JP3722005B2 - 電子音楽装置及びその制御方法並びにプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術の分野】
本発明は、複数種類の楽器音を選択的に発生可能な電子音楽装置及びその制御方法並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、発音させる音色を選択して種々変え、複数種類の楽器音を発生可能な電子楽器等の電子音楽装置が知られている。この装置では、高品位で多種類の音色を実現するために、波形メモリ音源(PCM(Pulse Code Modulation)音源)が広く用いられている。
【0003】
図7は、楽器とその発音可能音域との関係を示す図である。波形メモリ音源で用いられる波形データは一般に、生楽器の演奏音を所定音高毎に鳴らしてサンプリングして得られる。しかし、生楽器の発音可能音域は限られているため、その生楽器の音色用に得られる波形データは、生楽器の発音可能音域内のものに限定されることになる。
【0004】
例えば、同図に示すように、生楽器「バイオリン」の演奏による発音可能音域は、一般に音名で「B3〜C7」程度である。「ビオラ」では「C3〜C6」程度、「チェロ」では「C2〜E5」程度である。従って、例えば、音色「バイオリン」の波形データを得る場合は、生楽器「バイオリン」の演奏音を例えば半音毎にサンプリングし、その波形データを各音高に対応付けてメモリに記憶していく。「バイオリン」の発音可能音域が「B3〜C7」であることから、「A#3」より低い音高や「C#7」より高い音高の演奏音をサンプリングすることは通常できない。
【0005】
ところで、電子楽器をはじめ楽音データを扱えるパーソナルコンピュータのような電子音楽装置では、楽音発生の自由度を高めるために、生楽器の音色再現する際、生楽器本来の発音可能音域を超えて発音できるように構成されているものがあり、このような装置では、例えば、ノート番号「0」〜「127」(音名C1〜G9)までの音高をカバーすることもできる。このように、生楽器の発音可能音域よりも高い音高及び低い音高の音を、生楽器に比較的近い音色で発音できるようにするために、次のような手法がある。
【0006】
(a)第1の手法では、生楽器の発音可能音域の上限乃至下限近傍でサンプリングされた波形データを使って、その波形データの読み出し再生の速度を変える。すなわち、より高い音を発音するには読み出し再生の速度を速くし、より低い音を発音するには読み出し再生の速度を遅くする。例えば、44.1KHzでサンプリングされたC4の波形データを所望の音高D3に応じたタイミングで(遅く)読み出し再生することで、音高D3を発音することができる。その際、サンプリングデータのない部分はデータ補間を行う。
【0007】
(b)第2の手法では、類似した音色を有する同じ系列の(音域の異なる)他の生楽器の波形データを代用する。例えば、バイオリンの音色にて生のバイオリンの音域よりも低い音高を発音させたいときは、より音域の低いビオラの波形データを代用し、ビオラの音色にて生のビオラの音域よりも低い音高を発音させたいときは、さらに音域の低いチェロの波形データを代用する。このほか、ギターの場合はベースギターの波形データを代用する、というように、同じ系列のより低い(高い)音域を有する生楽器の所定音高の演奏音のサンプリング波形データを利用して、音域外の音高を実現する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第1の手法では、所望の音高は得られるものの、周波数分析によるスペクトル分布が変化し、いわゆるフォルマントが移動する(倍音構成の振幅ピークの位置が変わる)ため、得られる音色としては微妙に異なってくる。また、上記第2の手法では、所望の音高は得られるものの、サンプリングの元となる生楽器自体が変わることから、全音域に亘って繋がりのある一貫した音色を得るのが困難である。
【0009】
従って、上記第1、第2のいずれの手法でも、対応する生楽器の発音可能音域以外での発音は、期待した音色からは外れたものとなり得る。例えば、「バイオリン」でいえば、本来の音域から外れた領域では、「バイオリン」らしく聞こえず、奏者にとっては、「バイオリン」の音色を選択して押鍵等により発音させているのに、低音域または高音域では「バイオリン」の音が発生しないどころか、音自体がよくないと感じられる場合もある。
【0010】
このように、よい音色で発音できる音域は発生させる楽器音によってそれぞれ異なり、演奏操作領域によっては適切な音色が得られない場合があるが、その一方で、奏者がそれを逐一把握して楽器音毎に適切な演奏操作領域内で操作子を操作することは困難であるという問題があった。
【0011】
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、楽器音毎に推奨音域を知らせて適切な音域内での演奏を促すことができる電子音楽装置及びその制御方法並びにプログラムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1の電子音楽装置は、表示部を備えると共に、複数種類の楽器音を発生可能な電子音楽装置であって、各楽器音毎に波形データと該楽器音に対応する所定の音域データとを記憶する記憶手段と、発生させる楽器音を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された楽器音の波形データを前記記憶手段から読み出し、該読み出した波形データに基づいて楽音信号を発生する楽音信号発生手段と、前記選択手段により選択された楽器音に対応する所定の音域データを前記記憶手段から読み出し、該読み出した所定の音域データに基づいて前記表示部に推奨音域の表示をさせるように制御する表示制御手段と、移調を行うキートランスポーズを設定可能なキートランスポーズ設定手段とを備え、前記表示制御手段は、前記キートランスポーズの設定による音高の移動量に応じて前記表示部における前記推奨音域の表示の態様を補正することを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、記憶手段には、各楽器音毎に波形データと該楽器音に対応する所定の音域データとが記憶される。選択された楽器音の波形データが前記記憶手段から読み出され、該読み出された波形データに基づいて楽音信号が発生される。また、選択された楽器音に対応する所定の音域データが前記記憶手段から読み出され、該読み出された所定の音域データに基づいて表示部に推奨音域の表示をさせるように制御される。これにより、奏者は、表示部における推奨音域の表示によって、選択した楽器音で演奏するに際し、良好な楽音を発生できる範囲を認識することができる。よって、楽器音毎に推奨音域を知らせて適切な音域内での演奏を促すことができる。
また、キートランスポーズが設定された場合、それによる音高の移動量に応じて表示部における推奨音域の表示の態様が補正される。例えば、高音域側に移調された場合は、表示する領域を音程の変化分だけ低音域側に下げるように補正する。これにより、キートランスポーズで音高が移動した場合においても、奏者はそれを意識することなく推奨音域を容易に認識することができる。
【0014】
また、請求項2の電子音楽装置は、上記請求項1記載の構成において、前記表示部は、音高決定用の複数の演奏操作子の各々に対応して設けられ点灯及び消灯可能な発光部群で構成され、前記表示制御手段は、前記発光部群のうち前記読み出した所定の音域データに対応する発光部を点灯させることで、前記推奨音域の表示をさせることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、表示部は発光部群で構成され、該発光部群は、音高決定用の複数の演奏操作子の各々に対応して設けられ点灯及び消灯可能である。発光部群のうち読み出した所定の音域データに対応する発光部が点灯することで推奨音域の表示がされるので、点灯した発光部との対応関係から、適切な音域で演奏できる演奏操作子を速やかに認識することができ、演奏操作の補助に役立てることができる。
【0016】
なお、推奨音域の表示態様としては、対応する発光部の全部を点灯させてもよいし、推奨音域の上限及び下限の発光部のみを点灯させてもよい。また、鍵盤楽器において鍵毎に設けたLEDのように、複数の操作子が個々の音高に対応して設けられ、演奏ガイド用に使用可能に構成されている場合は、音域表示のために別途表示部を設ける必要がなく、表示部の兼用により構成を簡単にすることができる。
【0017】
また、請求項3の電子音楽装置は、上記請求項1または2記載の構成において、前記波形データは、楽器の演奏音をサンプリングして得られたものであり、前記所定の音域データは、前記楽器が発音可能な音高範囲に基づき規定されることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、波形データは、楽器の演奏音をサンプリングして得られ、所定の音域データは、前記楽器が発音可能な音高範囲に基づき規定される。例えば、音高範囲の上限と下限の音高を示すデータとされる。よって、楽器本来の音色で発音できる音域内での演奏を促すことができる。
【0019】
また、請求項4の電子音楽装置は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の構成において、前記表示制御手段による前記推奨音域の表示制御の実行を指示するための指示手段を備え、前記表示制御手段は、前記指示手段による指示操作がされたときに、前記推奨音域の表示制御を実行することを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、推奨音域の表示制御は、その実行を指示するための指示操作がされたときになされる。よって、推奨音域表示を必要に応じて行わせることができるので、不要なときは邪魔にならず、使い勝手を向上することができる。
【0021】
また、請求項5の電子音楽装置は、上記請求項4記載の構成において、前記表示制御手段は、前記指示手段による指示操作がされている期間中、前記表示部における前記推奨音域の表示を継続させるように制御することを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、推奨音域の表示制御を実行の指示操作がされている期間中、表示部における前記推奨音域の表示が継続されるので、推奨音域表示を必要なときにのみ行わせ、演奏時等には表示がされないようにできるので邪魔にならず、使い勝手を向上することができる。
【0025】
また、請求項6の電子音楽装置は、上記請求項1〜5のいずれか1項に記載の構成において、演奏操作領域を分けて複数種類の楽器音の同時発生を可能にするスプリットを設定可能なスプリット設定手段を備え、前記表示制御手段は、前記推奨音域の表示制御を、前記スプリットの設定による複数種類の楽器音の各々に対応して行うことを特徴とする。
【0026】
この構成によれば、スプリットが設定された場合、推奨音域の表示制御が、スプリットの設定による複数種類の楽器音の各々に対応して行われる。これにより、スプリットが設定された場合においても、各種類の楽器音のそれぞれについての推奨音域を知らせて適切な音域内での多重演奏を促すことができる。
【0027】
同じ目的を達成するために本発明の請求項7の電子音楽装置の制御方法は、表示部を備えると共に複数種類の楽器音を発生可能な電子音楽装置を制御する電子音楽装置の制御方法であって、発生させる楽器音を選択する選択工程と、前記選択工程により選択された楽器音の波形データを、各楽器音毎に波形データと該楽器音に対応する所定の音域データとを記憶したメモリから読み出し、該読み出した波形データに基づいて楽音信号を発生する楽音信号発生工程と、前記選択工程により選択された楽器音に対応する所定の音域データを前記メモリから読み出し、該読み出した所定の音域データに基づいて前記表示部に推奨音域の表示をさせるように制御する表示制御工程と、移調を行うキートランスポーズを設定可能なキートランスポーズ設定工程とを有し、前記表示制御工程は、前記キートランスポーズの設定による音高の移動量に応じて前記表示部における前記推奨音域の表示の態様を補正することを特徴とする。
【0028】
この構成によれば、メモリには、各楽器音毎に波形データと該楽器音に対応する所定の音域データとが記憶される。選択された楽器音の波形データが前記メモリから読み出され、該読み出された波形データに基づいて楽音信号が発生される。また、選択された楽器音に対応する所定の音域データが前記メモリから読み出され、該読み出された所定の音域データに基づいて表示部に推奨音域の表示をさせるように制御される。これにより、奏者は、表示部における推奨音域の表示によって、選択した楽器音で演奏するに際し、良好な楽音を発生できる範囲を認識することができる。よって、楽器音毎に推奨音域を知らせて適切な音域内での演奏を促すことができる。
また、キートランスポーズが設定された場合、それによる音高の移動量に応じて表示部における推奨音域の表示の態様が補正される。例えば、高音域側に移調された場合は、表示する領域を音程の変化分だけ低音域側に下げるように補正する。これにより、キートランスポーズで音高が移動した場合においても、奏者はそれを意識することなく推奨音域を容易に認識することができる。
【0029】
同じ目的を達成するために本発明の請求項8のプログラムは、表示部を備えると共に複数種類の楽器音を発生可能な電子音楽装置を制御する電子音楽装置の制御方法をコンピュータに実現させるためのプログラムであって、発生させる楽器音を選択する選択手順と、前記選択手順により選択された楽器音の波形データを、各楽器音毎に波形データと該楽器音に対応する所定の音域データとを記憶したメモリから読み出し、該読み出した波形データに基づいて楽音信号を発生する楽音信号発生手順と、前記選択手順により選択された楽器音に対応する所定の音域データを前記メモリから読み出し、該読み出した所定の音域データに基づいて前記表示部に推奨音域の表示をさせるように制御する表示制御手順と、移調を行うキートランスポーズを設定可能なキートランスポーズ設定手順とをコンピュータに実行させるためのプログラムであり、前記表示制御手順は、前記キートランスポーズの設定による音高の移動量に応じて前記表示部における前記推奨音域の表示の態様を補正することを特徴とする。
【0030】
この構成によれば、請求項7と同様の作用、効果を奏することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0032】
図1は、本発明の一実施の形態に係る電子音楽装置の平面図である。本装置は、例えば、電子鍵盤楽器として構成される。
【0033】
本装置は、複数の鍵を有する鍵盤部1、楽音を発生するスピーカ2、LCD等で構成され各種情報を表示するディスプレイ3、及び各種設定や指示を行うための操作部4(選択手段、指示手段、キートランスポーズ設定手段、スプリット設定手段)等を備えて構成される。鍵盤部1には各鍵(黒鍵及び白鍵)に対応してLED5(表示部、発光部群)が設けられる。各LED5は、各鍵の基端部近傍に配設され、モードによって、押鍵に連動して点灯するほか、演奏データに従って点灯することで演奏ガイド(押鍵ガイド)等にも用いることができるように構成されている。操作部4には、テンキーのほか、後述する音域表示用スイッチ4a(指示手段)等が含まれる。
【0034】
図2は、本電子音楽装置の全体構成を示すブロック図である。CPU11(楽音信号発生手段の一部、表示制御手段の一部)には、ROM12(記憶手段、メモリ)、RAM13、音源回路14(楽音信号発生手段の一部)、点灯制御回路15(表示制御手段の一部)、押鍵検出回路16、表示制御回路17、スイッチ検出回路18、記憶手段19及び通信インターフェイス20が、バス25で接続されている。さらに、CPU11にはタイマ21が接続され、音源回路14にはサウンドシステム22が接続される。上述した鍵盤部1は点灯制御回路15及び押鍵検出回路16に接続され、ディスプレイ3は表示制御回路17に接続され、操作部4はスイッチ検出回路18に接続されている。
【0035】
操作部4では、ユーザの操作により、音色、音量、演奏ガイドや自動演奏等の各種モード、MIDI楽曲データの選択、自動演奏のためのテンポやそのスタート/ストップ指示等、各種設定を行える。操作部4ではまた、キートランスポーズ(モード)やスプリット(モード)を設定可能である。キートランスポーズが設定されると発音音高が半音単位で移動し、同じ鍵を押下した場合に発音される音高が初期設定時より高くなるかまたは低くなる。スプリットが設定されると、所定のあるいは任意に設定した音高にて演奏領域が2分割され、高音域側の演奏領域と低音域側の演奏領域とで異なる音色の設定が可能になる。
【0036】
CPU11は、本装置全体の制御を司る。ROM12は、CPU11が実行する制御プログラムやテーブルデータ等のほか、タイミングデータ及びノートイベントデータ等から成るMIDI楽曲データ等を格納する。RAM13は、各種入力情報及び演算結果等を一時的に記憶する。タイマ21は、不図示のシステムクロック部とテンポクロック部とを有し、タイマ割り込み処理における割り込み時間や各種時間を計時する。音源回路14は、ROM12または通信インターフェイス20等から入力された自動演奏データ等を楽音信号に変換する。サウンドシステム22は、不図示の効果回路及び上記スピーカ2を含み、音源回路14から入力される楽音信号に各種効果を付与して音響に変換する。
【0037】
点灯制御回路15は、CPU11による制御に基づいて、鍵盤部1に含まれるLED5群の点灯及び消灯を制御する。押鍵検出回路16は鍵盤1の各鍵の押鍵状態を検出する。表示制御回路17は、ディスプレイ3に各種情報を表示させる。スイッチ検出回路18は、操作部4の各スイッチの押下、操作状態を検出する。記憶手段19は、FDD(フロッピディスクドライブ)、外部記憶装置であるHDD(ハードディスクドライブ)、CD−ROMドライブ及びMDD(ミニディスクドライブ)を備える(いずれも図示せず)。
【0038】
上記FDDによりドライブされるフロッピディスクには、各種アプリケーションプログラム、及び各種データ等が格納される。記憶手段19のHDDは、ハードディスク(図示せず)に、制御プログラムを含む各種アプリケーションプログラムや各種データ等を記憶させる。記憶手段19のCD−ROMドライブは、上記制御プログラムを含む各種アプリケーションプログラムや各種データ等が格納されているCD−ROM(不図示)をドライブする。記憶手段19のMDDでドライブされるミニディスク(図示せず)には、音楽データ等が格納される。
【0039】
通信インターフェイス20は、MIDIインターフェイスやRS−232C等を備えて他のMIDI機器30等の外部機器23を接続すると共に、LAN、インターネット、電話回線等の通信ネットワーク24を接続する。通信インターフェイス20は、外部機器23からのMIDI信号を入力したり、MIDI信号を外部装置23に出力したりする。また、通信インターフェイス20は、ネットワーク24を介して不図示のサーバコンピュータ等とデータの送受信を行う。
【0040】
記憶手段19のHDDには、前述のようにCPU11が実行する制御プログラムを記憶することができる。ROM12に制御プログラムが記憶されていない場合には、このHDD内のハードディスクに制御プログラムを記憶させておき、それをRAM13に読み込むことにより、ROM12に制御プログラムを記憶している場合と同様の動作をCPU11にさせることができる。このようにすると、制御プログラムの追加やバージョンアップ等を容易に行うことができる。上記CD−ROMから読み出された制御プログラムや各種データは、ハードディスクにストアされる。これにより、制御プログラムの新規インストールやバージョンアップ等を容易に行うことができる。なお、記憶手段19には、光磁気ディスク(MO)装置等、様々な形態のメディアを利用するための他の装置を含めるようにしてもよい。
【0041】
なお、通信インターフェイス20を、ネットワーク24を介して接続された上記不図示のサーバコンピュータからプログラムやパラメータをダウンロードするために用いるようにしてもよい。すなわち、クライアントコンピュータとなる本電子音楽装置は、通信インターフェイス20及びネットワーク24を介してサーバコンピュータへとプログラムやパラメータのダウンロードを要求するコマンドを送信する。サーバコンピュータは、このコマンドを受け、要求されたプログラムやパラメータを、ネットワーク24を介して本装置へと配信し、本装置が通信インターフェイス20を介してこれらプログラムやパラメータを受信して記憶手段19のHDD内のハードディスクに蓄積することにより、ダウンロードが完了する。
【0042】
図3は、本実施の形態におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。本処理は本装置の電源のオン時に開始される。
【0043】
まず、初期設定を実行する(ステップS301)。すなわち、RAM13に格納された各種のレジスタ、フラグ、パラメータ等を初期値に設定し、また、通信インターフェイス20やタイマ21の初期化も行う。例えば、音色の設定は音色番号1(例えば、グランドピアノ)に設定され、押鍵ガイド表示、キートランスポーズ及びスプリットはいずれも「なし」に設定される。
【0044】
次に、後述する図4のパネル(スイッチ)処理を実行し(ステップS302)、演奏ガイド処理を実行する(ステップS303)。この演奏ガイド処理では、通信インターフェイス20を介して受信した、またはROM12に格納されたMIDI楽曲データに基づいて、演奏ガイドモードに応じた演奏ガイドを行う。演奏ガイドは、鍵盤部1のLED5を音高に応じて点灯させることで行う。演奏ガイドモードは後述する図4のステップS403で選択される。
【0045】
次に、自動演奏処理を実行する(ステップS304)。この自動演奏処理では、上記MIDI楽曲データに基づいて、自動演奏モードに応じて自動で演奏を行う。自動演奏モードは後述する図4のステップS404で選択される。
【0046】
次に、その他処理を実行する(ステップS305)。この「その他処理」には、通常の演奏のための処理、すなわちリアルタイム演奏処理が含まれる。すなわち、演奏者が鍵盤部1を押鍵した場合は、押鍵された鍵に対応するキーコード(音高情報)、ベロシティ(音量情報)、及びキーオン/オフの信号が押鍵検出回路16により検出され、その検出信号が音源回路14に送信され、そのとき指定されている音色の楽音が再生される。ステップS305の処理後、前記ステップS302に戻る。
【0047】
図4は、図3のステップS302で実行されるパネル(スイッチ)処理のフローチャートを示す図である。
【0048】
まず、一般のスイッチイベントがあったか否かを判別する(ステップS401)。ここで、一般のスイッチイベントには、音域表示用スイッチ4aの操作を除く操作部4によるスイッチ操作等が該当する。その判別の結果、一般のスイッチイベントがない場合はステップS405に進む一方、一般のスイッチイベントがあった場合は、ステップS402に進み、そのスイッチイベントに対応する処理を行う。この処理は、必要なデータをROM12からRAM13に読み出すこと等によってなされる。
【0049】
例えば、上記イベントが音色設定、音量設定であれば、指定された音色、音量に設定する。また、上記イベントがキートランスポーズモードの設定であれば、音高移動量を指定されたキートランスポーズ量に設定すると共に、キートランスポーズが設定されていることを「1」で示すフラグTRAを「1」に設定する。上記イベントがスプリット(2音色)モードの設定であれば、低/高(L/R)の各音域についてそれぞれ指定された音色に設定すると共に、スプリットが設定されていることを「1」で示すフラグSPRを「1」に設定する。また、上記イベントが楽曲データの設定であれば、メモリ(ROM12)の読み出し開始位置やデータ量等をレジスタに記憶する等によって、指定された楽曲データをアクセス可能な状態にする。また、上記イベントが演奏ガイドや自動演奏のためのテンポ設定であれば、指定されたテンポに設定する。上記イベントが演奏ガイドや自動演奏のためのスタート、ストップスイッチであれば、それらの検出、設定を行う。
【0050】
次に、ステップS403では、演奏ガイドモードの選択を受け付ける。すなわち、演奏ガイドの実行が指定された場合は、演奏ガイドを実行することを「1」で示すフラグPGを「1」に設定する。その際、右手ガイド、左手ガイドまたは両手ガイドのモードが設定可能である。一方、演奏ガイドの非実行が指定された場合は、フラグPGを「0」に設定する。
【0051】
次に、ステップS404では、自動演奏モードの選択を受け付ける。すなわち、自動演奏の実行が指定された場合は、自動演奏を実行することを「1」で示すフラグAPを「1」に設定する。その際、右手ガイド、左手ガイドまたは両手ガイドのモードが設定可能であり、右手ガイド、左手ガイド、両手ガイドの各モードに応じて、それぞれ右手パートのミュート、左手パートのミュート、左右パートのミュートが設定される。一方、自動演奏の非実行が指定された場合は、フラグAPを「0」に設定する。
【0052】
次に、操作部4の音域表示用スイッチ4aが押下されているか否かを判別する(ステップS405)。その判別の結果、音域表示用スイッチ4aが押下されている場合は、後述する図5の推奨音域表示処理を実行し(ステップS406)、本処理を終了する。一方、音域表示用スイッチ4aが押下されていない場合は、推奨音域表示の終了処理を実行する(ステップS407)。この終了処理では、後述する図5の推奨音域表示処理によりLED5が点灯していた場合にそれを消灯する処理が行われるが、LED5が点灯していない場合は直ちに本処理が終了する。
【0053】
図5は、図4のステップS406で実行される推奨音域表示処理のフローチャートを示す図である。
【0054】
まず、スプリット(2音色)モードが設定されているか否かを判別する(ステップS501)。この判別は、フラグSPRを参照することでなされる。その判別の結果、スプリット(2音色)モードが設定されていない場合(SPR=0)は、ステップS502に進み、設定されている音色に対応する推奨音域データ(所定の音域データ)をROM12からRAM13に読み出す。ここで、推奨音域データを説明する。
【0055】
図6は、ROM12に格納されたデータの構成を示す概念図である。同図に示すように、格納されたデータは、波形データ61、推奨音域データ62及びMIDI楽曲データ63から構成される。
【0056】
波形データ61は、波形メモリ音源用として、楽器毎に、その演奏音を半音毎にサンプリングして得た波形データ群を各音高に対応付けて記憶したものである。例えば、波形データ61aは、グランドピアノの演奏音の波形データであり、「A0、A0#、B0、C1、C1#…」の音高でそれぞれサンプリングされた音高別波形データ61(a−1、a−2、a−3、a−4、a−5…)で構成される。本装置は、少なくとも波形データ61の数に相当する音色を発生可能である。
【0057】
また、音高別波形データ61(a−1)は、エンベロープにおけるアタック部の全波形とサスティン部の一部の波形とを有している。なお、サスティン部についても全波形を有するようにしてもよい。また、ディケイ部及びリリース部についても波形を有するようにしてもよい。他の音高別波形データ61(a−2、a−3、a−4、a−5…)の構成はいずれも音高別波形データ61(a−1)と同様である。
【0058】
他の波形データ61(b、c、d…)は、例えば、オルガン、バイオリン、トランペット等の各楽器の演奏音の波形データであり、構成はいずれも波形データ61aと同様である。
【0059】
各推奨音域データ62(a、b、c、d…)は、それぞれ各波形データ61(a、b、c、d…)に対応している。推奨音域データ62は、各楽器音毎に、適切な音色で発音させるための音域を示すデータであり、生楽器については通常、その楽器が発音可能な上限及び下限の音高を規定するデータで構成される。例えば、波形データ61c(バイオリン)に対応する推奨音域データ62cについては、バイオリンの発音可能音域(図7参照)の下限音高を示す下限ノート番号「B3」と上限音高を示す上限ノート番号「C7」とで構成される。波形データ61a(グランドピアノ)に対応する推奨音域データ62aについては、下限ノート番号「A0」と上限ノート番号「C8」とで構成される。他の推奨音域データ62についても同様に構成される。
【0060】
MIDI楽曲データ63は、楽曲データとしてROM12に予め格納されたデータであり、いずれもタイミングデータとノートイベントデータとから構成される。
【0061】
図5に戻り、続くステップS503では、キートランスポーズモードが設定されているか否かを判別する。この判別は、フラグTRAを参照することでなされる。その判別の結果、キートランスポーズモードが設定されていない場合(TRA=0)は、ステップS504に進み、読み出した推奨音域データ62に基づいて、推奨音域表示(1音色)を行う。すなわち、LED5群のうち、推奨音域データ62が示す下限ノート番号に対応するものから上限ノート番号に対応するものまでをすべて点灯させるように制御する。例えば、設定音色が「バイオリン」であったときは、下限ノート番号「B3」から上限ノート番号「C7」に亘る全LED5が点灯する。これにより、適切な音色で演奏できる鍵が鍵盤部1上で容易に認識される。その後、本処理を終了する。
【0062】
一方、前記ステップS503の判別の結果、キートランスポーズモードが設定されている場合(TRA=1)は、ステップS505に進み、読み出した推奨音域データ62に基づいて、キートランスポーズ量を考慮して推奨音域表示(1音色)を行う。すなわち、LED5群のうち、推奨音域データ62が示す下限ノート番号に対応するものから上限ノート番号に対応するものまでをすべて点灯させるように制御するが、その際、キートランスポーズ量に応じて点灯範囲を高音側または低音側に移動補正する。例えば、キートランスポーズによって音高が高音側に1オクターブ移動された場合は、C4鍵を押下すると実際にはC5の音高が発音される。従って、この場合は、点灯させるLED5を、1オクターブ低い鍵に対応するものに変更する。これにより、キートランスポーズを意識することなく推奨音域が認識される。
【0063】
例えば、設定音色が「バイオリン」であったときは、キートランスポーズの設定がなければ「B3」及び「C7」を点灯すべきところ、1オクターブの高音側キートランスポーズを考慮した補正によって、「B2」及び「C6」を点灯させればよい。ステップS505の処理後、本処理を終了する。
【0064】
前記ステップS501の判別の結果、スプリット(2音色)モードが設定されている場合(SPR=1)は、ステップS506に進み、設定されている2音色に対応する2つの推奨音域データをそれぞれROM12からRAM13に読み出す。続くステップS507では、キートランスポーズモードが設定されているか否かを判別する。
【0065】
その判別の結果、キートランスポーズモードが設定されていない場合(TRA=0)は、ステップS509に進んで、読み出した2つの推奨音域データ62に基づいて、推奨音域表示(2音色)を行う。この場合は、任意の音高位置で2分割された高音域側(例えば、音色「バイオリン」)と低音域側(例えば、音色「グランドピアノ」)の演奏領域の各々について、前記ステップS504と同様の処理によりLED5を点灯するように制御する。これにより、スプリットに対応し2種類の楽器音のそれぞれについての推奨音域が認識される。
【0066】
なお、演奏領域が分割されたことで、その演奏領域内に下限または上限ノート番号が存在しない場合には、その演奏領域内における下限または上限の音高に対応するLED5を点灯させるようにする。ステップS509の処理後、本処理を終了する。
【0067】
一方、ステップS507の判別の結果、キートランスポーズモードが設定されている場合(TRA=1)は、ステップS508に進み、読み出した2つの推奨音域データ62に基づいて、キートランスポーズ量を考慮して推奨音域表示(2音色)を行う。この場合は、高音域側と低音域側の演奏領域の各々について、前記ステップS504と同様の処理によりLED5を点灯するように制御すると共に、前記ステップS505と同様に、キートランスポーズ量に応じて点灯範囲を高音側または低音側に移動補正するが、その際、点灯範囲の補正は、低/高各演奏領域毎に行う。これにより、キートランスポーズ及びスプリットの双方に対応し、キートランスポーズを意識することなく、2種類の楽器音のそれぞれについて推奨音域が容易に認識される。ステップS508の処理後、本処理を終了する。
【0068】
なお、本処理で点灯したLED5は、図4の前記ステップS407の推奨音域表示の終了処理がされるまで消灯しないことになる。従って、音域表示用スイッチ4aが押下されている期間中、LED5の点灯が継続される。
【0069】
本実施の形態によれば、音色毎に、波形データ61と推奨音域データ62とを対応付け記憶しておき、選択された音色の波形データ61に基づいて楽音を発生可能にすると共に、対応する推奨音域データ62に基づいてLED5群を点灯制御することで、その音色に適した推奨音域が表示されるようにした。これにより、奏者は、楽器の種類毎に発音音域を逐一把握していなくても、選択した音色にて演奏するに際し、点灯したLED5との対応関係から、適切な音域で演奏できる鍵の範囲、すなわち、良好な楽音を発生できる範囲を視覚的に速やかに認識することができる。よって、楽器音毎に推奨音域を知らせて、楽器本来の音色で発音できる適切な音域内での演奏を促すことができ、演奏操作の補助にも役立てることができる。
【0070】
また、LED5は演奏ガイド用に使用可能に構成されていることから、推奨音域表示のために別途LED5を設ける必要がなく、LED5の兼用により構成を簡単にすることができる。
【0071】
また、推奨音域表示は、音域表示用スイッチ4aの押下操作によってユーザの任意でなされ、しかも推奨音域表示のためのLED5の点灯は、音域表示用スイッチ4aの押下中継続されるようにしたので、推奨音域表示を必要に応じて行わせることができ、演奏時や表示が不要なときは邪魔にならず、使い勝手を向上することができる。
【0072】
また、推奨音域表示を行う際、キートランスポーズによる音高の移動量に応じて点灯させるLED5の位置を補正するようにしたので、キートランスポーズで音高が移動した場合においても、奏者はそれを意識することなく推奨音域を容易に認識することができる。さらに、推奨音域表示は、スプリットの設定による2種類の音色の各々に対応して行われるようにしたので、スプリットが設定された場合においても、各種類の音色のそれぞれについての推奨音域を知らせて適切な音域内での多重演奏を促すことができる。
【0073】
なお、本実施の形態では、推奨音域の下限から上限に亘る全部のLED5を点灯させるようにしたが、LED5を下限及び上限の2つのみ、あるいは下限から上限に亘ってとびとびに、点灯させるようにしてもよい。また、推奨音域表示はLED5の点灯によって行うようにしたが、これに限るものでなく、全LED5のうち推奨音域に対応するLED5の発光色を他のLED5とは異ならせるようにしてもよい。
【0074】
なお、LED5は各鍵の基端部近傍に設けたが、鍵との対応関係が明確であれば、配置位置は問わない。例えば、鍵を透過性材料で構成し、鍵の下方にLEDを設けるようにしたものにも適用が可能である。
【0075】
なお、LED5に代えて、ディスプレイ3に推奨音域がわかるような表示させるようにしてもよい。その場合は、全鍵幅と推奨音域との対応関係がわかるような視覚的表示のほか、5線符による表示、あるいはテキストによる文字表示(「B3」〜「C7」)等によってもよい。
【0076】
なお、スプリットによる分割は2分割に限るものではなく、3分割以上の場合にも応用することができる。なお、本実施の形態では鍵盤楽器に適用した場合を例示したが、音高に対応して操作子が設けられるあらゆる音楽装置、例えば、電子ギター等にも適用が可能である。
【0077】
なお、本実施の形態においては、本発明を達成するためのソフトウェアによって表される制御プログラムを記憶した記憶媒体を、本電子音楽装置に読み出すことによっても、同様の効果を奏することができる。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、プログラムコードが電送媒体等を介して供給される場合は、プログラムコード自体が本発明を構成することになる。
【0078】
なお、これらの場合の記憶媒体としては、ROMのほか、フロッピディスク、ハードディスク、光ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード等を用いることができる。
【0079】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0080】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1によれば、楽器音毎に推奨音域を知らせて適切な音域内での演奏を促すことができる。また、キートランスポーズで音高が移動した場合においても、奏者はそれを意識することなく推奨音域を容易に認識することができる。
【0082】
本発明の請求項2によれば、点灯した発光部との対応関係から、適切な音域で演奏できる演奏操作子を速やかに認識することができ、演奏操作の補助に役立てることができる。
【0083】
本発明の請求項3によれば、楽器本来の音色で発音できる音域内での演奏を促すことができる。
【0084】
本発明の請求項4によれば、推奨音域表示を必要に応じて行わせることができるので、不要なときは邪魔にならず、使い勝手を向上することができる。
【0085】
本発明の請求項5によれば、推奨音域表示を必要なときにのみ行わせ、演奏時等には表示がされないので邪魔にならず、使い勝手を向上することができる。
【0087】
本発明の請求項6によれば、スプリットが設定された場合においても、各種類の楽器音のそれぞれについての推奨音域を知らせて適切な音域内での多重演奏を促すことができる。
【0088】
本発明の請求項7によれば、楽器音毎に推奨音域を知らせて適切な音域内での演奏を促すことができる。
【0089】
本発明の請求項8によれば、楽器音毎に推奨音域を知らせて適切な音域内での演奏を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る電子音楽装置の平面図である。
【図2】 本電子音楽装置の全体構成を示すブロック図である。
【図3】 本実施の形態におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。
【図4】 図3のステップS302で実行されるパネル(スイッチ)処理のフローチャートを示す図である。
【図5】 図4のステップS406で実行される推奨音域表示処理のフローチャートを示す図である。
【図6】 ROMに格納されたデータの構成を示す概念図である。
【図7】 楽器とその発音可能音域との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 鍵盤部、 3 ディスプレイ、 4 操作部(選択手段、指示手段、キートランスポーズ設定手段、スプリット設定手段)、 4a 音域表示用スイッチ(指示手段)、 5 LED(表示部、発光部群)、 11 CPU(楽音信号発生手段の一部、表示制御手段の一部)、 12 ROM(記憶手段、メモリ)、 13 RAM、 14 音源回路(楽音信号発生手段の一部)、 15 点灯制御回路(表示制御手段の一部)、 18 スイッチ検出回路、 19 記憶手段、 61 波形データ、 62 推奨音域データ(所定の音域データ)
Claims (8)
- 表示部を備えると共に、複数種類の楽器音を発生可能な電子音楽装置であって、
各楽器音毎に波形データと該楽器音に対応する所定の音域データとを記憶する記憶手段と、
発生させる楽器音を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された楽器音の波形データを前記記憶手段から読み出し、該読み出した波形データに基づいて楽音信号を発生する楽音信号発生手段と、
前記選択手段により選択された楽器音に対応する所定の音域データを前記記憶手段から読み出し、該読み出した所定の音域データに基づいて前記表示部に推奨音域の表示をさせるように制御する表示制御手段と、
移調を行うキートランスポーズを設定可能なキートランスポーズ設定手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記キートランスポーズの設定による音高の移動量に応じて前記表示部における前記推奨音域の表示の態様を補正することを特徴とする電子音楽装置。 - 前記表示部は、音高決定用の複数の演奏操作子の各々に対応して設けられ点灯及び消灯可能な発光部群で構成され、前記表示制御手段は、前記発光部群のうち前記読み出した所定の音域データに対応する発光部を点灯させることで、前記推奨音域の表示をさせることを特徴とする請求項1記載の電子音楽装置。
- 前記波形データは、楽器の演奏音をサンプリングして得られたものであり、前記所定の音域データは、前記楽器が発音可能な音高範囲に基づき規定されることを特徴とする請求項1または2記載の電子音楽装置。
- 前記表示制御手段による前記推奨音域の表示制御の実行を指示するための指示手段を備え、前記表示制御手段は、前記指示手段による指示操作がされたときに、前記推奨音域の表示制御を実行することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子音楽装置。
- 前記表示制御手段は、前記指示手段による指示操作がされている期間中、前記表示部における前記推奨音域の表示を継続させるように制御することを特徴とする請求項4記載の電子音楽装置。
- 演奏操作領域を分けて複数種類の楽器音の同時発生を可能にするスプリットを設定可能なスプリット設定手段を備え、前記表示制御手段は、前記推奨音域の表示制御を、前記スプリットの設定による複数種類の楽器音の各々に対応して行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子音楽装置。
- 表示部を備えると共に複数種類の楽器音を発生可能な電子音楽装置を制御する電子音楽装置の制御方法であって、
発生させる楽器音を選択する選択工程と、
前記選択工程により選択された楽器音の波形データを、各楽器音毎に波形データと該楽器音に対応する所定の音域データとを記憶したメモリから読み出し、該読み出した波形データに基づいて楽音信号を発生する楽音信号発生工程と、
前記選択工程により選択された楽器音に対応する所定の音域データを前記メモリから読み出し、該読み出した所定の音域データに基づいて前記表示部に推奨音域の表示をさせるように制御する表示制御工程と、
移調を行うキートランスポーズを設定可能なキートランスポーズ設定工程とを有し、
前記表示制御工程は、前記キートランスポーズの設定による音高の移動量に応じて前記表示部における前記推奨音域の表示の態様を補正することを特徴とする電子音楽装置の制御方法。 - 表示部を備えると共に複数種類の楽器音を発生可能な電子音楽装置を制御する電子音楽装置の制御方法をコンピュータに実現させるためのプログラムであって、
発生させる楽器音を選択する選択手順と、
前記選択手順により選択された楽器音の波形データを、各楽器音毎に波形データと該楽器音に対応する所定の音域データとを記憶したメモリから読み出し、該読み出した波形データに基づいて楽音信号を発生する楽音信号発生手順と、
前記選択手順により選択された楽器音に対応する所定の音域データを前記メモリから読み出し、該読み出した所定の音域データに基づいて前記表示部に推奨音域の表示をさせるように制御する表示制御手順と、
移調を行うキートランスポーズを設定可能なキートランスポーズ設定手順とをコンピュータに実行させるためのプログラムであり、
前記表示制御手順は、前記キートランスポーズの設定による音高の移動量に応じて前記表示部における前記推奨音域の表示の態様を補正することを特徴とするプログラム。
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