JP2012145932A - 電子楽器 - Google Patents

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Abstract

【課題】指示されたとおりに弾くだけでなく軽快に速く弾いたり感情をこめてゆっくり弾いたりする要求に応えられる演奏ガイドとする。
【解決手段】演奏ガイドを「ウェイティングモード」の「テンポ追従設定あり」に設定すると、自動演奏データのメロディパートの各ノートオンタイミングより発音開始許容期間Taだけ前にガイドランプが点灯しガイドが開始されるようになる。Taはテンポ追従設定なしの場合と比べて十分に期間の長い許容時間とする。発音開始許容期間Ta内にユーザーが正解押鍵するとメロディ音が発音開始されて自動演奏データの再生位置が先に進むが、このTaは十分長い期間であることから、自動演奏データのノートオンタイミングにとらわれない自由な演奏が可能になる。
【選択図】図2

Description

この発明は、演奏データを用いて演奏すべき演奏操作子を指示することによって演奏をガイドする電子楽器に関する。
ある曲を楽器で弾きたいと思っても、初心者にとっては、いつ、どの音を、どのくらいの長さで弾けばいいのかがわからないことから、弾きたいソングの演奏データを再生し、弾くべきタイミングがきたら、どの音を弾くかをディスプレイ上やガイドランプなどで提示してくれるレッスン用の演奏ガイドを有する電子楽器が従来から知られている。この電子楽器の演奏ガイドでは、練習したい曲を再生してユーザーが弾くべきタイミングに到達した際に、弾くべき音に対応する鍵をユーザーに指示するようにしているので、どの音をいつ演奏すればよいかを学習できるようになる。また、指示された鍵が所定のタイミングで演奏操作されなかったときに、指示された鍵が演奏されるまで待つウェイティング状態となる演奏ガイドも従来から知られている。このウェイティング状態では、ソングの進行に従った演奏データの読出しを中断して指示された鍵をユーザーが押すまで待つようにし、指示された鍵がユーザーにより押された時に、当該押鍵に対応する音を発音すると共に、続きの演奏データの読み出しを開始してソングの再生を再開するようにしている。
従来の演奏ガイドの動作を鍵盤楽器を例に挙げて図8を参照して説明する。
図8の一番上の段には、ユーザーが演奏しようとするソングの自動演奏データを音符を時系列的に並べて表しており、この各音符の音符長がその下の段に細長い長方形で示されている。また、その下の段には上記の各音符に対応する鍵盤をユーザーが押鍵してから離鍵するまでの押鍵期間が細長い長方形で示されている。ただし、各音符のノートナンバは図示されていない。このような図8において、t1,t2,t3,t4,t5,・・・の時刻は各拍の開始時刻であり、各拍の開始時刻間の長さが1拍に相当している。自動演奏データを表す最初の四分音符n1の発音タイミングは時刻t1とされており、次の四分音符n2の発音タイミングは時刻t2とされており、さらに次の2分音符n3の発音タイミングは時刻t3とされている。
演奏ガイドはオン/オフすることができ、演奏をする際に演奏ガイドがオンされると、自動演奏データが順次読み出され、まず四分音符n1の発音タイミングの時刻t1の所定期間Tだけ前の時刻t01において当該四分音符n1の音高に対応する鍵を指示するガイドランプが点灯される。時刻t01でガイドランプが点灯されたものの、ユーザーは発音タイミングt1までにガイドランプで指示された鍵を押鍵しなかったとする。これにより、ウェイティング状態となって演奏データの読出しを中断して指示された鍵をユーザーが押すまで待つようになる。ここで、ガイドランプで指示された鍵をユーザーが時刻t1より遅れた時刻t1’で押鍵したとする。これにより、ガイドランプが消灯され時刻t1’から押鍵された鍵の音高で発音開始されて、離鍵されるまでの期間発音されると共に、ウェイティング状態が解除されて次の演奏データが読み出され、次の四分音符n2に対するガイドの準備が行われるようになる。なお、時刻t01から時刻t1までは所定期間Tとされ、所定期間Tは、例えば32分音符長に相当する短い期間が設定されている。また、ガイドランプにより指示された鍵とは異なる鍵が押鍵された場合はミスタッチと判定されるため、時刻t1までに正解押鍵がなかったとみなされてウェイティング状態となり、指示された鍵が押鍵される正解押鍵まで待つようになる。
上記したように、ガイドランプで指示された四分音符n1の音高に対応する鍵が押鍵された場合は、次の自動演奏データが読み出され、四分音符n1の押鍵t1’の1拍後であるt20が四分音符n2の発音タイミングとされるため、時刻t20の所定期間Tだけ前の時刻において当該四分音符n2の音高に対応する鍵を指示するガイドランプが点灯されて、四分音符n2の演奏ガイドが行われる。このように、四分音符n2、二分音符n3の演奏データについても同様に、それぞれの発音タイミングの時刻の所定期間Tだけ前の時刻において、それぞれの音符n2,n3の音高に対応する鍵を指示するガイドランプが点灯されて、各音符に対する演奏ガイドが行われる。このような演奏ガイドが行われたものの、図8に示す場合はユーザーが各音符n2,n3のそれぞれの発音タイミングまでにガイドランプで指示された鍵を押鍵していない。これにより、各音符n2,n3のそれぞれの発音タイミングにおいてウェイティング状態となる。そして、ユーザーは発音タイミングt20より遅れた時刻t2’において四分音符n2に対応する鍵を押鍵し、ウェイティング状態が解除される。また、ユーザーは発音タイミングt30より遅れた時刻t3’において二分音符n3に対応する鍵を押鍵し、ウェイティング状態が解除される。正解押鍵されてウェイティング状態が解除される際には、演奏ガイドされている音符の音高、すなわち押鍵された鍵の音高で発音開始されて、離鍵されるまでの期間発音されると共に、次の演奏データが読み出されて、次の音符に対するガイドの準備が行われるようになる。
上記したガイド機能では、練習したい曲を再生してユーザーが押鍵すべきタイミングに到達する直前に、押鍵すべき鍵がユーザーにガイド指示される。そして、ガイド指示された鍵を本来の発音タイミングまでにユーザーが押鍵しないとウェイティング状態となり、ユーザーがガイド指示された鍵を押鍵すると続きの再生が再開されるようになる。また、各音の発音期間はユーザーが鍵を押鍵してから離鍵するまでの期間とされる。このガイド機能では、押鍵タイミングと押鍵すべきノートが示されるのみで離鍵タイミングは示されない。このため、ユーザーの離鍵が早すぎるとその音の発音期間が短くなって演奏が途切れ途切れになってしまうようになる。
そこで、これを解決するために、離鍵すべきタイミングも学習できるようにした演奏ガイドも従来知られている。この従来の演奏ガイドでは、ユーザーの離鍵タイミングに関わらず、曲データに記録された音符長が経過するまでは発音し、経過した時点で自動的に発音停止するようにしている。これにより、ユーザーが正しいタイミングで離鍵できなくてもうまく聞こえ、また練習を繰り返すうちにどこで離鍵するかを習得できるようになる。
このような従来の演奏ガイドの動作を図9を参照して説明する。ここでも、鍵盤楽器を例に挙げて説明する。
図9の一番上の段には、ユーザーが演奏しようとするソングの自動演奏データを音符を時系列的に並べて表しており、この各音符の音符長がその下の段に細長い長方形で示されている。また、その下の段にはユーザーが鍵を押鍵した際の各音の押鍵から離鍵までの期間が細長い長方形で示されている。このような図9において、t1,t2,t3,t4,・・・の時刻は各拍の開始時刻であり、各拍の開始時刻間の長さが1拍に相当している。自動演奏データを表す最初の四分音符n10の発音タイミングは時刻t1とされており、次の四分音符n11の発音タイミングは時刻t2とされており、次の四分音符n12の発音タイミングは時刻t3とされており、さらに次の四分音符n13の発音タイミングは時刻t4とされている。四分音符n10の音符長はta1、四分音符n11の音符長はta2、四分音符n12の音符長はta3、四分音符n13の音符長はta4とされているが、音符n10ないし音符n13は同じ四分音符なので音符長ta1ないし音符長ta4は同じ長さとなる。
演奏をする際に演奏ガイドがオンされると、自動演奏データが順次読み出され、図示されていないが四分音符n10の発音タイミングの時刻t1の所定期間だけ前において当該四分音符n10の音高に対応する鍵を指示するガイドランプが点灯される。ユーザーは点灯されたガイドランプを見て、ガイドランプで指示された鍵を時刻t1で押鍵し期間tb1の間押鍵し続けたとする。この場合、期間tb1は四分音符n10の音符長ta1より短いが、実際に発音される音の長さは音符長ta1まで伸ばされる。また、ガイドランプで指示された四分音符n10の音高に対応する鍵が押鍵された場合は、次の自動演奏データが読み出され四分音符n11の発音タイミングの時刻t2の所定期間だけ前において当該四分音符n11の音高に対応する鍵を指示するガイドランプが点灯され、ユーザーは同様にしてガイドランプで指示された鍵を時刻t2で押鍵し期間tb2の間押鍵し続けたとする。この場合、期間tb2は四分音符n11の音符長ta2より短いが、実際に発音される音の長さは音符長ta2まで伸ばされる。さらに、ガイドランプで指示された四分音符n11の音高に対応する鍵が演奏操作された場合は、次の自動演奏データが読み出され四分音符n12の発音タイミングの時刻t3の所定期間だけ前において当該四分音符n12の音高に対応する鍵を指示するガイドランプが点灯され、ユーザーは同様にしてガイドランプで指示された鍵を時刻t3で押鍵し期間tb3の間押鍵し続けたとする。この場合、期間tb3は四分音符n12の音符長ta3より長いが、実際に発音される音の長さは音符長ta3まで縮められる。
これにより、ユーザーの離鍵タイミングに関わらず、曲データに記録された音符長が経過するまでは発音されるようになる。
特許第2707853号公報 特開2004−101979号公報
ヤマハ株式会社 ポータトーンEZJ-210取扱説明書,P.32,[online], [平成22年12月 8日検索],インターネット<http://www2.yamaha.co.jp/manual/pdf/emi/japan/port/ezj210_ja_om_a0.pdf>
従来の図8に示す演奏ガイドでは、演奏ガイドされている音符の発音タイミングの時刻を超えても指示された鍵をユーザーが押鍵しない場合はウェイティング状態となり、指示された鍵をユーザーが押鍵するまで待つようになる。そして、演奏ガイドにより指示された演奏すべき鍵が押鍵された場合は、当該鍵に対応する音が発音開始される。このような演奏ガイドでは、練習したい曲を再生してユーザーが弾くべきタイミングの所定期間Tだけ前に到達すると、弾くべき音がユーザーにガイド指示され、ガイド指示された鍵をユーザーが押鍵するようになる。この場合、所定期間Tは、例えば32分音符長と短い期間に設定されている。このように、所定期間Tが短く設定されているため、指示されたタイミングで押鍵するだけで的確な演奏ができるが、次に押鍵すべき音が指示されるまでは待っていなければならない。そのため、次に押鍵すべき音をすでに理解しているユーザーが、図8の最下段に示すように指示されるべき鍵を所定期間Tより前に押鍵した場合は、ミスタッチとみなされてしまう。このため、ユーザーが楽譜どおりに弾いているつもりでも、演奏ガイドで許容される以上に早く弾いてしまうと発音されないことになる。
また、図9に示すようにユーザーがガイドランプで指示された四分音符n12に対応する鍵を時刻t3で押鍵して1拍を超える期間tb3の間押鍵し続けた場合は、期間tb3の終了時刻が次の四分音符n13の発音タイミングの時刻t4を越えるようになる。四分音符n13のガイドはt4よりも所定期間Tだけ前において開始されるが、ユーザーはtb3が終了したあとでn13を押鍵することになる。n12の発音は音符長ta3で自動的に消音され、時刻t4で演奏はウェイティングされており、t4より時間Dtだけ遅れた時刻t4’でユーザーがn13を押鍵するとそこから演奏が再開される。ユーザーがガイドランプで指示された鍵を時刻t4’で押鍵し期間tb4の間押鍵し続けた場合、期間tb4は四分音符n13の音符長ta4より短いが、実際に発音される音の長さは音符長ta4まで伸ばされる。なお、拍の開始時刻t4’が遅れても1拍の長さであるテンポは一定とされることから、時刻t4’以降の拍の開始時刻t4’,t5’,t6’・・・の時刻間の長さは変化しない。
このように、従来の図9に示す演奏ガイドでは、ユーザーが離鍵するタイミングに関わらずテンポが一定であることから、ユーザーが軽快に弾きたいとの意思をこめて早く離鍵しても次の拍のガイドが早く開始されることはないので、長い間待たねばならない。また、ユーザーがゆったりと弾きたいとの意思をこめて遅く離鍵しても次の拍のガイドが遅れて始まることはないので、ユーザーの離鍵の前に次の拍のガイドが始まってしまう。このため、ユーザーにとって演奏ガイドが使いにくいと感じてしまう。
このように、従来のガイド機能を有する電子楽器では、指示されたとおりに弾くだけでなく軽快に速く弾いたり感情をこめてゆっくり弾いたりする要求に応えられないという問題点があった。
そこで、本発明は軽快に速く弾いたり感情をこめてゆっくり弾いたりする要求に応えられる演奏ガイドを有する電子楽器を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の電子楽器は、ソングの再生に応じて、該ソングを演奏するのに操作すべき演奏操作子を指示する指示手段と、前記ソングの再生テンポを、ユーザーが前記演奏操作子を操作したタイミングに基づいて制御するテンポ制御手段と、前記指示手段がユーザーに指示を出すタイミングを制御する指示タイミング制御手段とを備えることを最も主要な特徴としている。
本発明によれば、発音タイミングより前の一定期間を発音開始許容期間として設定することとテンポ追従機能を組み合わせることで、発音タイミングよりも早くユーザーが押鍵しても正解押鍵とみなされ、ユーザーの演奏操作タイミングに追従したテンポに変更できるようになる。
つまり、ユーザーの押鍵が発音タイミングより早くても遅くても正解押鍵とみなされて、その正解押鍵に基づいてテンポが調整される。このため、指示されたとおりに弾くだけでなく軽快に速く弾いたり感情をこめてゆっくり弾いたりする要求に応えられるようになる。
また、本発明においては、テンポ追従手段のオン/オフに応じて発音開始許容期間の長さを変えることで、より効果的な演奏練習を実現できる。テンポ追従がオフの時には発音許容期間の長さを短く設定すれば、一定のテンポで弾くべきタイミングが正確にガイドされる状態となるため、習熟度が低いユーザーが弾くタイミングを習得したいときの要求にも同時に応えられる。テンポ追従がオンの時には発音許容期間の長さを長く設定すれば、その長さが長いほどユーザーが早く押鍵することができるようになり、より自由な速さで演奏できるようになる。
本発明の実施例にかかる電子楽器の構成を示すブロック図である。 本発明の電子楽器における演奏ガイドの動作を示す図である。 本発明の電子楽器における演奏ガイドの他の動作を示す図である。 本発明の電子楽器における演奏データのデータ構造を示す図である。 本発明の電子楽器において実行されるメイン処理のフローチャートである。 本発明の電子楽器において実行されるメイン処理におけるウェイティング再生中の処理のフローチャートである。 本発明の電子楽器において実行される割込処理のフローチャートである。 従来の電子楽器における演奏ガイドの動作を示す図である。 従来の電子楽器における演奏ガイドの他の動作を示す図である。
本発明の実施例にかかる電子楽器の構成を示すブロック図を図1に示す。
図1に示す電子楽器1は演奏ガイドを行うことができる鍵盤楽器とされており、図示していないが各音名にそれぞれ対応した複数オクターブにわたる演奏操作子17としての複数の白鍵及び黒鍵からなる鍵盤が横方向に配列されている。また、複数の白鍵及び黒鍵の近傍あるいは内部に、演奏ガイドを行う際に各鍵に演奏指示を行うガイドランプ19が各鍵毎に配置されている。これらの演奏操作子17及びガイドランプ19の上方には操作パネルが設けられている。操作パネル上には、液晶ディスプレイで構成したパネル表示器22が配置され、その両側にサウンドシステム16におけるスピーカが配置され、パネル表示器22と各スピーカの間の位置に設定操作子21が配置されている。設定操作子21は、それらの操作により発生楽音の音色、音量などを指定したり、パネル表示器22の表示内容の指示などの電子楽器1の設定を行うことができる。また、設定操作子21においては、自動演奏させるソングの選択手段や、演奏ガイドにおけるモードを設定するための操作子、選択されたソングの再生開始スイッチが少なくとも設けられている。さらに、電子楽器1の演奏ガイドとはウェイティング再生のことであり、ウェイティングモードには「テンポ追従あり」あるいは「テンポ追従なし」のいずれかの設定が可能であると共に、演奏ガイドをオフにしてガイドランプの点灯やウェイティングを行なわない通常再生とすることもできる。
図1に示す電子楽器1において、CPU10は電子楽器1における各部の動作を制御する中央処理装置(Central Processing Unit)であり、動作時の経過時間を示したり、特定の間隔でタイマ割込を発生するタイマー13を備えている。ROM(Read Only Memory)11はCPU10が実行する演奏ガイドプログラム、楽音発生プログラム等のプログラムや、演奏データ等の各種データが格納されている不揮発性のメモリであり、RAM(Random Access Memory)12は演奏データや各種データ等の格納エリアや、CPU10のワークエリア等が設定されている揮発性のメモリである。また、音源14はCPU10が楽音発生プログラムを実行することにより生成した楽音制御データを受け取って音源レジスタに格納し、この楽音制御データに基づいて楽音を発生して、DSP(Digital Signal Processor)15へ出力している。DSP15は、CPU10から受け取ったエフェクトパラメータに基づきリバーブ、コーラス、バリエーション、ディストーション等のエフェクトを、音源14により発生された楽音信号に付与することができる。DSP15でエフェクトが付与された楽音信号は、サウンドシステム16に供給され、アナログ信号に変換されたアナログ楽音信号が増幅されてスピーカから放音される。演奏操作子インタフェース18は、複数の白鍵及び黒鍵からなる演奏操作子17をスキャンして押鍵や離鍵の演奏操作がされた演奏操作子17を検出し、検出された演奏操作子17のノートオン情報やノートオフ情報をバス24を介してCPU10に送っている。ガイドランプインタフェース20は、CPU10から特定の演奏操作子のガイドランプ19を点灯/消灯させる情報を受け取り、この情報に基づいて当該ガイドランプ19を点灯/消灯させる。記憶装置23は、電子楽器1に予め組み込まれているハードディスクHDやコンパクトディスクCD、フレキシブルディスクFDなどの種々の記録媒体を備えるドライブ装置とされ、大量の演奏データやプログラムが記憶されている。
次に、ROM11や記憶装置23に記憶されているソングの演奏データのデータ構造を図4に示す。演奏データは図4に示すように、曲名、テンポ、調などを表すヘッダHと、データD1のメロディパートと、データD2の伴奏パートAないしデータDXの伴奏パートXの複数の伴奏パートとから構成されている。データD1ないしデータDXの各パートの演奏データは、イベントデータとそれに対応するタイミングデータを1組とする、ソングの進行に従った楽器の複数組のデータと、ソングの終了を示すエンドデータとからなる。データD1とデータD2ないしデータDXのタイミングデータは、演奏時にメロディパートと複数の伴奏パートとが同時に進行するように設定されている。イベントデータは、ノートオン、ノートナンバー、ノートオフ、ベロシティなどのデータから構成されている。以下に説明するガイド演奏においては、メロディパートがガイド対象パートになると共に、伴奏パートAないし伴奏パートXがまとめられて「伴奏パート」とされる。
本発明の電子楽器1において演奏ガイドが「ウェイティングあり」のモードで「テンポ追従設定あり」に設定されている場合の動作を図2を参照して説明する。
図2の一番上の段には、ユーザーが演奏しようとするソングの自動演奏データにおけるガイド対象パートであるメロディパートの演奏データを表す音符が時系列的に並べられて示されており、その下の段に各音符の音符長が細長い長方形で示されている。また、その下の段にはユーザーが各音符に対応する鍵盤を押鍵してから離鍵するまでの押鍵期間が細長い長方形で示されている。ただし、各音符のノートナンバは図示されていない。このような図2において、t1,t2,t3,t4,t5,・・・の時刻は各拍の開始時刻であり、各開始時刻間の長さが1拍に相当している。メロディパートの演奏データの最初の四分音符n1の発音タイミングは時刻t1とされており、次の四分音符n2の発音タイミングは時刻t2とされており、次の2分音符n3の発音タイミングは時刻t3とされている。四分音符n1ないし2分音符n3を発音する音の長さは各音符長に相当する長さとされている。
演奏ガイドが「ウェイティングあり」のモードで「テンポ追従設定あり」に設定されている場合は、図2に示すように各音符の発音タイミングより前に、テンポ追従設定なしのときに設定される発音開始許容期間Ta’より数倍長い発音開始許容期間Taが設定される。この発音開始許容期間Taは、演奏ガイドを行うための期間とされており、発音開始許容期間Taは、例えば四分音符長に相当する期間とされている。ここで、選択されたソングの再生開始がユーザーにより指示されると、ソングの進行に従ってメロディパートのデータD1が先頭から順次読み出される。ここでは、先頭のメロディ音である四分音符n1のタイミングデータとイベントデータが読み出され、タイマー13の絶対時間とタイミングデータから設定された発音タイミングの時刻t1より発音開始許容期間Taだけ前の時刻t01において当該四分音符n1の音高に対応する鍵を指示するガイドランプ19が点灯される。ここで、ユーザーが発音タイミングt1に達する前の時刻t1’においてガイドランプ19で指示された鍵を押鍵したとする。これにより、ガイドランプ19が消灯され時刻t1’から四分音符n1のイベントデータに基づいてその音高のメロディ音が音源14から発音開始されて、当該鍵が離鍵されるまでの期間発音されると共に、次のメロディ音の四分音符n2のタイミングデータとイベントデータが読み出されて、この四分音符n2の演奏ガイドの準備が行われるようになる。同時に、今回のメロディ音に対応する伴奏パート部分(詳細には、今回のメロディ音の演奏開始タイミングから次のメロディ音の演奏開始タイミングまでの間にある、伴奏パートAないし伴奏パートXに含まれるイベントデータ)の読み出しが順に行なわれて、その伴奏音が音源14から発音されるようになる。
そして、n1の押鍵t1’の1拍後であるt20が四分音符n2の発音タイミングとされるため、時刻t20の発音開始許容期間Taだけ前の時刻t02において、当該四分音符n2の音高に対応する鍵を指示するガイドランプ19が点灯されて、四分音符n2の演奏ガイドが行われる。そして、ユーザーが発音タイミングt20に達する前の時刻t2’においてガイドランプ19で指示された鍵を押鍵したとする。これにより、上記と同様にしてガイドランプ19が消灯され時刻t2’から四分音符n2のイベントデータに基づく音高のメロディ音が音源14から発音開始されて、当該鍵が離鍵されるまでの期間発音されると共に、次のメロディ音の二分音符n3のタイミングデータとイベントデータが読み出されて、この二分音符n3の演奏ガイドの準備が行われるようになる。このように、自動演奏データの進行に伴い、それぞれのタイミングデータに基づいて発音タイミングの時刻の発音開始許容期間Taだけ前の時刻においてそれぞれの音符の音高に対応する鍵を指示するガイドランプ19が点灯されて、各音符に対する演奏ガイドが行われる。
ここで、ユーザーが二分音符n3に対する演奏ガイドに応じて発音タイミングt30に達する前の時刻t3’においてガイドランプ19で指示された二分音符n3に対応する鍵を押鍵したとする。これにより、上記と同様にしてガイドランプ19が消灯され時刻t3’から二分音符n3のイベントデータに基づく音高のメロディ音が音源14から発音開始されて、当該鍵が離鍵されるまでの期間発音されると共に、次のメロディ音のタイミングデータとイベントデータが読み出されて、そのメロディ音の演奏ガイドの準備が行われるようになる。なお、メロディ音が発音される際には、同時に、そのメロディ音に対応する伴奏パート部分の読出しが行われて、その伴奏音が音源14から発音されるようになる。
以降は、自動演奏データの進行に従ってメロディパートのデータD1が順次読み出されて同様の動作が行われ、エンドデータが読み出された時にガイド演奏が終了するようになる。また、「テンポ追従設定あり」に設定されていることから、ユーザーが鍵盤を演奏する速さに自動演奏のテンポが追従するようになるが、図2に示す場合はユーザーの演奏の速さがほぼテンポ通りの速さとされていることからテンポはほぼ変更されていない。
次に、本発明の電子楽器1において演奏ガイドが「ウェイティングあり」のモードで「テンポ追従設定あり」に設定されている場合のテンポ追従の動作を図3を参照して説明する。
図3に示す場合は、ユーザーが演奏しようとするソングとして異なるソングが選択され、このソングの自動演奏データにおけるガイド対象パートであるメロディパートの演奏データを表す音符が、図3の一番上の段に時系列的に並べて示されている。その下の段には、各音符の音符長が細長い長方形で示されている。また、その下の段にはユーザーが鍵を押鍵した際の各音の押鍵から離鍵までの期間が細長い長方形で示されている。ただし、各音符のノートナンバは図示されていない。このような図3において、t1,t2,t3,t4,・・・の時刻は各拍の開始時刻であり、各拍の開始時刻間の長さが1拍に相当している。自動演奏データにおける最初の四分音符n10の発音タイミングは時刻t1とされており、次の四分音符n11の発音タイミングは時刻t2とされており、次の四分音符n12の発音タイミングは時刻t3の時刻とされており、さらに次の四分音符n13の発音タイミングは時刻t4とされている。四分音符n10の音符長はta1、四分音符n11の音符長はta2、四分音符n12の音符長はta3、四分音符n13の音符長はta4とされているが、音符n10ないし音符n13は同じ四分音符なので音符長ta1ないし音符長ta4は同じ長さとなる。
図2において説明したように、演奏ガイドが「ウェイティングあり」のモードで「テンポ追従設定あり」に設定されている場合は、各音符の発音タイミングより前に発音開始許容期間Taが設定されるが図3では省略して示している。ここで、選択されたソングの再生開始がユーザーにより指示されると、ソングの進行に従ってメロディパートのデータD1が先頭から順次読み出される。ここでは、先頭のメロディ音である四分音符n10のタイミングデータとイベントデータが読み出され、タイマー13の絶対時間とタイミングデータから設定された発音タイミングの時刻t1の発音開始許容期間Taだけ前の時刻において当該四分音符n10の音高に対応する鍵を指示するガイドランプ19が点灯される。ユーザーは点灯されたガイドランプを見て、ガイドランプで指示された鍵を時刻t1で押鍵し音符長ta1より短い期間tb1の間押鍵し続けたとする。ここで、時刻t1はガイドランプ点灯より後なので、ユーザーの押鍵は正解押鍵と判定される。これにより、ガイドランプ19が消灯され時刻t1から四分音符n10のイベントデータに基づく音高のメロディ音が音源14から発音開始されて、当該鍵が離鍵されるまでの期間tb1の間発音されると共に、次のメロディ音の四分音符n11のタイミングデータとイベントデータが読み出されて、この四分音符n11の演奏ガイドの準備が行われるようになる。同時に、今回のメロディ音に対応する伴奏パート部分の読出しが行われて、その伴奏音が音源14から発音されるようになる。この場合、発音される期間tb1は四分音符n10の音符長ta1より短くなる。
そして、次のメロディ音の四分音符n11の音高に対応する鍵を指示するガイドランプ19は、ユーザーがn10に対して押鍵したタイミングt1の1拍後より発音開始許容期間Taだけ前の時刻に点灯され、ユーザーはガイドランプ19で指示された四分音符n11に対応する鍵を時刻t12で押鍵し四分音符n11の音符長ta2より短い期間tb2の間押鍵し続けたとする。これにより、ガイドランプ19が消灯され時刻t12から四分音符n11のイベントデータに基づく音高のメロディ音が音源14から発音開始されて、当該鍵が離鍵されるまでの期間tb2の間発音されると共に、今回のメロディ音に対応する伴奏パート部分の読出しが行われて、その伴奏音が音源14から発音されるようになる。この場合、発音される期間tb2は四分音符n11の音符長ta2より短くなる。また、テンポ追従を行うために四分音符n10に対応する鍵を押鍵した時刻t1と四分音符n11に対応する鍵を押鍵した時刻t12との時間間隔を検出して、それをもとに後述の方法でテンポを算出し、算出されたテンポで次の演奏データが読み出される。すなわち、テンポが正解押鍵される毎の時間間隔に応じて変更されるようになる。このようにして、ユーザの演奏の速さに応じたテンポ追従が行われると同時に、次のメロディ音の四分音符n12のタイミングデータとイベントデータが読み出されて、この四分音符n12の演奏ガイドの準備が行われるようになる。
さらに、ユーザーはガイドランプ19で指示された四分音符n12に対応する鍵を時刻t13で押鍵し四分音符n12の音符長ta3より長い期間tb3の間押鍵し続けたとする。これにより、ガイドランプ19が消灯され時刻t13から四分音符n12のイベントデータに基づくメロディ音が音源14から発音開始されて、当該鍵が離鍵されるまでの期間tb3の間発音されると共に、今回のメロディ音に対応する伴奏パート部分の読出しが行われて、その伴奏音が音源14から発音されるようになる。この場合、発音される期間tb3は四分音符n12の音符長ta3より長くなる。また、テンポ追従を行うために四分音符n11に対応する鍵を押鍵した時刻t12と四分音符n12に対応する鍵を押鍵した時刻t13との時間間隔を検出して、それをもとに後述の方法でテンポを算出し、算出されたテンポで次の演奏データが読み出される。このように、ユーザーが正解押鍵する毎の時間間隔に応じてテンポが変更されるようになる。そして、次のメロディ音の四分音符n13のタイミングデータとイベントデータが読み出されて、この四分音符n13の演奏ガイドの準備が行われるようになる。
さらにまた、ユーザーはガイドランプ19で指示された四分音符n13に対応する鍵を時刻t14で押鍵し四分音符n13の音符長ta4より短い期間tb4の間押鍵し続けたとする。これにより、ガイドランプ19が消灯され時刻t14から四分音符n13のイベントデータに基づくメロディ音が音源14から発音開始されて、当該鍵が離鍵されるまでの期間tb4の間発音されると共に、今回のメロディ音に対応する伴奏パート部分の読出しが行われて、その伴奏音が音源14から発音されるようになる。この場合、発音される期間tb4は四分音符n13の音符長ta4より短くなる。また、テンポ追従を行うために四分音符n12に対応する鍵を押鍵した時刻t13と四分音符n13に対応する鍵を押鍵した時刻t14との時間間隔を検出して、それをもとに後述の方法でテンポを算出し、算出されたテンポで次の演奏データが読み出される。
上記説明したように、本発明にかかる電子楽器1の演奏ガイドでは「テンポ追従設定あり」に設定されている場合は、正解押鍵される毎の時間間隔に応じてテンポが毎回変更されるようになる。すなわち、ソングの自動演奏の1拍の長さであるテンポが、ユーザーが演奏する速さに応じて変更されていくようになる。
上記したように、本発明の電子楽器1において演奏ガイドが「ウェイティングあり」のモードで「テンポ追従設定あり」に設定されている場合は、図2に示すように、ユーザーが演奏しようとするソングの演奏データを表す音符のそれぞれの発音タイミングの前に、テンポ追従設定なしの時に設定される発音開始許容期間Ta’より数倍長い発音開始許容期間Taが設定される。また、図3に示すようにソングの自動演奏のテンポに相当する1拍の長さが、ユーザーが演奏する速さに応じて変更されていくようになる。このことから、本発明の電子楽器1においては、演奏ガイドで指示されたとおりに弾くだけでなく軽快に速く弾いたり感情をこめてゆっくり弾いたりする要求に応えられるようになる。この場合、ユーザーが軽快に速く弾いてもミスタッチと見なされることなく発音されるようになる。従って、ユーザーの演奏が自然に聞こえるようになるだけでなく、ユーザーにとってはソングの演奏を自由にコントロールしている満足感が得られるようになる。
なお、本発明の電子楽器1における演奏ガイドでは、ガイドランプ19で指示された鍵が発音タイミングに達しても押鍵されない時は上述したウェイティング状態となり、次の演奏データの読出しが中断されてガイドランプ19で指示された鍵をユーザーが押鍵するまで待つようになる。
ところで、演奏ガイドが「ウェイティングあり」のモードで「テンポ追従設定なし」に設定されている場合は、ユーザーが演奏しようとするソングの演奏データを表す音符のそれぞれの発音タイミングの前に、発音開始許容期間Ta’が設定されるが、「テンポ追従設定なし」の場合における発音開始許容期間Ta’の長さは十分に短い期間、例えば32分音符長とされる。また、ソングの自動演奏の1拍の長さを決めるテンポは、ユーザーが演奏する速さに応じて変更されないようになる。これは、「テンポ追従設定なし」に設定される場合は、主にユーザーが正確な押鍵タイミングを習得したい場合とされるからである。
次に、本発明にかかる電子楽器1におけるCPU10が実行するメイン処理のフローチャートを図5に示し、メイン処理におけるウェイティング再生中の処理のフローチャートを図6に示し、CPU10が実行する割込処理のフローチャートを図7に示す。
図5ないし図7のフローチャートを参照して本発明にかかる電子楽器1の動作を次に説明する。
本発明にかかる電子楽器1の電源スイッチが投入されると、図5に示すメイン処理が起動されステップS10にて電子楽器1を初期状態とする初期化が行われる。この初期化では、音源14への初期の音色の設定や、RAM12における各種レジスタのクリア等が行われる。また、演奏ガイドの設定が初期状態に設定される。この初期状態は、例えば演奏ガイドが「ウェイティングあり」で「テンポ追従なし」とされるが、パネル表示器22に設定画面を表示させて設定操作子21により選択操作することにより、演奏ガイドの初期状態をユーザーが任意に設定することができる。
メイン処理におけるステップS11ないしステップS27の処理では、演奏操作子17あるいは設定操作子21等により電子楽器1において演奏に関する何らかの操作が行われた際に、その操作に応じた処理が行われる。そして、ステップS11ないしステップS27の処理は、電子楽器1の電源スイッチがオンとされている間繰り返し実行されている。ここで、演奏操作子17のいずれかを押鍵すると、演奏操作子インタフェース18が演奏操作子17をスキャンして押鍵のイベントが検出される。これにより、ステップS11にて押鍵操作されたと判断されてステップS12へ分岐し、ステップS12において、押鍵された鍵に対応する音高の音の発音を開始する処理が行われる。また、演奏操作子17のいずれかを離鍵すると、演奏操作子インタフェース18が演奏操作子17をスキャンして離鍵のイベントが検出される。これにより、ステップS13にて離鍵操作されたと判断されてステップS14へ分岐し、ステップS14において、離鍵された鍵に対応する音高の音の発音を停止する処理が行われる。
また、設定操作子21の内のウェイティングモードスイッチが操作されると、ステップS15においてウェイティングモードスイッチが操作されたと判断されてステップS16の処理が行われる。このステップS16の処理では、ウェイティングモードのオン/オフの現在の設定状態を反転させる処理が行われて、ウェイティングモードフラグの値が書き換えられる。この場合、ウェイティングモードスイッチを操作する前がウェイティングモードがオンであれば新たにオフを設定し、操作する前がウェイティングモードがオフであれば新たにオンを設定するトグル動作が行われる。さらに、設定操作子21においてソング選択の操作が行われると、ステップS17においてソング選択の操作が行われたと判断されてステップS18の処理が行われる。このステップS18の処理では、選択されたソングが再生用ソングとして準備され、当該ソングのデータがRAM12における再生用ソングレジスタに格納される。なお、ソング再生中にソング選択の操作を行っても、この操作は無効とされて、ソング再生中はソング選択の操作を行えないようにされている。
さらにまた、設定操作子21の内のテンポ追従設定スイッチが操作されると、ステップS19においてテンポ追従設定スイッチが操作されたと判断されてステップS20の処理が行われる。このステップS20の処理では、テンポ追従設定のオン/オフの現在の設定状態を反転させる処理が行われ、テンポ追従設定フラグの値が書き換えられる。この場合、テンポ追従設定スイッチを操作する前のテンポ追従設定フラグがオンであれば新たにオフを設定し、操作する前のテンポ追従設定フラグがオフであれば新たにオンを設定する。ステップS20の処理が終了するとステップS21に進み、発音開始許容期間Taの期間が変更される。次いで、ステップS22にて発音停止処理の方法が切り替えられる。このステップS21,S22の処理では、ステップS20において新たにテンポ追従設定フラグがオンとされて「テンポ追従設定あり」と設定された場合は、ステップS21にて後述するウェイティング再生の発音開始許容期間が予め決められたテンポ追従設定オン用の発音開始許容期間(#2許容時間)に変更される。この#2許容時間は、例えば四分音符長に相当する長い発音開始許容期間Taとされる。さらに、ステップS22にて該当する演奏データのノートオフのタイミングではなく離鍵操作されたタイミングで発音停止されるように切り替えられる。また、ステップS20において新たにテンポ追従設定フラグがオフとされて「テンポ追従設定なし」と設定された場合は、ステップS21にて発音開始許容期間は予め決められたテンポ追従設定オフ用の発音開始許容期間(#1許容時間)に変更される。この#1許容時間は#2許容時間より短くされ、例えば32分音符長に相当する短い発音開始許容期間Ta’とされる。さらに、ステップS22にて離鍵操作のタイミングではなく離鍵操作された鍵に対応する演奏データのノートオフのタイミングで発音停止されるように切り替えられる。
さらにまた、ソング再生開始の操作が行われると、ステップS23においてソング再生開始の操作が行われたと判断されてステップS24の処理が行われる。このステップS24の処理では、ウェイティングモード中か否かが判断され、現在のウェイティングモードフラグの状態がオンに設定されて「ウェイティングあり」のモードに設定されている場合はステップS26の処理に進み、現在のウェイティングモードフラグの状態がオフに設定されて「ウェイティングなし」のモードに現在設定されている場合はステップS25の処理に進む。ステップS25では、再生用ソングの通常再生を開始する処理が行われる。この通常再生の開始処理では、再生用ソングレジスタに格納されている再生用ソングの再生カウンタがリセットされ、図7に示す割込処理がスタートされて、割込処理において通常再生中と判断されるよう再生フラグが設定される。さらに、再生用ソングが割込処理における処理対象として設定され、再生用ソングに記録されているテンポが再生テンポとして設定される。なお、ソング再生中にソング再生開始の操作を行っても、ステップS23ではその操作が無視されてソング再生開始の操作を行えないようにされている。なお、再生カウンタは設定されているテンポに応じた速さでカウントを行うものであり、演奏データの自動演奏は再生カウンタのカウントに応じて進行するため、設定されているテンポに応じて自動演奏の速さが変わる。
また、ステップS26では再生用ソングのウェイティング再生を開始する処理が行われる。このウェイティング再生の開始処理では、再生カウンタがリセットされ、図7に示す割込処理がスタートされて、割込処理においてウェイティング再生中と判断されるよう再生フラグが設定される。さらに、再生用ソングが割込処理における処理対象として設定され、再生用ソングに記録されているテンポが再生テンポとして設定されて、メロディパートにおける最初の演奏データ(ノートオン)のガイド開始タイミングが設定される。ガイド開始タイミングは、現在設定されているテンポ追従オン/オフに対応して設定されている発音開始許容期間(#1許容時間Ta’あるいは#2許容時間Ta)に基づいて設定される。ステップS26の処理が終了すると図6に示すウェイティング再生中の処理が行われる。このウェイティング再生中の処理は、ウェイティング再生の終了が指示されるまで、図5のメイン処理に戻ることなく実行され続ける。そして、ウェイティング再生の終了が指示されたときに図5のメイン処理に戻り、ステップS27の処理へ進む。このステップS27では、パネル表示器22の表示処理等のパネル処理やその他の処理が行われる。
上記したように、ステップS11ないしステップS27のメイン処理は、電子楽器1の電源スイッチがオンとされている間繰り返し実行されて、電子楽器1において何らかの操作が行われた際に、その操作に応じた処理が行われる。
図6に示すウェイティング再生中の処理は、図5に示すメイン処理に示されているように、ウェイティングモードがオンに設定されているときにソング再生開始スイッチが操作され、再生用ソングの再生が開始されたときに実行される。
ウェイティング再生中の処理では、ステップS30にてテンポ追従設定フラグがオンされているかオフされているかが判断される。ここで、テンポ追従設定フラグがオフされていると判断された場合、つまりテンポ追従なしの場合は、ステップS31ないしステップS40のウェイティング再生処理が繰り返し実行され、テンポ追従設定フラグがオンされていると判断された場合、つまりテンポ追従ありの場合は、ステップS43ないしステップS57のウェイティング再生処理が繰り返し実行される。
ここで、テンポ追従設定フラグがオフされている場合に演奏操作子17を押鍵すると、演奏操作子インタフェース18において押鍵のイベントが検出される。これにより、ステップS31にて押鍵操作されたと判断されて、ステップS32の処理が行われるようになる。このステップS32の処理では、現在が発音開始許容期間中か否かが判断される。発音開始許容期間中とは、ガイド中、すなわち今回のメロディ音の正しい演奏タイミングよりも発音開始許容期間Ta’(#1許容時間)だけ前のタイミングでガイドランプが点灯された以降であることを意味しており、ガイド中であれば発音開始許容期間中と判断されてステップS33の処理に進む。また、ガイド中でなければ発音開始許容期間中ではないと判断されて、ステップS33ないしステップS39の処理がスキップされる。これは、ガイド中でない時の押鍵はミスタッチとみなされて、押鍵に対応する処理が行われないからである。
ステップS33の処理では、ユーザーにより押鍵された鍵の音高と、演奏ガイドで指示された今回のメロディ音の音高とが一致するか否かが判断される。ここで、ユーザーが演奏ガイドで指示された音高の鍵を押鍵した場合は正解押鍵と判断されてステップS34に進み、今回のメロディ音の発音が開始される。また、ユーザーが演奏ガイドで指示された鍵とは異なる鍵を押鍵した場合はミスタッチと判断され、ステップS34ないしステップS39の処理がスキップされて押鍵に対応する発音処理等は行われない。なお、ステップS34の発音開始処理では、CPU10が今回のメロディ音の楽音制御データを音源14に送り、音源14において今回のメロディ音の発音が楽音制御データに基づいて開始されるようになる。ステップS34の処理が終了すると、正解押鍵されたことからステップS35にて今回のメロディ音に対応する鍵のガイドランプを消灯して、今回のメロディ音のガイドを終了する。
さらに、ステップS36にて今回のメロディ音に対応する伴奏パート部分の読み出しをセットして、今回のメロディ音に対応する伴奏パート部分の先頭を、今回のメロディ音の発音開始タイミングまでずらす。次いで、ステップS37にて再生カウンタの値を今回のメロディ音の発音開始タイミングに相当する値へ変更する。この処理は、ステップS36においてずらした後の位置から正常に伴奏パートが再生されるように、図7に示す割込処理で使う再生カウンタの値を今回のメロディ音の発音開始タイミングから1クロック前の値へ変更する処理である。ステップS37の処理が終了すると、ステップS38にて次のメロディ音の発音開始タイミングを再生の一時停止用に読み出す処理が行われる。この処理は、自動演奏データの進行を一時停止するタイミングを、新しい値とされる次のメロディ音の発音開始タイミングへ更新する処理であり、次のメロディ音が弾かれなかった場合に、次のメロディ音の発音タイミングで現在のメロディ音に対応する伴奏を一時停止するための処理とされる。次いで、ステップS39にて次のメロディ音の発音開始タイミングよりも発音開始許容期間Ta’だけ前のタイミングが、ガイド開始タイングとして設定される。ここでは、テンポ追従設定フラグがオフとされていることから発音開始許容期間Ta’は期間の短い#1許容時間とされる。
さらにまた、テンポ追従設定フラグがオフされている場合にウェイティング再生停止スイッチを操作したことが検出されたとき、あるいは、再生用ソングの再生が最後まで進行して終了位置(エンド)まで到達したことが検出されたときは、ステップS40にてウェイティング再生の終了指示があると判断され、ステップS41のウェイティング再生を終了する処理が行われる。このウェイティング再生の終了処理が終わると、メイン処理のステップS27にリターンされる。
なお、テンポ追従設定フラグがオフされている場合に演奏操作子17が離鍵されても、離鍵された鍵に対応するメロディ音の発音停止処理は行わない。テンポ追従設定フラグがオフされている場合は、発音中のメロディ音は、そのメロディ音の発音開始を指示した鍵が離鍵されたときではなく、自動演奏が進行してそのメロディ音に対するノートオフデータが再生用ソングから読み出されたときに、発音停止する。
また、テンポ追従設定フラグがオンされている場合に演奏操作子17を押鍵すると、演奏操作子インタフェース18により押鍵のイベントが検出される。これにより、ステップS43にて押鍵操作されたと判断されて、ステップS44の処理が行われるようになる。このステップS44の処理では、現在が発音開始許容期間中か否かが判断される。発音開始許容期間中とは、ガイド中、すなわち今回のメロディ音の正しい演奏タイミングよりも発音開始許容期間Ta(#2許容時間)だけ前のタイミングでガイドランプが点灯された以降であることを意味しており、ここで、ガイド中であれば発音開始許容期間中と判断されてステップS45の処理に進む。また、ガイド中でなければ発音開始許容期間ではないと判断されて、ステップS45ないしステップS53の処理がスキップされる。これは、ガイド中でない時の押鍵はミスタッチとみなされて、押鍵に対応する処理が行われないからである。
ステップS45の処理では、ユーザーにより押鍵された鍵の音高と、演奏ガイドで指示された今回のメロディ音の音高とが一致するか否かが判断される。ここで、ユーザーが演奏ガイドで指示された音高の鍵を押鍵した場合は正解押鍵と判断されてステップS46に進み、今回のメロディ音の発音が開始される。また、ユーザーが演奏ガイドで指示された鍵とは異なる鍵を押鍵した場合はミスタッチと判断され、ステップS46ないしステップS53の処理がスキップされて押鍵に対応する発音処理等は行われない。なお、ステップS46の発音開始処理では、CPU10が今回のメロディ音の楽音制御データを音源14に送り、音源14において今回のメロディ音の発音が楽音制御データに基づいて開始されるようになる。ステップS46の処理が終了すると、正解押鍵されたことからステップS47にて今回のメロディ音に対応する鍵のガイドランプを消灯して、今回のメロディ音のガイドを終了する。
さらに、ステップS48にてテンポが算出される。テンポ算出の一例を挙げると、正解押鍵された押鍵間の時間間隔を検出し、この検出された時間を対応する演奏データの音符長で割り算することで1拍あたりの時間長を求める。本来のノートオンタイミングよりも早く押鍵した場合には、押鍵間の時間間隔は演奏データの音符長よりも短いため、テンポは現在の再生テンポよりも速くなる。逆に、本来のノートオンタイミングよりも遅く押鍵した場合には、押鍵間の時間間隔は演奏データの音符長よりも長いため、テンポは現在の再生テンポよりも遅くなる。直前の2音符分についてそれぞれ同様の計算をして1拍あたりの時間長を求め、それを平均したものを次の演奏データの読み出しテンポとする。こうして算出されたテンポにステップS49にて変更される。次いで、ステップS50にて今回のメロディ音に対応する伴奏パート部分の読み出しをセットして、今回のメロディ音に対応する伴奏パート部分の先頭を、今回のメロディ音の発音開始タイミングまでずらす。次いで、ステップS51にて再生カウンタの値を今回のメロディ音の発音開始タイミングに相当する値へ変更する。この処理は、ステップS50においてずらした後の位置から正常に伴奏パートが再生されるように、図7に示す割込処理で使う再生カウンタの値を今回のメロディ音の発音開始タイミングから1クロック前の値へ変更する処理である。ステップS51の処理が終了すると、ステップS52にて次のメロディ音の発音開始タイミングを再生の一時停止用に読み出す処理が行われる。この処理は、自動演奏進行を一時停止するタイミングを、新しい値とされる次のメロディ音の発音開始タイミングへ更新する処理であり、次のメロディ音が弾かれなかった場合に、次のメロディ音の発音タイミングで現在のメロディ音に対応する伴奏を一時停止するための処理である。次いで、ステップS53にて次のメロディ音のガイド開始タイミングをセットする処理が行われる。この処理では、次のメロディ音の発音開始タイミングよりも、設定中の発音開始許容期間Taだけ前のタイミングがガイド開始タイミングとして設定される。ここでは、テンポ追従設定フラグがオンとされていることから発音開始許容期間Taは期間の長い#2許容時間とされる。
また、テンポ追従設定フラグがオンされている場合に演奏操作子17を離鍵すると、演奏操作子インタフェース18により離鍵のイベントが検出される。これにより、ステップS54にて離鍵操作されたと判断されて、ステップS55の処理が行われるようになる。このステップS55の処理では、ユーザーにより離鍵された鍵の音高と一致するメロディ音が発音中か否かが判断される。ここで、一致するメロディ音が発音中であればステップS56において、当該メロディ音の発音を停止する処理が行われる。
さらに、テンポ追従設定フラグがオンされている場合にウェイティング再生停止スイッチが操作されたことが検出されたとき、あるいは、再生用ソングの再生が最後まで進行して終了位置(エンド)まで到達したことが検出されたときは、ステップS57にてウェイティング再生の終了指示があると判断され、ステップS58のウェイティング再生を終了する処理が行われる。このウェイティング再生の終了処理が終わると、メイン処理のステップS27にリターンされる。
次に、演奏データのタイミングクロック毎に起動される図7に示す割込処理を説明する。なお、ソングを再生するテンポにあわせて1タイミングクロックに対する時間長は変更され、ウェイティング再生中の処理のステップS49においてテンポが変更されると、割込処理の起動の時間間隔もそれにあわせて変更される。
図7に示す割込処理が起動されたときに通常再生中の再生フラグとなっている場合は、ステップS60にて通常再生中と判断されてステップS61にて再生カウンタの値が更新される。この更新では、再生カウンタの値が1だけカウントアップされる。演奏データのタイミングクロック数をカウントする再生カウンタの値が更新される処理が終了し、更新された再生カウンタの値と一致するタイミングで処理すべき演奏データが再生用ソング中にある場合は、ステップS62にてメロディパートあるいは伴奏パートのいずれかのパートに処理すべき演奏データがあると判断される。そして、ステップS63にてメロディパートと伴奏パートとを区別することなく、すべてのパートについて、今回のタイミングで処理すべき演奏データが処理される。この演奏データの処理では、該当するメロディパートや伴奏パートの演奏データに応じて、発音や発音停止の処理や、音量や音色の変更などの処理が行なわれる。ステップS63の処理が終了するとステップS64に進むが、通常再生中なのでS64ではnoと判断されて割込処理は終了する。
また、割込処理が起動された際にウェイティング再生中の再生フラグとなっている場合は、ステップS60でnoと判断されてステップS64に進み、ステップS64にてウェイティング再生中と判断され、ステップS65においてユーザーが正解押鍵できないまま、演奏ガイドで指示された押鍵すべきメロディ音の正規の発音タイミングをすぎたかが確認される。具体的には、再生カウンタの値が、上記メロディ音の正規の発音タイミングの1クロック前に到達するとyes、それ以前はnoと判断される。ここで、到達したと判断された場合は割込処理は終了して、再生カウンタのカウントは正規の発音タイミングの1クロック前で停止したままの状態となり、正解押鍵がなされたときにカウントが再開される。すなわち、正解押鍵がなされると押鍵すべきメロディ音が次のメロディ音へ更新されて、比較対象である正規の発音タイミングが次のメロディ音の発音開始タイミングに更新されるため、再生カウンタの値が、新たな発音タイミングに到達していないとみなされることになる。
ステップS65で押鍵タイミングを過ぎていないと判断された場合は、ステップS66において再生カウンタの値が1だけカウントアップされて更新される。ここで、テンポ追従設定フラグがオフされている場合は、ステップS67においてテンポ追従設定フラグがオフと判断されてステップS68の処理が行われる。このステップS68の処理では、再生カウンタの値が現在設定中のガイド開始タイミングに到達したかが判断され、到達していると判断された場合はステップS69にてユーザーが次に押鍵すべき音高とされる次のメロディ音の音高に該当する鍵のガイドランプが点灯されると共に、ステップS70にて当該ガイド開始タイミングがクリアされる。また、再生カウンタの値が現在設定中のガイド開始タイミングに到達していないとステップS68で判断された場合は、ステップS69,S70の処理はスキップされる。さらに、テンポ追従設定フラグがオフされていて、メロディパートに今回のタイミングで処理すべきノートオフがあるとステップS71において判断された場合は、ステップS72において該当するメロディ音の発音を停止する処理が行われる。また、メロディパートに今回のタイミングで処理すべきノートオフはないとステップS71において判断された場合は、ステップS72の処理はスキップされる。
さらにまた、テンポ追従設定フラグがオフされていて、伴奏パートに今回のタイミングで処理すべきノートオンやノートオフなどの演奏データがあるとステップS73において判断された場合は、ステップS74において該当する伴奏パートの演奏データに応じた発音や発音停止の処理が行われる。このように、伴奏パートの自動演奏は通常再生と同様に順次に処理される。また、伴奏パートに今回のタイミングで処理すべき演奏データはないとステップS73において判断された場合は、ステップS74の処理はスキップされる。
また、テンポ追従設定フラグがオンされている場合は、ステップS67においてテンポ追従設定フラグがオンと判断されてステップS76の処理が行われる。このステップS76の処理では、再生カウンタの値が現在設定中のガイド開始タイミングに到達したかが判断され、到達していると判断された場合はステップS77にてユーザーが次に押鍵すべき音高とされる次のメロディ音の音高に該当する鍵のガイドランプが点灯されると共に、ステップS78にて当該ガイド開始タイミングがクリアされる。また、再生カウンタの値が現在設定中のガイド開始タイミングに到達していないとステップS76で判断された場合は、ステップS77,S78の処理はスキップされる。さらに、テンポ追従設定フラグがオンされていて、伴奏パートに今回のタイミングで処理すべきノートオンやノートオフなどの演奏データがあるとステップS79において判断された場合は、ステップS80において該当する伴奏パートの演奏データに応じた発音や発音停止の処理が行われる。このように、伴奏パートの自動演奏は通常再生と同様に順次に処理される。また、伴奏パートに今回のタイミングで処理すべき演奏データはないとステップS79において判断された場合は、ステップS80の処理はスキップされる。
なお、テンポ追従設定フラグがオンされている場合にメロディパートに今回のタイミングに一致するノートオフがあっても該当するメロディ音の発音停止処理は行わない。テンポ追従設定フラグがオンの場合は、前述したウェイティング再生中の処理において、離鍵された際に離鍵操作された鍵に対応するメロディ音の発音停止処理が行われるようになる。
ステップS64でウェイティング再生中でないと判断された場合、ステップS65で押鍵タイミングを過ぎていると判断された場合、ステップS74あるいはステップS80の処理が終了した場合は割込処理が終了して、割込前の処理にリターンされる。
以上説明したように、本発明にかかる電子楽器1においては、ウェイティングモードではない場合にユーザーが押鍵すると、当該鍵に割り当てられている音高の音が発音開始(メイン処理ステップS12)され、離鍵すると当該鍵に割り当てられている音高の発音中の音が発音停止(メイン処理ステップS14)される。また再生用ソングを再生させると、再生用ソングの通常再生が割込処理のステップS61〜S63で行われる。
さらに、ウェイティングモードの「テンポ追従設定なし」に設定されている場合は、割込処理のステップS68〜S70で再生用ソングのメロディ音の各ノートオンのタイミングの発音開始許容期間(#1許容時間)だけ前にガイドランプが点灯される。ここで、ユーザーが押鍵して、この押鍵が発音開始許容期間内であって正解押鍵の場合はガイドランプが消灯されると共に、現在ガイドしているメロディ音の音が発音開始される(ウェイティング再生中の処理のステップS32〜S39)。また、離鍵されても当該鍵に割り当てられている音高の音は発音停止されず、当該メロディ音のノートオフのタイミングにおいて発音停止(割込処理ステップS71,S72)される。なお、正解押鍵されない場合は、ウェイティング再生中の処理のステップS31〜S40の処理が繰り返し行われることにより正解押鍵されるまでウェイティングされるようになる。ウェイティング中は再生カウンタのカウントは1クロック前の値のままで停止した状態となる(割込処理ステップS65)ことから、ウェイティング中にユーザーが押鍵すると許容期間中の押鍵(ウェイティング再生中の処理のステップS32)とされて正解押鍵の場合はガイドランプが消灯されると共に、現在ガイドしているメロディ音の音が発音開始される(ウェイティング再生中の処理のステップS33〜S39)。上記した演奏ガイドのモードに設定されている場合、正解押鍵されるまでウェイティングされると共に、発音開始許容期間は#2許容時間より短い#1許容時間とされるため、習熟度が低いユーザーが弾くタイミングを習得したいときに、弾くべきタイミングが正確にわかるようになる。
さらにまた、ウェイティングモードの「テンポ追従設定あり」に設定されている場合は、割込処理のステップS76〜S78で再生用ソングのメロディ音の各ノートオンのタイミングの発音開始許容期間(#2許容時間)だけ前にガイドランプが点灯される。ここで、ユーザーが押鍵して、この押鍵が発音開始許容期間内であって正解押鍵の場合はガイドランプが消灯されると共に、現在ガイドしているメロディ音の音が発音開始される(ウェイティング再生中の処理のステップS44〜S47)。また、正解押鍵された押鍵間の時間間隔と、その際の演奏データの音符長とに基づいてテンポが算出されて、算出されたテンポに変更(ウェイティング再生中の処理のステップS48〜S49)される。さらに、離鍵されると当該鍵に割り当てられている音高の音が発音停止(ウェイティング再生中の処理のステップS54〜S56)される。なお、正解押鍵されない場合は、ウェイティング再生中の処理のステップS43〜S57の処理が繰り返し行われることにより正解押鍵されるまでウェイティングされるようになる。ウェイティング中は再生カウンタのカウントは1クロック前の値のままで停止した状態となる(割込処理ステップS65)ことから、ウェイティング中にユーザーが押鍵すると許容期間中の押鍵(ウェイティング再生中の処理のステップS44)とされて正解押鍵の場合はガイドランプが消灯されると共に、現在ガイドしているメロディ音の音が発音開始される(ウェイティング再生中の処理のステップS45〜S53)。上記した演奏ガイドのモードに設定されている場合、、正解押鍵されるまでウェイティングされると共に、発音開始許容期間は#1許容時間より長い#2許容時間とされるため、弾くべきタイミングが来なくてもユーザーが弾いた鍵がミスタッチと見なされることなく弾けるようになる。
以上説明した本発明の電子楽器においては、テンポ追従がある場合およびテンポ追従しない場合のそれぞれの設定を持つとしたが、これに限ることはなく、テンポの追従がある場合のみで構成しても良い。また、発音開始許容期間の変更をテンポ追従設定のオン/オフと連動するようにしたが、これに限ることはなく、独立して発音開始許容期間のみを変更する構成としてもよい。例えば、発音開始許容期間設定スイッチを設け、このスイッチが押される毎に、#1許容時間と#2許容時間とを切り替えるようにしてもよい。
また、本発明の演奏ガイドを行う電子楽器は鍵盤楽器としたが、これに限ることはなく演奏操作子を備える種々の電子楽器に適用することができる。
さらに本発明では、ガイドランプを鍵盤の近傍あるいは内部に設けることによりガイド機能を実現するようにしたが、これに限ることはなく、ディスプレイに表示された鍵盤イラストや楽譜などにガイドを表示するようにして、ソフトウェアでガイド機能を実現してもよい。また、外部接続したパソコンにガイドを表示したり、外部接続したガイドランプ付き楽器でガイドを表示したりして、外部機器でガイド機能を実現してもよい。
さらにまた、本発明において上記説明した#1許容時間の設定方法としては、正しいタイミングを習得するにはジャストタイミングでガイドを行なえば良いことから、#1許容時間(Ta’)をゼロとしても良い。しかし、実際はユーザーがガイドランプを認識してからその音を押鍵するまでに若干のタイムラグが生じるため、そのタイムラグ分を#1許容時間とするのが好適とされる。また、#2許容時間の設定方法としては、ユーザーが自由な演奏を行なうには#2許容時間は長い方がいいが、あまりに長すぎると(たとえば1小節以上も前にガイドするなど)前のメロディ音を越えてガイドしなくてはいけなくなりガイドの意味をなさなくなる。そのため、それを考慮して適度に長い時間を#2許容時間とする。なお、例えば16分音符がたくさんあるような速い曲では#2許容時間を16分音符相当の長さに設定し、2分音符や全音符がたくさん出てくるゆったりした曲のときは#2許容時間を2分音符相当の長さに設定するなど、柔軟な設定方法としても良い。
さらにまた、本発明におけるテンポ算出方法としては、上記説明したテンポ算出方法に限るものではなく、直前の1音分についてのみ、押鍵間隔を音符長で割って1拍あたりの時間長を割り出し、それを次のデータの読み出しテンポとするようにしても良い。このように、1音ごとに計算すると、急激なテンポ変化を起こりやすくすることができる。また、数音分の演奏時間の和からテンポを算出するようにしても良い。例えば、直前の1小節分のデータを演奏した時間を4で割ると、1拍あたりの長さが求められるので、それを次の小節のテンポとする。さらに、1音ごとに、正規のタイミングよりも押鍵が早ければテンポを予め定めた割合だけ速め、押鍵が遅ければテンポを予め定めた割合だけ遅くするようにしても良い。このようにすると、徐々に速めたり遅めたりしていくうちに自然とユーザーにとってちょうどいいテンポに調整されるようになる。
1 電子楽器、10 CPU、11 ROM、12 RAM、13 タイマー、14 音源、15 DSP、16 サウンドシステム、17 演奏操作子、18 演奏操作子インタフェース、19 ガイドランプ、20 ガイドランプインタフェース、21 設定操作子、22 パネル表示器、23 記憶装置、24 バス

Claims (7)

  1. ソングの再生に応じて、該ソングを演奏するのに操作すべき演奏操作子を指示する指示手段と、
    前記ソングの再生テンポを、ユーザーが前記演奏操作子を操作したタイミングに基づいて制御するテンポ制御手段と、
    前記指示手段がユーザーに指示を出すタイミングを制御する指示タイミング制御手段と、
    を備えることを特徴とする電子楽器。
  2. 前記テンポ制御手段は、ユーザーによる前記演奏操作子の操作タイミングと、ソング中のノートオンタイミングとを比較することによって、再生テンポを決定することを特徴とする請求項1に記載の電子楽器。
  3. 前記指示手段により指示された前記演奏操作子がユーザーによって操作されなかった時に前記ソングの再生を一時停止して、ユーザーにより前記演奏操作子が操作された時に前記ソングの再生を再開することを特徴とする請求項1または2に記載の電子楽器。
  4. 前記テンポ制御手段を無効化する無効化手段を有し、
    該無効化手段により前記テンポ制御手段が無効化された際には、前記指示タイミング制御手段により設定される指示タイミングが、テンポ制御手段が有効である場合と比較して遅くなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電子楽器。
  5. 前記ソングにおける発音中の楽音を、ユーザーによる前記演奏操作子の操作終了に応じて発音終了し、前記ソング中のノートオフデータを無視することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電子楽器。
  6. 前記テンポ制御手段を無効化する無効化手段を有し、
    該無効化手段により前記テンポ制御手段が無効化された際には、前記ソングにおける発音中の楽音を、前記ソング中のノートオフデータで発音終了することを特徴とする請求項5に記載の電子楽器。
  7. コンピューターに、
    ソングの再生に応じて、該ソングを演奏するのに操作すべき演奏操作子を指示する指示機能と、
    前記ソングの再生テンポを、ユーザーが前記演奏操作子を操作したタイミングに基づいて制御するテンポ制御機能と、
    前記指示機能がユーザーに指示を出すタイミングを制御する指示タイミング制御機能と、
    を実現させるためのプログラム。
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