種類の特徴項目による階層構造を設定することとして、上位の特徴項目に属する各種タイプをそれぞれ下位の特徴項目に属する各種タイプにより分類して、その分類に沿って各特徴モデルを配列し、
    前記第2ステップでは、前記2次元マップの各軸の上位の特徴項目のタイプを1つずつ組み合わせることにより生じる複数のグループのうちの1つを基準として、この基準グループ内で良好と選択された特徴モデルと不良と選択された特徴モデルとを見分けるために下位の特徴項目に対応する計測項目をキーとした判定条件を設定すると共に、その他のグループの中からユーザの選択パターンが前記基準グループと整合しないグループを抽出し、抽出されたグループに対応する上位の特徴項目にかかる計測項目をキーとして前記第1の特徴モデル群と第2の特徴モデル群との間におけるタイプの違いを検出するための判定条件を追加する、請求項1に記載された部品実装検査のための検査基準情報の設定方法。
  3. 基板に実装された部品に対してあらかじめ登録された検査基準に基づく自動検査を行う検査装置が使用する前記検査基準を示す情報を作成するためのシステムであって、
    少なくとも1種類の部品を対象に、1または複数の計測項目による計測結果に基づき実装状態の特徴を少なくとも2つのタイプに分類することが可能な特徴項目を複数種設定すると共に特徴項目毎のタイプを組み合わせることにより設定された複数の特徴モデルに、各計測項目による計測を実施した場合に得られる計測項目毎の計測値が取り得る数値範囲と当該特徴モデルの外観を表す模式図とが紐付けられて登録されたモデルデータ記憶手段と、
    前記モデルデータ記憶手段に登録されている部品の1つを選択して、選択された部品につきモデルデータ記憶手段に登録されている特徴モデルの模式図が特徴項目別および各特徴項目のタイプ別に分類された状態で配列された2次元マップを表示して、この表示の中から良好な特徴モデルを選択する操作と不良の特徴モデルを選択する操作とを受け付ける選択受付手段と、
    前記選択受付手段が受け付けた選択に基づき、前記2次元マップにおいて良好と選択された第1の特徴モデル群と不良と選択された第2の特徴モデル群との間におけるタイプの違いを特定し、そのタイプの違いが生じた特徴項目に対応する計測項目をキーとして当該違いを検出するための判定条件を設定すると共に、前記タイプの違いが生じた特徴項目に対応する計測項目に関して前記モデルデータ記憶手段に登録されている計測値の数値範囲を前記第1の特徴モデル群および第2の特徴モデル群のそれぞれについて個別に導出して、これらの数値範囲に基づいて各特徴モデル群を見分けるための基準値を導出し、導出された基準値を前記判定条件にあてはめた検査基準情報を作成する検査基準情報作成手段と、
    前記選択された部品につき検査基準情報作成手段が作成した検査基準情報を保存する登録手段とを、具備する、検査基準情報の作成システム。
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