JPH061775A - 3,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル−2,5−ジケトピペラジンの精製法 - Google Patents

3,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル−2,5−ジケトピペラジンの精製法

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JPH061775A
JPH061775A JP15652592A JP15652592A JPH061775A JP H061775 A JPH061775 A JP H061775A JP 15652592 A JP15652592 A JP 15652592A JP 15652592 A JP15652592 A JP 15652592A JP H061775 A JPH061775 A JP H061775A
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JP
Japan
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tyrosine
dkp
tyr
hydroxyphenyl
bis
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JP15652592A
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Inventor
Akinori Nagatomo
昭憲 長友
Masanobu Ajioka
正伸 味岡
Teruhiro Yamaguchi
彰宏 山口
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 夾雑物としてチロシンを含む、3,6−ビス
[(ヒドロキシフェニル)メチル]−2,5−ジケトピ
ペラジンを精製することを目的とする。 【構成】 夾雑物として少なくともチロシンを含む3,
6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2,
5−ジケトピペラジンをアルカリ水溶液に溶解した後、
酸を加えてpHを調整することにより、3,6−ビス
[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2,5−ジケ
トピペラジン結晶を析出させることを特徴とする3,6
−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2,5
−ジケトピペラジンの精製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、3,6−ビス[(4−
ヒドロキシフェニル)メチル]−2,5−ジケトピペラ
ジン(以下、Tyr−DKPと略称)の精製法に関する
ものである。さらに詳しくは、少なくとも夾雑物として
チロシンを含むTyr−DKP粗結晶の精製法に関す
る。Tyr−DKPはチロシン2分子が縮合、環化した
化合物であり、ジフェノール化合物としてポリマー原料
等に用いられる。
【0002】
【従来の技術】一般に、2,5ージケトピペラジン類は
アミノ酸メチルエステルを加熱するか、または、ジペプ
チドエステルを加熱することにより得られる。Tyr−
DKPについても、チロシンメチルエステルを無溶剤で
加熱する方法(米国特許第3763091号)や、チロ
シル−チロシンメチルエステルを0.1M酢酸/2ーブ
タノール中で加熱する方法(Chem.Pharm.B
ull.29(1)1981)等が知られている。ジペ
プチドエステルを原料とする方法は原料を合成するのに
数ステップを要し、経済的でない。一方、チロシンメチ
ルエステルを加熱する方法は、チロシンが副生するた
め、分離精製操作が必要である。米国特許第37630
91号には、粗結晶を希塩酸で洗浄した後、アンモニア
水に溶解し煮沸した後、アンモニアを除去しながらTy
r−DKPを析出させる方法が記されているが、収率が
低く、純度は悪いものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、夾雑物とし
て少なくともチロシンを含むTyr−DKPを精製する
Tyr−DKPの効率の良い精製法を提供するものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、Tyr−
DKPの精製法について鋭意検討した結果、夾雑物とし
て少なくともチロシンを含むTyr−DKPから、チロ
シン含有量の少ないTyr−DKPが得られることを見
いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明は、少なくとも夾雑物として
チロシンを含むTyr−DKP粗結晶をアルカリ水溶液
に溶解した後、酸を加えてpHを調節して晶析すること
を特徴とするTyr−DKPの精製法を提供するもので
ある。
【0006】本発明においてTyr−DKPをアルカリ
水溶液に溶解する際に使用される塩基としては、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムに代表されるアルカリ金属
水酸化物等の無機塩基や、アンモニアあるいはピリジ
ン、トリエチルアミン等の有機塩基が好ましい。
【0007】使用する塩基の量は、少なければTyr−
DKPの溶解度が不十分になり、多すぎるとpHを調整
して析出、単離したTyr−DKPに多量の塩が混入す
ることになり、好ましくない。通常、使用する塩基の割
合は、粗結晶中のTyr−DKPとチロシンに含まれる
フェノール性水酸基に対して1〜2当量比用いられる。
【0008】Tyr−DKPをアルカリ水溶液に溶解す
る濃度は1.0wt%ないし20.0wt%程度であ
る。これ以下の濃度では晶析効率が著しく低下する。ま
た、これより高いと、pHを調整した時Tyr−DKP
がスラリー状で析出するために攪拌が困難になる。好ま
しくは、5.0〜20.0wt%である。
【0009】Tyr−DKPをアルカリ水溶液に溶解す
る温度は、濃度にもよるが通常、5℃〜50℃である。
これ以上では、Tyr−DKPの加水分解が起こり得
る。
【0010】本発明において使用される酸は、塩酸、硫
酸、硝酸、燐酸等の鉱酸が好ましい。
【0011】加える酸は、局部的なpH低下によるTy
r−DKPの加水分解を避けるため、水溶液として加え
るのが良い。加える酸の濃度は特に限定されないが、低
すぎると、大量の水溶液を使用することになり、収率の
低下を招く。通常、1N〜5N程度の酸を使用するのが
良い。
【0012】本発明において、Tyr−DKPを析出さ
せるpHは10.5〜9.5が好ましい。これより低い
pHではチロシンの溶解度が急激に下がり、析出した結
晶に混入するチロシンの量が増加する可能性が高くな
る。このような場合でも晶析濃度を低くすれば、チロシ
ン混入量を低く抑えることができるが、収率は低くな
る。また、これより高いと、Tyr−DKPの溶解度が
大きくなり収率が低下する。より好ましくは、10.5
〜10.0が良い。
【0013】晶析の際の温度は、通常、5℃〜30℃で
行われる。これより高いとTyr−DKPの加水分解が
起こり、また、温度が低いとチロシンの溶解度が下が
り、析出した結晶中に含まれる量が増加する。より好ま
しくは10〜25℃が良い。
【0014】析出したTyr−DKPは濾過、遠心分離
等の固液分離操作で単離することが出来る。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明は実施例にのみ限定されるものではない。
【0016】実施例1 チロシンメチルエステル50g(0.256mol)を
無溶剤で135〜140℃に加熱し、70mmHgの減
圧下、7hr反応させてTyr−DKP粗結晶43.6
gを得た。この粗結晶には31.17gのTyr−DK
P(0.095mol)と6.98gのチロシン(0.
039mol)を含む。該粗結晶を0.267molの
NaOHを含むNaOH水溶液646.0gに溶解した
(Tyr−DKP4.5wt%)。該溶液に1NのHC
lを滴下し、pHを10.5に調整して、2hr熟成し
た後、濾過、水洗、乾燥し、21.1gの結晶を得た。
該結晶を高速液体クロマトグラフィーで分析したとこ
ろ、純度98.8%であり、含まれているチロシンは
0.7wt%であった。原料チロシンメチルエステルに
対する収率は51.7%であった。
【0017】実施例2 チロシンメチルエステル30g(0.154mol)を
無溶剤で135〜140℃に加熱し、70mmHgの減
圧下、7hr反応させてTyr−DKP粗結晶25.8
gを得た。この結晶にはTyr−DKP18.54g
(0.057mol)とチロシン3.97g(0.02
2mol)を含む。この結晶を0.158molのNa
OHを含む水溶液979.1gに溶解(Tyr−DKP
1.8wt%)した後、1N塩酸を滴下してpHを1
0.22に調整して、2hr熟成した後、濾過、水洗、
乾燥し、14.77gの結晶を得た。この結晶を高速液
体クロマトグラフィーで分析したところ、純度95.8
%であり、含まれているチロシンは1.37%であっ
た。原料チロシンメチルエステルに対する収率は56.
4%であった。
【0018】実施例3 チロシンメチルエステル1.8g(9.2mmol)を
無溶剤で135℃〜140℃に加熱し、70mmHgの
減圧下、4hr反応させてTyr−DKP粗結晶1.5
4gを得た。この結晶はTyr−DKPを0.99g
(3.03mmol)とチロシンを0.265g(1.
46mmol)を含む。この結晶を9.4mmolのN
aOHを含む水溶液24.8gに溶解(Tyr−DKP
3.76wt%)し、1N塩酸を滴下してpHを10.
0に調整して晶析し、2hr熟成した後、濾過、水洗、
乾燥し、0.85gの結晶を得た。この結晶を高速液体
クロマトグラフィーで分析したとろ、純度96.2%で
あり、含まれているチロシンは0.87wt%だった。
原料チロシンメチルエステルに対する収率は54.4%
であった。
【0019】比較例1 チロシンメチルエステル19.6g(0.10mol)
を無溶剤で135℃〜140℃に加熱して70mmHg
の減圧下、7hr反応させて得られたTyr−DKP粗
結晶17.21gを得た。この結晶はTyr−DKPを
13.42g(0.041mol)とチロシン3.23
g(0.0178mol)を含む。この結晶を0.10
4molのNaOHを含む水溶液1150gに溶解(T
yr−DKP1.15wt%)した後、1N塩酸を加
え、pHを8.0に調整して晶析し、2Hr熟成した
後、濾過、水洗、乾燥し、9.37gの結晶を得た。こ
の結晶を高速液体クロマトグラフィーで分析したとこ
ろ、純度は95.3%であり、含まれているチロシンは
2.70wt%であった。原料チロシンメチルエステル
に対する収率は54.5%であった。
【0020】比較例2 チロシンメチルエステル3.35g(0.017mo
l)を無溶剤で135℃〜140℃に加熱し、70mm
Hgの減圧下、7hr反応させて得られたTyr−DK
P粗結晶3.0g(Tyr−DKPを1.9g含む)を
33mlの0.3N塩酸で3回洗浄した。この結晶を8
5mlの28%アンモニア水に溶かした後、加熱してア
ンモニアを留出させ、得られた沈澱を濾過、水洗、乾燥
し、1.37gの結晶を得た。この結晶を高速液体クロ
マトグラフィーで分析したところ純度90.8%であ
り、含まれているチロシンは9.2wt%であった。原
料チロシンメチルエステルに対する収率は44.4%で
あった。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、夾雑物として少なくと
チロシンを含むTyr−DKPからチロシンを除去し、
高純度のTyr−DKPを得ることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 夾雑物として少なくともチロシンを含む
    3,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−
    2,5−ジケトピペラジンをアルカリ水溶液に溶解した
    後、酸を加えてpHを調整することにより、3,6−ビ
    ス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2,5−ジ
    ケトピペラジン結晶を析出させることを特徴とする3,
    6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2,
    5−ジケトピペラジンの精製法。
  2. 【請求項2】 pHを10.5〜9.5に調整して晶析
    することを特徴とする請求項1記載の精製法。
  3. 【請求項3】 アルカリ水溶液に使用する塩基の割合
    が、粗結晶中の3,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニ
    ル)メチル]−2,5−ジケトピペラジンとチロシンに
    含まれるフェノール性水酸基に対して1〜2当量比であ
    る請求項1記載の精製法。
  4. 【請求項4】 アルカリ水溶液に溶解する際の濃度が
    1.0wt%〜20.0wt%である請求項1記載の精
    製法。
  5. 【請求項5】 晶析温度が10℃〜25℃である請求項
    1記載の精製法。
JP15652592A 1992-06-16 1992-06-16 3,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル−2,5−ジケトピペラジンの精製法 Pending JPH061775A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011511092A (ja) * 2008-02-07 2011-04-07 インビスタ テクノロジーズ エス エイ アール エル トリフェニルホウ素−ピリジン化合物の改善された製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011511092A (ja) * 2008-02-07 2011-04-07 インビスタ テクノロジーズ エス エイ アール エル トリフェニルホウ素−ピリジン化合物の改善された製造方法

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