JP2004101979A - 電子楽器 - Google Patents

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Kazuhisa Ueki
植木 和寿
Chieko Koga
古賀 智恵子
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Abstract

【課題】演奏の遅れにより、他のパートの自動演奏の進行が中断した際に、急な楽音信号の発生の停止を避けて演奏者を驚かせないようにする。
【解決手段】自動演奏データ中のメロディパートの演奏データにより押鍵指示ランプ12を先行して点灯し、演奏者に対して演奏ガイドを行う。一方、自動演奏データ中の伴奏パート(和音パートおよびリズムパート)の伴奏音信号は自動的に発生される。演奏者が押鍵指示ランプ12によって点灯指示されている鍵を本来の演奏タイミングまでに押鍵操作しないとき、前記伴奏パートの自動演奏を中断するとともに、発生中の伴奏音信号に対してキーオフ処理を行う。これと同時に、和音パートまたはリズムパートの1,2小節程度の自動演奏音を小音量で繰返し発生させるか、別途用意したメトロノーム的な特殊パターンの自動演奏音を小音量で繰り返し発生させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、演奏用のパート以外の自動演奏音を聴きながら、演奏用のパートの演奏練習を行えるようにした電子楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、複数パート分の演奏データを記憶手段から楽曲の進行に従って読み出し、前記読み出した演奏データのうちで演奏用のパートの演奏データを用いて押されるべき鍵を表示することによって演奏をガイドするとともに、同演奏用のパート以外の他のパートの演奏データに応じた楽音信号を発生して、同他のパートの演奏データに従った楽音信号を聴きながら、演奏者が前記演奏ガイドに従って演奏練習を行うようにした電子楽器はよく知られている。そして、この電子楽器においては、演奏用のパートの演奏データによって指定される演奏操作子が所定のタイミングまでに演奏操作されなかったとき、演奏データの楽曲の進行に従った読出しを中断するとともに、前記他の全てのパートの演奏データに応じた楽音信号の発生を停止制御して、演奏者が楽曲の進行に従って演奏練習できるとともに、演奏データの読出し中断時に他のパートの演奏音が鳴り続けることを防止するようにしている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特許第2707853号公報(段落番号0045,0089、図6,12)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の装置のように、演奏用のパートの演奏データによって指定される演奏操作子が所定のタイミングまでに演奏操作されなかったとき、他の全てのパートの演奏データに応じた楽音信号の発生を停止制御してしまうと、電子楽器が急に楽音を全く発生しなくなってしまう。このように、楽音の発生が急に停止してしまうと、演奏者はこの急激な変化に驚きを覚え、また電子楽器に異常が発生したと勘違いすることもあり、好ましくない。
【0005】
【発明の概要】
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、演奏用のパートの演奏データによって指定される演奏操作子が所定のタイミングまでに演奏操作されなくて、演奏データの楽曲の進行に従った読出しを中断しても、一部の楽音信号の発生を続行することにより、演奏者を驚かせたり、電子楽器に異常が発生したと勘違いしないようにした電子楽器を提供することにある。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る電子楽器の構成上の特徴は、記憶手段から1つの楽曲に関する複数パート分の演奏データを楽曲の進行に従って読み出して、前記読み出した複数パート分の演奏データの中で、演奏者によって演奏されるべき少なくとも一つの演奏用のパート以外の他のパートの演奏データに応じた楽音信号を発生するとともに、演奏操作子の演奏操作に応じた楽音信号を発生する電子楽器において、演奏用のパートの演奏データを用い、演奏操作子が演奏用のパートの演奏のために所定のタイミングまでに演奏操作されなかったことを判定する判定手段と、演奏操作子が演奏用のパートの演奏のために所定のタイミングまでに演奏操作されなかったことが判定手段により判定されたとき、読出し手段による演奏データの楽曲の進行に従った読出しを中断する中断手段と、中断手段によって演奏データの楽曲の進行に従った読出しが中断されたとき、楽音信号発生手段にて前記他のパートの演奏データに対応して発生される楽音信号のうちの一部または全部の楽音信号の発生を実質的に停止させるとともに、前記他のパートの演奏データに対応して発生される楽音信号のうちの前記一部の楽音信号以外の楽音信号または前記他のパートの演奏データとは独立した楽音信号を発生させる楽音発生態様制御手段とを備えたことにある。
【0007】
この場合、判定手段は、楽曲の進行上において演奏操作子が演奏操作されるべきタイミングまでに操作されないとき、または同タイミングよりも所定拍以上遅れても操作されないとき、演奏操作子が演奏用のパートの演奏のために所定のタイミングまでに演奏操作されなかったことを判定するようにするとよい。また、判定手段は、演奏用のパートの演奏データによって指定される音高に対応した演奏操作子が演奏操作されないことも前記条件に加えて、演奏操作子が演奏用のパートの演奏のために所定のタイミングまでに演奏操作されなかったことを判定するようにしてもよい。さらに、この場合にあっては、演奏用のパートの演奏データによって指定される演奏操作子の近傍の演奏操作子すなわち同演奏データによって指定される音高に対応した演奏操作子から所定音程以内の演奏操作子が操作されたときには、演奏操作されるべき演奏操作子が操作されたものとみなすようにしてもよい。また、これらの条件を演奏者が選択できるようにしておいてもよい。
【0008】
また、演奏操作子の演奏操作によって発生される楽音信号の音高は、操作された演奏操作子に対応した音高の楽音信号であっても、演奏用のパートの演奏データによって指定される音高の楽音信号であってもよい。また、これらの発生される楽音信号の音高の種類が、演奏者によって選択されるようにしておいてもよい。
【0009】
また、演奏用のパートと他のパートとの区別は、例えば、メロディパートと伴奏パートとの区別であったり、右手パートと左手パートとの区別であったりする。さらに、メロディパートを第1メロディパート、第2メロディパートと細分化してもよい。また、伴奏パートの中には、例えば、和音パート、ベースパート、リズムパート(打楽器パートも含む)などが含まれる。これらの場合、演奏用のパートとは、メロディパート、第1メロディパートと第2メロディパートとのいずれか、または右手パートと左手パートとのいずれかであり、他の演奏パートとはそれ以外の残りのパートである。また、このような演奏用のパートと他のパートの区別が、演奏者によって任意に選択されるようにしておいてもよい。
【0010】
また、楽音発生態様制御手段による一部または全部の楽音信号の発生を実質的に停止させるとは、例えば前記発生中の一部または全部の楽音信号に対してキーオフ処理を行って、同楽音信号を減衰後に発生停止させるようにするとよい。また、前記発生中の一部または全部の楽音信号の音量レベルを実質的に「0」すなわち聴感上聞こえない程度の小さな音量レベルに減少させて、前記一部または全部の楽音信号の発生を実質的に停止させてもよい。また、前記中断手段によって演奏データの楽曲に進行に従った読出しが中断されたときに発生される楽音信号の音量レベルは、以前に発生した他のパートの楽音信号の音量レベルと同じでもよいが、同音量レベルよりも減少させるようにすることが好ましい。しかしながら、この発生される楽音信号の音量レベルは演奏者が感知できる程度以上の音量レベルである必要がある。
【0011】
また、前記中断手段により演奏データの楽曲の進行に従った読出しが中断されたときに前記楽音発生態様制御手段によって発生される楽音信号は、時間軸上の所定のパターンに従って発生される楽音信号であるとよい。この場合、例えば、中断手段によって読出しを中断した音符タイミングの前後の前記他のパートの一部の所定区間(例えば、1,2小節)に渡る演奏データを時間経過に従って読み出して再生した楽音信号を利用できる。また、この場合でも、所定区間の演奏データの中で、特定の拍、特定の音色で楽音信号を発生させるための演奏データを抜き出し、同抜き出した演奏データに従った楽音信号のみを発生させるようにしてもよい。また、前記楽音発生態様制御手段によって発生される楽音信号は、別途設けた短い所定長(例えば、1,2小節程度)の伴奏パターンに従った伴奏音(例えば、和音、リズム音)であってもよいし、各拍ごとにメトロノーム的に発生される打楽器音信号、メトノーム音などを含む楽音信号でもよい。また、この場合、これらの発生される楽音信号を、前記種々の楽音信号の中から選択できるようにするとよい。
【0012】
このように構成した本発明においては、演奏操作子が演奏用のパートの演奏のために所定のタイミングまでに演奏操作されなくて、演奏データの楽曲の進行に従った読出しが中断されたとき、楽音発生態様制御手段は、楽音信号発生手段にて演奏用のパート以外の他のパートの演奏データに対応して発生される楽音信号のうちの一部または全部の楽音信号の発生を実質的に停止させる。また、これと同時に、楽音発生態様制御手段は、前記他のパートの演奏データに対応して発生される楽音信号のうちの前記一部の楽音信号以外の楽音信号または前記他のパートの演奏データとは独立した楽音信号を発生させる。したがって、演奏用のパート以外の全ての他のパートの演奏音が鳴り続けることが防止されて、演奏者にとって耳障りにならなくなる。また、他のパートの演奏データに対応して発生される楽音信号のうちの一部の楽音信号または前記他のパートの演奏データとは独立した楽音信号が発生されるので、全ての楽音の発生が急に停止してしまうことを防止できて、演奏者はこの楽音信号の急激な音量変化に驚きを覚えることがなくなるとともに、また電子楽器に異常が発生したと勘違いすることもなくなる。
【0013】
さらに、前述のように、中断手段によって演奏データの楽曲の進行に従った読出しが中断されたときに楽音発生態様制御手段によって発生される楽音信号を、時間軸上の所定のパターンに従って発生される楽音信号とすると、演奏者は中断された演奏操作の再開のタイミングを把握し易くなる。
【0014】
また、本発明の他の特徴は、さらに、前記少なくとも一つの演奏用のパートの演奏データに基づいて、演奏者によって次に演奏操作されるべき演奏操作子を指示する演奏操作子指示手段を備えたことにある。これによれば、演奏者は次に操作すべき演奏操作子を認識でき、初心者が電子楽器を演奏練習するのに便利になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る電子楽器について図面を用いて説明する。図1は、この電子楽器の上面外観図を概略的に示している。この電子楽器は、手前位置にて横方向に配列され、各音名にそれぞれ対応した複数オクターブにわたる演奏操作子としての複数の白鍵及び黒鍵からなる鍵盤11を備えている。鍵盤11の後方には、各鍵に対応した演奏指示器としての複数の押鍵指示ランプ12が配置されている。
【0016】
これらの鍵盤11及び押鍵指示ランプ12の後方には操作パネルが設けられている。操作パネル上には、その中央位置にて液晶ディスプレイで構成した表示器13が配置され、その両側にて一対のスピーカ14,14が配置され、表示器13と一対のスピーカ14,14の各間の位置にてパネル操作子群15が配置されている。パネル操作子群15は、それらの操作により発生楽音の音色、音量などを指定、表示器13の表示内容の指示など、この電子楽器の動作を指示する。特に、本実施形態においては、自動演奏曲を指定し、自動演奏を開始しおよび停止し、ならびに演奏ガイドにおける各種モードを設定するための操作子を備えている。
【0017】
次に、この電子楽器の回路構成について、図2を用いて説明する。この電子楽器は、バス20にそれぞれ接続されてマイクロコンピュータ本体部を構成するCPU21、タイマ22、ROM23、RAM24を備えている。また、バス20には、このマイクロコンピュータ本体部に付属する装置として、記憶装置25が接続されている。記憶装置25は、この電子楽器に予め組み込まれているハードディスクHD、同電子楽器に装着可能なコンパクトディスクCD、フレキシブルディスクFDなどの種々の記録媒体と、同各記録媒体に対するドライブユニットを含むものであり、大量のデータ及びプログラムを記憶及び読み出し可能にしている。
【0018】
本実施形態の場合、ハードディスクHDには、図3〜5のプログラム、同プログラムの実行時に利用される複数組の曲データなどが記憶されている。これらのプログラム、曲データは、予めハードディスクHDに記憶されていたり、コンパクトディスクCD、フレキシブルディスクFDなどからハードディスクHDに供給されたり、後述する外部機器42又は通信ネットワーク43を介した外部からハードディスクHDに供給されるものである。
【0019】
一組の曲データは、図6に示すように、曲名、テンポ、調などを表すヘッダと、自動演奏データによってそれぞれ構成されたメロディパート(または右手パート)、和音パート(または左手パート)およびリズムパートからなる複数パート分の演奏データとを含んでいる。なお、和音パートおよびリズムパートは、伴奏パートを構成する。これらの演奏データは、楽曲の進行に従った楽器の演奏操作を表す演奏イベントデータと、前記各演奏操作の時間間隔を表すデュレーションデータと、楽曲の終了を示すエンドデータとからなる。演奏イベントデータには、ノートイベントデータと、その他の演奏イベントデータとを含む。ノートイベントデータは、各音名を表すノート番号と、各音の押鍵時間を表すゲートタイムと、各音の発音音量(押鍵の強さ)を表すベロシティとによって構成されている。ただし、リズムパートに関しては、ノート番号に代えて、打楽器の種類を表す楽器名データが用いられる。その他の演奏イベントデータは、メロディ音および和音の音色を制御する音色データ、自動演奏の再生テンポの変更などを表すテンポデータなどである。
【0020】
また、一組の曲データには、同曲データに係る楽曲の拍子などを一致させた特殊パターンの演奏データがそれぞれ付加されている。この特殊パターンの演奏データも、前記と同様な演奏イベントデータ、デュレーションデータおよびエンドデータからなる。ただし、この特殊パターンの演奏データは、1,2小節程度の短い長さの和音、リズム音などの単純な伴奏パターン、または拍ごとに一つもしくは複数の楽音信号(リズム音を含む)を発生させるためのメトロノーム音のような楽音信号を発生させるための演奏パターンである。
【0021】
ふたたび、図2の説明に戻ると、この電子楽器は、バス20に接続された押鍵検出回路31、点灯制御回路32、表示制御回路33及び操作子検出回路34を備えている。押鍵検出回路31は、鍵盤11における各鍵の押離鍵を検出する。点灯制御回路32は、押鍵指示ランプ12の点灯および消灯を制御する。表示制御回路33は、表示器13における表示状態を制御する。操作子検出回路34は、パネル操作子群15の操作を検出する。
【0022】
また、バス20には、音源回路35及び通信インターフェース41も接続されている。音源回路35は、CPU21からの演奏情報(ノート番号NN、キーオン信号、キーオフ信号、ベロシティ、音色データなど)に基づいて楽音信号を形成して、同楽音信号をサウンドシステム36に出力する。サウンドシステム36は、前述したスピーカ14,14のほかに、効果回路、アンプなどを含んでいて、音源回路35からの楽音信号に音楽的効果を付加して同楽音信号に対応した楽音を発音する。通信インターフェース41は、他の電子楽器、パーソナルコンピュータなどの外部機器42に接続可能となっていて、この電子楽器が外部機器42と各種プログラム及びデータを交信可能となっている。また、通信インターフェース41は、通信ネットワーク43を介して外部と接続可能となっていて、この電子楽器が外部と各種プログラム及びデータを交信可能となっている。
【0023】
次に、上記のように構成した実施形態の動作を説明する。演奏者は、まず、電子楽器の電源スイッチ(図示しない)を投入することにより、CPU21に、図3のメインプログラムの実行を開始させる。このメインプログラムは、ステップ100にて開始され、ステップ102〜134からなる循環処理を繰り返し実行する。
【0024】
演奏者が、自動演奏または演奏ガイドさせようとする楽曲を選択するためにパネル操作子群15を操作すると、ステップ102おける「Yes」、ステップ104〜108における「No」との判定のもとに、ステップ110のその他の処理が実行され、同その他の処理にて楽曲が選択される。この選択においては、演奏者は、表示器13の表示を見ながらパネル操作子群15を操作して、記憶装置25のハードディスクHD内に記憶されている複数組の曲データの中から1組の曲データを指定する。これにより、指定された1組の曲データは、ハードディスクHDから読み出されて、RAM24に転送記憶される。
【0025】
また、演奏者が所望とする楽曲に関する曲データがハードディスクHDに記憶されていない場合には、他の曲データを記憶したコンパクトディスクCD、フレキシブルディスクFDから所望の楽曲に関する曲データをRAM24に読み込んだり、通信ネットワーク43を介して外部から所望の楽曲に関する曲データをRAM24に読み込んだりしてもよい。
【0026】
次に、演奏者が演奏ガイドに関する各種モードを設定する場合について説明する。この場合、演奏者は、表示器13による表示指示に従って、パネル操作子群15の演奏ガイド設定用の操作子を操作する。CPU21は、ステップ102における「Yes」、ステップ104,106における「No」、ステップ108における「Yes」との判定のもとに、ステップ112にて演奏ガイドモードの設定処理を実行して、この電子楽器における演奏ガイドモードを設定する。
【0027】
この演奏ガイドモードは、「演奏ガイドなし」と、「演奏ガイドあり」とに大別される。また、「演奏ガイドあり」の場合には、さらに、A〜Eの5つのモードに分類される。Aモードは、メロディパートの押鍵されるべき鍵が所定タイミングまでに押されなければ、自動演奏は自動的に中断されるとともに、自動演奏の中断時には、伴奏パート(和音パートおよびリズムパート)の全ての楽音の発生を停止するとともに、他の楽音信号も発生させないモードである。Bモードは、前記自動演奏の中断時に、リズムパートの楽音(リズムパート)の発生を停止して、所定の短い区間の和音パートの楽音を発生するモードである。Cモードは、前記自動演奏の中断時に、和音パートの楽音の発生を停止して、所定の短い区間の和音パートの楽音を発生するモードである。Dモードは、前記自動演奏の中断時に、和音パートおよびリズムパートの楽音の発生を停止して、特殊パターンに関する演奏データに基づく楽音を発生するモードである。Eモードは、演奏ガイドはなされるが、メロディパートの押鍵されるべき鍵が所定タイミングまでに押されなくても、自動演奏は停止することなく自動的に進行するモードである。
【0028】
まず、演奏者が「演奏ガイドなし」を選択して、自動演奏を開始させるとともに、鍵盤11にてメロディの演奏練習を行う場合について説明する。この場合、演奏者は、パネル操作子群15の開始操作子を操作する。この開始操作子の操作により、CPU21は、ステップ102,104にて共に「Yes」と判定して、ステップ114にて自動演奏を開始させる。この自動演奏の開始により、CPU21は、前述のようにRAM24に転送記憶した曲データを楽曲の進行に従って読み出し始める。
【0029】
次に、ステップ118にて「No」すなわち「演奏ガイドなし」と判定して、ステップ134の演奏処理ルーチンを実行する。演奏処理ルーチンは図4に詳細に示されており、その実行が図4のステップ200にて開始され、ステップ202,204にて鍵盤11における押離鍵が検出される。演奏者が、鍵盤11におけるいずれかの鍵を押鍵すれば、ステップ202にて「Yes」と判定して、ステップ206にて楽音信号の発生を制御する。この楽音信号の発生制御においては、鍵盤11にて押鍵された鍵を表すノート番号およびキーオン信号を音源回路35に供給する。音源回路35は、この供給されたノート番号に対応した音高周波数の楽音信号を形成し始める。この場合の音色は、予めパネル操作子群15の操作によって設定された音色または前記読み出し中の自動演奏データ中のメロディパートの演奏データによって指定される音色である。
【0030】
一方、演奏者が、鍵盤11にて押鍵中のいずれかの鍵を離鍵すれば、ステップ202にて「No」、ステップ204にて「Yes」と判定して、ステップ208にて、キーオフ信号を音源回路35に供給することにより、前記離鍵された鍵に対応して形成中の楽音信号を減衰させ、その後に同楽音信号の発生を停止させる。このように音源回路35にて形成された楽音信号は、サウンドシステム36に供給される。サウンドシステム36は、前記供給された楽音信号に対応した楽音をスピーカ14,14から発生する。したがって、演奏者が鍵盤11にてメロディパートを演奏すると、同演奏に従ったメロディパートに関する楽音がスピーカ14,14から発生される。
【0031】
このようなステップ202〜208の処理後、CPU21は、ステップ210にて「Yes」すなわち「自動演奏中である」と判定して、ステップ212以降の処理を実行する。いま、この電子楽器は「演奏ガイドなし」に設定されているので、ステップ212にて「Yes」と判定し、ステップ214の処理を実行する。ステップ214においては、CPU21は、RAM24内に記憶されている曲データ中の演奏データを楽曲の進行に従って読み出し、演奏イベントデータの発音タイミングをチェックする。そして、和音パートおよびリズムパートに属していて発音すべきタイミングにある演奏イベントデータが存在しなければ、ステップ216にて「No」すなわち「該当データなし」と判定して、ステップ248にてこの演奏処理ルーチンの実行を終了する。
【0032】
一方、発音すべきタイミングにある演奏イベントデータが存在すれば、ステップ216にて「Yes」すなわち該当データありと判定して、ステップ218にて同演奏イベントデータを音源回路35に供給する。音源回路35は、この供給された演奏イベントデータに従って楽音信号(和音信号およびリズム音信号)を形成してサウンドシステム36に供給する。したがって、曲データ中の演奏データに従った伴奏音(和音およびリズム音)が、スピーカ14,14から楽曲の進行に従って自動的に発生される。その結果、この「演奏ガイドなし」のモードによれば、伴奏音が曲データに従って自動的に演奏されるとともに、それに合わせて、演奏者は鍵盤11を用いた演奏を練習しまたは楽しむことができる。
【0033】
このような自動演奏中または自動演奏の終了後に、演奏者がパネル操作子群15の停止操作子を操作すれば、ステップ102における「Yes」、ステップ104における「No」、ステップ106における「Yes」との判定のもとに、CPU21は、ステップ116にて自動演奏を停止させる。したがって、RAM24に転送記憶されている曲データの演奏データの読み出しが終了する。そして、この状態では、図3のステップ122〜132の処理が実行されなくなるとともに、図4のステップ212以降の処理も実行されなくなる。
【0034】
次に、この電子楽器が「演奏ガイドあり」のEモードに設定されている場合について説明する。この場合、自動演奏中であるとともにウェイティング中でないことを条件に、図3のステップ118,120にて共に「Yes」、ステップ122にて「No」と判定して、ステップ124の処理を実行する。なお、ウェイティング中とは曲データの楽曲の進行に従った読出しを中断している状態を指すもので、詳しく後述する。ステップ124においては、CPU21は、RAM24内に記憶されている曲データ中の演奏データを楽曲の進行よりも所定タイミングだけ先行して読み出し、演奏イベントデータの発音タイミングをチェックする。具体的には、メロディパートに属していて発音タイミングが実際の発音タイミングよりも所定拍数(例えば、1拍)分だけ先行している演奏イベントデータがあるか、すなわち実際の発音タイミング(演奏タイミング)よりも先行して演奏ガイドすべき鍵を表すメロディパートに属する演奏イベントデータがあるかをチェックする。そして、メロディパートに属していて該当する発音タイミングにある演奏イベントデータが存在しなければ、ステップ126にて「No」すなわち「該当データなし」と判定して、ステップ134に進む。
【0035】
一方、該当する演奏イベントデータが存在すれば、ステップ126にて「Yes」と判定して、ステップ128にて該当する演奏イベントデータのノート番号によって指定される鍵に対応した押鍵指示ランプ12を点灯する。次に、ステップ130にて、「Yes」すなわちEモードであると判定して、ステップ134にて演奏処理ルーチンを実行する。
【0036】
このEモードにおいても、自動演奏中であれば、前述した「演奏ガイドなし」の場合と同様に、図4の演奏処理ルーチンのステップ202〜218の処理が実行されて、伴奏音の自動発音が制御される。しかし、このEモードにおいては、ステップ220にて「Yes」と判定され、ステップ222の判定処理が実行される。この判定においては、CPU21は、前記ステップ214の演奏イベントデータの発音タイミングのチェック結果を用いて、メロディパートに属していて発音すべきタイミング(演奏者が演奏すべきタイミング)にあるかを判定する。そして該当する奏イベントデータが存在しなければ、ステップ220にて「No」と判定して、ステップ248にてこの演奏処理ルーチンの実行を終了する。
【0037】
一方、該当する演奏イベントデータが存在する場合には、ステップ222にて「Yes」と判定して、ステップ224にて現在点灯中の押鍵指示ランプ12すなわち前記ステップ128の処理によって先行点灯させた押鍵指示ランプ12を消灯する。このように、このEモードにおいては、前述した「演奏ガイドなし」のモードに対して、押鍵指示ランプ12の先行点灯指示が付加される。ただし、この押鍵指示ランプ12の点灯は、本来演奏すべきタイミングに消灯する。
【0038】
次に、この電子楽器が「演奏ガイドあり」のA〜Dモードに設定されている場合について説明する。これらのA〜Dモードにおいては、ステップ130にて「No」と判定されて、ステップ132の処理が実行される点が前述したEモードとは異なる。ステップ132においては、CPU21は、前記押鍵指示ランプ12の点灯により押鍵の指示された鍵が所定タイミングまでに押されたことを判定するための時間計測を開始する。この時間計測は、タイマ22による制御のもとに図示しないプログラムを所定時間ごとに繰り返し実行させて、タイマ22による絶対時間と、曲データ中のテンポとを用いて、前記押鍵指示ランプ12の点灯から音楽進行上の経過時間(すなわち経過拍数)を計測するものである。なお、このステップ132の処理後、ステップ134にて演奏処理ルーチンを実行する。
【0039】
図4の演奏処理ルーチンにおいては、ステップ212にて「No」すなわち「演奏ガイドなし」またはEモードでないと判定して、ステップ226以降の処理を実行するようになる。いま、押鍵指示ランプ12が全く点灯していなければ、ステップ226にて「No」と判定して前述したステップ214以降の処理を実行する。一方、押鍵指示ランプ12が点灯していれば、ステップ226にて「Yes」と判定して、ステップ228にて点灯中の押鍵指示ランプ12に対応した鍵が押鍵操作されたか否かを判定する。前記該当する鍵が押鍵操作されていなければ、ステップ228にて「No」と判定して、ステップ230の判定処理を実行する。
【0040】
このステップ230の判定処理は、前述した図3のステップ132の処理による時間計測の開始から所定時間(1拍、2拍のような演奏テンポに応じた音楽進行上の所定時間)が経過したかを判定するものである。この場合、前記ステップ128の処理によって押鍵指示ランプ12が本来演奏操作されるべきタイミングよりも先行して点灯された時間に前記所定時間を設定することにより、前記ステップ228の処理との協働により、演奏操作されるべき鍵(点灯中の押鍵指示ランプ12に対応した鍵)が、本来演奏操作されるべき演奏タイミング(該当するメロディ音の発音タイミングに相当)までに押鍵操作されたかが判定されることになる。この場合、演奏者による若干遅れた演奏操作を考慮すると、前記所定時間を前記押鍵指示ランプ12の点灯を先行させた時間よりも若干長い時間に設定しておくこともできる。いま、計測時間が所定時間に達していなければ、ステップ230にて「No」と判定して、ステップ248にて演奏処理ルーチンを一旦終了する。
【0041】
そして、演奏処理ルーチンが繰り返し実行され、点灯指示されている鍵が前記所定タイミングよりも前に押鍵操作されれば、ステップ228にて「Yes」と判定し、ステップ232にて点灯中の押鍵指示ランプ12を消灯する。このステップ232の処理後、ステップ234にて曲データの読出しのウェイティング中か否かを判定し、ウェイティング中でなければ、同ステップ234にて「No」と判定してステップ214に進んで、前述したステップ214〜218の処理を実行する。その結果、この場合には、この電子楽器がA〜Dモードに設定されていても、前述したEモードと同様に、メロディパートに属していて押鍵されるべき鍵が先行して点灯指示されるとともに、伴奏音(和音およびリズム音)が楽曲の進行に従って自動演奏される。
【0042】
一方、点灯指示されている鍵が前記所定タイミングになっても押鍵操作されなければ、ステップ230にて「Yes」と判定して、ステップ236にて、前記ステップ122、234の判定処理と同様にウェイティング中かを判定する。ウェイティング中に設定されていなければ、ステップ236にて「Yes」と判定して、ステップ238にて、この電子楽器を楽曲の進行に従った曲データの読出しを中断する中断状態に設定する。この中断状態が、前述および後述するウェイティング中である。なお、このステップ238の処理においては、前記中断状態を解除して曲データの読出しの再開のために、曲データ中の中断位置を記憶しておく。次に、ステップ240にて、発生中の楽音信号に対するキーオフ信号を音源回路35に送る。これにより、音源回路35は、現在発生中の全ての伴奏音信号(和音信号およびリズム音信号)の発生を停止させる。これにより、演奏者によるメロディパートの演奏が楽曲の進行に対して遅れると、楽曲の進行に従った曲データの読み出しが中断されるとともに、発生中であった楽音信号の発生が一旦停止する。
【0043】
このウェイティング状態では、前述した図3のステップ122にて「Yes」と判定され、ステップ124〜128の処理が実行されなくなる。その結果、このウェイティング状態では、押鍵指示ランプ12の先行点灯制御が実行されなくなる。また、前記図4のステップ240の処理後、CPU21はステップ242にてモード別処理ルーチンを実行して、ステップ248にてこの演奏処理ルーチンの実行を一旦終了する。そして、ふたたび図3のステップ134にて演奏処理ルーチンが実行されると、点灯中の押鍵指示ランプ12に対応する鍵が演奏者によって演奏操作されない限り、前述のようにステップ226にて「Yes」、ステップ228にて「No」、ステップ230にて「Yes」と判定されて、ステップ236以降の処理が繰り返し実行される。しかし、このステップ236以降の2回目以降の処理においては、ステップ236にて「Yes」すなわちウェイティング中であると判定されて、ステップ238,240の処理が実行されることはなく、ステップ242のモード別処理ルーチンが繰り返し実行されるようになる。
【0044】
このモード別処理ルーチンは図5に詳細に示されており、その実行がステップ300にて開始され、CPU21は、ステップ302〜306にて、現在、この電子楽器が図3のステップ112のモード設定処理によってA〜Dモードのいずれのモードに設定されているかを判定する。Aモードに設定されていれば、ステップ302にて「Yes」と判定して、ステップ318にてこのモード別処理ルーチンの実行が終了される。したがって、このAモードでは、前述した図4のステップ240のキーオフ処理により伴奏音の発生は停止されたままであり、電子楽器からは鍵盤11の演奏操作による以外の楽音が発生されることはない。
【0045】
また、この電子楽器がBモードに設定されていれば、ステップ302にて「No」、ステップ304にて「Yes」と判定して、ステップ308以降の処理を実行する。ステップ308においては、曲データの和音パート中、前記図4のステップ238の処理により中断した音符タイミングを含む短い所定区間(例えば、1,2小節程度の区間)を指定し、この所定区間に含まれる演奏データを時間経過(楽曲のテンポ)に従って読み出して、演奏イベントデータの発音タイミングをチェックする。そして、前記所定区間の和音パートに属していて発音すべきタイミングにある演奏イベントデータが存在しなければ、ステップ314にて「No」すなわち該当データなしと判定して、ステップ318にてこのモード別処理ルーチンの実行を終了する。ただし、この場合の発音すべきタイミングは、曲データ全体に対するものではなく、前記設定した所定区間に対応するものである。
【0046】
一方、発音すべきタイミングにある演奏イベントデータが存在すれば、ステップ314にて「Yes」すなわち該当データありと判定して、ステップ316にて同演奏イベントデータを音源回路35に供給する。音源回路35は、この供給された演奏イベントデータに従って和音信号を形成してサウンドシステム36に供給する。したがって、前記所定区間の和音パート中の演奏データに従った和音が、スピーカ14,14から時間経過に従って自動的に発生される。これにより、Bモード中のウェイティング状態時には、前記所定区間の和音パートに従った和音が繰返し発生される。この場合、前記ステップ316においては、発生される楽音の音量レベルが、前述した伴奏音および鍵盤11による演奏音の音量レベルと等しくてもよいが、望ましくは前述した伴奏音および鍵盤11による演奏音の音量レベルよりも小さくなるように音源回路35を制御するとよい。ただし、この減少された音量レベルは、演奏者が聴感上聴き取れる程度の音量レベル以上である。
【0047】
また、この電子楽器がCモードに設定されていれば、ステップ302、304にて「No」、ステップ306にて「Yes」と判定して、ステップ310以降の処理を実行する。ステップ310においては、曲データのリズムパート中、前記図4のステップ238の処理により中断した音符タイミングを含む短い所定区間(例えば、1,2小節程度の区間)を指定し、この所定区間に含まれる演奏データを時間経過(楽曲のテンポ)に従って読み出して、演奏イベントデータの発音タイミングをチェックする。そして、前述したステップ314,316の処理により、Cモード中のウェイティング状態時には、前記所定区間のリズムパートに従ったリズム音が繰返し発生される。
【0048】
このような所定区間の和音パートまたはリズムパートの自動演奏は、前述した図4のステップ240によるキーオフ処理の直後に開始される。したがって、メロディパートの演奏操作の中断時に発生を停止した伴奏音(和音およびリズム音)のうちで、ステップ308,310,314,316の処理により発生される和音およびリズム音のうちの一方の楽音は前記停止した伴奏音に連続したものとなる。
【0049】
また、この電子楽器がDモードに設定されていれば、ステップ302〜306にて「No」と判定して、ステップ312以降の処理を実行する。ステップ312においては、曲データに付随した特殊パターンに含まれる演奏データが最初から時間経過(楽曲のテンポ)に従って読み出され、演奏イベントデータの発音タイミングをチェックする。なお、前記図4のステップ238の処理により中断した音符タイミングの拍に対応した拍から特殊パターンを読み出すようにしてもよい。そして、前述したステップ314,316の処理により、Dモード中のウェイティング状態時には、特殊パターンに従った楽音信号が繰返し発生される。具体的には、和音、リズム音などの単純な伴奏パターン、または拍ごとに一つもしくは複数の楽音信号(リズム音、メトロノーム音を含む)がメトロノームのように発生される。
【0050】
このようなA〜Dモードにおけるウェイティング中、点灯中の押鍵指示ランプ12に対応した鍵が操作されると、前述した図4のステップ226,228,232の処理後、ステップ234にて「Yes」すなわちウェイティング中であると判定して、ステップ244,246の処理を実行する。ステップ244においては、前述した図5のステップ308〜316からなるモード別処理ルーチンにおける演奏データの読出しを停止して、中断していた曲データの楽曲の進行に従った読出しを再開、すなわちウェイティング状態を解除する。この曲データの読出し再開においては、前記ステップ238の処理によって中断した位置、具体的には押鍵操作されるべき鍵に対応した音符タイミングから伴奏音の発生が開始されるように読出しタイミングが設定される。
【0051】
ステップ246においては、前述した図5のモード別処理ルーチンのステップ308〜316の処理による発生中の楽音信号に対してキーオフ処理がなされる。すなわち、モード別処理ルーチンのステップ308〜316の処理によって発生の制御された楽音信号に対して音源回路35にキーオフ信号が出力される。これにより、モード別処理ルーチンの実行によって発生された全ての楽音信号が減衰後、それらの発生が停止する。
【0052】
前記ステップ246の処理後、前述したステップ214以降の処理が実行され、伴奏音が楽曲の進行に従って自動的に発生されるようになる。また、図3のステップ122においても「No」すなわち「ウェイティング状態にない」と判定されて、ステップ124〜128の処理により、次に押鍵操作されるべき鍵が押鍵指示ランプ12の点灯により指示されるようになる。そして、押鍵の指示された鍵が操作されれば、図4のステップ202〜208の処理により、同操作に対応した楽音信号の発生が制御されるようになる。
【0053】
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、この電子楽器が「演奏ガイドあり」のB〜Dモードのいずれかのモードに設定されている状態で、メロディパートの鍵盤12による鍵演奏操作が遅れたウェイティング時には、ウェイティング前の楽曲の進行に従った伴奏音の発生が停止される。したがって、全ての自動伴奏音が鳴り続けることが防止されて、演奏者にとって耳障りにならなくできる。また、和音パート、リズムパートおよび特殊パートのいずれかの演奏音が引き続き発生されるので、楽音の発生が急に停止してしまうことを防止できて、演奏者はこの楽音信号の急激な音量変化に驚きを覚えることがなくなるとともに、また電子楽器に異常が発生したと勘違いすることもなくなる。また、この場合、発生される楽音の音量レベルを前記楽曲の進行に従った自動伴奏音の発生音量レベルよりも下げることにより、前記耳障りになる伴奏音の連続的な発生をより良好に防止できる。
【0054】
さらに、前記ウェイティング時に発生される楽音信号(和音パート、リズムパートおよび特殊パートの楽音信号)は演奏者によって選択可能であるばかりか、これらの楽音信号の発生を行わないことも選択可能であるので、この電子楽器の利用において、演奏者による選択の自由度が増す。また、前記和音パート、リズムパートおよび特殊パートに係る楽音信号は、時間経過に従った所定パターンで発生されるので、演奏者は中断された演奏操作の再開のタイミングを把握し易くなる。また、上記実施形態においては、メロディパートに属する音高に対応していて演奏者が演奏すべき鍵は、押鍵指示ランプ12の点灯により演奏者に指示されるので、演奏者は次に操作すべき鍵を視覚的に明確に認識でき、初心者の電子楽器の演奏練習に便利になる。
【0055】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態及びその変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0056】
例えば、上記実施形態においては、演奏操作されるべき鍵すなわち押鍵指示ランプ12によって点灯指示されている鍵が所定のタイミングまでに操作されないとき、伴奏データ(和音パートおよびリズムパートの演奏データ)の楽曲に従った読出しを中断するようにした。しかし、これに限らず、演奏操作されるべき鍵とは無関係に鍵盤11におけるいずれかの鍵が所定のタイミングまでに操作されないときにのみ、伴奏データの読出しを中断するようにしてもよい。また、演奏操作されるべき鍵を含むそれと近傍の鍵(例えば、1つまたは2つ目の隣接鍵)のうちのいずれかの鍵が所定のタイミングまでに操作されないときにのみ、伴奏データの読出しを中断するようにしてもよい。これにより、初心者が正確な鍵を押鍵操作することが難しい場合でも、音楽進行に従ったリズム感を養うことができるようになる。
【0057】
また、上記実施形態のメロディパートの演奏練習においては、演奏操作された鍵に対応した音高の楽音信号を発生するようにした。しかし、この演奏操作された鍵に対応した音高に代えて、本来演奏操作されるべき鍵すなわち押鍵指示ランプ12によって押鍵の指示されている鍵に対応した音高の楽音信号が、前記鍵演奏のタイミングで発生されるようにしてもよい。この場合、楽曲の進行に従って自動的に読み出されているメロディパートの演奏データを用いて、同演奏データによって指定される音高の楽音信号を発生させるようにすればよい。これによれば、前記のような正確な鍵を押鍵操作することが難しい初心者でも、前記リズムタイミングに従った演奏練習を気持ちよく行うことができる。
【0058】
また、上記実勢形態においては、和音パート(左手パート)の自動演奏音を聴きながらメロディパート(メロディパート)の演奏練習を行うようにしたが、逆に、メロディパートの自動演奏音を聴きながら和音パートの演奏練習を行うようにしてもよい。また、これらの各パートの演奏練習を選択できるようにしてもよい。さらにメロディパートを第1メロディパート、第2メロディパートと細分化して、いずれかを選択的にまたは固定的に演奏練習させるようにし、その他のパートを自動演奏させるようにしてもよい。これによれば、演奏者は種々のパートを演奏練習できるようになる。さらに、上記実施形態においては、伴奏パートとしては和音パートおよびリズムパートのみを例示したが、ベースパートなどの他の伴奏パートを採用することもできる。
【0059】
また、上記実施形態では、特殊パターンの演奏データをハードディスクHDなどに曲データに付随させて記憶しておくようにしたが,この特殊パターンの演奏データに関しては、簡単かつ短いパターンの演奏データであるので、ROM23に予め記憶しておくようにしてもよい。ただし、この場合でも、拍子の異なる複数種類の特殊パターンを用意しておき、ウェイティング時に再生中の曲データと同じ拍子の特殊パターンを用いて楽音信号の発生を制御するとよい。
【0060】
また、上記実施形態のBおよびCモード状態のウェイティング時に発生される和音またはリズム音に関しては、所定区間の和音パターンまたはリズムパターンに属する全ての演奏イベントデータに対応した楽音信号を発生させるようにした。しかし、これに代えて、特定の拍または特定の楽器音に関する演奏イベントデータに対応した楽音信号のみを発生させるようにしてもよい。これによれば、ウェイティング時の伴奏音の発生をさらに抑えることができる。
【0061】
さらに、上記実施形態においては、鍵盤11を演奏操作子とする電子楽器について説明したが、本発明はタッチプレート、押しボタン、弦などを演奏操作子として有する種々の楽器にも適用できる。この場合も、演奏操作されるべきタッチプレート、押しボタン、弦などを演奏者に視覚的または聴覚的に指示するようにするとよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子楽器の上面外観図である。
【図2】図1の電子楽器の電気回路構成を示すブロック図である。
【図3】図1のCPUにより実行されるメインプログラムのフローチャートである。
【図4】図3の演奏処理ルーチンの詳細フローチャートである。
【図5】図4のモード別処理ルーチンの詳細フローチャートである。
【図6】曲データおよび特殊パターンの演奏データのフォーマット図である。
【符号の説明】
11…鍵盤、12…押鍵指示ランプ、13…表示器、14…スピーカ、15…パネル操作子群、21…CPU,23…ROM,24…RAM、25…記憶装置、35…音源回路。

Claims (3)

  1. 演奏者によって演奏操作される演奏操作子と、
    1つの楽曲ごとに複数パート分の演奏データをそれぞれ記憶した記憶手段と、
    前記記憶手段から1つの楽曲に関する複数パート分の演奏データを楽曲の進行に従って読み出す読出し手段と、
    前記演奏操作子の演奏操作に応じた楽音信号を発生するとともに、前記読み出した複数パート分の演奏データの中で、演奏者によって演奏されるべき少なくとも一つの演奏用のパート以外の他のパートの演奏データに応じた楽音信号を発生する楽音信号発生手段と、
    前記演奏用のパートの演奏データを用い、前記演奏操作子が前記演奏用のパートの演奏のために所定のタイミングまでに演奏操作されなかったことを判定する判定手段と、
    前記演奏操作子が前記演奏用のパートの演奏のために所定のタイミングまでに演奏操作されなかったことが前記判定手段により判定されたとき、前記読出し手段による演奏データの楽曲の進行に従った読出しを中断する中断手段と、
    前記中断手段によって演奏データの楽曲の進行に従った読出しが中断されたとき、前記楽音信号発生手段にて前記他のパートの演奏データに対応して発生される楽音信号のうちの一部または全部の楽音信号の発生を実質的に停止させるとともに、前記他のパートの演奏データに対応して発生される楽音信号のうちの前記一部の楽音信号以外の楽音信号または前記他のパートの演奏データとは独立した楽音信号を発生させる楽音発生態様制御手段とを備えたことを特徴とする電子楽器。
  2. 前記請求項1に記載した電子楽器において、
    前記中断手段によって演奏データの楽曲の進行に従った読出しが中断されたときに前記楽音発生態様制御手段によって発生される楽音信号は、時間軸上の所定のパターンに従って発生される楽音信号である電子楽器。
  3. 前記請求項1または請求項2に記載した電子楽器において、さらに、
    前記少なくとも一つの演奏用のパートの演奏データに基づいて、演奏者によって次に演奏操作されるべき演奏操作子を指示する演奏操作子指示手段を備えたことを特徴とする電子楽器。
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