JP5529045B2 - トリフェニルホウ素−ピリジン化合物の改善された製造方法 - Google Patents

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Description

関連出願への相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、2006年6月23日出願の米国特許出願No.11/473,907で、現在米国特許出願公報No.2007/0299259A1の一部継続出願である。
本発明は、トリフェニルホウ素−アミン化合物を製造するための方法に関する。特に、本発明は、ピリジンと、本出願中ではTBPAと個別的または総括的に表示される、トリフェニルホウ素の水性水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム付加物との間の沈澱反応により、固体トリフェニルホウ素−ピリジン化合物(TPBP)を製造するための方法に関する。
特に、トリフェニルホウ素−アミン化合物、およびトリフェニルホウ素−ピリジン(TPBP)化合物は、有効な殺生物剤および船舶用防汚剤であることが知られ、それゆえ、商品として重要な製品である。例えば特許文献1を参照のこと。
TPBPを製造するための一つの方法は、TPBAとピリジンとを水溶液中で反応させることによるものである。参照により本明細書に組み込まれている特許文献2および特許文献3を参照のこと。TPBAをピリジンと反応させると、固体TPBP粒子が析出する。
しかしながら、ピリジンを水性TPBAに添加した後、生成する製品スラリーは、TPBP1モルごとに3モルのアルカリ(例えば、水酸化アルカリ金属)を含有する。水溶液中でのTPBPの溶解性はアルカリ濃度の増加と共に増加するので、かなりの量の製品TPBPが母液に溶解する。
米国特許第3,211,679号 JP08311074 米国特許出願No.11/473,907、2006年6月23日出願
従って、本発明の目的は、可溶性TPBPの少なくとも一部を固体製品に転換し、それによって固体TPBPの回収を増加する方法を提供することである。
一つの態様では、本発明は、概ね球状のTPBP固体粒子を製造するための改善された方法であって、(A)固体TPBP粒子を含む製品スラリーを激しく攪拌された反応域の水性母液中で形成(または準備)し;(B)激しく攪拌された反応域の中に(i)ピリジンを含む流れと、(ii)TPBAの溶液を含む流れを、合体されたフィード流れ中のTPBAの全濃度が約1重量%から約6重量%の範囲になるような速度で別々にフィードすることを含んでなる、方法に関する。
結果として、さらなるTPBPが形成され、その一部は固体として水性母液中に懸濁状態となり、一部は水性母液に溶解する。このさらなるTPBPを含む製品スラリーに、製品スラリーのpHを約8.5と約12.0との値に調整するのに充分な量の酸を添加する。製品流れは、反応域中の製品スラリーの容積が実質的に一定に保たれ、製品スラリー中の固体TPBPの濃度が約8重量%未満の値で維持されるような速度で、反応域から取り出される。
別の態様では、本発明は、トリフェニルホウ素−ピリジン(TPBP)を製造するための改善された方法であって、激しく攪拌された反応域の中に(i)ピリジンを含む流れと、(ii)TPBAの溶液を含む流れを別々にフィードして、製品スラリーを形成することを含んでなる、方法に関する。製品スラリーは、水性母液中に懸濁している一部のTPBP粒子と、水性母液に溶解した一部のTPBPを含む。この製品スラリーに、製品スラリーのpHを約8.5から約12.0の値に調整するのに充分な量の酸が添加される。引き続いて、TPBP粒子を含有する製品流れが反応域から取り出される。
本発明のすべての態様はTPBPの収率を増加させる。すべての態様で、製品スラリーは「懸濁液」とも呼ばれる。
それゆえ、本発明のすべての態様は、特許文献2および特許文献3に記述されているようにTPBAをピリジンと水溶液中で反応させる場合、TPBP固体の回収率を増加させるための方法に関する。酸を製品スラリーに添加して、可溶性アルカリを中和することにより、製品スラリー中のアルカリの量が低下し、引き続いてこれによって可溶性TPBPの量を低下させ、回収可能な固体TPBPの量を増加させる。
すべての態様では、中和を注意深く制御して、約8.5と約12との間の製品スラリーpHを得なければならない。不充分な酸の添加は、約12以上の製品スラリーpHと、回収の低下を生じる。過剰な酸の添加は、約8.5未満の製品スラリーpHを生じる。約8.5未満のpHは良好な製品回収を与える一方で、望ましくない形での粒子特性の変化も引き起こす。
図1は実施例1で得られる製品の顕微鏡写真である。 図2は実施例2で得られる製品の顕微鏡写真である。 図3は実施例3で得られる製品の顕微鏡写真である。 図4は実施例4で得られる製品の顕微鏡写真である。
用語「母液」は、反応域、例えば反応器または結晶化装置中での溶解TPBP、溶解アルカリ(「苛性」とも呼ばれるNaOH、またはKOH)、および対応する溶解塩化アルカリ金属塩(塩化ナトリウムまたは塩化カリウム)を含む、水相を記述するのに本明細書で使用される。
すべての態様で、「激しく攪拌された反応域」は、「よく混合された反応域」とも本明細書では呼ばれ得る。
すべての態様に対する反応域は、結晶化装置、反応器または逆混合された沈澱反応器などのいかなる好適な容器であり得る。別の中和容器は、使用される場合には、いかなる好適な攪拌された容器であってもよい。
すべての態様で、ピリジン含有流れは非希釈ピリジンであるか、または水性母液または
水により希釈され得る。
すべての態様では、この酸は、塩酸、硫酸、リン酸または酢酸などの非酸化性の酸であり、製品スラリーのpHを約8.5から約12.0、例えば約9から約12、約9.5から約11、または約9.5から約10.5の値に調整するのに充分な量の酸が添加される。
水性母液中に固体TPBP粒子の以前に形成された製品スラリーを含む態様
本発明の一つの態様では、固体TPBP粒子を母液中に含む製品スラリーを含む、よく混合された反応域、例えば結晶化装置の中にピリジンの水溶液と水性TPBAの流れを別々かつ実質的に連続的に導入することにより、固体のトリフェニルホウ素−ピリジン化合物(TPBP)が製造される。製品スラリーの流れが結晶化装置から実質的に連続的に取り出されて、結晶化装置中で実質的に一定のインベントリーを維持する。結晶化装置中での製品スラリーの滞留時間は、約10分よりも長く、例えば約30分または約1時間である。結晶化装置の具体的な運転方式は、米国特許出願公報No.2007/0299259A1で詳述され、下記に要約されている。
最適条件で運転する場合、水性母液中のアルカリ濃度は0.5モルであり、これは13.7のpHに相当する。結晶化装置からの製品スラリーを別な容器中でHClなどの任意の非酸化性酸と反応させて、アルカリを中和し、製品スラリーのpHを低下させることができる。添加される酸の量は、pHを約8.5と約12の間、例えば約9.5と約10.5の間まで低下させるのに充分でなければならない。酸の濃度は決定的でなく、普通の濃厚な酸、例えば濃HClが使用される。
さらに詳しくは、この態様では、ピリジン含有流れとTPBAの流れは、反応域、例えば水性母液中に固体TPBP粒子の以前に形成された製品スラリーを含む、反応器、結晶化装置、または他の好適な容器の中に別々に計量注入することによりフィードされる。TPBAはピリジンと反応して、固体TPBP粒子を形成する、すなわち1モルのピリジンと1モルのTPBAが反応して、1モルのTPBPと1モルのアルカリを形成する。形成されるTPBPの一部は母液に溶解し、残りは固体粒子として母液中に懸濁する。形成されるTPBP粒子を含む製品スラリーは、結晶化装置から攪拌タンクにフィードされ、そこで酸が添加されて、アルカリの一部を中和する。
工程の操作時に懸濁液を激しく攪拌するために、反応域に攪拌機が備えられる。用語「激しい攪拌」は、当業界で周知されていることであり、反応器の中への導入時の反応試剤流れの均一かつ概ね急速な混合を確保するように設計されている、反応器中での懸濁液のよく攪拌されかつ連続的な混合を意味するように意図されている。工程の連続運転時、製品流れは、反応域から取り出され、例えば実質的に同時に取り出され、ならびにピリジン含有流れ、TPBA流れ、及び製品流れのフィード流量を調整して、滞留時間が下記に述べるように少なくとも約10分となるように、反応域中の製品スラリーの容積は、予め決めた概ね一定の値で維持される。反応器、結晶化装置または他の好適な容器のサイズと、攪拌機の能力に合わせて反応域中で製品スラリーの好都合な容積を維持することは、満足な結果を生む。
約20ミクロンよりも大きい平均直径と、ガウス型粒子サイズ分布を有する概ね球形に賦型されたTPBP粒子が連続的に一貫して製造可能である。TPBP粒子はフィルターケーキとして回収され、合体されたTPBA流れとピリジン流れのTPBA含量を約3重量%から約5重量%など約1重量%から約6重量%の範囲に維持すれば、回収工程中のフィルターケーキは、濾過、洗浄、および乾燥に関して改善された性質を呈する。
ピリジン含有流れとTPBA流れを導入すること、および製品流れを取り出すことは、連続的に行われなければならないが、この方法は間歇的な方法でも行われ得る。固体TPBPは、濾過によりまたは任意の他の好都合な固体−液体分離方法により製品流れから回収され得る。典型的な装置は、ロータリー真空濾過機、遠心濾過機、およびプッシャー遠心分離機を含む。
温度は形成されるTPBP粒子の特性に影響を及ぼし得る。60℃以上の温度は、製品形態に望ましくない変化を引き起こすことが観察されてきたが、高い温度は、一般に、大きい粒子に有利である。この方法の実施では、反応域の温度、すなわち、反応域における懸濁液の温度は、約20℃から約60℃、例えば約35℃から約45℃の範囲になければならない。
TPBA溶液中のアルカリの濃度は、約0.4から約0.6モルアルカリ/リットル・TPBA溶液などの範囲にわたって変わる可能性がある。TPBA溶液は、約0.6から約0.9モル塩化アルカリ金属塩/リットル・TPBA溶液の範囲の濃度で塩化アルカリ金属塩などの他の成分を含有し得る。
工程を開始するために、固体TPBP粒子の製品スラリーがピリジンとTPBA溶液の間の初期のバッチ沈澱反応により反応容器中で形成され得る。工程の前のバッチまたは連続運転から持ち込まれる製品スラリーも使用され得る。
工程を行うための反応域は、好適な攪拌機または他の混合機付きの結晶化装置であることができる。反応容器(すなわち、反応域)のサイズは、約10分以上、例えば約30分または約1時間の滞留時間(容器中に維持されるスラリーの容積を全容積フィード速度で割ったものとして定義される)を与えるように選択される。攪拌は、攪拌機、または循環ループ、またはその両方の手段により提供可能である。結晶化装置などの反応器容器には、通常、容器の周縁に配置されている内部バッフルが備えられ、ドラフト管が備えられ得る。酸の添加と、それにより必要とされる任意の変更、例えばpHの改変とは別に、結晶化装置の具体的な運転方式は特許文献3に詳述されている。
別な態様においては、望ましい製品結晶特性が維持されるという前提ならば、酸の少なくとも一部または酸の全部は、反応域(例えば結晶化装置)内で添加され得る。
水性母液中に固体TPBP粒子の以前に形成された製品スラリーを含まない態様
本発明の別の態様では、TPBPは、ピリジンを含む流れと、固体TPBP粒子の以前に形成された製品スラリーを母液中に含まない、TPBAの水溶液を含む別の流れをよく混合された反応域、例えば結晶化装置の中に実質的に連続的に添加することを含んでなる方法により製造される。TPBA溶液はピリジンと反応して、固体TPBP粒子を形成する、すなわち1モルのピリジンと1モルのTPBAが反応して、1モルのTPBPと1モルのアルカリを形成する。形成されるTPBPの一部は母液に溶解し、残りは固体粒子として母液中に懸濁する。製品スラリーの流れは結晶化装置から例えば実質的に連続的に取り出されて、結晶化装置中で実質的に一定のインベントリーを維持する。結晶化装置中での製品スラリーの滞留時間は、約10分よりも長く、例えば約30分または約1時間である。反応域からの製品スラリーは、製品スラリーのpHを約8.5と約12、例えば約9.5から約10.5の値に低下させるのに充分な量の、HClなどの任意の非酸化性酸と別な容器中で反応される。酸の濃度は決定的でなく、普通の濃厚な酸、例えば濃HClが使用される。
工程の操作時に懸濁液を激しく攪拌するために、反応域に攪拌機が備えられる。用語「激しい攪拌」は、当業界で周知されていることであり、反応器の中への導入時の反応試剤
流れの均一かつ概ね急速な混合を確保するように設計されている、反応器中での懸濁液のよく攪拌されかつ連続的な混合を意味するように意図されている。工程の連続運転時、製品流れは、反応域から取り出され、例えば実質的に同時に取り出され、ならびにピリジン含有流れ、TPBA流れ、及び製品流れのフィード流量を調整して、滞留時間が下記に述べるように少なくとも約10分となるように、反応域中の製品スラリーの容積は、予め決めた概ね一定の値で維持される。反応器、結晶化装置または他の好適な容器のサイズと、攪拌機の能力に合わせて反応域中で製品スラリーの好都合な容積を維持することは、満足な結果を生む。
約20ミクロンよりも大きい平均直径と、ガウス型粒子サイズ分布を有する概ね球形に賦型されたTPBP粒子が連続的に一貫して製造可能である。TPBP粒子はフィルターケーキとして回収される。
ピリジン含有流れとTPBA流れを導入すること、および製品流れを取り出すことは、連続的に行われなければならないが、この方法は間歇的な方法でも行われ得る。
固体TPBPは、濾過によりまたは任意の他の好都合な固体−液体分離方法により製品流れから回収され得る。典型的な装置は、ロータリー真空濾過機、遠心濾過機、およびプッシャー遠心分離機を含む。
この反応は、室温または約20から約60℃の高い温度で行われる。合体されたTPBA溶液流れとピリジン流れ中のTPBAの全濃度は、約1重量%から約6重量%の範囲、例えば約3重量%から約5重量%に維持される。
TPBA溶液中のアルカリの濃度は、ある範囲、例えば約0.4から約0.6モルアルカリ/リットル・TPBA溶液にわたって変わる可能性がある。TPBA溶液は、約0.6から約0.9モル塩化アルカリ金属塩/リットル・TPBA溶液の範囲の濃度で他の成分、例えば塩化アルカリ金属塩を含有し得る。
工程を行うための反応域は、好適な攪拌機または他の混合機付きの結晶化装置であることができる。反応容器(すなわち、反応域)のサイズは、約10分以上、例えば約30分または約1時間の滞留時間(容器中に維持されるスラリーの容積を全容積フィード速度で割ったものとして定義される)を与えるように選択される。攪拌は、攪拌機、または循環ループ、またはその両方の手段により提供可能である。結晶化装置などの反応器容器には、通常、容器の周縁に配置されている内部バッフルが備えられ、ドラフト管が備えられてもよい。
結晶化装置中のスラリーの滞留時間は、10分よりも長く、例えば約30分または約1時間である。
別の態様では、少なくとも一部または酸の全部は、望ましい製品結晶特性が維持されるという前提で反応域(例えば、結晶化装置)内で添加され得る。
さらに別の態様では、製造はバッチ法で行われ得る。バッチ方式では、フィード成分の少なくとも1つは、他のフィード成分を添加する前に、反応域、例えば結晶化装置に完全に装填される。例えば、結晶化装置にTPBA水溶液を装填し、次にピリジンを含む流れを時間をかけて添加してもよい。あるいは、結晶化装置に水を装填し、TPBA水溶液と、ピリジンを含む流れの両方を時間をかけて同時または実質的に同時に添加してもよい。結晶化装置中のバッチ反応時間は、10分よりも長く、例えば約30分または約1時間である。反応域中で製造される製品スラリーは、製品スラリーのpHを約8.5と約12、
例えば約9.5から約10.5の値に低下させるのに充分な量の任意の非酸化性酸と反応される。酸の濃度は決定的でなく、普通の濃厚な酸、例えば濃HClが使用される。TPBP反応が完結したならば、結晶化装置中で酸を製品スラリーに添加してもよい。あるいは、製品スラリーを結晶化装置から別の容器、例えば攪拌されたタンクにフィードし、そこで酸を添加してもよい。バッチ反応時間、酸の添加、それにより必要とされる任意の変更、例えばpHの改変とは別に、結晶化装置の具体的な運転方式は特許文献2に詳述されている。
内容物スラリーの直径に対する高さの比がほぼ1.0である、1リットルの円筒形容器中ですべての実験を行った。この容器は、離隔付きの4個のバッフルを有し、6枚のブレードタービン攪拌機を備えるものであった。タービンと同一のレベルに2つのフィード点を置いた。攪拌機ブレードの外側の先端と、それと180度離してフィードを置いた。ピリジンを一方のフィード点から添加し、TPBA溶液を第2のフィード点から添加した。製品を容器の頂部からオーバーフローにより取り出して、容器中で比較的一定の容積を維持した。
スラリー製品を次の方法でキャラクタリゼーションして、製品の品質を評価した。
・顕微鏡写真をとって、粒子のサイズと形状を求めた。
・濾過後のケーキ中の水の量を求めるためのケーキ水分
・回収された固体製品の量
湿ったフィルターケーキを秤量することにより、ケーキ水分を求めて、水プラス固体の重量を得、続いて真空オーブン中で乾燥し、再秤量して、乾燥した固体の重量を得た。ケーキ水分を次のように計算した。
ケーキ水分=(湿ったケーキの重量−乾燥した固体の重量)/乾燥した固体の重量
与えられた容積のスラリーから得られる乾燥した固体の量を測定することにより、回収率を求めた。
実施例1(比較例):結晶化+中和せず
この実験では、TPBA(4重量%のトリフェニルホウ素を含有)のナトリウム形の水溶液を8.3cc/分の速度でフィードし、非希釈ピリジンを7.3cc/時でフィードした。これは化学量論に近い混合物に相当し、滞留時間は約1時間であった。結晶化装置の温度を40℃で制御した。4時間の運転の後、スラリーの試料をキャラクタリゼーションした。図1に示すように、得られる製品はまるい粒子からなっていた。表1に実施例1の見出しで追加のデータを示す。
実施例2(比較例):結晶化+後続のpH=7.0への中和
これは実施例1の継続であり、結晶化装置をさらに1時間運転して、中和のためにスラリーを捕集した。このスラリーはTPBP粒子と、溶解したTPBPを含有した。pHを標準のpHメーターにより測定しながら、濃HClを混合しながらスラリーに添加して、苛性(NaOH)を中和した。pHが8.5の値に達すると、固体の著しい凝集が起こった。さらなる酸を添加して、スラリーpHを7.0まで低下させた。次に、スラリーをキャラクタリゼーションした。固体の顕微鏡写真は、図2に示すように、これらが顆粒の形状に形を変えたことを示した。表1にこの実施例に対する追加のデータを示す。HClの添加は、TPBP回収率を12.8%増加させたが、ケーキ水分は3倍増加した。
実施例3(比較例):結晶化+中和せず
この実験では、TPBA(4重量%のトリフェニルホウ素を含有)のナトリウム形の水溶液を8.3cc/分の速度でフィードし、非希釈ピリジンを7.0cc/時でフィードした。これは化学量論に近い混合物に相当し、滞留時間は約1時間であった。結晶化装置の温度を40℃で制御した。4時間の運転の後、スラリーの試料をキャラクタリゼーションした。図3に示すように、得られる製品はまるい粒子からなっていた。表1に追加のデータを示す。
実施例4(本発明例):結晶化+後続のpH=10.0への中和
これは実施例3の継続であり、結晶化装置をさらに1時間運転して、中和のためにスラリーを捕集した。このスラリーはTPBP粒子と、溶解したTPBPを含有した。pHを標準のpHメーターにより測定しながら、濃HClを混合しながらスラリーに添加して、苛性(NaOH)を中和した。pHが10.0に達するまで酸を添加した。粒子の凝集は観察されなかった。次に、スラリーをキャラクタリゼーションした。固体の顕微鏡写真は、図4に示すように、これらが球状の形状であることを示した。表1にこの実施例に対する追加のデータを示す。HClの添加は、TPBP回収率を11.5%増加させたが、ケーキ水分は減少した。
これらの実施例は、スラリーpHを10の値に調整することにより、製品回収率が著しく増加し、望ましい粒子特性が保持されるということを示す。pHを8.5の値以下に低下させることは、回収率の増加をもたらすが、粒子の著しい劣化を伴う。
Figure 0005529045
いかなる優先権文書および/または試験手順も含めて、本明細書に記載または列挙されているすべての文書は、これらが本明細書と矛盾しない範囲で参照により全体で組み込まれている。本開示の形の例示および説明の一方で、前出の全般的な説明および特定の態様から明白なように、本開示の精神および範囲を逸脱することなく、種々の改変を行うことができる。したがって、本発明がそれにより限定されるということは意図されない。

Claims (21)

  1. (A)固体トリフェニルホウ素−ピリジン(TPBP)粒子を含む製品スラリーを激しく攪拌された反応域の水性母液中で準備し;
    (B)激しく攪拌された反応域の中に(i)ピリジンを含む流れと、(ii)トリフェニルホウ素(TPBA)の水酸化アルカリ付加物の溶液を含む流れを別々にフィードして(この場合、合体されたフィード流れ中のTPBAの全濃度は1重量%から6重量%の範囲である)、さらなるTPBPを製品スラリー中で形成し;
    (C)製品スラリーのpHを8.5から12.0の値に調整するのに充分な量の酸を製品スラリーに添加して、;および
    (D)反応域中の前記製品スラリーの容積が実質的に一定に保たれ、製品スラリー中の固体TPBPの濃度が重量%未満の値で維持されるような速度で、前記反応域から製品流れを取り出す
    ことを含んでなる、球状のトリフェニルホウ素−ピリジン(TPBP)を製造するための方法。
  2. 添加される酸の量が製品スラリーのpHを9から12の値に調整するのに充分である、請求項1に記載の方法。
  3. 添加される酸の量が製品スラリーのpHを9.5から11の値に調整するのに充分である、請求項1に記載の方法。
  4. 添加される酸の量が製品スラリーのpHを9.5から10.5の値に調整するのに充分である、請求項1に記載の方法。
  5. 酸が非酸化性酸である、請求項1に記載の方法。
  6. 酸が塩酸、硫酸、リン酸、または酢酸である、請求項1に記載の方法。
  7. 酸が塩酸である、請求項1に記載の方法。
  8. 合体されたフィード流れ中のTPBAの全濃度が3重量%から5重量%の範囲にある、請求項1に記載の方法。
  9. 反応域の水性母液中の固体TPBP粒子の製品スラリーの温度が20℃から60℃の範囲に維持される、請求項1に記載の方法。
  10. 温度が35℃から45℃の範囲に維持される、請求項9に記載の方法。
  11. (A)反応域の中に(i)ピリジンを含む流れと、(ii)トリフェニルホウ素の水酸化アルカリ付加物(TPBA)の溶液を含む流れを別々にフィードして、トリフェニルホウ素−ピリジン(TPBP)を含む製品スラリーを水性母液中で形成し;
    (B)製品スラリーのpHを8.5から12.0の値に調整するのに充分な量の酸を反応域に添加し;
    (C)TPBP粒子を含む前記反応域から製品流れを取り出す
    ことを含んでなる、TPBPを製造するための方法。
  12. 添加される酸の量が製品スラリーのpHを9から12の値に調整するのに充分である、請求項11に記載の方法。
  13. 添加される酸の量が製品スラリーのpHを9.5から11の値に調整するのに充分である、請求項11に記載の方法。
  14. 添加される酸の量が製品スラリーのpHを9.5から10.5の値に調整するのに充分である、請求項11に記載の方法。
  15. 酸が非酸化性酸である、請求項11に記載の方法。
  16. 酸が塩酸、硫酸、リン酸、または酢酸である、請求項11に記載の方法。
  17. 酸が塩酸である、請求項11に記載の方法。
  18. 酸が反応域に添加される、請求項1に記載の方法。
  19. 酸が反応域とは別の容器に添加される、請求項1に記載の方法。
  20. 酸が反応域に添加される、請求項11に記載の方法。
  21. 酸が反応域とは別の容器に添加される、請求項11に記載の方法。
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