以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[請求項1〜8の発明に係る実施の形態]
<第1の実施の形態>
第1図は第1の実施の形態に係る浴室排水装置を備えた浴室の模式的な斜視図、第2図はこの浴室排水装置の上方からの斜視図、第3図はこの浴室排水装置の下方からの斜視図、第4図は第1図のIV−IV線に沿う縦断面図、第5図は第4図のV−V線に沿う水平断面図、第6図〜第8図は第5図の切替弁付近の拡大図、第9図(a)は絞り部材の斜視図、第9図(b)は第9図(a)のB−B線に沿う断面図である。
なお、第6図は切替弁が浴槽排水流路を閉鎖した状態を示し、第7図は切替弁が浴槽パン排水流路を閉鎖した状態を示している。第8図は絞り部材を浴槽パン排水流路から取り外した状態を示している。
第1図の通り、浴室の床は浴槽パン1と洗い場パン2とによって構成され、この浴槽パン1上に浴槽3が設置されている。浴槽パン1の底部には排水ソケット4が取り付けられている。洗い場パン2の浴槽3側に排水枡(図示略)が形成されている。この排水枡は洗い場パン2と一体に凹み状に形成されており、その上面には排水目皿5が覆設されている。この排水枡に対し下側から排水トラップ10が連結されている。
排水トラップ10の上面部には、洗い場2側からの排水が排水枡を通り流入する洗い場排水受入口A(第2,4図)が設けられている。排水枡の底側には結合フランジ8(第1図)が取り付けられ、この結合フランジ8が洗い場排水受入口Aに螺着されることにより、排水トラップ10の上端が排水枡に連結されている。符号13は、洗い場排水受入口Aの内周縁に設けられた、該結合フランジ8が螺着される雌ねじを示している。この結合フランジ8を通して排水トラップ10内に上方から着脱可能にヘアキャッチャー(図示略)が差し込まれている。このヘアキャッチャーは、上面が開いたカゴ(篭)状である。
排水トラップ10の側面の流入口11と、排水ソケット4の浴槽排水流入口4a(第2,4,5図)とが浴槽排水用配管6を介して接続されている。排水トラップ10の該流入口11とほぼ反対側の側面の排水口12には排水管9(第1図)が接続されている。
この排水トラップ10の構成については後で詳しく述べる。
第2図に示すように、排水ソケット4は、円形の底面部4aと、該底面部4aの周縁から立設された環状の周壁部4bとを有した皿形のものである。該周壁部4bの上端外周には外向き鍔状のフランジ部4cが周設されている。周壁部4bの内周面には雌ねじ4dが周設されている。
浴槽パン1の底部には排水ソケット装着用開口(図示略)が設けられており、この排水ソケット装着用開口を介して排水ソケット4の周壁部4bに結合フランジ(図示略)が上方から螺着されている。排水ソケット4のフランジ部4cと該結合フランジとによって排水ソケット装着用開口(図示略)の縁部が挟持され、これにより排水ソケット4が浴槽パン1に固定されている。
第2,4図の通り、排水ソケット4の底面部4aから円筒形の前記浴槽排水流入口4eが立設されている。第4図に示すように、底面部4aの下面側には配管接続用ハウジング4fが排水ソケット4と一体的に形成されており、浴槽排水流入口4eはこの配管接続用ハウジング4f内に連通している。この配管接続用ハウジング4fは底面部4aの下面に沿って排水トラップ10側へ向って延在しており、その延在方向先端側に前記浴槽排水用配管6の一端が接続されている。この浴槽排水用配管6の他端は、排水トラップ10の側面の前記流入口11に接続されている。
浴槽3の排水口(図示略)は、この排水ソケット4の浴槽排水流入口4aに差込管(図示略)を介して接続されている。この差込管は、上下方向に延在しており、上端は浴槽3の排水口に水密的に取り付けられ、下部が浴槽排水流入口4aに差し込まれている。この差込管により、浴槽3の排水は直接的に排水ソケット4の該浴槽排水流入口4aに注ぎ込まれるようにして流出する。その後、この浴槽排水は、ハウジング4f内及び浴槽排水用配管6内を流れて流入口11から排水トラップ10に流入する。
即ち、この実施の形態では、これらの差込管、浴槽排水流入口4e、ハウジング4f及び浴槽排水用配管6内が、浴槽排水を排水トラップ10に導く浴槽排水流路となっている。
この実施の形態では、第4,5図に示すように、該浴槽排水用配管6は、底面6aと、該底面6aの両側から立ち上がる1対の側面6b,6cと、該側面6b,6cの上端同士を繋ぐ天井面(図示略)とを有する角筒状のものとなっている。また、この浴槽排水用配管6は、排水ソケット4側(上流側)よりも排水トラップ10側(下流側)の方が上方に位置するようにクランク状に屈曲している。
この浴槽排水用配管6の流路断面積(配管内側の空洞部の排水流れ方向と直交方向の断面積)は、300〜900mm2特に500〜700mm2であることが好ましい。この実施の形態のように浴槽排水用配管6を角筒状とした場合には、この流路断面の縦(上下)方向の幅は10〜100mm特に20〜40mmであることが好ましく、横(水平)方向の幅は5〜60mm特に10〜40mmであることが好ましい。
排水ソケット4の底面部4aのうち浴槽排水流入口4eと周壁部4bとの間の部分には浴槽パン排水流入口4gが設けられており、該底面部4aの下面側からこの浴槽パン排水流入口4gに浴槽パン排水用配管7の一端が接続されている。この実施の形態では、該浴槽パン排水用配管7の他端は、排水トラップ10の流入口11の近傍において浴槽排水用配管6に接続されている。
この実施の形態では、該浴槽パン排水用配管7の他端は、浴槽排水用配管6の側面6b,6cのうち、後述の通り排水トラップ10内に形成される旋回流の旋回方向上流側に位置する側面6bに接続されている。この側面6bには、該浴槽パン排水用配管7を流れてきた浴槽パン排水を浴槽排水用配管6内に流出させる浴槽パン排水流出口7a(第6〜8図)が形成されている。
この実施の形態では、浴槽パン1上の水は、排水ソケット4内に流れ落ち、この排水ソケット4の底面部4aの浴槽パン排水流入口4gから浴槽パン排水用配管7に流入し、該浴槽パン排水用配管7内を流れて浴槽パン排水流出口7aから浴槽排水用配管6に流入し、該浴槽排水用配管6を通って流入口11から排水トラップ10に流入する。即ち、この実施の形態では、該浴槽パン排水用配管7内が浴槽パン排水流路であり、浴槽パン排水は、この浴槽パン排水用配管7から浴槽排水流路としての浴槽排水用配管6を介して排水トラップ10内に導かれるようになっている。
なお、第5〜8図では、浴槽パン排水用配管7と、この浴槽パン排水用配管7の前記他端が連なる浴槽排水用配管6の流入口11近傍部分と、排水トラップ10とが一体的に形成されたものであるかの如く図示されているが、少なくとも浴槽パン排水用配管7をこれらと別体に構成し、該浴槽排水用配管6の流入口11近傍部分に着脱可能に接続するようにしてもよい。
この実施の形態では、浴槽パン排水用配管7は、流路断面積(配管内側の空洞部の排水流れ方向と直交方向の断面積)が浴槽排水用配管6よりも小さい円形断面形状のパイプよりなる。この浴槽パン排水用配管7の内径は5〜40mm、特に20〜40mmであることが好ましい。
浴槽パン排水流出口7aは、浴槽排水用配管6の側面6bと、排水トラップ10の後述する受入室22の内周面との交叉角縁6e(第6〜8図)から該浴槽排水用配管6の上流側へ5〜30mm、特に10〜20mmの範囲に配置されていることが好ましい。
この実施の形態では、浴槽パン排水流出口7aに、浴槽パン排水用配管7の流路断面積を小さくするための流路絞り部材30が着脱可能に取り付けられている。
第9図(a)に示すように、この実施の形態では、該流路絞り部材30は、中央に浴槽パン排水流出口7aよりも小径の開口31を有した環形円盤状のものである。この実施の形態では、該流路絞り部材30はゴム又は軟質合成樹脂製であり、その外径は浴槽パン排水流出口7aの内径と同等かそれよりも若干大きなものとなっている。この流路絞り部材30は、軸心線方向を浴槽パン排水流出口7aと同方向として浴槽排水用配管6の内側から該浴槽パン排水流出口7a内に弾性的に押し込まれることにより設置されている。この流路絞り部材30は、浴槽排水用配管6内に臨む面が該浴槽排水用配管6内の側面6bと略面一となるように設置されている。
この実施の形態では、該流路絞り部材30の開口31の内周面は、浴槽パン排水用配管7の上流側ほど径が小さくなるテーパ形状となっている。この開口31の最小径は3〜20mm、特に3〜10mm程度であることが好ましい。
この浴室排水装置においては、浴槽排水用配管6からの浴槽排水と浴槽パン排水用配管7からの浴槽パン排水との排水トラップ10への流入を択一的に切り替えるための切替弁40が該浴槽排水用配管6内に設けられている。この切替弁40は、第5〜8図の通り、排水トラップ10の流入口11の近傍に配置されている。
この実施の形態では、該切替弁40は、浴槽排水用配管6内の流路断面形状(配管内側の空洞部の排水流れ方向と直交方向の断面形状)と略相似形状で且つ若干サイズの小さい長方形板状のものである。
浴槽排水用配管6内のうち、前記浴槽パン排水流出口7aよりも浴槽排水流路上流側に、この切替弁40を回動可能に支持する支軸42が設けられている。この実施の形態では、該支軸42は、軸心線方向を上下方向として浴槽排水用配管6の側面6bに沿って配置され、その上下両端側がそれぞれ該浴槽排水用配管6の天井面及び底面6aに回転可能に支持されている。この支軸42に切替弁40の一辺が連なっている。
この支軸42は、前記交叉角縁6eから浴槽排水用配管6の上流側へ10〜50mm、特に20〜30mmの範囲に配置されていることが好ましい。
切替弁40は、第6図の如く浴槽排水用配管6内の浴槽排水流れ方向と略直交方向に延在して浴槽排水流路を閉鎖する第6図の浴槽排水流路閉鎖位置と、第7図の如く浴槽排水用配管6内の側面6bに沿って延在して浴槽パン排水流出口7aを覆い、これにより浴槽パン排水流路を閉鎖する浴槽パン排水流路閉鎖位置とをとりうるように、支軸42回りにドア状に回動自在となっている。
浴槽排水用配管6内の底面6a、両側面6b,6c及び天井面には、それぞれ、切替弁40が浴槽排水流路閉鎖位置まで回動したときにこの切替弁40の周縁部に当接して切替弁40を浴槽排水流路閉鎖位置に支持するストッパ41が設けられている。このストッパ41は、浴槽排水用配管6内の底面6a、両側面6b,6c及び天井面に沿って該浴槽排水用配管6内の浴槽排水流れ方向と略直交方向に延設された凸条よりなる。この浴槽排水用配管6内の底面6a、両側面6b,6c及び天井面の各凸条は、該浴槽排水流れ方向と略直交方向の同一平面内において互いに連続したものとなっている。
この実施の形態では、該切替弁40を常に浴槽排水流路閉鎖位置へ向って付勢するスプリング(図示略)が設けられている。このスプリングからの付勢力により、浴槽排水用配管6内を浴槽排水が流れていないときには、該切替弁40は浴槽排水流路閉鎖位置に位置しており、これにより浴槽パン排水流路が開となっている。浴槽排水用排水配管6内を浴槽排水が流れるときには、切替弁40は、この浴槽排水の水勢により該スプリングからの付勢力に抗して浴槽パン排水流路閉鎖位置に向って回動し、これにより、第7図のように浴槽排水流路が開となると共に、浴槽パン排水流路が閉鎖されるようになる。
次に、排水トラップ10の構成について詳細に説明する。
第4図に示すように、排水トラップ10の下部のうち前記浴槽排水及び浴槽パン排水の流入口11と反対側は、側方へ膨出した膨出部20となっている。この膨出部20と、前記洗い場排水受入口Aの下側領域とは円弧状に湾曲した縦板状の遮蔽部材21によって区画されている。これにより、洗い場排水受入口Aの下方は、略円筒状の受入室22となっている。この受入室22の内径は100〜200mm特に110〜130mmであることが好ましい。
遮蔽部材21の下端は、排水トラップ10の底面から若干(例えば5〜30mm)上方に離隔している。この遮蔽部材21の下端と同レベルにて、受入室22の底面を構成する円板状の底板23が設けられ、この底板23の中央に開口23aが設けられている。この底板23の下側は流出室24となっており、受入室22から該開口23aを通って流出室24に流出した水は、この流出室24を通って膨出部20内に流れ込む。
前記ヘアキャッチャーは、洗い場排水受入口Aからこの受入室22内に入り込んでいる。ヘアキャッチャーの下端は、底板23よりも上方に位置している。ヘアキャッチャーは、この受入室22内に形成される旋回流によって浮き上がらないように前記結合フランジ8に係止されている。
前記流入口11は、この受入室22内に連通している。この流入口11は、第5図の通り、受入室22の内周面の接線方向を指向している。
排水トラップ10の膨出部20の膨出方向の先端側に前記排水口12が設けられている。膨出部20内の底面のうち、遮蔽部材21と排水口12との中間付近から該排水口12側は、該排水口12に向って上り勾配の斜面となっており、この斜面の最上位部25は受入室22の底板23よりも上方に位置している。排水トラップ10内には、この最上位部25のレベルまで封水が貯留される。
このように構成された浴室排水装置の作動について次に説明する。
前述の通り、浴槽排水用配管6内を浴槽排水が流れていないときには、第6図のように、切替弁40は、スプリングの付勢力により浴槽排水流路を閉鎖し、且つ浴槽パン排水流路を開放している。この場合、浴槽パン1から浴槽パン排水用配管7に浴槽パン排水が流入したときには、この浴槽パン排水は、該浴槽パン排水用配管7と、浴槽パン排水流出口7aに装着された流路絞り部材30の開口31とを通り、浴槽排水用配管6のうち切替弁40よりも下流側に流入し、その後、該浴槽排水用配管6から流入口11を通って排水トラップ10の受入室22内に流入する。
このとき、切替弁40によって浴槽排水流路が閉鎖されているので、浴槽パン排水の該浴槽排水流路への逆流が阻止される。また、洗い場から排水枡を通って排水トラップ10の受入室22内に洗い場排水が流入した場合、この洗い場排水の浴槽排水流路への流入も切替弁40によって阻止される。このとき、浴槽パン排水流出口7aは開放しているが、この実施の形態では、該浴槽パン排水流出口7aに、流路断面積を小さくする流路絞り部材30が装着されているので、洗い場排水の浴槽パン排水流路への逆流を防止することができる。なお、仮に逆流が生じたとしても、逆流水量を少なくすることができる。
水を張った浴槽3の排水口3aの排水栓を抜くと、浴槽3内の水が浴槽排水用配管6に流入する。そして、この浴槽排水の水勢により、第7図のように切替弁40が押し開かれて浴槽排水流路が開放し、浴槽排水が浴槽排水用配管6を通って流入口11から排水トラップ10の受入室22内に流入する。この排水トラップ10にあっては、該流入口11は受入室22の接線方向を指向しているので、この流入口11から受入室22内に流入した浴槽排水は該受入室22の内周面に沿って流れて該受入室22内に旋回流を形成する。この浴槽排水の流入により受入室22内の水位は次第に上昇し、ヘアキャッチャーあるいはさらに排水枡が旋回流に浸水した状態となる。これにより、排水枡の内面やヘアキャッチャーに付着しているゴミや毛髪がこすり落とされて、ゴミや髪の毛は渦の中心に集められ、渦の中心から下方へ落下し、ヘアキャッチャーの下端の底面中央部に良好に集められる。
このとき、第7図の通り、切替弁40は浴槽排水用配管6内を流れる浴槽排水の水勢により該浴槽排水用配管6内の側面6bに押し付けられ、この側面6bの浴槽パン排水流出口7aを閉鎖している。これにより、浴槽排水用配管6内を流れる浴槽排水が該浴槽パン排水流出口7aから浴槽パン排水用配管7内に流入することが阻止されている。
受入室22内で旋回している水は、受入室22の底面開口23aから流出室24に流れ落ち、この流出室24を通って膨出部20内に流出し、該膨出部20の底面の最高位部25を乗り越え、排水口12から排水管9へ流出する。
浴槽3からすべての水が流出すると、旋回流は停止し、排水トラップ10内には該最高位部25のレベルの封水が残る。これにより、排水管9側と洗い場2側並びに浴槽3及び浴槽パン1側とはいずれも封水によって隔絶されることになり、排水管9の臭気が洗い場2、浴槽3及び浴槽パン1へ逆流することが防止される。
この浴室排水装置にあっては、浴槽パン排水流出口7a及び切替弁40が排水トラップ10の流入口11の近傍に配置されているので、排水目皿5を取り外して洗い場から排水トラップ10の受入室22内に手や掃除器具、工具等を差し入れれば、これらが容易に浴槽パン排水流出口7a及び切替弁40に届く。そのため、浴槽パン排水流出口7a及び切替弁40のメンテナンスを行うには、洗い場から排水トラップ10の受入室22内に手や掃除器具、工具等を差し入れて浴槽パン排水流出口7a及び切替弁40のメンテナンスを行えばよい。これにより、浴槽パン排水流出口7a及び切替弁40のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
この実施の形態では、流路絞り部材30は浴槽パン排水流出口7aに着脱可能に取り付けられているので、流路絞り部材30を取り外して掃除したり交換したりすることが可能である。この流路絞り部材30の取り外し作業も、洗い場から排水トラップ10の受入室22内に手や工具等を差し入れて行うことができるので、この流路絞り部材30の取り外し作業も容易に行うことができる。
<第2の実施の形態>
第10,11図は第2の実施の形態に係る浴室排水装置の切替弁付近の水平断面斜視図である。なお、第10図は切替弁が浴槽排水流路を閉鎖した状態を示し、第11図は切替弁が浴槽パン排水流路を閉鎖した状態を示している。
この実施の形態では、切替弁40に、該切替弁40が浴槽パン排水流路閉鎖位置にあるときに浴槽パン排水流出口7aの流路絞り部材30の開口31に差し込まれる突起43が突設されている。
この実施の形態では、突起43は、開口31の内周面の形状に倣った略円錐台形状となっている。
この実施の形態のその他の構成は、前述の第1〜9図の実施の形態と同様であり、第10,11図において第1〜9図と同一符号は同一部分を示している。
この浴室排水装置にあっても、第1〜9図の浴室排水装置と同様の作用効果が奏される。
この浴槽排水装置にあっては、第11図のように、浴槽排水が浴槽排水用配管6内を流れ、その水勢により切替弁40が浴槽パン排水流路閉鎖位置へ回動したときに、該切替弁40の突起43が浴槽パン排水流出口7aの流路絞り部材30の開口31に差し込まれる。これにより、該開口31内が掃除されることになり、該開口31の詰まりが防止される。
<第3の実施の形態>
第12図は第3の実施の形態に係る浴室排水装置の斜視図、第13図はこの浴室排水装置の切替弁付近の縦断面斜視図である。
前述の各実施の形態では、浴槽パン排水用配管7の下流側の末端は、浴槽排水用配管6の側面6b,6cのうち、排水トラップ10内に形成される旋回流の旋回方向上流側に位置する側面6bの排水トラップ10近傍部に接続されているが、浴槽パン排水用配管7の接続位置はこれに限定されない。
この実施の形態では、第12,13図の通り、浴槽パン排水用配管7の下流側の末端は、浴槽排水用配管6の天井面6dの排水トラップ10近傍部に接続されている。即ち、この実施の形態では、該浴槽排水用配管6内の天井面6dに、浴槽パン排水用配管7を流れてきた浴槽パン排水を浴槽排水用配管6内に流出させる浴槽パン排水流出口7aが形成されている。
この実施の形態では、切替弁40の支軸42は、浴槽排水用配管6の天井面6dに沿って該浴槽排水用配管6の側面6b,6c同士を結ぶ方向に延在するように配置され、その両端側がそれぞれ該側面6b,6cに回転可能に支持されている。
切替弁40は、この実施の形態では、該支軸42を回動中心として、浴槽排水用配管6内の浴槽排水流れ方向と略直交方向に延在して浴槽排水流路を閉鎖する浴槽排水流路閉鎖位置と、浴槽排水用配管6内の天井面6dに沿って延在して浴槽パン排水流出口7aを覆い、これにより浴槽パン排水流路を閉鎖する浴槽パン排水流路閉鎖位置とをとりうるように、上下方向に回動自在となっている。
この実施の形態のその他の構成は、前述の第1〜9図の実施の形態と同様であり、第12,13図において第1〜9図と同一符号は同一部分を示している。
この浴室排水装置にあっても、切替弁40が支軸42回りに上下方向に回動すること以外は、第1〜9図の浴室排水装置と同様の作用効果が奏される。
なお、図示は省略するが、この実施の形態においても、切替弁40に、該切替弁40が浴槽パン排水流路閉鎖位置にあるときに浴槽パン排水流出口7aの流路絞り部材30の開口31に差し込まれる突起43が突設されてもよい。
<第4の実施の形態>
第14図は第4の実施の形態に係る浴室排水装置の切替弁付近の斜視図、第15図はこの浴室排水装置の切替弁付近を排水トラップの洗い場排水受入口側から見た斜視図、第16図はこの浴室排水装置の切替弁付近の水平断面斜視図、第17図はこの浴室排水装置切替弁保持部材の斜視図、第18図(a),(b)は第17図のXVIII−XVIII線に沿う断面図である。なお、第18図(a)は切替弁が浴槽排水流路を閉鎖した状態を示し、第18図(b)は切替弁が浴槽パン排水流路を閉鎖した状態を示している。
この実施の形態の浴室排水装置においては、切替弁40は、浴槽排水用配管6内に着脱可能に設置されている。
この実施の形態では、切替弁40は、切替弁保持部材50に回動可能に保持されており、この切替弁保持部材50が排水トラップ10の受入室22内から流入口11を介して浴槽排水用配管6内に差し込まれるようにして設置されている。該浴槽排水用配管6内の底面6a、両側面6b,6c及び天井面6dには、それぞれ、切替弁保持部材50が流入口11から該浴槽排水用配管6内に所定位置まで差し込まれたときにこの切替弁保持部材50に当接して切替弁保持部材50を該所定位置に保持する内向き鍔状のストッパ6fが設けられている。この切替弁保持部材50は、流入口11を介して該浴槽排水用配管6内から抜き出し可能となっている。
この切替弁保持部材50は、浴槽排水用配管6内の底面6a、両側面6b,6c及び天井面6dにそれぞれ沿う底面部51、両側面部52,53及び天井部54を有した略直方体形枠状のものとなっている。切替弁40は、板面を浴槽排水用配管6内の浴槽排水流れ方向と略直交方向として、この切替弁保持部材50の内側に配置されている。
この切替弁保持部材50の底面部51、両側面部52,53及び天井部54の浴槽排水流路上流側の辺縁からは、それぞれ、切替弁40が浴槽排水流路閉鎖位置まで回動したときにこの切替弁40の周縁部に当接して切替弁40を浴槽排水流路閉鎖位置に支持する内向き鍔状のストッパ55が突設されている。この底面部51、両側面部52,53及び天井部54の各ストッパ55は、浴槽排水用配管6内の浴槽排水流れ方向と略直交方向の同一平面内において連続したものとなっている。
この切替弁保持部材50の側面部52,53のうち、浴槽パン排水流出口7aが設けられた浴槽排水用配管6内の側面6bに沿う側面部52には、該ストッパ55に沿って上下方向に支軸係合溝56が延設されている。この支軸係合溝56に、切替弁40の支軸42が軸心線方向を上下方向として回転可能に係合している。なお、この実施の形態では、該支軸係合溝56を介して切替弁40を切替弁保持部材50から出し入れしうるようになっている。即ち、切替弁40は、切替弁保持部材50に着脱可能に保持されている。
切替弁40は、第18図(a)の如く浴槽排水用配管6内の浴槽排水流れ方向と略直交方向に延在し、その周縁部が前記ストッパ55に当接した浴槽排水流路閉鎖位置と、第18図(b)の如く切替弁保持部材50の側面部52に沿って延在した浴槽パン排水流路閉鎖位置とをとりうるように、支軸42回りに回動自在となっている。この実施の形態では、該切替弁40を常に浴槽排水流路閉鎖位置へ向って付勢するスプリング(図示略)が設けられている。
この切替弁保持部材50の側面部52には、前記浴槽パン排水流出口7aと重なる開口57が設けられている。第18図(b)のように、この実施の形態では、該開口57は、浴槽パン排水流出口7aよりも小径となっている。即ち、この実施の形態では、該開口57は、浴槽パン排水用配管7の流路断面積を小さくするための流路絞り部を構成している。
この切替弁保持部材50の底面部51及び天井部54には、それぞれ開口51a,54aが設けられている。また、浴槽排水用配管6内の底面6a及び天井面6dには、それぞれ、これらの開口51a,54aに係合する係止突起(図示略)が設けられている。切替弁保持部材50を流入口11から浴槽排水用配管6内に入り込ませ、前記ストッパ6fに当接するまで押し込むと、これらの開口51a,54aにそれぞれ浴槽排水用配管6内の各係止突起が係合する。これにより、切替弁保持部材50の浴槽排水用配管6からの抜け出しが防止されるようになる。
なお、切替弁保持部材50が浴槽排水用配管6内に押し込まれたとき、及び切替弁保持部材50が受入室22側へ所定以上の力で引っ張られたときには、この切替弁保持部材50及び係止突起の少なくとも一方が弾性変形し、各開口51a,54aへの各係止突起の係合及び各開口51a,54aからの各係止突起の抜け出しを許容するように構成されている。
この切替弁保持部材50を浴槽排水用配管6から抜き差しするときには、手指や工具等をこれらの開口51a,54aに掛けることができる。
この実施の形態のその他の構成は、前述の第1〜9図の実施の形態と同様であり、第14〜18図において第1〜9図と同一符号は同一部分を示している。
この浴室排水装置にあっても、第1〜9図の浴室排水装置と同様の作用効果が奏される。
この浴室排水装置にあっては、切替弁40は切替弁保持部材50を介して浴槽排水用配管6内に着脱可能に設置されているので、切替弁保持部材50を浴槽排水用配管6内から抜き取ることにより、切替弁40を取り外して掃除したり交換したりすることが可能である。そのため、切替弁40のメンテナンスをきわめて容易に行うことができる。
この実施の形態では、該切替弁保持部材50の側面部52に、流路絞り部を構成する開口57が設けられているので、該切替弁保持部材50を取り外すことにより、この開口57の掃除等も容易に行うことができる。
なお、図示は省略するが、この実施の形態においても、切替弁40に、該切替弁40が浴槽パン排水流路閉鎖位置にあるときに切替弁保持部材50の側面部52の開口57に差し込まれる突起43が突設されてもよい。
<第5の実施の形態>
第19,20図は第5の実施の形態に係る浴室排水装置の切替弁付近の水平断面斜視図、第21図はこの浴室排水装置の切替弁付近の平面図である。なお、第19図は切替弁の浴槽排水流路閉鎖時を示し、第20図及び第21図はそれぞれ切替弁の浴槽パン排水流路閉鎖時を示している。
この実施の形態では、第20,21図の通り、切替弁40Aは、浴槽パン排水流路閉鎖位置まで回動したときに、その先端側(支軸42と反対側)が排水トラップ10の受入室22内に突出するようになっている。
この実施の形態では、第19図の通り、受入室22内に形成される旋回流の旋回方向上流側に位置する浴槽排水用配管6の側面6bと、該受入室22の内周面との交叉角部に、該受入室22内から浴槽排水用配管6の上流側へ後退した後退部60が形成されている。切替弁40Aは、浴槽パン排水流路閉鎖位置まで回動したときに、その先端側がこの後退部60の分だけ受入室22内に露呈する。
第21図の通り、この受入室22から後退した後退部60の奥側の壁面61は、浴槽排水用配管6の側面6bと略直交方向に延在し、且つ受入室22の内周面と略接線状に連なっている。
この実施の形態では、切替弁40Aに、該切替弁40Aが浴槽パン排水流路閉鎖位置まで回動した状態において、該切替弁40Aの先端側から後退部60の受入室22側へ張り出す略楔形の張出部45が設けられている。この張出部45は、後退部60の略全体を埋めるような形状となっている。
即ち、第20,21図に示すように、張出部45の上下方向の幅は、後退部60の上下方向の幅と同等かそれよりも若干小さいものとなっている。張出部45の後退部60側(切替弁40Aが浴槽パン排水流路閉鎖位置まで回動した状態における後退部60側。以下、同様。)の側面45aは、切替弁40Aの板面と略直交方向に延在している。この側面45aの切替弁40Aからの張り出し方向の幅は、壁面61の浴槽排水用配管6からの接離方向の幅(横幅)と同等かそれよりも若干小さいものとなっている。切替弁40Aが浴槽パン排水流路閉鎖位置まで回動すると、張出部45が後退部60に嵌合し、該側面45aが壁面61に重なる。このとき、該側面45aは、壁面61に接触してもよく、壁面61からわずかに離隔してもよい。
この張出部45の後退部60と反対側の側面45bは、受入室22の内周面と略同等の曲率半径にて該後退部60側に凹に湾曲している。第20,21図の通り、この側面45bは、切替弁40Aが浴槽パン排水流路閉鎖位置まで回動し、張出部45が後退部60に嵌合した状態において、受入室22の内周面と略同心状に延在し、該受入室22の内周面と略連続する円筒面を形成するように構成されている。
この実施の形態でも、前述の第14〜18図の実施の形態と同様に、切替弁40Aは、切替弁保持部材50に回動可能に保持され、この切替弁保持部材50を介して浴槽排水用配管6内に着脱可能に設置されている。この実施の形態でも、該切替弁40Aは、スプリング(図示略)の付勢力によって常に浴槽排水流路閉鎖位置へ向って付勢されている。
この実施の形態では、該切替弁保持部材50は、第19図に示すように、浴槽排水用配管6の前記側面6bに沿う側面部52の受入室22側の縁部が後退部60の分だけ該浴槽排水用配管6の上流側へ後退している。即ち、切替弁保持部材50をストッパ6fに当接するまで浴槽排水用配管6内に挿入した状態においては、この切替弁保持部材50の側面部52の受入室22側の縁部は、後退部60の奥側の壁面61と浴槽排水用配管6の側面6bとの交叉角縁に重なるか、又はそれよりも若干、浴槽排水用配管6の上流側に位置している。
この実施の形態のその他の構成は、第14〜18図の実施の形態と同様であり、第19〜21図において第14〜18図と同一符号は同一部分を示している。
この浴室排水装置にあっても、第1〜9図の浴室排水装置と同様の作用効果が奏される。
また、第14〜18図の浴室排水装置と同様に、この浴室排水装置にあっても、切替弁40Aは切替弁保持部材50を介して浴槽排水用配管6内に着脱可能に設置されているので、切替弁保持部材50を浴槽排水用配管6内から抜き取ることにより、切替弁40Aを取り外して掃除したり交換したりすることが可能である。そのため、切替弁40Aのメンテナンスをきわめて容易に行うことができる。さらに、この実施の形態でも、該切替弁保持部材50の側面部52に、流路絞り部を構成する開口57が設けられているので、該切替弁保持部材50を取り外すことにより、この開口57の掃除等も容易に行うことができる。
この浴室排水装置にあっては、第20,21図の通り、浴槽排水F2が浴槽排水用配管6内を流れ、その水勢により切替弁40Aが浴槽パン排水流路閉鎖位置へ回動すると、この切替弁40Aの先端側が後退部60の奥側の壁面61よりも受入室22内へ突出すると共に、この切替弁40Aの先端側の張出部45が該後退部60に嵌合する。
そして、この浴槽排水F2の受入室22内への流入により該受入室22内に旋回流F1が形成された場合、第21図において二点鎖線にて示すように、該受入室22内に臨む張出部45の側面45bにこの旋回流F1が当り、この旋回流F1の水勢によって切替弁40Aが浴槽排水流路を狭めるように回動する。このように浴槽排水流路が狭くなると、受入室22内への浴槽排水F2の流入速度が増大し、受入室22内の旋回流F1の流速が増大する。これにより、受入室22内面やヘアキャッチャーのヌメリなどが効率よく除去される。また、浴槽排水F2の瞬間最大流量が抑制されるため、受入室22から洗い場側へ浴槽排水が溢れ出すことが防止される。
この際、切替弁40Aが切替弁保持部材50の側面部52から離隔するため、浴槽パン排水流路に通じる前記開口57が開放するが、この実施の形態では、切替弁40Aの先端側の張出部45が後退部60に嵌合しているので、この張出部45により、該切替弁40Aと側面部52との間への水の流入が防止ないし抑制される。これにより、洗い場排水の浴槽パン排水流路への逆流が防止ないし抑制される。なお、仮に逆流が生じたとしても、開口57によって浴槽パン排水流路の流路断面積が小さくなっているので、該浴槽パン排水流路への逆流水量は少ないものとなる。
なお、図示は省略するが、この実施の形態においても、切替弁40Aに、該切替弁40Aが浴槽パン排水流路閉鎖位置にあるときに切替弁保持部材50の側面部52の開口57に差し込まれる突起43が突設されてもよい。
<第5の実施の形態の変形例>
上記の第19〜21図の浴室排水装置においては、浴槽排水用配管6の側面6bと受入室22の内周面との交叉角部に後退部60が形成されており、切替弁40Aが浴槽パン排水流路閉鎖位置まで回動したときには、この後退部60の分だけ該切替弁40Aの先端側が受入室22内に露呈するように構成されているが、切替弁が浴槽パン排水流路閉鎖位置まで回動したときに該切替弁の先端側を受入室22内に突出させる方法はこれに限定されない。
例えば、詳しい図示は省略するが、この後退部60を省略し、支軸42を浴槽排水用配管6の下流側に移動させるか、あるいは切替弁の横幅(切替弁の先端から支軸42までの幅)を大きくすることにより、切替弁が浴槽パン排水流路閉鎖位置まで回動したときに該切替弁の先端側が受入室22内に突出するように構成してもよい。
この場合、本発明においては、浴槽排水用配管6の側面6bと受入室22の内周面との交叉角縁6eから支軸42までの距離を、切替弁の横幅の50〜90%、特に55〜85%とすることが好ましい。
このように構成された浴室排水装置にあっても、第19〜21図の浴室排水装置と同様に、浴槽排水F2が浴槽排水用配管6内を流れ、その水勢により切替弁が浴槽パン排水流路閉鎖位置へ回動すると、この切替弁の先端側が受入室22内へ突出する。そして、この浴槽排水F2の受入室22内への流入により該受入室22内に旋回流F1が形成された場合、切替弁の先端側に旋回流F1が当り、この旋回流F1の水勢によって切替弁が浴槽排水流路を狭めるように回動する。これにより、受入室22内への浴槽排水F2の流入速度が増大し、受入室22内の旋回流F1の流速が増大し、受入室22内面やヘアキャッチャーのヌメリなどが効率よく除去される。また、浴槽排水F2の瞬間最大流量が抑制されるため、受入室22から洗い場側へ浴槽排水が溢れ出すことが防止される。
なお、交叉角縁6eから支軸42までの距離を切替弁の横幅の50〜90%、特に55〜85%とすることにより、浴槽3からの排水時間が短くなり、旋回流F1の周縁水位(受入室22の内周面と接する部分の水位であって、該旋回流F1の最高水位)が低く抑えられ、且つ旋回流F1の単位時間当たりの旋回数が高いものとなる。これについては、後述の第6の実施の形態の実験例にて詳しく説明する。
上記実施の形態は請求項1〜8の発明の一例であり、請求項1〜8の発明は図示以外の態様をもとりうる。
例えば、上記の実施の形態では、浴槽パン排水用配管7の末端は浴槽排水用配管6の流入口11近傍部に接続されており、浴槽パン排水はこれらの浴槽パン排水用配管7から浴槽排水用配管6を介して排水トラップ10に流入するように構成されているが、浴槽パン排水用配管7の末端を排水トラップ10に接続し、浴槽パン排水が直接的に排水トラップ10に流入するように構成してもよい。
上記の実施の形態では、排水トラップ10は、浴槽排水を受入室22の接線方向に受け入れて該受入室22内に旋回流を形成するものとなっているが、本発明は、受入室内に旋回流が形成されないタイプの排水トラップを備えた浴室排水装置にも適用可能である。
[請求項9〜11の発明に係る実施の形態]
<第6の実施の形態>
第22図は第6の実施の形態に係る浴室排水装置を備えた浴室の模式的な斜視図、第23図はこの浴室排水装置の上方からの斜視図、第24図は第23図のXXIV−XXIV線に沿う縦断面図、第25図は第24図のXXV−XXV線に沿う水平断面図、第26図〜第28図は第25図の逆止弁付近の拡大図、第29図はこの逆止弁付近の平面図、第30図は逆止弁保持部材の斜視図である。
なお、第26図は逆止弁が浴槽排水流路を閉鎖した状態を示し、第27図は逆止弁が途中まで開き出した状態を示し、第28図は逆止弁が全開まで開いた状態を示している。
第22図に示すように、この実施の形態における浴室排水装置においては、浴槽パン1からの排水を排水トラップ10に導く浴槽パン排水用配管7が省略されている。これ以外の排水ソケット4、浴槽排水用配管6及び排水トラップ10の構成及びこれらの接続構造は、いずれも、前述の第1〜9図の実施の形態と同様である。
この浴室排水装置においては、排水トラップ10の受入室22から浴槽排水用配管6への水の逆流を阻止するための逆止弁70が該浴槽排水用配管6内に設けられている。この逆止弁70は、第25〜29図の通り、排水トラップ10の流入口11の近傍に配置されている。
逆止弁70は、板面が浴槽排水用配管6の流路断面形状と略相似形の長方形板状のものである。この逆止弁70は、支軸72によって支持されており、第26図の如く浴槽排水用配管6内の浴槽排水流れ方向と略直交方向に延在して浴槽排水流路を閉鎖する浴槽排水流路閉鎖位置と、第27図の如く受入室22側へ開き出して浴槽排水流路を開放する浴槽排水流路開放位置とをとりうるように、該支軸72回りにドア状に回動自在となっている。該支軸72は、浴槽排水用配管6の側面6bと排水トラップ10の受入室22の内周面との交叉角縁6eよりも該浴槽排水用配管6の上流側に配置されている。
支軸72は、その軸心線方向を上下方向として配設されている。逆止弁70のうち、該逆止弁70が浴槽排水流路閉鎖位置にあるときの浴槽排水用配管6の側面6b側の側辺がこの支軸72に連なっている。第29図の符号Wは、逆止弁70の支軸72側からこれと反対側までの幅(以下、横幅という。)を示している。
この実施の形態では、浴槽排水用配管6内に逆止弁保持部材80が着脱可能に設置されており、逆止弁70は、支軸72を介してこの逆止弁保持部材80に保持されている。
この逆止弁保持部材80は、前述の第14〜18図の浴室排水装置における切替弁保持部材50から、浴槽パン排水流出口7aと重なる流路絞り部としての開口57を省略した如き構成となっている。
即ち、この逆止弁保持部材80は、浴槽排水用配管6内の底面6a、両側面6b,6c及び天井面6dにそれぞれ沿う底面部81、両側面部82,83及び天井部84を有した略直方体形枠状のものであり、排水トラップ10の受入室22内から流入口11を介して浴槽排水用配管6内に差し込まれるようにして設置されている。該浴槽排水用配管6内の底面6a、両側面6b,6c及び天井面6dには、それぞれ、逆止弁保持部材80が流入口11から該浴槽排水用配管6内に所定位置まで差し込まれたときにこの逆止弁保持部材80に当接して逆止弁保持部材80を該所定位置に保持する内向き鍔状のストッパ6fが設けられている。この逆止弁保持部材80は、流入口11を介して該浴槽排水用配管6内から抜き出し可能となっている。
第30図に示すように、この逆止弁保持部材80の底面部81及び天井部84には、それぞれ開口81a,84aが設けられている。また、浴槽排水用配管6内の底面6a及び天井面6dには、それぞれ、これらの開口81a,84aに係合する係止突起(図示略)が設けられている。逆止弁保持部材80を流入口11から浴槽排水用配管6内に入り込ませ、前記ストッパ6fに当接するまで押し込むと、これらの開口81a,84aにそれぞれ浴槽排水用配管6内の各係止突起が係合する。これにより、逆止弁保持部材80の浴槽排水用配管6からの抜け出しが防止されるようになる。
なお、逆止弁保持部材80が浴槽排水用配管6内に押し込まれたとき、及び逆止弁保持部材80が受入室22側へ所定以上の力で引っ張られたときには、この逆止弁保持部材80及び係止突起の少なくとも一方が弾性変形し、各開口81a,84aへの各係止突起の係合及び各開口81a,84aからの各係止突起の抜け出しを許容するように構成されている。
逆止弁70は、板面を浴槽排水用配管6内の浴槽排水流れ方向と略直交方向として、この逆止弁保持部材80の内側に配置されている。この逆止弁保持部材80の底面部81、両側面部82,83及び天井部84の浴槽排水流路上流側の辺縁からは、逆止弁70を浴槽排水流路閉鎖位置に支持するための内向き鍔状のストッパ85が突設されている。この底面部81、両側面部82,83及び天井部84の各ストッパ85は、浴槽排水用配管6内の浴槽排水流れ方向と略直交方向の同一平面内において連続したものとなっている。
この逆止弁保持部材80の側面部82,83のうち、浴槽排水用配管6の側面6bに沿う側面部82には、該ストッパ85に沿って上下方向に延在する支軸係合溝86が設けられている。この支軸係合溝86は、該ストッパ85よりも浴槽排水流路下流側に配置されている。この支軸係合溝86に、逆止弁70の支軸72がその軸心線方向を上下方向として回転可能に係合している。この実施の形態では、該支軸係合溝86は側面部82を貫通しており、この支軸係合溝86を介して逆止弁70を逆止弁保持部材80から出し入れしうるようになっている。即ち、逆止弁70は、この逆止弁保持部材80に着脱可能に保持されている。
この実施の形態では、該逆止弁70を常に浴槽排水流路閉鎖位置へ向って付勢するスプリング(図示略)が設けられている。このスプリングからの付勢力により、浴槽排水用配管6内を浴槽排水が流れていないときには、該逆止弁70は浴槽排水流路閉鎖位置に位置している。浴槽排水用排水配管6内を浴槽排水が流れるときには、逆止弁70は、この浴槽排水の水勢により、該スプリングからの付勢力に抗して浴槽排水流路開放位置に向って回動する。
この浴室排水装置にあっては、第26〜29図に示すように、逆止弁保持部材80が浴槽排水用配管6内に設置された状態において、該浴槽排水用配管6の側面6bと排水トラップ10の受入室22の内周面との交叉角縁6eから支軸72までの距離L(第29図)は、逆止弁70の横幅Wよりも小さいものとなっている。そのため、逆止弁70が全開まで受入室22側へ回動したときには、第28,29図の通り、逆止弁70は、その先端側(支軸72と反対側)が該受入室22内に突出する。
本発明においては、前記交叉角縁6eから支軸72までの距離Lは、逆止弁70の横幅Wの50〜90%、特に55〜85%であることが好ましい。
この浴室排水装置のその他の構成は、前述の第1〜9図の実施の形態と同様であり、第22〜30図において第1〜9図と同一符号は同一部分を示している。
このように構成された浴室排水装置の作動について次に説明する。
前述の通り、浴槽排水用配管6内を浴槽排水が流れていないときには、第26図のように、逆止弁70は、スプリングの付勢力により浴槽排水流路を閉鎖している。これにより、洗い場から排水枡を通って排水トラップ10の受入室22内に流入した洗い場排水が浴槽排水流路に流れ込むことが阻止される。
水を張った浴槽3の排水口3aの排水栓を抜くと、浴槽3内の水が浴槽排水用配管6に流入する。そして、第27〜29図のように、この浴槽排水F2(第29図)の水勢により、逆止弁70が受入室22側へ押し開かれて浴槽排水流路が開放し、浴槽排水F2が浴槽排水用配管6を通って流入口11から排水トラップ10の受入室22内に流入する。この排水トラップ10にあっては、該流入口11は受入室22の接線方向を指向しているので、この流入口11から受入室22内に流入した浴槽排水F2は、該受入室22の内周面に沿って流れて該受入室22内に旋回流F1(第29図)を形成する。この浴槽排水F2の流入により受入室22内の水位は次第に上昇し、ヘアキャッチャーあるいはさらに排水枡が旋回流F1に浸水した状態となる。これにより、排水枡の内面やヘアキャッチャーに付着しているゴミや毛髪がこすり落とされて、ゴミや髪の毛は渦の中心に集められ、渦の中心から下方へ落下し、ヘアキャッチャーの下端の底面中央部に良好に集められる。
この浴室排水装置にあっては、浴槽排水用配管6の側面6bと受入室22の内周面との交叉角縁6eから支軸72までの距離Lよりも、逆止弁70の横幅Wの方が大きいので、逆止弁70が受入室22側へ回動すると、第29図において二点鎖線にて示すように、この逆止弁70の先端側が該受入室22内に突出する。そのため、受入室22内に旋回流F1が形成された場合、第29図において実線にて示す通り、この旋回流F1が逆止弁70の先端側に当り、逆止弁70が旋回流F1の水勢により押し戻されて浴槽排水流路が狭まる。
このようにして浴槽排水流路が狭くなると、受入室22内への浴槽排水F2の流入速度が増大し、受入室22内の旋回流F1の流速が増大する。これにより、受入室22内面やヘアキャッチャーのヌメリなどが効率よく除去される。また、浴槽排水F2の瞬間最大流量が抑制されるため、受入室22から洗い場側へ浴槽排水が溢れ出すことが防止される。
受入室22内で旋回している水は、受入室22の底面開口23aから流出室24に流れ落ち、この流出室24を通って膨出部20内に流出し、該膨出部20の底面の最高位部25を乗り越え、排水口12から排水管9へ流出する。
浴槽3からすべての水が流出すると、逆止弁70がスプリングの付勢力により浴槽排水流路閉鎖位置に戻り、浴槽排水流路を閉鎖する。これにより、流入口11から受入室22内への水の流入が止まり、該受入室22内の旋回流も停止する。排水トラップ10内には最高位部25のレベルの封水が残る。これにより、排水管9側と洗い場2側及び浴槽3側とが封水によって隔絶され、排水管9の臭気が洗い場2及び浴槽3へ逆流することが防止される。
なお、この浴室排水装置においては、逆止弁70の支軸72は、浴槽排水用配管6の側面6bと排水トラップ10の受入室22の内周面との交叉角縁6eよりも該浴槽排水用配管6の上流側に配置されている。そのため、受入室22内で旋回流F1が形成されたときに、この旋回流F1により巻き上げられたゴミ等が支軸72に接触しにくい。これにより、支軸72にゴミ等が絡み付いて逆止弁70が作動不良を起こすことが防止される。
また、このように支軸72が該交叉角縁6eよりも浴槽排水用配管6の上流側に配置されていることにより、浴槽排水F2により逆止弁70が押し開かれたときには、該逆止弁70は、その横幅W方向の途中部から先端側のみが受入室22内に突出し、それよりも支軸72側は受入室22内に露呈しないものとなる。そのため、受入室22内の旋回流F1は、実質的に、この逆止弁70のうち該交叉角縁6eから受入室22内に突出した部分にのみ当る。これにより、逆止弁70がこの旋回流F1の水勢により過度に浴槽排水流路を狭める方向に押し戻されることがなく、浴槽排水F2の受入室22への流入量を十分に確保することができる。
なお、仮に支軸72が該交叉角縁6e又はその近傍に配置されていると、受入室22内において旋回流F1によって巻き上げられたゴミ等が支軸22に絡み付き、逆止弁70の作動不良が起き易くなる。また、この場合、浴槽排水F2により逆止弁70が開き出したときに、この逆止弁70の略全体又は大部分が受入室22内に突出するので、この逆止弁70の板面の略全体又は大部分に旋回流F1が当る。そのため、逆止弁70がこの旋回流F1の水勢により過度に浴槽排水流路を狭める方向に押し戻され、浴槽排水F2の受入室22への流入量が極端に少なくなるおそれがある。
この実施の形態では、逆止弁70は逆止弁保持部材80を介して浴槽排水用配管6内に着脱可能に設置されているので、逆止弁保持部材80を浴槽排水用配管6内から抜き取ることにより、逆止弁70を取り外して掃除したり交換したりすることが可能である。この逆止弁保持部材80は、浴槽排水用配管6内のうち、排水トラップ10の流入口11の近傍に配置されているので、排水目皿5を取り外して洗い場から排水トラップ10の受入室22内に手を差し入れれば、容易に逆止弁保持部材80に手が届く。そのため、この逆止弁保持部材80の着脱作業も容易に行うことができる。これにより、逆止弁70のメンテナンスをきわめて容易に行うことができる。
この実施の形態では、逆止弁70は、支軸係合溝86を介して逆止弁保持部材80に対して着脱可能となっているので、メンテナンス時には、逆止弁70を逆止弁保持部材80から取り外してメンテナンス作業を行うことができる。
なお、仮に逆止弁70を取り外さない場合でも、逆止弁70は排水トラップ10の流入口11の近傍に配置されているので、排水目皿5を取り外して洗い場から排水トラップ10の受入室22内に手や掃除器具、工具等を差し入れれば、これらが容易に逆止弁70に届く。そのため、洗い場から排水トラップ10の受入室22内に手や掃除器具、工具等を差し入れて逆止弁70のメンテナンスを行うことも容易である。
[実験例]
上記の第22〜30図の浴室排水装置において、前記交叉角縁6eから逆止弁70の支軸72までの距離Lを逆止弁70の横幅Wの0〜100%と変化させ、この距離Lが浴槽3からの水の排出にどのように影響するか検証する実験を行った。
受入室22の内周面の直径を110mmとした。また、角筒状の浴槽排水用配管6内のストッパ85によって囲まれた部分における流路断面積を600mm2(30mm×20mm)とした。
この浴室排水装置において、前記交叉角縁6eから支軸72までの距離Lを逆止弁70の横幅Wの0%、14%、28%、43%、57%、70%、86%及び100%と変化させ、それぞれにおいて、浴槽3から一定量の水を排出し、この水の排出に要する時間(排水時間)T、受入室22内に形成される旋回流F1の周縁水位(受入室22の内周面と接する部分の水位であって、該旋回流F1の最高水位)S、及びこの旋回流F1の単位時間当たりの旋回数Rを測定すると共に、この旋回数Rと周縁水位Sとの比R/Sを算出した。結果を第31図に示す。
第31図においては、距離Lが0%のときの排水時間T、周縁水位S、旋回数R及び比R/Sをそれぞれ100%とし、距離Lが14%、28%、43%、57%、70%、86%及び100%のときの排水時間T、周縁水位S、旋回数R及び比R/Sを、それぞれ、距離Lが0%のときの排水時間T、周縁水位S、旋回数R及び比R/Sに対する百分率にて示した。
なお、距離Lが横幅Wの0%のときには、支軸72は該交叉角縁6eに配置されており、浴槽排水F2により逆止弁70が押し開かれると、この逆止弁70の略全体が受入室22内に突出する。また、距離Lが横幅Wの100%のときには、支軸72は、逆止弁70の横幅Wと等距離だけ該交叉角縁6eから浴槽排水用配管6の上流側に配置されているため、浴槽排水F2により逆止弁70が受入室22側に押し開かれても、逆止弁70は全く受入室22内に突出しない。
第31図から明らかなように、距離Lが横幅Wの50〜90%、特に55〜85%のときには、浴槽3からの排水時間Tが短く、旋回流F1の周縁水位Sが低く抑えられ、且つ旋回流F1の単位時間当たりの旋回数が高いものとなる。
従って、前記交叉角縁6eから支軸72までの距離Lは、逆止弁70の横幅Wの50〜90%、特に55〜85%であることが望ましい。
<第7の実施の形態>
第32図は第7の実施の形態に係る浴室排水装置の上方からの斜視図、第33図はこの浴室排水装置の水平断面図、第34図はこの浴室排水装置の逆止弁保持部材の斜視図である。
この実施の形態では、前述の第19〜21図の実施の形態と同様に、浴槽排水用配管6の側面6bと受入室22の内周面との交叉角部に、該受入室22内から浴槽排水用配管6の上流側へ後退した後退部60が形成されている。第33図の通り、この後退部60の奥側の壁面は、浴槽排水用配管6の側面6bと略直交方向に延在し、且つ受入室22の内周面と略接線状に連なっている。逆止弁保持部材80Aが浴槽排水用配管6内に設置された状態にあっては、該逆止弁保持部材80Aの側面部82がこの後退部60に臨む。
この実施の形態における逆止弁保持部材80Aは、該側面部82から後退部60の受入室22側へ張り出す略楔形の張出部87を有している。この張出部87は、後退部60の略全体を埋めるような形状となっている。
即ち、張出部87の上下方向の幅は、後退部60の上下方向の幅と同等かそれよりも若干小さいものとなっている。また、この張出部87の側面部82からの張り出し方向の幅は、後退部60の奥側の壁面の横幅と同等かそれよりも若干小さいものとなっている。第33,34図に示すように、張出部87の後退部60側の側面87aは、逆止弁保持部材80Aの底面部81、両側面部82,83及び天井部84の浴槽排水流路上流側の辺縁と略面一状に連なっている。また、張出部87の上面(符号略)は、天井部84の上面と略面一状に連なり、張出部87の下面(符号略)は、底面部81の下面と略面一状に連なっている。逆止弁保持部材80Aを浴槽排水用配管6内に設置すると、張出部87が後退部60に嵌合し、側面87aが該後退部60の奥側の壁面に重なる。
この張出部87の後退部60と反対側(即ち受入室22側)の側面87bは、受入室22の内周面と略同等の曲率半径にて該後退部60側に凹に湾曲している。第33図の通り、この側面87bは、逆止弁保持部材80Aが浴槽排水用配管6内に設置され、張出部87が後退部60に嵌合した状態において、受入室22の内周面と略同心状に延在し、該受入室22の内周面と略連続する円筒面を形成するように構成されている。なお、第34図の通り、逆止弁保持部材80Aの底面部81及び天井部84と側面部82との浴槽排水流路下流側のコーナー部付近には、この側面87bと連続する如き略円弧状の切欠部が形成されている。
この実施の形態にあっては、第33,34図に示すように、この張出部87の受入室22側の側面87bと側面部82の内面(逆止弁保持部材80Aの内方を向いた面)との交叉角縁88から支軸72までの距離L’は、逆止弁70の横幅Wよりも小さいものとなっている。そのため、逆止弁70が全開まで受入室22側へ回動したときには、第32,33図の通り、逆止弁70は、その先端側が受入室22内に突出する。この交叉角縁88から支軸72までの距離L’は、逆止弁70の横幅Wの50〜90%、特に55〜85%であることが好ましい。
この実施の形態における浴室排水装置のその他の構成は、前述の第22〜30図の実施の形態と同様であり、第32〜34図において第22〜30図と同一符号は同一部分を示している。
この浴室排水装置にあっても、第22〜30図の浴室排水装置と同様の作用効果が奏される。
この実施の形態にあっては、受入室22の内周面と浴槽排水用配管6の側面6bとの交叉角部、即ち流入口11の縁部に後退部60が設けられ、この後退部60に受入室22側から逆止弁保持部材80Aの張出部87が嵌合している。
この実施の形態では、メンテナンス等に際し、逆止弁保持部材80Aを浴槽排水用配管6から抜き出すときに、該浴槽排水用配管6内に手指や工具等を差し入れなくても、この張出部87に手指や工具等を掛けることができるので、容易に逆止弁保持部材80Aを浴槽排水用配管6から抜き出すことができる。また、逆止弁保持部材80Aを浴槽排水用配管6に差し込むときに、手指や工具等でこの張出部87を摘むことができるので、容易に逆止弁保持部材80Aを浴槽排水用配管6に差し込むことができる。また、逆止弁保持部材80Aを後退部60に沿って浴槽排水用配管6の排水流れ方向と直交する方向へスライドさせて着脱することができるので、この逆止弁保持部材80Aの着脱作業が容易であり、メンテナンスし易い。
上記実施の形態は請求項9〜11の発明の一例であり、請求項9〜11の発明は図示以外の態様をもとりうる。
例えば、逆止弁70は、逆止弁保持部材80,80Aを介さずに浴槽排水用配管6内に設置されてもよい。