以下、この発明の実施の形態を添付図面に従って詳細に説明する。
図1は、この発明に係る楽音信号作成装置を適用した電子楽器の全体構成の一実施例を示すハード構成ブロック図である。本実施例に示す電子楽器は、マイクロプロセッサユニット(CPU)1、リードオンリメモリ(ROM)2、ランダムアクセスメモリ(RAM)3からなるマイクロコンピュータによって制御される。CPU1は、この電子楽器全体の動作を制御するものである。このCPU1に対して、データ及びアドレスバス1Dを介してROM2、RAM3、内蔵不揮発記憶部4、可搬記憶メディアスロット5、ピアノエレメント操作子部6、表示部7、設定操作検出部8、演奏操作検出部9、音源/効果部10、MIDIインタフェース(I/F)11、通信インタフェース(I/F)12がそれぞれ接続されている。更に、CPU1には、タイマ割込み処理(インタラプト処理)における割込み時間や各種時間を計時するタイマ1Aが接続されている。例えば、タイマ1Aはクロックパルスを発生し、発生したクロックパルスをCPU1に対して処理タイミング命令として与える、あるいはCPU1に対してインタラプト命令として与える。CPU1は、これらの命令に従って各種処理を実行する。
ROM2は、CPU1により実行あるいは参照される各種制御プログラムや、例えばメーカにより予め提供/セットされた後述する図2に示す「プリセットバンク」などの各種データを格納する。RAM3は、CPU1が所定のプログラムを実行する際に発生する各種データなどを一時的に記憶するワーキングメモリとして、あるいは現在実行中のプログラムやそれに関連するデータを一時的に記憶するメモリ等として使用される。RAM3の所定のアドレス領域がそれぞれの機能に割り当てられ、レジスタやフラグ、テーブル、テンポラリメモリなどとして利用される。なお、この実施例では楽音信号を生成/制御する際に、ROM2や内蔵不揮発記憶部4あるいは可搬記憶メディアスロット5に装着された可搬記憶メディアMに記憶されている各バンクデータを直接参照するのではなく、RAM3に確保されるパフォーマンスメモリ内にそれらから読み出されて記憶された各バンクデータ(後述する図2参照)を参照する。
内蔵不揮発記憶部4は当該電子楽器に予め内蔵された例えばハードディスク記憶装置であって、個々のユーザにより任意に作成された後述する図2に示す「ユーザバンク」などの各種データの他、CPU1が実行する例えば信号制御のためのシミュレーションプログラム(図示せず)などの各種制御プログラム等を記憶する。なお、上述したROM2に制御プログラムが記憶されていない場合、この内蔵不揮発記憶部4に制御プログラムを記憶させておき、それをRAM3に読み込むことにより、ROM2に制御プログラムを記憶している場合と同様の動作をCPU1にさせることができる。このようにすると、制御プログラムの追加やバージョンアップ等が容易に行える。なお、内蔵不揮発記憶部4はハードディスク記憶装置(HD)に限られず、様々な形態の記憶媒体を利用する記憶装置であってもよい。あるいは、フラッシュメモリなどの半導体メモリであってもよい。
可搬記憶メディアスロット5は1乃至複数の接続端子(例えばUSB(Universal Serial Bus)端子)を有し、当該電子楽器と前記USB端子に接続された可搬記憶メディアM(例えばUSBメモリ)との間で、各種情報を送受信する制御を行うインタフェース制御機器である。この実施例において、可搬記憶メディアスロット5は可搬記憶メディアMが挿入されることに応じて、該可搬記憶メディアMに特定の自動読み込みファイル(ここでは、外部機器で任意に作成された後述する図2に示す「EXTERNAL(EXT)バンク」)が記憶されているか否かを参照し、前記自動読み込みファイルが記憶されている場合には当該ファイルをRAM3に自動的に書き込む機能(所謂オートロード機能)を有する。通常、可搬記憶メディアM内のROOTディレクトリ下を参照する。
本実施例では、上記ROM2に記憶されている「プリセットバンク」、内蔵不揮発記憶部4に記憶されている「ユーザバンク」、可搬記憶メディアMに記憶され可搬記憶メディアスロット5への挿入によってRAM3にオートロードされる「EXTバンク」等のオリジナルの各バンクデータ中から選択された一つのパフォーマンスデータに含まれる複数のパラメータをRAM3あるいは音源/効果部10のレジスタに設定することによって楽音信号を生成/制御するようになっている。ユーザはRAM3あるいは音源/効果部10のレジスタの設定を適宜変更して、楽音信号の生成/制御の変更ができる。また、RAM3あるいは音源/効果部10の複数レジスタの設定を一つのパフォーマンスデータとして、内蔵不揮発記憶部4に記憶されている「ユーザバンク」あるいは可搬記憶メディアMに記憶されている「EXTバンク」にストアすることができる。また、バンクデータ毎に一括して内蔵不揮発記憶部4に記憶されている「ユーザバンク」あるいは可搬記憶メディアMに記憶されている「EXTバンク」にセーブすることができる。ただし、ROM2に記憶されている「プリセットバンク」、あるいは可搬記憶メディアスロット5に可搬記憶メディアMが挿入されていない状態での「EXTバンク」に対しては、ストアやセーブすることができない。
ここで、上記ROM2、内蔵不揮発記憶部4、可搬記憶メディアMにそれぞれ記憶される、あるいはRAM3にロードされる各バンクデータのデータ構成について、図2を用いて説明する。図2は、パフォーマンスメモリのデータ構成の一実施例を示す概念図である。ただし、プリセットバンク、ユーザバンク、EXTバンクの各バンクデータのデータ構成は同一であることから、ここではプリセットバンクデータについてのみ説明する。
プリセットバンクデータは、多数の楽音信号作成用のパラメータの異なる組み合わせを定義した個別データセットを複数含んでなる(ここでは一例としてBANK A,B,Cの3個)。個別データセットは異なる楽音信号作成用のパラメータの組み合わせとして、複数のパフォーマンスデータを有する(ここでは一例としてパフォーマンス1〜16データの16個)。このパフォーマンスデータの1つ1つが楽音信号作成の際に1つのパラメータセットとして与えられ、該パフォーマンスデータに含まれる多数のパラメータに基づき作成される楽音信号は特徴付けられる。したがって、ユーザは楽音信号の作成開始前にいずれのパフォーマンスデータを使用するかを最初に選択しておく必要がある(後述する図3参照)。
楽音信号を特徴付けるパフォーマンスデータは、レイヤデータと、共通データと、ノブ割り当てデータとからなる。レイヤデータは、楽音信号生成特性や楽音信号の増幅特性さらには楽音信号への効果付与特性といった複数の要素ブロックを組み合わせてシミュレーションにより楽音信号を作成する複数の処理段階(信号制御プロセス)からなる一連の処理系列毎に(ここでは一例としてレイヤ1とレイヤ2の2系列、勿論2系列のみに限られない)、各特性それぞれに対応する信号制御(シミュレーション等)を実行する図示しない信号処理部(要素ブロック)を制御するための、複数の要素ブロック毎のパラメータ情報を定義したデータである。
各レイヤデータに定義される複数の要素ブロック毎のパラメータ情報としては、要素ブロックに対応してピアノエレメントパラメータ情報,プリアンプパラメータ情報,モジュレーション効果パラメータ情報,パワーアンプ/コンプエレメントパラメータ情報がある。これらの各パラメータ情報は、それぞれの要素ブロックにおける処理タイプ(名称)に加えて、該要素ブロックでの信号制御を実行するか否かを決定付ける有効/無効パラメータ、要素ブロックを制御する各種の詳細パラメータを最大5個まで含んでなる(パラメータ1〜5)。一例として、ピアノエレメントパラメータ情報は、ディケイタイム(DecayT)、リリースタイム(ReleaTim)、キーオフ(Keyof)、スタートポイント(StrP)、ハンマ(HammerTe)等の、例えばPCM波形を制御して楽音波形を生成するために必要とされる各種パラメータ、あるいはシミュレーションにより生成する楽音波形を特徴付ける各種パラメータを含んでなる。
本実施例における電子楽器では、各要素ブロックに対応した信号制御処理を実現するアルゴリズムが前記タイプ毎に一意に規定されており、上記処理タイプを切り替えると前記アルゴリズムを実現するDSPの処理が切り替わり(楽音信号生成特性については、波形メモリから読み出すPCM波形の切り替えも含まれる)、それらを制御するためのパラメータ種類もあわせて切り替えられる。前記アルゴリズムとしては、例えば多数の電気素子を組み合わせてなる従来知られたアナログのエフェクタ回路やアンプ回路と同様の信号制御処理をシミュレーションにより実現するシミュレーションプログラムのアルゴリズムなどが挙げられる。
共通データは、上記した2つの処理系列(レイヤ)で生成される楽音信号に対して共通の信号制御処理を施す要素ブロックの特性を調整するためのパラメータ情報、全ての要素ブロックに対して共通の信号制御処理を施すためのパラメータ情報を含んでなる。こうした共通の要素ブロックの特性を調整するためのパラメータ情報の一例としては、ホールやルームなどのリバーブエフェクトの種類を決定する複数の詳細パラメータを含む「リバーブ処理」に関するパラメータ情報、フラット/ジャズ/ポップス/ロック/クラシック (コンサート)の5種類の音楽ジャンルのいずれかにあった周波数特性を決定する複数の詳細パラメータを含む「マルチイコライザ(MEQ)処理」に関するパラメータ情報などがある。
ノブ割り当てデータは、1つのパフォーマンスデータにおいて、各パラメータ情報に含まれる多数の詳細パラメータのうち任意に組み合わせた複数の詳細パラメータからなる(後述するように、本実施例では最大6個までを指定することができる)。この組み合わせは、同じ要素ブロックに関する詳細パラメータを組み合わせたものに限らず、異なる要素ブロックに関しての詳細パラメータを組み合わせたものであってよい。後述するように、その組み合わせはユーザが任意に指定することができる(後述の図12及び図13参照)。
図1の説明に戻って、ピアノエレメント操作子部6は、予め電子楽器本体のパネル上に配置された複数の要素ブロック操作部6B(ピアノエレメントスイッチ)それぞれに対する操作を検出し、その操作状態に応じたスイッチ情報等をデータ及びアドレスバス1Dを介してCPU1に出力する。また、各要素ブロック操作部6Bの近傍にはLED等の発光素子からなる要素ブロック表示部6Aが配置されており、これら要素ブロック表示部6Aの点灯/消灯/点滅制御を行うことができるようにもなっている。こうした要素ブロック表示部6A及び要素ブロック操作部6Bを含むピアノエレメント操作子部6の詳細な説明については後述する(図4参照)。
表示部7はパネル上に配置された例えば液晶表示パネル(LCD)やCRT等から構成されるディスプレイであって、図2のパラメータ情報毎に定義されている複数のパラメータ1〜5(要素ブロック毎の詳細パラメータ)やノブ割り当てデータに定義されている複数の詳細パラメータを提示したり、あるいはCPU1の制御状態などを表示したりする。ただし、ここで用いられる表示部7は例えば上下2段にわけて各段にそれぞれ数十文字程度しか情報を一度に表示することしかできないような、相対的に解像度/表示能力が乏しい類の表示機器である。こうした表示部7における表示内容の詳細な説明については後述する(図5及び図13参照)。
設定操作検出部8は、上記した要素ブロック操作部6B以外の操作子、例えば後述するパラメータ操作子部(図5参照)を構成する上記表示部7の近傍に設けられた回動操作かつ押下操作可能なノブ、後述するその他操作子部(図3参照)を構成するプリセットバンク、ユーザバンク、EXTバンクのいずれかのバンクデータを選択するスイッチ、バンクデータに含まれる個別データセット(BANK A,B,C)を選択するスイッチ、個別データセットに含まれるパフォーマンスデータ(パフォーマンス1〜16)を選択するスイッチなどとして割り当てられる設定操作子に対する操作を検出し、その操作状態に応じたスイッチ情報等をデータ及びアドレスバス1Dを介してCPU1に出力する。勿論、上記した以外にも音高、音色、効果等を選択・設定・制御するための数値データ入力用のテンキーや文字データ入力用のキーボード等の各種操作子を含んでいてもよい。
演奏操作検出部9は、生成する楽音信号の音高を選択するための複数の鍵を備えた例えば鍵盤等のような演奏操作子(図示せず)の押圧及び離鍵を検出して検出出力を生じるものである。ユーザにより演奏操作子が操作されることに応じて、音源/効果部10に対して楽音信号の生成指示がなされる。勿論、ユーザ自身による演奏操作子の操作に応じて楽音信号を生成することに限らず、例えばMIDIインタフェース11を介してシーケンサ等の外部のMIDI機器11Aから取得したMIDIデータ等に基づき楽音信号を生成できるようになっていてもよい。
音源/効果部10は複数の楽音信号の同時発生が可能であり、演奏操作子の押鍵操作等に応じてデータ及びアドレスバス1Dを経由して与えられた演奏情報を入力し、この演奏情報に基づいて楽音生成特性に従って楽音信号を生成する。音源/効果部10で生成された楽音信号は、信号増幅特性や効果付与特性に応じた信号制御が行われた後にアンプやスピーカなどを含むサウンドシステム10Aから発音される。こうした音源/効果部10とサウンドシステム10Aの構成には、従来のいかなる構成を用いてもよい。例えば、音源/効果部10はFM、PCM、物理モデル、フォルマント合成等の各種楽音合成方式のいずれを採用してもよく、波形メモリを含む専用のハードウェアで構成してもよいし、DSPによるソフトウェア処理(シミュレーションプログラムなど)で構成してもよい。
なお、上述したように、本実施例における電子楽器は、処理タイプによってシミュレーション処理のアルゴリズムが規定されており、処理タイプを切り替えると楽音信号の生成を実現するDSPにより実行されるアルゴリズムや波形メモリから読み出す楽音信号(PCM波形など)を切り替えることができるようになっている。すなわち、音源/効果部10は複数の楽音合成方式によって楽音信号を生成でき、それらを随時に切り替えて1つの楽音合成方式に従って同時に複数(2系列)の楽音信号を生成する、あるいは異なる楽音合成方式に従って同時に複数(2系列)の楽音信号を生成することができるようになっている。
MIDIインタフェース(I/F)11は、外部のMIDI機器11A等からMIDI形式の演奏情報(所謂MIDIデータ)を当該電子楽器へ入力したり、あるいは当該電子楽器からMIDI形式の演奏情報をMIDI機器11A等へ出力するためのインタフェースである。MIDI機器11Aは、MIDI形式の演奏情報を発生する機器であればどのような機器であってもよい。
通信インタフェース(I/F)12は、当該電子楽器と外部のサーバ装置12Aとの間で制御プログラムや各種データなどを通信ネットワークXを介して送受信するためのインタフェースである。例えば、その他の利用者が新規に作成しサーバ装置12Aに登録したユーザバンクを通信ネットワークXを介して取得することができる。この通信インタフェース12は、例えばLAN,インターネット,電話回線等であってよく、また有線あるいは無線のものいずれかでなく双方を具えていてよい。
次に、本電子楽器本体のパネル上に構成される、その他操作子部、ピアノエレメント操作子部、パラメータ操作子部の具体的構成例及びその操作態様について、図3〜図5を用いて説明する。図3は、その他操作子部の具体的な構成例を示す概念図である。
図3に示すように、その他操作子部は、図3右に示した6個の設定操作子8A(スイッチ)からなるバンク種類を決定するための「バンク選択用の第1操作子群」と、図3中央に示した16個の設定操作子8Aからなるパフォーマンスデータを決定するための「パフォーマンスデータ選択用の第2操作子群」と、図3左に示した3個の設定操作子8Aからなる上記以外の所定機能を実現するための「その他選択用の第3操作子群」とにその構成を大きく分けることができる。各操作子群に含まれるそれぞれの操作子8Aの近傍には、ユーザがパネル上において各操作子8Aに対して割り当てられる機能を視認することができるよう、割り当てられる機能を示すプリント表示が印刷されている。また、ユーザがパネル上においてオン状態になっている操作子8Aを把握することができるよう、押下操作に応じて点灯/消灯するLED(L)が配置されている。
「バンク選択用の第1操作子群」に含まれる複数の設定操作子8Aのうち、上段側に配置された3つの操作子8Aは、左から順にそれぞれパフォーマンスメモリのプリセットバンク、ユーザバンク、EXTバンクを選択する機能が予め割り当てられる操作子である。他方、下段側に配置された3つの操作子8Aは、左から順にそれぞれ上段側の操作子の操作に応じて選択されたプリセットバンク、ユーザバンク、EXTバンクのいずれかに含まれる複数の個別データセット(BANK A〜C)を選択する機能が予め割り当てられる操作子である。例えばユーザが上段左端の「PRESET」とプリント表示されている操作子8Aを押した後に、下段中央の「B」とプリント表示されている操作子8Aを押した場合には、RAM3のパフォーマンスメモリに記憶されている「プリセットバンク」の「BANK B」の個別データセットが特定される。
「パフォーマンスデータ選択用の第2操作子群」に含まれる複数の設定操作子8Aには、上述のようにして特定された個別データセット(BANK A〜Cのいずれか)に含まれる複数のパフォーマンスデータ1〜16がそれぞれ対応付けられる。そのため、例えばユーザが第2操作子群に含まれる「10」とプリント表示されている操作子8Aを押した場合には、「プリセットバンク」の「BANK B」の「パフォーマンスデータ10」が特定される。このようにして、第2操作子群に含まれる操作子8Aは、第1操作子群の操作に応じて決まるパフォーマンスデータ1〜16を選択するための操作子となる。
「その他選択用の第3操作子群」に含まれる複数の設定操作子8Aは、例えば「ASSIGN」,「PAGE CHG」,「EXIT」といった機能が予め割り当てられている専用操作子である。本実施例において、「ASSIGN」スイッチは後述するパラメータ割り当ての実行を開始するためのもの、「PAGE CHG」スイッチはパラメータ割り当てをクリアするために、各ノブに割り当てられたパラメータ名と現在のパラメータ値とを表示した画面に表示を切り替えるためのもの、「EXIT」スイッチはノブへのパラメータ割り当て状態をクリアするためのものである。詳しくは後述する(図13参照)。
図4は、ピアノエレメント操作子部の具体的な構成例を示す概念図である。この図4に示すように、ピアノエレメント操作子部は、複数の要素ブロック操作部6B(スイッチ)と、その近傍に配置された例えばLED等の発光素子からなる要素ブロック表示部6Aとにより構成される。要素ブロック操作部6Bには、上記した「パフォーマンスデータ選択用の第2操作子群」の操作に応じて特定されたパフォーマンスデータに含まれるレイヤ1データ、レイヤ2データ、共通データがそれぞれ対応付けられる。
図4上段に配置された左から4つ目までの各操作子6Bに対しては、レイヤ1データに含まれる各要素ブロックのパラメータ情報が対応付けられる。図4下段に配置された左から4つ目までの各操作子6Bに対しては、レイヤ2データに含まれる各要素ブロックのパラメータ情報が対応付けられる。ピアノエレメント操作子部に含まれるそれぞれの操作子6Bの近傍には、ユーザがパネル上において各操作子6Bに対して割り当てられる機能(要素ブロック)をすぐに確認することができるよう、割り当てられる機能を示すプリント表示が予め印刷されている。このプリント表示は一連の処理段階の順に印刷されており、各操作子6Bに対してプリント表示に該当する各要素ブロックのパラメータ情報が対応付けられる。
すなわち、ここに示す実施例では、左から順に「PIANO」とプリント表示された操作子6Bに「ピアノエレメントパラメータ情報」が、「PRE-AMPLIFIER」とプリント表示された操作子6Bに「プリアンプパラメータ情報」が、「MODULATION EFFECT」とプリント表示された操作子6Bに「モジュレーション効果パラメータ情報」が、「POWER-AMPLIFIER COMPRESSOR」とプリント表示された操作子6Bに「パワーアンプ/コンプエレメントパラメータ情報」が対応付けられる。そして、上記以外の「REVERB」とプリント表示された操作子6B,「MEQ」とプリント表示された操作子6Bには、それぞれ共通データの「リバーブ処理」,「マルチイコライザ(MEQ)処理」に関するパラメータ情報が対応付けられる。また、「COMMON」とプリント表示された操作子6Bには、すべての要素ブロックに共通な制御を施すためのパラメータ情報が対応付けられる。
上記のようにして各要素ブロックのパラメータ情報が対応付けられたピアノエレメント操作子部の任意の操作子6Bが所定の操作態様で操作されると、該操作子6Bに対応付けられた要素ブロックの有効/無効が切り替えられる。例えば、ユーザが上段左端の「PIANO」とプリント表示された操作子6Bを短く押した場合には、楽音信号を生成するための要素ブロックが有効に切り替えられて楽音信号が生成される一方で、有効状態にある操作子6Bが再度短く押された場合には楽音信号を生成するための要素ブロックが無効に切り替えられて楽音信号が生成されない。そして、その他の操作子6B、例えばユーザが「PRE‐AMPLIFIER」,「MODULATION EFFECT」,「POWER-AMPLIFIER COMPRESSOR」とプリント表示された各操作子6Bを短く押した場合には、それぞれに対応する要素ブロック(シミュレーション処理等)が有効に切り替えられて楽音信号に対して変調等の信号制御処理が行われる一方で、有効状態にある前記操作子6Bが再度短く押された場合にはそれぞれの要素ブロックが無効に切り替えられて楽音信号に対して信号制御処理が行われずに次の処理段階へと楽音信号がスルーされる。なお、操作された操作子6Bの近傍に配置された要素ブロック表示部6A(LED)は、要素ブロックが有効とされると点灯されて、要素ブロックが無効とされると消灯される。
また、上記のようにして各要素ブロックのパラメータ情報が対応付けられたピアノエレメント操作子部の任意の操作子6Bを、前記操作態様(短く押す)と異なって所定時間以上長く押した場合には、操作された操作子6Bに対応付けられた前記パラメータ情報の詳細な内容が図5に示すパラメータ操作子部に表示される。例えば、ユーザが上段左端の「PIANO」とプリント表示された操作子6Bを長押しした場合には、ピアノエレメントパラメータ情報を構成するタイプ及び複数のパラメータ1〜5がパラメータ操作子部に表示される。
ここで、上記パラメータ操作子部について図5を用いて説明する。図5は、パラメータ操作子部の具体的な構成例を示す概念図である。パラメータ操作子部は、LCD等の表示機器からなる表示部7と、複数のノブ(設定操作子)8Aとにより構成される。表示部7には、所定時間以上長く押下操作されたピアノエレメント操作子部の任意の操作子6Bに対応付けられたパラメータ情報の詳細パラメータが、ノブ8Aに対応付けられて表示される(エディットモード時の表示画面)。ここでは、「PIANO」表示の操作子6Bが操作された場合における詳細なパラメータ表示を例に示している。
具体的には、左から順にピアノエレメントパラメータ情報のタイプ及びパラメータ1〜5に関して、それぞれのパラメータ名称を表示部7の上段に、パラメータ値などを下段に表示する。図示の例では、ピアノエレメントパラメータ情報に関して処理タイプ「W-71」、「DecayT(ディケイタイム)」パラメータのパラメータ値「10」、「ReleaTim(リリースタイム)」パラメータのパラメータ値「+20」、「Keyof(キーオフ)」パラメータのパラメータ値「0」、「StrP(スタートポイント)」パラメータのパラメータ値「Default」、「HammerTe(ハンマ)」パラメータのパラメータ値「Normal」であることが理解できる。この表示状態にある場合に、ユーザは表示部7下方にそれぞれのパラメータ表示に対応して配置されている複数のノブ8Aを操作することによって、それぞれの詳細パラメータを任意に設定することができる。
以上のように、ピアノエレメント操作子部の任意の操作子6Bをワンプッシュすると各要素ブロックの有効/無効の反転設定ができ、長押しでその要素ブロックに関する詳細パラメータを編集するエディットモードに移行することができるようになっている。すなわち、各要素ブロックの有効/無効の設定と、各要素ブロックのパラメータ編集への移行とを同一の操作子6Bの操作態様に応じて分けて行うことができるようにしている。このエディットモードへ移行された際に、要素ブロックが有効状態(通常LED点灯状態)にあるか無効状態にあるか(通常LED消灯状態)がユーザにわかるようにLEDの点滅態様を変える。具体的には点滅間隔を変える。例えば長い時間間隔での点滅は要素ブロックが有効状態でエディットモードに移行された場合を示し、短い時間間隔での点滅は要素ブロックが無効状態でエディットモードに移行された場合を示すように制御するとよい。すなわち、要素ブロックが有効状態にあり編集対象に選択されていない場合にLEDは常時点灯し、要素ブロックが無効状態にあり編集対象に選択されていない場合にLEDは消灯しているが、要素ブロックが有効状態にあり編集対象に選択されている場合にLEDは長い時間間隔で点滅し、要素ブロックが無効状態にあり編集対象に選択されている場合にLEDは短い時間間隔で点滅する。
なお、要素ブロックの種類(処理タイプ)によっては、パラメータ情報を構成するパラメータ数が5個未満の場合がある。その場合、表示部7内の一部のノブ8Aに対応する表示が空欄となる。
なお、要素ブロックの種類によっては、処理タイプを変更できない場合がある。例えば、プリアンプの処理タイプは、ピアノエレメントの処理タイプによってユニークに決まることから、そのような場合には処理タイプを変更できない(表示部7内の表示において処理タイプが割り当てられるノブ8Aに対応する表示が空欄となる)。
また、本実施例においては、パラメータ操作子部の表示部7に、ピアノエレメント操作子部の長押しされた操作子6Bに対応付けられた各要素ブロックのパラメータ情報を表示させておき、ユーザがそれらの詳細パラメータを表示部7を見ながら設定することができるようになっているだけでなく、ユーザが任意に組み合わせた異なる要素ブロックの詳細パラメータを同時に複数表示させることができるようになっており、それによりユーザが演奏中であっても、異なる各要素ブロックの詳細パラメータについて瞬時に読み出してそれらの設定を行うことができるようにしている。そのためのパラメータ割り当てについての詳細な説明は後述する(図13等参照)。
本発明に係る電子楽器は、上述のように、信号制御処理を行う一連の処理過程にあわせて前記処理過程を受け持つ複数の要素ブロックが段階的に組み合わされており、それぞれの要素ブロック毎の信号制御処理によって多様な楽音信号が作成されるものであって、ユーザは各要素ブロックにおいて各特性に応じた信号制御処理を実現するための複数の異なる処理タイプの中からいずれかを選択することができ、また選択した処理タイプでの制御内容を調整する(要素ブロックの特性を決める)ために詳細パラメータを適宜に変更することによって、所望の楽音信号を作成することができるようにしている。
そこで、図1に示した電子楽器における楽音信号の作成に関し、図6を用いて説明する。図6は、一連の処理段階を実現する複数の要素ブロック毎の信号制御処理によって楽音信号を作成する「メイン処理」の一実施例を示すフローチャートである。
ステップS1は、「初期設定処理」を行う(後述する図7参照)。ステップS2は、「ノブパラメータ処理」を実行する(後述する図11参照)。ステップS3は、「詳細編集処理」を実行する(後述する図14参照)。ステップS4は、「EXTバンク処理」を実行する(後述する図15参照)。ステップS5は、「パフォーマンスデータ適用処理」を実行する(後述する図16参照)。ステップS6は、その他の通常処理を実行する。その他の通常処理としては、例えばエディットモードとパフォーマンスモードの切り替え、パフォーマンスメモリ内のユーザバンクデータやEXTバンクデータを元の読み出し先に上書きするなどの処理がある。上記ステップS2〜ステップS6までの処理は、当該電子楽器の電源がオフされるまで繰り返し実行される。
図7は、「初期設定処理」(図6のステップS1参照)の一実施例を示すフローチャートである。ステップS11は、可搬記憶メディアスロット5に装着された可搬記憶メディアMから自動読込ファイルをオートロードしたか否かを判定するために用いる読込済みフラグを「FALSE(読み込んでいない)」に初期設定する。
ステップS12は、EXTバンクのパフォーマンスデータに相当するRAM3上のパフォーマンスメモリを予め用意されているデフォルト値で初期設定する。すなわち、可搬記憶メディアスロット5に可搬記憶メディアMが挿入されることがなくても、「EXTバンク」に含まれるパフォーマンスデータを選択し楽音信号の生成/制御に適用することができる。
ステップS13は、初期状態として予め指定されているパフォーマンスデータの複数の要素ブロック毎のパラメータ情報を、ピアノエレメント操作子部6の要素ブロック操作部6B(ピアノエレメントスイッチ)に割り当てると共に(図4参照)、それら全ての詳細パラメータを音源/効果部10に反映させる。初期状態として予め指定されているパフォーマンスデータは、例えばプリセットバンク、BANK A、パフォーマンスデータ1である。ステップS14は、パラメータ操作子部のノブ8Aへのパラメータ割り当てを、前記指定されたパフォーマンスデータに含まれる複数のパラメータ情報により更新すると共に、その詳細パラメータに関する表示を表示部7(LCD)に反映させる(図5参照:エディットモードの表示画面)。ステップS15は、要素ブロック全てを初期状態として予め指定されているパフォーマンスデータに従って有効あるいは無効に設定して全ての要素ブロック表示部6A(ピアノエレメント操作子部のLED)に反映させるように「要素ブロック表示部の設定更新処理」を実行する(後述する図10参照)。ステップS16は、別途用意された「楽音生成処理」を並行処理するよう開始指示する(後述する図8参照)。ステップS17は、別途用意された「要素ブロック操作子処理」を並行処理するよう開始指示する(後述する図9参照)。ステップS18は、上記した以外のその他の初期設定が行われる。
図8は、「楽音生成処理」(図3のステップS16参照)の一実施例を示すフローチャートである。ステップS21は、図示しない演奏操作子あるいはMIDIインタフェース11経由でノートオン指示を受け取ったか否かを判定する。ノートオン指示を受け取ったと判定した場合には(ステップS21のYES)、一連の処理過程の最初の楽音信号生成機能を担う要素ブロックに対する設定状態を参照し、その要素ブロックが「有効」に設定されているならば発音指示対象の信号処理部(図示せず)に対して発音指示する一方、「無効」に設定されているならば発音指示対象の信号処理部に対して発音指示しない(ステップS22)。信号処理部に対して発音指示する場合には楽音信号が生成され、信号処理部に対して発音指示しない場合には楽音信号が生成されない。したがって、2系列共に「無効」に設定されている場合には、一連の処理過程のうち後続する各機能を担う要素ブロックに関して詳細パラメータの変更等が行われたとしても、ユーザは表示部7の表示内容に従ってのみしかパラメータ値を確認することができないことは言うまでもない。なお、発音指示対象の信号処理部(信号制御処理)は、指定済みの処理タイプに応じて決定される。
ステップS23は、ノートオン指示以外の他の演奏指示があったか否かを判定する。ノートオン以外の他の演奏指示があったと判定した場合には(ステップS23のYES)、音源/効果部10に対して他の演奏指示に対応した所定の処理を実行するように指示する(ステップS24)。ノートオン以外の他の演奏指示がないと判定した場合(ステップS23のNO)、あるいはステップS24の処理が終了した後には、ステップS21の処理に戻って上記ステップS21〜S24までの処理を繰り返し実行する。
図9は、「要素ブロック操作子処理」(図7のステップS17参照)の一実施例を示すフローチャートである。ステップS31は、ピアノエレメント操作子部(図4参照)のいずれかの要素ブロック操作部6B(ピアノエレメントスイッチ)が予め決められた時間内におさまる短い時間だけ押下操作(ワンプッシュ)されたか否かを判定する。いずれの要素ブロック操作部6Bも短い時間での押下操作がなされていないと判定した場合には(ステップS31のNO)、いずれかの要素ブロック操作部6Bが短い時間での押下操作されるまで処理を待機する。いずれかの要素ブロック操作部6Bが短い時間での押下操作がなされたと判定した場合には(ステップS31のYES)、以下に示すステップS32及びステップS33の処理を実行する。
ステップS32は、対応する要素ブロックの有効/無効の設定状態を反転する。このとき、前記要素ブロックが楽音信号の生成機能を担う類のものであるならば、上記「楽音生成処理」において楽音信号が生成される(有効に反転された場合)又は楽音生成されない(無効に反転された場合)。また、前記要素ブロックが楽音信号の変調機能を担う類のものであるならば、対応する信号処理部による信号制御を実行させることなく楽音信号をスルーさせるか否かの切り替えを行う(無効に反転された場合に楽音信号をスルーするように切り替える)。ステップS33は、有効/無効が反転された要素ブロックに対応する要素ブロック表示器6Aのみを点灯/消灯させるように「要素ブロック表示部の設定更新処理」を実行する(後述する図10参照)。そして、これらの処理終了後にステップS31の処理に戻って上記ステップS31〜S33までの処理を繰り返し実行する。
図10は、「要素ブロック表示部の設定更新処理」(図7のステップS15及び図9のステップS33参照)の一実施例を示すフローチャートである。当該処理は、ピアノエレメント操作子部(図4参照)の個々の要素ブロック表示部6A毎に点灯・消灯・点滅を制御する処理である。
ステップS41は、LCD画面(表示部7)が詳細パラメータの詳細な設定が可能な図5に示した表示画面(エディットモード)であって、かつ、当該要素ブロック表示部6Aに対応する要素ブロックが編集対象か否かを判定する。LCD画面がエディットモードの表示画面であって、かつ、当該要素ブロック表示部6Aに対応する要素ブロックが編集対象であると判定した場合には(ステップS41のYES)、その要素ブロックが「有効」に設定されているか否かを判定する(ステップS42)。要素ブロックが「有効」に設定されていると判定した場合には(ステップS42のYES)、当該要素ブロック表示部6Aを長い時間間隔で点滅させるよう制御する(ステップS43)。一例として、長い時間のタイマ設定をし、タイマ割り込みで点灯/消灯を周期的に反転させるとよい。要素ブロックが「有効」に設定されていないと判定した場合つまり「無効」に設定されている場合には(ステップS42のNO)、当該要素ブロック表示6Aを短い時間間隔で周期的に点滅させるよう制御する(ステップS44)。一例として、短い時間のタイマ設定をし、タイマ割り込みで点灯/消灯を反転させるとよい。このようにして、エディットモードにある場合においては、詳細パラメータの編集対象とされた要素ブロックが有効状態にあるか無効状態にあるかを、要素ブロック表示部6A(LED)の点滅間隔によってユーザが確認することができるようにしている。
他方、LCD画面(表示部7)がエディットモードの表示画面であって、かつ、当該要素ブロック表示部6Aに対応する要素ブロックが編集対象であると判定されない場合には(ステップS41のNO)、その要素ブロックが「有効」に設定されているか否かを判定する(ステップS45)。要素ブロックが「有効」に設定されていると判定した場合には(ステップS45のYES)、該当要素ブロック表示部6Aを常時点灯させるように制御する(ステップS46)。要素ブロックが「有効」に設定されていないと判定した場合には(ステップS45のNO)、当該要素ブロック表示部6Aを消灯するように制御する(ステップS47)。このようにして、エディットモードにない場合においては、詳細パラメータの編集対象とされた要素ブロックが有効状態にあるか無効状態にあるかを、要素ブロック表示器6A(LED)の点灯/消灯によってユーザが確認することができるようにしている。
図11は、「ノブパラメータ処理」(図6のステップS2参照)の一実施例を示すフローチャートである。ステップS51は、ノブ8Aヘのパラメータ割り当て開始操作(例えば「ASSIGN」スイッチの操作)がなされたか否かを判定する。ノブ8Aヘのパラメータ割り当て開始操作がなされたと判定した場合には(ステップS51のYES)、パラメータ割り当てモードへと移行して「ノブヘのパラメータ割り当て処理」を実行する(ステップS52)。ステップS53は、パフォーマンスモードにおいてノブ8Aの回動操作がなされたか否かを判定する。ノブ8Aの回動操作がなされたと判定した場合には(ステップS53のYES)、ノブ8Aに割り当てられている詳細パラメータのパラメータ値を変更すると共に、表示部7の該当箇所の表示をパラメータ名称から所定時間だけそのパラメータ値表示に変更する(ステップS54)。なお、ノブ8Aの操作により変更されたパラメータ値をパフォーマンスメモリへと書き込むようにしてもよいし、演奏時の一時的な値変更とみなしてパフォーマンスメモリへは書き込まないようにしてもよい。あるいは、ユーザにより値を保存する旨の指示があった場合にのみ書き込むようにしてもよい。
ステップS55は、表示部7の表示が任意に組み合わせたパラメータ値の表示画面であって(つまりパフォーマンスモード)、かつ、ノブ8Aを押圧操作しながら所定の操作子(例えば「EXIT」スイッチ)が操作されたか否かを判定する。パラメータ値の表示画面であって、かつ、ノブ8Aを押圧操作しながら所定の操作子が操作されたと判定した場合には(ステップS55のYES)、該ノブ8Aヘのパラメータ割り当て状態をクリアし、パフォーマンスメモリの記憶内容を更新し、パラメータ名称とパラメータ値の表示を「---」表示に変更する(ステップS56)。
図12は、「ノブへのパラメータ割り当て処理」(図11のステップS52参照)の一実施例を示すフローチャートである。ステップS61は、いずれかのピアノエレメントスイッチを選択すべき旨のメッセージを表示する。ステップS62は、ピアノエレメントスイッチの操作がなされたか否かを判定する。ピアノエレメントスイッチの操作がなされていないと判定した場合には(ステップS62のNO)、ピアノエレメントスイッチの操作がなされるまで処理を待機する。ピアノエレメントスイッチの操作がなされたと判定された場合には(ステップS62のYES)、操作されたスイッチに対応するピアノエレメントを選択し、該ピアノエレメントに含まれる複数のパラメータ名称と、いずれかのノブ8Aを選択すべき旨のメッセージを表示する(ステップS63)。
ステップS64は、ノブ8Aの押圧操作がなされたか否かを判定する。ノブ8Aの押圧操作がなされていないと判定された場合には(ステップS64のNO)、ノブ8Aへの押圧操作がなされるまで処理を待機する。ノブ8Aの押圧操作がなされたと判定された場合には(ステップS64のYES)、操作されたノブ8Aに対応するパラメータを選択し、該パラメータの割り当て先ノブを選択すべきメッセージと、既存のパラメータ割り当て済みパラメータ名称を表示する(ステップS65)。ステップS66は、再度ノブ8Aの押圧操作がなされたか否かを判定する。ノブ8Aの押圧操作が再度なされるまで処理を待機して、ノブ8Aの押圧操作がなされたと判定することに応じて(ステップS66のYES)、前記選択されたパラメータを操作されたノブ8Aに割り当て、パフォーマンスメモリの記憶内容を更新し、パフォーマンス画面を表示部7に表示する(ステップS67)。
ここで、上記した図11及び図12の処理の実行に伴い実現されるノブ8Aへのパラメータ割り当てに関し、具体的な操作手順及びその際における表示部7の表示内容について図13を用いて説明する。まず、所定の操作に応じて、表示部7の表示を図5に示した表示画面からユーザが任意に組み合わせた詳細パラメータを表示した表示画面に更新し、該表示された詳細パラメータを変更することができるパフォーマンスモードに移行した際に、未だパラメータ未割り当て状態(初期状態)である場合の表示例を図13Aの(1)に示す。この場合には、表示部7の上段の左から順に、任意に組み合わせたパラメータ群を作成する1つのパフォーマンスデータを特定するための、パフォーマンスメモリ名と番号(ここではプリセットバンクのBANK A(PRE A)のパフォーマンス1データ(01))、パフォーマンスデータ名称(EP+AP)、該パフォーマンスデータに含まれる各レイヤデータのボイス名(EP01,AP01)が表示される。このとき表示部7の下段側には、ノブ8A毎にパラメータが割り当てられていないことを示す「---」を表示する。
上記(1)の表示状態にあるときに、その他操作子部の所定の操作子(例えば「ASSIGN」スイッチ)が操作されることにより、ノブ8Aへのパラメータ割り当て設定が開始される(パフォーマンスモードからパラメータ割り当てモードへ移行される)。図13A(2)に示すように、まずは「いずれかのピアノエレメントスイッチを選択」(図中では英語標記)すべき旨のメッセージを表示する。なお、この際には、図4に示したピアノエレメントスイッチ近傍のLED全てを点滅させる。
次に、複数のピアノエレメントスイッチ[PIANO], [PRE-AMPLIFIER],[MODULATION EFFECT], [POWER-AMPLIFIER/COMPRESSOR]のうちのいずれかを操作すると、その要素ブロック内の詳細パラメータが各ノブ近傍にリストアップされる。例えばレイヤ1データの各要素ブロックがピアノエレメントスイッチとして割り当てられている場合に、[PRE-AMPLIFIER]スイッチが押されたときの表示内容を図13A(3)に示す。図示のように、この場合、上段側には「いずれかのパラメータを選択」(図中では英語標記)すべき旨のメッセージが表示され、下段側には操作されたピアノエレメントスイッチに割り当てられているパラメータ情報に含まれる多数のパラメータ名称が点滅表示される。ここでは、名称がそれぞれBass,Treble,Speed,Depth,Volumeである5種類のパラメータ(パラメータ1〜5)が表示されている。
いずれかのパラメータ表示に対応したノブ8Aを操作すると(例えば左から2番目のノブ8Aのスイッチを押すと)、そのノブ8Aに対応して表示されていたパラメータ(Bass)が選ばれて、その「パラメータをアサインすべきノブ8Aを選択」するようユーザを促すメッセージが表示される。その場合の表示内容を図13A(4)に示す。なお、6個のノブ8Aのうち既にパラメータがアサインされているノブ8Aがある場合には、そのノブ8Aに対応する位置にアサイン済みのパラメータが表示される。
未だパラメータがアサインされていないいずれかのノブ8A(例えば左端のノブ)が操作される(ノブ8Aのスイッチが押される)と、選択されていたパラメータ(レイヤ1のプリアンプパラメータ情報内のBassパラメータ)がそのノブ8Aに対して割り当てられ、図13B(1)に示すように表示が図13A(1)に示したパラメータ割り当てモードに移行する前の表示内容に戻る(パラメータ割り当てモードからパフォーマンスモードへ移行される)。ただし、上記したように左端のノブ8Aにはレイヤ1のBassパラメータがアサインされたことから、図13B(1)は図13A(1)と異なり、表示部7左端の下段側にアサインされたパラメータである「1Bass」が表示されている。なお、パラメータ名称「Bass」の左側に表示されている数字「1」はそのパラメータが属するレイヤを表している。この状態で左端のノブを回すと、レイヤ1のプリアンプパラメータ情報内の名称「Bass」というパラメータの値が変更される。
上記した(2)〜(5)を繰り返し行うことで、パラメータ操作子部の全てのノブ8Aに対してパラメータを割り当てることができる(図13B(6)参照)。図13B(6)の表示状態において、パラメータが割り当てられたノブ8Aを回動操作すると、割り当てられたパラメータのパラメータ値が変更される。そのとき、操作されたノブ8Aに対応する表示がパラメータ名称からパラメータ値へと切り替わるので、ユーザはノブ8Aの操作にあわせてパラメータ値を目視により確認することができる。なお、6個のノブ8Aへ割り当てるパラメータは、2つのレイヤデータ(レイヤ1,レイヤ2)に含まれるパラメータが混在していてよい。また、全てのノブ8Aに対してパラメータを割り当てる必要は無く、パラメータ未割り当てのノブ8Aがあってもよい。
図13B(7)は左から2番目のノブ8Aが操作された場合であって、レイヤ1の「Decay」パラメータのパラメータ値が変更されそのパラメータ値(100)を表示している状態を示している。なお、表示するパラメータ値は絶対値で表示するようにしてもよいし、基準値からの相対値で表示するようにしてもよい。なお、ノブ8Aの回動操作が終了してから所定時間経過後に、表示は元のパラメータ名称の表示に戻る。
その他操作部の所定操作子(例えばページ切り替え「PAGE CHG」スイッチ)の操作により、図13B(8)に示すように、各ノブ8Aに割り当てられたパラメータ名称と現在のパラメータ値とを同時に表示した状態に切り替えることができる。そして、この表示状態にあるときに、パラメータ割り当てをクリアしたいノブ8Aを操作しながら(ノブ8Aのスイッチを押しながら)、その他操作子部の所定操作子(例えば「EXIT」スイッチ)を操作すると、そのノブ8Aヘのパラメータ割り当てがクリアされる。図13B(8)では左から3番目のノブ8Aへのパラメータ割り当てがクリアされ、それに応じて表示部7の対応する箇所には、当該ノブ8Aにパラメータが割り当てられていないことを示す「---」を上下段共に表示する。
図14は、「詳細編集処理」(図6のステップS3参照)の一実施例を示すフローチャートである。ステップS71は、いずれかの要素ブロック操作部6Bが長押し操作されたか否かを判定する。いずれの要素ブロック操作部6Bも長押し操作されていないと判定した場合には(ステップS71のNO)、当該処理を終了する。
一方、いずれかの要素ブロック操作部6Bが長押し操作されたと判定した場合には(ステップS71のYES)、対象の要素ブロックを詳細編集対象とし(エディットモードに移行)、その要素ブロックの詳細パラメータを表示部7(LCD)に表示する(ステップS72)。この際には、各ノブ8Aに詳細パラメータが対応付けられる。ステップS73は、詳細編集対象の要素ブロックに関して「要素ブロック表示器の設定更新処理」(図10参照)を実行する。これにより、該当の要素ブロック表示部6Aは長い時間間隔又は短い時間間隔のいずれかで点滅される。ステップS74は、ノブ8Aの操作に応じて該当する詳細パラメータのパラメータ値を音源/効果部10に設定すると共に、対応する表示部7のパラメータ値の表示を更新する。
ステップS75は、詳細編集対象以外の要素ブロック操作部6Bが長押し操作されたか否かを判定する。詳細編集対象以外の要素ブロック操作部6Bが長押し操作されたと判定した場合には(ステップS75のYES)、詳細編集対象だった要素ブロックを詳細編集対象から解除する(ステップS76)。ステップS77は、詳細編集対象から解除された要素ブロックに関して「要素ブロック表示器の設定更新処理」(図10参照)を実行する。これにより、該当の要素ブロック表示部6Aは点灯又は消灯される。その後、ステップS72の処理に戻る。
詳細編集対象以外の要素ブロック操作部6Bが長押し操作されていないと判定した場合には(ステップS75のNO)、詳細編集対象の要素ブロック操作部6Bが長く押されたか、あるいはパフォーマンスモードに移行する操作(例えば所定操作子の操作)がなされたか否かを判定する(ステップS78)。詳細編集対象の要素ブロック操作部6Bが長く押されたか、あるいはパフォーマンスモードに移行する操作がなされていないと判定した場合には(ステップS78のNO)、ステップS72の処理に戻る。一方、詳細編集対象の要素ブロック操作部6Bが長く押されたか、あるいはパフォーマンスモードに移行する操作がなされたと判定した場合には(ステップS78のYES)、詳細編集処理をやめてエディットモードからパフォーマンスモードに移行し、LCD表示をパフォーマンスモードの表示画面にする(ステップS79)。ステップS80は、詳細編集対象だった要素ブロックに関して「要素ブロック表示器の設定更新処理」(図10参照)を実行する。これにより、該当の要素ブロック表示部6Aは点灯又は消灯される。
図15は、「EXTバンク処理」(図6のステップS4参照)の一実施例を示すフローチャートである。ステップS81は、可搬記憶メディアスロット5に可搬記憶メディアM(例えばUSBメモリ)が装着されたか否かを判定する。この判定としては、電源投入後にはじめて接続済のUSBメモリの検出を行う場合を含む。可搬記憶メディアスロット5にUSBメモリが装着されていないと判定した場合には(ステップS81のNO)、ステップS88の処理にジャンプする。ただし、可搬記憶メディアスロット5にUSBメモリが装着されていない場合であっても、RAM3上のパフォーマンスメモリ内のEXTバンクデータはデフォルト値を書き込むことで作成される(上述したパフォーマンスメモリの初期設定)。こうして作成されたEXTバンクデータ内のパフォーマンスデータを任意に選択して楽音作成のために使用することができることは言うまでもない。勿論、編集も可能である。しかし、USBメモリが装着されていないがために、EXTバンクデータの一括セーブ(SAVE)、あるいは特定のパフォーマンスデータのみ保存(STORE)を実行しようとしても、「デバイスなし」という警告が表示されることになる(後述するステップS88参照)。
可搬記憶メディアスロット5にUSBメモリが装着されたと判定した場合には(ステップS81のYES)、USBメモリのルートディレクトリに自動読込ファイルが記憶されているか否かを判定する(ステップS82)。前記自動読込ファイルはEXTバンクデータ(ファイル)であって、記憶元と記憶先とが同じ名称、同じデータ構成となっている。装着されたUSBメモリのルートディレクトリに自動読込ファイルが記憶されていないと判定した場合には(ステップS82のNO)、RAM3上のパフォーマンスメモリに作成されたデフォルト値からなるEXTバンクデータ(自動読込ファイル)をUSBメモリのルートディレクトリに生成(記憶)してから(ステップS89)、ステップS88の処理にジャンプする。
ステップS83は、読込済フラグが「TRUE(読込済み)」であるか否かを判定する。読込済フラグが「TRUE」である場合には(ステップS83のYES)、既に読込済みの自動読込ファイルを再度読み込んでパフォーマンスメモリに上書きするか否かを表示によりユーザに問い合わせる(ステップS84)。そして、ステップS85は、ユーザ操作により肯(読み込む)を指示する操作がなされたか否かを判定する。ユーザ操作により肯(読み込む)を指示する操作がなされていないと判定した場合には(ステップS85のNO)、ステップS88の処理にジャンプする。ユーザ操作により肯(読み込む)を指示する操作がなされたと判定した場合には(ステップS85のYES)、USBメモリから自動読込ファイルを読み込み、読み込んだ複数のパフォーマンスデータで対応するRAM3上に予め確保されているパフォーマンスメモリ内のEXTバンクデータの各パフォーマンスデータを上書きする(ステップS86)。
ステップS87は、自動読込ファイルの読み込みが完了したのに読込済フラグが「FALSE(読込済みでない)」でなければ「TRUE」に更新する(ステップS87)。ただし、自動読込ファイルの読み込みが失敗した場合には、読込済フラグを「TRUE」に更新しない。ステップS88は可搬記憶メディアスロット5に装着されたUSBメモリに対して、ユーザによる設定操作に応じてパフォーマンスメモリ内のEXTバンクデータの一括セーブ(SAVE)あるいは特定のパフォーマンスデータのみを保存(STORE)する。ただし、この際にUSBメモリが可搬記憶メディアスロット5に装着されていない場合には、エラー表示してユーザに警告する。
上記「EXTバンク処理」に従うと、電源投入中にUSBメモリが装着されていた可搬記憶メディアスロット5から一旦抜かれて再度装着された際に、該装着されたUSBメモリのルートディレクトリにEXTバンクデータが記憶されている場合には、読込済フラグを参照すると「TRUE」となっていることから、ユーザに対して「自動読み込みしてよいか」を確かめさせてから自動読込を開始することになる。
また、異なるUSBメモリ間においてEXTバンクデータをコピーする場合には、元のEXTバンクデータを記憶しているUSBメモリを可搬記憶メディアスロット5に装着することでRAM3上のパフォーマンスメモリ内のEXTバンクデータに記憶しておき、別のUSBメモリを可搬記憶メディアスロット5に装着することに応じて表示される自動読込の問い合わせに「自動読み込みしない」と返答してから、RAM3上のパフォーマンスメモリ内のEXTバンクデータを差し替えたUSBメモリにSAVE又はSTOREすることになる。
図16は、「パフォーマンスデータ適用処理」(図6のステップS5参照)の一実施例を示すフローチャートである。ステップS91は、パフォーマンスデータ選択用の設定操作子8Aの設定操作で、あるいはMIDIインタフェース経由で、特定のパフォーマンスデータが指定されたか否かを判定する。特定のパフォーマンスデータが指定されていないと判定した場合には(ステップS91のNO)、当該処理を終了する。特定のパフォーマンスデータが指定されたと判定した場合には(ステップS91のYES)、パフォーマンスデータに含まれる全ての詳細パラメータを音源/効果部10に反映させる(ステップS92)。この際には、有効/無効フラグに基づき各要素ブロック毎に「有効/無効」が設定される。ステップS93は、表示部7(LCD)の表示を更新する。この際にも、前記選択されたパフォーマンスデータに含まれる複数のパラメータ情報のうちデフォルトに指定されているパラメータ情報の詳細パラメータに関する表示を表示部7(LCD)に反映させる(図5参照:エディットモードの表示画面)。ステップS94は、全ての要素ブロックに関して「要素ブロック表示器の設定更新処理」(図10参照)を実行する。これにより、全ての要素ブロック表示部6Aは前記「有効/無効」の設定に基づき点灯又は消灯される。
以上のようにして、本発明に係る楽音信号作成装置は、要素ブロック毎に対応付けられた要素ブロック操作子6Bが短く押下操作された場合には、該操作された要素ブロック操作子6Bに対応付けられている要素ブロックの信号制御処理を有効/無効のいずれかに操作のたびに切り替える一方で、要素ブロック操作子6Bが長押し操作された場合には、該操作された要素ブロック操作子6Bに対応付けられている要素ブロックを詳細編集対象に設定し、表示部7に表示すると共にノブ8Aに詳細パラメータを対応付け、ノブ8Aのより詳細パラメータの設定を行うことができるようにした。このように、要素ブロック操作子6Bの操作態様の違いによって、要素ブロックの有効/無効の設定と該要素ブロックの特性を決める詳細なパラメータ設定との移行を行うようにしたので、個別の詳細パラメータの有効/無効を維持したままで要素ブロックの有効/無効を設定しながらユーザが音作りを行うことのできる装置を、コストをかけることなく提供することができる。
また、本発明に係る楽音信号作成装置は、可搬記憶メディア(USBメモリ)に記憶された自動読込ファイル(EXTバンクデータ)を自動的に読み込んで利用することができる装置であって、自動読込みの便利さを損なうことなく、既に読み込み済みの自動読込ファイルを上書きにより元の状態に戻してしまいたくないような場合に、自動読み込みさせないことができるようにした。すなわち、電源投入後の初回に検出したUSBメモリからはすぐに自動読込ファイルをRAM3上のパフォーマンスメモリに自動読込するが、その後抜き差しされて検出されたUSBメモリからはユーザに確認の問い合わせをし、その返答に従って読み込んだり読み込まなかったりする。これにより、ユーザが編集したEXTバンクデータが不意に上書きされて元の状態に戻ってしまうことを防止することができるようになる。また、自動読込された後から装着されたUSBメモリに対して、ユーザが編集したEXTバンクデータをそのまま書き込むことができる。つまり、USBメモリ間でのデータコピーが容易にできるようになる。なお、USBメモリからRAM3上のパフォーマンスメモリに読み込まれたEXTバンクデータに含まれる多数のパフォーマンスデータは、切り替え選択して利用することができることは言うまでもない。
さらに、本発明に係る楽音信号作成装置は、パラメータ割り当てによって予め異なる要素ブロックに含まれる詳細パラメータを任意に組み合わせておくことができるようにした。これにより、ユーザは異なる要素ブロックに含まれる詳細パラメータを設定する際に、異なる要素ブロック毎に繰り返しエディットモードにし、各要素ブロック毎に順次にそれぞれに含まれる詳細パラメータのみをノブ8Aを操作して設定するといった面倒な手順をふまなくとも、簡単な操作により異なる要素ブロックに含まれる詳細パラメータを一度に呼び出して、それらをノブ8Aを操作して設定することが簡単にできるようになる。特にリアルタイムの演奏中において、ユーザは異なる要素ブロックの詳細パラメータを瞬時に読み出して設定できることから、非常に便利である。
なお、上述したパラメータ割り当てモード時において、各ノブ8Aへのパラメータ割り当て時の操作手順は、図13に例示したものに限らない。例えば、最初に割当先ノブを選択し、その後にピアノエレメントの選択、パラメータの選択を行うようにしてよい。表示部7に表示する表示内容も例示したものに限らず、より大きな高解像度表示器を採用可能ならばグラフィカルに操作手順のウイザード表示をしてもよい。
なお、パラメータ割り当てモード時において、操作すべきスイッチなどを案内するために、対象となるスイッチのLEDや画面内の表示を他のものとは異態様(点滅等)となるように制御するとよい。
なお、パラメータ割り当て状態のクリアは、上述したノブ8Aを操作しながらの所定操作子(EXITスイッチ)の操作に限らず、所定操作子を操作しながらのノブ操作によってでもよい。あるいはその他の操作形態であってもよい。
なお、各ノブ8Aへのパラメータ割り当て状態として、デフォルトを未割り当てにするものに限らず、パフォーマンスごとに適したパラメータを予め割り当てておいてもよい。
なお、パラメータを割り当てる操作子はノブ8Aに限らず、スライダなど他の形状の操作子でもよい。
なお、ピアノエレメント操作子部の要素ブロック操作部6Bを短く押下操作することによる各要素ブロックの有効/無効の切り替えは、エディットモード時及びパフォーマンスモード時のどちらにおいても実行可能である。
なお、上述した電子楽器は鍵盤楽器の形態に限らず、弦楽器や管楽器等どのようなタイプの形態であってもよい。
なお、上述した実施例では編集状態にある要素ブロックが有効あるいは無効によって対応するLEDの点滅間隔を異ならせたが、他の表示態様であってもよい。例えば、点灯している時間と消灯している時間の比率を変え、編集状態にある要素ブロックが有効ならば0.4秒間点灯し0.1秒間消灯する一方、無効ならば0.1秒間点灯し0.4秒間消灯するようにしてよい。また、上述した実施例では、要素ブロックの4つの状態をLEDの表示態様として点灯/消灯/長い間隔の点滅/短い間隔の点滅で表したがこれに限らず、例えば輝度の違いで表したり、多色LEDを用いて色の違いで表したり、各要素ブロックに2つのLEDを一組とする2連LEDを具えるようにして、この2つのLED個々の表示の組み合わせで表すようにしてもよい。
更に、上述した実施例では、要素ブロックの有効/無効を切り替えたり、編集対象に設定/解除したりするのに、ブロック操作子の押下操作が所定時間より短いか長いかで処理を変えていたが、他の操作態様であってもよい。例えば、所定時間内に一回だけ押下操作されたか二回押下操作されたか、すなわち所謂シングルクリックされたかダブルクリックされたかによって処理を変えるようにしてもよい。