JP3551014B2 - 演奏練習装置、演奏練習方法及び記録媒体 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、楽器の演奏練習を支援する演奏練習装置及び方法に係り、特に課題楽曲の練習時に演奏者の演奏操作の流れを尊重し、それが実際の課題曲との間で大幅にずれない限り演奏練習を継続的に行えるようにした演奏練習装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の演奏練習装置の中には、練習曲中の旋律データに関して、押鍵すべき鍵位置にあるガイドランプ(LED)を、その押鍵すべきタイミングで順次点灯表示するものがある。この場合、演奏者はそのガイドランプの点灯に合わせてモグラたたきのようにして押鍵の練習を行っていた。また、このような演奏練習装置は、演奏者の演奏速度とは無関係に、機械的に作りだされた所定のテンポに従ってガイドランプを点灯したり、伴奏音の発音を進行したりしていた。さらに、旋律データの発音処理については演奏者が旋律データに対応した正しい鍵を押鍵した場合のみ実行され、誤押鍵の場合には実行されない。また、伴奏音の発音処理については、旋律データの押鍵とは無関係に行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の演奏練習装置の場合、初心者はガイドランプを追いかけて押鍵するために、自分の演奏進行ペースで演奏練習を行うことが困難であった。また、伴奏の演奏は旋律の演奏とは無関係に順次進行していくので、演奏者が旋律の演奏を上手に行うことができず、とぎれとぎれの演奏になった場合、伴奏と旋律の演奏がまったくバラバラで処理されることになり、音楽的な調性のない演奏となる。また、演奏者が旋律の練習中に演奏ミスを犯した場合でも、伴奏の演奏は継続し、旋律演奏も単に停止するだけであり、演奏者のミスに対して何の対応もなされないのが現状であった。従って、演奏者は自分の演奏のミスがどのポイントで発生したのか、及びそのミスがどの程度のミス(重要なミスなのか、あまり重要でないミス)なのかを感覚的に知りたくても、それを知りうることができなかった。
【0004】
この発明は、課題楽曲の演奏練習を行う場合に、演奏者が自分の演奏進行ペースで演奏練習できるようにするとともに、その演奏進行ペースに合わせて伴奏の演奏も行われる演奏練習装置及び方法を提供することを目的とする。
この発明は、演奏者の演奏に大きなミスが生じた場合に、そのミスが生じた箇所やミスの程度を演奏者に感覚的に知らせることのできる演奏練習装置及び方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明に係る演奏練習装置は、旋律データと伴奏データを含んでいる練習曲データを記憶した記憶手段と、練習開始指示に応じて起動され、前記記憶された練習曲データから伴奏データを順に読み出して自動演奏する自動演奏手段と、練習開始指示に応じて起動され、前記記憶された練習曲データの旋律データから次に押鍵すべき音高の押鍵すべきタイミングを読み出す読出手段と、演奏者の行う押鍵操作に応じて、該押鍵操作タイミングと前記読出手段で読み出されている押鍵すべきタイミングとを比較し、該押鍵操作タイミングが該押鍵すべきタイミングの第1の所定時間よりも前であるかを判定する第1の判定手段と、演奏者の行う押鍵操作に応じて、該押鍵操作タイミングと前記読出手段で読み出されている押鍵すべきタイミングとを比較し、該押鍵操作タイミングが該押鍵すべきタイミングの第2の所定時間よりも後であるかを判定する第2の判定手段と、前記第1の判定手段によって前記押鍵操作タイミングが前記押鍵すべきタイミングの前記第1の所定時間よりも前と判定された場合に前記自動演奏手段と前記読出手段とを停止し、また、前記第2の判定手段によって前記押鍵操作タイミングが前記押鍵すべきタイミングの前記第2の所定時間よりも後と判定された場合も前記自動演奏手段と前記読出手段を停止する制御手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の本発明は、演奏操作手段と処理手段と自動演奏手段と記憶手段とを演奏練習のために使用する方法であって、前記記憶手段は旋律データと伴奏データを含んでいる練習曲データを記憶しており、練習開始指示に応じて前記自動演奏手段による自動演奏処理を起動し、該自動演奏処理により前記記憶手段に記憶された前記練習曲データから伴奏データを順に読み出して自動演奏させるステップと、練習開始指示に応じて前記処理手段による読出処理を起動し、該読出処理により前記記憶手段に記憶された記憶された前記練習曲データの旋律データから次に押鍵すべき音高の押鍵すべきタイミングを読み出させるステップと、前記演奏操作手段で行なう演奏者の演奏操作に応じた演奏操作データを、前記処理手段に入力するステップと、前記処理手段により、前記演奏操作データの示す前記演奏者の押鍵操作タイミングと前記読出処理で読み出されている押鍵すべきタイミングとを比較し、該押鍵操作タイミングが該押鍵すべきタイミングの第1の所定時間よりも前であるかを判定するステップと、前記処理手段により、前記演奏操作データの示す前記演奏者の押鍵操作タイミングと前記読出処理で読み出されている押鍵すべきタイミングとを比較し、該押鍵操作タイミングが該押鍵すべきタイミングの第2の所定時間よりも後であるかを判定するステップと、前記押鍵操作タイミングが前記押鍵すべきタイミングの前記第1の所定時間よりも前と判定された場合に前記自動演奏手段による自動演奏処理と前記処理手段による前記読出処理とを停止させ、また、前記押鍵操作タイミングが前記押鍵すべきタイミングの前記第2の所定時間よりも後と判定された場合も前記自動演奏手段による自動演奏処理と前記処理手段による前記読出処理とを停止させるステップとを実施することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の本発明に係る記録媒体は、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、旋律データと伴奏データを含んでいる練習曲データを記憶した記憶手段を使用してコンピュータによって実行される演奏練習制御プログラムについての命令群をその記憶内容として有しており、前記演奏練習制御プログラムは、練習開始指示に応じて自動演奏処理を起動し、該自動演奏処理により前記記憶手段に記憶された前記練習曲データから伴奏データを順に読み出して自動演奏させるステップと、練習開始指示に応じて読出処理を起動し、該読出処理により前記記憶手段に記憶された記憶された前記練習曲データの旋律データから次に押鍵すべき音高の押鍵すべきタイミングを読み出させるステップと、演奏者の行う押鍵操作に応じて、該押鍵操作タイミングと前記読出処理で読み出されている押鍵すべきタイミングとを比較し、該押鍵操作タイミングが該押鍵すべきタイミングの第1の所定時間よりも前であるかを判定するステップと、演奏者の行う押鍵操作に応じて、該押鍵操作タイミングと前記読出処理で読み出されている押鍵すべきタイミングとを比較し、該押鍵操作タイミングが該押鍵すべきタイミングの第2の所定時間よりも後であるかを判定するステップと、前記押鍵操作タイミングが前記押鍵すべきタイミングの前記第1の所定時間よりも前と判定された場合に前記自動演奏処理と前記読出処理とを停止し、また、前記押鍵操作タイミングが前記押鍵すべきタイミングの前記第2の所定時間よりも後と判定された場合も前記自動演奏処理と前記読出処理を停止するステップととを含んでいることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照してこの発明の実施の形態を詳細に説明する。
図2はこの発明に係る演奏練習装置及び自動演奏装置を内蔵した電子楽器の実施の形態を示すハード構成ブロック図である。
【0012】
この実施の形態では1つのCPU21によって演奏練習に関する処理等を行う電子楽器を例に説明する。CPU21はこの電子楽器全体の動作を制御するものである。このCPU21に対して、データ及びアドレスバス2Pを介してプログラムメモリ22、ワーキングメモリ23、マウス検出回路25、押鍵検出回路2D、スイッチ検出回路2F、表示回路2H、音源回路2J、効果回路2K、外部記憶装置24、MIDIインターフェイス2A、通信インターフェイス27及びタイマ2Nが接続されている。
【0013】
CPU21はプログラムメモリ22及びワーキングメモリ23内の各種プログラムや各種データ、及び外部記憶装置24から取り込まれた楽音制御情報(MIDIデータ)に基づいて全体の動作を制御する。この実施の形態では、外部記憶装置24としては、フロッピーディスクドライブ、ハードディスクドライブ、CD−ROMドライブ、光磁気ディスク(MO)ドライブ、ZIPドライブ、PDドライブ、DVDなどを用いてもよい。また、MIDIインターフェイス2Aを介して他のMIDI機器2BなどからMIDIデータなどを取り込んでもよい。CPU21は、このような外部記憶装置24から取り込まれたMIDIデータや鍵盤2Cの押鍵操作に基づいて生成したMIDIデータを音源回路2Jに供給する。なお、外部に接続された音源回路を用いて発音処理を行うようにしてもよい。
【0014】
プログラムメモリ22はCPU21のシステム関連のプログラム、複数の伴奏スタイルに対応した伴奏情報、各種のパラメータやデータなどを記憶しているものであり、リードオンリメモリ(ROM)で構成されている。ワーキングメモリ23はCPU21がプログラムを実行する際に発生する各種のデータを一時的に記憶するものであり、ランダムアクセスメモリ(RAM)の所定のアドレス領域がそれぞれ割り当てられ、レジスタやフラグ等として利用される。また、前記ROM22に動作プログラム、各種データなどを記憶させる代わりに、CD−ROMドライブ等の外部記憶装置24に自動演奏データや伴奏データや楽音波形データなどの各種データ及び任意の動作プログラムを記憶していてもよい。外部記憶装置24に記憶されている動作プログラムや各種データは、RAM23等に転送記憶させることができる。これにより、動作プログラムの新規のインストールやバージョンアップを容易に行うことができる。
【0015】
なお、通信インターフェイス27をデータ及びアドレスバス2Pに接続し、この通信インターフェイス27を介してLAN(ローカルエリアネットワーク)やインターネット、電話回線などの種々の通信ネットワーク28上に接続可能とし、他のサーバコンピュータ29との間でデータのやりとりを行うようにしてもよい。これにより、サーバコンピュータ29から動作プログラムや各種データをダウンロードすることもできる。この場合、クライアントとなる楽音生成装置である自動演奏装置から、通信インターフェイス27及び通信ネットワーク28を介してサーバコンピュータ29に動作プログラムや各種データのダウンロードを要求するコマンドを送信する。サーバコンピュータ29は、このコマンドに応じて、所定の動作プログラムやデータを、通信ネットワーク28を介して他の自動演奏装置に送信する。自動演奏装置では、通信インターフェイス27を介してこれらの動作プログラムやデータを受信して、ハードディスクドライブ25等にこれらのプログラムやデータを蓄積する。これによって、動作プログラム及び各種データのダウンロードが完了する。
【0016】
なお、本発明は、本発明に対応する動作プログラムや各種データをインストールした市販のパーソナルコンピュータ等によって、実施させるようにしてもよい。その場合には、本発明に対応する動作プログラムや各種データを、CD−ROMやフロッピーディスク等の、パーソナルコンピュータが読み込むことができる記憶媒体に記憶させた状態で、ユーザーに提供してもよい。また、そのパーソナルコンピュータ等が、LAN、インターネット、電話回線等の通信ネットワークに接続されている場合には、通信ネットワークを介して、動作プログラムや各種データ等をパーソナルコンピュータ等に提供してもよい。
【0017】
マウス26はパソコン等に用いられるポインティングデバイスであり、マウス26からの入力信号をマウス検出回路25によって位置情報に変換して、データ及びアドレスバス2Pに供給する。鍵盤2Cは発音すべき楽音の音高を選択するための複数の鍵を備えており、各鍵に対応したキースイッチを有しており、また必要に応じて押圧力検出装置等のタッチ検出手段を有している。鍵盤2Cは音楽演奏のための基本的な操作子であり、これ以外の演奏操作子でもよいことはいうまでもない。押鍵検出回路2Dは発生すべき楽音の音高を指定する鍵盤2Cのそれぞれの鍵に対応して設けられたキースイッチ回路を含むものである。この押鍵検出回路2Dは鍵盤2Cの離鍵状態から押鍵状態への変化を検出してキーオンイベントを出力し、押鍵状態から離鍵状態への変化を検出してキーオフイベントを出力すると共にそれぞれのキーオンイベント及びキーオフイベントに関する鍵の音高を示すノートナンバを出力する。押鍵検出回路2Dはこの他にも鍵押し下げ時の押鍵操作速度や押圧力等を判別してベロシティデータやアフタタッチデータを出力する。
【0018】
スイッチ検出回路2Fはパネルスイッチ2E上の各スイッチ群に対応して設けられており、これらの各スイッチ群の操作状況に応じたスイッチオンイベントを出力する。パネルスイッチ2E上のスイッチ群としては、例えば練習曲を選択するための曲選択スイッチ、演奏の開始を指示するスタートスイッチ、次の練習パートに進行させるためのNEXTスイッチ、前の練習パートに戻るためのBACKスイッチなどが設けられている。この他にも発生すべき楽音の音色、音量、音高、効果等を選択、設定、制御するための各種の操作子を有している。これ以外のスイッチも多数存在するがここでは省略する。なお、これらのハード的なスイッチの他には、ディスプレに各種のスイッチを表示し、それをマウス26でソフト的に選択できるようにしてもよい。表示回路2Hはディスプレイ2Gの表示内容を制御するものであり、疑似的な鍵盤やその押鍵の様子が表示される。ディスプレイ2Gは液晶表示パネル(LCD)等から構成され、表示回路2Hによってその表示動作を制御される。
【0019】
音源回路2Jは、複数チャンネルで楽音信号の同時発生が可能であり、アドレスバス2Pを経由して与えられた演奏情報(MIDI規格に準拠したデータ)を入力し、この情報に基づき楽音信号を発生する。音源回路2Jにおいて複数チャンネルで楽音信号を同時に発音させる構成としては、1つの回路を時分割で使用することによって複数の発音チャンネルを形成するようなものや、1つの発音チャンネルが1つの回路で構成されるような形式のものであってもよい。また、音源回路2Jにおける楽音信号発生方式はいかなるものを用いてもよい。
【0020】
効果回路2Kは音源回路2Jからの楽音信号に種々の効果を付与し、効果の付与された楽音信号をサウンドシステム2Lに出力する。効果回路2Kによって効果の付与された楽音信号は、アンプ及びスピーカからなるサウンドシステム2Lを介して発音される。タイマ2Nは時間間隔を計数したり、自動伴奏のテンポを設定したりするためのテンポクロックパルスを発生するものである。このテンポクロックパルスの周波数はスイッチ群の中のテンポスイッチ(図示していない)によって調整される。タイマからのテンポクロックパルスはCPU21に対してインタラプト命令として与えられ、CPU21はインタラプト処理により自動演奏時における各種の処理を実行する。
【0021】
図3は練習曲データの構成例を示す図であり、図3(A)は練習曲データの全体構成例を、図3(B)は練習曲データの中の初期設定データの内容を、図3(C)は楽曲データの一例を示す図である。1つの練習曲データは、図3(A)に示すようなフォーマットで記憶されている。すなわち、1つの練習曲データはトラック番号と初期設定データと楽曲データとから構成される。トラック番号が1の場合はそのトラックの演奏情報はメロディの演奏情報(旋律データ)に関するものであることを意味し、トラック番号が2の場合はそのトラックの演奏情報は伴奏データに関するものであることを意味する。初期設定データは図3(B)に示されるように旋律データ又は伴奏データの音色、音量及び効果設定データに関するデータからなる。初期設定データにはこれ以外にも種々の情報が記憶されているがここでは省略する。旋律データ及び伴奏データは共に図3(C)に示すように、タイミングデータとキーオンデータとキーナンバデータとベロシティデータとの組み合わせからなる発音用データと、タイミングデータとキーオフデータとキーナンバデータとの組み合わせからなる消音用データから構成される。これらの発音用データ及び消音用データが演奏される楽曲に従ってシーケンシャルに記憶され、旋律データ及び伴奏データを構成している。
【0022】
タイミングデータはイベントとイベントとの間の時間を示すデータである。キーオンデータはキーオンイベントを示すデータである。キーオフデータはキーオフイベントを示すデータである。キーナンバデータはキーオン又はキーオフされた音高に関するデータである。ベロシティデータは発音すべき音の音量に関するデータである。なお、旋律データや伴奏データの中には演奏情報及び伴奏情報の他にピッチベンド、ボリューム制御などに関するイベントデータも存在するがここでは省略してある。
【0023】
次に、CPU21によって実行される演奏練習装置の処理の一例である第1の実施例を図1及び図4から図6までの概念図、並びに図7から図11までのフローチャートに基づいて説明する。図7はこの演奏練習装置のメインフローの一例を示す図である。ステップ71で初期設定処理が行われる。この初期設定処理では、練習曲の選択動作、選択された練習曲に対応する楽譜の全体又は一部の表示動作などが行われる。次のステップ72では練習開始ボタンが操作され、練習の開始が指示されたかどうかを判定する。ステップ73〜ステップ75は、ステップ72の練習開始指示に伴う初期設定処理であり、各フラグ及びバッファを『0』にセットし、後述する自動演奏と押離鍵の割込処理の実施許可を表すために走行フラグRUNに『1』を設定し、前記表示部に表示された楽譜上において現在演奏すべき音を示す指示音高を練習曲の先頭音に設定する。ステップ76は、走行フラグRUNが0になるまで繰り返される処理である。ここで、走行フラグRUNが『1』の場合は練習曲データに基づく演奏実施中であり、『0』の場合は演奏停止中であることを示す。従って、演奏練習装置は、このステップ76で走行フラグRUNが0になるまで、すなわち演奏が停止されるまで、後述する図8の自動演奏割込処理および図9の押離鍵割込処理を所定の割込タイミングで実行する。
【0024】
ステップ77は、演奏練習時に演奏者がどのような演奏ミスを犯したのか、その演奏ミスに係る音を含む小節の先頭から演奏練習を開始するかどうかを問い合わせたり、又は、演奏ミスした部分の演奏結果を視認可能なようにディスプレイ2G上に表示するかどうかを問い合わせたりする。この実施の形態のポイントの一つは、演奏者による演奏ミスが重大なミスの場合には、直ちに練習演奏を停止することによって重大ミスが発生したことを演奏者に知らせることであり、その後の結果処理はどのような形態でもよく、例えば、上記のような処理モードを演奏者に選択させる等の方法が考えられる。ステップ78では、これ以外の演奏練習処理、例えばベースの演奏練習であるとか、リズム音の演奏練習などを行ったり、演奏練習曲を変更したり、その他の処理が行われる。そして、演奏練習装置の終了スイッチが操作されたか否かの判断をステップ79で行う。
【0025】
図8は、本実施例の演奏練習装置が行う自動演奏割込処理の一例を示す図である。図8の自動演奏割込処理は、クロックタイミングに相当する時間毎に伴奏データに基づく発音及び消音等の処理を行うものである。この実施の形態では、4分音符長を8クロック分とするので、4分の4拍子の場合は1小節分は32クロックに相当する。この自動演奏割込処理では、まず、走行フラグRUNが『1』の場合に全ての処理を行う。そして、伴奏イベント発生タイミングデータaTIMEとタイミングデータTIMEが同じになったかどうかを判定し、同じになった場合に次のステップで当該イベントの発音処理を行い、次回の自動演奏割込処理に備えて伴奏データ内の続くタイミング値を伴奏イベント発生タイミングデータaTIMEに加算する。ここで、タイミングデータTIMEは演奏練習の進行時間を表すレジスタの値であり、基本的には後述する図11のストップ判定処理においてクロックタイミング毎に1ずつインクリメントされるものである。なお、タイミングデータTIMEの値は後述する図10の旋律データ読出処理によって例外的に書き替えられることもある(詳細は後述する)。
【0026】
図9は、本実施例の演奏練習装置が行う押離鍵割込処理の一例を示す図である。この押離鍵割込処理は、演奏者の押鍵操作及び離鍵操作に対応した発音、消音及び判定処理を実施するものである。この押離鍵割込処理は、前述の自動演奏割込処理と同様のタイミング、すなわち1クロックタイミング毎に実行されるものである。ステップ91で走行フラグRUNが『1』であるか否かを判断して、『1』の場合に全ての処理を行い、それ以外は実行されない。ステップ92で押鍵有りと判定され場合にステップ93〜ステップ99の処理を、ステップ9Aで離鍵有りと判定された場合にはステップ9Bの処理をそれぞれ行った後、ステップ9Cの処理を実行して本割込処理を終了する。
【0027】
ステップ93では、押鍵された鍵の音高(キーナンバ)と現在の指示音すなわち図3の旋律データのキーナンバとが一致するかどうかを判定し、一致する場合には、その押鍵タイミングが当該旋律データの押鍵タイミングデータmTIMEよりも明らかに早いかどうか、すなわち、押鍵タイミングデータmTIMEから現在のタイミングデータTIMEの値を減算した値が6より大きいかどうかを判定している(ステップ94)。ここで、押鍵タイミングデータmTIMEは、旋律データの中の各キーオンイベント発生タイミングに対応するものである。また、タイミングデータTIMEの値は現在の押鍵タイミングを表すことになる。ステップ94の判定結果がYESの場合には、演奏を強制的に停止するために、ステップ98,99に進み、全音の消音処理を行い、走行フラグRUNに『0』をセットする。このように、発音タイミングよりもあまりにも早い押鍵(早とちり押鍵)が行われた場合、この実施の形態では、強制的に演奏を停止し、それを演奏者に知らせる。また、この実施の形態では、ある程度の早とちり(例えば6クロック相当分の早とちり)に対しては、それを許容することによって、若干の演奏ミスが生じた場合でも演奏の流れを止めることなく、演奏の流れを保持し、演奏練習が続行できるようにしている。
【0028】
また、ステップ94の判定で押鍵タイミングmTIMEからタイミングデータTIMEを減算した値が6未満の場合には、ステップ95〜ステップ97の処理を実施する。ステップ95では停止フラグSTOPに『0』が設定される(停止フラグSTOPについては後述する)。ステップ96では、押鍵音高と現在の指示音高とが一致しており、それが所定範囲内のタイミングで押鍵されたので、その押鍵に対応した発音処理を行うと共に次の指示音高に対応した音高をディスプレイ上に表示する。すなわち、この実施の形態では、練習曲の楽譜を表示すると共に押鍵しなければならない音符を点灯したり、色替えしたりして表示する。
【0029】
ステップ97の旋律データ読出処理は、現在押鍵すべき音高が押鍵される毎に(演奏者によって正確な押鍵がなされる毎に)実施される処理である。図10はこの旋律データ読出処理の一例を示す図である。旋律データ読出処理は、まず、現在押鍵されたキーオン(前回キーオン)に続くキーオンに対応するキーナンバをキーバッファKEYにセットする。そして、次のステップでタイミングデータTIMEの値に現在の押鍵タイミングデータmTIMEの値をセットする。これは、演奏者の押鍵が、旋律データ内の該当する音高に対応するタイミングであって、所定時間(前述の6クロック以内)内の範囲で早く押鍵された場合に、その現在の演奏進行時間の値、すなわちタイミングデータTIMEの値を次の旋律データを発音すべきタイミングの押鍵タイミングデータmTIMEとするためである。これによって、演奏者が若干早いタイミングで押鍵を行った場合においても、以降に続く自動演奏処理において伴奏データの各イベントの読出タイミングと旋律データの演奏タイミングがずれなくなり、演奏者は若干の早とちり押鍵であれば、この早とちりのミスを気にすることなく演奏の流れを保ったまま演奏練習を楽しむことができる。
【0030】
次に、前回キーオンとそれに続くキーオンとの間の全タイミング値を押鍵タイミングデータmTIMEに加算し、押鍵タイミングデータmTIMEの値が伴奏イベント発生タイミングデータaTIMEの値よりも大きいかどうかを判定し、大きい場合には、押鍵タイミングデータTIMEに相当する時間までに存在する伴奏データ内の全てのイベントの自動演奏処理を行う。この処理は演奏者の早とちり押鍵によって、現在演奏進行時間が早められた場合、この早められた時間内に発音すべきであった伴奏データ内の全イベントの処理を優先的に処理するためである。これによって、早とちり押鍵による、伴奏音のなりっぱなし等の不具合を防止することができる。
【0031】
上述のステップ92〜ステップ97の処理が押鍵有りの場合に行われる処理である。次に離鍵有りの場合に行われる処理について説明する。離鍵有無の判定はステップ9Aで行われる。離鍵有りの場合は、ステップ9Bで離鍵に該当する音が発音中であれば当該音の消音処理を行う。押鍵及び離鍵の有無に無関係にステップ9Cのストップ判定処理が行われる。このストップ判定処理の詳細は図11に示されている。まず、停止フラグSTOPが『1』か否かを判定し、YESの場合には経過時間レジスタWAITの値を『1』だけインクリメントし、その値が所定値よりも大きいか否かを判定する。ここで、停止フラグSTOPは、押鍵すべき旋律データの音高が押鍵されていない状態(正解押鍵待ち状態)である(『1』)か否か(『0』)を表すフラグであり、正解押鍵毎(図9のステップ95)にリセットされる。また、経過時間レジスタWAITは正解押鍵待ち状態に入ってからの経過時間を格納するレジスタであり、停止フラグSTOPが『1』の状態で1クロックタイミング毎に『1』ずつインクリメントされるものである。この判定の結果、経過時間レジスタWAITの値が所定時間以下の場合にはそのまま処理を終了し、所定時間よりも大きい場合には、演奏を強制的に停止するために、全音の消音処理を行い、走行フラグRUNに『0』をセットして終了する。以上の処理は、押鍵タイミングで極度のもたつきが生じた場合に強制的に演奏練習を停止することにより躊躇押鍵が行われたことを警告し、ある程度の演奏のもたつきは容認し、若干の演奏ミスが生じた場合でも演奏を流れを保ちつつ演奏練習を行わせるための処理である。
【0032】
一方、停止フラグSTOPが『0』の場合、すなわち正解押鍵待ち状態でない場合には、タイミングデータTIMEに『1』を加算した値が押鍵タイミングデータmTIMEに等しいか否かを判断する。すなわち、現在の演奏進行時間までに発音すべき旋律データ内の音高に対応した鍵が押鍵されたか否かを判定し、押鍵されていない場合には、正解押鍵待ち状態フラグSTOPに『1』を設定し、押鍵されてない旋律データの押鍵の待ち状態に移行する。ここで、タイミングデータTIMEに『1』を加算した値とmTIMEの値を比較している理由は、mTIMEにおいて発生すべき伴奏音が、押鍵により前に発生される(正解押鍵待ち状態開始時に発音される)ことを防ぐためである。そして、経過時間レジスタWAITに『0』をセットし、正解押鍵が発生するまでの時間をこの経過時間レジスタWAITに格納する。一方、現在の演奏進行時間までに発音すべき旋律データ内の音高に対応した鍵が押鍵されている場合には、タイミングデータTIMEの値を『1』だけインクリメントする。停止フラグSTOPに『1』がセットされ、正解押鍵待ち状態の時には、タイミングデータTIMEの値はインクリメントされず、その値は一定に保持される。これによって、演奏者の演奏にもたつきが生じた場合に、伴奏進行を一時的に停止し、次の正解押鍵発生時に同期して伴奏データの読出を再開され、演奏者は伴奏進行を気にすることなく自分のペースで演奏を行えば、その演奏に合わせて伴奏音が発音されるので、初心者でもアンサンブルの流れを害さないで演奏を楽しむことができるという効果がある。
【0033】
次に本発明を具体例を用いて説明する。図4は、演奏者によって選択された練習曲データの一部を示すものであり、上段が旋律データ(Melody)を示し、下段が伴奏データ(Base)を示す。図において黒丸が発音タイミングを示し、その下のアルファベットが音高(キーナンバ)を示す。この実施の形態は、旋律データに関する練習を行うものである。図1、図5及び図6において、上段は演奏者の演奏内容(Play)を示し、黒丸が正解音の押鍵タイミングを示し、黒三角が誤押鍵を示す。下段は演奏練習装置によって処理された結果、どのような発音が行われるか、その発音状態(Generate)を示す図であり、黒丸が発音タイミングを示し、アルファベットの上側が旋律データに対応した発音を、下側が伴奏データに対応した発音を示す。なお、図1,図5及び図6ではキーオフイベントについての説明は省略してある。なお、前述のフローチャートでは、旋律データに記憶されている各音高の発音タイミングの前後6クロックの範囲外でなされた押鍵はミス押鍵(ずれ押鍵)とみなしており、前後6クロック範囲外で押鍵されたものが正解音高であったとしても、それはミス押鍵として処理される。
【0034】
図4に示される旋律データによれば、キーナンバAとキーナンバBとの演奏間隔及びキーナンバBとキーナンバCとの演奏間隔は共に16クロック相当であり、キーナンバCとキーナンバDとの演奏間隔は28クロック相当である。伴奏データに関しては、キーナンバEとキーナンバFとの演奏間隔が32クロク相当であり、キーナンバFとキーナンバGとの演奏間隔が24クロック相当である。このキーナンバAの発音と同時にキーナンバEの伴奏音が、キーナンバCの発音と同時にキーナンバFの伴奏音が発音されなければならない。また、キーナンバGの伴奏音はキーナンバFの伴奏音が発音されてから24クロック相当の時間が経過した時点で発音処理される。これが図4に示される旋律データ及び伴奏データの内容である。このような旋律データ及び伴奏データの下で、図1のような演奏操作が演奏者によって行われた場合、どのように演奏練習装置は動作するのか説明する。以下、各データやレジスタの値は括弧を付けて示す。
【0035】
図1は、誤押鍵はあるが、演奏処理が停止されない場合を示す。まず、最初のキーナンバAの押鍵時には問題なく、キーナンバAとキーナンバEの発音が行われる。そして、キーナンバBの鍵が正解タイミングよりも先に4クロック分早く押鍵されており、ステップ91〜ステップ96の処理によって、キーナンバBに対応する発音が行われることにある。ステップ97では、次のキーナンバCがキーバッファKEYにセットされ、タイミングデータTIME(12)に現在の押鍵タイミングデータmTIME(16)がセットされる。すなわち、4クロック分早く押鍵されたので、それに伴うタイミング調整が行われる。そして、キーナンバBから次のキーナンバCまでのタイミング値(16)が押鍵タイミングデータmTIMEに加算される。従って、mTIMEの値は32となる。なお、伴奏イベント発生タイミングデータaTIMEの値は32なので、図10の判定処理はNOとなる。
【0036】
キーナンバCの鍵の押鍵は正確なタイミング(キーナンバBが押鍵されて16クックロ経過したタイミング)で行われたので、そのまま、キーナンバCとキーナンバFの発音が行われ、図8において伴奏イベント発生タイミングaTIME(32)につづくタイミング値(24)が加算される。そして、28クロック相当後に誤押鍵が発生する。この誤押鍵が発生した場合、ステップ93で押鍵音高と指示音とが不一致と判定されるので、ステップ94〜ステップ99の処理は行われずに、誤押鍵に対する処理もなにも行われない。誤押鍵から4クロック経過後、つまりキーナンバDの正解押鍵タイミングにおいて、正解押鍵がなされないため図11の処理により停止フラグSTOPに『1』がセットされ、正解押鍵待ち状態になる。そして、キーナンバCの押鍵タイミングから32クロック(正解押鍵待ち状態になってから今4クロック)経過後にキーナンバDの正解押鍵が有ったので、図9のステップ91〜ステップ97の処理が行われ、キーナンバDの発音処理が行われ、上述と同じようにして、ステップ97の旋律データ読出処理及びステップ9Cのストップ判定処理が行われ、通常の演奏練習処理が実行されるようになる。
【0037】
次に、図5のように極度の押とちり押鍵が成された場合を示す。キーナンバA及びキーナンバBの押鍵は図1の場合と同じなので、説明は省略する。キーナンバBの次の誤押鍵はステップ93によってNOと判定されるので、何ら処理されず無視される。キーナンバCの押鍵は図1の場合と同じなので省略する。そして、キーナンバDの押鍵が正解押鍵タイミングよりも8クロック相当早く押鍵されており、ステップ94の判定で、YESとなるので、ステップ98及びステップ99の処理が実行され、演奏は停止される。
【0038】
次に、図6のように極度にもたつき(躊躇)押鍵が成された場合を示す。キーナンバA及びキーナンバBの押鍵は図1の場合と同じなので、説明は省略する。誤押鍵の場合、ステップ93で押鍵音高と指示音とが不一致なので、ステップ94〜ステップ99の処理は行われずに、誤押鍵に対する処理はなにも行われない。なお、この時点では、図8の自動演奏処理によって、タイミングデータTIMEと伴奏イベント発生タイミングデータaTIMEとの値が32で一致するので、伴奏データに対応するキーナンバFの発音処理が実行される。なお、この誤押鍵の前のクロックタイミング(正解押鍵タイミングよれ1クロック前のタイミング)においてステップ9Cのストップ判定処理で、次に押鍵されるべき旋律データ(キーナンバC)の存在が認識され、正解押鍵待ち状態フラグSTOPに『1』が設定され、経過時間レジスタWAITに『0』が設定される。その後、6クロック相当分進行した結果、図11で経過時間レジスタWAITの値が『6』よりも大きい、すなわち、正解押鍵タイミングから所定時間内に正解押鍵がなかったものと判断されるので、その時点で演奏は強制的に停止される。
【0039】
図12は、旋律データの中に1つの発音タイミングにおいて複数音が同時に発音される和音的押鍵の演奏状態が存在する場合についての説明図である。図12に示される旋律データ(Melody)には、キーナンバB,C,Dのような同時に押鍵しなければならないデータが含まれている。このような旋律データ及び伴奏データの下で、どのように演奏練習装置は動作するのか、その一例を説明する。なお、この動作に対応するフローチャートの図示は省略する。
【0040】
まず、演奏者はキーナンバAの発音タイミングから12クロック相当経過後のタイミングで誤押鍵するが、その誤押鍵は旋律データとは無関係の誤押鍵なので無視される。そして、その4クロック相当経過後にキーナンバCの押鍵があり、さらにその4クロック相当経過後にキーナンバB,Dの押鍵が同時に生じたとする。この場合、この演奏練習装置では、和音構成音のいずれかが押鍵された時点で正解音が押鍵されたことなる。従って、図12の場合にはキーナンバCの押鍵があった時点で正解音が押鍵されたことになる。なお、この場合正解音と判定されるのは、旋律データの押鍵タイミングを基準にその前後6クロック以内に押鍵された場合であって、これよりもあまりに早かった場合は早とちり押鍵として、強制的に演奏を停止し、それを演奏者に知らせる。また、これよりもあまりに遅かった場合にも同様に演奏にもたつきが生じたものと見なして、強制的に演奏を停止し、それを演奏者に知らせる。この実施の形態では、正解押鍵が発生してから和音構成音の全てが押鍵された時点でその和音に基づく発音が行われる。また、これと同じタイミングに対応するキーナンバGの伴奏音が存在する場合には、その伴奏音も同時に発音される。従って、図12の場合には、キーナンバB,Dが押鍵された時点でキーナンバB,C,D,Gの発音処理が行われる。その後キーナンバHの伴奏音に付いてはこのキーナンバB,C,D,Gの発音後16クロック経過時点で発音される。なお、旋律データにおけるキーナンバEの押鍵はキーナンバB,Dの押鍵の後、28クロック経過時点、すなわち正規押鍵よりも4クロック相当分遅れて押鍵されるが、この場合はなんら問題なく、キーナンバEに対応した発音処理が行われる。
【0041】
なお、図12のような場合、正解押鍵が発生してから和音構成音の全てが押鍵された時点でその和音構成音の発音処理を行う場合について説明したが、これに限らす、次のように処理してもよい。例えば、和音構成音に対応する全ての押鍵が、正解押鍵(押鍵タイミングの前後6クロック以内の押鍵)の場合にその正解押鍵の最後の時点で発音処理してもよい。また、正解押鍵が発生してから所定時間(例えば12クロック相当の時間)内に和音構成音の全てが押鍵された時点で発音処理してもよい。また、和音構成音の半分以上が正解押鍵の場合に限り、その和音構成音の全てが押鍵された時点で発音処理するようにしてもよい。
【0042】
なお、上述の実施の形態では音源回路、自動演奏装置及び演奏練習装置を内蔵した電子楽器について説明したが、電子楽器と、パーソナルコンピュータを接続して、パーソナルコンピュータのディスプレイ上に押鍵すべき楽譜を表示したり、図2のパネルスイッチをパーソナルコンピュータのキーボードで代用したりしてもよい。なお、上述の実施の形態では、1つの練習曲データにつき伴奏データが1トラックしか記録されていないが、1つの練習曲データにつき複数トラック分の伴奏データに記録してもよい。この実施の形態では、演奏者は旋律データに関する演奏についてのみ演奏練習可能であるが、これに限らず、伴奏データの中の所望パート(例えば、和音演奏パート等)の演奏練習をできるようにしてもよい。この際、例えば、ピアノ演奏に関する旋律演奏と和音進行演奏なでの複数パートの演奏練習を同時に行えるようにしてもよい。
【0043】
鍵盤楽器に限らず、弦楽器タイプ、管楽器タイプ、打楽器タイプ等の形態でもよい。音源装置、自動演奏装置などを内蔵した電子楽器に限らず、それぞれが別体の装置であり、MIDIや各種ネットワーク等の通信手段を用いて各装置を接続するものであってもよい。
【0044】
演奏データのフォーマットは、演奏イベントの発生時刻を曲や小節内における絶対時間で表した『イベント+絶対時間』、音符の音高と符長あるいは休符と休符長で演奏データを表した『音高(休符)+符長』、又は演奏の最小分解能毎にメモリの領域を確保し、演奏イベントの発生する時刻に対応するメモリ領域に演奏イベントを記憶したいわゆる『ベタ方式』等、いかなる形式で構成してもよいことはいうまでもない。また、自動演奏データは,複数のチャンネルのデータが混在した形式であってもよいし、各チャンネルのデータがトラック毎に分かれているような形式のものであってもよい。
【0045】
クロック数の設定は上述の実施の形態のようなものに限らずともよい。また、ミス音(誤押鍵)とみなされる押鍵タイミング範囲や和音演奏時の同時押鍵とみなされるタイミング範囲は、本実施例における値にかぎられるものではない。上述の実施の形態では、練習対象トラックの発音は正解押鍵に対応する発音のみを行う場合について説明したが、誤押鍵に対応する発音を実施するようにしてもよい。また、上述の実施の形態では、旋律データのキーナンバに対応する押鍵タイミングを基準にそれよりも前6クロック相当の間に押鍵された場合を正解押鍵とし、それよりも早く押鍵された異なるキーナンバの押鍵の場合を誤押鍵と、同じキーナンバの押鍵は早とちり押鍵としていたが、さらに押鍵タイミングよりも前6〜10クロック相当の範囲内で同じキーナンバの押鍵が発生した場合を早とちり押鍵とし、10クロック以上前の押鍵は誤押鍵として、強制的に演奏を停止する対象から除外するようにしてもよい。なお、上述の実施の形態では、誤押鍵が発生すると直ちに演奏停止する場合について説明したが、誤押鍵が複数回発生した場合に演奏を停止するように動作してもよい。また、本実施例では正解音高に対応する押鍵についてのみ早とちり押鍵の判定を行っているが、誤押鍵についても早とちり判定を行うようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】
この発明によれば、課題楽曲の演奏練習を行う場合に、演奏者が自分の演奏進行ペースで演奏練習できるようにするとともに、その演奏進行ペースに合わせて伴奏の演奏を行うことができるという効果がある。
この発明によれば、演奏者の演奏に大きなミスが生じた場合に、そのミスが生じた箇所やミスの程度を演奏者に感覚的に知らせることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】演奏者の演奏内容(Play)及び本発明に係る演奏練習装置の行う発音処理の状態(Generate)を示す図である。
【図2】この発明に係る演奏練習装置を内蔵した電子楽器の実施の形態を示すハード構成ブロック図である。
【図3】練習曲データの構成例を示す図である。
【図4】演奏者によって選択された練習曲データの一部である旋律データ(Play)及び伴奏データ(Base)の一例を示す図である。
【図5】演奏者の演奏内容(Play)及び本発明に係る演奏練習装置の行う発音処理の状態(Generate)の第1の例を示す図である。
【図6】演奏者の演奏内容(Play)及び本発明に係る演奏練習装置の行う発音処理の状態(Generate)の第2の例を示す図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る演奏練習装置のメインフローの一例を示す図である。
【図8】本実施例の演奏練習装置が行う自動演奏割込処理の一例を示す図である。
【図9】本実施例の演奏練習装置が行う押離鍵割込処理の一例を示す図である。
【図10】図9の旋律データ読出処理の一例を示す図である。
【図11】図9のストップ判定処理の一例を示す図である。
【図12】旋律データの中に1つの発音タイミングにおいて複数音が同時に発音される和音的押鍵の演奏状態が存在する場合の練習曲データ、演奏内容及び発音処理の状態を示すデータである。
【符号の説明】
21…CPU、22…ROM、23…RAM、24…外部記憶装置、25…マウス検出回路、26…マウス、27…通信インターフェイス、28…通信ネットワーク、29…サーバコンピュータ、2A…MIDIインターフェイス、2B…他のMIDI機器、2C…鍵盤、2D…押鍵検出回路、2E…パネルスイッチ、2F…スイッチ検出回路、2G…ディスプレイ、2H…表示回路、2J…音源回路、2K…効果回路、2L…サウンドシステム、2P…アドレス及びデータバス

Claims (3)

  1. 旋律データと伴奏データを含んでいる練習曲データを記憶した記憶手段と、
    練習開始指示に応じて起動され、前記記憶された練習曲データから伴奏データを順に読み出して自動演奏する自動演奏手段と、
    練習開始指示に応じて起動され、前記記憶された練習曲データの旋律データから次に押鍵すべき音高の押鍵すべきタイミングを読み出す読出手段と、
    演奏者の行う押鍵操作に応じて、該押鍵操作タイミングと前記読出手段で読み出されている押鍵すべきタイミングとを比較し、該押鍵操作タイミングが該押鍵すべきタイミングの第1の所定時間よりも前であるかを判定する第1の判定手段と、
    演奏者の行う押鍵操作に応じて、該押鍵操作タイミングと前記読出手段で読み出されている押鍵すべきタイミングとを比較し、該押鍵操作タイミングが該押鍵すべきタイミングの第2の所定時間よりも後であるかを判定する第2の判定手段と、
    前記第1の判定手段によって前記押鍵操作タイミングが前記押鍵すべきタイミングの前記第1の所定時間よりも前と判定された場合に前記自動演奏手段と前記読出手段とを停止し、また、前記第2の判定手段によって前記押鍵操作タイミングが前記押鍵すべきタイミングの前記第2の所定時間よりも後と判定された場合も前記自動演奏手段と前記読出手段を停止する制御手段と
    を具備することを特徴とする演奏練習装置。
  2. 演奏操作手段と処理手段と自動演奏手段と記憶手段とを演奏練習のために使用する方法であって、前記記憶手段は旋律データと伴奏データを含んでいる練習曲データを記憶しており、
    練習開始指示に応じて前記自動演奏手段による自動演奏処理を起動し、該自動演奏処理により前記記憶手段に記憶された前記練習曲データから伴奏データを順に読み出して自動演奏させるステップと、
    練習開始指示に応じて前記処理手段による読出処理を起動し、該読出処理により前記記憶手段に記憶された記憶された前記練習曲データの旋律データから次に押鍵すべき音高の押鍵すべきタイミングを読み出させるステップと、
    前記演奏操作手段で行なう演奏者の演奏操作に応じた演奏操作データを、前記処理手段に入力するステップと、
    前記処理手段により、前記演奏操作データの示す前記演奏者の押鍵操作タイミングと前記読出処理で読み出されている押鍵すべきタイミングとを比較し、該押鍵操作タイミングが該押鍵すべきタイミングの第1の所定時間よりも前であるかを判定するステップと、
    前記処理手段により、前記演奏操作データの示す前記演奏者の押鍵操作タイミングと前記読出処理で読み出されている押鍵すべきタイミングとを比較し、該押鍵操作タイミングが該押鍵すべきタイミングの第2の所定時間よりも後であるかを判定するステップと、
    前記押鍵操作タイミングが前記押鍵すべきタイミングの前記第1の所定時間よりも前と判定された場合に前記自動演奏手段による自動演奏処理と前記処理手段による前記読出処理とを停止させ、また、前記押鍵操作タイミングが前記押鍵すべきタイミングの前記第2の所定時間よりも後と判定された場合も前記自動演奏手段による自動演奏処理と前記処理手段による前記読出処理とを停止させるステップと
    を実施することを特徴とする方法。
  3. コンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、旋律データと伴奏データを含んでいる練習曲データを記憶した記憶手段を使用してコンピュータによって実行される演奏練習制御プログラムについての命令群をその記憶内容として有しており、前記演奏練習制御プログラムは、
    練習開始指示に応じて自動演奏処理を起動し、該自動演奏処理により前記記憶手段に記憶された前記練習曲データから伴奏データを順に読み出して自動演奏させるステップと、
    練習開始指示に応じて読出処理を起動し、該読出処理により前記記憶手段に記憶された記憶された前記練習曲データの旋律データから次に押鍵すべき音高の押鍵すべきタイミン グを読み出させるステップと、
    演奏者の行う押鍵操作に応じて、該押鍵操作タイミングと前記読出処理で読み出されている押鍵すべきタイミングとを比較し、該押鍵操作タイミングが該押鍵すべきタイミングの第1の所定時間よりも前であるかを判定するステップと、
    演奏者の行う押鍵操作に応じて、該押鍵操作タイミングと前記読出処理で読み出されている押鍵すべきタイミングとを比較し、該押鍵操作タイミングが該押鍵すべきタイミングの第2の所定時間よりも後であるかを判定するステップと、
    前記押鍵操作タイミングが前記押鍵すべきタイミングの前記第1の所定時間よりも前と判定された場合に前記自動演奏処理と前記読出処理とを停止し、また、前記押鍵操作タイミングが前記押鍵すべきタイミングの前記第2の所定時間よりも後と判定された場合も前記自動演奏処理と前記読出処理を停止するステップと
    とを含んでいることを特徴とする記録媒体。
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