JP3659143B2 - 楽音生成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機能を拡張するプラグインボードを装着することのできる楽音生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、音源装置や電子楽器に音源機能を拡張する音源用のプラグインボードやエフェクト機能を拡張するエフェクト用のプラグインボードを装着することが知られている。例えば、電子楽器に備えられたスロットに音源ボードを装着すれば、電子楽器とは異なる音源ボードにおける音源種類による楽音を発音することができると共に、同時発音数を増加させることもできるようになる。音源種類には、アナログシンセサイザーにおける〔VCO→VCF→VCA〕のアナログモデリング音源、FM音源、波形メモリ音源、アコースティック楽器の発音原理をシミュレートした物理モデル音源等がある。また、電子楽器に備えられたスロットにエフェクト用のプラグインボードを装着すれば、多彩なハーモニー効果等のエフェクトを付与することができるようになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
プラグインボードを使用可能な音源装置として、特開平10−319952号公報に記載されている音源装置が知られている。上記従来の音源装置に用意されたプラグインボードでは、ボード上の揮発性メモリにプリセットボイスをエディットしたカスタムボイスのデータを持つようにしている。すると、揮発性メモリに記憶されているカスタムボイスは、音源装置の電源をオンした後、音源装置に接続されたパソコンないしシーケンサ等の外部に格納されているカスタムボイスのデータを、揮発性メモリに外部から転送(バルクダンプ)しないとカスタムボイスを使用することができないという問題点があった。
【0004】
また、プラグインボードの音源を使用するパートは予め選択するようになっており、プラグインボードには、1つのパートしか設定することのできないモノパート音源や、複数のパートを設定することのできるマルチパート音源がある。しかしながら、モノパート音源は、いずれか1つのパートにしか設定することができないため、プラグインボードを使用するパートの設定を変更しない限り、他のパートではそのプラグインボードの音源を使用できないという問題点があった。この場合、音色指定命令(バンクセレクト+プログラムチェンジ)に応じて何れのパートでもプラグインボードの音源を使用できるようにすることが考えられるが、このようにすると、モノパート音源の音色が複数のパートで指定されてしまうおそれが生じる。
【0005】
そこで、本発明は、カスタムボイスのデータを外部から転送することなく使用できるようにした楽音生成装置を提供することを第1の目的としている。
また、本発明は、モノパート音源とされたプラグインボードのパートの設定を変更することなく、他のパートで当該プラグインボードの音源を使用できるようにした楽音生成装置を提供することを第2の目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、本発明の楽音生成装置は、複数のスロットを有し、各スロットにプラグインボードを装着可能な楽音生成装置であって、演奏情報に基づいて複数のスロットに各々装着されたプラグインボードおよび内部に備えられている楽音発生手段により楽音を生成させる楽音生成手段と、前記複数のスロットに装着された複数のプラグインボードが記憶するカスタムボイスの音色データと当該プラグインボードの特定情報とを、それぞれ各スロットに対応させて保存可能な不揮発性メモリと、各スロットに装着されているプラグインボードの備える揮発性メモリに記憶されたカスタムボイスの音色データを、前記不揮発性メモリに保存することのできる保存手段と、電源がオンされたときに、各スロットに装着されているプラグインボードから得たプラグインボード特定情報と、前記不揮発性メモリに保存されている当該スロットのプラグインボードの特定情報との一致を検出する検出手段とを備え、該検出手段において一致すると検出された際には、前記不揮発性メモリに保存されていた当該スロットの前記プラグインボードに関するカスタムボイスの音色データを、当該スロットに装着されたプラグインボードの備える揮発性メモリに書き込むようにしている。
【0007】
また、上記本発明の楽音生成装置において、前記不揮発性メモリに保存されているカスタムボイスの音色情報を、外部記憶媒体にセーブすることができると共に、外部記憶媒体に保存されているカスタムボイスの音色情報を前記不揮発性メモリにロードすることができるようにされていてもよい。
【0009】
さらに、上記第2の目的を達成することのできる本発明の楽音生成装置は、プラグインボードを装着可能な楽音生成装置であって、演奏情報に基づいて装着されたプラグインボードおよび内部に備えられている楽音発生手段により楽音を生成させる楽音生成手段と、プラグインボードおよび内部に備えられている楽音発生手段により生成される楽音の音色を選択する音色選択手段とを備え、装着されたプラグインボードがモノパート音源であった場合に、手演奏のパートで選択されている該プラグインボードにおける音色が、前記音色選択手段により他のパートに指定された際は、前記他のパートが発音禁止に設定されている。
さらにまた、上記本発明の楽音生成装置において、前記他のパートが発音禁止に設定されることに替えて、前記他のパートが別のプラグインボードあるいは前記楽音発生手段における代替音色に変更されて発音されるようにするようにしてもよい。
【0010】
このような本発明によれば、プラグインボードが備えるカスタムボイスの音色情報を、本体の不揮発性メモリにバックアップすることができる。これにより、本体の電源がオンされたときに、バックアップされたカスタムボイスの音色情報を、プラグインボードに書き込むことができ、電源をオンした後で外部から転送することなく、直ちにカスタムボイスの音色情報を使用可能とすることができる。この場合、電源オン時に、装着されているプラグインボードから得たプラグインボード特定情報と、不揮発性メモリに保存されているプラグインボード特定情報との一致を検出して、一致する場合にプラグインボードが挿し替えられていないと判断して、バックアップされたカスタムボイスの音色情報をプラグインボードに書き込むようにしてもよい。
さらに、不揮発性メモリに保存されているカスタムボイスの音色情報を、外部記憶媒体に保存することもでき、さらにまた、外部記憶媒体に保存されているカスタムボイスの音色情報を不揮発性メモリにロードすることができるようにされている。これにより、カスタムボイスの音色情報を失うことを防止することができる。
【0011】
また、プラグインボードがモノパート音源であった場合に、モノパート音源の音色が一のパートで選択されているとき、後から他のパートで同じモノパート音源の音色が指定された際に、一のパートを発音禁止(ミュート)に設定するとともに、指定されたモノパート音源の音色を他のパートに設定するようにしている。この場合、一のパートを別の音源の代替音色に変更するようにしてもよい。これにより、ユーザが一のパートの設定を変更することなく、モノパート音源であっても他のパートにその音色を設定することができるようになる。さらに、手演奏のパートにモノパート音源の音色が選択されている場合には、他のパートでモノパート音源の音色が指定されても他のパートにモノパート音源の音色を設定することを禁止している。これにより、演奏中の手演奏の音色が変更しないようになるので、手演奏の演奏楽音に違和感を感じないようにすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の楽音生成装置の実施の形態にかかる電子楽器の構成例を図1に示す。図1において、電子楽器本体1は鍵盤5から入力されたイベントであるMIDI(Musical Instument Didital Interface)データや、パーソナルコンピュータ等のMIDIデータを送出することのできる機器から受け取ったMIDIデータに基づいて楽音を生成してサウンドシステム4に送出している。また、電子楽器本体1は、内部の記憶手段に格納されている自動演奏/自動伴奏データに基づいて自動演奏/自動伴奏を行うことができる。モノパート音源ボードとされたプラグインボード2は、そのコネクタが電子楽器本体1に備えられたスロット1(22)に装着されている。このプラグインボード2には、制御用のCPUや音源回路が備えられており、それ単体で音源として動作可能とされて、電子楽器本体1の音源機能がプラグインボード2により拡張されている。また、エフェクトボードとされたプラグインボード3は、そのコネクタが電子楽器本体1に備えられたスロット2(23)に装着されており、電子楽器本体1のエフェクト機能がプラグインボード3により拡張されている。
【0013】
サウンドシステム4は、電子楽器本体1から出力される楽音信号を放音するスピーカや増幅手段を備えるサウンドシステムである。鍵盤5は、CPUを内蔵しており鍵を操作した際に対応するMIDIデータを生成して出力している。パネル表示器&SW6は、電子楽器本体1のパネルに備えられている液晶表示器等からなる表示器と、表示器に表示された画面の項目を選択するLCDボタンや、プラグインボードや電子楽器本体1において発音する音色を選択する音色選択ボタン等を有するユーザによって操作可能なパネルスイッチを有している。このパネルスイッチを操作することにより、ユーザが各種操作を行うことができるようにされている。ディスクドライブ7は、セットされた記録媒体であるディスク8に電子楽器本体1におけるフラッシュROM11に保存されている演奏関連データを保存したり、ディスク8に保存されている演奏関連データを、電子楽器本体1におけるフラッシュROM11にロードするためのディスクドライブである。ディスクドライブ7は、HDD(Hard Disk Drive)、FDD(Floppy Disk Drive)、CD(Compact Disk)−ROMドライブ、MO(Magneto Optical Disk)ドライブ、DVD(Digital Versatile Disk)ドライブ等により構成することができる。
【0014】
本発明の楽音生成装置の実施の形態にかかるシステム全体の概略構成を図2に示す。図2における電子楽器1は、図1に示す鍵盤5,パネル表示器&SW6,ディスクドライブ7を備える電子楽器本体1である。この電子楽器1にはパーソナルコンピュータ(PC)9が接続されていると共に、電子楽器1の出力はサウンドシステム4に供給されている。そして、電子楽器1のスロット1,スロット2には、プラグインボード2,3が装着可能とされている。この場合、電子楽器1に備えられたスロット1やスロット2に音源ボードを装着すれば、電子楽器1が有する音源種類とは異なる音源ボードにおける音源種類による楽音を発音することができると共に、同時発音数を増加させることもできるようになる。音源ボードの種類には、アナログシンセサイザーにおける〔VCO→VCF→VCA〕のアナログモデリング音源ボード、FM音源ボード、波形メモリ音源ボード、アコースティック楽器の発音原理をシミュレートした物理モデル音源ボード等がある。また、音源ボードには1つのパートの音色しか設定することのできないモノパート音源や、複数のパートの音色を設定することのできるマルチパート音源がある。さらに、電子楽器本体1に備えられたスロット1やスロット2にエフェクトボードを装着すれば、多彩なハーモニー効果等のエフェクトを付与することができるようになる。
【0015】
図1に戻り、電子楽器本体1の内部において中央処理装置(Central Processing Unit:システムCPU)10は、フラッシュROM11に格納された制御プログラムに基づいて各部の制御を行っている。フラッシュROM11は、システムCPU10が実行する楽音発生プログラム、音色選択プログラム、音色エディットプログラム、制御プログラム等のプログラムや、プラグインボードのボードカスタムボイスの音色データや音色パラメータを編集する修正データ等の各種データが格納される不揮発性ROM(Read Only Memory)である。システムRAM12は、演奏データや各種データ等の格納エリアや、システムCPU10のワークエリア等が設定されるRAM(Random Access Memory)である。タイマ13は、動作時の経過時間を示したり、特定の間隔でタイマ割込を発生するタイマである。I/O14は、CPUを内蔵する鍵盤5から出力されるMIDIデータを電子楽器本体1に取り込む入出力手段(インターフェース)である。I/O15は、パネル表示器&SW6と電子楽器本体1との間でデータの入出力を行う入出力手段である。I/O16は、ディスクドライブ7と電子楽器本体1との間でデータの入出力を行う入出力手段である。
【0016】
MIDI INの端子17は、パーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という)やシーケンサ等の外部MIDI機器がMIDIケーブルにより接続される端子であり、パソコン等から出力されたMIDIデータは、端子17およびフォトカプラ18,シリアルI/O19を介して取り込まれる。また、MIDI OUTの端子21は、例えばパソコンとMIDIケーブルにより接続される端子であり、電子楽器本体1のシリアルI/O19,ドライバ20および端子17を介して出力されたMIDIデータがパソコンに送出される。なお、フォトカプラ18は端子17とシリアルI/O19とを直流的にアイソレーションする機能を有しており、ドライバ20はMIDIデータを増幅する機能を有している。また、シリアルI/O19はフォトカプラ18やスロット1,スロット2から供給されたシリアルデータをパラレルデータに変換してバスライン32に送出すると共に、バスライン32からのパラレルデータをシリアルデータに変換してドライバ20やスロット1,スロット2に送出する入出力手段である。22は、音源ボードやエフェクトボードのプラグインボードを装着することのできるスロット1であり、23も同様に音源ボードやエフェクトボードのプラグインボードを装着することのできるスロット2である。
【0017】
端子24はアナログ信号を入力する端子であり、アナログの楽音信号やマイクからの歌唱信号等が入力されるアナログIN端子である。端子24から入力されたアナログ信号は、アナログ/ディジタル変換器(A/D)25においてディジタル信号に変換され、生成された楽音データと後述するようにミキシングされて電子楽器本体1から出力され、サウンドシステム4から放音されるようになる。シリアルI/O26は、A/D25やスロット1,スロット2から供給されたシリアルデータをパラレルデータに変換してミキサ28に送出すると共に、ミキサ28からのパラレルデータをシリアルデータに変換してスロット1,スロット2に送出する入出力手段である。楽音発生器27は、システムCPU10の制御の基で音源レジスタに設定された発音パラメータに基づいて楽音を生成する音源である。この場合に生成される楽音の音色は、パネル表示器&SW6に備えられた音色選択ボタンを操作することにより、楽音発生器27が備える本体プリセットボイスや本体カスタムボイスの中から任意に選択することができる。選択された音色の音色データは、システムRAM12の発音エリアにセットされる。
【0018】
ミキサ28は、楽音発生器27により生成された楽音データやシリアルI/O26を介して供給されたプラグインボード2あるいはプラグインボード3からの楽音データ、さらには、DSP29により処理された楽音データを、設定された混合比でミキシングするミキサである。このミキサ28は、複数チャンネルの楽音データのミキシングを行うことができ、入力された複数の楽音データをチャンネル毎に異なる混合比でミキシングしてDSP29へ出力することができるようにされている。DSP(Digital Signal Processor)29は、ミキサ28から供給された複数チャンネルの楽音データに対してフィルタリング処理等を施している。DSP29ではフィルタリング処理のほかに、リバーブ、コーラス、バリエーション、ディストーション等のエフェクトを各チャンネルに付与することができる。DSP29は、複数チャンネルの楽音データを処理することが可能とされており、そのうちの2チャンネルはディジタルアナログ変換器(D/A)30への出力チャンネルになっている。すなわち、この出力チャンネルに供給された楽音データは、フィルタリング処理等が施された後、D/A30を介してアナログ信号に変換され、サウンドシステム4から放音されることになる。端子31は、D/A30から出力されるアナログの楽音信号を出力する端子である。
【0019】
ここで、電子楽器本体1のスロット1,スロット2に装着可能なプラグインボードの種類について説明する。プラグインボードには、次にあげる3種類がある。
(1)モノパート音源ボード
図1にプラグインボード2として示されているようなモノパート音源ボードは、音源部が単一のパートしか備えていないものである。MIDIでは1ポートあたり16チャンネル設定することができ、パートの演奏データを各MIDIチャンネルで送信可能であるが、モノパート音源はそのうち何れか一つのMIDIチャンネルの演奏だけに応答して1パートの楽音を生成する音源である。モノパート音源のプラグインボード2から出力される楽音信号は、電子楽器本体1における楽音発生器27の各パートと同様に扱われ、DSP29における各種エフェクトを使用することができる。
【0020】
(2)マルチパート音源ボード
マルチパート音源は、複数パートの楽音信号を生成することのできる音源であり、各パートの楽音信号をミキシングした状態で出力するものである。マルチパート音源は、16チャンネルのMIDIチャンネルのうち、複数のMIDIチャンネルの入力に応じて、対応する複数パートの楽音を生成することができる。
(3)エフェクトボード
電子楽器本体1のスロット2に装着されているプラグインボード3のようなエフェクトボードは、楽音信号にエフェクトを付与することのできるボードである。エフェクトボードには、1パートの楽音信号に対してハモリ効果等のエフェクトを付与するインサーションエフェクトを付与するボードと、複数パートの楽音信号のミキシング結果に対して3次元定位効果等の効果を付与するシステム・エフェクトを付与するボードとがある。
なお、上記(1)(2)であげた音源ボードは、上述したようにアナログモデリング音源、FM音源、波形メモリ音源、物理モデル音源等の音源種類の異なる音源を実現することができ、音源種類に応じてモノパート音源あるいはマルチパート音源とされている。
【0021】
次に、本発明の実施の形態にかかる図1に示す電子楽器本体1におけるパネル表示器&SW6の詳細構成を図3に示す。
図3において、パネル表示器&SW6には、液晶表示器等から構成されるドットマトリクス表示器DPが備えられている。このドットマトリクス表示器DPには、図4に示すような基本画面が表示されたり、音色選択時には図5あるいは図6に示すようなボイス選択画面が表示される。このドットマトリクス表示器DPの左右にはA〜Dの5つのボタンからなるLCDボタン1と、F〜Jの5つのボタンからなるLCDボタン2とが設けられており、その下にはアップキーとダウンキーをが組み合わされた8つのボタンからなるLCDボタン3が設けられている。さらに、LCDボタン2の右側にはスロット1およびスロット2に装着されたプラグインボードが備えるボードプリセットボイスやボードカスタムボイス、プラグインカスタムボイスをパートに設定する際に操作するボード音色選択ボタンB4が設けられている。
【0022】
このボード音色選択ボタンB4は、スロット1を選択するスロット1ボタン、スロット2を選択するスロット2ボタンと、音源ボードとされたプラグインボードが備えるボードプリセットボイスやボードカスタムボイスおよびプラグインカスタムボイスを選択する選択ボタン「1〜9」と、ボードプリセットボイスやボードカスタムボイスを選択する選択ボタン「D」から構成されている。なお、選択ボタン「1〜9」の各々の選択ボタンを操作することにより最大20音色の音色名が表示され、そのうちのいずれかの音色を選択することができる。
また、ボード音色選択ボタンB4の下には、電子楽器本体1に備えられた本体プリセットボイスや本体カスタムボイスをパートに設定するための本体音色選択ボタンB5が設けられている。この本体音色選択ボタンB5は、ピアノグループを選択するPiano選択ボタン、オルガングループを選択するOrgan選択ボタン、ギターグループを選択するGuitar選択ボタン、電子ピアノグループを選択するE.Piano選択ボタン、リードグループを選択するLead選択ボタン、ストリングスグループを選択するStringsボタンから構成されている。
【0023】
このほかに、パネルスイッチとして編集を指示するEditボタンB1、現在の選択状態から抜け出ることを指示するExitボタンB2、選択されている処理の実行を指示するGoボタンB3、スロット1やスロット2に装着されているプラグインボードが備えるボードカスタムボイスの音色データをフラッシュROM11に吸い上げることを指示するGetボタンB6、フラッシュROM11に保存されているボードカスタムボイスやプラグインカスタムボイスにおける修正データ等をディスクドライブ7を介してディスク8に保存させることを指示するSaveボタンB7、ディスク8に保存されているボードカスタムボイスやプラグインカスタムボイスにおける修正データ等をフラッシュROM11にロードすることを指示するLoadボタンB8が備えられている。
【0024】
次に、図4ないし図8に示すドットマトリクス表示器DPに表示された画面を参照しながら、図11(a)〜(f)に示す各操作をユーザが行う際の操作手順を説明する。
まず、図11(a)に示す電子楽器本体1の楽音発生器27に備えられている本体プリセットボイスのいずれかを、選択したパートに設定する音色選択を行う操作手順を説明する。この場合は、図4に示す基本画面の表示画面においてLCDボタン2のF〜Jのいずれかのボタンを操作して対応するパートを選択する。基本画面の表示画面では、図4に示すように上部に各パートに設定されている音色名やソング名およびスタイルが表示される。この場合、例えばパートは左パート、右第1パート、右第2パート、右第3パートの4パートとされており、左パートに音色名「Purple Org」の音色が設定され、右第1パートに音色名「Bright Piano」が設定され、右第2パートに音色名「Rock Organ」が設定され、右第3パートに音色名「Saw. Lead」が設定されている。また、ソング名は「SONG_001」とされており、スタイルは「Rock Shuffle」とされている。
【0025】
次いで、図11(a)に示すグループ選択操作が行われるが、このグループ選択操作は本体音色選択ボタンB5のいずれかのボタンを操作することにより行われる。ここで、本体音色選択ボタンB5の内のボタンStringsを操作したとする。この際に、ドットマトリクス表示器DPに表示される表示画面例が図5に示されている。図5に示す表示画面では、上端に「R1 Strings 」と表示され、右第1パート(R1)にストリングスグループの音色を設定する表示画面とされている。次いで、この表示画面が表示されている状態で、例えば、LCDボタン1のAボタンを操作すると、右第1パートにストリングスグループの内の音色名「Live! Strs」の音色が設定されるようになる。また、これに替えて例えば、LCDボタン2のFボタンを操作すると、右第1パートにストリングスグループの内の音色名「Solo Violin」の音色が設定されるようになる。なお、本体プリセットボイスにおけるストリングスグループの音色数は最大40音色とされており、表示画面の下部に表示されているページP1〜ページP4に対応するLCDボタン3を操作することにより、選択されたページの音色名が最大10音色ずつ表示されるようになる。図5に示す表示画面はページP1に属する音色名が10音色表示されている。
【0026】
なお、音色選択操作時にドットマトリクス表示器DPに表示される本体プリセットボイスの音色名情報は、その音色パラメータと共にフラッシュROM11に保存されており、音色名を書き込んだ音色マップのテーブルが作成されている。この音色マップは、後述するが図10に示すように横軸がプログラムチェンジ、縦軸がバンクナンバからなるマトリクスとされており、1つのバンクナンバと1つのプログラムチェンジとにより、その交差する位置の音色名を特定することができる。このような音色マップがバンクセレクトMSB毎に作成されてフラッシュROM11にテーブルとして格納されている。
【0027】
そして、上記音色選択操作を行うことにより、本体プリセットボイスのいずれかの音色が選択されたパートに設定されると、音色マップのテーブルを参照して選択された音色名のバンクナンバおよびプログラムチェンジに該当する音色データがフラッシュROM11から読み出されて、システムRAM12の発音用エリアに書き込まれるようになる。これにより、当該パートの演奏イベントが発生した際に楽音発生器27により、そのパートに選択された音色名の音色の楽音を生成することができるようになる。
上記した本体プリセットボイスのいずれかを、選択したパートに設定する音色選択操作は、パート選択→グループ選択→LCDボタン操作という簡単な操作および少ない手順数で行うことができるため、演奏中であっても選択したパートの音色選択操作を容易に行うことができるようになる。
【0028】
ここで音色マップについて説明すると、音色マップはプラグインボードが装着可能な電子楽器本体1が使用することのできる音色名等をマトリクス状に配列した音色のマップである。従って、音色マップには電子楽器本体1が備える本体プリセットボイスや本体カスタムボイスの音色名に加えて、電子楽器本体1に装着された音源ボードとされているプラグインボード2が備えるボードプリセットボイスやボードカスタムボイスの音色名が配列されている。この音色マップは、図10に一例を示すように横軸が0〜127のプログラムチェンジ、縦軸が0〜127のバンクナンバからなり、1つのバンクナンバと1つのプログラムチェンジとでその交差する位置の音色名を特定することができる。例えば、図10に示す音色マップにおいてはバンクセレクト=0とプログラムチェンジ=0により音色名Aを指定することができ、音色名B〜音色名Eも同様に1つのバンクナンバと1つのプログラムチェンジにより指定することができる。このような音色マップがバンクセレクトMSB毎に作成されて(図19に示す音色マップは、バンクセレクトMSB=50の例である)、フラッシュROM11にテーブルとして格納されている。また、音色マップには音色名に関連づけて、その音色を備える音源を特定するデバイスナンバDNが音色名情報と共に書き込まれている。
【0029】
このデバイスナンバDNには「0」、「1」、「2」、「7」の4つが定義されており、スロット1に装着されているプラグインボードのデバイスナンバDNが「1」とされ、スロット2に装着されているプラグインボードのデバイスナンバDNが「2」とされ、電子楽器本体1の楽音発生器27のデバイスナンバDNが「7」とされている。また、デバイスナンバDNが「0」とされる音源は存在せず、デバイスナンバDNとして「0」が書き込まれている音色は、いずれの音源でもサポートされていないことを意味することになる。
【0030】
ところで、プラグインボード2が備えるボードカスタムボイスの音色データは、プラグインボード2に内蔵された揮発性メモリであるRAMに保存されているため、電源を投入した際にはボードカスタムボイスが存在しておらず、ボードカスタムボイスを使用することができない。そこで、本発明の楽音生成装置においては、ボードカスタムボイスの音色データを不揮発性メモリであるフラッシュROM11に保存しておき、電源をオンした際にプラグインボード2が挿し替わっていない場合は、フラッシュROM11に保存されているボードカスタムボイスの音色データをプラグインボード2のRAMに書き込むようにしている。これにより、電源投入後に直ちにプラグインボードの音色を選択することができるようになる。なお、音色を選択する際に使用する音色マップもフラッシュROM11に保存されており、電源をオンした際にプラグインボード2が挿し替わっていない場合は、フラッシュROM11に保存されている音色マップを使用することができる。なお、プラグインボード2が挿し替わっている場合には、電源投入時にそのプラグインボードから得た音色名情報をフラッシュROM11に書き込むことにより音色マップを更新するようにしている。これにより、更新された音色マップを用いて電源投入後に直ちにプラグインボードの備える音色を選択することができるようになる。
【0031】
なお、プラグインボード2からフラッシュROM11に音色名情報をロードする際に、プラグインボード2から送出される音色名情報はバンクナンバ毎のデータとして送出される。このバンクナンバ毎のデータ例を図9(a)〜(c)に示す。図9(a)に示すデータは、バンクナンバBankが「0」のデータとされ、スロット1に装着されたプラグインボード2に備えられた音色の音色名情報であるため、デバイスナンバDNはスロット1を示す「1」とされている。また、バンクセレクトMSBは「50」とされている。このバンクナンバBankが「0」のデータは、プログラムチェンジに対応する0〜127の128のデータからなり、各データは“1”か“0”とされている。データが、データ“1”の場合はスロット1(DN=1)に装着されているプラグインボード2が、そのバンクナンバにおけるプログラムチェンジで特定される音色を備えていることが示され、データ“0”の場合は、そのバンクナンバにおけるプログラムチェンジで特定される音色をスロット1(DN=1)に装着されているプラグインボード2が備えておらず、その音色は当該プラグインボード2ではサポートされていないことが示されている。すなわち、図9(a)〜(c)に示すようなデータとされた場合は、スロット1(DN=1)に装着されているプラグインボード2が、バンクナンバBank=0でプログラムチェンジが「0」、「2」、「5」の音色、および、バンクナンバBank=1でプログラムチェンジが「2」の音色と、バンクナンバBank=2でプログラムチェンジが「0」の音色とを備えており、その他の音色はスロット1(DN=1)に装着されているプラグインボード2がサポートしていないことを意味している。そして、図9(a)〜(c)に示すデータを受けて作成された音色マップが図10に示す音色マップとなる。ここでは、バンクセレクトMSBが「50」の音色はプラグインボード2だけが備えているものとされており、図10において、スロット1(DN=1)に装着されているプラグインボード2でサポートされている音色がA〜Eで示されている。
【0032】
なお、本発明にかかる電子楽器本体1の電源をオンした際に更新可能とされるのは、音色マップだけではなく音色パラメータ名のテーブルも更新可能とされている。音色パラメータ名は、後述する音色エディット操作を行う際に、ドットマトリクス表示器DPに表示される情報である。音色パラメータ名を更新する際には、プラグインボード2が挿し替わっているか否かを検出して、プラグインボード2が挿し替わっていない場合は、フラッシュROM11に保存されている音色パラメータ名情報のテーブルを使用するようにする。また、プラグインボード2が挿し替わっている場合は、プラグインボードから音色パラメータ名情報をフラッシュROM11にロードする処理を行って、音色パラメータ名情報のテーブルを更新するようにする。これにより、電源投入後に直ちにプラグインボードの備える音色の音色パラメータ名を表示することができるようになる。
【0033】
次に、図11(b)に示す電子楽器本体1に装着することのできる音源ボードとされているプラグインボードに備えられているボードプリセットボイスやボードカスタムボイス、あるいは、これらのボイスを編集したプラグインカスタムボイスのいずれかをパートに設定する際にユーザが行う音色選択操作を説明する。音色選択操作を行う場合は、まず、図4に示す基本画面の表示画面においてLCDボタン2のF〜Jのいずれかのボタンを操作して対応するパートを選択する。次いで、ボード音色選択ボタンB4を操作する。この場合、スロット1に装着されているプラグインボードが備える音色をパートに設定する際は、ボタン「スロット1」を操作してからボタン「1」〜ボタン「9」あるいはボタン「D」のいずれかを操作する。また、スロット2に装着されているプラグインボードが備える音色をパートに設定する際は、ボタン「スロット2」を操作してからボタン「1」〜ボタン「9」あるいはボタン「D」のいずれかを操作する。ただし、ボタン「スロット1」とボタン「スロット2」のいずれか一方は選択状態となっており、選択されているスロットでよい場合は改めてそのボタンを操作する必要はない。なお、ボタン「1」〜ボタン「9」はプラグインボードが備えるボードプリセットボイスやボードカスタムボイスを選択する選択ボタンであり、ボタン「1」〜ボタン「9」により選択されたボイスは、電子楽器本体1において後述するオフセット編集可能とされている。ボタン「1」〜ボタン「9」には、1ボタンあたり最大20音色のボイスを割り当てられることができ、そのうちのいずれかのボイスを選択することができる。また、ボタン「D」はプラグインボードが備えるボードプリセットボイスやボードカスタムボイスを選択する選択ボタンであり、ボタン「D」により選択されるボイスは、電子楽器本体1において編集することはできない。ボタン「D」には、プラグインボードが備える任意の数のボイスを割り当てることができ、そのうちのいずれかのボイスを選択することができる。
【0034】
図1に示す例では、スロット1にプラグインボード2が装着されているため、ここではボタン「スロット1」を操作してスロット1を選択した後に、例えばボタン「1」を操作したとする。この際に、ドットマトリクス表示器DPにボタン「1」に割り当てられた音色の音色名が表示され、その表示画面例が図6に示されている。図6に示す表示画面では、上端の欄に「Slot1-Flash1」と表示され、スロット1に装着されているプラグインボード2が備えるボードカスタムボイスが選択されることが示されている。次いで、この表示画面が表示されている状態で、例えば、LCDボタン1のBボタンを操作すると、選択したパートにボードカスタムボイスのうちの音色名「Live! Orch」の音色が設定されるようになる。また、これに替えて例えば、LCDボタン2のGボタンを操作すると、そのパートにボードカスタムボイスのうちの音色名「Orch. Brass」の音色が設定されるようになる。なお、ボード音色選択ボタンB4におけるボタン「1」〜ボタン「9」に割り当て可能な音色数は最大20音色とされており、表示画面の下部に表示されているページP1,ページP2に対応するLCDボタン3を操作することにより、選択されたページの音色名が最大10音色ずつ表示されるようになる。図6に示す表示画面はページP1における音色名が10音色表示されている。
【0035】
なお、音色選択操作時にドットマトリクス表示器DPに表示される音源ボードとされたプラグインボードに備えられているボードプリセットボイスやボードカスタムボイスの音色名は、フラッシュROM11に保存されている上述した音色マップにおける音色名である。
また、ボード音色選択ボタンB4におけるボタン「1」〜ボタン「9」に割り当てられた音色のバンクナンバ+プログラムチェンジの情報は、スロット1とスロット2毎にフラッシュROM11に用意されているそれぞれのボタンの音色割当情報が格納される記憶領域に記憶されている。そして、上記音色選択操作を行うことにより、ドットマトリクス表示器DPに表示されたボードプリセットボイスおよびボードカスタムボイスのいずれかの音色が、選択されたパートに選択されると、上記フラッシュROM11に記憶されている選択された音色名に対応するバンクナンバ+プログラムチェンジの情報を、先に指定されたスロット1あるいはスロット2に装着されているプラグインボードに送出される。ここで、スロット1が選択されていれば、プラグインボード2に選択された音色名に対応するバンクナンバおよびプログラムチェンジが送出される。
【0036】
プラグインボード2では、そのバンクナンバおよびプログラムチェンジに該当する音色の音色データが、プラグインボード2に内蔵されたROMあるいはRAMから読み出されてRAMの発音用エリアに書き込まれるようになる。なお、選択された音色が音色データに修正データを付加することで編集されたプラグインカスタムボイスであった場合には、それぞれのボタンに割り当てられたフラッシュROM11の記憶領域にバンクナンバ+プログラムチェンジと共に修正データも記憶されており、この修正データもプラグインボード2に送出されるようになる。そして、バンクナンバおよびプログラムチェンジに該当する音色データ中の対応する音色パラメータが修正データにより修正されて、上記RAMの発音用エリアに書き込まれるようになる。これにより、当該パートの演奏イベントが発生した際に、そのパートに指定された音色の楽音がプラグインボード2において生成されるようになる。
上記した音源のプラグインボードに備えられている音色を、選択したパートに設定する音色選択操作は、パート選択→スロットSW操作→ボタン1〜9orD操作→LCDボタン操作という簡単な操作および手順で行うことができるため、演奏中であっても選択したパートの音色選択操作を容易に行うことができるようになる。
【0037】
ところで、図1に示すプラグインボード2のようにモノパート音源の場合には、1つのパートにしか音色を設定することはできない。すなわち、既にプラグインボード2が備える音色が他のパートに使用されている際には他のパートでプラグインボード2の音色を設定することができないことになる。そこで、本発明の楽音生成装置においては、選択された音色がモノパート音源の音色であって、既に他のパートに設定されていた場合でも、選択された音色が現在設定されている他のパートにおいて、その音色の使用を禁止して新たにその音色を選択したパートにモノパート音源の音色を設定するようにしている。この場合、他のパートにおいて設定されていたモノパート音源の音色を代替する音色があれば、代替音色を他のパートに割り当てるようにし、代替音色がなければ他のパートの発音をミュートするようにする。図1に示す構成では、代替音色は電子楽器本体1の楽音発生器27が備える音色となり、モノパート音源のプラグインボード2に替えて他のパートの楽音を楽音発生器27が生成するようになる。ただし、選択された音色が現在設定されている他のパートが、鍵盤5による手演奏のパートであった場合は、手演奏のパートの音色は変更せずに、新たに音色を選択したパートに選択された音色の代替音色を設定するようにする。代替音色がなければ新たに音色を選択したパートの発音をミュートするようにする。これは、手演奏の音色を演奏途中で変更することは好ましくないからである。
なお、選択されたモノパート音源の音色の使用を現在設定されている他のパートにおいて禁止して、新たにその音色を選択したパートに設定する際に、そのように設定してもよいかをユーザに問い合わせる「OK?」の表示を行って、ユーザの確認をとるようにしてもよい。
【0038】
また、音源のプラグインボードによってはシーケンス込みのボイスがあるプラグインボードがある。シーケンス込みのボイスとは、音色データに、波形形状やピッチ変化、音量エンベロープ変化等の通常のデータに加えて、アルペジオパターン等の複数の音符についての相対音高、発音タイミング、継続時間を示すパターンデータを含んでいる音色である。このシーケンス込みのボイスが選択されると、発音指示(ノートオン)に応じて、上記パターンデータに対応した複数のノートオン/ノートオフが発生するようになる。この場合、シーケンス込みのボイスがプラグインボードの音色であって、その音色を選択したパートの演奏データがMIDI INの端子17から直接プラグインボードに供給されると、プラグインボードの独自のタイミングで楽音が演奏されるようになる。すなわち、電子楽器本体1の楽音発生器27により生成される楽音のタイミングと同期しないようになる。そこで、本発明の楽音生成装置においては、MIDI INの端子17から入力されたMIDI信号と電子楽器本体1により発生されるMIDI信号とをマージしてプラグインボードに供給するようにしている。これにより、プラグインボードによる演奏と電子楽器本体1による演奏とを同期させることができるようになる。また、電子楽器本体1において自動演奏/自動伴奏を行う場合に、この自動演奏/自動伴奏のテンポクロックをプラグインボードに供給するようにしている。これにより、電子楽器本体1が行う自動演奏/自動伴奏にプラグインボードが行うシーケンス込みのボイスの持つパターンを同期させることができるようになる。
【0039】
次に、図11(c)に示すプラグインボードに備えられているボードプリセットボイスやボードカスタムボイスをオフセット編集する際にユーザが行う音色エディット操作を説明する。
説明にあたり、本発明にかかる電子楽器本体1における音色の編集について説明する。本発明にかかる電子楽器本体1においては、装着されたプラグインボードのROMやRAMの音色データ記憶領域に記憶されている音色パラメータの値は変更せずに、音色パラメータに修正データを付加することによる編集を行えるようにしている。すなわち、1つの音色データを構成している複数の音色パラメータのうちの変更したい音色パラメータを選択して、そのパラメータ値を修正した際に、音色パラメータの値は変更せずに修正分のデータ(以下、「修正データ」という)を保持しておくようにする。そして、その音色がボード音色選択ボタンB4におけるボタン「1」〜ボタン「9」のいずれかを操作することにより選択された際に、音色パラメータに修正データを反映させることにより編集された音色パラメータを得るようにする。このような編集を、以下「オフセット編集」といい、オフセット編集により編集されている音色をプラグインカスタムボイスと呼んでいる。このオフセット編集は、プラグインボードがRAMを備えていない場合にも行うことができる。なお、修正データは、フラッシュROM11にスロット毎に用意されているボタン「1」〜ボタン「9」の割当音色情報の記憶領域における編集された音色に対応するバンクナンバ+プログラムチェンジの情報に付加(バンクナンバ+プログラムチェンジ+修正データ)されて記憶される。すなわち、プラグインカスタムボイスは、ボード音色選択ボタンB4におけるボタン「1」〜ボタン「9」によってしか選択することができない。したがって、プラグインカスタムボイスは電子楽器本体1の演奏者だけが選択することができ、MIDI INの端子17からバンクセレクト+プログラムチェンジ情報を入力して音色マップを参照する方法ではプラグインカスタムボイスを選択することができない。
なお、音色パラメータの値そのものを編集することは、例えば電子楽器本体1に接続されたパソコン9により可能とされており、パソコン9において編集された音色パラメータからなる音色データは、パソコン9からプラグインボードのRAMにロードすることができるようにされている。このように、パソコン9で編集された音色は、ボードカスタムボイスと呼ばれる。このボードカスタムボイスは、電子楽器本体1の演奏者がボード音色選択ボタンB4における各ボタンを操作することにより選択することができると共に、MIDI INの端子17から入力されるバンクセレクト+プログラムチェンジ情報から音色マップを参照することにより選択することができる。
【0040】
なお、オフセット編集による修正データは、オフセット編集時には編集された音色の音色名情報に関連付けされてシステムRAM12上のワークエリアに保持されている。オフセット編集された音色の音色名は任意の音色名に付け直すことができ、音色名が変更されて、あるいは変更されずに修正データが、フラッシュROM11にスロット毎に用意されているボタン「1」〜ボタン「9」の割当音色情報の記憶領域における編集された音色に対応するバンクナンバ+プログラムチェンジの情報に付加(バンクナンバ+プログラムチェンジ+修正データ)されて記憶される。すなわち、編集された音色がボードカスタムボイスであった場合は、このボードカスタムボイスがプラグインカスタムボイスに置き換わることになる。これにより、オフセット編集された音色であるプラグインカスタムボイスは、ボード音色選択ボタンB4におけるボタン「1」〜ボタン「9」によって選択することができるようになる。
【0041】
図11(c)に戻り、プラグインボードに備えられているボードプリセットボイスやボードカスタムボイスをオフセット編集する音色エディット操作を説明する。
音色エディット操作を行う際には、図3に示すEditボタンB1を操作する。これにより、ドットマトリクス表示器DPに図7に示すカスタムボイスクリエータの表示画面が表示されるようになる。この表示画面では、上端の欄に「CUSTOM VOICE CREATOR:Solo Violin 」と表示され、音色名「Solo Violin」の音色が選択されて編集されることが示されている。表示画面では、「音色選択」ウィンドウ、「標準パラメータ」ウィンドウ、「個別パラメータ」ウィンドウ、「効果パラメータ」ウィンドウ、「保存」ウィンドウのいずれか1つを選択して表示できるようにされている。「音色選択」ウィンドウを選択して表示させることにより、オフセット編集する音色名を選択することができる。この「音色選択」ウィンドウを選択した場合に、表示される音色名はボード音色選択ボタンB4におけるスロット1およびスロット2毎にボタン「1」〜「9」に割り当てられた音色名とされる。ボタン「1」〜「9」毎に最大20音色割り当てることができることから、スロット1およびスロット2毎に最大180の音色名を表示して、いずれかの音色を選択することができる。
【0042】
図7では「標準パラメータ」ウィンドウが表示されているが、標準パラメータとは、プラグインボードの音源種類に関わらない音源における共通のパラメータである。図7に表示されている標準パラメータは、パラメータ1がフィルタのカットオフ周波数のパラメータFREQと、フィルタのレゾナンスのパラメータRESONANCEとされ、パラメータ2がエンベロープジェネレータ(EG)のアタックのパラメータATTACKと、ディケイのパラメータDECAYと、リリースのパラメータRELEASEとされている。これらのパラメータの現在の設定値がその下にバーグラフ状に示されている。この設定値は、下端に表示されたアップダウンマークに対応するLCDボタン2〜7のアップキーあるいはダウンキーのいずれかを操作することにより、任意に変更することができる。例えば、パラメータFREQは−64〜+64の間でオフセット編集可能とされており、LCDボタン2を操作して「+3」に編集したとすると、「+3」がオフセット編集における修正データとなる。この修正データは、システムRAM12にオフセット編集された音色名「Solo Violin」と関連づけられて保持される。他のパラメータも同様にしてオフセット編集することができる。標準パラメータには、上記した2つのパラメータ以外のパラメータがあり、これらのパラメータはLCDボタン1のボタンCを操作することにより画面が上にスクロールされて表示されるようになる。また、LCDボタン1のボタンBを操作することにより画面が下にスクロールされるようになる。
【0043】
次に、LCDボタン1を操作して「個別パラメータ」ウィンドウを、ドットマトリクス表示器DPに表示させた際の表示画面を図8に示す。個別パラメータは、プラグインボードの音源種類に応じた音源特有のパラメータであり、図8にはアナログシンセサイザーをモデリングしたアナログモデリング音源の個別パラメータが示されている。図8では、パラメータ「VCO2 PWM Depth」の下にアンダーラインが表示されて、このパラメータが選択されて編集可能とされていることが示されている。この際に、アップダウンマークUD2に対応するLCDボタン3のボタン6あるいはボタン7のアップキーまたはダウンキーを操作することにより、パラメータ「VCO2 PWM Depth」の値を修正してオフセット編集することができる。例えば、VALUEを「10」から「15」に変更したとすると、「+5」がオフセット編集における修正データとなる。この修正データは、システムRAM12にオフセット編集された音色名「Solo Violin」と関連づけられて保持される。他のパラメータも同様にしてオフセット編集することができる。他のパラメータを選択するには、アップダウンマークUD1に対応するLCDボタン4のアップキーあるいはダウンキーを操作すればよい。
【0044】
なお、音色エディットする際にドットマトリクス表示器GPに表示されるパラメータのパラメータ名は、プラグインボードが備えるボードプリセットボイスやボードカスタムボイスのパラメータ名であり、上述したように電子楽器本体1の電源投入時にプラグインボードからフラッシュROM11にロードすることができる。また、電源をオンした際にプラグインボードが挿し替わっていない場合は、ロードすることなくフラッシュROM11に保存されているプラグインボードの備えるボードプリセットボイスやボードカスタムボイスのパラメータ名情報のテーブルがそのまま使用される。このようにして得たパラメータ名情報が、音色エディット時にドットマトリクス表示器DPに表示されるようになる。なお、表示されるパラメータ値については、パラメータ名が表示される際に、該当するプラグインボードに問い合わせることにより表示されるパラメータ名に対応するパラメータ値を得て、パラメータ名と共に表示するようにしている。
【0045】
さらに、図示されていないがLCDボタン1を操作して「効果パラメータ」ウィンドウを表示させたとする。この場合は、エフェクトを付与するパートを選択して、付与するエフェクトの編集を行うことができる。エフェクトのエディットでは、リバーブ、コーラス、バリエーション、ディストーション等のエフェクトを編集することができる。
さらにまた、図示されていないがLCDボタン1を操作して「保存パラメータ」ウィンドウを表示させたとする。この場合は、表示画面においてオフセット編集した標準パラメータ、個別パラメータにおける編集データ、すなわちプラグインカスタムボイスにおける修正データを保存することができる。この場合、オフセット編集した音色の音色名を更新あるいは更新することなく保存することができる。また、編集した効果パラメータをフラッシュROM11に保存することもできる。
【0046】
次に、図11(d)に示すプラグインボードに備えられているボードカスタムボイスの音色データを電子楽器本体1のフラッシュROM11に吸い上げる際にユーザが行う吸い上げ操作を説明する。
プラグインボードに備えられているボードカスタムボイスの音色データをフラッシュROM11に吸い上げる操作を行う際には、図3に示すGetボタンB6を操作する。これにより、ドットマトリクス表示器DPに吸い上げの実行を継続するかを意味する「OK?」と表示され、ここでGoボタンB3を操作すると、プラグインボード2からボードカスタムボイスの音色データがフラッシュROM11に吸い上げられるようになる。この場合、ボードカスタムボイスはプラグインボード2のRAMに格納されており、フラッシュROM11のボードカスタムボイスを格納するエリアがクリアされた後で、この領域にプラグインボード2のRAMから読み出したボードカスタムボイスの音色データが書き込まれるようになる。
この吸い上げ操作は、プラグインボード2のRAMにパソコン等からボードカスタムボイスをロードした際に行うことが好適であり、これにより最新のボードカスタムボイスを保存することができるようになり、合わせてその音色名情報により音色マップを更新することにより、最新のボードカスタムボイスを使用することができるようになる。
【0047】
次に、図11(e)に示すフラッシュROM11に保存されているプラグインボードのボードカスタムボイスの音色データやプラグインカスタムボイスにおける修正データをディスクドライブ7のディスク8にセーブする際にユーザが行うセーブ操作を説明する。
フラッシュROM11に保存されているプラグインボードのボードカスタムボイスの音色データやプラグインカスタムボイスにおける修正データを、ディスク8にセーブする際には、図3に示すSaveボタンB7を操作する。これにより、ドットマトリクス表示器DPに「クイックセーブ」あるいは「完全セーブ」のいずれを選択するかの表示画面が表示される。ここで「クイックセーブ」を選択すると、フラッシュROM11に保存されているボードカスタムボイスの音色データを除くプラグインカスタムボイスにおける修正データやスタイルデータ等が、ディスクドライブ7のディスク8にセーブされる。また、「完全セーブ」を選択した場合は、プラグインボードのRAMに格納されている最新のボードカスタムボイスの音色データが一端フラッシュROM11に転送された後に、プラグインカスタムボイスにおける修正データやスタイルデータ等と共にディスクドライブ7のディスク8にセーブされるようになる。「完全セーブ」において、プラグインボードのRAM上に存在しているボードカスタムボイスの音色データに書き換えるのは、フラッシュROM11に保存されているボードカスタムボイスの音色データと同じであるとは限らないからである。
以上説明したユーザが行う操作において、その操作をキャンセルしたい場合は、ExitボタンB2を操作する。これにより、その操作をキャンセルすることができる。
【0048】
次に、電子楽器本体1におけるシステムCPU10が実行するCPUメイン処理を図12に示すフローチャートを参照しながら説明する。
電子楽器本体1の電源が投入されると、CPUメイン処理がスタートされる。そして、ステップS1にてスロット1およびスロット2にプラグインボードが装着されているか、装着されている場合は装着されているプラグインボードがどのような種別のボードであるのかおよびその特定情報が検出される。この場合、デバイスナンバDNが「1」に設定されてスロット1に装着されたプラグインボードの情報が検出され、次いで、デバイスナンバDNが「2」に設定されてスロット2に装着されたプラグインボードの情報が検出される。ここで、検出されたプラグインボードの種別や特定情報はシステムRAM12に記憶されるが、プラグインボードが音源ボードの場合は、モノパート音源/マルチパート音源の情報、選択可能な音色のナンバ(バンクセレクトMSB+バンクナンバ+プログラムチェンジ)が検出される。また、プラグインボードがエフェクトボードの場合は、選択可能なエフェクトのナンバが検出される。
なお、プラグインボードの検出および検出結果に基づく初期設定処理を電源投入時ではなく、ボード装着時、あるいは、定期的に行うようにして、電子楽器本体1の環境を最新の状態に維持するようにしてもよい。
【0049】
次いで、ステップS2にて初期設定処理が行われる。この初期設定処理は後述するが、スロット1およびスロット2に装着されているプラグインボードが挿し替わっているか否かが判定されて、挿し替わっている場合はプラグインボードから音色名情報および音色パラメータ名情報を得て、これに基づいて音色マップおよび音色パラメータ名のテーブルが更新される。初期設定処理が終了するとステップS3にて要因チェックが行われ、処理を行う要因が発生したか否かがステップS4にて判断される。ここで「要因」とは、例えば、MIDI INの端子17や鍵盤5からMIDI信号が入力されたことや、パネル表示器&SW6におけるパネルスイッチのボタンのいずれかを操作するイベントが発生したこと、その他のイベントが発生したこと等である。ステップS3およびステップS4では要因が発生したと判断されるまで待機されることになる。
【0050】
ここで、MIDI INの端子17や鍵盤5からMIDI信号が入力されて、ステップS4において要因有りと判断されると、ステップS5において要因がMIDI入力と判断されてステップS6に分岐する。ステップS6においてはMIDI入力されたMIDI信号に対応するイベント処理が行われる。例えば、MIDI信号がノートオンの場合は、ノートオンで指示されるパートの楽音を生成する楽音発生器27あるいはプラグインボード2に対して楽音の発生を指示し、MIDI信号がノートオフの場合は、ノートオフの入力に応じて楽音のリリース開始を指示する。また、プラグインボード2において発音するよう設定されているパートのMIDI信号が入力された際には、電子楽器本体1において発音を行わないよう制御する。さらに、MIDI信号がパート音量、エフェクトバランス等の制御入力の場合は、ミキサ28等において対応するミキサchを制御し、MIDI信号がエフェクト制御命令の入力の場合は、DSP29に設定されたマイクロプログラムや係数、及び、ミキサchの設定の変更を行うようにする。ただし、プラグインボードがエフェクトボードの場合、そのエフェクトボードで対応すべき制御命令については、電子楽器本体1においては制御を行わないようにする。
【0051】
また、パネル表示器&SW6におけるパネルスイッチのいずれかのボタンが操作されて、ステップS4において要因有りと判断されると、ステップS5において要因がSW入力と判断されてステップS7に分岐する。ステップS7においては、パネル表示器&SW6に表示された表示画面と、その際に操作されたLCDボタン1〜LCDボタン3,ボタンB1〜ボタンB8に応じたSW処理が行われる。例えば、パネル表示器&SW6のボタン操作に応じて入力されるエディット命令に応じてエディットを行う。この場合、電子楽器本体1が備える音色の音色データやエフェクトデータのエディットが指示された場合は、直接に指示されたデータの変更を行う。そして、プラグインボードが備える音色の音色データないしエフェクトデータの変更が指示された場合は、オフセット編集における修正データをプラグインボードに送出し、プラグインボードに内蔵されているCPUが、修正データを対応するパラメータに反映させてエディットされたパラメータを生成するようにしている。
さらに、その他の要因が発生されてステップS4において要因有りと判断されると、ステップS5において要因がその他と判断されてステップS8に分岐する。その他処理を行うステップS8においては、パンの時間変化やビブラートの時間変化等の楽音特性の時間変化を制御する処理やシステムCPU10による自動演奏/伴奏処理等が行われる。さらに、システムCPUが空いている際に行われる発音割当のための発音中の各チャンネルの音量モニタ処理や、トランケート順位付け等の処理を行うようにしてもよい。
【0052】
次に、CPUメイン処理におけるステップS2で実行される初期設定処理を図13に示すフローチャートを参照しながら説明する。
CPUメイン処理のステップS1の処理が終了すると、初期設定処理が開始されステップS10にてCPUメイン処理におけるステップS1にて検出されたプラグインボードの種別および特定情報と、フラッシュROM11上に保存されているプラグインボードの種別および特定情報とが比較される。次いで、ステップS11ないしステップS21からなるスロット1処理が実行される。スロット1処理におけるステップS11にて、ステップS10のスロット1に装着されたプラグインボードの種別および特定情報の比較において、スロット1に装着されているプラグインボードが一致しているか否かが判定される。ここで、スロット1に装着されているプラグインボードの種別および特定情報が一致しており、ステップS11にて一致していると判断されるとプラグインボードは挿し替えられていないと判断されてステップS12に進み、スロット1に装着されているプラグインボードがボードカスタムボイスを有しているか否かが判断される。ここで、フラッシュROM11においてスロット1に対応するデバイスナンバDNが「1」のボードカスタムボイス領域に音色データが格納されている場合は、YESと判定されてステップS13に進みフラッシュROM11に保存されているデバイスナンバ1に対応する領域から読み出されたボードカスタムボイスの音色データが、対応するスロット1に装着されているプラグインボードへ送出されて、プラグインボード内のRAMに書き込まれる。これにより、電源投入後に直ちにボードカスタムボイスのいずれかの音色をパートに設定して発音させることが可能となる。なお、ボードカスタムボイスは、電子楽器本体1に接続されたパソコン等で編集されたプラグインボードの音色であり、従来は電源投入後にパソコン等からプラグインボードのRAMに転送しなければ使用することができなかった。
【0053】
また、ステップS12にてボードカスタムボイスがないと判断された場合は、ステップS13の処理はスキップされる。
さらに、ステップS11にてステップS10の種別および特定情報の比較において、スロット1に装着されているプラグインボードが一致していないと判断された場合は、スロット1に装着されているプラグインボードが挿し替えられたと判断されてステップS14に進む。ステップS14では、フラッシュROM11におけるデバイスナンバDNが「1」のプラグインカスタムボイスがあるか否かが判断される。この場合、フラッシュROM11上にデバイスナンバDNが「1」に対応するオフセット編集にかかる修正データが保存されている場合は、プラグインカスタムボイスがあると判断されてステップS18に進む。ステップS18ではドットマトリクス表示器DPにデバイスナンバDNが「1」のプラグインカスタムボイスを消去してよいかを尋ねる「OK?」と表示され、ステップS19に進む。ステップS19ではそのプラグインカスタムボイスの修正データを消去してよいか否かが判断されるが、ここで、表示された「OK?」に対応するLCDボタンを操作すると、消去してよいと判断されてステップS20に進み、フラッシュROM11におけるデバイスナンバDNが「1」のプラグインカスタムボイスの修正データが保存されている領域がクリアされる。
【0054】
また、「OK?」が表示された際にExitボタンB2が操作されると、ステップS20にてNOと判断されてステップS21に分岐し、プラグインカスタムボイスに該当するスロット1に装着されているプラグインボードの発音が禁止されて、スロット1処理が終了される。この場合は、未だプラグインカスタムボイスの修正データをバックアップしておらずその修正データを消去したくない場合であり、修正データをバックアップすることを希望していると考えられる。そこで、スロット1処理を終了させて初期設定処理が終了した後に、上述したセーブ処理(クイックセーブ)をユーザが行うことにより、ディスク8にプラグインカスタムボイスの修正データをバックアップすることができるようになる。
そして、ステップS14にてプラグインカスタムボイスがないと判断された場合と、ステップS20の処理が終了した場合は、ステップS15に進んでフラッシュROM11に格納されている音色名テーブルおよびパラメータ名テーブルが初期化される。次いで、ステップS16にてスロット1に装着されているプラグインボードから音色名情報およびパラメータ名情報を取り込んで、初期化されたテーブルに書き込む。これにより、スロット1に装着されている挿し替えられたプラグインボードに対応するように音色マップおよびパラメータ名テーブルが更新されることになる。
【0055】
このステップS17の音色マップ更新処理が終了した場合、あるいは、ステップS13の処理が終了した場合は、ステップS11ないしステップS21からなるスロット1処理が終了するようになり、続いてステップS22にてスロット2処理が実行される。スロット2処理はスロット2に装着されているプラグインボードに対して行われる点を除いて、その処理はスロット1と同様とされるので、その説明は省略する。次いで、ステップS23にて各種レジスタのクリアや各パートのデフォルト音色の設定等のその他初期化処理が行われる。これにより初期設定処理が終了し、CPUメイン処理のステップS3にリターンする。
【0056】
次に、図11(a)に示す電子楽器本体1が備える本体プリセットボイスの音色設定操作をユーザが行う際に、CPU10が実行する音色選択イベント処理(その1)を図14に示すフローチャートを参照して説明する。
ドットマトリクス表示器DPに図4に示す基本画面を表示すると、音色選択イベント処理(その1)をスタートできるようになり、ここでLCDボタン2のF〜Jのいずれかを操作して音色選択するパートを選択すると、ステップS31にてそのパートが現在パートPTとされる。次いで、本体音色選択ボタンB5のいずれかを操作することによりグループ選択操作が行われ、図5を参照して説明したように表示されたグループの中からLCDボタン1あるいはLCDボタン2のいずれかを操作することにより1つの音色が選択される。この選択された音色の音色番号がステップS32において、現在パートPTの音色番号TC(PT)として設定される。この場合に選択された音色は本体電子楽器1の楽音発生器27が備える音色であるので、ステップS33にて現在パートPTのデバイスナンバDN(PT)として、楽音発生器27を示す“7”が設定される。これにより、選択された本体プリセット音色が選択されたパートに設定されて、音色選択イベント処理(その1)は終了する。
【0057】
次に、モノパート音源のプラグインボードに備えられているボードプリセットボイスやボードカスタムボイス、あるいは、これらのボイスを編集したプラグインカスタムボイスの音色選択操作をユーザが行う際に、CPU10が実行する音色選択イベント処理(その2)を図15に示すフローチャートを参照して説明する。
ドットマトリクス表示器DPに図4に示す基本画面を表示すると、音色選択イベント処理(その2)をスタートできるようになり、ここでLCDボタン2のF〜Jのいずれかのボタンを操作して音色選択するパートを選択すると、ステップS41にてそのパートが現在パートPTとされる。次いで、選択したい音色を備えているプラグインボードを選択するようにボード音色選択ボタンB4のボタン「スロット1」あるいはボタン「スロット2」を操作する。ボタン「スロット1」を操作すると、スロット1に装着されたプラグインボードが備える音色を選択可能とされ、ボタン「スロット2」を操作すると、スロット2に装着されたプラグインボードが備える音色を選択可能とされる。この場合、初期状態においてボタン「スロット1」およびボタン「スロット2」のいずれかが選択状態となっているので、選択したいボタンが選択状態となっている際には、改めてそのボタンを操作する必要はない。
【0058】
次いで、ボードカスタムボイスを選択する場合はボード音色選択ボタンB4のボタン「1」〜ボタン「9」いずれか、あるいはボタン「D」を操作して、そのボタンに割り当てられている音色名を表示させる。そして、図6を参照して説明したように表示された音色名のうちの選択したい音色名に対応するLCDボタン1あるいはLCDボタン2を操作して、所望の音色を選択する。さらに、ステップS42では上記音色の選択時にボタン「スロット1」が操作されてスロット1に装着されたプラグインボードが備える音色が選択されている場合は、デバイスナンバDNが「1」とされるスロット1に装着されたプラグインボードが備える音色を使用しているパートPTXが検出され、上記音色の選択時にボタン「スロット2」が操作されてスロット2に装着されたプラグインボードが備える音色が選択されている場合は、デバイスナンバDNが「2」とされるスロット2に装着されたプラグインボードを使用している使用中パートPTXが検出される。
【0059】
次いで、ステップS43にて該当する使用中パートPTXが検出されたか否かが判断され、使用中パートPTXが検出された場合はステップS47に分岐する。このステップS47にて現在パートPTが手演奏に割り当てられているか否かが判断され、ここで、現在パートPTが手演奏とされていないと判断されると、ステップS50に分岐して使用中パートPTXが手演奏に割り当てられているか否かが判断される。ここで、使用中パートPTXが手演奏に割り当てられていると判断されると、手演奏に割り当てられている音色を変更することは禁止されているので使用中パートPTXの音色は変更せずに、ステップS51に進んで現在パートPTに代替音色を設定する代替音色処理が行われる。この代替音色処理では、選択された音色に代替することのできる代替音色があれば、その代替音色を備える音源のデバイスナンバDNが現在パートPTのデバイスナンバDN(PT)として設定される。さらに、LCDボタン1あるいはLCDボタン2を操作して選択した音色に対応する代替音色の音色ナンバが現在パートPTの音色番号TC(PT)として設定される。
【0060】
この場合、代替音色は標準音源仕様とされているGM(General MIDI)音源の音色が選択される。GM音源の音色はバンクセレクトMSBが00、バンクナンバが0に割り当てられた128音色とされている。例えば、現在パートPTに選択した音色の音色ナンバがバンクセレクトMSB=50、バンクナンバ=0、プログラムチェンジ=41の音色名「Violin」とされていた場合の代替音色の音色ナンバは、バンクセレクトMSB=00、バンクナンバ=0、プログラムチェンジ=41の音色名「Violin」とされる。このように、代替音色の音色ナンバは、一般にバンクセレクトMSBだけが異なるようになる。また、図1に示す構成の場合は、楽音発生器27が通常はGM音源を備えているので、代替音色の音源を示すデバイスナンバDNは「7」とされる。なお、代替音色が存在しない場合は、現在パートPTはミュートされる。
【0061】
また、ステップS50にて使用中パートPTXが手演奏のパートではないと判断されると、使用中のパートPTXに設定されていた音色を現在パートPTに設定すべくステップS48にて、使用中のパートPTXの代替音色があるか否かが判断される。ここで、GM音源等があり代替音色がある場合は、ステップS49へ進んでその代替音色を備える音源のデバイスナンバDNが使用中パートPTXのデバイスナンバDN(PTX)として設定される。さらに、LCDボタン1あるいはLCDボタン2を操作して選択した音色に対応する代替音色の音色ナンバTCが使用中パートPTXの音色番号TC(PTX)として設定される。さらに、ステップS48にて代替音色が存在しないと判断された場合は、ステップS52に分岐して使用中パートPTXはミュートされる。
さらにまた、ステップS47にて現在パートPTが手演奏のパートであると判断された場合は、使用中のパートPTXに設定されていた音色を現在パートPTに設定すべくステップS48に進んで、上述した処理が行われる。
【0062】
ここで、ステップS43にて使用中のパートPTXがないと判断された場合、および、ステップS49あるいはステップS52の処理が終了した場合は、ステップS44に進んでLCDボタン1あるいはLCDボタン2を操作して選択した音色の音色ナンバが現在パートPTの音色番号TC(PT)として設定される。次いで、ステップS45に進んで選択された音色を備える音源のデバイスナンバDNが現在パートPTのデバイスナンバDN(PT)として設定され、ステップS46に進む。ステップS46では、現在パートの楽音を選択された音色で生成できるように、その音色を備えるデバイスナンバDNのプラグインボードに、現在パートPTに設定された音色ナンバTC(PT)が通知される。これにより、そのプラグインボードのRAMの発音エリアに現在パートPTに設定された音色の音色パラメータが設定されるようになる。さらに、音色ナンバTC(PT)の音色がオフセット編集されたプラグインカスタムボイスである場合は、オフセット編集における修正データも当該プラグインボードに送られる。そして、修正データにより選択された音色ナンバに対応する音色パラメータが修正されて、プラグインボードのRAMの発音エリアに設定される。これにより、オフセット編集により編集された現在パートPTに選択された音色の楽音を生成することができるようになる。そして、ステップS46あるいはステップS51の処理が終了すると、音色選択イベント処理(その2)が終了する。
なお、上記したステップS48およびステップS51においては、代替音色がある場合には代替音色をそのパートに設定するようにしているが、これに替えて代替音色の有無に関わらずそのパートをミュートするようにしてもよい。
【0063】
以上説明したように、音色選択イベント処理(その2)ではプラグインボードの音源がモノパート音源であった場合は、使用中パートPTXがあって、その使用中パートPTXが手演奏のパートの場合は、選択したパートPTにその音色を割り当てないようにしている。また、選択したパートPTが手演奏のパートの場合は、無条件で選択した音色をそのパートPTに割り当てるようにしている。これにより、演奏中の手演奏の楽音を聞いた際に違和感を感じることのない音色選択操作を行うことができる。なお、プラグインボードの音源がマルチパート音源であった場合は、2以上のパートに音色を割り当てることができるため、使用中のパートPTXと新たに選択されたパートPTに、それぞれプラグインボードが備える音色を設定することができる。
【0064】
次に、プラグインボードに備えられているボードカスタムボイスの音色データを電子楽器本体1のフラッシュROM11に吸い上げる操作をユーザが行う際に、CPU10が実行する吸い上げ指示イベント処理を図16(a)に示すフローチャートを参照して説明する。
図3に示すGetボタンB6を操作すると、吸い上げ指示イベント処理が起動されてドットマトリクス表示器DPに吸い上げの実行を継続するかを意味する「OK?」と表示される。ここでGoボタンB3を操作すると、ステップS51にて格納先であるフラッシュROM11にボードカスタムボイスの音色データが格納されているか否かが判断される。ここで、ボードカスタムボイスの音色データがフラッシュROM11上に格納されている場合は、ステップS53に分岐してフラッシュROM11上の指定されたプラグインボード用に確保されているボードカスタムボイス領域がクリアされる。この場合、そのボードカスタムボイス領域は、プラグインボードが装着されているスロットに対応するデバイスナンバDNから特定することができる。
【0065】
次いで、ステップS52にて上記指定されたデバイスナンバDNのプラグインボードからボードカスタムボイスを受け取ってフラッシュROM11における指定されたプラグインボード用のボードカスタムボイス領域に書き込む。また、ステップS51にて格納先であるフラッシュROM11にボードカスタムボイスの音色データが格納されていない場合は、ステップS53の処理をスキップして上記したステップS52の書込処理を行う。ステップS52の処理が終了すると、吸い上げ指示イベント処理は終了する。
【0066】
次に、フラッシュROM11に保存されているプラグインボードのプラグインカスタムボイスにおける修正データ等をディスクドライブ7のディスク8にクイックセーブするクイックセーブ操作をユーザが行う際に、CPU10が実行するクイックセーブ指示イベント処理を図16(b)に示すフローチャートを参照して説明する。
図3に示すSaveボタンB7を操作すると、ドットマトリクス表示器DPに「クイックセーブ」あるいは「完全セーブ」のいずれのセーブモードを選択するかの表示画面が表示される。ここで「クイックセーブ」を選択すると、クイックセーブ指示イベント処理が起動されて、ステップS61にてフラッシュROM11に保存されているプラグインカスタムボイスにおける修正データやスタイルデータのデータ等が、ディスクドライブ7のディスク8にセーブされる。ただし、セーブする際にボードカスタムボイスの音色データは除かれる。ステップS61の処理が終了すると、クイックセーブ指示イベント処理は終了する。
上記したクイックセーブ指示イベント処理は、図13に示す初期設定処理におけるスロット1処理のステップS19においてNOと判断された場合に、初期設定処理が終了した後で実行することにより、挿し替え前のプラグインボードのプラグインカスタムボイスの修正データをセーブすることができるようになる。
【0067】
次に、フラッシュROM11に保存されているプラグインボードのボードカスタムボイスの音色データやプラグインカスタムボイスにおける修正データをディスクドライブ7のディスク8に完全セーブする完全セーブ操作をユーザが行う際に、CPU10が実行する完全セーブ指示イベント処理を図17に示すフローチャートを参照して説明する。
図3に示すSaveボタンB7を操作すると、ドットマトリクス表示器DPに「クイックセーブ」あるいは「完全セーブ」のいずれのセーブモードを選択するかの表示画面が表示される。ここで「完全セーブ」を選択すると、完全セーブ指示イベント処理が起動されて、ステップS71にて図16(a)に示す吸い上げ指示イベント処理と同様の処理が実行される。これにより、フラッシュROM11に最新のボードカスタムボイスの音色データが保存されることになる。次いで、ステップS72にてフラッシュROM11に保存されているボードカスタムボイスおよびプラグインカスタムボイスにおける修正データを含む音色データ、スタイルデータのデータ等が、ディスクドライブ7のディスク8にセーブされる。このステップS72の処理が終了すると、完全セーブ指示イベント処理は終了する。
【0068】
次に、電子楽器本体1において各種のイベントが発生した際にシステムCPU10が実行するイベント関連処理を図18に示すフローチャートを参照しながら説明する。
MIDI INの端子17からMIDI信号が入力されると、データ受信イベント処理(MIDI I/O)が起動されて、ステップS81にてフォトカプラ18またはシリアルインターフェース19を介してパラレルのMIDI信号のイベントを受け取るようになる。また、電子楽器本体1において自動演奏/伴奏を行う際には演奏イベント処理(シーケンサ)が起動されて、ステップS82にて発生した演奏イベントを受け取るようになる。さらに、鍵盤5により演奏する際には鍵盤操作イベント処理(手演奏)が起動されて、ステップS83にて検出された鍵操作のイベントを受け取るようになる。これらのデータ受信イベント処理(MIDI I/O)、演奏イベント処理(シーケンサ)、鍵盤操作イベント処理(手演奏)は同時に起動可能とされており、これらの処理が実行されることにより時々刻々と発生するイベントはマージされて、イベント毎に処理されるようになる。
【0069】
すなわち、マージされた後にステップS84にて処理されるイベントのイベント種別が判断される。ここで、イベントがバンクセレクトやプログラムチェンジのデータとされている場合は、イベント種別が音色選択イベントと判断されてステップS85に進む。この音色選択イベントには(バンクセレクトMSB+バンクナンバ+プログラムチェンジ)のデータが含まれており、ステップS85にてフラッシュROM11に格納されている音色マップを参照して、上記データに対応するデバイスナンバDNを得る。次いで、ステップS86においてステップS85において得られたデバイスナンバDNから電子楽器本体1に備えられた本体音色の音色選択イベントか、プラグインボードに備えられた音色の音色選択イベントかが判断される。ここで、デバイスナンバDNとして「7」が得られており本体音色の音色選択イベントと判断されると、ステップS87に進んで図14に示す音色選択イベント処理(その1)と同様の音色選択処理が行われる。ここで、実行される音色選択処理と、図14に示す音色選択イベント処理(その1)とで異なる点は、図14に示す音色選択イベント処理(その1)では、サポートしていない音色名は表示されず選択することができない。しかし、ステップS87の音色選択処理ではバンクセレクトMSB+バンクナンバ+プログラムチェンジで選択される音色を選択することができるため、サポートしていない音色も選択されてしまうことである。
【0070】
また、得られたデバイスナンバDNが「1」あるいは「2」とされてステップS86にてプラグインボードが備える音色の音色選択イベントと判断された場合は、ステップS88に進んで図15に示す音色選択イベント処理(その2)と同様の音色選択処理が行われる。ここで、実行される音色選択処理と、図15に示す音色選択イベント処理(その2)とで異なる点は、上記と同様であり図15に示す音色選択イベント処理(その2)では、サポートしていない音色名は表示されず選択することができないが、ステップS88の音色選択処理ではバンクセレクトMSB+バンクナンバ+プログラムチェンジで選択される音色を選択することができるため、サポートしていない音色も選択されてしまうことである。
なお、サポートされていない音色が選択された場合は、そのパートはミュートされることになる。
【0071】
さらに、ステップS84にてイベント種別が自動演奏/伴奏の際に発生されるテンポクロックイベントであった場合は、ステップS89へ進んでデバイスナンバDNが1と2のプラグインボードにテンポクロックが送出される。これにより、スロット1およびスロット2に装着されているプラグインボードは、受け取ったテンポクロックに基づいて楽音を生成するようになるため、これらのプラグインボードにおいてシーケンサ込みのボイスの音色が選択されていても、電子楽器本体1の演奏にプラグインボードのボイスの持つパターンを同期させることができるようになる。次いで、ステップS90にて楽音発生器27においてテンポクロックに基づいて自動演奏/伴奏の楽音が生成されるようになる。
【0072】
さらにまた、ステップS84にてイベント種別が演奏イベント等のその他のイベントと判断された場合は、ステップS91へ進んでイベントを送出する必要があるか否か、および、電子楽器本体1における処理が必要か否かが決定される。この決定では、イベントが演奏イベントであって演奏イベントのパートがプラグインボードに設定されている場合は、当該プラグインボードへ送出する必要があると共に電子楽器本体1における処理が必要でないと決定され、イベントが演奏イベントであって演奏イベントのパートが本体電子楽器1に設定されている場合は、演奏イベントを送出する必要がないと共に電子楽器本体1における処理が必要と決定される。次いで、ステップS92にて送出する必要があると決定されているか否かが判断され、ステップS91にて送出する必要があると決定されている場合は、ステップS93へ進んで決定された送出先へそのイベントを送出する。また、ステップS91にて送出する必要がないと決定されている場合は、ステップS93をスキップしてステップS94へ進み、電子楽器本体1における処理が必要と決定されているか否かが判断される。ここで、ステップS91にて電子楽器本体1における処理が必要と決定されている場合は、ステップS95へ進んで電子楽器本体1において当該イベントの処理が行われる。また、電子楽器本体1における処理が必要でないと決定されている場合は、ステップS95の処理はスキップされる。ステップS87,ステップS88,ステップS90,ステップS94あるいはステップS95の処理が終了すると電子楽器本体1において各種のイベントが発生した際にシステムCPU10が実行するイベント関連処理が終了する。このようなイベント関連処理は、イベントが発生する毎に起動されて実行される。
【0073】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように、フラッシュROM等の不揮発性メモリに音色名情報および音色パラメータ名情報を保存しておくようにしたので、必要とする度に問い合わせすることなく音色名情報および音色パラメータ名情報を得ることができる。この場合、プラグインボードが挿し替えられると、プラグインボードで指定可能な複数の音色名およびパラメータ名に、一括して不揮発性メモリの保存内容が更新されるようにしたので、プラグインボードを挿し替えてもプラグインボードが備える音色を使用することができるようになる。
【0074】
また、プラグインボードが備えるカスタムボイスの音色情報を、本体の不揮発性メモリにバックアップすることができる。これにより、本体の電源がオンされたときに、バックアップされたカスタムボイスの音色情報を、プラグインボードに書き込むことができ、電源をオンした後で外部から転送することなく、直ちにカスタムボイスの音色情報を使用可能とすることができる。この場合、電源オン時に、装着されているプラグインボードから得たプラグインボード特定情報と、不揮発性メモリに保存されているプラグインボード特定情報との一致を検出して、一致する場合にプラグインボードが挿し替えられていないと判断して、バックアップされたカスタムボイスの音色情報をプラグインボードに書き込むようにしてもよい。さらに、不揮発性メモリに保存されているカスタムボイスの音色情報を、外部記憶媒体に保存することもでき、さらにまた、外部記憶媒体に保存されているカスタムボイスの音色情報を不揮発性メモリにロードすることができるようにされている。これにより、カスタムボイスの音色情報を失うことを防止することができる。
【0075】
さらにまた、プラグインボードが備える音色の音色データに任意の修正データを付加することで音色を編集するオフセット編集手段を設けるようにしたので、本体においてもプラグインボードが備える音色を編集することができる。このオフセット編集手段では、音色パラメータそのものの値を変更しないので、外部で行われるエディットと競合しないようになる。また、オフセット編集された音色が選択された際には、選択された音色の音色番号と、選択された音色の修正データとがプラグインボードに送出されるので、プラグインボードにおいて音色データを修正データで修正したオフセット編集後の音色の楽音を生成することができるようになる。
【0076】
さらにまた、プラグインボードがモノパート音源であった場合に、モノパート音源の音色が一のパートで選択されているとき、後から他のパートで同じモノパート音源の音色が指定された際に、一のパートを発音禁止(ミュート)に設定するとともに、指定されたモノパート音源の音色を他のパートに設定するようにしている。この場合、一のパートを別の音源の代替音色に変更するようにしてもよい。これにより、ユーザが一のパートの設定を変更することなく、モノパート音源であっても他のパートにその音色を設定することができるようになる。さらに、手演奏のパートにモノパート音源の音色が選択されている場合には、他のパートでモノパート音源の音色が指定されても他のパートにモノパート音源の音色を設定することを禁止している。これにより、演奏中の手演奏の音色が変更しないようになるので、手演奏の演奏楽音に違和感を感じないようにすることができる。
【0077】
さらにまた、外部から供給されるMIDI信号等の演奏情報と、本体で発生するMIDI信号等の演奏情報とをマージして、本体の楽音発生手段やプラグインボードに供給するようにしている。これにより、本体側の演奏にプラグインボードの楽音を同期させることができる。この場合、本体側で自動伴奏/自動演奏を行う際のテンポクロックをプラグインボードへ供給するようにすると、本体の自動伴奏/自動演奏にプラグインボードの音色としてシーケンサ込みのボイスが選択されていても、そのボイスの持つパターン演奏を本体の演奏に同期させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の楽音生成装置の実施の形態にかかる電子楽器の構成例を示す図である。
【図2】 本発明の楽音生成装置の実施の形態にかかるシステム全体の構成を示す図である。
【図3】 本発明の実施の形態にかかる電子楽器本体におけるパネル表示器&SW6の詳細構成を図である。
【図4】 本発明の実施の形態にかかる電子楽器本体におけるパネル表示器&SW6に表示される基本画面を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態にかかる電子楽器本体におけるパネル表示器&SW6に表示される電子楽器本体のボイス選択画面を示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態にかかる電子楽器本体におけるパネル表示器&SW6に表示されるプラグインボードのボイス選択画面を示す図である。
【図7】 本発明の実施の形態にかかる電子楽器本体におけるパネル表示器&SW6に表示される標準パラメータエディット画面を示す図である。
【図8】 本発明の実施の形態にかかる電子楽器本体におけるパネル表示器&SW6に表示される独自パラメータエディット画面を示す図である。
【図9】 本発明の楽音生成装置の実施の形態においてプラグインボードから送出されるバンクナンバ毎のデータの構成例を示す図である。
【図10】 本発明の楽音生成装置の実施の形態における音色マップの一例を示す図である。
【図11】 本発明の実施の形態にかかる電子楽器本体において、ユーザが行う各種操作を説明するための図である。
【図12】 本発明の実施の形態にかかる電子楽器本体において、システムCPUが実行するCPUメイン処理のフローチャートである。
【図13】 CPUメイン処理のステップS2にて実行される初期設定処理のフローチャートである。
【図14】 本発明の実施の形態にかかる電子楽器本体において、システムCPUが実行する音色選択指示イベント処理(その1)のフローチャートである。
【図15】 本発明の実施の形態にかかる電子楽器本体において、システムCPUが実行する音色選択指示イベント処理(その2)のフローチャートである。
【図16】 本発明の実施の形態にかかる電子楽器本体において、システムCPUが実行する吸い上げ指示イベント処理、および、クイックセーブ指示イベント処理のフローチャートである。
【図17】 本発明の実施の形態にかかる電子楽器本体において、システムCPUが実行する完全セーブ指示イベント処理のフローチャートである。
【図18】 本発明の実施の形態にかかる電子楽器本体において、イベントが発生した際にシステムCPUが実行するイベント関連処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 本体電子楽器、2,3 プラグインボード、4 サウンドシステム、5 鍵盤、6 パネル表示器&SW、7 ディスクドライブ、8 ディスク、9 パソコン、10 システムCPU、11 フラッシュROM、12 システムRAM、13 タイマ、14 I/O、15 I/O、16 I/O、17 端子、18 フォトカプラ、19 シリアルI/O、20 ドライバ、21 端子、22スロット1、23 スロット2、24 端子、25 A/D、26 シリアルI/O、27 楽音発生器、28 ミキサ、29 DSP、30 D/A、31端子、32 バスライン

Claims (4)

  1. 複数のスロットを有し、各スロットにプラグインボードを装着可能な楽音生成装置であって、
    演奏情報に基づいて複数のスロットに各々装着されたプラグインボードおよび内部に備えられている楽音発生手段により楽音を生成させる楽音生成手段と、
    前記複数のスロットに装着された複数のプラグインボードが記憶するカスタムボイスの音色データと当該プラグインボードの特定情報とを、それぞれ各スロットに対応させて保存可能な不揮発性メモリと、
    各スロットに装着されているプラグインボードの備える揮発性メモリに記憶されたカスタムボイスの音色データを、前記不揮発性メモリに保存することのできる保存手段と、
    電源がオンされたときに、各スロットに装着されているプラグインボードから得たプラグインボード特定情報と、前記不揮発性メモリに保存されている当該スロットのプラグインボードの特定情報との一致を検出する検出手段とを備え、
    該検出手段において一致すると検出された際には、前記不揮発性メモリに保存されていた当該スロットの前記プラグインボードに関するカスタムボイスの音色データを、当該スロットに装着されたプラグインボードの備える揮発性メモリに書き込むようにしたことを特徴とする楽音生成装置。
  2. 前記不揮発性メモリに保存されているカスタムボイスの音色情報を、外部記憶媒体にセーブすることができると共に、外部記憶媒体に保存されているカスタムボイスの音色情報を前記不揮発性メモリにロードすることができるようにされていることを特徴とする請求項1記載の楽音生成装置。
  3. プラグインボードを装着可能な楽音生成装置であって、
    演奏情報に基づいて装着されたプラグインボードおよび内部に備えられている楽音発生手段により楽音を生成させる楽音生成手段と、
    プラグインボードおよび内部に備えられている楽音発生手段により生成される楽音の音色を選択する音色選択手段とを備え、
    装着されたプラグインボードがモノパート音源であった場合に、手演奏のパートで選択されている該プラグインボードにおける音色が、前記音色選択手段により他のパートに指定された際は、前記他のパートが発音禁止に設定されることを特徴とする楽音生成装置。
  4. 前記他のパートが発音禁止に設定されることに替えて、前記他のパートが別のプラグインボードあるいは前記楽音発生手段における代替音色に変更されて発音されるようにしたことを特徴とする請求項記載の楽音生成装置。
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